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【発明の名称】 犬用のスナックフード
【発明者】 【氏名】金子 陽介
【住所又は居所】静岡県庵原郡蒲原3丁目15番1号 株式会社ホテイフーズコーポレーション研究部内

【氏名】鈴木 紀克
【住所又は居所】静岡県庵原郡蒲原3丁目15番1号 株式会社ホテイフーズコーポレーション研究部内

【要約】 【課題】従来の犬用のスナック的な飼料の改良。犬の好みに適合する匂いや歯ごたえを有すると共に犬特有の習性を満足させることができ、大きなコストや手間をかけることなく、容易に作ることができ、飼い犬のストレスを解消し、その健康の維持・増進に役立つことができる犬用のスナック的な飼料を提供する。

【解決手段】クリーム状の混練物を、シート状の鳥獣肉及び/又は魚介肉の乾燥固形物で巻いてあるか、該シート状の乾燥固形物の間に挟んであるか、該ロール状の乾燥固形物の中に詰めてある犬用のスナックフード。クリーム状の混練物の強度は、品温20℃において2.5×10〜8.0×10N/mに調整してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の鳥獣肉及び/又は魚介肉の乾燥固形物でクリーム状の混練物を巻いてある犬用のスナックフード。
【請求項2】
シート状の鳥獣肉及び/又は魚介肉の乾燥固形物の間にクリーム状の混練物を挟んである犬用のスナックフード。
【請求項3】
ロール状の鳥獣肉及び/又は魚介肉の乾燥固形物の中にクリーム状の混練物を詰めてある犬用のスナックフード。
【請求項4】
クリーム状の混練物の強度を品温20℃において2.5×10〜8.0×10N/mに調整してある請求項1から3のいずれかに記載の犬用のスナックフード。
【請求項5】
油脂原料30〜50重量%を含むクリーム状の混練物を用いる請求項1から4のいずれかに記載の犬用のスナックフード。
【請求項6】
クリーム状の混練物の中に、野菜・果実・魚介肉・鳥獣肉の1種又は2種以上の磨砕物か又は乾燥固形物の細片を配合してある請求項1から5のいずれかに記載の犬用のスナックフード。
【請求項7】
太さ5〜50mmで長さ10〜150mmの大きさに成形してある請求項1から6のいずれかに記載の犬用のスナックフード。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、犬用の飼料、詳しくは、犬用のスナックフードに関する。さらに詳しくは、犬の嗜好に適合した新規なドッグフードに関する。本発明に係る犬用のスナックフードは、ヒト用のスナックフードと同様に、犬に対して「おやつ」的な飼料として供与するのに適している。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2002−233313号公報
【特許文献2】特開2001−161282号公報
【特許文献3】特開平8−266231号公報
【特許文献4】特開平4−330254号公報
【0003】
一般家庭などで飼育されている犬は、その日常において飼い主の生活環境に合わせた生活を強いられているため、ストレスが溜まりやすく、これが原因となって病気になる例が多い。その解決法として、昔、放し飼いの犬にときどき大きな牛骨片を与えたように、現代の飼い犬に対しても、嗜好性がよくて歯ごたえのするスナック的な飼料を供与する必要がある。
【0004】
本発明者らの知見によれば、犬の嗜好性を向上させるために最も効果的な要素は、飼料に犬の好む「匂い」(香り)を付与することであり、2番目は、飼料に犬の好む「歯触り」や「歯ごたえ」を付与することである。犬用のスナックフードについては、これら犬の習性に配慮したものを供与する必要がある。
【0005】
特許公報を見ると、犬用のスナックフードについていくつかの発明が特許出願されている。例えば、特開平4−330254号公報には、牛肉皮を主成分とするガム本体と、該フード本体の表面に薄く付着させた肉類のミンチ体又はペースト体を主成分とする嗜好性増進層とからなる犬の補助食について開示している。上記公報によれば、この犬の補助食は、該嗜好性増進層による肉類の匂いが支配的となるので、犬はこの嗜好性増進層につられてガム体をよく噛むようになり、歯や歯茎が丈夫になるということである。また、特開平8−266231号公報には、穀類、カゼインその他の動物性蛋白質を含む特定割合の配合物を混練加圧押出し成形及び乾燥の加工処理をして、含有水分7〜10重量%で硬度65〜85kg/cmの硬質物とする飼育動物用の飼料について開示している。上記公報によれば、この飼料は、犬などの「かじる」という習性を有する飼育動物に満足感を与え、ストレス解消の一助となし得るということである。
【0006】
しかし、上記公報記載のような犬用の飼料は、構成や製法が複雑であり、作るのが大変面倒であるため実用化の点で問題がある。また、犬用のスナックフードとしての実用性についても十分とはいえない。そのためか、市場ではドッグフードが多々販売されているものの、モノを「かじる」、モノを「しゃぶる」などという犬特有の習性を十分に満足させる犬用のスナックフードはほとんど見当たらない。そこで、本発明者の一人は、増粘多糖類及び/又はゼラチンが犬などの嗜好に適している上、これらを鳥獣肉及び/又は魚介肉の乾燥固形物の表面にコーティングすると該乾燥固形物の強度がアップし、犬がかじったり、しゃぶったりするのに適する硬さに成形できる点に着目し、鳥獣肉及び/又は魚介肉の乾燥固形物の表面に増粘多糖類及び/又はゼラチンからなる被覆材をコーティングしてある飼育動物用の飼料を開発し、特許出願した。この発明は、特開2002−233313号として公開された後、特許第3400989号として特許権を取得している。
【0007】
また、従来市販されている犬用のスナックフードは、ドライで硬いタイプのものとウエットである程度ソフトなものに大別できる。ドライタイプの飼料の利点は、犬の好む歯ごたえがあり、噛みしめることでストレス発散に役立つと共に歯石予防などにも効果がある点である。しかし、ドライタイプのものは、硬いために犬が噛み飽きて食べ残してしまったり、消化を悪くするなどの欠点を有する。一方、ソフトタイプの飼料は、食いつきの点ではすぐれているが、犬がほとんど噛まないですぐ呑み込んでしまうために、与えすぎて、カロリーオーバーになりがちである。
【0008】
なお、犬用のソフトタイプの飼料は、特許公報を調べてもほとんど開示されていない。わずかに、特開2001−161282号公報に、糊状の飼料に薬剤を混合したものを食欲不振又は廃絶状態のペットの口内に塗布し、強制的に摂餌させることによってペットの健康回復を図る方法について開示されている程度である。しかし、このような糊状の飼料はクリーム状とはいいがたく、スナック的な飼料の範疇に含まれるものでもない。
【0009】
本発明者らは、犬の嗜好に適したスナック的な飼料について、上記特許権取得後も研究を続け、犬がクリーム状の飼料を好んで食べることに気がつき、乾燥鳥獣肉や乾燥魚介肉のようなハードタイプの飼料とソフトタイプのクリーム状の飼料を組み合わせると、犬にとって、より食いつきやすく、また、よりかじりやすくなって、犬の嗜好性にさらに適合した犬用のスナックフードに仕上がるのではないかとの着想を得て、種々の試験を繰り返した結果、本発明を完成するに至った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況に鑑み、本発明は、従来の犬用のスナック的な飼料を犬の嗜好にさらに適合したものに改良し、犬の好みに適合する匂いや歯ごたえを有すると共に、犬特有のモノを「かじる」習性やモノを「しゃぶる」習性を満足させることができる犬用のスナック的な飼料を提供することを第1の課題とする。また、本発明は、大きなコストや手間をかけることなく、容易に作ることができる犬用のスナック的な飼料を提供することを第2の課題とする。本発明は、もって、飼い犬のストレスを解消することができ、犬の健康の維持・増進に役立つことができる犬用のスナック的な飼料を提供することを第3の課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の諸課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載する発明は、シート状の鳥獣肉及び/又は魚介肉の乾燥固形物でクリーム状の混練物を巻いてある犬用のスナックフードである。
【0012】
また、本発明のうち請求項2に記載する発明は、シート状の鳥獣肉及び/又は魚介肉の乾燥固形物の間にクリーム状の混練物を挟んである犬用のスナックフードである。
【0013】
また、本発明のうち請求項3に記載する発明は、ロール状の鳥獣肉及び/又は魚介肉の乾燥固形物の中にクリーム状の混練物を詰めてある犬用のスナックフードである。
【0014】
また、本発明のうち請求項4に記載する発明は、クリーム状の混練物の強度を品温20℃において2.5×10〜8.0×10N/mに調整してある請求項1から3のいずれかに記載の犬用のスナックフードである。
【0015】
また、本発明のうち請求項5に記載の発明は、油脂原料30〜50重量%を含むクリーム状の混練物を用いる請求項1から4のいずれかに記載の犬用のスナックフードである。
【0016】
さらに、本発明のうち請求項6に記載の発明は、クリーム状の混練物の中に、野菜・果実・魚介肉・鳥獣肉等の1種又は2種以上の磨砕物か又は乾燥固形物の細片を配合してある請求項1から5のいずれかに記載の犬用のスナックフードである。
【0017】
また、本発明のうち請求項7に記載する発明は、太さ5〜50mmで長さ10〜150mmの大きさに成形してある請求項1から6のいずれかに記載の犬用のスナックフードである。
【0018】
【作用】
本発明に係る犬用のスナックフードは、上記のとおり、シート状の鳥獣肉及び/又は魚介肉の乾燥固形物でクリーム状の混練物を巻いてあるか、該シート状の乾燥固形物の間にクリーム状の混練物を挟んであるか、又は、ロール状の鳥獣肉及び/又は魚介肉の乾燥固形物の中にクリーム状の混練物を詰めてあるので、クリーム状の混練物によって犬の食いつきが一層よくなると共に、鳥獣肉及び/又は魚介肉の乾燥固形物によって犬の「かじる」習性や「しゃぶる」習性を満足させることができる。また、本発明に係る犬用の飼料を供与すると、犬は、異なる硬さの食感を同時に味わうことができる上、いろいろな味や匂いを味わうことができる。そのため、犬の嗜好を満足させ、犬が食べ飽きないスナック的な飼料の供与が可能となり、飼い犬のストレスの解消に貢献できる。また、本発明に係る犬用のスナックフードは、簡単な構成のものであるため、大して手間やコストをかけることなく、ダレでも容易に作ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
なお、本発明の全説明において、「%」表示は、特に断らない限り、重量割合(重量%)を示す。また、本発明において、クリーム状の混練物の強度は、全て試験例2の装置を用いて試験例2と同じ方法で測定したものである。
【0020】
また、本発明の説明において「シート状」とは、鳥獣肉や魚介肉などのフィレ状の小片又はこれらを平らに貼り合わせた状態のことをいい、平面の形状が通常のシートのように完全な平らになっていないものも含む。さらに、「ロール状」とは、中空を有するスティック状のことをいい、シート状のものを巻いて作ったものも含む。
【0021】
本発明に係る犬用のスナックフードは、シート状ないしロール状の鳥獣肉及び/又は魚介肉の乾燥固形物とクリーム状の混練物とで構成される。シート状の鳥獣肉及び/又は魚介肉の乾燥固形物とその製法については、特許第3400989号の明細書に記載のとおりであるが、以下にその要点について説明する。
【0022】
本発明に係る犬用のスナックフードは、基材として、鳥獣肉及び/又は魚介肉の乾燥固形物を使用する。本発明で用いる鳥獣肉及び/又は魚介肉の乾燥固形物は、犬が食するものである限り、どのような鳥獣肉や魚介肉を用いても差し支えない。その一例を挙げれば、牛肉、豚肉、羊肉、鳥肉などの鳥獣肉の肉片やイワシ、マグロ、カツオ、アジ、サバ、サケ、タイ、サメ、ヒラメ、スズキ、コイ、シャコ、イカ、タコ、カニ、エビ、各種貝類などの魚介肉の肉片を、必要に応じて水溶性タンパク質を減少させ、それぞれ単独で使用するか又は適宜に組み合わせて、小片であればこれらを適宜に貼り合わせて、適宜に調味するか又は調味しないで、シート状又はロール状に成形し、加熱するか又は加熱しないで、適宜の方法によって乾燥させて全体を固化させ、乾燥固形物とする。また、ロール状の乾燥固形物は、シート状の成形肉を乾燥させる前後の工程において、適宜の芯棒に巻き付けてスティック状に成形し、必要に応じて仕上げ乾燥した後その芯棒を外すことによっても容易に作ることができる。
【0023】
本発明の鳥獣肉及び/又は魚介肉の乾燥固形物の別の製造例を挙げれば、上記各種の鳥獣肉及び/又は魚介肉を擂潰・混練したものを用い、これに適宜の調味を施すか又は施さないで、適宜のシート状又はロール状に成形し、加熱するか又は加熱しないで、乾燥させて全体を固化させ、乾燥固形物とする方法を採ってもよい。この場合は、副原料として、鳥獣や魚介の内蔵などの磨砕物、野菜エキスや果実エキス、野菜や果実のピューレ、鳥獣肉エキス・魚介エキスなど、調味料としての醤油・食塩・砂糖など、栄養補助剤としてのビタミン類やミネラル類、つなぎ材としての小麦粉やかたくり粉などを適宜添加して差し支えない。また、ロール状の乾燥固形物は、シート状の混練肉を乾燥させる前後の工程において、適宜の芯棒に巻き付けてスティック状に成形し、必要に応じて仕上げ乾燥した後その芯棒を抜き取る方法によっても容易に作ることができる。
以下、本発明で用いる鳥獣肉及び/又は魚介肉の乾燥固形物とその製法について、実施例をもってさらに説明する。
【0024】
【実施例1】
<カワハギを主原料とする乾燥固形物の製造例>
イ.原料魚としてカワハギを使用することとし、カワハギの頭を除いて2枚又は3枚におろし、1片が30〜60mm程度のフィレとする。
ロ.1片のフィレ(カワハギ肉片)の表面に、食塩0.5%、ソルビトール5%及びビタミンE0.2%を混合したものを十分に付着させて、2〜8℃の室内にて15時間保管し、フィレから水溶性タンパク質を析出させる。
ハ.水溶性タンパク質が十分に析出したことを確認した後、フィレを10〜20枚程度づつ貼り合わせて、長さ120mmで幅100mm、厚さ2mm程度のシート状に成形する。
ニ.成形したカワハギ肉片シートを天日にあてて乾燥させる。
ホ.乾燥させたカワハギ肉片シートを、芯棒に巻き付けて太さ10mm程度のスティック状に成形し、型枠を用いて固定し、水分活性が0.7以下になるようにさらに天日乾燥を続ける。
ヘ.所定の乾燥状態になったら、型枠を外し、芯棒を抜き取って、ロール状の乾燥固形物として製了する。
ト.シート状の乾燥固形物は、カワハギ肉片シートの乾燥をそのまま続行し、水分活性が0.7以下になれば、それで製了とする。
【0025】
【実施例2】
<鶏肉を主原料とする乾燥固形物の製造例>
イ.冷凍鶏のささみ肉を解凍後、2mm程度の大きさにミンチする。
ロ.ミンチした鶏ささみ肉に対し、食塩0.5%、ソルビトール3%を添加して全体を均一に混合し、さらに粘りが出るまで混練する。
ハ.十分に練り合わせた鶏肉混練物をシートの上に広げて、長さ200mmで幅150mm、厚さ5mm程度のシート状に成形する。
ニ.成形した鶏肉シートを天日にあてて乾燥させる。
ホ.乾燥させた鶏肉シートを、芯棒に巻き付けて太さ15mm程度のスティック状に成形し、型枠を用いて固定し、水分活性が0.7以下になるようにさらに天日乾燥を続ける。
ヘ.所定の乾燥状態になったら、型枠を外し、芯棒を抜き取って、ロール状の乾燥固形物として製了する。
ト.シート状の乾燥固形物は、鶏肉シートの乾燥をそのまま続行し、水分活性が0.7以下になれば、それで製了とする。
【0026】
次いで、本発明のもう一方の基材であるクリーム状の混練物とその製法について説明する。
本発明で用いるクリーム状の混練物は、油脂原料に粉末原料と調味材を配合して混練したものを基本構成とする。なお、これらの基本構成原料に、乳化剤、増粘剤、栄養剤などを適宜添加しても差し支えない。また、本発明で用いるクリーム状の混練物は、後記するような適宜の範囲の強度を有する混練物に仕上がっていればそれでよく、乳化の有無は問わない。
【0027】
本発明に係るクリーム状の混練物を構成する油脂原料としては、大豆油、菜種油、米油、ひまわり油、紅花油、パーム油などの植物性油、魚油、牛脂、ラード(豚脂)、バター、マーガリン、ショートニングなどの動物性油脂又は油脂加工品を適宜用いればよい。また、粉末原料としては、大麦粉、小麦粉、米粉などの穀物粉や全脂粉乳、脱脂粉乳などの粉乳類を適宜用いればよい。さらに、調味材としては、蔗糖、ブドウ糖、ソルビトール、異性化等などの甘味料や肉エキス・魚エキスなどのエキス類、さらに、粉末味噌、粉末醤油などの旨味調味料などを適宜組み合わせて用いればよい。また、乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、ペクチンなど公知の乳化剤を用いればよい。さらに、増粘剤としては、グアーガム、タマリンドガム、キサンタンガム、アラビアガム、ローカストビーンガムなどのガム類やカラギーナン、寒天、デンプンなどを用いることができる。また、栄養剤としては、ビタミン類、ミネラル、アミノ酸、食物繊維などを適宜添加すればよい。
【0028】
本発明に用いるクリーム状の混練物には、油脂原料を配合してあるので、口当たりがよく、犬の嗜好に適するものである。また、本発明に用いるクリーム状の混練物には、油脂原料や上記の各原料に加えて、犬の嗜好に適合する食材、例えば、野菜・果実・魚介肉・鳥獣肉等の1種又は2種以上の磨砕物か又はこれらの乾燥固形物の細片を配合するのが好ましい。乾燥固形物の細片としては、ドライカット野菜、ドライカットフルーツ、粉砕したナッツ、乾燥粉砕した鳥獣肉片、乾燥粉砕した魚肉片などを挙げることができる。クリーム状の混練物の中にこれらの食材を配合すると、犬の食いつきをさらによくすることができる。
【0029】
本発明で用いるクリーム状の混練物は、その強度を2.5×10〜8.0×10N/mの範囲に調整したものである。クリーム状の混練物の強度をこの範囲に調整すると、シート状の乾燥固形物で巻いたり挟んだり、また、ロール状の乾燥固形物に詰め込むことが容易である上、40℃以下の温度では溶けたり垂れたりしない。クリーム状の混練物の強度を上記範囲に維持するには、混練物の全量中に油脂原料30〜50%を含むように原料配合を決めればよい。特に、油脂原料を30〜50%、粉末原料を30〜65%の配合にすることが好ましい。そうすると、本発明に係る犬用のスナックフードは、40℃以下の温度で流通させてもクリーム状の混練物が溶けたり垂れたりするおそれがない。
以下、本発明で用いるクリーム状の混練物について、実施例をもってさらに説明する。
【0030】
【実施例3】
<クリーム状の混練物の製造例1>
イ.油脂原料としてラード(豚脂)を使用することとし、ラード40gを50〜60℃にて湯煎溶解する。
ロ.溶解したラード40gにソルビトール20gを添加し、混合する。
ハ.十分に混合した後小麦粉33gと脱脂粉乳7gを添加し、さらに混合する。
ニ.品温が下がって45℃以下になると固まり始めるので、これをもってクリーム状の混練物として製了する。得られたクリーム状の混練物の強度は、品温 20℃において2.7×10N/mであった。
【0031】
【実施例4】
<クリーム状の混練物の製造例2>
イ.油脂原料としてマーガリンを使用することとし、マーガリン50gを50〜60℃にて湯煎溶解する。
ロ.溶解したマーガリン50gに異性化糖(液糖)15gと乳化剤としてグリセリン脂肪酸エステル1gを添加し、溶解させる。
ハ.溶解した液体に、米粉25gと全脂粉乳9gを添加し、混合する。
ニ.十分に混合した後、60℃まで加熱し、溶解させた後、さらに攪拌機にかけて3分間攪拌をおこなう。
ホ.品温が45℃以下になるまで冷却すると固まり始めるので、これをもってクリーム状の混練物として製了する。得られたクリーム状の混練物の強度は、品温20℃において2.9×10N/mであった。
以下、本発明に係る犬用のスナックフードについて、試験例をもってさらに説明する。
【0032】
【試験例1】
<クリーム状の混練物の有無による食いつき確認試験>
(1)試験方法
実施例1の方法によって製したシート状のカワハギ肉片シートを芯棒に巻き付けて、長さ25mmで太さ15mmのロール状の乾燥固形物を多数作った。このロール状の乾燥固形物を、その中に表1に示す配合により実施例3の方法に準じて作ったクリーム状の混練物を詰め込んだもの(クリーム入りロール)と何も詰めていないもの(クリーム無しロール)とに分けてそれぞれ試料とした。
試料は、25匹の小型犬〜中型犬(体重5〜24kg)に供与することとし、それぞれの犬に対して右側にクリーム入りロール、左側にクリーム無しロールを各犬から30cm離した状態で並べて、犬を離したとき、どちら側のロールに先に食いつくか試験した。その結果は表2に示すとおりである。
【0033】
【表1】
原料名 配合比率
ショートニング 50(%)
小麦粉 22
脱脂粉乳 10
ソルビトール 15
香料 2
ビタミンE 1
合 計 100(%)
【0034】
(2)試験結果
【表2】


【0035】
(3)所見
表2から、クリーム入りロールの方が、クリーム無しのロールに比べて圧倒的に食いつきがよいことが確認された。この事実から、魚介肉及び/又は鳥獣肉の乾燥固形物にクリーム状の混練物を添加すると、犬の嗜好性が一段と向上することが理解できる。
【0036】
【試験例2】
<クリーム状の混練物の強度試験>
(1)試験方法
表3の配合によって試験例1と同じ方法で6種類のクリーム状の混練物(A〜F)を作り、それぞれのクリーム状の混練物の強度と性状を、品温を20℃(常温)・35℃・45℃の3通りに変化させて測定した。
強度の測定には、山電株式会社製の「レオナー3305型」強度測定機を使用した。すなわち、各試料(クリーム状の混練物:品温20℃)を直径40mm×高さ15mmの容器に入れ、16φのプランジャーにて5mm/秒の速度で深さ10mmまで貫入させたときのプランジャーにかかる負荷をその試料の強度(N/m)とした。この試験をそれぞれの試料について5回づつおこない、その平均値を結果とした。試験結果は表4〜表7に示すとおりである。
【0037】


【0038】
(2)試験結果
【表4】品温20℃における強度試験結果
試料 強度(N/m) 品温20℃における性状 評価
A 1.5×10 表面が一部溶解(液状化) ×
B 1.6×10 クリーム状 ○
C 2.5×10 クリーム状 ○
D 2.9×10 クリーム状 ○
E 8.0×10 やや硬いクリーム状 △
F 8.9×10 ボソボソした団子状 ×
【0039】
【表5】品温35℃における強度試験結果
試料 強度(N/m) 品温35℃における性状 評価
A 1.3×10 表面が一部溶解(液状化) ×
B 1.3×10 表面が一部溶解(液状化) ×
C 1.8×10 クリーム状 ○
D 2.0×10 クリーム状 ○
E 5.8×10 クリーム状 ○
F 6.3×10 クリーム状 ○
【0040】
【表6】品温45℃における強度試験結果
試料 強度(N/m) 品温45℃における性状 評価
A 1.2×10 表面が一部溶解(液状化) ×
B 1.2×10 表面が一部溶解(液状化) ×
C 1.7×10 クリーム状 ○
D 1.9×10 クリーム状 ○
E 5.7×10 クリーム状 ○
F 5.9×10 クリーム状 ○
【0041】
【表7】強度試験結果のまとめ


(備考)表4〜表7の「評価」において、○=最適状態、△=まずまずの状態、×=不適の状態をそれぞれ示す。
【0042】
(3)所見
表4〜表6から、以下のことが確認された。
イ.クリーム状の混練物の強度は、1.5×10N/m以下になると、一部が液状となって、乾燥固形物のロールの中に詰め込んだりシートで挟むことが困難となる。
ロ.クリーム状の混練物の強度は、8.0×10N/mを越えると、ボソボソした団子状となって、乾燥固形物のロールの中に詰め込んだりシートで挟むことが困難となる。
ハ.常温(20℃)でクリーム状を形成していても、2.5×10N/m 以上の強度に調整しておかないと、クリーム状の混練物の品温が上がったとき、その強度が低下し、混練物の一部が溶解して崩れやすくなり、また垂れやすくなる。すなわち、クリーム状の混練物が、品温40℃にて1.5×10N/m 以上の強度を有するためには、品温20℃にて2.5×10N/m 以上の強度が必要である。
ニ.クリーム状の混練物の硬さと溶解性を最適に維持するためには、マーガリンやショートニングなどの油脂原料を30〜50%配合し、脱脂粉乳や小麦粉などの粉末原料を30〜65%配合することが好ましい。
ホ.以上を総合すると、品温40℃において崩れたり垂れたりしないクリーム状の混練物を、品温20℃における強度が2.5×10〜8.0×10N/m の範囲に調整することが必要である。そのことは、表7によっても理解できる。
以下、本発明に係る犬用のスナックフードについて、実施例をもってさらに説明する。
【0043】
【実施例5】
<クリーム状の混練物を巻いた犬用のスナックフードの製造例>
イ.実施例3で製したクリーム状の混練物を100g程度、口径5〜10mmの絞り出し可能な可撓性の袋に充填する。
ロ.可撓性の袋からクリーム状の混練物を5〜10mm程度絞り出して、実施例1で製したシート状の乾燥固形物(カワハギ肉片シート:長さ120mm、幅100mm、厚さ2mm程度のもの)の1端に棒状に塗布する。
ハ.クリーム状の混練物を塗布した面を内側にしてカワハギ肉片シートを巻き込んで、太さ10mm程度のスティック状に成形し、型枠を用いて固定する。
ニ.水分活性が0.7以下になるまで天日で乾燥する。
ホ.所定の乾燥状態になったら、型枠を外し、犬用のスナックフードとして製了する。
【0044】
【実施例6】
<クリーム状の混練物を挟んだ犬用のスナックフードの製造例>
イ.実施例1で製したシート状の乾燥固形物(カワハギ肉片シート:長さ120mm、幅100mm、厚さ2mm程度のもの)の1面の全体に、実施例3で製したクリーム状の混練物をバターナイフで均一に塗布する。
ロ.クリーム状の混練物を塗布したカワハギ肉片シートの面に、同じ大きさのカワハギ肉片シートを被せる。
ハ.クリーム状の混練物を挟んだ状態でートカワハギ肉片シートを上から軽く手で押して、厚さ5〜8mm程度に成形する。
ニ.水分活性が0.7以下になるまで天日で乾燥する。
ホ.所定の乾燥状態になったら、幅10mm程度にカットし、犬用のスナックフードとして製了する。
【0045】
【実施例7】
<クリーム状の混練物を詰めた犬用のスナックフードの製造例>
イ.実施例3で製したクリーム状の混練物を100g程度、口径5〜10mmの絞り出し可能な可撓性の袋に充填する。
ロ.実施例1で製したロール状の乾燥固形物(カワハギ肉片ロール:太さ10mm程度)を、長さ20〜30mmにカットする。
ハ.カットしたカワハギ肉片ロールの空洞部分に、可撓性の袋からクリーム状の混練物を絞り出して詰め込む。
ニ.水分活性が0.7以下になるまで天日で乾燥する。
ホ.所定の乾燥状態になったら、犬用のスナックフードとして製了する。
【0046】
上記のとおり、本発明に係る犬用のスナックフードは、クリーム状の混練物をシート状の乾燥固形物で巻いてあるかもしくはクリーム状の混練物を該乾燥固形物の間に挟んであるか又はロール状の乾燥固形物の中に詰めたものである。その製法は任意であるが、クッキー状に成形したり、ウエハース状に挟み込んでもよい。その他、いろいろな変形が考えられる。
【0047】
本発明に係る犬用のスナックフードは、犬の嗜好に適合するように工夫したものであるから、犬が食べやすい大きさに製するのが好ましい。犬の食べやすい大きさとしては、太さ5〜50mmで長さ10〜150mmの程度のものである。
【0048】
【発明の効果】
以上詳細に説明したとおり、本発明に係る犬用のスナックフードは、シート状の鳥獣肉及び/又は魚介肉の乾燥固形物でクリーム状の混練物を巻いてあるか、該シート状の乾燥固形物の間にクリーム状の混練物を挟んであるか、又は、ロール状の鳥獣肉及び/又は魚介肉の乾燥固形物の中にクリーム状の混練物を詰めてあるので、これを犬に供与すると、クリーム状の混練物によって犬の食いつきが一層よくなると共に、鳥獣肉及び/又は魚介肉の乾燥固形物によって犬の「かじる」習性や「しゃぶる」習性を満足させることができる。また、本発明に係る犬用のスナックフードを犬に供与すると、犬は、異なる硬さの食感を同時に味わうことができる上、いろいろな味や匂いを味わうことができる。そのため、本発明に係る犬用のスナックフードは、犬の嗜好を満足させ、犬が食べ飽きないので、飼い犬のストレスの解消に大いに貢献できる。また、本発明に係る犬用のスナックフードは、簡単な構成のものであるため、大した手間やコストをかけることなく、容易に作ることができる。
以上のとおりであるから、本発明に係る犬用のスナックフードは、飼い犬のストレス解消に役立つ「おやつ」として、きわめて好適な飼料である。
【出願人】 【識別番号】595074288
【氏名又は名称】株式会社ホテイフーズコーポレーション
【住所又は居所】静岡県庵原郡蒲原町蒲原4丁目26番6号
【出願日】 平成15年6月26日(2003.6.26)
【代理人】 【識別番号】100090941
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 清也

【識別番号】100113837
【弁理士】
【氏名又は名称】吉見 京子

【識別番号】100076244
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 清規

【公開番号】 特開2005−13079(P2005−13079A)
【公開日】 平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願番号】 特願2003−181955(P2003−181955)