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【発明の名称】 ほ乳期子牛育成用配合飼料及びそれを給与して子牛の発育を改善する方法
【発明者】 【氏名】吉元 清徳
【住所又は居所】福島県いわき市田人町黒田字助右エ門沢27 協同飼料株式会社いわきリサーチセンター内

【氏名】猪瀬 裕介
【住所又は居所】福島県いわき市田人町黒田字助右エ門沢27 協同飼料株式会社いわきリサーチセンター内

【氏名】植木 三佐夫
【住所又は居所】茨城県鹿島郡神栖町大字東深芝2−6 協同飼料株式会社研究所内

【要約】 【課題】生後7日目頃から概ね3月までの子牛を対象としてその飼料摂取量を増大させ、発育不良や発育停滞の子牛をなくし、もって畜産業のロスを軽減できるほ乳期子牛育成用配合飼料とその飼料を給与して子牛の発育を改善する方法を提供する。

【解決手段】糖化度が5〜25のマルトデキストリンを飼料全量の1〜10重量%配合してあるほ乳期子牛育成用配合飼料。この配合飼料を生後概ね3月以内の子牛に10日間以上給与して子牛の発育を改善する方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
糖化度が5〜25のマルトデキストリンを配合してあるほ乳期子牛育成用配合飼料。
【請求項2】
マルトデキストリンの配合量が飼料全量の1〜10重量%である請求項1に記載のほ乳期子牛育成用配合飼料。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のほ乳期子牛育成用配合飼料を生後概ね3月以内の子牛に10日間以上給与して子牛の発育を改善する方法。
【請求項4】
生後概ね3月以内の子牛に対して、ほ乳期子牛育成用配合飼料に糖化度が5〜25のマルトデキストリン又はこれを含む飼料もしくは原料を混合して飼料全量に対するマルトデキストリンの混合率が1〜10%に相当するように調整した飼料を給与して子牛の発育を改善する方法。
【請求項5】
生後概ね3月以内の子牛に対して、ほ乳期子牛育成用配合飼料と共に糖化度が5〜25のマルトデキストリンを給与して子牛の発育を改善する方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ほ乳期子牛育成用配合飼料及びそれを給与して子牛の発育を改善する方法に関する。本発明に係るほ乳期子牛育成用配合飼料は、生後7日目頃から概ね3月以内の子牛を給与対象として、子牛の飼料摂取量を増大させ、その発育を改善するための飼料である。
【背景技術】
【0002】
反芻家畜である牛、羊、山羊は、他の家畜に比べてきわめて特異な消化器官を有する。そのため、反芻胃が未発達の幼齢期の子牛については、当然のことながら、成牛とも、また、子豚や雛とも異なった栄養成分量及びそのバランス並びに消化・吸収への特別な配慮が必要である。すなわち、子牛は、その出生直後からほ乳期初期段階には第四胃が大きく、第一胃はきわめて小さい。そのため、ほ乳期が終了する時期、すなわち、3月齢頃には、第一胃が十分な発達を遂げ、ほぼ成牛に近い胃作りが達成されることが必要である。
【0003】
この胃を中心とする消化管バランスの構成をスムースに実現するには、出生直後の初乳給与期を経て、7日齢頃には子牛を母牛から離し、代用乳に切り替え、さらに、徐々に人工乳(すなわち、ほ乳期子牛育成用配合飼料)や乾草に切り換えて行き、45日齢頃からほぼ人工乳を中心にして乾草を併用して、概ね90日齢でほ乳期を完結させることが望ましい。
【0004】
そして、ほ乳期の間に子牛の胃作りが順調に進んでいるか否かは、子牛がよく食べ、よく太ることで外観的に判断される。すなわち、よく食べる子牛は、それに呼応して良好な成長を遂げ、子牛の消化管バランス形成がスムースにおこなわれることが広く知られている。したがって、ほ乳期の子牛の発育は第一胃の発達に左右されると言っても過言ではないが、この期間の発育が十分でない子牛は、消化能力未発達とみなされ、母乳給与に戻される。そうすると、早期離乳によって向上した母牛の回転率を悪化させ、しかも、その子牛も発育不良を取り戻すことが困難となって、親牛から賦与されたすぐれた能力を発揮できないまま生涯を終えることになりやすい。このように、子牛にとって、生後7日目頃から3月までの間における飼料摂取量は、以後の順調な発育をもたらす上できわめて重要であり、子牛がよく食べ、よく太る人工乳(ほ乳期子牛育成用配合飼料)を開発する必要がある。
【0005】
特許公報を調べると、ほ乳期からの子牛に給与する飼料に関して、特開平5−49410号公報に開示がある。すなわち、この公報には、カプリル酸からなるトリグリセライドとカゼイン分解物や分岐デキストリンを配合した子牛用飼料組成物が開示されている。しかし、この子牛用飼料組成物は、細菌感染や消化器官内細菌の異常発酵によって下痢症を起こし、消化器官機能が低下した子牛に対して治療剤として給与するもので、分岐デキストリンは、食味改善剤として補助的に配合されているにすぎない。
【特許文献1】特開平5−49410号公報
【0006】
本発明者らは、子牛の胃作り、すなわち、飼料摂取量増と順調な増体実現に寄与できるほ乳期子牛育成用配合飼料を開発するために種々検討を重ねてきたところ、子牛用人工乳中にマルトデキストリンを配合することによって、子牛の飼料要求率がほとんど変わらないにもかかわらず、飼料摂取量が増大し、これに伴って子牛の日増体が向上してその発育が改善されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の状況に鑑み、本発明は、生後7日目頃から概ね3月までの子牛を対象として、その飼料摂取量を増大させ、発育不良や発育停滞の子牛をなくし、もって畜産業のロスを軽減できるほ乳期子牛育成用配合飼料とその飼料を給与して子牛の発育を改善する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するための本発明のうち、特許請求の範囲・請求項1に記載する発明は、糖化度が5〜25のマルトデキストリンを配合してあるほ乳期子牛育成用配合飼料である。
【0009】
また、同請求項2に記載する発明は、マルトデキストリンの配合量が飼料全量の1〜10重量%である請求項1に記載のほ乳期子牛育成用配合飼料である。
【0010】
また、同請求項3に記載する発明は、請求項1又は2に記載のほ乳期子牛育成用配合飼料を生後概ね3月以内の子牛に10日間以上給与して子牛の発育を改善する方法である。
【0011】
また、同請求項4に記載する発明は、 生後概ね3月以内の子牛に対して、ほ乳期子牛育成用配合飼料に糖化度が5〜25のマルトデキストリン又はこれを含む飼料もしくは原料を混合して飼料全量に対するマルトデキストリンの混合率が1〜10%に相当するように調整した飼料を給与して子牛の発育を改善する方法である。
【0012】
また、同請求項5に記載する発明は、生後概ね3月以内の子牛に対して、ほ乳期子牛育成用配合飼料と共に糖化度が5〜25のマルトデキストリンを給与して子牛の発育を改善する方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るほ乳期子牛育成用配合飼料は、配合飼料に対してDE5〜25のマルトデキストリンを配合するという簡単な製法で作ることができる飼料であり、マルトデキストリンを所要量配合する以外は何ら制約されるものではなく、コーンフレーク、トウモロコシ、大豆粕、アマニ粕などの一般飼料原料や飼料安全法で認められた飼料添加物などを適宜配合することができる。したがって、本発明に係るほ乳期子牛育成用配合飼料は、従来のものに比べて大きな製造経費を要しない飼料であると共に、これを10日間以上給与するというきわめて簡単な方法によって、生後7日目頃から概ね3月までの子牛について、飼料要求率を維持しつつその飼料摂取量を増大させ、その発育速度を顕著に改善できる。
【0014】
本発明に係る請求項1又は2に記載するほ乳期子牛育成用配合飼料を子牛に給与することによって、また、本発明に係る請求項3から5のいずれかに記載するほ乳期子牛育成用配合飼料の給与方法を採ることによって、子牛の飼料摂取量が増大し、その発育を改善できる理由は定かではない。しかし、マルトデキストリンは、子牛の第一胃を早く発達させることに大きく関与しているものと推察される。具体的には、子牛が発育する過程において、マルトデキストリン中の単糖が離乳直後の配合飼料給与初期早々に主として子牛の第一胃内の発酵微生物に利用されてプロピオン酸が生成され、これが第一胃の早期発達を促し、さらには、この環境を準備しつつ、子牛の発育に伴い並行して二糖類以上のさまざまな糖が小腸で利用され、これらは効率の良いエネルギー源となるが、この2つの子牛体内での利用方法が相乗的に働くことで、発育改善・摂取量増を生ぜしめ、胃作りと増体向上が実現されるものと推定される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明のほ乳期子牛育成用配合飼料は、生後7日目頃から代用乳や乾草と共に給与できる。このように、本発明のほ乳期子牛育成用配合飼料は、概ね3月以内の子牛に対して10日間以上、好ましくは80日間程度給与すると、後記試験例に示すとおり、子牛の飼料要求率はほとんど変わらないのに、飼料摂取量が増加し、それに伴って日増体が向上し、子牛の発育が改善される。
【0016】
本発明の対象とする子牛は、ほ乳期子牛育成用配合飼料を給与される子牛、すなわち、生後7日目頃から概ね3月以内の、特定牛育成用配合飼料に切り替わる直前の子牛までを広く対象とする。
以下、本発明の実施の形態について詳しく説明する。なお、本発明の全説明において、「%」の表示は、特に断らない限り、重量割合を示す。
【0017】
本発明において「ほ乳期子牛」とは、生後概ね3月以内の牛のことをいう。また、「ほ乳期子牛育成用配合飼料」とは、飼料安全法に基づく公定規格書に定められているとおりの、ほ乳期子牛の育成の用に供する配合飼料であって、ほ乳期子牛育成用代用乳配合飼料以外のものをいう。また、本発明において、代用乳とは、上記公定規格書に「ほ乳期子牛育成用代用乳配合飼料」として定められているとおり、ほ乳期子牛の育成の用に供する配合飼料であって、脱脂粉乳を主原料とするものをいう。ただし、ホエーパウダーや濃縮ホエー蛋白等のホエー蛋白からなる乳製品を主原料とし、成分調整をしたものであっても何ら支障はない。
【0018】
本発明に係るほ乳期子牛育成用配合飼料は、上記公定規格書に定められたとおりの成分と成分量を有するように調製する必要があるが、糖化度(以下「DE」と記す。)が5〜25のマルトデキストリンを配合してあればよい。また、本発明の飼料において、マルトデキストリンの配合量は飼料全量に対して1〜10%程度とするのが好ましい。
【0019】
一般に、マルトデキストリンは、デンプンをアミラーゼによって分解して製するので、酵素分解デキストリンないしは酵素変性デキストリンとも称せられ、加工度の変動幅が大きく、α−1・4結合からなる直鎖状の少糖類の総称である。本発明では、後記する試験例に示すとおり、DEが5〜25のマルトデキストリンを使用する。なお、分岐デキストリンは、アミロペクチンがα−1・6結合からなり、複雑に枝分かれした構造を有する。
【0020】
本発明において、デキストリンの糖化度、すなわちDE(Dextrose Equivalent )は、デンプンやデキストリンなどの加水分解の程度を示す世界的な指標であり、固形分中の直接還元糖(グルコースとして表す)の比率(%)で表される。本発明において、デキストリンのDEは、フェーリング・レーマン・ショール法によって分析・算出する。参考までに、フェーリング・レーマン・ショール法による一般的なDEの分析方法について説明すると、以下のとおりである。
イ.DEを測定するデキストリン約5g(予想DEによってサンプルの量を加減してもよ い。)を秤取して100mLに定容し、試料溶液とする。
ロ.硫酸銅69.3gを蒸留水に溶かして1Lに定容し、試薬aとする。
ハ.ロッセル塩346gと水酸化ナトリウム103gとを蒸留水に溶かして1Lにし、試 薬bとする。
ニ.200mLの三角フラスコに試薬aと試薬bを各々10mLづつ採取し、これに試料 溶液10mLと蒸留水20mLを加えて全量を50mLとする。これを加熱して3分以 内に沸騰を開始させ、正確に2分間沸騰させた後すみやかに流水中に没して25℃に冷 却する。このとき硫酸銅の赤色沈殿が空気に触れないように注意する。
ホ.次いで、30重量%沃化カリウム水溶液10mLと25重量%硫酸水溶液10mLを 加えて、ただちに0.1Nチオ硫酸ナトリウムにて滴定を開始し、終点近くで(黄色が やや残るとき)指示薬として1%澱粉溶液を2〜3滴添加して、その澱粉反応が消失す るまで滴定を続けて終点とする。
ヘ.試料溶液の代わりに蒸留水を用いて上記と全く同じ操作をおこない、その滴定数の差 とチオ硫酸ナトリウムの係数とから表(省略)に基づいて糖量を算出し、以下の数式に 当てはめてDEを算出する。
ト.DEの算出式 DE=糖分×100/(100−水分)
【0021】
本発明のほ乳期子牛育成用配合飼料の子牛への給与方法は、本発明に係る飼料を飼料槽に投入しておいて自由に摂取させる不断給餌でも、また、所定時間ごとに所定量を給与する制限給餌でも、どちらでもよい。また、給与する飼料の形状には何ら制約はなく、例えば、粉状でも、粉粒混合状やペレット状にしても、クランブル状のものでも、フレーク状とペレット状の混合物でも、何ら差し支えない。
【0022】
なお、本発明の変形として、ほ乳期子牛育成用配合飼料(例えば、通常の市販品)とDE5〜25のマルトデキストリンとを子牛に対して別々に給与する方法を採ることが考えられるが、そのような方法を採っても、子牛の発育改善に寄与する作用効果は同じであるから、上記の給与方法は本発明の範囲に包含されるものである。
以下、本発明を試験例をもってさらに詳しく説明する。なお、以下の全ての試験例において、デキストリンのDEは、フェーリング・レーマン・ショール法によって分析・算出したものである。
【試験例1】
【0023】
<デキストリンの種類による配合効果の確認試験>
(1)試験方法
デキストリン無配合の市販のペレット状飼料Aを対照区とし、DE=15の粉飴(酸分解デキストリン)とDE=15のマルトデキストリン(酵素分解デキストリン)をそれぞれ5%づつ配合してあり、対照区飼料とほぼ同じ配合とした2種の試験区飼料(試験区1と試験区2)とを、それぞれ45日齢のホルスタイン雄牛各10頭に10日間給与して、各区における子牛の発育状況を調べた。供試した対照区飼料と試験区飼料の配合は表1に示す。また、試験結果は表2に示すとおりである。なお、試験区飼料は以下の方法で製造した。
【0024】
(2)試験区飼料の製法
2種の試験区飼料について、それぞれ表1の配合割合に基づき各原料を正確に自動計量機で秤量し、混合用ミキサーにかけて均一に混合した後、CPMペレットマシンを用いてペレット状の飼料を製した。なお、コーンフレークは秤量前に粉砕したものを用いた。
【0025】
《表1》
供試飼料の配合(単位:DE以外は重量%)
対照区 試験区1 試験区2
(市販飼料A)(酸分解Dx配合) (マルトDx配合)
DE ― 15 15
デキストリン 0.00 5.00 5.00
コーンフレーク 45.00 40.00 40.00
トウモロコシ 10.00 10.00 10.00
大豆粕 27.00 27.00 27.00
アマニ粕 5.00 5.00 5.00
ルーサン 5.00 5.00 5.00
糖蜜 3.00 3.00 3.00
炭酸カルシウム・リン酸カルシウム
2.00 2.00 2.00
プレミックス 3.00 3.00 3.00
合計 100.00 100.00 100.00
【0026】
(3)試験結果
《表2》
子牛の発育成績(10日間給与:各区とも10頭の平均値)
飼料 飼料 下痢軟便
開始体重 終了体重 日増体 摂取量 要求率 発生率
(kg) (kg) (g) (g) (%)

対照区 65.18 75.98 1080 1760 1.63 12
(市販飼料A) (100) (100) (100) (100) (100) (100)

試験区1 64.87 75.73 1086 1791 1.65 11
(酸分解Dx配合) (100) (100) (101) (102) (101) ( 92)

試験区2 64.45 76.42 1197 1963 1.64 6
(マルトDx配合) ( 99) (101) (111) (112) (101) ( 50)

【0027】
(4)所見
表2に示すとおり、デキストリンを各5%配合した試験区1飼料と試験区2飼料は、対照区飼料(デキストリン無配合の市販飼料A)に比べて、飼料要求率は大して変わらないのに、飼料摂取量が増加し、これに伴って日増体も向上して発育改善の傾向が見られる。また、試験区1飼料(酸分解デキストリン配合)よりも試験区2飼料(マルトデキストリン配合)の方が、飼料摂取量や日増体の改善効果が顕著である。この結果から、デキストリンの中でもマルトデキストリンを選択して使用するのが好ましいことが理解できる。
【試験例2】
【0028】
<配合量の相違による効果の確認試験>
(1)試験方法
デキストリン無配合の市販の粉状飼料Bを対照区飼料とし、DE=15のマルトデキストリンをそれぞれ1%、5%、10%づつ配合してあり、対照区とほぼ同じ配合の3種の試験区飼料(試験区1〜試験区3)を、それぞれ45日齢のホルスタイン雄牛各10頭に15日間給与して、各区における子牛の発育状況を調べた。供試した対照区飼料と試験区飼料の配合は表3に示す。また、試験結果は表4に示すとおりである。なお、試験区飼料は以下の方法で製造した。
【0029】
(2)試験区飼料の製法
3種の試験区飼料について、それぞれ表3の配合割合に基づいて各原料を正確に自動計量機で秤量し、各々を粉砕し、混合用ミキサーにかけて均一に混合して粉状の飼料を製した。
【0030】
《表3》
供試飼料の配合(単位:DE以外は重量%)
対照区 試験区1 試験区2 試験区3

DE ― 15 15 15
マルトデキストリン 0.00 1.00 5.00 10.00
コーンフレーク 45.00 44.00 43.00 36.00
トウモロコシ 10.00 10.00 7.00 5.00
大豆粕 27.00 27.00 27.00 28.00
アマニ粕 5.00 5.00 5.00 6.00
ルーサン 5.00 5.00 5.00 7.00
糖蜜 3.00 3.00 3.00 3.00
炭酸カルシウム・リン酸カルシウム他
2.00 2.00 2.00 2.00
プレミックス 3.00 3.00 3.00 3.00
合計 100.00 100.00 100.00 100.00
【0031】
(3)試験結果
《表4》
子牛の発育成績(15日間給与:各区とも10頭の平均値)
飼料 飼料 下痢軟便
開始体重 終了体重 日増体 摂取量 要求率 発生率
(kg) (kg) (g) (g) (%)

対照区 64.63 81.36 1115 1918 1.72 15
(無配合) (100) (100) (100) (100) (100) (100)

試験区1 65.02 82.41 1160 1971 1.70 10
(1%配合) (101) (101) (104) (103) ( 99) ( 67)

試験区2 64.70 85.27 1371 2345 1.71 3
(5%配合) (100) (105) (123) (122) ( 99) ( 20)

試験区3 65.01 83.51 1233 2121 1.72 7
(10%配合) (101) (103) (117) (111) (100) ( 70)

【0032】
(4)所見
表4に示すとおり、3種の試験区(マルトデキストリン配合飼料)とも、対照区(マルトデキストリン無配合飼料)に比較して、子牛の飼料要求率はほとんど変わらないのに、飼料摂取量が3〜22%増加し、これに伴い日増体も4〜23%向上しており、下痢や軟便の発生率も減少して発育改善の傾向が顕著に見られる。したがって、マルトデキストリンの飼料への配合量は飼料の全量に対して1〜10%とするのが好ましいことが確認された。なお、マルトデキストリンの配合効果は、試験区2飼料(5%配合区)がピークのように見受けられた。
【試験例3】
【0033】
<DEの相違による効果の確認試験I>
(1)試験方法
試験例2において発育改善効果が最も大きかった試験区2飼料(マルトデキストリン5%配合区)の配合により、DEの異なるマルトデキストリンを配合した5種類の飼料(試験区1〜試験区5)を、それぞれ45日齢のホルスタイン雄牛各10頭に15日間給与して、各区における子牛の発育状況を調べた。供試した試験区飼料の配合は表5に示す。また、試験結果は表6に示すとおりである。なお、試験区飼料は以下の方法で製造した。
【0034】
(2)試験区飼料の製法
3種の試験区飼料について、それぞれ表5の配合割合に基づき各原料を正確に自動計量機で秤量し、コーンフレーク以外の原料は粉砕した後、混合用ミキサーにかけて均一に混合してからCPMペレットマシーンで固形状にし、これにコーンフレークが均一に混合さされるよう調整して固形・粉末混合状の飼料を製した。
【0035】
《表5》
供試飼料の配合(単位:DE以外は重量%)
試験区1 試験区2 試験区3 試験区5 試験区5
DE 5 10 15 20 25
マルトデキストリン 5.00 5.00 5.00 5.00 5.00
コーンフレーク 43.00 43.00 43.00 43.00 43.00
トウモロコシ 7.00 7.00 7.00 7.00 7.00
大豆粕 27.00 27.00 27.00 27.00 27.00
アマニ粕 5.00 5.00 5.00 5.00 5.00
ルーサン 5.00 5.00 5.00 5.00 5.00
糖蜜 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00
炭酸カルシウム・リン酸カルシウム他
2.00 2.00 2.00 2.00 2.00
プレミックス 3.00 3.00 3.00 3.00 3.00
合計 100.00 100.00 100.00 100.00 100.00
【0036】
(3)試験結果
《表6》
子牛の発育成績(15日間給与:各区とも10頭の平均値)
飼料 飼料 下痢軟便
開始体重 終了体重 日増体 摂取量 要求率 発生率
(kg) (kg) (g) (g) (%)

試験区1 63.84 79.70 1057 1797 1.70 7
(DE=5) (100) (100) (100) (100) (100) (100)

試験区2 64.12 81.24 1142 1963 1.72 12
(DE=10) (100) (102) (108) (109) (101) (171)

試験区3 63.99 82.38 1226 2097 1.71 6
(DE=15) (100) (103) (116) (117) (101) ( 86)

試験区4 64.37 81.97 1173 1995 1.70 5
(DE=20) (101) (103) (111) (111) (100) ( 71)

試験区5 64.50 80.83 1089 1905 1.75 10
(DE=25) (101) (101) (103) (106) (103) (143)

【0037】
(3)所見
表6に示すとおり、マルトデキストリンのDE(糖化度)の相違により、子牛の発育に影響を与えることが確認され、その最適な範囲が試験区2〜試験区4(マルトデキストリンのDE=10〜20)であり、試験区5(DE=25)では効果がやや鈍化することが判明した。したがって、本発明では、DE=5〜25のマルトデキストリンを用いるのが適切であることが確認された。
【試験例4】
【0038】
<DEの相違による効果の確認試験II>
(1)試験方法
試験例2において発育改善効果が最も大きかった試験区2飼料(マルトデキストリン5%配合区)の配合により、DEの異なるマルトデキストリンを配合した7種類の飼料(試験区1〜試験区7)をそれぞれ7日齢のホルスタイン雄牛各10頭に80日間給与して、各区における子牛の発育状況を調べた。供試した試験区飼料は、表5の配合のものを用いた。また、試験結果は表7に示すとおりである。なお、試験区飼料は試験例1と同じ方法でペレット状に製した。
【0039】
(2)試験結果
《表7》
子牛の発育成績(80日間給与:各区とも10頭の平均値)
飼料 飼料 下痢軟便
開始体重 終了体重 日増体 摂取量 要求率 発生率
(kg) (kg) (g) (g) (%) 試験区1 45.21 111.77 832 1914 2.30 11
(DE=3) (100) (100) (100) (100) (100) (100)

試験区2 44.70 116.58 899 2013 2.24 12
(DE=5) ( 99) (104) (108) (105) ( 97) (109)

試験区3 46.21 123.42 965 2191 2.27 6
(DE=10) (102) (110) (116) (114) ( 99) ( 55)

試験区4 45.57 119.45 924 2087 2.26 5
(DE=15) (101) (107) (111) (109) ( 98) ( 45)

試験区5 44.89 133.05 1102 2502 2.27 7
(DE=20) ( 99) (119) (132) (131) ( 99) ( 64)

試験区6 45.32 121.96 958 2175 2.27 9
(DE=25) (100) (109) (115) (114) ( 99) ( 82)

試験区7 45.79 113.79 850 1972 2.32 12
(DE=30) (101) (102) (102) (103) (101) (109)

【0040】
(3)所見
表7に示すとおり、マルトデキストリンのDE(糖化度)の相違により、子牛の発育に影響を与えることが確認され、その最適な範囲が、試験区2〜試験区6(マルトデキストリンのDE=5〜25)であり、試験区7(DE=30)では効果がやや鈍化することが判明した。したがって、本発明では、DE=5〜25のマルトデキストリンを用いるのが適切であることが確認された。
【0041】
以上の試験結果を総合すると、DEが5〜25のマルトデキストリンを配合したほ乳期子牛育成用飼料を子牛に10日間以上給与すると、子牛の飼料要求率はほとんど変わらないのに、飼料摂取量が増加し、これに伴って日増体も向上して子牛の発育が改善されること、また、マルトデキストリンの好ましい配合量は飼料の全量に対して1〜10%であることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明によって、子牛の発育不良や発育停滞を顕著に解消できるので、発育不良のため途中で母牛のもとに戻され、搾乳停滞や繁殖遅延をもたらす子牛が減少すると共に、発育停滞に起因する当該牛の出荷日齢の遅滞に伴う養牛農家の回転率低下問題が解決され、早期の搾乳開始が可能となる。したがって、本発明によれば、畜産事業の投資のロスを減少させることができ、畜産業者の収益向上に大きく貢献できる。
【出願人】 【識別番号】000162397
【氏名又は名称】協同飼料株式会社
【住所又は居所】神奈川県横浜市西区高島2丁目5番12号
【出願日】 平成15年9月2日(2003.9.2)
【代理人】 【識別番号】100090941
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 清也

【識別番号】100113837
【弁理士】
【氏名又は名称】吉見 京子

【識別番号】100076244
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 清規

【公開番号】 特開2005−73624(P2005−73624A)
【公開日】 平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願番号】 特願2003−309454(P2003−309454)