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【発明の名称】 雑食性海水魚または植物食性海水魚用の海藻餌
【発明者】 【氏名】佐藤 正明

【要約】 【課題】本発明は、雑食性海水魚または植物食性海水魚用の釣り餌の提供を課題とする。さらに詳しくは海藻からなる単独または撒き餌と同調して使用することが出来る雑食性海水魚または植物食性海水魚用の効果的な釣り餌の提供を課題とする。

【解決手段】核となる物質に海藻を付着させ密生するように培養、あるいは養殖することで、本発明の海藻餌を得ることが出来る。本発明の海藻餌は、雑食性海水魚または植物食性海水魚を対象とした釣りにおいて利用することが出来る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
餌となる海藻を立体的な核となる物質に付着させてなる海水魚用餌料。
【請求項2】
立体的な核となる物質が、親水性が高く、釣り針に通す事が可能かあるいは釣り針掛けが可能である請求項1に記載の餌料。
【請求項3】
餌となる海藻が、紅藻綱、緑藻綱または褐藻綱に属する海藻である請求項1に記載の餌料。
【請求項4】
紅藻綱に属する海藻が、ウシケノリ科アマノリ属に属する海藻である請求項3に記載の餌料。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
雑食性海水魚は、緑藻、紅藻、褐藻の海藻などの植物性食物と小魚、貝類、エビ、カニ、ヤドカリ、ゴカイなどの動物性食物を就餌し、植物食性海水魚は、海藻を就餌し活動する。これらのメジナ、クロダイ、マダイ、アイゴ、ブダイなどの海水魚を釣上げる場合、オキアミなどの動物性の餌を針掛けし釣上げるのが一般的である。釣り方は、竿とリールの道具を利用し、リールに道糸、ウキ、サルカン、ハリス、釣り針の仕掛けを取り付けるウキ釣りである。ウキと釣り針の間にオモリを取り付けることもある。季節や釣り場の環境、対象となる魚の種類や大きさに応じて釣る道具や仕掛けを選択する。道具に仕掛けの取り付けが終ると主に半解凍したオキアミを刻んだ寄せ餌、あるいは刻んだオキアミを配合飼料と海水と混ぜ合わせた寄せ餌を柄杓で海に終日投げ入れ、対象魚をおびき寄せ、その寄せ餌と同調するように釣り針に刺した餌(以下、サシエと言う。)を投入し対象となる魚の生息する層(以下、タナと言う。)を合せ、寄せ餌の中に混雑させたサシエに食い付かせる釣り法である。サシエは、寄せ餌と同じオキアミであるが、対象魚のアタリを良くするため冷凍ではなくほとんどの場合生のオキアミを、稀に煮たオキアミを使用する。
【0002】
しかし、生のオキアミは、対象魚だけでなく餌取り魚と呼ばれる対象魚以外の魚などのアタリも良く、すぐに釣り針から餌取り魚により食われる難点がある。煮たオキアミを使用する場合には、海水面に浮かぶものがあるため、釣りの前日から海水に浸け、海水を含ませ沈むようにしなければならない。これらのオキアミが海中で回転するのを防ぎ、またハリスの巻きぐせを避けるために生、煮たオキアミとも、その尻尾を切らなければならない。オキアミは仕掛け投入時や海中で釣り針から外れやすいため、身の締まりが良く堅いオキアミを選ばなければならず、使用した釣り針に合せた大きさのサシエを使わなければ、仕掛けを海中に投入する時に釣り針から外れるばかりでなく、釣り針自体を隠せず、対象魚に釣り針を警戒させ食いを悪くする。また、餌取り魚は、光るものに反応するものが多いため、餌で完全に隠されていない釣り針の一部が光に反射することで、餌取り魚を余計におびき寄せサシエを食われ対象魚を釣上げるのを更に難しくている。これらに注意をしながら、ウキ、道糸、ハリス、釣り針、サシエ、オモリの重量を利用して目標とする地点にサシエを投下し、海中を沈むサシエを寄せ餌と同調するように目標とするタナに到達させアタリを待つのである。しかし、この釣り方法の根本には、解決できない大きな問題がいくつかある。
【0003】
初めに、サシエを投下する間に釣り針から外れた場合、釣り人がこの事を認識出来るのは、海中から引き上げ目視した時である。サシエが釣り針から外れている間でもアタリを待つ釣り人は、サシエのあるタナに対象とする魚が元々いないのか、サシエのタナが間違っているのか、サシエと寄せ餌が同調していないのか、サシエが既に餌取りに食われているのか、サシエがすでに釣り針から外れているのか、対象とする魚のアタリを見逃したのかなどを確認できないだけでなく、全く無駄な時間を過ごすこととなる。
【0004】
次には、投下されたサシエが海中を沈みタナに到達する間に対象以外のアジ、サバ、イズスミ、タカベ、アカジャコ、スズメダイ、キタマクラ、フグなどの魚、あるいは対象魚であっても小型の魚などの餌取り魚により餌を食われる可能性が高いという、初め以上に解決困難な問題がある。寄せ餌を打つ地点を替えたり、寄せ餌の沈む速度を調整したり、寄せ餌と仕掛けを投下する頃合いを調整したりして餌取り魚にサシエを食われない工夫をするが、対象魚を釣上げるまでにはかなりの回数の寄せ餌とサシエの投下が必要である。この釣り方法では寄せ餌が目標地点に達する頃をみはかり、潮や風などの自然条件を考慮に入れながらサシエを投入する時と投入したサシエが目的とするタナに到達するまでの時間を合わせるという熟練の技術を要求される。
【0005】
さらに、目標地点へサシエを投入する場合、道糸、ウキ、サルカン、オモリの重さを利用して投下するが、道糸の場合、風による影響を少なくするために、海水面に浮かぶ浮力の大きい道糸ではなく、浮力の小さい海水中に沈む道糸を使用する。また、ウキ、オモリ、サルカン、釣り針も重いものを使用するが、仕掛けの先端の釣り針と餌だけでは自重が足りず投下する時にハリスが絡まることが多い。従って特に風が強い場合、雨が降っている場合などには投下する時にハリスが絡まり、潮の流れが強い場合には海中でハリスの絡まりが多く発生する。また、これらの状況下では、海中での餌の沈みが悪くなるので、サシエが寄せ餌と同調するように海中で目標とするタナに到達させるのにウキと釣り針の間にオモリを付ける必要が出てくる。しかし、ウキは対象魚の口当りをよくするために出来るだけ小さくするのが最良であるのに反して、オモリに応じてウキを大きくせざるをえないため、対象魚のアタリが取り難くなる。また、狙うタナまで早くサシエを沈ませる場合や深いタナにサシエを落とす場合に道糸、オモリも重くする必要があるため、対象魚の警戒心を強くし、サシエへの食い付きが悪くなる問題がある。特に潮の流れが強い時には、対象魚にあわない大きさの釣り針にしてまでもシカケ全体を重くしハリスの張りをよくすることがアタリをよくするために重要であるが、サシエが釣り針から外れやすくなるという問題もある。
【0006】
使用されるオモリの重さは、各製造者により異なるが、一応の目安としてハリスに付けるガン玉と呼ばれる丸いつぶしオモリでは、各0.55g、0.85g、1.00g、1.30g、1.65g、1.90gくらいまで分かれている。これを目標とするタナにあわせてウキを調整し、1個−2個程度ハリスに付ける。またウキの重さでも投入する距離を調整するため、3−5gの重さのウキで約5m、6−8gで15m、7−10gで20m、10gで30mを目安としている。この釣法において対象魚のタナを把握することと魚のアタリを敏感にウキに反応させるために道糸、特にハリスのたるみをなくし、張りを与えることが重要である。オキアミのような軽量の餌ではオモリを付けなければ張りを作り出す事が出来にくいが、付けると対象魚はオモリの存在に違和感を持つことになる。
【0007】
また、動物性の餌を釣り針に掛けるのに不潔感を感じる人もいる。動物性の餌に変わり、このウキ釣りと同じ道具と仕掛けで、海藻を針掛けして釣る方法も行われているがごく稀である。その場合には潮間帯に生育するアオノリなどを海岸から採取した後、数枚−数十枚を単に釣り針にかけるか、投下する時に釣り針から落とさないために綿糸などを巻き付け餌として使用する。しかし、その採取に手間と時間がかかり危険であること、その採取の間に対象とする魚が採集する人の気配を察知し警戒すること、釣り針に掛けた海藻が投入時や海水中で外れやすいこと、海藻が釣り針全体を隠すことが難しくアタリが悪いことなどが問題となり、本来の食性の一つである海藻はほとんど使用されていない。
【0008】
本発明者が実際に生の海藻を糸で巻きつけてみた場合、葉状体のぬめりと柔らかさで糸を巻き付けにくく時間がかかるだけでなく、海水中で葉状体の開き方が一様でないため、釣り針のない葉状体の部分を食べられ、魚を針掛かりさせにくかった。また乾燥した海藻を使用し、釣り針が隠れるように糸をまきつけて海水に入れた場合でも葉状体が非常に開きにくく、開いてもいびつな形になり魚を針がけ出来なかった。また生の葉状体、乾燥した葉状体の両方とも軽く投下しにくく、前に記述したような問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような問題を解決すべく、雑食性海水魚または植物食性海水魚用の釣り餌の提供を課題とする。さらに詳しくは海藻からなる単独または撒き餌と同調して使用することが出来る雑食性海水魚または植物食性海水魚用の効果的な釣り餌の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記のような多くの問題を解決するためになされたものであり、次のとおり雑食性海水魚または植物食性海水魚用の餌に関する。 即ち、本発明は、
(1)餌となる海藻を立体的な核となる物質に付着させる海水魚用餌料。
(2)立体的な核となる物質が、親水性が高く、釣り針に通す事が可能かあるいは釣り針掛けが可能である上記(1)に記載の餌料。
(3)餌となる海藻が、紅藻綱、緑藻綱、褐藻綱に属する海藻である上記(1)に記載の餌料。
(4)紅藻綱に属する海藻が、ウシケノリ科アマノリ属に属する海藻である上記(3)に記載の餌料に関する。
本発明の釣り餌は、雑食性海水魚または植物食性海水魚の餌となる海藻を、核となる物質に付着させ密生するように培養し、あるいは養殖した釣り餌であり、釣り針を通すかあるいは釣り針掛けすることが可能である。
【0011】
本発明で使用する海藻には、紅藻綱、緑藻綱、褐藻綱を用いることが出来、紅藻綱ウシケノリ科に属する海藻を用いることが好ましい。このうち特にアマノリ属に属する海藻を用いることが望ましい。アマノリ属に属する海藻のうち、スサビノリ、アサクサノリ、クロノリ、マルバアマノリ、ツクシアマノリ、オニアマノリ、ウタスツノリ、イチマツノリ、コスジノリ、ウップルイノリ、チシマクロノリ等が用いられる。また緑藻綱ではアオノリ属、ヒトエグサ属、アオサ属、褐藻綱ではハバノリ属を用いることが望ましい。
【0012】
アマノリ属の生活循環は、冬から春にかけて成熟した葉状体の縁部に造精器と造果器の生殖細胞を雌雄同一株、異株の葉状体に作り出す。受精した造果器は分裂し嚢果に変化し、果胞子を放出する。果胞子は貝殻などの石灰質に穿入し、糸状体を春から秋に成長させる。糸状体は殻胞子を作り、放出する。放出された殻胞子は、物に付着し、発芽する。ある程度成長した発芽体の先端が単胞子となり放出される。この殻胞子と単胞子が、秋から冬に成長し葉状体に成長し生活循環を繰り返す。アマノリ属の海藻から殻胞子を培養液中に放出させるには、葉状体の成体から出された殻胞子を利用する方法を用いたが、貝殻中の糸状体から出る殻胞子を利用する方法なども用いることも出来る。殻胞子を放出しない雌雄異株のアマノリ属では、果胞子を用いることも出来る。
【0013】
紅藻のアマノリ属のうち、スサビノリを用いることが望ましい。スザビノリとして、15℃から18℃で培養したスサビノリを用いることが出来る。スサビノリは、乾燥に強いため、餌として使用可能な大きさまで成長したものを乾燥、冷凍保存する事が出来るという利点がある。冷凍保存する時には、培養液から上げた核物質に付着した海藻を約20−40%の重量まで乾燥させ、-20℃−-30℃で保存する事が出来る。この清浄な葉状体を、300mlの三角フラスコ内25℃の温度の培養液中に移し、白色蛍光燈下500から1000ルックスで3−4日培養し2万−3万個/mlまで殻胞子を放出させ、18℃に冷却した殻胞子液をつくることが出来る。
【0014】
核となる物質は、親水性(ここでは水に馴染みやすい性質をいう。以下、同じ)の高い物が最適である。親水性の高いガラスが殻胞子の付着が良く葉状体を密生させるには適当であり、クリスタルなども使用出来るが、ゴムは望ましくない。また、ノリの養殖に用いられるビニロン樹脂のように殻胞子の付着が良く、柔らかい物質を核として用いることが出来る。核となる物質の形状は、立体物で立方体や直方体のように胞子液中で安定し、殻胞子の付着を核となる物質の上部に平面的に助けるものが望ましい。海藻の乾燥保存の工程で仮根部が核となる物質から離脱する可能性があるため、核となる物質の横に溝を入れ生の葉状体の横に糸を巻き付けて保存する点からも、立方体、直方体の形状のものが、糸を巻き付けやすく望ましい。また、この釣り餌を釣り針掛けする時にもこれらの形状のものが針掛けしやすく望ましい。核となる物質の素材が柔らかい物であれば、丸めて成形することで利用でき、また穴のあいたビーズを用いることも出来る。核物質をガラスとした場合、8mm角の物で、0.8g−1gあれば十分にオモリとしての働きをするが、核物質の重量の違いにより核物質の水中での沈む速度を制御することが可能であるので、核物質の重量以上にオモリとしての機能を加える場合には、鉛などの金属を核とし、ガラスや化学繊維で表面加工したものが可能であり、化学繊維ではビニロン樹脂などの吸水率の高い物がその付着を高めるため、効果的である。
【0015】
核としてビーズを使用する場合、針への餌の取り付けやすさと共に、餌の針はずれを少なくすることが重要である。従って釣り針を通すことの出来るガラス製のビーズを核となる物質として使用し、ビーズの穴にはゴムを詰め、あるいは、ビーズの穴中の表面にゴムを加工したものを使用することが望ましい。これにより、殻胞子の付着がゴムの部分には見られず、釣り針を掛ける時にその穴が見やすく、針がけを容易にするとともに、固定による針はずれを防止する。これらの核となる物質および穴のゴムは、海藻と同色のものが望ましい。
【0016】
本発明に使用する釣り針を図1に示す。また本発明で使用する立方体で中に透孔のあるビーズを図2に示す。Aはビーズの孔の口径を、Bはビーズの高さ(長さ)をそれぞれ示す。殻胞子を付着させるために、核となるビーズおよび小さなビーズを釣り糸につなげた様子を図3に示す。Cは核となるビーズを、Dは小さなビーズをそれぞれ示す。本発明に使用する海藻のひとつであるスサビノリを図4に示す。また、図5〜7に本発明の海藻を付着した立体的な核となる物質を釣り針に通した本発明の実施態様及びオキアミを用いた従来の実施態様を示す。図5は側面図を、図6は正面図を、図7は下視図を示す。なお、(1)は釣り針を、(2)は、本発明の餌料を、(3)は釣り針を通す貫通孔を、(4)はゴムを、(5)は釣り糸を示す。
【0017】
核となる物質にガラスのビーズを用いる場合、殻胞子の付着を高めるために、少なくとも2−3回蒸留水で表面を洗浄したあと、培養液と同じ液に2−3日浸漬し慣らしておくと良い。殻胞子の付着にあたっては図3に示すように、核となるビーズが重ならないように小さめのビーズを海藻を付着させるビーズの間に挟むと良い。この場合、小さなビーズが核となるビーズの側面を隠す箇所にはゴムなどが当たるようにする。この小さいビーズも釣り糸を通すため、あらかじめ表面を洗浄し、核となる物質と同じように取り扱う。ビーズへの海藻の殻胞子を可能な限り多く付着させるため、胞子液中に漬け、水平に吊るし、胞子液を浸け、軽く攪拌させながらガラス上部面に他の面より多く付着させると良い。ビーズを浸漬する時間は、少なくとも3時間以上で24時間置くのが望ましい。ビーズに付着させた殻胞子を培養する水温は10℃−20℃で18℃が望ましい。照明は、3000ルックスで1日10時間の照射を行い、残りの14時間は照射せず、乾燥を防ぐため一度別の培養液中を通過させた空気により1分当たり6リットルで通気攪拌を行うと良い。培養液は栄養塩を供給し繁茂させるために、3日−4日に一度新しいものに替え、約3週間−4週間で葉状体の長さが1cm以上に達し、海水魚の餌として使用する事が出来る。対象魚に警戒されずに食い付かせるように釣り針を隠すため、核となる物質に可能な限り多くの殻胞子を付着させ、発芽させ繁茂させ、海水中で葉状体を花開いたように広がらせるのがよいが、釣り針の長さ以上に成長した葉状体を使用する場合には、針の上の部分に魚が食い付いても針掛かりしないため、その長さを調整するのが望ましい。これには、葉状部の上部を切るか、あるいは糸で望む大きさに丸められることが出来る。
【0018】
本発明は、室内培養から実施されている。これは、公有水面を使用するのり養殖には許可が要るため一般の個人には海で養殖するのが不可能であるためである。しかし、本発明は野外の海で核となる物質に海藻を付着させ、雑食性海水魚あるいは草食性海水魚の海藻餌として使用する基礎となり得る。たとえば、核となる物質にビーズ状のガラスを用い、重なることのないように小さなビーズをガラスの間に糸でつなぎ、殻胞子液中に浸漬したものをのり養殖場のひびに括り付けることで対象となる海藻餌をつくることが出来ると考えられる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の雑食性海水魚または植物食性海水魚用の海藻餌は、核となる物質に海藻を付着させ密生するように培養、あるいは養殖した釣り餌であり、本発明の釣り餌を用いた釣り法は、撒き餌を必要とせず単独で行うことが出来る。即ち本発明の雑食性海水魚または植物食性海水魚用の海藻餌は、次の利点を有し、雑食性海水魚または植物食性海水魚を対象とした釣りにおいて有用である。
【0020】
1.オキアミの釣り針掛けのように手間がかからず、核となる物質に穴があいているビーズ状のためそのまま釣り針に簡単に脱着可能で、核となる物質が釣り針の返しとビーズの穴にあるゴムに抑えられ釣り針からほとんど外れることなく仕掛けを投入でき、海水中で海藻の葉状体が釣り針全体を覆い隠す事が出来る。
2.動物性食性の餌取り魚は、この海藻餌の動きに興味を示しても口を使い就餌することがなく、海藻を食べられることなく餌取り魚のタナを通過し、目標とする対象魚のタナに到達させることが可能で、撒き餌が必要でないかあるいは撒き餌とサシエの浪費が少なく、対象魚を釣上げるための時間を節約でき効率的な釣りが可能となる。従来の釣り法は、サシエを先に投下すれば餌取り魚にサシエを取られてしまうため、撒き餌を海に入れ、サシエを投下し、撒き餌に同調させるようにサシエを操らなければならなかった。しかし、この餌は、サシエとなる海藻に動物性食の餌取り魚が就餌をしないため、目標とするタナに撒き餌を海に投入し、対象魚をおびき寄せる従来の釣り法とは全く反対に、撒き餌なしで対象魚を釣上げることを可能とする効率的な釣り餌の釣り法である。
【0021】
3.動物性餌や今までの海藻だけを釣り針に付けるだけでは、自重が小さいため、投下する時、海水中でハリスに絡まりを発生しやすいが、本発明では海藻を付着させる核となる物質自体に重さがあるためにハリスが絡まりにくく、オモリを取り付けなくてもタナまで早く沈ませることが可能となる。また、本発明は、核となる物質の重さを変更可能で、海水中での沈む速度を制御し、目的とするタナに従来のおもりにあわせて落下するのではなく、主に核となる物質と餌自体が沈むため、従来の釣り法よりも目標とするタナに早く到達することが可能となる。従って、そのタナの深度に対する反応がより早く、かつ正確に現われる。つまり従来の方法では、目的とするタナに到達する以前の上方で対象魚が食いつく可能性がこの海藻餌を使用する釣り法より高いため、タナが正確であるかどうか確認しにくいが、本発明の餌は、早く目標とするタナに到達し、そのタナの深度が適正であるかの反応を確認しやすい。
【0022】
4.海藻を付着させた核となる物質自体に重さがあるため、オモリを使わずにハリスに張りを作り出しやすく、対象魚に違和感を持たせにくいため、餌にたいする警戒を従来の釣り法よりも少なく出来る。また対象魚はハリスの張り切った状態の餌に食い付きやすいが、その状態を作り出すためにはサシエがその最下部に達した時まで待つ必要があり、従来の釣り法では潮流などの影響で時間がかかるため、その状態に達するのは困難である。しかし、本発明は核となる物質そのものに重さがあるため、ハリスを張り切る状態を作り出しやすく、餌を食いつかせる確率が高くなる。
【0023】
5.従来からの釣り法は、数百−数千の切断されたオキアミや配合飼料を混ぜたものに誘導された対象魚はその中から大きさ5mm−10mm程の大きさの平面的オキアミを口にして針かがりするという確率の低い釣り法である。しかし、本発明は本来の食性とする海藻を餌にしており、核に付着させた海藻が海水中で釣り針を隠すように立体的に広がり、対象魚の視覚に側面、正面、下面から見て高い確率で視野に入るため(図4〜6参照)、餌を食いつかせやすくなる。また、オキアミや配合飼料の餌にすれている対象魚にも効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に本発明の実施例を詳細に示すが、本発明はこれらに限定されない。
【実施例1】
【0025】
(1)培養液の調製
培養液は、採水し濾過した海水に窒素、リン、カリウムに微量金属を加えたものを用いた。採水した海水は、比重を1.020以上に調整し、暗所に3日間静置し、10μm、1μmで濾過した後、0.22−0.45μmのフィルターで順次濾過し、滅菌し、オートクレーブで滅菌処理した。この濾過、滅菌した海水1000mlに対して次の栄養補強剤20mlを添加したものを培養液として使用した。
栄養補強剤:
純水60mlに、NaNO3350mg、グリセロ燐酸ナトリウム50mg、Fe(EDTAと1:1のモルで混和)2.5mg、PII金属混液 25ml、ビタミンB12 0.01mg、チアミン0.5mg、ビオチン0.005mg、
トリス500mgを加え、pHを7.8−8.0に調整しあとで純水を加え全体で100mlにした。
PII金属混液(100ml):
Na2EDTA 100mg、FeCl3・6H2O 5mg、H3BO3 100mg、MnCl2・4H2O 14mg、ZnCl2 1mg、CoCl2・6H2O 0.4mgから調製した。
【0026】
(2)次に15℃で培養していたスサビノリの清浄な葉状体を、300mlの三角フラスコ内25℃の温度の培養液中に移し、白色蛍光燈下500ルックスで3日培養し2万個/mlまで殻胞子を放出させ、18℃に冷却した殻胞子液を作成した。核となる物質は、釣り針を通すことの出来る穴の開いたガラス製のビーズ(8mm角、0.8g)を使用し、ビーズの穴にはゴムを詰め、殻胞子の付着を高めるために、2回蒸留水で表面を洗浄したあと、培養液と同じ液に2日浸漬し慣らしておいた。ガラスが重ならないように、あらかじめ表面を洗浄し核となるビーズと同様の処置をした小さめのビーズ(2mm)を、海藻を付着させるビーズの間に挟み、釣り糸を通した。殻胞子のガラスへの付着を可能な限り多く付着させるため、水平に胞子液中に吊るし、核となる物質を殻胞子液中から出さないよう注意して3時間浸け、胞子液を軽く攪拌させながらガラス上部面に他の面より多く付着させ殻胞子の付着と発芽を高めた。
【0027】
(3)ガラスに付着させた殻胞子は水温18℃で培養した。3000ルックスの照明で1日10時間の照射を行い、残りの14時間は照射をしなかった。通気攪拌は、乾燥を防ぐため一度別の培養液中を通過させた通気により1分当たり6リットルで行った。培養液は栄養塩を供給し繁茂させるために、4日に一度新しいものに替え、約3週間−4週間培養した。核となるビーズを葉状体の長さが1cm以上に達した段階で取り出し、海水魚の餌とした。釣り針の長さ以上に成長した葉状体は、葉状部の上部を切るか、あるいは糸で望む大きさに丸めた。
(4)上記の釣り餌を図1の釣り針の所定の箇所に1つまたは数個を並べて、餌料の孔を通して図5−図7のようにし、雑食性海水魚または植物食性海水魚を釣ることが出来た。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の海藻餌は、その構造より1.脱着に手間がかからず、かつ外れにくく、2.動物性食の餌取り魚の就餌を避け、目標とする対象魚のタナに到達させることが可能であり、3.変更可能な核となる物質自体に重さによりハリスが絡まりにくく、オモリを取り付けなくてもタナまで早く沈ませることが可能となり、4.またこれにより、ハリスの張りにより対象魚に違和感を持たせにくく、5.餌が本来の食性とする海藻であり、海藻が海水中で釣り針を隠すように立体的に広がり、対象魚の視覚に高い確率で視野に入るため、釣上げやすくなるという利点を有する。従って、本発明の雑食性海水魚または植物食性海水魚用の海藻餌は、雑食性海水魚または植物食性海水魚を対象とした釣りにおいて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明で使用する釣り針の側面図を示す。
【図2】本発明で使用するビーズの斜視図を示す。
【図3】殻胞子を付着させるために核となるビーズをつなげた図を示す。
【図4】本発明の餌料のひとつであるスサビノリを示す。
【図5】本発明の餌料およびオキアミを釣り針に通した側面図を示す。
【図6】本発明の餌料およびオキアミを釣り針に通した正面図を示す。
【図7】本発明の餌料およびオキアミを釣り針に通した下視図を示す。
【符号の説明】
【0030】
(1)釣り針
(2)餌料
(3)貫通孔
(4)ゴム
(5)釣り糸




【出願人】 【識別番号】504046865
【氏名又は名称】佐藤 正明
【出願日】 平成16年4月15日(2004.4.15)
【代理人】 【識別番号】100090941
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 清也

【識別番号】100076244
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 清規

【識別番号】100113837
【弁理士】
【氏名又は名称】吉見 京子

【識別番号】100127421
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 さなえ

【公開番号】 特開2005−295956(P2005−295956A)
【公開日】 平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願番号】 特願2004−120704(P2004−120704)