| 【発明の名称】 |
家畜の臓器機能改善方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】飛岡 久弥
【氏名】新留 勝行
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| 【要約】 |
【課題】反芻家畜を含む家畜の臓器、とりわけ肝臓や腎臓の機能を改善することにより、健康な家畜を飼育する。
【解決手段】家畜の飼料あるいは飲水をホッパー9に入れ、そのホッパー9内に設けた絶縁材で被覆された電極8−1〜8−3に交流電圧500V〜20000Vを印加し、消費電力10W〜30Wで電子チャージし、その飼料、飲水を家畜に給与して肝臓や腎臓等の臓器機能を改善する。電子チャージした飼料、水を家畜に給与することにより、飼育している家畜の健康状態が維持され、従来のように、抗生物質、ホルモン剤等の薬物投与が不要となる。特に、抗生物質を投与しないため、肉や乳製品を食する人体への悪影響が解消される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 家畜の飼料あるいは飲水を容器に入れ、その容器内に設けた絶縁材で被覆された電極に電圧500V〜20000Vを印加して電子チャージし、その飼料、飲水を家畜に給与して肝臓や腎臓等の臓器機能を改善することを特徴とする家畜の臓器機能改善方法。 【請求項2】 前記電極は、絶縁材被覆導電体を導電性有底筒状体に挿入し、前記導電性有底筒状体と前記絶縁性被覆導電体との隙間に粉粒状電気石を充填し、前記導電性有底筒状体の外側を絶縁性有底筒状体で被覆し、前記有底筒状体および絶縁性有底筒状体の開口部を、絶縁性密封材で閉塞したものである請求項1記載の家畜の臓器機能改善方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、家畜の臓器、特に肝臓および腎臓機能の改善方法に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、綿羊や乳牛、肉牛、豚、鶏などの家畜を飼育する場合、製品(肉、乳、毛)の質を向上させるために、通常の飼料よりも蛋白質(組成)やカロリーが高い濃厚飼料が給与されている。そのために、内臓等に障害を来たすことが指摘されている。これらを予防または治療するために、抗生物質、ビタミン剤、ホルモン剤、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等の各種添加剤が一般的に用いられている。 【0003】 抗生物質は、不衛生な飼育方法や過密状態が原因で発生する病気の予防と、成長の促進のために、工場方式で飼育されている豚や牛、鶏の飼料や水に混合した形で投与されている。これらの抗生物質は、健康な家畜にも使用されており、人間の体内にいるようなバクテリアは、抗生物質に対する耐性を徐々に強めている。これらの家畜が病気になるとさらに多量の抗生物質を投与する結果、抗生物質に繰り返しさらされる状況を生き抜いたごく一部のバクテリアは、最終的により強力になり、根絶がきわめて困難になる。 【0004】 すでに耐性を持ったバクテリアを含んだ家畜製品を人々が消費すると、人間の消化器官が耐性菌の繁殖場になり、抗生物質が効かなくなり、人間の健康が脅かされることになる。また、本来、家畜の病気の原因であったウイルスが、人間に感染するウイルスに変化する事例も報告されている。 【0005】 特許文献1には、家畜用飼料改良材として、麦飯石または麦飯石混合物、静電気に帯電しにくい樹脂並びにマイナスイオン放出性鉱物よりなる樹脂複合物、あるいは前記樹脂複合物にトルマリン(電気石)もしくは遠赤外線セラミックを混合したものを用いることが開示されている。これによれば、マイナスイオンの還元作用と吸着作用により家畜糞の臭気を大幅に減少させると共に、さらに遠赤外線効果による成長促進および飼料栄養素(養分)の吸収増加作用により、体重の増加、ならびに肉質が引き締まる等の効果があるとされている。 【0006】 しかしながら、麦飯石やトルマリンは希少な鉱物資源であり、家畜などに大量に継続して給与するには、供給量が限られており、適当な粒径に粉砕する工程が必要であり、またコストが嵩むという問題がある。また、特許文献1の飼料改良材は、砂を消化器官に入れている鶏には適しているが、羊や豚や牛には適用例がない。 【0007】 本出願人は、食品加工用水、飲料水、調理水、風呂水などに用いられる電子水の製造、食材や畜産飼料などに含まれる化学物質の中和除去、あるいは空気中のマイナスイオン濃度の高揚などを目的とした電子発生装置およびその電極について開発を行った(特許文献2、特許文献3参照)。 【0008】 例えば特許文献2には、図1に示すように、絶縁材被覆導電体3を導電性有底筒状体であるステンレスパイプ1に挿入し、ステンレスパイプ1と絶縁性被覆導電体3との隙間に粉粒状電気石(トルマリン)2を充填し、ステンレスパイプ1の外側を絶縁性有底筒状体であるポリエチレンパイプ4で被覆し、ステンレスパイプ1およびポリエチレンパイプ4の開口部を、絶縁性密封材であるシリコン樹脂5で閉塞した電子発生装置用電極8が記載されている。ステンレスパイプ1内の絶縁材被覆導電体3は、導電体の先端および外周が全て絶縁材で被覆されており、絶縁材被覆導電体3の基端部分には、電子発生装置7の出力端子11に接続するためのピンジャック6が取り付けられている。 【0009】 この電子発生装置を使用する場合、絶縁材被覆導電体3の基端部分のピンジャック6を電子発生装置7の出力端子11に接続し、電子発生装置用電極8を接地された容器内の材料または水に浸漬した後、電子発生装置7から絶縁材被覆導電体3に交流の高電圧を印加する。そうすると、絶縁材被覆導電体3とステンレスパイプ1の間のキャパシタンスと、ステンレスパイプ1とポリエチレンパイプ44および容器の間のキャパシタンスおよび材料や水の抵抗により形成される電気回路により交流の電流が流れる。この電流により、電極8内部の粉粒状電気石2からマイナスイオンが生成される。 【0010】 このマイナスイオンは、活性酸素を無害化し、体液を弱アルカリ性にして体調をよくし、空気を浄化し、細胞を活性化させるなどの効果があるといわれている。 【0011】 【特許文献1】特開2000−262225号公報 【特許文献2】特開2000−210668号公報 【特許文献3】特開2001−137861号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0012】 本発明は、以上のようなマイナスイオンの効能を利用して、反芻家畜を含む家畜の臓器、とりわけ肝臓や腎臓の機能を改善することに特化した方法を提供することにより、健康な家畜を飼育することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0013】 前記課題を解決するため、本発明の家畜の臓器機能改善方法は、家畜の飼料あるいは飲水を容器に入れ、その容器内に設けた絶縁材で被覆された電極に電圧500V〜20000Vを印加して電子チャージし、その飼料、飲水を家畜に給与して肝臓や腎臓等の臓器機能を改善することを特徴とする。 【0014】 本発明においては、前記のように電子チャージを行って充分に改質した飼料あるいは飲水を家畜に給与し、血液中の肝機能や腎機能等に関連する酵素活性への影響を調べたところ、特に血中のGOTとγ‐GTP活性が低下することがわかった。これにより、肉牛や鶏、羊等の、濃厚飼料を多く給与している家畜の肝機能や腎機能、ひいては健康状態をより正常に近い状態に維持することができる。 【0015】 また、本発明における前記電極は、絶縁材被覆導電体を導電性有底筒状体に挿入し、前記導電性有底筒状体と前記絶縁性被覆導電体との隙間に粉粒状電気石を充填し、前記導電性有底筒状体の外側を絶縁性有底筒状体で被覆し、前記有底筒状体および絶縁性有底筒状体の開口部を、絶縁性密封材で閉塞したものであることを特徴とする。 【0016】 この電極に交流電圧を印加すると、粉粒状電気石が刺激されてマイナスイオンを多量に発生し、飼料や飲水を効率的に改質することができる。また、電極の周囲は絶縁されているため、飼料や飲水に直接電流が流れることはなく、電気分解の作用による悪影響が生じることもない。 【0017】 電極に印加する電圧が500V未満だと飼料や飲水の電子チャージ時間が長くなり、20000Vを超えると高圧のため取り扱いが危険となる。 【発明の効果】 【0018】 本発明によれば、次の効果を奏する。 1.電子チャージした飼料、水を家畜に給与することにより、飼育している家畜の健康状態が維持され、従来のように、抗生物質、ホルモン剤等の薬物投与が不要となる。特に、抗生物質を投与しないため、肉や乳製品を食する人体への悪影響が解消される。 2.育成中や肥育中の家畜の飼料要求率(体重1kg増加に要する飼料の量)が改善されると共に、家畜の体重増加率が大きくなる。このことは、乳牛や産卵鶏の場合にも、その生産効率に好影響を与える。 【発明を実施するための最良の形態】 【0019】 以下、本発明の実施例について説明する。 本実施例に用いる給与飼料と水は、図1に示した電極8を、三本、図2に示すホッパー9の中心部とその両側に配置し、ホッパー9内に飼料10を入れて、交流電圧500V〜20000V(実効値)を電極8−1〜8−3に印加し、18時間以上、飼料10に電子チャージを施した。その時の消費電力は10〜30Wであった。 【実施例1】 【0020】 去勢オス子メンヨウ15頭を用いて、5頭ずつ3群に分け、対照区、電子チャージ飼料区、電子チャージ飼料・飲水区に配置した。給与飼料は、濃厚飼料と粗飼料の給与割合を乾物当たり70:30とし、乾物当たり子メンヨウの体重の約2.2〜3.2%に相当する飼料を1日2回朝夕に分けて給与した。ここで、濃厚飼料は、例えばトウモロコシ、大麦、大豆、大豆粕、なたね粕、ふすま、米ぬか、コーングルテン、炭酸カルシウム分、蜂蜜、食塩等の配合飼料やそれらの混合飼料、粗飼料は、例えば乾草、稲ワラ等である。 【0021】 1期、2期、3期の3ヶ月間、試験を行った。各期の最後5日間において、その1日目の飼料給与前と3日または4日目の飼料給与4時間後に血液採取を行った。 調査項目は、血清中の化学成分、血清中の酵素活性および赤血球中の酵素活性である。 【0022】 図3〜図16は、対照区と電子飼料区、電子飼料・飲水区のそれぞれについて調査した結果を示すグラフである。 図3は血液中ヘモグロビンを示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 図4は血清中の総蛋白質質濃度を示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 図5血清中のアルブミン濃度を示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 図6は血清中A/G比を示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 図7は血清中尿素態窒素を示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 図8は血清中Albを示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 図9は血清中TBA値(手動分析)を示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 図10は血清中TBA値(自動分析)を示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 図11は血清中Al−P活性(手動分析)を示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 図12は血清中Al−P活性(自動分析)を示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 図13は血清中CPK活性を示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 図14は血清中GOTを示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 図15は血清中GPT活性を示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 図16は血清中γ−GTPを示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 【0023】 これらの試験結果から、次のことが判明した。 【0024】 1.その他の血液化学成分と血清中AI−PとGPT活性は、処理間で差が見られなかった(図3〜図6、図8〜図13、図15参照)。 【0025】 2.GOTとγ−GTP活性は処理区が対照区に比べて低いか、あるいはその傾向が認められた(図14、図16参照)。 【0026】 3.飼料と飲水の電子チャージは、生体代謝への全体的な効果の一つとして血液性状に一定の影響が見られ、それは育成中綿羊の場合と異なっていた。 【実施例2】 【0027】 血清中のグルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(GOTあるいはAST)活性は、電子チャージ飼料あるいは電子チャージ飼料/飲水を給与した場合が、電子チャージを行わなかった対照区の平均110IU/Lに比べて10〜30%低かった。また、血清中のγ‐グルタミルトランスペプチターゼ(γ‐GTP)活性は、電子チャージ飼料のみを給与した動物が対照区の平均65IU/Lよりも約10%、電子チャージ飼料/飲水を給与した場合は対照区よりも15〜20%低かった。 【0028】 血中のGOTとγ‐GTP活性が低下したのには、以下のような機構が考えられる。すなわち、飼料と飲水の電子チャージによって、家畜(反芻家畜を含む)の消化管内および血液中の酸化還元電位がマイナス側に傾き、体液中等での過酸化物の生成が抑制されたものと考えられる。一般に、高エネルギー飼料を多く給与している動物では肝臓や腎臓への代謝負担が増加して、GOTとγ‐GTP活性が増加する。しかし、飼料や水の電子チャージによって肝臓や腎臓への代謝負担が軽減し、臓器機能がより正常に近い状態となり、血中のGOTとγ‐GTP活性が低下したものと考えられる。 【0029】 上記の結果から、家畜の飼料あるいは飼料と飲水を電圧500V〜20000V、消費電力10W〜30Wで電子チャージすることによって、濃厚飼料を多く給与している家畜の肝機能や腎機能を向上させ、ひいては健康状態をより正常に近い状態に維持することができる。 【0030】 なお、上記の実施の形態では、交流電圧500V〜20000V(実効値)を電極8−1〜8−3に18時間以上印加して、飼料10に電子チャージを施した例を挙げたが、電圧を3分以上印加すれば、所定の電子チャージの効果が表れるという結果が得られたので、必ずしも18時間以上印加する必要はない。 【産業上の利用可能性】 【0031】 本発明は、濃厚飼料を給与している家畜に対しても、肝機能や腎機能を改善して健康状態を正常に近い状態で飼育することができ、畜産業に有用に適用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0032】 【図1】本発明の方法に用いる電子チャージ装置の電極の構成を示す概略図である。 【図2】本発明の方法に用いるホッパーの例を示すもので、(a)は縦断面図、(b)は平面図である。 【図3】血液中ヘモグロビンを示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 【図4】血清中の総蛋白質質濃度を示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 【図5】血清中のアルブミン濃度を示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 【図6】血清中A/G比を示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 【図7】血清中尿素態窒素を示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 【図8】血清中Albを示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 【図9】血清中TBA値(手動分析)を示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 【図10】血清中TBA値(自動分析)を示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 【図11】血清中Al−P活性(手動分析)を示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 【図12】血清中Al−P活性(自動分析)を示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 【図13】血清中CPK活性を示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 【図14】血清中GOTを示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 【図15】血清中GPT活性を示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 【図16】血清中γ−GTPを示すもので、(a)は飼料給与前、(b)は飼料給与後の結果である。 【符号の説明】 【0033】 1 ステンレスパイプ 2 粉粒状電気石 3 絶縁材被覆導電体 4 ポリエチレンパイプ 5 シリコン樹脂 6 ピンジャック 7 電子発生装置 8,8−1〜8−3 電極 9 ホッパー 10 飼料 11 出力端子
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| 【出願人】 |
【識別番号】000125369 【氏名又は名称】学校法人東海大学 【識別番号】597016251 【氏名又は名称】株式会社ジェム
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| 【出願日】 |
平成15年8月29日(2003.8.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099508 【弁理士】 【氏名又は名称】加藤 久
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| 【公開番号】 |
特開2005−73579(P2005−73579A) |
| 【公開日】 |
平成17年3月24日(2005.3.24) |
| 【出願番号】 |
特願2003−308053(P2003−308053) |
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