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【発明の名称】 メレンゲ菓子およびその製造方法
【発明者】 【氏名】中江 貴司

【氏名】広幡 将之

【要約】 【課題】シャープな輪郭とユニークな形状を保ったメレンゲ菓子を製造する。

【解決手段】メレンゲ菓子において、連続起泡した同じ、又は異なる配合のメレンゲ生地を2個以上の独立したノズル開口より離して吐出して焼成することである程度の表面膜が出来上がってからメレンゲ同士を接合させ、シャープな輪郭とユニークな形状のメレンゲ菓子を製造する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続起泡したメレンゲ生地2個以上を焼成途中において結着して製造されたことを特徴とするメレンゲ菓子。
【請求項2】
連続起泡したメレンゲ生地が2個以上の独立したノズル開口より平行に離して吐出した後焼成途中において結着して、それぞれの接合部分から左右対称に半円状の曲線を持つことを特徴とする請求項1記載のメレンゲ菓子。
【請求項3】
連続起泡したメレンゲ生地が異なった配合の生地から成る、請求項1または請求項2記載のメレンゲ菓子。
【請求項4】
独立したノズル開口の径がΦ5〜10mmである、請求項1〜3のいずれかに記載のメレンゲ菓子。
【請求項5】
連続起泡したメレンゲ生地を2個以上の独立したノズル開口より、連続式オーブンのスチールベルト上で焼成時の膨張により互いに結着するように平行に離して吐出し、焼成することを特徴とするメレンゲ菓子の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、2個以上の連続起泡したメレンゲ生地を焼成の過程において生地の膨張を利用して結合させ、シャープな輪郭を保ちながらユニークな形状を有するメレンゲ菓子を製造する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にメレンゲは卵白、砂糖を主原料とし、卵白の起泡力を基としたきめ細かな泡のある生地とした後、必要に応じて色素、香料、呈味性素材等を加えて、手作業により絞り袋と口金を用いて所望の形状に成形したもののことである。そして、このようにして得られるメレンゲをオーブン等で乾燥あるいは焼成して製品における含水率を約5%以下としたものがメレンゲ菓子として食されている。
【0003】
メレンゲは焼成される時に気泡中の空気が膨張し、多泡質の口溶けの良い菓子となる。しかし、メレンゲは卵白に砂糖を加えて起泡させた単純なものであるため、その泡は物理的な衝撃に弱く、少しの圧力により壊れてしまう。そのようになったメレンゲは、その軽い食感と滑らかな口溶け感が失われ、メレンゲとしての価値が低下してしまう。
【0004】
そのためメレンゲ菓子を工業的に量産化する場合には、メレンゲの泡を壊さないように複雑な形状のノズル開口よりメレンゲ生地を吐出することができず、ノズル開口の形状としては丸形あるいは四角形など単純なものでしかなかった。
【0005】
また、たとえ焼成前に複雑な形状にメレンゲ生地を吐出できたとしても、メレンゲは焼成される時に気泡中の空気が膨張するため、焼成前のシャープな輪郭と複雑な形状をそのまま保持することは難しい。
【0006】
従って、これまでの工業的に量産化されたメレンゲ菓子の形状は単純な形状のものでしかなく、メレンゲ菓子の軽い食感とともに見た目にその形状のおもしろさを楽しめるようなものはなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
焼成前にメレンゲ生地をユニークな形状に成形しても、泡が崩壊することによって形が崩れること、また焼成過程において生地の膨張によってシャープな輪郭が失われ、できあがったメレンゲ菓子はユニークな形状が損なわれているという事実に鑑み、本発明においてはシャープな輪郭とユニークな形状を保ったメレンゲ菓子を製造することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、2個以上の連続起泡したメレンゲ生地を適当な間隔をおいて配し、焼成の過程において生地の膨張を利用して結合させ、シャープな輪郭を保ちながらユニークな形状を有するメレンゲ菓子を製造することにより、前記の目的を達するものである。具体例としては、2個以上の独立したノズル開口より連続して平行に離して吐出した後に結着させ、それぞれの接合部分から左右対称に半円状の曲線を有する複雑な形状のメレンゲ菓子が提示できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明では連続起泡した同じ、又は異なる配合のメレンゲ生地を2個以上の独立したノズル開口より連続して離して吐出して焼成すると、ある程度の表面膜が出来上がってからメレンゲ同士がくっつきあい、それぞれの接合部分から双方向にそれぞれシャープな輪郭を有したメレンゲ菓子が出来る。このように外観上、従来にない珍しいタイプのメレンゲ菓子を製造することが出来るという効果を有する。
【発明の実施の形態】
【0010】
以下に、本発明について詳述する。本項ではいかだ形状を有するメレンゲ菓子を具体例として提示するが、この例のみに限定されるものではない。
【0011】
まず、原料を混合し、同時に卵白を起泡させる。起泡は、卵白、小麦粉、砂糖、糖類等の原料をケーキミキサー、ホリゾンタルミキサー等によって予備混合する。予備混合は原料を均一にするためのものであって、混合時間、混合方法は特に問わない。
【0012】
次に連続起泡を行う。連続起泡のための装置は流動体の原料と空気、窒素等の気体の原料を連続して均一にするためのものであって、混合されるものであればその形式、種類、メーカーは特に問わない。例えばモンドミックス社のモンドミキサー、ベーカーパーキンス社の2軸エクストルーダー、一般に市販されている菓子パン製造用のミキサーに生地の連続供給装置を付加したもの等が考えられる。気泡の細かい比重0.1〜0.7のメレンゲ生地ができるよう起泡する。
【0013】
さらに連続起泡したメレンゲ生地を2個以上の独立したノズル開口より連続式オーブンのスチールベルト上に平行に離して吐出して焼成すると、ある程度の表面膜が出来上がってからメレンゲ同士がくっつきあい、それぞれの接合部分から左右対称に半円状の曲線を有するメレンゲ菓子が出来る。独立したノズル開口の径は円形であればその大きさは制限されないが、5〜10mm程度が好ましい。また、焼成方法、条件は定法であれば特に制限は無く、連続式ガスオーブン、連続式電気オーブンにて130〜250℃、5〜25分間が好適に用いられる。
【0014】
本発明のメレンゲ菓子は、焼成後に適当な長さにカットされるが、その寸法は制限されず、1個当たりの寸法が100〜150mm程度の一般に市販されている棒状焼菓子の長さのものでも良く、15〜30mm程度の一口サイズのものでも良い。視覚的にその左右対称の半円状の曲線が認識できる長さのものであれば、どんな寸法でも構わない。なお半円状とは円形を直径によって切り落とした形状のみをいうのではなく、直径以外の線分により弧を一部分切り落とした形状も含む。またその円形は正円に限定されるものではなく、楕円形であってもよい。
【0015】
また、独立したノズル開口より連続式オーブンのスチールベルト上に平行に離して吐出するメレンゲ生地の個数は、手に取って食する場合は、2〜4個程度が好ましいが、結着したメレンゲ菓子をその接合部分から割って食することも出来る事から、メレンゲ生地の個数は任意に設定することが出来る。
【0016】
独立したノズル開口より連続式オーブンのスチールベルト上に平行に離して吐出するメレンゲ生地の種類については、フランス・メレンゲ、スイス・メレンゲ、イタリアン・メレンゲ等、生地の硬さの違うものがある。本発明のメレンゲ菓子は、焼成して結着したメレンゲ菓子であり、硬さの違いで最終のメレンゲ菓子の結着に影響を及ぼすことはなく、むしろ本発明のメレンゲ菓子の食感を楽しめ、最終形態も面白いものが出来る。また、独立したノズル開口より連続式オーブンのスチールベルト上に平行に離して吐出する個々のメレンゲ生地の味も変えることが出来る。例えば、一般に市販されている通常のメレンゲ菓子のプレーン生地、ココア味のココア生地、抹茶味の抹茶生地等である。これら、個々のメレンゲ生地の種類、味の組合せは、任意に選択することが出来、これにより食感、商品形態のバラエティー化が出来る。
【0017】
本発明のメレンゲ菓子は、連続起泡したメレンゲ生地を2個以上の独立したノズル開口より焼成時の膨張により互いに結着するように連続式オーブンのスチールベルト上で平行に離して吐出し、焼成することで得ることが出来る。焼成過程で膨張し、結合する位置に複数のメレンゲ生地を配して焼成することが効率的であるが、無論ある程度焼成したメレンゲ生地2個以上を焼成途中で移動させ接合させるなど、同様の効果を有する別の方法でおこなってもよい。
この方法によらず、途中で2個以上の独立したノズル開口よりメレンゲ生地を離すことによらないで、始めからくっつけた状態で焼成すると、へこんでいる部分が膨張によって体積を増し、シャープな輪郭は失われるため本発明のような接合部分から左右対称な半円状の曲線とはならず、形の崩れた楕円状の曲線に成ってしまう。
【0018】
また、最初から独立したノズル開口ではなく、左右対称に半円状に繋がった形状のノズル開口より連続起泡したメレンゲ生地を連続式オーブンのスチールベルト上に吐出し焼成すると、半円状のくぼみ部分のメレンゲ生地が膨脹し、焼成後では本発明のような左右対称な半円状の曲線とはならず、形の崩れたひとかたまりの曲線に成ってしまう。
【0019】
2個以上の独立したノズル開口より連続して吐出するメレンゲ生地の離す距離は、吐出するメレンゲ生地の種類、膨らみ方によって調整すれば良い。メレンゲの種類によって膨らみ方が違うため、膨らみ方が大きいメレンゲ生地の場合はやや離して吐出し、膨らみ方が小さいメレンゲ生地の場合はやや近づけて吐出すればよい。つまり、メレンゲ生地に熱がかかり、ある程度の表面膜が形成されてからメレンゲ同士がくっつきあう間隔に吐出することである。
【0020】
また、本発明のメレンゲ菓子は、片面または全面にミルクチョコレート、ビターチョコレート、ホワイトチョコレート等をコーティングしたり、ナッツなどの食品素材をトッピングしてデコレートすることも出来る。
【0021】
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。本発明は以下の実施例のみに限定されない。
【0022】
(実施例1)表1に示されている配合の原料を菓子パン製造用のケーキミキサー(関東混合機工業社製)にすべて投入し、5分間低速攪拌を行い予備混合して、メレンゲ生地を得た。予備混合の終了したメレンゲ生地をモンドミキサーミニコンパクト型(モンドミックス社製)に投入し、回転数500rpm、空気量を毎時40リットルの条件で連続起泡を行い、図1に示されているΦ8mmのノズルよりメレンゲ生地発泡体を連続式ガスオーブン(ベーカーパーキンス社製)のスチールベルト上に1mmの間隔を開けて吐出した。そして、140℃にて15分間で焼成した。焼成後のメレンゲの外観および形状を観察し、さらに焼成後の製品の食感および口溶けについて試食評価した。
【0023】
【表1】


【0024】
(実施例2)実施例1と同様の方法でメレンゲ生地発泡体を得た。そして、図2に示されているノズルよりメレンゲ生地発泡体を連続式ガスオーブン(ベーカーパーキンス社製)のスチールベルト上に吐出した。そして、140℃にて15分間で焼成した。焼成後のメレンゲの外観および形状を観察し、さらに焼成後の製品の食感および口溶けについて試食評価した。
【0025】
(実施例1および2の結果の比較)実施例1および2の結果を表2に示す。実施例1では、焼成後のメレンゲ形状は接合部分から左右対称にシャープな半円状になった。一方、実施例2では、焼成後のメレンゲ形状はひとかたまりになっていた。
【0026】
【表2】


【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明により、軽い食感に人気があるメレンゲ菓子にユニークな形状という魅力を新たにプラスすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】独立したノズル開口の模式図。
【図2】左右対称に半円状に繋がった形状のノズル開口の模式図。
【図3】本発明の実施例1に基づいて作成したメレンゲ菓子の垂直断面図。
【図4】実施例2に基づいて作成したメレンゲ菓子の垂直断面図。
【出願人】 【識別番号】000000228
【氏名又は名称】江崎グリコ株式会社
【出願日】 平成16年5月13日(2004.5.13)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−323531(P2005−323531A)
【公開日】 平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願番号】 特願2004−143881(P2004−143881)