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【発明の名称】 梅エキスを含有するペット用飼料
【発明者】 【氏名】細川 清

【要約】 【課題】犬や猫などの愛玩動物の糞尿臭及び体臭の消臭に有効な及び又は健康増進・改善、疾病の予防・治療に有効である動物用飼料を提供する。又、愛玩動物の糞尿臭及び体臭消臭方法及び又は、健康増進・改善疾病の予防・治療方法を提供する。

【解決手段】犬や猫等の愛玩動物の飼料に梅エキスを、飼料に対して0.0001〜5%混ぜて摂食させる。梅エキスとしては、梅酢を水分20〜30%程度まで脱塩、濃縮したものが使い易い。これによって、愛玩動物の糞尿臭・体臭が効果的に消臭される。又、愛玩動物の健康増進・改善にも有効であり、疾病の予防・治療にも有効である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
梅エキスを含有するペット用飼料
【請求項2】
梅エキスが梅酢又は梅BX70である請求項1記載のペット用飼料。
【請求項3】
可溶性固形分含量が60重量%〜80重量%である濃縮した梅エキスを0.001〜5重量%含有する請求項1又は2のペット用飼料。
【請求項4】
梅エキスを含有するペットの糞尿臭・体臭の消臭用及び又は健康増進・疾病の予防・改善用飼料
【請求項5】
梅エキスが梅酢又は梅BX70である請求項4記載のペットの糞尿臭・体臭の消臭用及び又は健康増進・疾病の予防・改善用飼料
【請求項6】
請求項1、2又は3のペット用飼料を給与することを特徴とするペットの糞尿臭・体臭の消臭方法。
【請求項7】
請求項1、2又は3のペット用飼料を給与することを特徴とするペットの健康増進・改善及び又は疾病の予防・改善方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、梅エキスを添加した犬、猫等のペット(愛玩動物)用の飼料に関する。この飼料をペットに与えることによって、ペットの健康が増進され、又、疾病の予防・改善が図られる。更に、ペットの糞尿臭が大幅に低下・消臭される。即ち、ペットの健康を増進、疾病を予防・改善し、又、ペット糞尿臭を消臭する飼料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、犬や猫等の愛玩動物の栄養強化・健康増進用、肥満防止用方法乃至そのためのペット用飼料としては、乳酸菌を含有する飼料を給与して免疫を増強、抗炎症作用効果のあるペットフード(特開平7−194317号公報)、特定の乳酸菌パウダーとマイタケ粉末を混合した飼料(特開2000‐125778公報)他多数のものが提案されているが、安全で且つ入手が容易な添加物によるペットの健康増進と免疫力強化、健康増進、疾病予防・改善の目的を充分に充たすものは未だ無いのが実情である。
【0003】
又、犬、猫等のペットの糞尿及び体臭に基づく悪臭は、ペットを飼育しない地域住民だけでなく、飼育者にとっても大きな問題となっており、様々な対処策が取られているが抜本的な対策は見出されていない。
例えば、ある種の抗生物質を飼料と共に与え、動物体内における病原性細菌の生育を抑えると共に、好ましい微生物の生育を助長して、結果として悪臭を抑える方法、クランベリー果実を配合した飼料を給与する方法(特開平6−284865号公報)、水溶性2量体鉄塩を混入させることにより酸性排出物を中和して消臭する方法(特開平11−266794号公報)、ローズマリー等とフェノール性化合物を酸化する酵素を配合した飼料を給与して消臭する方法(特開2000−50814公報)や、古くは、合成芳香剤を飼料に添加する方法、活性炭などの吸着材を用いる等各種の方法が知られているが、充分な効果を有するものではなく、問題点の改善に充分満足のいくものはない。
【特許文献1】特開平7−194317号公報
【特許文献2】特開2002−306088
【特許文献3】特開2000‐125778公報
【特許文献4】特開平6−284865号公報
【特許文献5】特開平11−266794号公報
【特許文献6】特開2000−50814公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
犬、猫、ハムスター、モルモット、ウサギなどの愛玩動物の糞尿臭消臭に有効な及び又は健康増進・改善に有効である動物用飼料を提供する。又、愛玩動物の糞尿臭消臭方法及び又は、健康増進・改善、疾病の予防・改善方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、犬や猫等の愛玩動物の飼料に梅エキスを適量混ぜて摂食させたところ、ペットの飼育にとって最も厄介な問題点の一つである厭な糞尿臭が大幅に軽減されること、及び、梅BX70を適量混ぜた飼料を摂食させることによって、ペットの下痢症状を起こす頻度が極めて顕著に低下し、又、風邪症状によるくしゃみをしていた犬や猫に本発明の飼料を給与することによって食欲が増進され、くしゃみ、乃至風邪症状が短時間で治癒されることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
【発明の効果】
【0006】
即ち、本発明の飼料を給与することによって、犬や猫などの愛玩動物の糞尿臭が極めて顕著に消臭されるという特異な効果がある。又、本発明の飼料を給与することによって、愛玩動物の健康が増進・改善される。更には、風邪などの疾病に罹った愛玩動物に本発明の飼料を給与することによって、これらの疾病が治癒乃至軽減される効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明において用いられる梅エキスは、生梅を圧搾して得た梅ジュースそのまま或いはその濃縮物でもよく、又、梅を塩漬けした後の梅酢、この梅酢を電気透析などにより脱塩したものを減圧又は常圧下に加温、濃縮したものでもよい。本発明においては、この脱塩した梅酢を、水分20〜30%程度にまで濃縮しエキス分を60〜80重量%含むものを「梅BX70」と呼ぶ。梅酢濃縮物、「梅BX70」の使用に当っては、これらを再度水で希釈し、適当な香味剤、呈味材と混和して与えても良い。
【0008】
通常、エキス分を60〜80重量%含む梅BX70の場合、飼料に対して0.001〜1%、好ましくは、0.01〜0.1%添加して摂食させる。梅エキスとして0.1〜5%添加して使用する。この場合、酸味が強すぎて嗜好性が落ちるときには、ペット用のだしジャコ、きびなご、小鯵等の小魚乾燥物、ビーフジャーキー、穀物乾燥処理物などのペットの嗜好物、呈味剤、香味剤の1種又は2種以上と混和することにより嗜好性を改善できる。又、さらには、梅酢又はその濃縮物を適宜賦形材、澱粉、穀類、食物繊維類などの飼料原料に添加したものを、ペット飼料とそのまま混和してもよく、或いは液状のものを市販のペット飼料にスプレーする方法でも良い。
【0009】
本発明の梅エキス含有飼料は、犬、猫、ハムスター、ウサギ等の愛玩動物の何れにも適用可能である。特に、愛玩動物が風邪、下痢症状を呈している状態のときに本飼料を給与することによって、食欲が顕著に快復、増進することが多く見受けられ、短時日の内に病状が消失乃至軽減される。
又、本発明の梅エキス含有飼料を1日に最低1回与え、継続して摂食させることによって、ペットの健康の維持・増進が図られる。特に、ウサギ、ハムスターなどは本発明の梅エキス含有飼料を常用することによって、耳の病気などに罹り難いという特徴がある。
【0010】
更に、本発明の梅エキス含有飼料を犬、猫、ハムスター、ウサギ等の愛玩動物に給与することによって、これら愛玩が排出する糞尿の悪臭、及び体臭が顕著に消去ないし低減される。
以下実施例を用いて本発明を一層詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例1】
【0011】
濃縮梅エキス(梅BX70)の調製
原料生梅1000Kgと粉砕塩200kgとをFRP製丸タンクに交互に積み重ね木枠製の蓋をし、50kgの重石をし、負い塩50kgをして4週間漬け込みを行った。3日目から1日おきに、タンクの底に溜まった梅酢をポンプで循環して梅漬けを行い、30日後に梅を取り除いて梅酢360kgを得た。
【0012】
得られた梅酢を濾過器にかけて、固形物を除去し、得られた清澄液350kgを旭化成株式会社製電気透析装置「SV1」に6時間かけて脱塩、濃縮した。この濃縮液を、ホーロー鍋にとり、加熱しながら更に1昼夜濃縮して、脱塩濃縮梅酢35kgを得た。本発明において、本脱塩濃縮梅酢を「梅BX70」と呼ぶ。梅BX70の一般成分分析値を表1に、ミネラル及び主要アミノ酸の分析値を表2に示す。
【0013】
【表1】


【0014】
【表2】


【0015】
市販ドッグフード飼料(日本ヒルズ・コルゲート株式会社、「サイエンス・ダイエット・グロース小粒〈幼犬・母犬用〉」に上に得られた「梅BX70」を0.01重量%(本発明飼料A)又は0.05重量%(本発明飼料B)添加して、本発明飼料1トン宛を調製した。
【実施例2】
【0016】
2〜3歳の健康なビーグル犬9頭のうち、3頭に本発明飼料(A)を、別の3頭については本発明飼料(B)を、1日当たり10g/体重kg量を30日間連続給与した。残りの3頭については先の市販ドッグフードのみで給与した。次に、30日間連続給与した後、更に7日間市販飼料を給与した。表3に示したように、本発明飼料を給与したときは、市販飼料に比べて増体量、増体率、及び飼料摂取量において有意な改善が認められた。
【0017】
【表3】


【実施例3】
【0018】
本発明飼料(C)及び対照飼料(D)の調製
犬用小鯵の丸干し「小鯵」(株式会社アスク)を擂り鉢で荒砕きしたもの100gに、「梅BX70」を水で薄めて1%溶液とした液10mlをスプレーしてかき混ぜ、封緘して小鯵顆粒100gを調製した。市販飼料「子犬用アイムス・パピー」(アイムスジャパン株式会社)100gに対し、上に調製した小鯵顆粒2gを加えて混合して本発明飼料(C)(100g中梅BX70を0.02重量%含む)と、BX70薄め液を添加しない「小鯵」の擂り潰しを用いて対照飼料(D)とを調製した。
【0019】
平成15年12月頃、和歌山県内の小型犬を中心に繁殖販売しているA犬舎にて、ケンネルコフが流行していた。この時期、ミニチュアダックスフンド種の仔犬が1胎6頭生まれ、これを試験に供した。生後40日、母乳から離乳食に切り替えると同時に、6頭のうち3頭(試験群)には、1日の合計量が体重kgあたり10g量となるよう、本発明飼料(C)を離乳食として与え、残る3頭(対照群)には梅BX70を含まない対照飼料(D)を与えて、近接した二つのサークル内でそれぞれの群を飼育し、両群を観察した。
生後55日目に、全犬に対して7種混合ワクチン(販売:共立商事株式会社)「ドヒバック7」を接種した。さらに生後96日目に、同じワクチンを全犬に対して接種しておいた。
【0020】
その結果、予防接種の約3週間後、生後120日目ごろから対照群の内2頭が呼吸時に咽頭部から異音を発生させながら、むせ返すしぐさを示すようになり、数日後には典型的なケンネルコフ様の乾いた咳を繰り返すようになった。この時点で、対照群には薬物治療を開始すると同時に、飼料を対照飼料(D)から本発明飼料(C)に変更した。その結果、治療を開始してから30日後には対照群の全ての犬が完治したと診断された。一方、試験群の犬は全頭健康を保ち、潜伏期間といわれる、対照群の2頭が咳をし始めた約10日後も健康であったことから、たとえ二次感染が起こったとしても、ケンネルコフに対して抵抗性を示したと判断される。
【実施例4】
【0021】
試験区においては、実施例1で調製した本発明飼料(A)を一日当たり10g/供試犬体重1kgを給与した。対照試験区には本発明の梅BX70無添加の市販ドッグフードをそのまま10g/供試犬体重1kg給与した。両試験区とも、ビーグル犬3頭を1群とし、1クール7日の反転給与試験を3クール実施した。結果を表4に示す。
表4の試験結果は、試験7日間の平均消臭効果を、パネラー4名により、通常の飼育場所において臭気度を判定、6段階臭気強度表示法により表示したものである。
【0022】
【表4】


【実施例5】
【0023】
実施例1で得た「梅BX70」1kgを20リットルの水で薄めて飼料用組成物(E)22.5kgを調製した。本発明飼料用組成物(E)の栄養成分組成を表5に示した。
【0024】
【表5】


【0025】
本発明飼料用組成物(E)をプラスチック製スプレー容器に充填し、これを市販ペットフード「ニッパイ ラビットフード」(日本配合飼料株式会社)に「梅BX70」として飼料重量当り0.02%量、0.04%となるようにスプレーして添加、混合し、3羽宛9羽のウサギに給与して1ヶ月間飼育した。1区のグループは「BX70」無添加区、2区のグループには、0.02%、3区のグループには0.04%の「BX70」を含有する本発明飼料用組成物(E)を添加したものである。給与開始後14日目の平均消臭化度を、パネラー5名により通常飼育場所において判定させ、その結果を6段階臭気強度表示法により表6に表示した。
【0026】
【表6】


【出願人】 【識別番号】596033174
【氏名又は名称】株式会社紀州ほそ川
【出願日】 平成16年3月26日(2004.3.26)
【代理人】 【識別番号】100091199
【弁理士】
【氏名又は名称】田淵 権

【公開番号】 特開2005−278404(P2005−278404A)
【公開日】 平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願番号】 特願2004−92818(P2004−92818)