| 【発明の名称】 |
食品用品質改良剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】金子 真由美 【住所又は居所】茨城県つくば市桜1丁目16番 昭和産業株式会社総合研究所バイオ研究センター内
【氏名】安武 望 【住所又は居所】茨城県つくば市桜1丁目16番 昭和産業株式会社総合研究所バイオ研究センター内
【氏名】石垣 亨 【住所又は居所】茨城県つくば市桜1丁目16番 昭和産業株式会社総合研究所バイオ研究センター内
【氏名】矢内 徳正 【住所又は居所】茨城県つくば市桜1丁目16番 昭和産業株式会社総合研究所バイオ研究センター内
【氏名】富田 哲司 【住所又は居所】茨城県つくば市桜1丁目16番 昭和産業株式会社総合研究所バイオ研究センター内
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| 【要約】 |
【課題】合成の食品用品質改良剤に負けない、優れた特性を有する天然の食品用品質改良剤を提供すること。
【解決手段】(1)小麦の種粒外皮由来の水溶性蛋白質含有物を有効成分とする食品用品質改良剤、(2)水溶性蛋白質含有物が、80〜130℃の温度下、小麦の種粒外皮1kg当たり塩基性化合物を30〜300mmol含有する水溶液で抽出されたものである1記載の食品用品質改良剤、(3)水溶性蛋白質含有物が、分子量20,000〜2,000,000の水溶性蛋白質からなるものである1又は2記載の食品用品質改良剤、(4)食品用品質改良剤が、食品用乳化剤である1、2又は3記載の食品用品質改良剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 小麦の種粒外皮由来の水溶性蛋白質含有物を有効成分とする食品用品質改良剤。 【請求項2】 水溶性蛋白質含有物が、80〜130℃の温度下、小麦の種粒外皮1kg当たり塩基性化合物を30〜300mmol含有する水溶液で抽出されたものである請求項1記載の食品用品質改良剤。 【請求項3】 水溶性蛋白質含有物が、分子量20,000〜2,000,000の水溶性蛋白質からなるものである請求項1又は2記載の食品用品質改良剤。 【請求項4】 食品用品質改良剤が、食品用乳化剤である請求項1、2又は3記載の食品用品質改良剤。 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の食品用品質改良剤を含有する食品。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、食品の乳化安定性、抱脂性、起泡安定性等の向上を意図した品質改良剤に関するものである。 【背景技術】 【0002】 食品の品質、即ち、乳化安定性、抱脂性、起泡安定性等の向上のため、各種の品質改良剤が開発されている。 乳化安定性とは、乳化剤は水、および大豆油・菜種油などの液体油脂を混合し、機械的に乳化させることで、乳化状態を形成することができるが、この乳化状態を維持できる能力をいう。 また、抱脂性とは、乳化剤を水(もしくは油)に、又は油(もしくは水)を添加していき、乳化を維持できる最大の油(水)添加量をいう。 そして、起泡安定性とは、品質改良剤を水に混合し、泡立てを行った場合、形成した起泡を長く保持させることができる能力をいう。 【0003】 食品の品質改良剤には、合成のものと天然のものとがある。 合成の品質改良剤には、例えば、合成乳化剤としては、モノグリセライド、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸ナトリウムなどがあるが、これらは製パン用途をはじめ、非常に幅広い分野で応用されている。 しかし、合成乳化剤には、水溶性が低く取り扱いが難しいものが多く、また、えぐ味や口解けの悪さなど、風味に悪影響を及ぼすことがある。また、酸、塩、加熱などによって乳化性が低下する場合がある。更に、健康志向から、合成添加物をなるべく使用しない乳化油脂食品が市場で求められており、敬遠される傾向にある。 一方、天然の品質改良剤には、蛋白質系のものや多糖類系のもの等がある。 蛋白質系のものとしては、例えば、穀物蛋白質を、アルカリによる加水分解処理と、酸、酵素、酸化剤又は還元剤を用いた分解処理の1種又は2種以上とを組み合わせた多段階分解処理に付すことにより得られた部分分解物を用いる方法(特許文献1)、小麦蛋白等の蛋白加水分解物の水溶液を用いる方法(特許文献2)等がある。 次に、多糖類系のものとしては、豆類より酸性下で抽出した水溶性多糖類をpH6以上9未満に調製した後、加熱処理し、抽出液を分離精製した水溶性多糖類(特許文献3)、イネ科ウシノケグサ亜科に属する植物の細胞壁からアルカリ水溶液で抽出した画分にキシラン分解酵素活性を有する酵素製剤を作用させて得られる乳化力に優れた水溶性多糖類(特許文献4)等がある。 しかし、上記の方法で、酵素を用いる場合は、pH、温度を制御し、多くの場合、複数の種類の酵素を使用しなければならず、また、通常のアルカリや酸による抽出では、効率的な回収には高濃度にする必要があり、それに伴い処理品の色相や風味に悪影響を及ぼす場合が多い。 その他、小麦ふすまの水抽出液を用い、製粉工程中の調質工程における添加により、パン等小麦製品の風味などを改良する小麦粉の生産方法(特許文献5、特許文献6)、小麦ふすま抽出物を用いて製麺する方法(特許文献7)等があるが、単なる小麦ふすま水抽出物であるため、小麦ふすま中の食品物性改良成分を抽出できず、また調質後の小麦粉に残存する量も非常に少ないことから、機能の改良効果は乏しい。 【0004】 【特許文献1】特開平1−252245号公報 【特許文献2】特開平9−9860号公報 【特許文献3】特開平7−188301号公報 【特許文献4】特開平10−237107号公報 【特許文献5】特開2003−159016号公報 【特許文献6】特開2003−274846号公報 【特許文献7】特開2003−304824号公報 【0005】 何れにしても、通常、天然の食品用品質改良剤は、合成の食品用品質改良剤に比較すると、十分な機能が得られないので、合成の品質改良剤と同等の機能を付与するには添加量を大きくする必要があり、独特の風味を有していることから品質への影響は免れない。 以上のように、合成の食品用品質改良剤に負けない、優れた特性の天然の食品用品質改良剤が少ないだけに、優れた特性を有する天然の食品用品質改良剤の開発が待たれている。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明の課題は、合成の食品用品質改良剤に負けない、優れた特性を有する天然の食品用品質改良剤を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意研究を重ねたところ、小麦の種粒外皮から特定の抽出法で得られる水溶性蛋白質含有物には、優れた食品の品質改良作用があることを知り、更に研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。 【0008】 本発明は、以下の発明から構成されるものである。 1.小麦の種粒外皮由来の水溶性蛋白質含有物を有効成分とする食品用品質改良剤。 2.水溶性蛋白質含有物が、80〜130℃の温度下、小麦の種粒外皮1kg当たり塩基性化合物を30〜300mmol含有する水溶液で抽出されたものである上記1記載の食品用品質改良剤。 3.水溶性蛋白質含有物が、分子量20,000〜2,000,000の水溶性蛋白質からなるものである上記1又は2記載の食品用品質改良剤。 4.食品用品質改良剤が、食品用乳化剤である上記1、2又は3記載の食品用品質改良剤。 5.上記1、2、3又は4記載の食品用品質改良剤を含有する食品。 本発明の食品用品質改良剤は、小麦の種粒外皮由来の水溶性蛋白質含有物を有効成分とするものであり、該水溶性蛋白質含有物は、小麦の種粒外皮(例えば、小麦ふすま)を、80〜130℃の温度下、小麦の種粒外皮1kg当たり塩基性化合物を30〜300mmol含有する水溶液で抽出したものであって、分子量20,000〜2,000,000の水溶性蛋白質からなるものである点に特徴を有するものである。 本発明の食品用品質改良剤は、抱脂性や起泡安定性について、十分な品質改良効果を示すとともに、乳化安定性については、特に優れた特性を有するとともに、他の小麦由来の改良剤と比較して、色相においても優れている点に特徴を有するものである。 【0009】 本発明は、以下の知見に基づいてなされたものである。 (1)食品用品質改良剤として用いられる蛋白質として、小麦グルテン、トウモロコシグルテン、大豆蛋白、カゼイン、卵白蛋白などが挙げられるが、これらは、一般に、水分散性が悪く、酸性条件下で凝固、沈澱し易い、乳化安定性等の機能が合成の品質改良剤に比較すると劣る、等の問題点がある。 (2)小麦に含まれる蛋白質は、Osborneの分類に基づくと、グリアジン、グルテニン、グロブリン、アルブミンに分類される。この中で、可溶性の蛋白質は、グロブリンおよびアルブミンであるが、食品分野で品質改良剤として幅広く用いられているのは、不溶性の蛋白質であるグリアジンとグルテニンである。 (3)上記の蛋白質は、製パンや魚畜肉製品の加工用途に広く用いられているが、水分散性が悪く、風味も良くないため、乳化油性食品や飲料などの用途では、利用例が少ない。 (4)このような状況下、水分散性が良く、而も風味も良くて、乳化油性食品や飲料などの用途にも利用し得る、汎用性のある品質改良剤を求め、幾多の研究を行ったところ、小麦の種粒外皮(例えば、小麦ふすま)を特定の方法、即ち、80〜130℃、好ましくは、100〜125℃の温度下、麦類の種粒外皮1kg当たり塩基性化合物を30〜300mmol含有する水溶液で抽出すると、優れた特性の水溶性蛋白質含有物が得られることをつきとめた。 【0010】 何れにしても、本発明の食品用品質改良剤中に含まれている、乳化安定性等に関与していると考えられる主成分は、小麦の種粒外皮(例えば、小麦ふすま)由来の特定の水溶性蛋白質で、このものは、乳化安定性等に優れた特性を有する。 従来の食品用品質改良剤は、天然、合成を問わず、酸性や塩存在下では安定性が損なわれるものが多いため、その使用分野が限定されていたが、本発明の食品用品質改良剤は、酸性条件下、アルカリ条件下、又は高濃度の塩存在下等何れの条件下においても、安定した乳化状態の維持が可能になるので、幅広い分野に利用が期待できる。 【0011】 以下、本発明を更に詳細に説明する。 本発明の食品用品質改良剤は、小麦の種粒外皮由来の水溶性蛋白質含有物を有効成分とするものであって、各種の用途に使用可能である。 そこで、本発明の食品用品質改良剤とその用途などについて、説明する。 【0012】 (1)食品用品質改良剤 本発明の食品用品質改良剤の有効成分は水溶性蛋白質からなるものであるが、該蛋白質は、小麦の種粒外皮由来の、高温、弱アルカリ性下での水抽出物である。 以下、抽出対象物の穀類とその抽出法について述べる。 【0013】 1)小麦原料 原料としては、麦類であって、水溶性蛋白質を多く含む画分が好ましい。このような原料としては、経済性の高い小麦種粒由来のものがよく、パンコムギ、クラブコムギ、スペルトコムギ、デュラムコムギなど特に限定はされない。種粒は製粉又は精麦することで、さらに、水溶性蛋白質を多く含む画分を得ることができる。このような画分は、小麦では外皮を多く含む画分で、ふすま、三等粉を挙げることができる。 【0014】 2)抽出法 本発明の抽出は、特定量の塩基性化合物の添加処理と高温加熱処理を併用するものであり、その相乗効果により、効率的に、かつ品質改良効果の高い抽出物を回収することができる点で優れている。 本塩基性化合物の添加処理に使用する塩基性化合物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、水酸化アンモニウム等、特に限定されないが、強塩基性のものを用いるのがよい。 塩基性化合物の添加量は、強塩基性化合物の場合、小麦の種粒外皮1kgに対して、30〜300mmolでよい。30mmol未満であると乳化能が低下したものとなり、また、300mmolを越えると色相が劣化したものとなる。 塩基性化合物の添加は、塩基性化合物を予め水に溶かして添加してもよいし、小麦の種粒外皮を水に添加した後に添加してもよい。 本高温加熱処理に用いる装置として、オートクレーブ、レトルト殺菌機、ジェットクッカー等が挙げられるが、設定温度は80〜130℃、好ましくは100〜125℃、更に好ましくは120℃以上がよい。品温が140℃以上になると製品の変質が激しく、風味に悪影響を及ぼすことがある。 また、加熱時間は15分〜2時間、好ましくは30分以上の加熱が好ましい。 更に、本弱アルカリ性下の処理と高温加熱処理の併用に加え、アミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、オキシダーゼなどの蛋白質分解が実質的に含まれない糖質分解酵素処理などを併用させると、回収効率を向上させることができる。 また、精製する目的で、活性炭、イオン交換樹脂、シリカゲル、アルミナ等の吸着剤を利用する。或いはゲル濾過等のクロマトグラフィーや膜分画、電気透析等を利用することができる。 【0015】 3)特性 本発明の品質改良剤は、(イ)水に可溶性であり、冷水でも分散できる、(ロ)酸性条件下、アルカリ性下、又は高濃度の塩存在下でも、安定した乳化状態の維持が可能である、(ハ)有効成分である水溶性蛋白質の分子量は、20,000〜2,000,000の範囲内(主要ピークは50,000及び90,000付近)にある、等の特性を有する。 【0016】 (2)用途 本発明の品質改良剤は、様々な食品において、乳化安定効果をはじめとした品質改良効果を発揮する。 本品質改良剤は、既存の改良剤に比較して、高い乳化安定性と抱脂性を有しているため、揚げ物や乳化油性食品など、油脂を多く用いる食品で、既存品より高い改良効果が期待できる。 【0017】 <揚げ物> 揚げ物は、特に限定されず、小麦粉と水を練り混ぜたバッターを衣として浸けた衣揚げしたもの、例えば、天ぷら、フライ、唐揚げ等、又はそのまま衣揚げせずに、畜肉、魚肉、野菜などを細かくした後、衣揚げしたもの等が挙げられる。 本発明品を使用することにより、吸油が少なく、油ちょう後の衣の食感が良い揚げ物を提供することが出来る。 衣揚げ物の場合、本品質改良剤の添加量は、小麦粉や澱粉、あるいは、プレミックス(天ぷら粉、唐揚げ粉等)など粉体に対し、0.05〜3.0%が品質向上効果の面では好ましい。また、添加の際は、混捏前に小麦粉に予備混合することが好ましい。 【0018】 <乳化油性食品> 本品質改良剤は、乳化油性食品においても、既存品より高い改良効果が期待できる。 乳化油性食品は、乳化状態により、油中水型乳化油性食品(マーガリン、ショートニング等)、水中油型乳化油性食品(マヨネーズ、ドレッシング等)に分類される。 本発明品は、マヨネーズ類、液体、ドレッシング、スプレッド、ディップ、たれ、ソース等に代表される水中油型乳化油性調味料あるいは食品において、乳化力の向上、乳化の維持安定効果を付与することが出来る。 また、本品質改良剤は、酸性条件下でも乳化を安定化することから調味料に好適である。 更に、およそ2%以上の添加により、乳化物に粘度を付与し、維持することも出来るため、卵や油量を低減させたマヨネーズ類のような高粘度食品への利用も可能である。 その他、本品質改良剤は、塩存在下でも安定した乳化を維持できるため、乳化油性食品への幅広い応用が可能である。 そして、乳化油性食品における本品質改良剤の添加量は、0.05〜5.0%が品質向上効果の面では好ましい。 【0019】 <製パン> 本品質改良剤は、小麦由来の品質改良剤であり、小麦を原料とする食品として最も代表的であるパンにおいても品質改良効果を発揮する。 なお、ここでいうパン類とは、小麦粉、水のほか、油脂、糖類、卵、乳製品、イーストフード、酵素、乳化剤等を必要に応じて添加し、パン酵母の添加の有無に関わらず混捏、発酵、仕上げ(分割、丸目、ねかしなど)焼成工程あるいは蒸し工程を経て形成された食品を指す。具体例として、食パン、フランスパン、クロワッサン、ロールパン、デニッシュ、菓子パン、蒸しパンなどパン類、まんじゅう、中華まんの皮を挙げることができる。 また、本品質改良剤は、冷凍生地に使用することもできる。 製パン工程では、パンの老化防止、シェルフライフ性、ふくらみ、色相、柔らかさなどパンの品質の向上、などに挙げられる品質改良効果を目的として、合成乳化剤などの品質改良剤が使用されるのが一般的である。 本品質改良剤の使用により、合成乳化剤を使用せずとも、生地に十分な機械耐性があり、しっとりとした、ボリュームのある品質が一定したパンを提供することが出来る。 製パン用途における本品質改良剤の添加量は、小麦粉に対し0.05〜3.0%が品質向上効果の面では好ましい。 【0020】 <小麦菓子製品> 本品質改良剤は、パンと同様に小麦を原料とする食品である。ケーキなどに代表される小麦菓子製品においても品質改良効果を発揮する。 なお。ここでいう小麦菓子製品とは、小麦粉、糖類、卵、油脂、香料等を主原料とするものを指す。具体的には、スポンジケーキ、バターケーキ、ロールケーキ、パウンドケーキなどのケーキ類、クッキー、ビスケット、クレープ、ドーナツ、ホットケーキ、ピザ、中華まんなどが挙げられる。 工業生産において、生地に起泡性や乳化性を与えてボリューム感を付与、サク味(ショートネス)などの食感の改善、シェルフライフ性の向上、老化防止効果、作業効率の向上などを目的として、合成乳化剤に代表される品質改良剤が添加されるが、本品質改良剤の使用により、合成乳化剤などの改良剤を使用せずとも、ボリュームがあり、食感に優れたケーキ類を提供することが出来る。 小麦菓子製品用途における本品質改良剤の添加量は、小麦粉に対し0.05〜8.0%が品質向上効果の面では好ましい。 【0021】 <起泡食品> 本品質改良剤は、起泡安定性を有しているため、ホイップクリームやメレンゲに代表される起泡食品における改良効果が期待できる。 なお、ここで言う起泡食品とは、ホイップクリーム、メレンゲ、ムース、バタークリーム、ヌガー、スポンジケーキなどを指す。 本品質改良剤の使用により、起泡性および泡沫安定性に優れ、なめらかで口解けの良い起泡食品を提供することが出来る。 起泡食品用途における本品質改良剤の添加量は、0.05〜4.0%が品質向上効果の面で好ましい。 【0022】 <飲料> 本品質改良剤は、酸性乳飲料などの飲料においても、分散安定性の向上、乳化の維持などの改良効果を期待できる。 なお、ここでいう飲料とは、乳飲料、野菜、果実飲料、スープ類、コーヒー、ココア、紅茶など沈澱形成しやすい飲料を指す。 これらの飲料では、粒子分散性の向上、分散安定性の維持、乳化維持を目的として、増粘多糖類や合成乳化剤などの品質改良剤が用いられることが多い。 本品質改良剤の使用により、これらの品質改良剤を使用せずとも、安定した分散状態を維持した飲料を製造出来る。 飲料用途におけ本品質改良剤の添加量は、0.05〜4.0%が品質向上効果の面では好ましい。 【発明の効果】 【0023】 (1)本発明の品質改良剤は、蛋白質を有効成分とする天然物であるので、安全性に問題はない。 (2)本発明の品質改良剤は、乳化安定性、泡脂性、起泡安定性等の優れた特性を有しているとともに、色相の点においても優れている。 (3)本品質改良剤の有効成分である蛋白質は可溶性であり、冷水でも分散できるため、扱いやすいことが利点である。 (4)本品質改良剤は、酸性条件下又は高濃度の塩存在下でも、安定した乳化状態の維持が可能となり、幅広い適用が可能である。 (5)本品質改良剤は、有機溶剤など特殊な薬品を用いずに取得されているので、製造上の安全性が高い。 【発明を実施するための最良の形態】 【0024】 以下、実施例等を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらのものに限定されない。なお、特に断らない限り、「%」は「重量%」を意味する。 以下の実施例等における、乳化安定性を示す「乳化率」は、以下の方法で測定した。 【0025】 <乳化率> 試料を室温の水に溶解して水溶液を作製し、これと等量の大豆白絞油(昭和産業(株)製)を混合し、ホモジナイザー(日音医理科器機製作所製「ヒスコトロン」)を用いて、12000rpmで1分間処理することにより乳化状態を形成した。 次いで、得られた乳化液を25℃の恒温室で1週間保存し、離水量を測定し、全液量に対する乳化層の割合を産出し、乳化率とした。 【0026】 A.抽出物の取得と特性 (1)抽出条件 (実施例1) 粗蛋白含量15%のふすま(昭和産業(株)製)100gに、水を1kg加え、水酸化ナトリウム(和光純薬(株)製)0.50gを添加した後、ステンレス製容器に充填密閉し、オイルバス中で120℃、60分間の加熱処理を行った。その後、遠心分離機(himac CR22E:日立工機(株)製)を用いて2000×g、1分間の遠心分離に供し、上清を回収した。凍結乾燥(Dura-stop:FTSシステム(株)製)、もしくは噴霧乾燥(EYEIA SD-1000:東京理化器械(株)製)に供した後、乾燥された抽出物(以下、「本発明品」という。)20gを得た。 本発明品について、粗蛋白質量を燃焼法で、また食物繊維含量を酵素重量法で分析したところ、粗蛋白質は16%、水溶性食物繊維は15%であった。 【0027】 (実施例2) 実施例1において、水酸化ナトリウムを0.50gを添加する代わりに、水酸化ナトリウムを1.0g添加した以外は、実施例1と同様に行って、抽出物20gを得た。 【0028】 (実施例3) 実施例1において、水酸化ナトリウムを0.50gを添加する代わりに、水酸化ナトリウムを0.15g添加した以外は、実施例1と同様に行って、抽出物17gを得た。 【0029】 (実施例4) 実施例1において、加熱温度120℃及び水酸化ナトリウムを0.50gを添加する代わりに、加熱温度110℃及び水酸化ナトリウムを1.0g添加した以外は、実施例1と同様に行って、抽出物16gを得た。 【0030】 (実施例5) 実施例1において、加熱温度120℃及び水酸化ナトリウムを0.50gを添加する代わりに、加熱温度95℃及び水酸化ナトリウムを0.50g添加した以外は、実施例1と同様に行って、抽出物15gを得た。 【0031】 (実施例6) 実施例1において、加熱温度120℃とする代わりに、加熱温度80℃とした以外は、実施例1と同様に行って、抽出物15gを得た。 【0032】 (比較例1) 実施例1において、水酸化ナトリウムを0.50gを添加する代わりに、水酸化ナトリウムを1.5g添加した以外は、実施例1と同様に行って、抽出物21gを得た。 【0033】 (比較例2) 実施例1において、水酸化ナトリウムを0.50gを添加する代わりに、水酸化ナトリウムを0.025g添加した以外は、実施例1と同様に行って、抽出物13gを得た。 【0034】 (比較例3) 実施例1において、加熱温度120℃及び水酸化ナトリウムを0.50gを添加する代わりに、加熱温度140℃及び水酸化ナトリウムを0.50g添加した以外は、実施例1と同様に行って、抽出物18gを得た。 【0035】 (比較例4) 実施例1において、加熱温度120℃及び水酸化ナトリウムを0.50gを添加する代わりに、加熱温度140℃及び水酸化ナトリウムを1.0g添加した以外は、実施例1と同様に行って、抽出物20gを得た。 【0036】 (比較例5) 実施例1において、加熱温度120℃及び水酸化ナトリウムを0.50gを添加する代わりに、加熱温度95℃及び水酸化ナトリウムを0.03g添加した以外は、実施例1と同様に行って、抽出物10gを得た。 【0037】 (比較例6) 実施例1において、加熱温度120℃及び水酸化ナトリウムを0.50gを添加する代わりに、加熱温度80℃及び水酸化ナトリウムを0.03g添加した以外は、実施例1と同様に行って、抽出物9gを得た。 【0038】 (比較例7) 実施例1において、加熱温度120℃及び水酸化ナトリウムを0.50gを添加する代わりに、加熱温度70℃及び水酸化ナトリウムを0.50g添加した以外は、実施例1と同様に行って、抽出物13gを得た。 以上の実施例1〜6及び比較例1〜7の抽出物の乳化率の測定は、試料として、1%水溶液(pH7.0)を用いて行った。 抽出物の乳化率及び抽出物の色相は、表1に示す。 【0039】 【表1】
* ○:良好 △:普通の着色 ×:強い着色 【0040】 表1の結果から、(1)80〜130℃、好ましくは、100〜125℃の温度及び(2)強塩基性化合物を、小麦の種粒外皮1kgに対して、30〜300mmol添加する、という2つの条件を同時に満足すると、高品質の抽出物を得ることができるが、この2つの条件の内、1つでも満足しないと、高品質の抽出物を得ることが出来ないことが解る。 この結果、上記の2つの条件は、本発明の成立要件であることが確認された。 【0041】 (2)乳化安定性 製品の乳化安定性を調べるために、以下の実験を行った。 乳化安定性の試験試料として、本発明品、天然乳化剤として、大豆多糖類(ソヤファイブS-DN:不二製油(株)製)、及び合成乳化剤として、ステアリン酸ヘキサグリセリンモノエステル(SYグリスターMS500:坂本薬品工業(株)製)を用いて、各1%水溶液(pH7.0)を作成し、乳化安定性の実験を行った。実験結果は、表2に示す。 【0042】 【表2】
【0043】 表2の結果から、本発明品は、従来品に比し、優れていることが確認された。 (pH等の影響) pH等の影響を調べるために、以下の実験を行った。 試験試料として、本発明品、天然乳化剤として、大豆多糖類(ソヤファイブS-DN:不二製油(株)製)、合成乳化剤として、耐酸、耐塩性のあるステアリン酸ヘキサグリセリンモノエステル(SYグリスターMS-500:阪本薬品工業(株)製)を用いて、pH4.0、pH7.0、pH11.0の各1%水溶液、及び5%塩化ナトリウム水溶液に1%量を溶解したものを作成し、得られた各試料について、乳化安定性の実験を行った。実験結果は、表3に示す。 【0044】 【表3】
表3の結果から、本発明品は、幅広いpH条件下、および塩存在下でも、乳化力の保持が確認された。 【0045】 (3)品質改良剤の有効成分 本品質改良剤の有効成分を調べるため、ゲルろ過クロマトグラフィーによる分析を行った。分析用の試料は、本発明品1%水溶液を10000×gで5分間の遠心分離に供して未溶解物を除去後、45μmのフイルターを通してろ過したものを用いた。カラムには「TSK−gel G3000PWXL」(東ソー(株)製)を、分子量マーカーとしてデキストランをそれぞれ用い、高速液体分離クロマトグラフ「LC−20」(島津製作所(株)製)を用いて分子量分析を行った。設定は、流速を毎分0.6ml、カラム温度60℃、分析時間30分間とし、紫外波長可変動光度計で測定した。 また、有効成分を把握する目的で、α−アミラーゼ(Sigma製)による分解物、およびエンドプロテアーゼ(Sigma製「サーモライシン」)による分解物も、試験に供した。また、それぞれの乳化安定性も合わせて測定した。測定結果は、それぞれ図1、図2、図3に示す。図中矢印は、分子量マーカー溶出位置を示す。 発明品、およびアミラーゼ処理品において乳化性の消失は確認されず、プロテアーゼ処理にのみ顕著な乳化性の消失が確認された。図1〜3にあるように、プロテアーゼ分解に伴ない、分子量2万〜200万の範囲内のピークが消失したことが分かる。この結果から、本発明の品質改良剤の有効成分は水溶性蛋白質であることが確認された。 また、小麦蛋白質であるグルテン(理研ビタミン製「エマソフトEX100」)、グリアジン(アサマ化成製「グリアA」)、グルテニン(アサマ化成製「アサマグルテニン」)について、本発明品と同様の抽出処理を行い、可溶性成分を回収し、乳化安定性を調べた。回収量は、何れも極微量であった。回収物は、上記同様、プロテアーゼによる分解物とともに、ゲルろ過クロマトグラフィーに供した。測定結果は、図4〜6に示す。 図4〜6によると、グルテン、グリアジン、グルテニンの抽出物中の該蛋白質ピークと共に、本発明品中の蛋白質と類似のピークが示されたものの、その量は少ないことが解った。 また、乳化率は、いずれも25%以下であった。 以上のことから、本発明品中の蛋白質は、グルテン、グリアジン、グルテニンに由来する成分でないことが分かった。 【0046】 (4)各種小麦ふすまの抽出物 小麦ふすまの種類の影響を調べるために、以下の実験を行った。 実施例1の原料の小麦粉に代えて、デュラム小麦のふすま、および皮部を多く含む小麦粉(三等粉)(何れも、昭和産業(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。実験結果は、他の製品の結果とともに、表4に示す。 【0047】 【表4】
表4の結果から、実施例1の原料のものが最も優れていることが確認された。 【0048】 (5)抱脂性 製品の抱脂性を調べるために、以下の実験を行った。 本発明品の5%水溶液を作製し、大豆白絞油を少しずつ滴下して、乳化状態とし、乳化状態を形成できなくなるまで油を添加しつづけ、水量に対する油量の比率を産出し、抱脂性として評価した。 比較対象として、天然乳化剤として、大豆多糖類(ソヤファイブS-DN:不二製油(株)製)、を使用した。実験結果は、表5に示す。 【0049】 【表5】
表5の結果から、抱脂性は、従来の天然の乳化剤と比較して優れており、十分使用可能であることが確認された。 【0050】 (6)起泡性 製品の起泡性を調べるために、以下の実験を行った。 本発明品の5%水溶液を作製し、共栓付メスシリンダーにとり、栓をして1分間手で振り、2分間静置した。泡と溶液の合計の高さに対する泡の高さを百分率で評価し、起泡性とした。 比較対象として、天然の乳化剤として、大豆多糖類(ソヤファイブS-DN:不二製油(株)製)、及び合成乳化剤として、クエン酸モノグリセリンエステル(ポエムK−37:理研ビタミン(株)製)を使用した。実験結果は、表6に示す。 【0051】 【表6】
表6の結果から、本発明品の起泡性は、従来の合成乳化剤には勝っており、十分使用可能であることが確認された。 【0052】 B.品質改良剤の適用 本品質改良剤の食品への使用可能性を調べるために、以下の実験を行った。 (1)えび天ぷら 冷水中に、以下の配合のとおり、予め本発明品を、1.0g(実施例7)、0.5g(実施例8)、0.1g(実施例9)を、それぞれ混ぜ込んだバッターミックス(黄金天:昭和産業(株)製)を加え、だまがなくなるまでゆっくりと混合した。ホイッパーを用いて、粘度が出過ぎないようにゆっくりとかき混ぜた。えびに打ち粉(黄金天)をし、バッター液をつけた後、175℃の揚げ油(プレミックスオイルC/L:昭和産業(株)製)中に投入、2分30秒間油ちょうした。油ちょう後、恒温条件下にて2時間放冷した。 また、比較対象として、無添加のもの(比較例8)、及び天然乳化剤(比較例9)として、小麦グリアジン(グリアA:アサマ化成(株)製)を、合成乳化剤(参考例1)として、ショ糖脂肪酸エステル(リョートーシュガーエステルS-1170:三菱化学フーズ(株)製)を、それぞれ0.1g使用して行った。 放冷後に、食感や油こさなどについて、モニター6名による官能評価を行った。 配合割合は表7に、また、評価結果は表8に、それぞれ示す。 (官能評価基準) ◎:非常に優れている 〇:良好 △:普通 ×:不良 【0053】 【表7】
【0054】 【表8】
表8の結果から、本発明品の添加により、食感に優れ、油こさが低減した、えび天ぷらが得られることが確認できた。 【0055】 (2)ドレッシング:マヨネーズ風調味料 本発明品、1.0%(実施例10)、2.0%(実施例11)、4.0%(実施例12)を、それぞれ下表の割合で配合して、低カロリーマヨネーズ風調味料を製造した。 先ず、菜種サラダ油(昭和産業(株)製)以外の材料を全て混合し、ホモジナイザー(ヒスコトロン)を用いて8000rpmで2分間予備混合し、5℃付近に冷却した。ここに、10℃付近に冷却した菜種サラダ油を少しずつ添加し、氷水に浸しながら12000rpmで5分間撹拌後、8000rpmでさらに5分間撹拌して、油量30%の低カロリーマヨネーズ風調味料を作成した。 比較対象として、無添加(比較例10)、天然乳化剤として、加工澱粉(パインフロー:松谷化学(株)製)7.0%に、キサンタンガム(ネオソフトE:太陽化学製)を0.1%)を混合したもの(比較例11)、及び合成乳化剤として、ステアリン酸ヘキサグリセリンモノエステル(SYグリスターMS-500:阪本薬品工業(株)製)を用いたもの(参考例2)を、それぞれ使用して行った。 1ケ月間冷蔵庫に静直し、離水の程度から乳化安定性を測定した。また、マヨネーズ風調味料の粘度、および90℃で20分加熱した際の乳化状態を耐熱性として評価した。 配合割合は表9に、評価結果は表10に示す。 【0056】 【表9】
【0057】 【表10】
表10の結果から、本発明品を使用したマヨネーズが最も離水量が少なく、耐熱性もあわせて付与できることが確認された。 【0058】 (3)食パン 下表の配合および工程にて、中種法にて食パンを製造した。乳化剤として、本発明品を、0.1%(実施例13)、0.6%(実施例14)、2.0%(実施例15)添加した以外は、定法に従い食パンを製造した。型としてはブルマン型を用いた。 本試験に用いた上記の以外の材料は、一般用イースト(鐘淵化学工業(株)製)、ショートニング(グリスコ(株)製)、小麦粉(ネオン:昭和産業(株)製)、イーストフード(オリエンタル酵母(株)製)である。 比較対象として、無添加(比較例12)、又は合成乳化剤として、主成分がモノグリセリン脂肪酸エステルであるパン用製剤(エマルジーMM-100:理研ビタミン(株)製)(参考例3)を、それぞれ用いて、上記の方法により食パンを製造した。 作製時の様子から発酵、生地形成を評価した。また焼成後、室温で放冷、それぞれビニール袋に包装し、室温で1日保存した食パンについて、食感や風味についてはモニター6名による官能評価を行った。パンの硬さについては「テンシプレッサー」((有)タケトモ電機製)にて測定した。パンのしっとり感(保水性)については、乾燥後の重量損失を測定することで評価した。 (評価基準) ○:優れている △:普通 ×:劣っている 配合は表11、製造条件は表12、評価結果は表13に、それぞれ示す。 【0059】 【表11】
【0060】 【表12】
【0061】 【表13】
表13の結果から、本発明品の添加により、発酵が促進し、しっとり感等の品質が保持されることが確認された。 【0062】 (4)バターケーキ 小麦粉として、北海道小麦粉(昭和産業(株)製)、乳化剤として、本発明品を、1.0g(実施例16)、2.5g(実施例17)、3.5g(実施例18)、7.0g(実施例19)、それぞれ用い、下表の配合にて、下記のオールインミックス法にてバターケーキを製造した. 比較対象として、無添加(比較例13)、及び合成乳化剤として、ショ糖脂肪酸エステル(リョートーシュガーエステルSP:三菱化学フーズ(株)製)(参考例4)を3.5g使用して行った。 ケーキ生地の調整は、家庭用ミキサー(multimix:ブラウン(株)製)を用い、オールインミックス法で行った。 先ず、素材を添加し、低速30秒、高速1分間、予備混合した。更に、低速1分間混合して均質後、高速5分間ホイップして泡立ちが最大限になるまで撹拌した。次いで、オーブンを170℃にセットし、30分間焼成し、バターケーキを作成した。 得られたケーキは、作製時の様子から生地形成を評価した。また焼成後、室温で放冷後切断し、厚さを比較し、食感や風味については、モニター6名による官能評価にて測定した。 (評価基準) ○:優れている △:普通 ×:劣っている 配合は表14に、評価結果は表15に、それぞれ示す。 【0063】 【表14】
【0064】 【表15】
表15の結果から、本発明品の添加により、合成乳化剤同様、ボリーム感、しっとり感等の品質に優れた特性を有するバターケーキが得られることが確認された。 【0065】 (5)ホイップクリーム 本発明品、生クリーム(スジャータ生クリーム:めいらく(株)製)、砂糖を下表の配合で混合し、家庭用ホイッパー(multimix:ブラウン社製)にて高速撹拌し、ホイップクリームを製造した。添加のタイミングとしては、生クリームと本発明品予め分散混合させ、砂糖を少しずつ添加して、1分間中速で撹拌して分散させた後、高速で5分間ホイップを行って、ホイップクリームを製造した(実施例20)。 比較対象として、無添加(比較例14)、及び合成乳化剤(参考例5)として、ショ糖脂肪酸エステル(リョートーシュガーエステルS-570:三菱化学フーズ(株)製)を用いて、上記の方法でホイップクリームを製造した。 得られたホイップクリームは、オーバーラン、造花性、室温および冷蔵での保形性(3日後)から評価を行った。 (評価基準) ○:優れている △:普通 ×:劣っている 配合は表16に、評価結果は表17に、それぞれ示す。 【0066】 【表16】
【0067】 【表17】
表17の結果から、本発明品の添加により、合成乳化剤と同様、起泡力、造花性、保形性の品質に優れた特性を有するホイップクリームが得られることが確認された。 【0068】 (6)酸性乳飲料(ヨーグルト) 下表の配合で、本発明品を、予めホモジナイザーで液化した無糖の市販ヨーグルト(明治ブルガリアヨーグルト:明治乳業製)と砂糖水に懸濁し、高圧ホモジナイズ処理して均質化させ、ヨーグルト飲料を製造した(実施例21)。 比較対象として、無添加(比較例15)、又は天然乳化剤(比較例16)として、ソヤファイブS-DN:不二製油(株)製)を用いて、上記の方法でホイップクリームを製造した。 配合は表18に、評価結果は表19に、それぞれ示す。 【0069】 【表18】
【0070】 【表19】
表19の結果から、本発明品の添加により、ヨーグルト飲料は、良好な分散状態を保つことが確認された。 【産業上の利用可能性】 【0071】 本発明の品質改良剤は、乳化安定性、泡脂性、起泡安定性等について、優れた特性を有しているので、各種の食品の品質改良剤として利用可能である。 【図面の簡単な説明】 【0072】 【図1】発明品の分子量分析(波長280nm吸収)である。 【図2】アミラーゼ処理後の発明品の分子量分析(波長280nm吸収)である。 【図3】サーモライシン処理後の分子量分析(波長280nm吸収)である。 【図4】グルテン抽出物の分子量分析(波長280nm吸収)である。 【図5】グリアジン抽出物の分子量分析(波長280nm吸収)である。 【図6】グルテニン抽出物の分子量分析(波長280nm吸収)である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000187079 【氏名又は名称】昭和産業株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区内神田2丁目2番1号
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| 【出願日】 |
平成16年5月12日(2004.5.12) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105359 【弁理士】 【氏名又は名称】長沼 要
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| 【公開番号】 |
特開2005−323501(P2005−323501A) |
| 【公開日】 |
平成17年11月24日(2005.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願2004−141874(P2004−141874) |
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