| 【発明の名称】 |
ウナギ仔魚用飼料 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 秀樹
【氏名】野村 和晴
【氏名】塩谷 格
【氏名】中森 俊宏
【氏名】古田 均
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| 【要約】 |
【課題】ウナギ仔魚をシラスウナギまで成長・変態させることができるウナギ仔魚用飼料を提供すること。
【解決手段】オキアミ分解物および/またはフィチン酸低減処理した大豆ペプチドを含有するウナギ仔魚用飼料。オキアミ分解物は、オキアミ内在酵素を分解処理に用いたオキアミ分解物である。オキアミ分解物は、さらに加熱変性されたものである。フィチン酸低減処理した大豆ペプチドは、大豆蛋白にプロテアーゼとフィターゼを作用させて得られるものである。フィチン酸低減処理した大豆ペプチドは、フィチン酸含量として大豆ペプチド中の1%以下である。ウナギ仔魚をシラスウナギまで成長させることができる飼料である。さらに、生物の卵成分を配合したものである。卵成分は魚卵または鶏卵由来のものである。さらに高度不飽和脂肪酸含有油脂を含有する。上記いずれかのウナギ仔魚用飼料を用いて育成したウナギ種苗。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 オキアミ分解物および/またはフィチン酸低減処理した大豆ペプチドを含有するウナギ仔魚用飼料。 【請求項2】 オキアミ分解物が、オキアミ内在酵素を分解処理に用いたオキアミ分解物である、請求項1のウナギ仔魚用飼料。 【請求項3】 オキアミ分解物が、さらに加熱変性されたものである、請求項1または2のウナギ仔魚用飼料。 【請求項4】 フィチン酸低減処理した大豆ペプチドが、大豆蛋白にプロテアーゼとフィターゼを作用させて得られるものである、請求項1、2または3のウナギ仔魚用飼料。 【請求項5】 フィチン酸低減処理した大豆ペプチドが、フィチン酸含量として大豆ペプチド中の1%以下である、請求項1ないし4のいずれかのウナギ仔魚用飼料。 【請求項6】 ウナギ仔魚をシラスウナギまで成長させることができる飼料である請求項1ないし5のいずれかのウナギ仔魚用飼料。 【請求項7】 さらに、生物の卵成分を配合したものである請求項1ないし6のいずれかのウナギ仔魚用飼料。 【請求項8】 卵成分が魚卵または鶏卵由来のものである請求項7のウナギ仔魚用飼料。 【請求項9】 さらに高度不飽和脂肪酸含有油脂を含有する請求項1ないし8のいずれかのウナギ仔魚用飼料。 【請求項10】 請求項1ないし9いずれかのウナギ仔魚用飼料を用いて育成したウナギ種苗。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、オキアミおよび/またはフィチン酸低減処理した大豆ペプチドを含有するウナギ種苗生産に不可欠なウナギ仔魚用飼料に関する。詳しくは、オキアミおよび/またはフィチン酸低減処理した大豆ペプチドを含有した、ウナギ仔魚をシラスウナギまで成長させることができるウナギ仔魚用飼料に関する。また、本発明はそれらウナギ仔魚用飼料を用いて育成したウナギ種苗に関する。 【0002】 【従来の技術】 ウナギは生産量が多い重要な養殖魚種であるが、種苗は全て天然のシラスウナギに依存している。したがって、漁獲量の多少によってシラスウナギの取り引き価格は大きく変動し、養鰻経営の不安定化の一因となっている。ウナギの種苗生産、すなわちシラスウナギが飼育下で安定的に大量生産できれば、養鰻経営の安定化だけでなく近年急速に減少しているウナギ資源の保護にも寄与する。ウナギの人工孵化が可能になった現在、仔魚をシラスウナギまで成長・変態させる飼料の開発が必要である。 【0003】 天然のウナギは成熟過程、産卵場、孵化から仔魚の成長など謎に包まれていることが多い。ウナギは孵化後、プレレプトケファルスからレプトケファルスへと成長し、その後シラスウナギへと劇的に変態する。これまでに多数の天然レプトケファルスが採取され、消化管内滞留物の研究が進められているが、レプトケファルスの餌については未だ不明である。 【0004】 ウナギの人工孵化が可能になってから20年以上経過し、ウナギ仔魚の餌としてこれまでにワムシなどの生物餌料、市販の初期飼料、市販の栄養強化飼料、魚介類の生殖腺や鶏卵など極めて多くの物質が試されてきた。しかし、ウナギ仔魚の初期飼料としては、独立行政法人水産総合研究センター養殖研究所(当時水産庁養殖研究所)の研究グループが見いだしたサメ卵粉末が有効であるという知見(特許文献1)以外には、これまで多くの試みがなされたにもかかわらず、ウナギ仔魚に対し摂餌誘因性や成長性を有する飼料は全く見出されていなかった。しかも、前述のサメ卵でも、レプトケファルスをシラスまで成長・変態させることは不可能であった。 【0005】 その後、サメ卵粉末に大豆ペプチド、ビタミンミックス、ミネラルミックス、オキアミ水抽出物を配合した沈降性飼料でウナギ仔魚をレプトケファルスまで成長させることに成功した(非特許文献1)が、この飼料によってもシラスウナギまで成長・変態するには至らなかった。 【0006】 ところで、南極オキアミ(Euphausia superba)は魚介類の餌として成長性や摂餌性に優れていることが知られている。養魚飼料原料としての南極オキアミは育成用飼料に用いられ、その利用形態は生あるいはミールである。上述のようにウナギ仔魚の飼料原料としてオキアミ水抽出物の有効性が示されていたが、オキアミの機能性を最大限に活用しているとは言えなかった。しかし、生やミールのような利用形態では、消化吸収能の弱いウナギ仔魚に対してオキアミの機能性を最大限に活用することはできなかった。 【0007】 また、大豆ペプチドの飼料原料への有効性は既に確認されているが(非特許文献1)、ウナギ仔魚をシラスウナギまで成長させることができるような飼料には至っていなかった。 なお、大豆からフィチン酸を除去する方法には、塩を利用して大豆蛋白の水抽出過程でフィチン酸を除去するもの(特許文献2、特許文献3)、フィターゼ等でフィチン酸を分解する方法、樹脂などに吸着させて除去する方法(特許文献4)などがある。 【0008】 【特許文献1】 特開平11−253111号公報 【特許文献2】 特開平8−173052号公報 【特許文献3】 特開平9−121780号公報 【特許文献4】 特開2001−163800号公報 【非特許文献1】 田中ら,プロダクション・オブ・レプトケファリ・オブ・ジャパニーズ ・イール(アングイラ・ジャポニカ)・イン・キャプティビティー (Production of leptocephali of Japanese eel (Anguilla japonica) in captivity),「アクアカルチャー(Aquaculture)」,(オランダ),エルセビア・サイエンス・ビーブイ(ELSEVIER SCIENCE BV), 2001年9月14日,201巻,1−2号,p.51−60 【0009】 【発明が解決しようとする課題】 本発明は、ウナギ仔魚をシラスウナギまで成長・変態させることができるウナギ仔魚用飼料を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】 本発明者らは上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、オキアミ分解物および/またはフィチン酸低減処理した大豆ペプチドを配合した飼料がウナギ仔魚に対し摂餌誘因性、成長性を有することを見出し本研究を完成するに至った。 【0011】 本発明は、オキアミ分解物、好ましくはオキアミ内在酵素を分解処理に用いたオキアミ分解物、必要に応じ内在酵素により分解した後加熱変性させたオキアミ分解物、および/または、フィチン酸低減処理した大豆ペプチド、好ましくは大豆蛋白にプロテアーゼとフィターゼを作用させて得られるもの、より具体的にはフィチン酸低減処理した大豆ペプチドがフィチン酸含量として大豆ペプチド中の1%以下であるもの、を含有するウナギ仔魚用飼料を要旨とする。 本発明は、ウナギ仔魚をシラスウナギまで成長させることができる飼料である。 【0012】 また、本発明はオキアミ分解物および/またはフィチン酸低減処理した大豆ペプチドに加え、生物の卵成分、好ましくは魚卵または鶏卵由来の卵成分、さらに必要に応じ高度不飽和脂肪酸含有油脂を配合したウナギ仔魚用飼料を要旨としている。 また、本発明は、オキアミ分解物、好ましくはオキアミ内在酵素を分解処理に用いたオキアミ分解物、必要に応じ内在酵素により分解した後加熱変性させたオキアミ分解物、および/または、フィチン酸低減処理した大豆ペプチド、好ましくは大豆蛋白にプロテアーゼとフィターゼを作用させて得られるもの、より具体的にはフィチン酸低減処理した大豆ペプチドがフィチン酸含量として大豆ペプチド中の1%以下であるもの、を含有するウナギ仔魚用飼料を用いて育成したウナギ種苗を要旨とする。 【0013】 【発明の実施の形態】 本発明の対象となるウナギの仔魚は、例えばニホンウナギ(Anguilla japonica)、ヨーロッパウナギ(Anguilla anguilla)等、養殖対象となるウナギの仔魚が挙げられる。なお、本発明で言うウナギ仔魚とは、プレレプトケファレス、レプトケファレス等、シラスウナギに変態する前の段階にあるウナギ仔魚を指す。 本発明で用いるオキアミとしては、産業上有用なオキアミ目(Euphausiacea)が挙げられるが、南極オキアミ(Euphausia superba)を用いるのが好ましい。又、このオキアミについては、内在性酵素による分解物(自己消化物)、あるいは市販の酵素を外添し、内在性酵素による分解を増強して得られた分解物を用いても良い。オキアミ分解物は例えば、オキアミをミンチにして撹拌しながら50℃で1時間加熱を維持することで得ることができる。さらに、オキアミ分解物を常法により加熱変性させたものを用いても良い。 【0014】 本発明で用いられるフィチン酸低減処理した大豆ペプチド(以下、「低フィチン大豆ペプチド」と言う。)は、以下に説明される。 まず大豆からフィチン酸を除去する方法は、(1)塩を利用して大豆蛋白の水抽出過程でフィチン酸を除去するもの(上記特許文献2、3)、(2)フィターゼ等でフィチン酸を分解する方法、(3)樹脂などに吸着させて除去する方法(上記特許文献4)などがあり、(1)や(3)の方法に比べて(2)の方法が工程が煩雑でなく工業的に有利である。このような方法により低フィチン化された原料にプロテアーゼを作用させて蛋白分解を行うことにより低フィチン大豆ペプチドを製造することができる。なお、低フィチン化とプロテアーゼによる分解はいずれを先に行っても、あるいは同時に行うことも可能である。残存するフィチン酸については完全除去が望ましいが、通常残存フィチン酸量としてバナドモリブテン酸吸光光度法による定量で(検出限界5mg/100g)で1.0%以下であればよく、好ましくは0.5%以下である。 【0015】 本発明に用いる蛋白分解酵素(プロテアーゼ)は、エキソプロテアーゼまたはエンドプロテアーゼを単独または併用することができ、動物起源、植物起源あるいは微生物起源は問わない。具体的には、セリンプロテアーゼ(動物由来のトリプシン、キモトリプシン、微生物由来のズブチリシン、カルボキシペプチダーゼ等)、アスペルギルス・オリゼ起源の「プロチンFN」 (大和化成(株)製)、「プロテアーゼS」(天野製薬(株)製)や「プロチンAC−10」(大和化成(株)製)が例示できる。 【0016】 本発明の加水分解の条件は用いる蛋白分解酵素の種類により多少異なるが、概してその蛋白分解酵素の作用pH域、作用温度域で、低フィチン化された大豆蛋白を加水分解するに充分な量を用いるのがよい。加水分解の程度は、蛋白成分の15%トリクロロ酢酸可溶率でいう大豆蛋白分解率で、5〜98%程度、より通常には50〜90%程度になるまで行なわれる。蛋白分解酵素を作用させる時間は、使用する蛋白分解酵素の活性や量にもよるが、通常5分〜12時間程度、好ましくは30分〜5時間程度とすることができる。酵素分解時間が長すぎると腐敗を招きやすい。 【0017】 本発明で用いる卵成分としては、魚卵あるいは鶏卵由来のものが挙げられる。魚卵としては、サメ卵、スケコ、マダラコ、マダイ卵等が挙げられ、特にサメ卵が好ましい。又、これらは液卵あるいは粉末のどちら状態のものを用いても良いが、液卵を用いる方が特に好ましい。 本発明で用いる高度不飽和脂肪酸含有油脂としては、動物起源、植物起源あるいは微生物起源は問わない。具体的には、イワシフィードオイル、タラ肝油、ω‐3やω‐6の高度不飽和脂肪酸を高濃度に含有する精製魚油等が挙げられる。 【0018】 本発明のウナギ仔魚用飼料は、上述の成分を適宜混合して製造される。この時、オキアミ分解物と低フィチン大豆ペプチドはそれぞれ単独あるいは組み合わせて用いても良い。いずれも配合量は問わないが、飼料全体に対しオキアミ分解物は3〜50%、低フィチン大豆ペプチドは3〜50%で適宜組み合わせて用いることができる。例えば、卵成分を20%、オキアミ分解物3%、低フィチン酸大豆ペプチド3%、DHA高含有油4%、蒸留水70%のような組み合わせが使用できる。 【0019】 【作用】 本発明は、オキアミ分解物、好ましくはオキアミ内在酵素を分解処理に用いたオキアミ分解物および/または低フィチン大豆ペプチドを含むことを特徴とするウナギ仔魚用飼料である。飼料あるいは飼料原料に南極オキアミおよび/または低フィチン大豆ペプチドを用いることにより、ウナギ人工孵化仔魚をシラスウナギまで成長・変態させることができる。 【0020】 【実施例】 以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。 【0021】 実施例1 各種成分によるウナギ仔魚の成長性確認試験 人為催熟によって得られた受精卵から孵化し、目や口器が形成され摂餌可能となった孵化後8日のウナギ仔魚を供試魚とした。5Lアクリル製ボウル型水槽を12個用い、それぞれにウナギ仔魚をおよそ200尾収容した。飼育水温は21.5℃とした。無給餌生存日数は孵化後15日前後であるため、給餌期間を10日間とした。 試験区をサメ卵給餌区(飼料1)、サメ卵+低フィチン大豆ペプチド区(飼料2)、サメ卵+オキアミ分解物区(飼料3)、およびサメ卵+低フィチン大豆ペプチド+オキアミ分解物区(飼料4)とした。飼料組成を表1に示す。なお、サメ卵液卵は水分50%である。 【0022】 【表1】
【0023】 飼料の給餌方法は、特開平11−253111号公報(上記特許文献1)およびTanakaら〔上記非特許文献1(H.Tanaka, H.Kagawa, H.Ohta, Aquqculture 201(2001)51−60)〕に準じた。すなわち、給餌前日あるいは当日調製して0〜1℃で保存し、給餌直前に注水を停止させた水槽の底に駒込ピペットで約5ml注入した。給餌30分後に調温ろ過海水を0.4L/minで注入し、飼育海水をかけ流しとして水槽内を清潔に保った。給餌回数は1日5回、2時間毎とし、毎日夜間にサイフォンを用いて仔魚を清潔な水槽へ移動させた。飼育成績の統計処理は、分散分析で有意だった項目についてチューキー多重比較を行った。結果を図1(各試験区のウナギ仔魚の生存率)、図2(オキアミ分解物と低フィチン酸大豆ペプチドがウナギ仔魚の全長へ与える効果)、図3(オキアミ分解物と低フィチン酸大豆ペプチドがウナギ仔魚の体高へ与える効果)、図4(オキアミ分解物と低フィチン酸大豆ペプチドがウナギ仔魚の体高/全長へ与える効果)、および表2(成長に関する飼育成績)にそれぞれ示す。 【0024】 この結果、いずれの飼料でも仔魚は良好な摂餌性を示し、順調に成長した。給餌10日後の平均生残率は、飼料1が33.1%、飼料2が38.2%、飼料3が37.7%、および飼料4が54.7%であった。サメ卵とオキアミ分解物あるいはサメ卵と低フィチン大豆ペプチドを配合した飼料を給餌した場合、サメ卵単独給餌よりも生残率が高かった。さらに、サメ卵とオキアミ分解物と低フィチン大豆ペプチドを配合した場合で、最も高い生残率を示した。 【0025】 給餌開始時の仔魚の平均全長は6.65±0.26mmであった。給餌10日後の各試験区の平均全長は、飼料1が8.25±0.56mm、飼料2が8.53±0.66mm、飼料3が8.88±0.64mmおよび飼料4が8.97±0.55mmであった。いずれの飼料についても給餌効果が認められ、給餌開始時と比較して有意(p<0.01)に全長が伸びていた。サメ卵とオキアミ分解物を配合した飼料とサメ卵と低フィチン大豆ペプチドを配合した飼料はサメ卵単独と比べて有意に全長が伸びた(p<0.01)。さらに、サメ卵とオキアミ分解物と低フィチン大豆ペプチドを配合した場合で、最も全長の伸長を示した。 【0026】 ウナギ仔魚の体形を評価するために体高を測定した。典型的なレプトケファルスは体高が高く、体高/体長比が大きい。給餌開始時の仔魚の平均体高は0.65±0.05mmであった。給餌10日後の各試験区の平均体高は、飼料1が0.82±0.08mm、飼料2が0.85±0.10mm、飼料3が0.95±0.11mmおよび飼料4が0.97±0.11mmであった。いずれの飼料についても給餌効果が認められ、給餌開始時と比較して有意(p<0.01)に体高が高くなった。サメ卵とオキアミ分解物を配合した飼料を給餌した場合、サメ卵単独あるいはサメ卵と大豆ペプチドを配合した場合と比べて有意に体高が高くなった(p<0.01)。さらに、サメ卵と大豆ペプチドとオキアミ分解物を配合した場合で、最も体高が高くなった。 【0027】 各試験区の体高/体長(%)は、試験開始時が9.79±0.48%、飼料1が9.91±0.68%、飼料2が9.91±0.67%、飼料3が10.75±0.83%および飼料4が10.78±0.92%であった。オキアミ分解物を配合した飼料の給餌が、体高/体長比に関しても有意に大きくなることが示された(p<0.01)。 以上の結果より、魚卵成分とオキアミ分解物あるいは低フィチン大豆ペプチドあるいはそれらの組み合わせの配合により、ウナギ仔魚を有意に成長させるものであることが確認された。 【0028】 【表2】
【0029】 実施例2 卵成分の違いによる成長性確認試験 人為催熟によって得られた受精卵から孵化し、目や口器が形成され摂餌可能となった孵化後8日の仔魚を用いた。ウナギ仔魚を20Lアクリル製水槽に収容した。飼育水温は21.5℃とした。 試験区を、サメ卵粉末と低フィチン大豆ペプチドとオキアミ分解物を配合した飼料を与えた飼料5と、鶏卵粉末と低フィチン大豆ペプチドとオキアミ分解物とω‐3高含有精製魚油(DHA含有量46%)を配合した飼料を与えた飼料6とした。飼料組成を表3に示す。なお、飼料の給餌方法は実施例1と同様に行った。 【0030】 【表3】
【0031】 これまでウナギ仔魚は、サメ卵を配合した飼料以外では成長が認められていなかった。しかし、サメ卵粉末を全く配合していない飼料6でも仔魚は良好な摂餌性を示し、順調に成長した。ふ化後28日の平均全長について比較すると飼料5が9.85±0.70mm、飼料6が9.43±0.89mmであった (図5)。ふ化後28日の最長個体の全長は飼料5で10.9mm、飼料6で11.0mmであった。 【0032】 サメ卵粉末主体飼料を用いたTanakaら〔上記非特許文献1(H.Tanaka, H.Kagawa, H.Ohta, Aquqculture 201(2001)51−60)〕によると、人工受精により得られた仔魚は孵化後25日で10.6mmまで成長している。本試験の結果より、鶏卵粉末、オキアミ分解物、低フィチン大豆ペプチドおよび魚油を配合した飼料6においても、サメ卵を配合した飼料である飼料5の成長に匹敵する成長性が示された。 【0033】 本発明の飼料ではふ化後28日で10mmを超える個体が多数認められ、鶏卵粉末、オキアミ分解物、低フィチン大豆ペプチドおよび魚油を配合した飼料は、サメ卵粉末主体飼料に十分に匹敵しうることが確認された。 【0034】 実施例3 シラスウナギへの変態確認試験 人為催熟によって得られた受精卵から孵化し、目や口器が形成され摂餌可能となった孵化後8日の仔魚を用いた。ウナギ仔魚を20Lアクリル製水槽に収容した。飼育水温は21.5℃とした。飼料組成を表4に示す。なお、サメ卵液卵は水分50%である。孵化18日後までは飼料7を給餌し、孵化19日後からは飼料8を給餌した。 【0035】 【表4】
【0036】 この結果、仔魚は順調に成長し、孵化から約7〜9ヶ月後に全長50〜60mmに達し、レプトケファルスからシラスウナギへの変態を開始し、変態途中に体が湾曲した個体を除き約2〜3週間で全長が2〜8%短くなり,シラスウナギへと変態したことが確認された(図6、図7)。 【0037】 【発明の効果】 本発明により、ウナギ仔魚をシラスウナギまで成長させることができる優れたウナギ仔魚用飼料を提供することが可能となった。 【図面の簡単な説明】 【図1】実施例1における、サメ卵給餌区(飼料1)、サメ卵+低フィチン大豆ペプチド区(飼料2)、サメ卵+オキアミ分解物区(飼料3)およびサメ卵+低フィチン大豆ペプチド+オキアミ分解物区(飼料4)の生残率比較。 【図2】実施例1における、サメ卵給餌区(飼料1)、サメ卵+低フィチン大豆ペプチド区(飼料2)、サメ卵+オキアミ分解物区(飼料3)およびサメ卵+低フィチン大豆ペプチド+オキアミ分解物区(飼料4)の全長(mm)比較。 【図3】実施例1における、サメ卵給餌区(飼料1)、サメ卵+低フィチン大豆ペプチド区(飼料2)、サメ卵+オキアミ分解物区(飼料3)およびサメ卵+低フィチン大豆ペプチド+オキアミ分解物区(飼料4)の体高(mm)比較。 【図4】実施例1における、サメ卵給餌区(飼料1)、サメ卵+低フィチン大豆ペプチド区(飼料2)、サメ卵+オキアミ分解物区(飼料3)およびサメ卵+低フィチン大豆ペプチド+オキアミ分解物区(飼料4)の体高/全長(%)比較。 【図5】実施例2における、サメ卵粉末+低フィチン大豆ペプチド+オキアミ分解物区(飼料5)と、鶏卵粉末+低フィチン大豆ペプチド+オキアミ分解物+魚油区(飼料6)の全長(mm)推移比較。 【図6】実施例3における、仔魚の成長と変態。 【図7】実施例3における仔魚の変態例。上からふ化後248,254,262日の同一個体。
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| 【出願人】 |
【識別番号】501168814 【氏名又は名称】独立行政法人水産総合研究センター 【識別番号】000004189 【氏名又は名称】日本水産株式会社 【識別番号】000236768 【氏名又は名称】不二製油株式会社
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| 【出願日】 |
平成15年6月26日(2003.6.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100102314 【弁理士】 【氏名又は名称】須藤 阿佐子
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| 【公開番号】 |
特開2005−13116(P2005−13116A) |
| 【公開日】 |
平成17年1月20日(2005.1.20) |
| 【出願番号】 |
特願2003−183308(P2003−183308) |
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