| 【発明の名称】 |
グミキャンディおよびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】杉山 豊 【住所又は居所】愛知県豊橋市鍵田町48番地 杉本屋製菓株式会社内
【氏名】鈴木 智博 【住所又は居所】愛知県豊橋市鍵田町48番地 杉本屋製菓株式会社内
【氏名】鈴木 靖輔 【住所又は居所】愛知県豊橋市鍵田町48番地 杉本屋製菓株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】複雑な所望形状のグミキャンディを維持しつつ提供するとともに、消費者が容易に離型し得るグミキャンディを提供することおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】グミキャンディは、ゼラチンおよび糖質を含み、さらにペクチン、ナトリウム塩および酸を含有してなる構成とした。含有するペクチンは、グミキャンディ全体の0.25重量%以上とし、ゼラチン含有量に対して1/28以上とする。ナトリウム塩としてはクエン酸ソーダを使用し、酸としてはクエン酸を使用する。充填する容器は、浅底のトレー状に形成された容器本体1と、この容器本体の底部に所望形状に設けられた凹状の型部分13〜16と、上記容器本体の開口部全体をシールしてなるフィルム状の蓋材3とで構成する。砂糖、水飴およびゼラチンが加熱溶解されたゼラチン溶液と、ペクチンが砂糖およびクエン酸ソーダとともに溶解されたペクチン溶液とを混合し、クエン酸を添加した後に容器に充填して製造する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ペクチン、ナトリウム塩および酸を含有してなることを特徴とするグミキャンディ。 【請求項2】 ゼラチンおよび糖質を含み、さらにペクチン、ナトリウム塩および酸を含有してなることを特徴とするグミキャンディ。 【請求項3】 前記ペクチンを0.25重量%以上含有してなる請求項1または2記載のグミキャンディ。 【請求項4】 前記ペクチンは、ゼラチン含有量に対して1/28以上の割合で含有されてなる請求項2記載のグミキャンディ。 【請求項5】 前記ナトリウム塩は有機酸ソーダであり、前記酸は有機酸である請求項1ないし4のいずれかに記載のグミキャンディ。 【請求項6】 前記有機酸ソーダはクエン酸ソーダであり、前記有機酸はクエン酸である請求項5記載のグミキャンディ。 【請求項7】 透明または半透明の樹脂製容器に凹状の型部分を構成し、この型部分に充填固化されてなる前記1ないし6のいずれかに記載のグミキャンディ。 【請求項8】 前記容器は、浅底のトレー状に形成された容器本体と、この容器本体の底部に所望形状に設けられた凹状の型部分と、上記容器本体の開口部全体をシールしてなるフィルム状の蓋材とで構成された容器である請求項7記載のグミキャンディ。 【請求項9】 砂糖、水飴およびゼラチンが水とともに加熱溶解され、これらを煮詰めて構成されたゼラチン溶液と、ペクチン、砂糖およびナトリウム塩が水とともに加熱溶解され、これらを煮詰めて構成されたペクチン溶液とを混合し、さらにpH調整剤を添加した後容器に充填し、これを冷却してなることを特徴とするグミキャンディの製造方法。 【請求項10】 前記ナトリウム塩は有機酸ソーダであり、前記pH調整剤は有機酸である請求項9記載のグミキャンディの製造方法。 【請求項11】 前記有機酸ソーダがクエン酸ソーダであり、前記有機酸がクエン酸である請求項10記載のグミキャンディの製造方法。 【請求項12】 砂糖、水飴およびゼラチンが水とともに加熱溶解され、これらを煮詰めて構成されたゼラチン溶液と、ペクチン、砂糖およびクエン酸ソーダが水とともに加熱溶解され、これらを煮詰めて構成されたペクチン溶液とを混合し、さらに香料、色素およびクエン酸を添加してグミ原液を構成し、このグミ原液を容器に充填し、これを冷却してなることを特徴とするグミキャンディの製造方法。 【請求項13】 前記容器は、透明または半透明の樹脂製容器であり、その底面に予め凹状の型部分が構成され、前記グミ原液を上記型部分に充填した後離型することなく冷却および包装される請求項9ないし12のいずれかに記載のグミキャンディの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、グミキャンディおよびその製造方法に関し、特に、所望形状を形成してなるグミキャンディおよびその製造方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 一般的なグミキャンディは、糖質をゼラチン等で成形固化してなるゼリー菓子の一種であって、弾力性のある歯ごたえが魅力的な菓子である。しかし、周囲の気温が38°Cを超えると液状化するため、夏期にあっては流通過程において品質が安定しないという問題点があった。そこで、従来は、グミ素材の表面にトランスグルターゼを作用させ、当該グミ素材表面にゲル化層を形成し、このゲル化層により芥子の実などの天然顆粒物やゼラチンカプセルを上記ゲル化層に付着するものがあった(特許文献1参照)。 【特許文献1】特開2003−79317号公報(3頁〜4頁・図1) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 上記のような従来技術は、グミ素材の表面に蒸気を吹き付けて少し溶解させ、この溶解した間に顆粒を付着させていた製法を改良したものであって、高温の環境下においても上記顆粒が剥がれないようにするためのものである。従って、製品となるべきグミキャンディは、離型された状態であることを前提としており、かつ表面が顆粒等でコーティングされた状態のものであり、複雑な形状のグミキャンディを製造することができなかった。 【0004】 そこで、本出願人は、複雑な形状のグミキャンディを提供すべく、容器を型として機能させるとともに、当該容器から離型しない状態において製品とするグミキャンディを開発したのである。このグミキャンディは、透明なプラスチック樹脂により成型された容器を使用し、この容器の底部に型部分を設け、この型部分に充填されたグミキャンディが、当該容器と一体となって製品となるものである。そして、容器の底面であった部分を製品の表面として、すなわち、容器の底面側から当該容器を介して内部のグミキャンディを確認できる構成とすることによって、複雑な形状であっても変形や破損などの心配がないグミキャンディを提供するものであった。しかしながら、型として機能する容器に充填したグミキャンディは、消費者が食するまで離型されないため、消費者が自ら離型することとなるが、この場合、夏期等の高温の環境下においては、グミキャンディが顕著に軟化し、この軟化を原因としてグミキャンディが容易に離型しないという問題点があった。また、夏期等の高温の環境下では、極端な場合、グミキャンディが液状化し、容器内においてグミキャンディが型部分から流出し、所望形状を維持できなくなるという問題点もあった。 【0005】 本発明は、上記諸点にかんがみてなされたものであって、その目的とするところは、複雑な所望形状のグミキャンディを維持しつつ提供するとともに、消費者が容易に離型し得るグミキャンディを提供することおよびその製造方法を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0006】 そこで、グミキャンディにかかる本発明は、ペクチン、ナトリウム塩および酸を含有してなることを特徴とするグミキャンディを要旨としており、ペクチンによる増粘効果により高温時における液状化を防止するものである。また、本発明は、ゼラチンおよび糖質を含み、さらにペクチン、ナトリウム塩および酸を含有してなることを特徴とするグミキャンディをも要旨とするものであり、ゼラチンによる固化とペクチンによる増粘効果により、固化状態を安定させることができるとともに、適度な歯ごたえおよび柔軟性を同時に得るものである。 【0007】 上記各発明において、ペクチンによる増粘効果を十分に作用させるためには、グミキャンディの全体に占める含有割合を0.25重量%以上とすることが好ましい。また、ゼラチンを含むグミキャンディでは、ゼラチンによるゲル化とともにペクチンによる相乗効果を好適にするため、ゼラチン含有量に対して1/28以上割合によるペクチンを含有させることが好ましい。なお、上記各発明において使用されるナトリウム塩としては、有機酸ソーダを使用することができ、好ましくはクエン酸ソーダを使用する。また、酸としては、有機酸を使用することができ、好ましくはクエン酸を使用する。 【0008】 また、上記各発明において、上記のグミキャンディを容器に充填してなる構成とすることができる。この場合、透明または半透明の樹脂製容器に凹状の型部分を構成し、この型部分にグミキャンディを充填固化してなる構成とすることができる。これにより、グミキャンディは容器内において適度な硬化状態を維持し得ることから、当該容器の型部分を所望形状に設けることにより、当該型部分に応じた形状のグミキャンディを設けることができる。さらに、上記容器は、浅底のトレー状に形成された容器本体と、この容器本体の底部に所望形状に設けられた凹状の型部分と、上記容器本体の開口部全体をシールしてなるフィルム状の蓋材とで構成することができる。この容器を使用することにより、容器の底面を製品の正面とすることができ、当該底面の型部分の形状に合致したグミキャンディを提供し得る。 【0009】 一方、グミキャンディの製造方法にかかる本発明は、砂糖、水飴およびゼラチンが水とともに加熱溶解され、煮詰められた状態となったゼラチン溶液と、ペクチン、砂糖およびナトリウム塩が水とともに溶解され、煮詰められた状態となったペクチン溶液とを混合し、さらにpH調整剤を添加した後容器に充填し、これを冷却してなることを特徴とするグミキャンディの製造方法を要旨とする。本発明によれば、pH調整剤の添加よりも前にナトリウム塩を添加してなるので、pH調整剤によるpH値の低下によるペクチンの硬化の程度および硬化速度を調整することができる。 【0010】 上記発明において、前記ナトリウム塩としては、有機酸ソーダを使用することができ、好ましくはクエン酸ソーダを使用することができる。また、前記pH調整剤としては、有機酸を使用することができ、好ましくはクエン酸を使用することができる。 【0011】 また、本発明は、砂糖、水飴およびゼラチンが水とともに加熱溶解され、煮詰められた状態となったゼラチン溶液と、ペクチン、砂糖およびクエン酸ソーダが水とともに加熱溶解され、煮詰められた状態となったペクチン溶液とを混合し、さらに香料、色素およびクエン酸を添加してグミ原液を構成し、このグミ原液を容器に充填し、これを冷却してなることを特徴とするグミキャンディの製造方法をも要旨とするものである。この発明では、グミ原液が、クエン酸によりpH調整されて硬化されるが、加熱による高温状態であるグミ原液は、流動性を有することとなり、容器への充填が容易となる。 【0012】 上記各発明において、前記容器は、透明または半透明の樹脂製容器であり、その底面に予め凹状の型部分が構成され、前記グミ原液を上記型部分に充填した後離型することなく冷却および包装される構成とすることができる。この場合、固化したグミキャンディは、容器に設けられた型部分に充填された状態であるから、上記型部分を所望形状とすることにより、これに応じた複雑な形状のグミキャンディを製造し得ることとなる。 【発明の効果】 【0013】 グミキャンディにかかる本発明によれば、ゲル化剤として使用されるペクチンを含有させ、このペクチンを含んだグミキャンディのpHを低く設定することで、高温の環境下でも液状化しないグミキャンディを得ることができる。また、主としてゼラチンを含んでなるゼラチンゼリーにペクチンを含有させてなる場合には、ゼラチンによる弾力性を有しつつ高温の環境下で液状化することのないグミキャンディを提供することができる。これらの場合、pHを調整するためにクエン酸などの有機酸を使用するのであるが、クエン酸ソーダなどのナトリウム塩をも含有させることで、クエン酸等による硬化の状態を緩和させることができ、弾力性、特に、歯ごたえに影響のない程度の硬化状態を維持させてなるグミキャンディとなるものである。 【0014】 このように、ペクチンおよびクエン酸等により硬化させてなるグミキャンディは、加熱溶解されたゼラチン溶液を冷却のみによって硬化させてなる従来のグミキャンディまたはゼリー菓子に比較して、温度の上昇によって軟化する割合が小さく、夏期における流通過程において、高温の環境下に保存された場合でも極端な軟化を抑制でき、変質等を防止することができる。特に、ペクチンの添加量を全体の0.25重量%以上とすることが好ましく、また、ゼラチンを含んでなるグミキャンディの場合には、ゼラチン含有量に対する割合を1/28以上とすることで、食する際の歯ごたえや舌触りを良好にしつつ、上記高温時における安定性を向上させるものである。 【0015】 従って、容器に充填した状態でグミキャンディを提供したとしても、消費者が食する際に、硬化した状態のグミキャンディは、当該容器からの取り出しが容易となるのである。また、容器に充填されるグミキャンディは、その容器と密着する部分に、例えば芥子の実のような離型のための物質を介在させる必要がないため、容器を透明または半透明にすることで、容器に密着するグミキャンディを当該容器を透かして確認することができ、消費者においてその状態を楽しむことができる。 【0016】 さらに、容器に設けられた型部分にグミキャンディを充填してなる構成によれば、当該型部分を所望の複雑な形状に設けることにより、その形状に応じたグミキャンディを提供でき、かつ、この複雑な形状のグミキャンディは、容器によって保護されるので、その形状を維持しつつ消費者に供給することができる。また、容器の底部の型部分の表面を円滑にすれば、透明容器の外部から確認できる表面は円滑となり、また、細かな凹凸を設ければ、当該表面が凹凸のグミキャンディを設けることができるので、多種多様な表面を呈するグミキャンディの供給も可能となる。 【0017】 一方、グミキャンディの製造方法にかかる本発明によれば、ゼラチンおよび糖質などを水とともに煮詰めることで、グミキャンディのゼラチン溶液を構成し、一般的なグミキャンディと同様のゼラチン菓子として製造できる。そして、上記ゼラチン溶液とは別に、ペクチンおよびナトリウム塩などを水で煮詰めたペクチン溶液を構成することにより、必要なペクチンおよびナトリウム塩の添加量を調整してなるペクチン溶液を構成することができる。また、これらを混合する際に、その混合比によって、ゼラチンに対するペクチンの添加量を調整することができる。従って、ゼラチン溶液に適量のペクチンを容易に含有させることができ、これと同時に、上記両液の配合量を把握することにより、その後に添加されるクエン酸等の有機酸の分量を容易に把握し得るものである。 【0018】 また、上記ペクチン溶液にクエン酸ソーダなどのナトリウム塩を添加することにより、上記クエン酸による硬化の状態を調整することができ、軟化した状態のゼラチン溶液を型に充填する際、その流動性を保持させることができる。そして、この硬化状態を調整するために、ナトリウム塩またはクエン酸の添加量を調整すれば、ペクチンの増粘効果が発揮される温度が調整され、ゼラチン溶液が冷却によって硬化するするタイミングに合わせてグミキャンディ全体を固形化することができる。 【0019】 本発明の製造方法により製造されたグミキャンディは、容器としての型に充填された状態で固形化され、容器に施された複雑な形状の型に応じて、所望形状に成形されるものである。そして、容器内に残置された状態であるから、形状の崩れや破損がなく消費者に提供し得るものである。また、当該グミキャンディは、ゼラチン溶液の冷却のみによって硬化されるものではなく、ペクチンがpH調整によっても硬化するものであるため、硬化の状態が安定して離型が容易となり、高温の環境下であっても変質等を防止できるものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0020】 以下、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態は、図1に示すように、型として機能する容器1にグミキャンディ2が充填され、冷却によって固定化されてなるものであり、このグミキャンディ2は、容器1に充填された状態で製品とされるものである。従って、上記容器1の上面の周縁には平面部11が構成され、容器1の平面部11に接着されるフィルム状の蓋材3によって、容器1の上面がシールされるものである。 【0021】 また、容器1の底面12は、平面部11から僅かに低く設けられ、さらに、この底面12に型部分13,14,15,16が凹状に設けられている。従って、流動性を有するグミキャンディ2を当該型部分13〜16に充填することによって、この型部分13〜16に形成される凹形状のグミキャンディを設けることができるのである。 【0022】 上記の容器1および蓋材3は、ポリプロピレン、塩化ビニルまたはPETなどのプラスチック樹脂によって透明または半透明に構成され、型部分13〜16に充填されたグミキャンディ2の状態を容器1の外方から確認することができるものである。従って、グミキャンディ2が充填され、冷却による固形化後の製品では、底面12の側が正面となるものである。つまり、型部分13〜16が製品の正面側に突出し、立体感のある形状を有するグミキャンディを製品正面に配置させることができるものである。 【0023】 ここで、充填されるグミキャンディは、糖質をゼラチンとともに溶解してなる流動物質がゼラチン溶液として使用され、これにペクチン、ナトリウム塩および酸が含有してなるものである。上記ゼラチン溶液に対してペクチン、ナトリウム塩および酸を含有させるタイミング等については、後述の製造方法において説明するが、上記ペクチン等が含有されることで、冷却後のグミキャンディの硬化状態が安定したものとなる。 【0024】 すなわち、ペクチンを含有されたグミキャンディは、低いpHにおいて増粘する性質を有し、グミキャンディが高温の状態であっても、pHの値を低く(例えば、pH4.0以下に)調整することにより、固定化した状態とすることができるのである。また、pHの値が低すぎる場合は、硬化が急速となるため、高温時における軟化を防止できる反面、グミキャンディの温度が高い状態であっても流動性を有しないこととなり、消費者がこれを食する際に口の中に入れたときには、硬さを感じることから舌触りが良好とは言えないものとなる。これと同時に、加工時においても流動性がなくなるため、容器1への充填が困難となり加工性が低下する。そこで、同時にナトリウム塩を含有させることにより、酸がペクチンに与える増粘効果を緩和し、硬化の速度を緩和させて加工性を向上させるとともに、グミキャンディが軟化する温度を調整することができるのである。 【0025】 このようにペクチンおよび酸を含有してなるグミキャンディは、温度上昇によって軟化を抑制することができることから、夏期のように周辺温度が高くなった場合でも、グミキャンディが軟化し、また、場合によって液状化することを防止できる。従って、輸送途上における変質等を回避することができるのである。一方、所定の温度まで上昇した場合であっても急激な軟化をしないことから、口の中に入れられたグミキャンディは、十分な歯ごたえを維持しつつ、好適に軟化することから、良好な舌触りを与えることができることとなる。 【0026】 上記ナトリウム塩には、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)などもあるが、有機酸ソーダを使用することができ、さらに、有機酸ソーダとしては、クエン酸ソーダ(クエン酸ナトリウム)を使用することが好ましい。また、酸としては、有機酸を使用することができ、その有機酸には、クエン酸、リンゴ酸、酢酸または乳酸などが挙げられるが、クエン酸を使用することが好ましい。 【0027】 グミキャンディにかかる本実施形態は、上記のような構成であるから、容器1に設けられる型部分13〜16を変化させることにより、複雑な形状のグミキャンディを設けることができる。また、この型部分13〜16に充填され、その後に冷却固化されてなるグミキャンディは、極端な軟化が抑えられるものであることから、型部分13〜16からの離脱に際して、グミキャンディが塊の状態となって容易に離型できるものである。さらに、上記離型を促進させるために芥子の実などをグミキャンディの表面に付着させる必要がないのである。これにより、グミキャンディが充填された型部分13〜16の底には、グミキャンディのみが密着した状態で存在することから、容器1の底面12の側の外方から容器1を透かして充填されているグミキャンディを見るとき、グミキャンディそのものを確認することができることとなり、その形状や色彩を楽しむことができるものとなる。しかも、上記芥子の実などの顆粒等が付着されていないことから、グミキャンディそのものの味覚を得ることができるのである。さらに、軟化する温度や速度が調整されているため、歯ごたえと柔らかさを好適にしたグミキャンディを提供することができるのである。 【0028】 次に、グミキャンディの製造方法の実施形態について説明する。本実施形態では、ゼラチン溶液とペクチン溶液とを個別に設け、上記両溶液を混合するとともに、香料等の添加物が添加されてグミ原液を構成するのである。そこで、上記ゼラチン溶液は、砂糖、水飴およびゼラチンを水とともに加熱溶解し、これを煮詰めて設けられる。これら砂糖やゼラチン等の加熱溶解は、同時または個別に溶解する方法のいずれであってもよく、一般的なゼラチン菓子を製造する場合と同様に加熱溶解して製造されるものであって、所定の糖質をゼラチンに混合してなる状態のものであれば十分である。一方、ペクチン溶液は、ペクチン、砂糖およびナトリウム塩を水とともに加熱溶解させ、さらにこれを煮詰めて構成されるものである。このペクチン溶液は、後述のようにゼラチン溶液と混合する際に、ゼラチン溶液の糖度が極端に低下することを抑制するため、予め所定の糖度に調整しているのである。なお、ナトリウム塩として有機酸ソーダを使用するが、本実施形態では、クエン酸ソーダ(クエン酸ナトリウム)が使用されている。 【0029】 上記のように、個別に製造されたゼラチン溶液とペクチン溶液とを混ぜ合わせた状態では未だ高温の状態であり、十分な流動性を有している。そして、上記混合溶液に香料および色素、また、場合によっては濃縮果汁等が添加されて、硬化前のグミキャンディが構成される。このときのpHの値としては、概略pH6程度であり、前記ペクチンが硬化する状態ではない。 【0030】 上記に続き、pH調整剤により、pHの値を低下させてペクチンの効果を促進させるのである。このときのpH調整剤としては、有機酸のうちクエン酸が使用される。一般的には、クエン酸の添加によってpH4以下、特にpH3以下となった場合に、ペクチンの増粘効果が急激に発揮されることから、グミ原液の粘性が極端に増加することとなり、グミ原液が部分的に硬化して均一な硬さに仕上げることができない。また、全体のpHの値を確認しながらpH調整剤の添加量を調整することも困難であった。そこで、本実施形態では、前述のペクチン溶液にクエン酸ソーダを添加しているのである。すなわち、pH調整剤を添加する以前にクエン酸ソーダなどのナトリウム塩を含有させることによって、pH3〜pH5の範囲内でペクチンを緩やかに硬化させるのである。そして、好ましくは、pH3.0〜pH4.0の範囲内のpH値に調整することで、グミ原液の粘性が極端に増加せず、適度な流動性を有する状態となり、ゼラチンとともに冷却によって硬化させることができる。なお、このpH調整剤の添加をもって、全ての材料が添加されたこととなり、グミ原液が完成することとなるが、グミキャンディの甘さを考慮すれば、このときのグミ原液の糖度は、Brixで70°〜80°が好適である。 【0031】 上記のようにして、高温状態に維持されたグミ原液は、十分な流動性を有しており、その流動性を利用して容器に充填される。すなわち、グミキャンディにかかる実施形態において説明したとおり、容器1の型部分13〜16に流し込むことによって、型部分13〜16の細部にグミ原液が充填され、所望形状のグミキャンディを製造し得るのである。なお、本実施形態で使用される容器は、ポリプロピレンなどのプラスチック樹脂を使用するため、高温の状態にあるグミ原液を充填した場合に、上記容器が変形または変質するものではない。 【0032】 グミ原液の容器への充填後は、容器全体を冷却してグミ原液を固形化する。冷却には、0°C〜15°Cの範囲内に設定された冷却室内を通過させることによるのである。この冷却により、溶解されたゼラチン成分が硬化するとともに、ペクチンによる増粘効果が発揮され、グミ原液が固形化されることとなる。このように、ゼラチン成分とペクチンとが十分に混合した状態で固形化されたグミキャンディは、高温時38°Cの環境下であっても極端に軟化することがなく、その結果として、グミキャンディ全体の液状化を抑えることができるのである。また、容器の型部分に充填されるグミキャンディは、液状化した場合には当該型部分から流出して容器内の他の空間部分に移動するため、所望形状のグミキャンディを構成することができなくなることとなるが、仮にグミキャンディが軟化したとしても、液状化しない程度であれば、上記型部分から流出することがなく、所望形状を維持し得るものである。 【0033】 なお、容器1に封入されるグミキャンディを製造する場合には、当該容器1にグミ原液が充填された後に蓋材3がシールされる。この蓋材2のシール工程によって、グミが容器1に密封されるのである。 【0034】 本実施形態の製造方法は、上記のとおりであるから、加熱された状態のグミ原液は流動性を有しており、従来から使用されるゼリー菓子用の充填機によって容器に充填することができ、また、グミ原液の温度が低下する程度の比較的短い時間の冷却により、グミキャンディを固形化し得るので、生産コストおよび生産効率の両面において良好なものである。また、本実施形態では、流動性を有する状態で容器に充填されることから、容器に設けられた型部分が複雑な形状に設けられていたとしても、その型の細部にまで十分に充填され、所望形状のグミキャンディを製造し得る。 【0035】 さらに、製造後のグミキャンディは、ペクチンの増粘効果により、高温時においても極端な軟化を防止でき、夏期の製品供給を可能にするものであり、これとともに、グミキャンディの形状が変形することを防止し得る。また、一般的な室温の環境下におけるグミキャンディの硬化状態が安定しているため、型として機能する容器からグミキャンディを離脱させることも容易となる。従って、消費者がグミキャンディを食する際に、消費者自らがグミキャンディを容易に離型させることができる。しかも、高温における軟化を抑制していることから、食する際に口の中では、適度な歯ごたえを与えることとなり、同時に、口の中で温度が上昇したグミキャンディは、徐々に軟化するため、舌触りの良い食感を与えることができるものである。 【実施例】 【0036】 上記実施形態におけるグミキャンディを製造するための組成について説明する。 【0037】 【表1】
【0038】 表1に示すとおり、本実施例では、ゼラチンに比較して僅かのペクチンが添加されるものである。すなわち、一般的な組成によるゼラチン溶液についてペクチンの増粘効果を発揮させるためには、0.25重量%以上のペクチンを含有させればよいが、ゼラチンの添加量を増加させる場合には、その添加量に応じてペクチンの添加量を増加させる必要がある。そこで、ペクチンの添加割合は、ゼラチンの添加量に対して1/28以上とすることが好ましい。このような添加割合とすることによって、本実施例の配合率において最も少量のゼラチン添加量である5重量%の場合、ペクチンの添加量を0.25重量%としても、その割合は1/20であるので上記条件を満たすものである。なお、0.25重量%以上のペクチンを添加することは何ら問題ないものである。 【0039】 さらに、ゼラチンの含有量を増加させた場合であっても、その割合が7重量%以下の範囲内であれば、ペクチン0.25重量%においてゼラチンの1/28以上となるため、少なくともペクチンを0.25重量%添加すればよいこととなる。しかし、ゼラチン添加量が7重量%を超える場合には、0.25重量%を超える量を添加し、そのゼラチンに対する割合を1/28以上とするのである。このようにペクチン添加量を調整することにより、ゼラチンにより固形化したグミキャンディに対してペクチンの増粘効果を発揮させることができるのである。 【0040】 そこで、本実施例に示す配合率の範囲内において、ペクチンの含有割合が1/28以上となるように、種々含有させたところ、上述のとおりゼラチンにより固形化したグミキャンディにペクチンの増粘効果を発揮させることができた。また、上記程度の含有比率であれば、ゼラチンを主としたグミキャンディの食感を損なうものではなかった。 【0041】 クエン酸ソーダの添加量については、後の工程で添加されるクエン酸に対して約1%以上(本実施例の配合率では0.67%以上)となるように、予め添加することで、グミキャンディの急激な硬化を抑制することができた。すなわち、後の工程におけるpH調整において、クエン酸を添加した際、そのpH値が3〜5となった場合、そのグミ原液が高温の状態において、極端に粘性が増加しまたは硬化することはなったのである。これにより、容器への充填工程における作業性が向上するものと判断することができる。 【0042】 本実施例による組成に基づいて現実にグミキャンディを製造し、固形化後のグミキャンディについて、周囲の温度を変化させつつ観察したところ、周囲温度が38°Cの環境下においては表面の軟化を確認したが、液状化するまでには至らなかった。さらに周囲温度を上昇させたところ、40°Cであっても液状化するに至るものではなかった。本実施例から判断すれば、夏期における流通や商品陳列時におけるグミキャンディの液状化は回避し得るものであることが確認された。 【0043】 なお、本実施例における配合率は、砂糖および水飴によって糖質を構成しているため、両者を単純に加算すると70重量%〜100重量%となってしまうが、これは、一方が最大の含有量の場合、他方は最大の含有量を選択するものではなく、糖質以外の組成物(ゼラチンや香料など)の含有量に応じて、糖質全体が71.25重量%〜93.73重量%の範囲内となる。しかも、前述のとおり、グミ原液の糖度をBrixで70°〜80°にするため、糖質全体における添加量が調整される。 【0044】 また、15.44重量%以下の香料などを添加しているが、これは、香料のほかに色素や濃縮果汁等を含むものであり、この添加量が増減した場合でも前述の硬化の状態を左右するものではないが、濃縮果汁に酸が含まれる場合は、クエン酸の含有量を減少させる場合がある。 【図面の簡単な説明】 【0045】 【図1】本発明のグミキャンディを充填する容器の説明図である。 【符号の説明】 【0046】 1 容器 2 グミキャンディ 3 蓋材 11 平面部 12 底面 13,14,15,16 型部分
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| 【出願人】 |
【識別番号】592006992 【氏名又は名称】杉本屋製菓株式会社 【住所又は居所】愛知県豊橋市鍵田町48番地
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| 【出願日】 |
平成16年5月17日(2004.5.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082773 【弁理士】 【氏名又は名称】柴田 肇
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| 【公開番号】 |
特開2005−323568(P2005−323568A) |
| 【公開日】 |
平成17年11月24日(2005.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願2004−146731(P2004−146731) |
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