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【発明の名称】 卵殻色保持剤および産卵鶏用飼料
【発明者】 【氏名】坂 恒豊
【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町四丁目5番1号 日清丸紅飼料株式会社内

【氏名】橋本 信一郎
【住所又は居所】栃木県那須郡西那須野町井口1242−5 日清丸紅飼料株式会社畜産研究所内

【氏名】山之内 正弘
【住所又は居所】栃木県那須郡西那須野町井口1242−5 日清丸紅飼料株式会社畜産研究所内

【要約】 【課題】本発明は、褐色卵を産む産卵鶏の加令に伴う卵殻色の退色を防止したり、正常な卵殻を有する卵を得るための卵殻色保持剤および産卵鶏用飼料を提供することを目的とする。

【解決手段】有機亜鉛化合物、有機マンガン化合物および/または有機銅化合物からなる有機ミネラル化合物と、フィターゼおよび/または生菌剤とを含有する卵殻色保持剤および産卵鶏用飼料。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式
(R1)n−Zn−(R2)m
(式中、R1およびR2は、アミノ酸残基およびペプチド残基を示し、これらの残基は、キレート環を形成してもよく、nおよびmは、0または1の整数を示すが、nおよびmがいずれも0の場合を除く)で表わされる有機亜鉛化合物、一般式
(R3)n−Mn−(R4)m
(式中、R3およびR4は、アミノ酸残基およびペプチド残基を示し、これらの残基は、キレート環を形成してもよく、nおよびmは、0または1の整数を示すが、nおよびmがいずれも0の場合を除く)で表わされる有機マンガン化合物および/または一般式
(R5)n−Cu−(R6)m
(式中、R5およびR6は、アミノ酸残基およびペプチド残基を示し、これらの残基は、キレート環を形成してもよく、nおよびmは、0または1の整数を示すが、nおよびmがいずれも0の場合を除く)で表わされる有機銅化合物からなる有機ミネラル化合物と、フィターゼおよび/または生菌剤とを含有することを特徴とする、卵殻色保持剤。
【請求項2】
請求項1記載の卵殻色保持剤を含有することを特徴とする、産卵鶏用飼料。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、褐色卵を生む産卵鶏に給与する卵殻色保持剤および産卵鶏用飼料に関する。
【背景技術】
【0002】
産卵鶏が生む鶏卵には、白色を呈した白色卵と、褐色を呈した褐色卵がある。白色卵は卵殻中に白色色素を含むが、褐色卵は、プロトポルフィリンを主体とする色素が含まれている。このプロトポルフィリンは、赤血球のヘモグロビンがヘマチンに変化し、肝臓で胆汁色素になり、血液によって卵殻腺に運ばれ、卵殻色素プロトポルフィリンとして卵殻に沈着し褐色卵として産卵される。
しかしながら、鶏の加令とともに栄養素の吸収や代謝機能等の低下により卵殻色が退色したり、卵殻に異常をきたす傾向にあった。
従来、このような産卵鶏の加令に伴う退色等の改善方法としては、強制的に換羽させて卵管の機能を回復させる方法が一般的に採用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで本発明者等は加令に伴う産卵鶏においても、換羽することなく鮮明な褐色を呈する褐色卵や、正常な卵殻を有する卵を産卵させる方法等について、種々研究を重ねた結果本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0004】
すなわち、本発明は、一般式
(R1)n−Zn−(R2)m・・・(I)
(式中、R1およびR2は、アミノ酸残基およびペプチド残基を示し、これらの残基は、キレート環を形成してもよく、nおよびmは、0または1の整数を示すが、nおよびmがいずれも0の場合を除く)で表わされる有機亜鉛化合物、一般式
(R3)n−Mn−(R4)m・・・(II)
(式中、R3およびR4は、アミノ酸残基およびペプチド残基を示し、これらの残基は、キレート環を形成してもよく、nおよびmは、0または1の整数を示すが、nおよびmがいずれも0の場合を除く)で表わされる有機マンガン化合物および/または一般式
(R5)n−Cu−(R6)m・・・(III)
(式中、R5およびR6は、アミノ酸残基およびペプチド残基を示し、これらの残基は、キレート環を形成してもよく、nおよびmは、0または1の整数を示すが、nおよびmがいずれも0の場合を除く)で表わされる有機銅化合物からなる有機ミネラル化合物と、フィターゼおよび/または生菌剤とを含有する卵殻色保持剤およびこの卵殻色保持剤を含有する産卵鶏用飼料である。
【発明の効果】
【0005】
本発明の卵殻色保持剤を用いることによって加令した産卵鶏においても鮮明な褐色を有する鶏卵を産卵させることができる。また、得られる鶏卵(褐色卵、白色卵)は放射線状、ヘアライン状、ピンホール状の破卵が少なく、畝状凹凸卵あるいはボディ−チェック卵のような卵殻表面の異常卵も少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の卵殻色保持剤および産卵鶏用飼料に用いられる有機ミネラル化合物は、有機亜鉛化合物を必須成分とし、これに有機マンガン化合物および/または有機銅化合物を併用するものである。またこれらの有機亜鉛化合物、有機マンガン化合物および有機銅化合物は、それぞれ一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。
【0007】
前記一般式(I)、(II)および(III)で表わされる有機ミネラル化合物の置換基であるアミノ酸残基としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リシン、ヒドロキシリシン、アルギニン、システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、プロリン、4−ヒドロキシプロリン等のアミノ酸残基が挙げられる。
【0008】
また、ペプチド残基としては、オリゴペプチドおよびポリペプチドの残基が挙げられ、前記アミノ酸がペプチド結合によって結合されたものから構成されている。さらにペプチド残基を構成するペプチドは、ホモメリックペプチドの他、ヘテロメリックペプチドも包含される。
【0009】
本発明の卵殻色保持剤および産卵鶏用飼料の有効成分である有機ミネラル化合物の配合割合としては、有機亜鉛化合物を基準として、有機亜鉛化合物の亜鉛に対して、マンガンとして0.05〜20重量%、好ましくは0.25〜4重量%、銅として0.01〜4重量%、好ましくは0.04〜0.7重量%の範囲が好ましい。
また有機亜鉛化合物は、亜鉛として卵殻色保持剤中に0.025〜4重量%、特に0.075〜2.4重量%添加することが好ましい。
本発明の卵殻色保持剤の使用量は、通常飼料に対し0.3〜2.0重量%添加することが好ましい。
【0010】
また本発明の卵殻色保持剤および産卵鶏用飼料に用いられるフィターゼは、例えば卵殻色保持剤1000g当り、6250〜340000フィチン酸分解力単位を添加することが好ましい。
【0011】
さらに本発明の卵殻色保持剤および産卵鶏用飼料に用いられる生菌剤としては、バチルス サブチルス、バチルス メガテリウム、バチルス アンスラシス、バチルス セレウス、バチルス ステアロサーモフィルス等のバチルス属の菌が挙げられる。これらの生菌剤は、例えば卵殻色保持剤中1×106個/g〜1×1010個/g添加することが好ましい。
【0012】
本発明の卵殻色保持剤は、前記有効成分のみでもよいが、必要により小麦粉、澱粉、糟糠類、炭酸カルシウム、無水ケイ酸等の増量剤を添加して調製することもできる。
【0013】
本発明の卵殻色保持剤は、直接鶏に給与することができるが、他の態様として、産卵鶏用飼料に添加して用いることができる。
この場合飼料1000gあたり、一般式(I)で表わされる有機亜鉛化合物を亜鉛として5mg〜100mg、好ましくは15mg〜60mg、一般式(II)で表わされる有機マンガン化合物をマンガンとして5mg〜100mg、好ましくは15mg〜60mg、一般式(III)で表わされる有機銅化合物を銅として1.0mg〜20mg、特に2.5mg〜10mgの範囲になるように配合することが好ましい。
【0014】
フィターゼは、飼料1000gあたり、125〜1000フィチン酸分解力単位、特に250〜500フィチン酸分解力単位の範囲になるように配合することが好ましい。
【0015】
さらに生菌剤は、飼料(1gあたり1×103個/g〜1×108個/g、特に1×104個/g〜1×106個/gの範囲になるように配合することが好ましい。
【0016】
本発明に用いる産卵鶏用飼料は、前記卵殻色保持剤の有効成分の他は特に制限なく、いずれの飼料原料も好適に使用することができる。例えば、とうもろこし、小麦、大麦、マイロ等の穀類、大豆かす、コーングルテンミール、ごま油かす、コーンジャームミール、なたね油かす等の植物性油かす類、フスマ、米ぬか、脱脂米ぬか、コーングルテンフィード等の糟糠類、魚粉等の動物性飼料の他、ヤシ油、ラード等の動植物性油脂、炭酸カルシウム、りん酸カルシウム、パプリカ抽出物、無水ケイ酸、コーンスチーブリカー、アルファルファミール、ビタミン類、ミネラル類等を適宜用いて調製することができる。
【実施例】
【0017】
次に本発明をさらに具体的に説明するために実施例を掲げるが、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0018】
実施例1
老令鶏(開始日令439〜448日令)(鶏種ボリスブラウン)を1区100羽用い、表1に示す基礎飼料に表2に示す卵殻色保持剤を添加した飼料によって40日間飼育し、試験期間中に産卵された褐色卵を色彩色差計(ミノルタ社製CR−300)を用いて色彩を調べ、平均値を算出した。その試験結果を示せば表3のとおりである。
なお卵殻色保持剤を除いた以外は試験区と同様にして飼育した場合を対照区として示す。
【0019】
【表1】


【0020】
【表2】


【0021】
【表3】


【0022】
実施例2
若令鶏(開始日数194〜201日令)(鶏種ボリスブラウン)を1区100羽用い、表4に示す基礎飼料に表2に示す卵殻色保持剤を添加した飼料によって20日間飼育した後実施例1と同様にして色彩を調べた。その試験結果を示せば表5のとおりである。
【0023】
【表4】


【0024】
【表5】


【0025】
実施例3
老令鶏(385日令)(鶏種ジュリア)を1区12羽用い、表6に示す基礎飼料に表7に示す卵殻色保持剤を添加した飼料によって120日間飼育し、これを12反復行った。次に、試験期間中に産卵された褐色卵の卵殻の状態を観察した。その試験結果を示せば表8のとおりである。
【0026】
【表6】


【0027】
【表7】


【0028】
【表8】


【出願人】 【識別番号】399106505
【氏名又は名称】日清丸紅飼料株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町四丁目5番1号
【出願日】 平成16年7月16日(2004.7.16)
【代理人】 【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所

【識別番号】100068700
【弁理士】
【氏名又は名称】有賀 三幸

【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄

【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫

【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹

【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人

【識別番号】100089048
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 康隆

【識別番号】100101317
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 ひろみ

【公開番号】 特開2005−245429(P2005−245429A)
【公開日】 平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願番号】 特願2004−209341(P2004−209341)