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【発明の名称】 ホイップマシンの出口ノズル
【発明者】 【氏名】柳原 憲邦
【住所又は居所】東京都東大和市立野4−515 森永乳業株式会社装置開発研究所内

【要約】 【課題】ホイップマシンの洗浄、濯ぎ等の際に、その洗浄、濯ぎ等に使用する低粘度の溶液が出口ノズルから外側に飛び跳ねるのを確実に防止する。

【解決手段】ホイップマシンの出口ノズル1は、先端側に小径筒部(ノズル部)2bを有し、基端部側がホイップマシンの出口に連通される円筒状のノズル本体2と、ノズル本体2の外周に小径筒部2bの外周との間に環状の隙間4をあけて装着され、先端側が先窄まり部とされてその周囲に複数の切り込み3dを設けた円筒状のノズルキャップ3とを備え、ノズル本体2の小径筒部2bは、その軸穴2dの先端が閉鎖され、かつ軸穴2dを小径筒部2bの外周側に開通させる複数の貫通孔2eを有しており、また、ノズルキャップ3の切り込み3dの内端部の位置は、ノズル本体2の軸方向における貫通穴2eの位置より先方に5〜15mm寄った位置に設定されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端側にノズル部を有し、基端部側がホイップマシンの出口に連通される筒状のノズル本体と、該ノズル本体の外周に前記ノズル部の外周との間に環状の隙間をあけて装着され、先端側が先窄まり部とされてその周囲に複数の切り込みが設けられた筒状のノズルキャップとを備えたホイップマシンの出口ノズルにおいて、
前記ノズル本体のノズル部は、その軸穴の先端が閉鎖され、かつ軸穴をノズル部の外周側に開通させる複数の貫通孔を備えており、前記ノズルキャップの切り込みの内端の位置は、前記ノズル本体の軸方向における前記貫通穴の位置より先方に寄った位置に設定されていることを特徴とするホイップマシンの出口ノズル。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイップマシンからホイップクリーム等の気泡を含んだホイップ食品を排出する出口ノズルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のホイップマシンの出口ノズルとして、筒状部材の先端部を窄ませると共に、該先端部に造花のための切り込みを6〜8個設けて、この切り込みを通ったものと通らなかったものとで、出口ノズルから排出されたホイップクリーム等に山と谷が形成されるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】実用新案登録第2510976号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、前記ホイップマシンにおいては、ホイップクリーム等の製造終了後、ホイップクリーム等と比較して粘度が低い洗剤、濯ぎ用温水、冷却水等をホイップマシンを通して出口ノズルから排出して、洗浄、濯ぎ等の作業を行うが、その際に、前記従来の出口ノズルでは、前記低粘度の溶液が前記切り込みから外側へ多量に飛び跳ねて、装置本体および作業環境を前記溶液で著しく濡れた状態にし、それらの清掃、乾燥等の事後処理に手間がかかる問題があった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ホイップ食品の製造終了後ホイップマシンの洗浄、濯ぎ等の作業を行う際に、その洗浄、濯ぎ等に使用する低粘度の溶液が出口ノズルから外側に飛び跳ねるのを防止して、装置本体や作業環境が溶液で濡れた状態になるのを解消することができるホイップマシンの出口ノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るホイップマシンの出口ノズルは、先端側にノズル部を有し、基端部側がホイップマシンの出口に連通される筒状のノズル本体と、該ノズル本体の外周に前記ノズル部の外周との間に環状の隙間をあけて装着され、先端側が先窄まり部とされてその周囲に複数の切り込みが設けられた筒状のノズルキャップとを備えたホイップマシンの出口ノズルにおいて、前記ノズル本体の小径筒部は、その軸穴の先端が閉鎖され、かつ軸穴をノズル部の外周側に開通させる複数の貫通孔を備えており、前記ノズルキャップの切り込みの内端部の位置は、前記ノズル本体の軸方向における前記貫通孔の位置より先方に寄った位置に設定されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の請求項1に係るホイップマシンの出口ノズルによれば、ノズル部に設けた貫通孔の外側の開口部がノズルキャップの切り込みの無い筒状部で囲まれているので、ホイップ食品の製造終了後ホイップマシンの洗浄、濯ぎ等の作業を行う際に、その洗浄、濯ぎ等に使用する低粘度の溶液が出口ノズルから外側に飛び跳ねるのを確実に防止することができ、装置本体や作業環境が溶液で濡れた状態になるのを解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の一実施の形態に係るホイップマシンの出口ノズルを添付図面を参照して説明する。
図1において、1は本発明の一実施の形態に係るホイップマシンの出口ノズルを示す。この出口ノズル1は、筒状のノズル本体2と、該ノズル本体2の外周に装着した筒状のノズルキャップ3とを備えている。
前記ノズル本体2は、大径筒部2aの先端部に小径筒部(ノズル部)2bを有し、大径筒部2aの後端外周にフランジ2cを設けた円筒状部材で形成され、その軸穴2dの基端部が接続管4を介して後述のホイップマシンの出口に連通されるようになっている。前記ノズル本体2の小径筒部2bは、その軸穴2dの先端(図1で下端)が閉鎖され、かつ該閉鎖部に近接した位置において、軸穴2dを小径筒部2bの外周に直径方向に向けて開通させた4〜6個の貫通孔2eを備えている。
【0008】
前記ノズルキャップ3は、基端側を前記大径筒部2aの外周に嵌合させ、かつ基端を前記フランジ2cに当接させてノズル本体2に装着された円筒状部3aと、該円筒状部3aに一体に結合されて先端の開口部3bの側が先窄まりに形成された先窄まり部3cとを有する円筒状部材からなり、前記先窄まり部3cには平行なスリットからなる切り込み3dが、ノズルキャップ3の軸方向に沿い、かつその周方向に等間隔をあけて複数個(図示の例では6個)設けられている。そして、ノズルキャップ3の切り込み3dの内端部の位置は、前記ノズル本体2の軸方向における前記貫通孔2eの位置(貫通孔2eの外側の開口部における内面の最先位置)から、先方に5〜15mmの距離Lだけ寄った位置に設定されている。前記ノズル本体2の小径筒部2bの外周面と前記ノズルキャップ3の内周面との間には環状の隙間4があけられている。
【0009】
そして、前記実施の形態に係る出口ノズル1を装着して使用するホイップマシン5は、図3に示すように、円筒状の容器内に固定歯を組み合わせて設けたレジスタと呼ばれるホイップ装置6と、定量ポンプ7を有し液状のホイップ食品原料を前記ホイップ装置6に移送する移送配管8と、液状のホイップ食品原料を収容する原料タンク9と、前記移送配管8の上流端に継手10を介して着脱自在に接続されるホース11と、開閉バルブ12を有し前記移送配管8における前記定量ポンプ7の入口側に接続され、該移送配管8内に空気を導入する空気導入管13とを備えており、前記出口ノズル1が、そのノズル本体2の軸穴2dを排出管13を介して前記ホイップ装置6の出口に連通させるようにして、該ホイップ装置6に接続されている。
【0010】
前記ホイップマシン5においては、前記定量ポンプ7と前記ホイップ装置6を運転させると共に前記開閉バルブ12を開くと、前記原料タンク9内のクリーム等の液状のホイップ食品原料が、定量ポンプ7によってホース11を介して前記移送配管8に吸引され、空気導入管13から導入される空気を導入された後に、前記ホイップ装置6内に送られる。空気を導入されたホイップ原料は、前記ホイップ装置6内で泡立てられてホイップ食品として製造され、ホイップ装置6の出口から排出管13を経て前記出口ノズル1に入る。該出口ノズル1に入ったホイップ製品は、前記ノズル本体2の軸穴2dから貫通孔2eを通って小径筒部2bの外周部に吐出した後に環状の隙間4からノズルキャップ3の内周面に沿って開口部3b側へ移動しながら、ノズルキャップ3の切り込み3dと前記開口部3bから外部へ吐出される。その際に、ホイップ製品は、切り込み3dの部分を通ったものと通らなかったものとにより、明瞭な山と谷からなる模様が形成される。
【0011】
前記ホイップ製品の製造が終了した時には、図4に実線で示すように、洗剤用タンク14を前記出口ノズル1の下に置いて、前記ホース11の吸入口を洗剤用タンク14内の洗剤中に差し入れた後に、前記開閉バルブ12を閉じて、前記定量ポンプ7とホイップ装置6を運転させる。これにより、前記洗剤用タンク14内の洗剤が、前記ホース11,移送配管8、定量ポンプ7、ホイップ装置6、排出管13を通って、それらの管内、機器内に残留、付着しているホイップ食品原料、ホイップ製品を排出、洗浄して、前記出口ノズル1から洗剤タンク14内に回収され、回収された洗剤は循環使用される。このようにして前記管内、機器内の洗浄作業を行った後は、図4に破線で示すように、前記ホース11の吸入口をタンク16に収容された濯ぎ用温水中に差し入れた後、前記と同様にして前記濯ぎ用温水を前記管内、機器内に流して、該管内、機器内に付着している洗剤を濯ぎ落して清浄にし、続いて、前記管内、機器内に濯ぎ用温水に代えて冷却水を流し、濯ぎ用温水によって昇温した前記管、機器を冷却する。なお、前記管内、機器内に流された後に前記出口ノズル1から吐出する濯ぎ用温水、冷却水は、適宜容器16に回収する。
【0012】
前記洗浄作業と濯ぎ作業の時には、前記管内、機器内を流れた洗剤、濯ぎ用温水、冷却水等の低粘度の溶液が前記出口ノズル1から吐出される。その際に、前記溶液はノズル本体2の小径筒部2bの貫通孔2eから勢いよく外周側へ噴出するが、前記ノズルキャップ3の切り込み3dの内端の位置が、前記ノズル本体2の軸方向における前記貫通穴2eの位置より先方に5〜15mmの距離Lだけ寄った位置に設定されているので、前記貫通孔2eから噴出した溶液は、前記ノズルキャップ3の切り込み3dの無い円筒状部3aの内周面に当たって勢いを減じられた後、該内周面に沿って先方(下方)に案内されてノズルキャップ3の先端(下端)の開口部3bや切り込み3dから先方へ向けて吐出され、切り込み3dから横に飛び跳ねることがない。前記距離Lが5mmより短いと、前記ノズル本体2の貫通孔2eから噴出した溶液が切り込み3dから外側に飛び出して周辺に飛散するおそれがあり、また、前記距離Lが15mmより長い場合は、前記溶液の飛散のおそれは全くないが、後述のようにホイップ製品の出口ノズル1からの垂れ落ちの問題がある。
【0013】
前記のように、実施の形態に係るホイップマシンの出口ノズル1は、先端側に小径筒部(ノズル部)2bを有し、基端部側がホイップマシン5のホイップ装置6の出口に連通される円筒状のノズル本体2と、該ノズル本体2の外周に前記小径筒部2bの外周との間に環状の隙間4をあけて円筒状部3aが装着され、該円筒状部3aの先端に、先端側が窄ませられて周囲に複数の切り込み3dを設けた先窄まり部3cが結合されてなる筒状のノズルキャップ3とを備え、前記ノズル本体2の小径筒部2bが、その軸穴2dの先端を閉鎖され、かつ軸穴2dを小径筒部2bの外周側に開通させる複数の貫通孔2eを有しており、前記ノズルキャップ3の切り込みの内端の位置が、前記ノズル本体2の軸方向における前記貫通穴2eの位置より先方に5〜15mmの距離Lだけ寄った位置に設定されている構成とされている。
【0014】
したがって、実施の形態に係るホイップマシンの出口ノズル1によれば、小径筒部(ノズル部)2dに設けた貫通孔2eの外側の開口部がノズルキャップ3の切り込み3dの無い円筒状部3aで囲まれているので、前記ホイップマシン5によるホイップ製品の製造終了後に、該ホイップマシン5を構成している機器や管の内部に洗剤、濯ぎ用温水や冷却水等の溶液を流して、洗浄作業と濯ぎ作業を行う際に、前記出口ノズル1から吐出される溶液は、前記ノズル本体2の先端の小径筒部で貫通孔2eの前記開口部から外周側に噴出した後、ノズルキャップ3の円筒状部3aの内周面に当たって先方へし向けられるため、ノズルキャップ3の切り込み3dから外側に飛び跳ねるのを確実に防止することができ、ホイップマシン5の装置本体や作業環境が溶液で濡れた状態になるのを解消することができる。
【0015】
なお、前記実施の形態に係るホイップマシンの出口ノズル1によれば、ホイップ製品を製造する際にも、前記ノズルキャップ3の切り込み3dの内端の位置を、前記ノズル本体2の先端部の貫通孔2eの位置から所定の距離(5〜15mm)だけ先方に寄った位置に設定したことにより、出口ノズル1から排出されるホイップクリーム等のホイップ製品は、その太さがより均一になり、安定して排出されるため、ホイップ製品に不必要なストレスがかからず、形がくずれることが少なくなって、ノズルキャップ3の切り込み3dによって形成される山、谷がシャープとなり、美麗な模様に仕上げることができる。前記貫通孔2eの位置からノズルキャップ3の切り込み3dの内端の位置までの距離Lが5mmより短いと、前記ホイップ製品を美麗な模様に仕上げることができず、また、15mmより長いと、装置を停止したときに出口ノズル1からホイップ製品の垂れ落ちが発生する頻度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態におけるホイップマシンの出口ノズルを示す縦断面図である。
【図2】図1のイ矢視図である。
【図3】本発明の一実施の形態における出口ノズルを装着したホイップマシンを示す系統図である。
【図4】同じくホイップマシンの洗浄等の作業時の状態を示す系統図である。
【符号の説明】
【0017】
1 出口ノズル
2 ノズル本体
2a 大径筒部
2b 小径筒部(ノズル部)
2d 軸穴
2e 貫通孔
3 ノズルキャップ
3a 円筒状部
3c 先窄まり部
3d 切り込み
4 隙間
5 ホイップマシン
6 ホイップ装置
13 排出管

【出願人】 【識別番号】000006127
【氏名又は名称】森永乳業株式会社
【住所又は居所】東京都港区芝5丁目33番1号
【出願日】 平成16年4月21日(2004.4.21)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男

【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆

【識別番号】100101465
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 正和

【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義

【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉

【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦

【公開番号】 特開2005−304374(P2005−304374A)
【公開日】 平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願番号】 特願2004−125653(P2004−125653)