| 【発明の名称】 |
高品質大豆含有肉および肉類製品の調製方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】アフマド アカシュ
【氏名】ロナルド ルイス メイバック
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| 【要約】 |
【課題】脱フレーバー化された大豆蛋白材料を含む肉または肉類製品を提供する。
【解決手段】脱フレーバー化された大豆蛋白材料は、 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脱フレーバー化された大豆蛋白材料を含む大豆含有肉または肉類製品であって、前記脱フレーバー化された大豆蛋白材料は、 (a)可溶性大豆蛋白、フレーバー化合物、および不溶性材料を含む大豆蛋白組成物を得る、 (b)(a)の大豆蛋白組成物を約9〜約12の範囲内のpHに調整し、大豆蛋白を溶解させ、フレーバー化合物を解離させる、 (c)(b)のpH調整された大豆蛋白組成物を、pHを約9〜約12の範囲内に維持しながら、フレーバー化合物が膜を通過する適切な限外ろ過条件下で、分子量を約50,000ダルトンまでカットオフする隣接した限外ろ過膜に通し、それによって、大豆蛋白組成物を脱フレーバー化し、溶解した大豆蛋白の実質上そのほとんどを保持する、 (d)限外ろ過膜により保持された溶解した大豆蛋白を回収する、 ステップを含む方法により調製されることを特徴とする大豆含有肉または肉類製品。 【請求項2】 大豆含有肉または肉類製品は、一回分の供給量あたり約5〜約15gの大豆蛋白を含むことを特徴とする請求項1に記載の大豆含有肉または肉類製品。 【請求項3】 (a)の水性組成物は、大豆蛋白を約1〜約20パーセントの範囲内の濃度で有することを特徴とする請求項1に記載の大豆含有肉または肉類製品。 【請求項4】 (a)の水性組成物は、大豆蛋白を約1〜約20パーセントの範囲内の濃度で有することを特徴とする請求項2に記載の大豆含有肉または肉類製品。 【請求項5】 限外ろ過膜が、約1,000〜約50,000ダルトンの範囲内までカットオフさせることを特徴とする請求項1に記載の大豆含有肉または肉類製品。 【請求項6】 限外ろ過膜が、約10,000〜約30,000ダルトンの範囲内までカットオフさせることを特徴とする請求項5に記載の大豆含有肉または肉類製品。 【請求項7】 限外ろ過膜が、約1,000〜約50,000ダルトンの範囲内までカットオフさせることを特徴とする請求項2に記載の大豆含有肉または肉類製品。 【請求項8】 限外ろ過膜が、約10,000〜約30,000ダルトンの範囲内までカットオフさせることを特徴とする請求項7に記載の大豆含有肉または肉類製品。 【請求項9】 限外ろ過が、約10〜約60℃の範囲内の温度と適切な圧力で実施されることを特徴とする請求項5に記載の大豆含有肉または肉類製品。 【請求項10】 限外ろ過膜が、高分子、セラミック、または、無機質の膜であることを特徴とする請求項9に記載の大豆含有肉または肉類製品。 【請求項11】 肉または肉類製品が、ハムおよびチーズの塊であることを特徴とする請求項1に記載の大豆含有肉または肉類製品。 【請求項12】 肉または肉類製品が、ハムおよびチーズの塊であることを特徴とする請求項2に記載の大豆含有肉または肉類製品。 【請求項13】 大豆含有肉または肉類製品を調製する方法であって、この方法は、脱フレーバー化された大豆蛋白材料と肉または肉類組成物とを混合して大豆含有肉または肉類製品を形成するステップを含み、ここで脱フレーバー化された大豆蛋白材料は、 (a)可溶性大豆蛋白、フレーバー化合物、および不溶性材料を含む大豆蛋白組成物を得る、 (b)(a)の大豆蛋白組成物を約9〜約12の範囲内のpHに調整し、大豆蛋白を溶解させ、フレーバー化合物を解離させる、 (c)(b)のpH調整された大豆蛋白組成物を、pHを約9〜約12の範囲内に維持しながら、フレーバー化合物が膜を通過する適切な限外ろ過条件下で、分子量を約50,000ダルトンまでカットオフする隣接した限外ろ過膜に通し、それによって、大豆蛋白組成物を脱フレーバー化し、溶解した大豆蛋白の実質上そのほとんどを保持する、 (d)限外ろ過膜により保持された溶解した大豆蛋白を回収する、 ステップを含む方法により調製されることを特徴とする方法。 【請求項14】 大豆含有肉または肉類製品は、一回分の供給量あたり約5〜約15gの大豆蛋白を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。 【請求項15】 限外ろ過膜が、約1,000〜約50,000ダルトンの範囲内までカットオフさせることを特徴とする請求項13に記載の方法。 【請求項16】 限外ろ過膜が、約1,000〜約50,000ダルトンの範囲内までカットオフさせることを特徴とする請求項14に記載の方法。 【請求項17】 限外ろ過が、約10〜約60℃の範囲内の温度と適切な圧力で実施され、限外ろ過膜が高分子、セラミック、または、無機質の膜であることを特徴とする請求項15に記載の方法。 【請求項18】 限外ろ過が、約10〜約60℃の範囲内の温度と適切な圧力で実施され、限外ろ過膜が高分子、セラミック、または、無機質の膜であることを特徴とする請求項16に記載の方法。 【請求項19】 肉または肉類製品が、ハムおよびチーズの塊であることを特徴とする請求項13に記載の方法。 【請求項20】 肉または肉類製品が、ハムおよびチーズの塊であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、一般に、様々な食品、特に肉および肉類製品に使用されるための大豆由来の材料の処理に関係する。 【0002】 特に、本発明は、肉および肉類製品を含む食物の広い範囲で受け入れられるために大豆材料を脱フレーバー化する方法に関係する。 【背景技術】 【0003】 近年、大豆蛋白は、それらを使用することで健康上の利益が得られることから、食品中に広く使われるようになった。いくつかの適用においては、大豆材料の風味は不快ではない。しかしながら、乳類製品、飲み物等のようないくつかの用途においては、大豆材料中に見出されるフレーバーは消費者には即座には受入れられないかもしれない。したがって、本発明者は、大豆材料の用途を拡大するため、大豆材料のフレーバー化合物を減少させる方法を見出そうとした。しかしながら、他の有機材料からフレーバー化合物を取り除くために以前から用いられた方法が、大豆物質の処理において成功するであろうことは明白でなかった。有機材料は、それらが複合した組成を有するので、それらを処理する所定の方法が満足できるものかどうかを判断するには試験されなければならない。 【0004】 有機物質を精製するために以前用いられた方法の1つの例は特許文献1にみられる。そこでは、特許権者により、不快なフレーバー成分を除去するために澱粉をアルカリで処理することが示されている。 【0005】 普通に譲渡された特許文献2においては、澱粉を精製するのに限外ろ過が用いられている。 【0006】 両者とも、フレーバー成分が澱粉から取り除かれており、特許文献1では、フレーバー成分を溶解させて比較的不溶性の澱粉からそれらを洗い流すものであり、特許文献2では、不溶性の澱粉が水性スラリーに残存している間にフレーバー成分を浸透させて取り除くように限外ろ過が用いられた。それとは対照的に、本発明は、可溶性の高分子量大豆蛋白からフレーバー成分を分離するものである。 【0007】 含有蛋白を回収するための大豆材料の処理や、それと同時に、フレーバー化合物を減少させて食品中により受け入れられやすい蛋白を得ることに関連した多くの論文や特許がある。しかしながら、これら以前の開示は、フレーバー化合物の除去、および、できるだけ多くの蛋白を回収することを格別目指すものではなかった。 【0008】 1つの例が特許文献3にあり、そこでは、大豆蛋白成分がpH7〜11、好ましくは約8にて溶解され、そして、分子量が70,000より高いものまでカットオフする膜を通して限外ろ過した後に、保持された大豆蛋白は噴霧乾燥により回収されている。改良型として、蛋白部分のみが更に低いpH値で溶解され、そして、好ましくは、分子量が100,000より高いものまでカットオフする膜で限外ろ過に付すと、その製品は色及びフレーバーが改善されることが見出された。更に高いカットオフ膜は、価値のある蛋白の損失をもたらすことが予測される。 【0009】 別の特許文献4においては、大豆粉末スラリーを、蛋白を溶解するためにpHを7〜10の範囲に調整し、その後、限外ろ過膜を通過させると、おそらく固体としてフィチン酸塩、及び、アルミニウムが保持されている。その膜は分子量のカットオフが与えられていなかったので、可溶性蛋白を通過させるための孔径が大きかったものと推測される。 【0010】 これら特許の双方が、大豆材料の処理における他の努力についての広範囲にわたる議論を含んでいる。どちらも、限外ろ過処理中にpHを調整することについて教示するものではないし示唆するものでもない。 【0011】 一群の関連特許において、ミードジョンソン会社(Mead Johnson Company)は、大豆材料の水性溶液のpHを上昇させて大豆蛋白を溶解させ、口当たりの良い風味を有する蛋白を回収するための方法を開示した。その方法は、フレーバー化合物を除去するよりも、むしろ、主として蛋白を濃縮することを意図している。 【0012】 特許文献5では、大豆蛋白を溶解させるためにpHが10.1〜14(好ましくは11〜12)にまで上げ、その後、pHは約6〜10に下げて、分子量を10,000〜50,000ダルトンまでカットオフする膜を用いた限外ろ過が、蛋白を保持し、炭水化物とミネラルを除くために用いられた。 【0013】 特許文献6では、フィチン酸塩およびフィチン酸を不溶性にするために、pH10.6〜14、温度10〜50℃で蛋白を溶解させ、その後、それらを分離し、最終的に、その溶液をpH約4〜5まで酸性化して大豆蛋白を沈殿させるというフィチン酸塩およびフィチン酸の除去に重点が置かれていた。 【0014】 特許文献7における大豆蛋白は10より低いpH、好ましくは7〜9で溶解され、そして、炭水化物を浸透物として通過させる一方で、蛋白を保持物として分離するため限外ろ過が用いられた。 【0015】 これらの特許は、限外ろ過処理中にpHを調整することについて教示するものではないし示唆するものでもない。 【0016】 【特許文献1】米国特許第4,477,480号明細書 【特許文献2】米国特許第4,761,186号明細書 【特許文献3】米国特許第4,420,425号明細書 【特許文献4】米国特許第5,658,714号明細書 【特許文献5】米国特許第3,995,071号明細書 【特許文献6】米国特許第4,072,670号明細書 【特許文献7】米国特許第4,091,120号明細書 【特許文献8】米国特許第5,160,758号明細書 【特許文献9】米国特許第5,433,969号明細書 【特許文献10】米国特許第5,858,442号明細書 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0017】 本発明者は、色およびフレーバーの原因となり、そして、飲み物、乳類製品等のような食品に大豆を用いると妨げとなる大豆材料中の成分を除去しようとした。彼らは、大豆由来の材料に以下に記載された方法を用いることで、本質的にすべての蛋白が回収され、不適当な色やフレーバーを引き起こす原因となる化合物を除去できる処理が成功裡になし得ることを見出した。 【0018】 更に、限外ろ過方法の間、pHを約9〜約12の範囲内に調整することによって、機能的な特性が改善された脱フレーバー化された大豆材料が得られる。したがって、この生成物は多くの食品に適している。 【課題を解決するための手段】 【0019】 本発明は、脱フレーバー化大豆蛋白を使用して調製した大豆含有肉および肉類製品を提供する。概して、脱フレーバー化大豆蛋白は、約1〜約20パーセントの大豆濃度を有する大豆の水性組成物を調製する方法を使用して調製され、その組成物は、蛋白分を溶解してフレーバー化合物を解離するようにpH調整される。その後、その組成物は、pH調整を維持しつつ、フレーバー成分は浸透して除去され本質的にすべての大豆の含有蛋白を回収できる膜を用いた限外ろ過に付される。 【0020】 本方法によって調製された脱フレーバー化された大豆材料は、理想的に、乳製品および非乳製品の飲み物、スムージー、健康ドリンク、菓子タイプの製品、栄養バー(bar)、チーズ製品、乳製品および非乳製品のヨーグルト、肉と肉類製品、穀物食品、焼成生成物、スナックなどへの用途に適している。 【0021】 1つの態様で、本発明は、脱フレーバー化大豆蛋白材料を含む大豆含有肉または肉類製品を提供するものであって、この脱フレーバー化大豆蛋白材料は、 (a)可溶性大豆蛋白、フレーバー化合物、および不溶性材料を含む大豆蛋白組成物を得る、 (b)(a)の大豆蛋白組成物を約9〜約12の範囲内のpHに調整することによって大豆蛋白を溶解させて、フレーバー化合物を解離する、 (c)(b)のpH調整された大豆蛋白組成物を、pHを約9〜約12の範囲内に維持しながら、フレーバー化合物が膜を通過する適切な限外ろ過条件下で、分子量を約50,000ダルトンまでカットオフする限外ろ過膜に隣接させ、それによって、大豆蛋白組成物を脱フレーバー化し、溶解した大豆蛋白を実質上すべて保持する、 (d)限外ろ過膜により保持された溶解した大豆蛋白を回収して、脱フレーバー化された大豆蛋白材料を得る、 ステップを含む方法によって調整される。 【0022】 別の態様で、本発明は、大豆含有肉または肉類製品を調製する方法を提供するものであって、この方法は、脱フレーバー化した大豆蛋白材料と肉または肉類製品の組成物とを混合して大豆含有肉または肉類製品を形成し、この脱フレーバーした大豆蛋白材料は、 (a)可溶性大豆蛋白、フレーバー化合物、および不溶性材料を含む大豆蛋白組成物を得る、 (b)(a)の大豆蛋白組成物を約9〜約12の範囲内のpHに調整することによって大豆蛋白を溶解させて、フレーバー化合物を解離する、 (c)(b)のpH調整された大豆蛋白組成物を、pHを約9〜約12の範囲内に維持しながら、フレーバー化合物が膜を通過する適切な限外ろ過条件下で、分子量を約50,000ダルトンまでカットオフする限外ろ過膜に隣接させ、それによって、大豆蛋白組成物を脱フレーバー化し、溶解した大豆蛋白を実質上すべて保持する、 (d)限外ろ過膜により保持された溶解した大豆蛋白を回収して、脱フレーバー化された大豆蛋白材料を得る、 ステップを含む方法によって調整される。 【0023】 1つの態様においては、本発明は、豆乳、大豆粉末、大豆濃縮物および大豆蛋白分離物のような大豆由来の材料を脱フレーバー化する方法であって、その方法は、フレーバー化合物を含む大豆材料の水性組成物を調製し、大豆材料中の含有蛋白を溶解し、フレーバー成分を解離するためにpHを約9〜12の範囲に調整し、その後、pHを約9〜約12までの範囲内に維持しながら、pH調整された組成物を分子量50,000ダルトンまでカットオフする隣接した多孔限外ろ過膜に通し、それによって、フレーバー生成化合物は孔を通過し、本質的にすべての大豆の含有蛋白を保持することを含むものである。 【0024】 別の態様においては、本発明は、含有蛋白を溶解し、フレーバー化合物を限外ろ過により分離することを可能にするために、ナトリウム、カリウム、または、消石灰のようなアルカリでpHを約9〜12の範囲に調整することを含むものである。重要なことは、限外ろ過方法の間、pHが約9〜約12の範囲内に調整されることである。 【0025】 1つの具体例においては、本発明は、pH調整された大豆材料の水性混合物を、フレーバー成分を分離するために隣接した限外ろ過膜に通過させる連続方法で大豆材料を脱フレーバー化する方法である。pHは、適切なpH変動材料(一般に塩基)の適正量を追加することにより、限外ろ過の間、約9〜約12に維持される。フレーバー成分と水を含んだ浸透物は、浸透物を脱水するための隣接した逆浸透膜に通され、そして、分離された水は、再循環される保持物と新しくpH調整された大豆材料とを連結して再循環される。濃縮部分は連続して取り出されて脱フレーバーされた大豆材料が回収される。 【0026】 好ましい具体例においては、本発明はpH調整された大豆材料の水性混合物を隣接した限外ろ過膜に通し、透過物はフレーバー成分を回収するために分離され、保持物は新しくpH調整された大豆材料に連結されるよう再循環されるバッチ式または半連続式の大豆材料の脱フレーバー化方法である。水は、浸透物に失われた水を置き換えるために、周期的または連続的に加えられ、連結された流れにおける大豆材料の濃度を予め定められたレベルになるよう調整される。必要ならば、pH変動材料(例、塩基)を再循環される濃縮部へ加えることができるし、或いは、限外ろ過方法の間、pHを所望の範囲に調整するために水を加えることができる。本方法は、フレーバー化合物の全てが除去されるまで続けられる。 【0027】 別の好ましい具体例においては、本発明は脱フレーバー化された大豆蛋白材料を調製する方法であって、前記方法は、 (a)可溶性大豆蛋白、フレーバー化合物、および、不溶性材料を含む大豆材料の水性組成物を調製する、 (b) (a)の水性組成物を約9〜約12の範囲内のpHに調整し大豆蛋白を溶解させ、フレーバー化合物を解離させる、 (c) (b) のpH調整された水性組成物から不溶性材料を取り除き、処理済みの水性組成物を得る、 (d) (c) の処理済み水性組成物を、pHを約9〜約12の範囲内に維持しながら、フレーバー化合物が膜を通過する適切な限外ろ過条件の下で、分子量を約50,000ダルトンまでカットオフする隣接した限外ろ過膜に通し、それによって、大豆材料を脱フレーバー化し、溶解した大豆蛋白の実質上そのほとんどを保持する、 (e)限外ろ過膜により保持された溶解した大豆蛋白を回収して、脱フレーバー化された大豆蛋白材料を得る、 ステップを含むことを特徴とする方法である。 【0028】 本発明に使用される限外ろ過膜は、分子量を50,000ダルトンまで、好ましくは1,000〜50,000、最も好ましくは10,000までカットオフするものであり、好ましくはポリエーテルスルホンまたはセラミック膜である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0029】 (大豆由来の材料) 大豆は、価値ある油の源であり、また、本発明においては、価値ある蛋白の源である。大豆は、約40パーセントの蛋白を含んでいて、それらは、超遠心分離の後、2S、7S、11Sおよび15Sとして分類された(さらに特許文献3を参照)。これらの分画は、同様に、他の材料をも含んでいてもよく、それらは3,000から600,000までの広い範囲の分子量を有している。大豆材料を食品において広く有益にするためには、取り除かれなければならない不快な臭いやフレーバーが大豆製品にあることはよく知られている。リポオキシゲナーゼが、ある多価不飽和脂肪酸の酸化を触媒してヒドロペルオキシドを生成し、それが、大豆由来の材料中の不快な臭いやフレーバーに関連する揮発性のカルボニル化合物に分解されると考えられている。大豆フレーバーに関連するいくつかの化合物が実施例10の下の表Cに記述されている。 【0030】 大豆由来の材料の含有蛋白は食品用として価値のある分画であると考えられる一方で、溶解性の炭水化物は好ましくないと考えられている。大豆蛋白分画からそれらを除去することは蛋白を回収する多くの方法においてその目的となっている。 【0031】 フィチン酸塩は、これもまた、大豆蛋白において好ましくないと考えられている化合物である。これらの化合物は、イノシトールヘキサリン酸のカルシウム−マグネシウム−カリウム塩である。そのような化合物は、金属イオンとキレートを形成するものであり、人体に容易に吸収されないものと考えられている。それらは、大豆蛋白と結びつき、消化を妨げると考えられている。先に言及したように、フィチン酸塩の除去は大豆由来の材料の分野で働く者の目的であった。 【0032】 (限外ろ過膜) ろ過は多くの材料を分離するために使われている。本発明において、限外ろ過は大豆由来の材料からフレーバー化合物を除去するために用いられる。重要なことは、大豆由来の材料のpHは、限外ろ過方法の間、約9〜12の範囲内に維持されるべきことである。限外ろ過は、一般に、分子量10,000〜1,000,000の粒子に相当する10〜1,000オングストローム(0.001〜0.1μm)の径を有する粒子を除去するよう意図されていて、それは、そのような高分子量の粒子の形状によっても影響を受けるかも知れない。大豆蛋白は、約3,000と600,000の間の分子範囲を有している。膜は、大豆蛋白の全て、あるいは、選択された部分のみを通すことができるものか選択してもよい。本発明においては、大豆蛋白は、選択された操作条件の下で限外ろ過膜によって保持され、一方、より低い分子量のフレーバー化合物は膜を通過し分離され、それにより、保持された大豆蛋白や関連する固体の色やフレーバーが改善される。 【0033】 高分子限外ろ過膜は、異方性(不均一)の層と定義されてもよい。片面は、膜を通過し得る分子径を決定する孔を含む被膜である。この被膜を支持するのは、反対の面までに及ぶ海綿状構造である。そのような膜は、一般的に、水槽中で重合体を凝固させることにより製造される。使用される典型的な重合体は、ポリスルホン、セルロースエステル、ポリビニリデンフルオライド、ポリジメチルフェニレンオキサイド、ポリアクリロニトリルを含み、それらは膜に成型され得る。しばしば、膜は、そこをろ過される溶液が通過するための束に組み立てられた中空管に形成される。代わりに、平膜のシートやらせん状の設計が使用されてもよい。商業上は、低分子量化合物が膜を通過しやすくするために圧力が用いられる。膜は、用いられる圧力に耐えることができなければならず、被膜が破壊されることや膜をバイパスすることを避けるために、海綿状の支持構造物が均質であるということが重要である。 【0034】 前記の高分子膜に加えて、セラミックス、焼結金属、および、他の無機材料のような他の材料が限外ろ過膜を製造するために使われてきた。本発明は特別なタイプの膜に制限されるものではない。本発明は、いかなる特定のタイプの膜にも限定されない。一般に、膜は、1,000ダルトンより小さい分子量を有すると考えられているフレーバー化合物を通過させることができなければならない。更に重要なことは、膜は、実質的に全ての溶解した大豆蛋白を保持することができなければならない。したがって、本発明における膜は、分子量を約50,000ダルトンまで、好ましくは約1,000〜50,000、さらに好ましくは10,000〜30,000までカットオフさせるのものとなろう。 【0035】 (方法) 本発明の方法は、以下のステップを含む。 (1)大豆由来の材料の水性混合物を調製する、 (2)水性混合物に塩基を加えpHを約9〜約12まで上げ大豆蛋白を溶解させ、フレーバー化合物を解離させる、 (3)pH調整された混合物を、pHを約9〜約12の範囲内に維持しながら、分子量を約50,000までカットオフする隣接した限外ろ過膜に通し、フレーバー化合物を浸透物として取り出し、残存する大豆蛋白および他の大豆材料を保持物として取り出す、 (4)保持物を中和し大豆蛋白を回収する。 【0036】 全てのタイプの大豆材料は食品に用いるために可能な大豆源と考えられる。したがって、蛋白を含む大豆材料は水性混合物中で結合して、通常、固形状の大豆のスラリーになる。含有蛋白は食品のために必要とされるが、前述のとおり、それは、分離できるように除かなければならないフレーバー化合物を含むと考えられている。フレーバー化合物の分離は、蛋白とフレーバー化合物の両方が溶解している水性混合物中において実施される。水性混合物中における大豆蛋白の濃度は、約1〜約20パーセントの範囲内となるであろう。一般に、pH調整後の大豆材料の濃度は、水が浸透物と一緒に除去されていく次の限外ろ過ステップの間に変化する。水は、周期的に或いは連続的に置き換えられる。例えば、ダイアフィルトレーション方式では、バッチ式または半連続式方法において、保持された蛋白を徐々に希釈化するために水が加えられる。 【0037】 第2のステップは、実施例においてみられるように、フレーバー化合物の除去を達成するために重要である。大豆蛋白は、水性混合物に塩基を加えて約9〜12のpHを達成することで溶解される。一般に、9のpHが全ての蛋白を溶解させるのに必要とされ、一方、12を超えるpHは蛋白の好ましくない分解をもたらしそうであるということが見出された。理論上、いかなる塩基も使用されるが、ナトリウムまたはカリウムの水酸化物が好ましく、特に、カリウム水酸化物が使用される。他の適用性のありそうな塩基には、カルシウム、マグネシウム及びアンモニウムの水酸化物が含まれる。大豆蛋白が溶解するとその形状が変化し、中性ないし酸性溶液中で大豆蛋白により束縛、或いは、カプセル状に包まれていたフレーバー化合物が解離するような結果をもたらすものと考えられている。大豆蛋白と比べると比較的低分子量を有するフレーバー化合物は限外ろ過膜の孔を通過することができ、一方、実質的に全ての溶解された大豆蛋白は大き過ぎるため保持される。重要なことは、できるだけ多くのフレーバー化合物を除去するようにするため、限外ろ過/ダイアフィルトレーションの方法の間、pHが前述した範囲内(すなわち約9〜約12)に維持されるべきことである。 【0038】 第3のステップは、以下に実施例1〜5として報告されているとおり、研究室における実験と類似したバッチ方式で実施することができ、フレーバー化合物および水が膜を通過し、そして、水を流すことで除去された。しかしながら、本発明方法の商業的適用にあたっては、pH調整された水性混合物は隣接した限外ろ過膜へ連続的に循環される。水、苛性分、および、フレーバー化合物が浸透物として膜を通過し除去されるので、大豆材料の所望の濃度が維持されるように追加の水が加えられるが、これは水性混合物のpHを下げる傾向にある。この水は、浸透物の脱水や供給液への回収された水の再循環により増加されてもよい。pH変更材料(例、塩基)は、pHを所望の範囲(すなわち、約9〜12)に調整するために、必要に応じ、限外ろ過溶液中へ、いずれかの再循環する水性材料中へ、もしくは、所望の補給水中へ、直接加えることができる。 【0039】 フレーバー化合物の除去後(すなわち、限外ろ過方法完了後)、さらに、生成物を取り出してして所望のpHになるまで酸を加えることにより、ろ過された溶液の中和を行ってもよい。pH調整後、大豆蛋白と他の材料との水性混合物は食品に直接使用したり、或いは、用途に応じて、それを濃縮したり、乾燥してもよい。 【0040】 限外ろ過による大豆材料の脱フレーバー化方法は様々な方法で操作されてもよい。限外ろ過/ダイアフィルトレーションの方法の間のpHは約9〜約12の範囲、好ましくは、約9.5〜約10.5の範囲内に維持される。連続式とバッチ式(半連続式を含む)の2つの方法について述べる。商業的方法は、食品等級の大豆製品の生産により適すべきでものであり、バッチ式ないし半連続式が採用されるであろうことが予測される。連続式方法は、一般に、図8に示されている。連続式もしくはバッチ式のいずれにおいても、大豆材料の水性混合物は、大豆蛋白を溶解しフレーバー化合物を解離するためにpH調整され、その後、隣接した限外ろ過膜に通され、より低分子量のフレーバー材料は水(浸透物)と一緒にその孔を通過し、残された高分子量の大豆材料(濃縮物)は再循環される。保持物部分は、脱フレーバー化された製品として取り出され、そこから、最終用途のために必要とされるものとして回収される。浸透物の中に失われた水を置き換えるために、また、限外ろ過膜へ提供される供給液中の大豆材料濃度を一定にするために、水が加えられる。方法に不可欠ではないが、図8の方法では、保持物と新しい大豆材料とを合わせて、再循環させるために逆浸透膜を用いた水の部分的な回収をする追加の方法を含む。そのような工程の利点は、方法に加えられなければならず、また、透過物を濃縮する際に除去しなければならない新しい水の量を減少させることにある。もちろん、大豆由来の材料のpHは、再循環水または方法に追加される新しい水へ塩基を適切に追加するか、或いは、塩基を適宜直接加えることによって所望の範囲内に維持することができる。 【0041】 バッチ方式においては、以下の実施例6〜8に記載されているように、1バッチの大豆材料はpH調整された容器内に置かれ、限外ろ過膜に供給される。透過物は分離され、保持物は容器に戻される。方法が進むと、大豆材料は、より低分子量のフレーバー化合物および水の中で使い果たされ、そして、さらに濃縮されて所望の大豆蛋白になる。周期的に、保持物に対し、それを希釈化するため、また、膜を通過するフレーバー化合物を輸送するために水が加えられる。半連続式方法においては、水が浸透物に取り除かれる割合で水が連続的に追加される。方法は、全てのフレーバー化合物が除去され、保持物が製品になるために十分な脱フレーバー化がなされるまで続けられるが、最終用途で求められるならば、さらに、処理が行われる。バッチ式ないし半連続式方法は、図8に示されたと同様の方法で分離された水を再循環する過程で、透過物の濃縮をも含むことができる。限外ろ過/ダイアフィルトレーションの方法中のpHは、約9〜約12の範囲内に、好ましくは約9.5〜約10.5の範囲に維持される。 【0042】 限外ろ過膜は、膜の孔を通過することができるフレーバー化合物、水、および、他の材料の移動を助けるため、膜を横断した差圧によって操作されることになる。一方で、それは膜の物理的強度を超えるものであってはならない。そのような膜のための典型的な平均圧力は約50psi(345kPa)である。膜内外圧力(入口対出口)は約15psi(103kPa)であろう。もちろん、これらの圧力は、膜の仕様や他の操作上の懸念に基づいて変わるであろう。供給液の流量は、重要な浸透物の除去に十分な滞留時間を提供するものであるが、また、それは、膜孔への供給液の接近が膜壁上の固体沈着物によって妨げられないように乱れを起こすために十分高いものとなる。当業者は、好ましい操作上のパラメーターは、分離される材料と経験によって決定されることを理解されるであろう。 【0043】 好ましい具体例においては、本発明は、脱フレーバー化された大豆蛋白材料を調製する方法であって、前記方法は、 (a)可溶性大豆蛋白、フレーバー化合物、および、不溶性材料を含む大豆材料の水性組成物を調製する、 (b) (a)の水性組成物を約9〜約12の範囲内のpHに調整し大豆蛋白を溶解させ、フレーバー化合物を解離させる、 (c) (b) のpH調整された水性組成物から不溶性材料を取り除き、処理済みの水性組成物を得る、 (d) (c) の処理済み水性組成物を、pHを約9〜約12の範囲内に維持しながら、フレーバー化合物が膜を通過する適切な限外ろ過条件の下で、分子量を約50,000ダルトンまでカットオフする隣接した限外ろ過膜に通し、それによって、大豆材料を脱フレーバー化し、溶解した大豆蛋白の実質上そのほとんどを保持する、 (e) 限外ろ過膜により保持された溶解した大豆蛋白を回収して、脱フレーバー化された大豆蛋白材料を得る、 ステップを含むことを特徴とする方法である。この好ましい態様は、2003年9月4日に出願され「大豆由来の材料を脱フレーバー化する方法」というタイトルの同時係属米国特許出願第10/655,259号明細書に詳細に記載されており、ここではこれを参照するものである。 【0044】 この好ましい具体例は図11に示され、そこでは、大豆蛋白の水性溶液のpHが約9〜約12に調整されている。pH調整された水性溶液は、その後、不溶性材料を除去するための処理がなされる。どのような従来の技術(例えば、ろ過、デカンテーション、遠心分離法等)でも使用できる。好ましくは、不溶性材料は、遠心分離法によって除去される。商業的に入手可能な連続式遠心分離法ユニットは、半バッチ式ないし連続式操作における本分離に理想的に適している。特に好ましい具体例においては、pH調整された水性液は、不溶性材料の除去を促進ないし達成するために、少なくとも、2度、除去方法(例えば、遠心分離) に付される。その後、処理された上澄みは、通常、大豆を連想させるフレーバー成分を除去するために限外ろ過、好ましくはダイアフィルトレーションと連結した限外ろ過に付される。限外ろ過の間、大豆由来の材料のpHは、約9〜約12の範囲に維持されるべきである。限外ろ過の後、pHは食用酸(例えば、クエン酸)を用いて中性に調整される。脱フレーバー化された大豆蛋白溶液は直接使われてもよいし、或いは、所望であれば、固形状に変換されてもよい。水除去のための従来からの方法はいかなるものも使うことができる。一般に、噴霧ないし凍結乾燥方法が好ましい。 【0045】 (脱フレーバーされた大豆生成物) 本方法によって調製された脱フレーバー化大豆蛋白材料は、理想的に、乳製品及び非乳製品の飲み物、スムージー、健康ドリンク、チーズ製品、乳製品及び非乳製品のヨーグルトなどの発酵乳製品タイプ製品、肉および肉類製品、穀物食品、焼かれた製品、スナックなどへの用途に適している。本発明は、脱フレーバー化された大豆蛋白を使用して調製した大豆含有肉および肉類製品を提供する。大豆含有肉および肉類製品は、脱フレーバー化大豆粉、脱フレーバー化された分離大豆蛋白および/または脱フレーバー化された大豆濃縮物を含むことが特に好ましい。 【0046】 好ましくは、脱フレーバー化される大豆材料は、肉および肉類製品に取り込む前に、肉様の組織(肉に見られる繊維と同じような)を付与する。組織付与は、既知の方法に従って蛋白紡糸繊維の熱押し出しまたは凝結によって達成できる。好ましいのは、円筒状または細片状の脱水紡糸蛋白の粒子または断片である。好ましい加工方法には、水を加え、例えば破砕によってさらにサイズを縮小させ、蛋白フィラメントを得ることが含まれる。本発明の肉および肉類製品では、これらのフィラメントが、通常肉製品に存在しているコラーゲンなどの結合組織蛋白と類似の組織特性を提供する。 【0047】 組織付与され脱フレーバー化された大豆材料はまた、肉および肉類製品をつなぎ合わせまたは結合するために、不連続相構造の蛋白質ゲル相として使用するか作用することができる。この目的のため、組織付与された断片は、サイズ調整されて、所望のひき肉粒に似たサイズにすることが好ましい。典型的には、これらは蛋白と水とからなり、熱で予備成形された断片である。断片は、それ自身、凝集性ではなく、不連続のゲル相を与える。最終製品の肉または肉類製品で、こうした断片は、製品の成形を促進するばかりでなく、噛み応えを与え、牛肉、豚肉または鶏肉などのひき肉の組織に似せる助けとなる。 【0048】 これらの構築された蛋白の不連続ゲル相粒子は、本発明の脱フレーバー化大豆材料を使用して、また、特許文献8ないし10に記載の方法を使用して調製できる。ここではこれら特許文献を参照するものである。 【0049】 一般的に、本発明の大豆含有肉および肉類製品は、所望の脱フレーバー化大豆蛋白材料を肉および肉類ベース組成物と混ぜ合わせて調製する。大豆含有肉および肉類製品は、乾燥量基準で約5〜約40パーセントの脱フレーバー化した大豆蛋白、より好ましくは、約15〜約25パーセントの脱フレーバー化した大豆蛋白を含み、本発明の方法を使用して、大豆の豆に通常付随するフレーバーおよび/または臭いの欠点を有することなく調製できる。このように、本発明を使用すると、一回分の供給量(通常は約50〜100gが一回分の供給とみなされている)に付き最高約30g、好ましくは約5〜約15gの大豆蛋白が供給して、大豆含有肉および肉類製品が調製できる。したがって、本発明は、相当量の大豆蛋白を、大豆に通常付随する官能上不都合な欠点を有することなく肉および肉類製品中に組み込むことができる。 【0050】 特に断りがない限り、パーセンテージはすべて重量基準である。ここでは、本明細書に引用したすべての文献を参照するものである。 【実施例】 【0051】 (実施例1) 大豆蛋白分離物( Protein Technology International ( PTl ) : St. Louis, MO )は水道水中で水和され10パーセント濃度とされた。水性組成物は、全ての大豆蛋白分離物が完全に分散されるまで電磁撹拌機で混合された。混合物のpHは、水酸化ナトリウムを用いて11.0に調整された。その後、pH調整された組成物は、3500の分子量孔径を有する透析管 ( Spectrum, Inc. ) にセットされて、水道水が約 4 時間連続的に管の外側に通された。pHは、透析の間、約9以上に維持された。透析管中に残された組成物は、ガラスビーカーに注がれ、中和され、そして、芳香や風味が評価された。透析された組成物と、同様の方法ではあるがpHを6.7とした場合の試料、および、透析もpH調整も行われなかった第2の試料との比較がなされた。数人によるブラインド評価は、pH調整および透析の行われた試料のみが風味および芳香に著しい向上があったことを示した。 【0052】 (実施例2) 豆乳(Devansoy Farms, Carrol, Iowa)を10パーセントの水性組成物とした後、pH調整して一晩中透析したものを用いて、実施例1と同様の試験が実施された。処理後、試料のpHは8.8であった。そして、芳香および風味は著しく向上された。 【0053】 (実施例3) 実施例2が、豆を浸し、湯通し、その後、挽いて粉にし、この粗びき粉から分離して得た新鮮な豆乳を用いて繰り返された。前述したようにpH調整と透析が行われた後は、豆乳の風味および芳香が著しく向上するということが見出された。 【0054】 (実施例4) 実施例3が、6000の分子量の孔径を有する透析管を用いて繰り返され、同様の結果が得られた。 【0055】 (実施例5) 実施例2が乾いた大豆粉末(Cargill, Inc.)を用いて繰り返された。大豆粉末は、前述したように、10パーセント組成物になるまで水が加えられて、その後、pH調整された。一晩中透析した後、透析管に残された組成物のpHは8.7であり、その試料は著しく芳香および風味を向上させた。 【0056】 (実施例6) 大きな混合タンクにおいて、15パーセントの固形分を含む33ポンド(15kg)のサンリッチ豆乳(Sun Rich soy milk)が、66ポンド(30kg)の水で希釈され、5パーセント固形分の100ポンド(45kg)のスラリーを生じさせた。1N NaOH溶液が、大豆蛋白を溶解するためにpHが11に到達するまでゆっくりと加えられた。 【0057】 分子量を10,000ダルトンまでカットオフする3.3m2の表面積を有する2つの平行な中空糸膜(A/G Technology Corporation)を通して、溶液を混合タンクからポンピングして、アルカリ化された大豆溶液のダイアフィルトレーションを実施した。膜を横断する膜内外圧力は20〜50psi(1138〜345kPa)であった。膜を通過した材料(浸透物)は集められた。残っている材料(保持物)は混合タンクに連続的に再循環された。50ポンド(22.7kg)の浸透物が集められたときには、混合タンクには50ポンド(22.7kg)の大豆溶液が含まれていた。追加の50ポンド(22.7kg)の水が混合タンクに加えられた。限外ろ過/ダイアフィルトレーションの間、pHは約9〜約12に維持された。混合タンクへ追加の水を加えて水洗は5回繰り返され、その後、混合タンク内の溶液は水が浸透物中へ取り除かれながら約10パーセントの固形分になるまで濃縮され、そして、2パーセントのクエン酸によってpH7.0になるまで中和された。 【0058】 中和された溶液は、訓練された官能パネルによって評価され、水で10パーセントまで希釈化された以外は処理されていないサンリッチ豆乳(Sun Rich soy milk)の対照試料と比較された。大豆溶液は、ブラインドでランダムな順番に提示された。その結果は図1および2のグラフに示されている。 【0059】 図1は、10の特性に関する平均的な強度スコアを示す。パネルは、ある特性が他のものよりも重要であると判断した。上記のように処理された大豆溶液と比較したとき、突出した特性は全て95パーセントの信頼水準で減少した。対照試料中でさほど顕著ではない特性(すなわち、ブラウン、甘味、酸味、塩味および苦味)については、甘味が値を増加した以外、減少した。しかし、パネルの平均値は、95パーセントの信頼水準には達しなかった。 【0060】 フレーバー成分の除去によって、大豆溶液はフレーバーについてより中立になったことはその結果から明らかである。 【0061】 (実施例7) 10ポンド(4.55kg)の大豆蛋白濃縮物(Central Soya)が、大豆蛋白を水和するために、タンク中で190ポンド(86.4kg)の水とともに15〜30分間、高攪拌で混合された。その後、大豆蛋白を溶解するために、1N NaOHがpH11になるまで加えられた。実施例6に記載されたと同様の方法で、分子量を10,000ダルトンまでカットオフするらせん状の膜(Gea Niro Inc.)を通して、大豆スラリーはポンピングされた。膜を横断する膜内外圧力は50psi(344.7kPa)未満に維持された。膜を通るときの圧力低下は15psi(103.4kPa)未満に維持され、pHは約9〜約12に維持された。実施例6におけるように、膜から取り出された透過物が混合タンクにおける原体積の2分の1に達したときに水の追加が5回にわたり行われた。5回の水の追加後、洗浄された大豆溶液のpHは0.5N HClを添加することで7.5に調整され、その後、官能評価へ向けて凍結乾燥された。 【0062】 脱フレーバー化された大豆蛋白濃縮物は、訓練された官能パネルによって6つの特性の評価が行われた。対照試料(未処理)のそれぞれの特性に係る平均値は、図3に示されている。この実施例においては、脱フレーバー化された大豆濃縮物と対照試料との間に差異がみられたが、いずれも、全ての値が低下したにもかかわらず95パーセントの信頼水準にはならなかった。これは、図4に示されている。使用されたブラインド対照の結果を含むものであり、これは、脱フレーバー化された試料の後に評価された。このケースでは、ブラインド対照は図3のオリジナル対照よりも強いフレーバー特性を有することが見出された。このようなことが起こったのは、この実施例におけるブラインド対照が脱フレーバー試料の後に試験され、そして、2回目の対照評価において、パネルに、これが比較的強いフレーバーを有しているようにみられたことに原因があると考えられる。しかし、ブラインド対照試料と比較すると、この脱フレーバー化された試料は、図5に示されたように90〜95パーセントの信頼水準で3つのフレーバー特性に顕著な差異があることを示した。 【0063】 (実施例8) 大豆蛋白の脱フレーバー化に使用される膜は、実施例6および7において効果的であることが示されたとおり、分子量を10,000ダルトンまでカットオフすべきである。所望により、更に高い分子量までカットオフする膜を使用することができる。しかし、分子量を50,000ダルトンまでカットオフする場合、実施例にみられるように、いくらかの価値のある蛋白が浸透物中に失われた。 【0064】 5ポンド(2.27kg)の乾燥大豆分離物(Supro-670 PTl )が、実施例7と同様に、95ポンド(43.2kg)の水と混合され、5パーセントの固形状の大豆を含むスラリーを提供する。pHを11にあげるために1N NaOHが加えられ大豆蛋白を溶解した。前記実施例6および7と同様の方法で、そして、実施例6の中空糸膜を用いて、5回の水の追加を伴ったダイアフィルトレーションが実施された。pHは、限外ろ過/ダイアフィルトレーションの間、約9〜約12に維持された。浸透物試料が、蛋白分析のために、5分間隔で採取され、中和され凍結された。 【0065】 浸透物試料は、電気泳動法によって全含有蛋白が分析された。その結果は以下の表に示されている。 【0066】 【表1】
【0067】 10,000ダルトンまでカットオフする膜は、50,000ダルトンまでカットオフする膜よりも多くの蛋白を保持することが確認できる。10,000ダルトンの膜で35分における値は誤っていると考えられる。 【0068】 (実施例9) 実施例6〜8の方法を用いた脱フレーバー化大豆材料試料は蛋白ゲル電気泳動法により分析された。結果は、保持される大豆材料の分子量分布がオリジナルの大豆材料のそれと実質的に同じであったということを示している。その結果は、以下の表に示されている。 【0069】 【表2】
【0070】 (実施例10) 先の実施例に記述された官能パネルにより決定されたフレーバー特性に関連する化学成分について分析が行われた。大豆蛋白分離物の2つの試料が試験された。1つの試料は実施例7に記述された方法によって脱フレーバー化されたものであり、第2の試料は脱フレーバー化されなかったものである。 【0071】 最初の試験において、1gの対照試料は15gの水で希釈され、300ppmの4−ヘプタノン2μlが内部標準として加えられ、そして、その混合物は100ml/分のヘリウムを用いて、60℃で30分間にわたりパージされた。蛋白を溶解するためにNaOH溶液を加えpHを10に上昇させることを除いて対照試料と同様にして、脱フレーバー化された試料が調製された。揮発性の化合物は、GC/MS(HP GC5890/MSD5972)によって分析された。様々な化合物に係る結果は、図6および7に示されている。脱フレーバー化された大豆試料はより少ないフレーバー化合物を含んでいた。 【0072】 第2の試験において、3gの試料が30gの水により希釈され、そして、300ppmの4−ヘプタノン2μlが内部標準として加えられた。得られた混合物は、揮発性化合物を除去するため、100ml/分のヘリウムを用いて、60℃で20分間にわたりパージされた。それらの揮発性物は、ガスクロマトグラフィーにより分析され、そして、化合物の臭いは人の基準で判断された。特定の化合物に関連した臭いは、以下の表に報告されている。 【0073】 【表3】
【0074】 (実施例11) 本実施例は、大豆粉(50パーセント蛋白;Central Soya, Fort Wayne, IN)から脱フレーバー化し、組織付与した大豆材料の調製を示すものである。大豆粉(30ポンド(13.6kg))をジャケット付タンク中で270ポンド(122.5kg)の水中で、華氏約120度(49℃)で約30分間混合しながら水和した。水和完了後、1Nの水酸化ナトリウムを使用して、混合物をpH10に調整した。pH調整された混合物を、約20分間攪拌して、インラインフィルター(120ミクロンの篩)を使用して予備ろ過を行った。次に、得られた混合物を、基本的には実施例7に記載したものと同じらせん状限外ろ過膜(10,000の分子量をカットオフ)を使用しまた同じ手順で行う限外ろ過/ダイアフィルトレーションに供した。限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程進行中は、必要に応じて1Nの水酸化ナトリウムを添加することによりpHを10に維持した。残留物(保持物)は再循環され、水を必要に応じて添加し、一定体積を維持した。限外ろ過/ダイアフィルトレーションは、採集された浸透物量が出発体積の2.5倍になった時点で完了させた。限外ろ過/ダイアフィルトレーション工程完了後、大豆溶液のpHを、1パーセントのクエン酸を使用して6.5に調整した。次に、大豆溶液を固形物が12パーセントになるまで濃縮し、噴霧乾燥し、固形の脱フレーバーした大豆材料を得た。 【0075】 次に、脱フレーバー化大豆材料は、二軸押出成形機中で組織付与をした。脱フレーバー化大豆材料と水とを押出成形機中に、それぞれ16ポンド(7.3kg)/時間および3.5ポンド(1.6kg)/時間で連続的に供給した。脱フレーバー化大豆材料と水は、押出成形機中で、約150〜160℃の(金型出口で測定したところ)温度で粘性のある塊に変換して、大豆材料を変性させ、調理した。次に、得られた調理済み大豆練粉は、大豆材料に組織、形を与えるために押出成形機の末端に取り付けたストランドダイ(約6mm径の複数開口部)に通過させられた。押し出された大豆材料の水分含量は、約15パーセント未満であった。得られた撚り糸(通常、直径約5〜15mm、長さ約2〜5フィート(61〜152cm))を、通常のオーブンで水分含有量5パーセント未満となるまで乾燥させて、肉または肉類製品に使用するための1/8〜1/4インチ(0.3〜0.6cm)のフレークに変換した。 【0076】 (実施例12) 実施例11で調製した脱フレーバー化大豆材料フレークを使用して、野菜ハンバーガーを調製した。使用された処方は下記表に提示する。対照試料を市販の組織付与された大豆蛋白材料を使用して、比較の目的で調製した。 【0077】 【表4】
【0078】 乾燥成分をミキサーに添加し、約5分間混合した。水を添加し、約20分間混合を続けた。組成物をパイ状(約80g)に形成し、華氏350度(176℃)の通常のオーブン(約5分)で調理した。 【0079】 発明品試料は、対照品試料よりも豆の臭いが少なく、不快な臭いも少なく、より自然であるとみなされた。脱フレーバー化大豆材料を使用して、スパイス、調味剤などを添加することによりフレーバーを制御することが簡単になり、よりさわやかな味が簡単に得られる。 【0080】 (実施例13) 本実施例は、脱フレーバー化大豆材料を使用して、肉または肉類製品に使用できる蛋白ゲルを形成することを示すものである。乾燥脱フレーバー化大豆単離物を、市販の大豆単離物を使用して実施例11のように調製した。乾燥脱フレーバー化大豆単離物の1部と水3部を、一般向けブレンダー中、高速で2分間混合した。得られた蛋白ゲルを一晩冷蔵し、その後評価を行った。大豆単離物出発材料を使用して同様の方法で調製した対照物と比較すると、本発明の材料は、豆の味が少なく、より淡泊または自然な味を有していた。蛋白ゲルは肉または肉類製品の使用に理想的に適合するものであった。 【0081】 (実施例14) 本実施例は、実施例13の脱フレーバー化大豆単離物を使用して肉なしソーセージ(イタリアンタイプ)の調製を実証するものである。下記表の処方を使用した。対照品試料を、脱フレーバーしていない以外は同様の大豆単離物を使用して、比較のために調製した。 【0082】 【表5】
【0083】 着色剤を水に溶解した後、大豆蛋白濃縮物を添加し約1分間混合を続けた。ミキサーを4分間止めた。小麦グルテンおよび乾燥卵を添加し、さらに5分混合を続けた。次にスパイス、調味剤およびオイルを添加し、さらに5分混合を続けた。適切な分離大豆蛋白または脱フレーバー化分離大豆蛋白を添加し、さらに1分混合を続けた。澱粉を添加した後、混合を20分続け、組成物を適切なソーセージのケーシングに入れた。次に、ソーセージを燻製小屋で内部温度華氏185度(85℃)になるまで最低20分間調理した。調理したソーセージを今度は華氏約80度(26.7℃)までシャワー中で冷却し、燻製小屋から出して2時間以内で華氏約40度(4.4℃)未満まで冷却した。ケーシングから取り出してソーセージを冷凍して包装した。 【0084】 脱フレーバー化大豆成分を有する発明品は、対照品試料よりも良い(すなわち、不快な臭いがなく、よりさわやかな)フレーバーと組織(すなわち、より固く、水分量がより良好)を有していた。 (実施例15) 本実施例は、脱フレーバー化大豆材料から調製されるゲルをハムおよびチーズの塊に使用することを示すものである。脱フレーバー化大豆ゲルは、豆臭や他の不快な臭いに気づかずに、また、得られる製品の組織をあまり変化させることなく、ハムおよびチーズの塊の結合を促進する。脱フレーバー化大豆材料は、少なくとも塊中のハムおよびチーズの一部を置換して、これによって蛋白量を高めるだけでなく飽和脂肪およびコレステロースの量を下げるために使用することができる。 下記配合物を使用して、対照および本発明のハムおよびチーズの塊を調製した。 【0085】 【表6】
【0086】 発明品試料では、脱フレーバー化大豆粉(実施例11と同様の方法で調製)を、華氏45度(7.2℃)で約2分間混合することにより、一部の水を含ませ、脱フレーバー化大豆粉と水との割合を約4対1とした。対照には、もちろん脱フレーバー化大豆粉は何も添加しなかった。次に、赤身肉、トリポリリン酸ナトリウム、塩、スパイス混合物を、含水脱フレーバー化大豆粉(発明品試料)または水(対照品)に添加し、約6分、華氏約45度(7.2℃)で混合した。残りの成分(チーズを除く)を添加し、さらに混合(華氏45度(7.2℃)で約2〜3分)し、混合物をフードプロセッサー中で華氏68度(20℃)または2分で乳化した。次に高溶融性チェダーチーズをこの乳化混合物と混合し、約30秒間混合した。得られた混合物を、防水ケーシングに詰め、内部温度が華氏約165度(73.8℃)になる(約13分間)まで沸騰水中で調理した。調理済塊を氷水浴中で華氏約40度(4.4℃)下まで冷却し、冷蔵庫中で3日間保存し、その後評価を行った。 【0087】 発明品試料は、対照品と同様のフレーバーを有していたが、よりやわらかい組織であった。対照品も発明品試料も良好なフレーバーの特徴と官能特性を有していた。次の結果を得た。 【0088】 【表7】
【0089】
発明品試料は、対照品試料と比較すると、一部の肉が脱フレーバー化大豆蛋白で置き換ったため飽和脂肪が減少した。 【0090】 標識(金のタグをつけた大豆抗体を使用した)実験に基づいて、大豆蛋白はゲル化剤として作用して、肉の筋原繊維束と他の成分とをつなぎ合わせているようである。 【図面の簡単な説明】 【0091】 【図1】大豆のフレーバー特性の強度を示すグラフである。 【図2】対照試料と比較した脱フレーバー化された豆乳の強度を示すグラフである。 【図3】大豆のフレーバー特性の別のグループの強度を示すグラフである。 【図4】図3の試料と比較した脱フレーバー化された大豆濃縮物および対照試料の強度を示すグラフである。 【図5】脱フレーバー化された大豆濃縮物および対照試料の強度を示すグラフである。 【図6】脱フレーバー化された大豆試料および対照試料との間のフレーバー化合物の濃度変化を示すグラフである。 【図7】脱フレーバー化された大豆試料および対照試料との間のフレーバー化合物の濃度変化を示すグラフである。 【図8】本発明で用いられる1つの方法のブロックダイアグラムである。 【図9】大豆分離物のフレーバー特性の強度を示すグラフである。 【図10】対照試料と比較した脱フレーバー化された大豆分離物の強度を示すグラフである。 【図11】脱フレーバー化大豆蛋白材料を調製するための好ましい実施態様のブロックダイアグラムである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】501360131 【氏名又は名称】クラフト・フーヅ・ホールディングス・インコーポレイテッド 【氏名又は名称原語表記】KRAFT FOODS HOLDINGS, INC. 【住所又は居所原語表記】Three Lakes Drive, Northfield, Illinois 60093 United States of America
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| 【出願日】 |
平成16年10月22日(2004.10.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077481 【弁理士】 【氏名又は名称】谷 義一
【識別番号】100088915 【弁理士】 【氏名又は名称】阿部 和夫
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| 【公開番号】 |
特開2005−130856(P2005−130856A) |
| 【公開日】 |
平成17年5月26日(2005.5.26) |
| 【出願番号】 |
特願2004−308832(P2004−308832) |
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