| 【発明の名称】 |
カカオ破砕物、カカオ抽出物、カカオ飲料、並びにカカオ破砕物の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】小沢 耕介 【住所又は居所】埼玉県坂戸市千代田五丁目3番1号 明治製菓株式会社食料総合研究所内
【氏名】福山 貴康 【住所又は居所】埼玉県坂戸市千代田五丁目3番1号 明治製菓株式会社食料総合研究所内
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 カカオ豆を粗砕して外皮や胚芽を取り除きカカオニブを得る工程と、カカオニブにアルカリ処理を行なう工程と、アルカリ処理したカカオニブを焙焼する工程を含むカカオ破砕物の製造方法において、アルカリ処理又は焙焼時に、果汁、茶、コーヒーから選ばれた1種類以上を添加することを特徴とするカカオ破砕物の製造方法。 【請求項2】 請求項1に記載のカカオ破砕物の製造方法において、アルカリ処理又は焙焼時にさらに糖質および/又は有機酸を添加することを特徴とする製造方法。 【請求項3】 果汁が糖質、有機酸、フェノール化合物をすべて含むものである請求項1乃至2の何れか一項に記載のカカオ破砕物の製造方法。 【請求項4】 果汁がブドウ果汁、イチゴ果汁、リンゴ果汁、カシス果汁、アセロラ果汁、チェリー果汁、ブルーベリー果汁から選ばれる1種類以上である請求項3に記載のカカオ破砕物の製造方法。 【請求項5】 請求項1乃至4の何れか一項に記載の方法により得られたカカオ破砕物。 【請求項6】 目開き3.0mmの篩を通過し、目開き0.25mmの篩を通過しない請求項5記載のカカオ破砕物。 【請求項7】 請求項5乃至6の何れか一項に記載のカカオ破砕物から抽出して得られるカカオ抽出物。 【請求項8】 請求項7に記載のカカオ抽出物を乾燥することによって得られるカカオ抽出物。 【請求項9】 請求項7乃至8の何れか一項に記載のカカオ抽出物を使用したカカオ飲料。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、カカオ抽出物及びそれを使用したカカオ風味を有する飲料、並びに該カカオ抽出物を調製するためのカカオ破砕物及びその製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、カカオを原料とする飲料としては、ココア飲料が一般的である。ココア飲料はココアパウダー、砂糖、粉乳等をお湯又は牛乳に溶かして調製する。ココアパウダーは、カカオ豆から外皮や胚芽を取り除いたカカオニブにアルカリ処理を行ない、焙焼、磨砕して得られるカカオマスから搾油したものを粉砕し粉末化することで得られる。ココアパウダーは通常12〜24重量%程度の油分と4重量%程度の繊維質を含んでいる。 【0003】 このようなココアパウダーを使用するココア飲料は油分や繊維質を含んでいるため、溶けにくい、沈殿しやすいといった問題がある。また、ココアパウダーは非常に苦い物であるため、砂糖等の甘味料を使わないと飲用に適さないこともあり、コーヒーや紅茶ほど気軽に飲用されていない。この欠点を解消するため、カカオ破砕物もしくはココア粉末からお湯や水等で抽出したエキスを使用した飲料が提案されている。(特許文献1〜5) しかしながら、これらの方法ではカカオ豆の異味や雑味が出やすく、嗜好性が低いため、未だ十分な品質が得られているとは言い難い。 一方、カカオ製品の不快味を低減するために、酸素処理や酵素処理を行うカカオ処理方法が試みられている。(特許文献6〜7) 【特許文献1】特開昭49-75769号公報 【特許文献2】特開平2-182151号公報 【特許文献3】特開平4-51848号公報 【特許文献4】特開平11-243925号公報 【特許文献5】特開2003-174859号公報 【特許文献6】特開平03-15344号公報 【特許文献7】WO00/72694号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 本発明は従来のカカオの抽出エキスが持つ異味、雑味を改善し、風味の良好なカカオ抽出物及びそれを使用したカカオ風味を有する飲料、並びに該カカオ抽出物を調製するためのカカオ破砕物及びその製造方法を提供することを課題とした。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明者らは上記課題を解決するため詳細な製造方法の検討を行ったところ、従来のココアパウダーを製造する際のカカオニブのアルカリ処理工程もしくは焙焼工程で、果汁、茶、コーヒーから選ばれた1種類以上を添加することによってカカオ破砕物を製造し、該カカオ破砕物からお湯、水、牛乳等で抽出したエキスを使用することで、異味、雑味の低減された良好な風味のカカオ飲料を製造できることを見いだし、本発明を完成した。 【0006】 すなわち本発明の第1は、カカオ豆を粗砕して外皮や胚芽を取り除きカカオニブを得る工程と、カカオニブにアルカリ処理を行なう工程と、アルカリ処理したカカオニブを焙焼する工程を含むカカオ破砕物の製造方法において、アルカリ処理又は焙焼時に、果汁、茶、コーヒーから選ばれた1種類以上を添加することを特徴とするカカオ破砕物の製造方法である。 また、本発明の第2は上記製造方法により得られたカカオ破砕物である。 また、本発明の第3は上記カカオ破砕物から抽出して得られるカカオ抽出物である。 また、本発明の第4は上記カカオ抽出物を使用したカカオ飲料である。 【発明の効果】 【0007】 本発明により、従来のカカオの抽出エキスが持つ異味、雑味を低減し、風味の良好なカカオ抽出物及びそれを使用したカカオ風味を有する飲料を得ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 本発明で使用される果汁は、糖質、有機酸、フェノール化合物をすべて含有したものが良く、例としてブドウ果汁、イチゴ果汁、リンゴ果汁、カシス果汁、アセロラ果汁、チェリー果汁、ブルーベリー果汁、白桃果汁、黄桃果汁、パイナップル果汁、あんず果汁、洋なし果汁、和なし果汁及びその濃縮物があげられる。そして特に断わりのない限り、果汁は100%ストレート果汁とする。 【0009】 本発明に用いる茶は発酵の程度を問わず、緑茶、紅茶、ウーロン茶等さまざまな茶が使用可能であり、さらには茶葉そのものも使用できる。 【0010】 本発明に用いるコーヒーは、通常のものであれば豆の産地やロースト状態を問わずさまざまなコーヒーが使用可能であり、コーヒー豆そのものも使用できる。 【0011】 本発明において果汁を添加する場合は糖質、有機酸の添加は任意であるが、果汁は添加せず、茶またはコーヒーを添加する場合は糖質、有機酸を同時に添加するのが好ましい。糖質としては砂糖、ブドウ糖、麦芽糖、果糖、乳糖、トレハロースなどの単糖または2糖類に加え、オリゴ糖やソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、ラクチトール等の糖アルコールがあげられるが、中でも還元末端を持つものが好ましい。有機酸としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、酢酸、酒石酸、アスコルビン酸等があげられる。 【0012】 アルカリ処理時または焙焼時に添加される果汁、茶、コーヒーの量は、アルカリ処理前の生カカオニブ100重量部に対して、果汁が2〜50重量部、茶は茶葉もしくはその抽出物固形分として0.1〜25重量部、コーヒーはコーヒー豆もしくはその抽出物固形分として0.01〜10重量部が好ましい。これらの範囲より添加量が少ないと効果が低く、反対に多いと、添加された果汁、茶、コーヒーの風味が強くなりすぎてしまいカカオ自体が持つ風味を損なう。 【0013】 また、果汁、茶、コーヒーと同時に添加される糖質、有機酸の量は、果汁、茶、コーヒー由来の糖質および有機酸を含めて、生カカオニブ100重量部に対して糖質では0.01〜15重量部、有機酸では0.01〜5重量部が好ましい。これらの範囲より添加量が少ないと効果が低く、反対に多いと味のバランスがくずれてしまう。 【0014】 なお、果汁、茶、コーヒーを添加せず、糖質や有機酸だけを1種以上添加した場合でも風味の向上はみられるが、果汁、茶、コーヒーを添加した時よりも劣り、十分な品質向上は認められない。 【0015】 本発明のカカオ破砕物を製造するには、まずカカオ豆を粗砕、剥皮したカカオニブにアルカリ処理を行う。カカオ豆は産地にて乾燥されたものをいう。アルカリ処理はカカオニブ、水、アルカリ剤の他、必要に応じて果汁、茶、コーヒー、糖質、有機酸を適宜混合し、100℃付近にて約1時間行うが、その処理条件は適宜決定されてよい。アルカリ剤としては炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム等を用いることができる。 アルカリ処理されたカカオニブのpHは好ましくはpH6.0〜9.0、より好ましくはpH7.0〜8.5がよい。pH6.0未満ではカカオ抽出物に酸味が感じられ、抽出される可溶性成分も少ないので充分カカオの味が出ず不適である。また、pH9.0を越えてはアルカリ独特の苦味やアルカリ臭が出てしまう。なお、カカオニブのpHはカカオニブを磨砕し、純水にて10重量%濃度に希釈して測定した。 【0016】 次にカカオニブの焙焼を行う。通常カカオニブの焙焼は、カカオニブに熱風をあてたり、転動するカカオニブに熱せられた壁面から熱を伝達することによって行われる。焙焼は必要に応じて果汁、茶、コーヒー、糖質、有機酸を適宜混合して行う。焙焼温度は、好ましくは120〜180℃、より好ましくは145〜165℃がよい。120℃未満ではカカオの生焼けした風味が残り、180℃を越えては焦げが発生するので好ましくない。 【0017】 こうして得られたカカオ破砕物からの抽出においては、直接抽出するか、該カカオ破砕物を細粒化したものから抽出するかは、抽出効率、抽出時の目詰まり等を考慮して適宜決定されるが、家庭等でカカオ破砕物からお湯、水、牛乳等を用いて抽出してカカオ飲料を作る場合は、コーヒーフィルターを使用するか、もしくはティーバッグの形態にて抽出することが考えられ、目詰まりや抽出効率を勘案して、カカオ破砕物を好ましくは0.25〜3.0mm、より好ましくは0.3〜1.7mmに整粒するとよい。なお、カカオ破砕物の整粒は篩を用いて行い、本明細書では、例えば目開き3.0mmの篩を通過し、目開き0.25mmの篩を通過しないカカオ破砕物のサイズを0.25〜3.0mmと記している。 【0018】 該カカオ抽出物はそのまま、あるいは水、牛乳、果汁、酒類等と混合して飲用してもよい。また、スプレードライ、凍結乾燥等により乾燥してもよい。また該乾燥カカオ抽出物は、水、牛乳、果汁、酒類等に溶解して飲料としても良いし、菓子や食品に混合してカカオの味付け原料として使用してもよい。そしてカカオ抽出物を使用する場合は、必要に応じて砂糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖、トレハロース等の糖類、エリスリトール、ラクチトール、マルチトール、キシリトール、ソルビトール等の糖アルコール、全粉乳、脱脂粉乳、練乳、ホエー、生クリーム、ホイップクリーム等の乳製品、日本酒、焼酎、泡盛、老酒、ビール、ウイスキー、ブランデー、ワイン、ジン、テキーラ、ウオッカ、ラム、リキュール類等の酒、ライム果汁、レモン果汁、イチゴ果汁、リンゴ果汁、オレンジ果汁、カシス果汁、アセロラ果汁、チェリー果汁、ブルーベリー果汁等の果汁を加えても構わない。 以下に実施例を示して、本発明を更に詳細に説明するが、これらは例示であって本発明を限定するものではない。 【実施例1】 【0019】 生カカオニブ100重量部に20重量部の水、15重量部のブドウ果汁、4.2重量部の炭酸カリウムを添加、混合し100℃で60分反応させた。得られたカカオニブのpHは8.0であった。得られたカカオニブを200℃設定の熱風ロースターにて焙焼し、カカオニブの温度が160℃になったところで焙焼を終了しカカオ破砕物を得た。 【実施例2】 【0020】 生カカオニブ100重量部に20重量部の水、4.1重量部の炭酸カリウムを添加、混合し100℃で60分反応させた。得られたカカオニブのpHは8.0であった。反応後のカカオニブに15重量部のブドウ果汁を添加、混合して、200℃設定の熱風ロースターにて焙焼し、カカオニブの温度が160℃になったところで焙焼を終了し、カカオ破砕物を得た。 【実施例3】 【0021】 生カカオニブ100重量部に20重量部の水、4.1重量部の炭酸カリウムを添加、混合し100℃で60分反応させた。得られたカカオニブのpHは8.0であった。反応後のカカオニブに3重量部の5倍濃縮リンゴ果汁を添加、混合して、200℃設定の熱風ロースターにて焙焼し、カカオニブの温度が155℃になったところで焙焼を終了しカカオ破砕物を得た。 【実施例4】 【0022】 生カカオニブ100重量部に20重量部の水、4.5重量部の炭酸カリウムを添加、混合し110℃で50分反応させた。得られたカカオニブのpHは8.4であった。反応後のカカオニブに10重量部のカシス果汁を添加、混合して、回転ドラム式直火コーヒーロースターにて1分間に約2℃の昇温スピードで焙焼し、カカオニブの温度が135℃になったところで焙焼を終了しカカオ破砕物を得た。 【実施例5】 【0023】 生カカオニブ100重量部に30重量部の水、4.5重量部の炭酸カリウムを添加、混合し110℃で50分反応させた。得られたカカオニブのpHは8.4であった。反応後のカカオニブに30重量部のアセロラ果汁を添加、混合して、回転ドラム式直火コーヒーロースターにて1分間に約2.5℃の昇温スピードで焙焼し、カカオニブの温度が150℃になったところで焙焼を終了しカカオ破砕物を得た。 【実施例6】 【0024】 生カカオニブ100重量部に20重量部の水、8重量部のブルーベリー果汁、0.1重量部のブドウ糖、0.1重量部のリンゴ酸、4.2重量部の炭酸カリウムを添加、混合し100℃で60分反応させた。得られたカカオニブのpHは8.0であった。得られたカカオニブを200℃設定の熱風ロースターにて焙焼し、カカオニブの温度が160℃になったところで焙焼を終了しカカオ破砕物を得た。 【実施例7】 【0025】 生カカオニブ100重量部に40重量部の水、5.1重量部の炭酸カリウムを添加、混合し100℃で60分反応させた。得られたカカオニブのpHは8.8であった。反応後のカカオニブに20重量部のチェリー果汁、0.05重量部のリンゴ酸を添加、混合して、200℃設定の熱風ロースターにて焙焼し、カカオニブの温度が145℃になったところで焙焼を終了しカカオ破砕物を得た。 【実施例8】 【0026】 生カカオニブ100重量部に20重量部の水、5.5重量部の炭酸カリウムを添加、混合し100℃で60分反応させた。得られたカカオニブのpHは9.0であった。反応後のカカオニブに3重量部のイチゴ果汁、3重量部の麦芽糖を添加、混合して、200℃設定の熱風ロースターにて焙焼し、カカオニブの温度が150℃になったところで焙焼を終了しカカオ破砕物を得た。 【実施例9】 【0027】 生カカオニブ100重量部に20重量部の水、1重量部のロースト済みコーヒー豆粉末、10重量部のブドウ糖、3重量部の乳糖、0.1重量部のクエン酸、2.4重量部の炭酸カリウムを添加、混合し100℃で60分反応させた。得られたカカオニブのpHは7.0であった。得られたカカオニブを200℃設定の熱風ロースターにて焙焼し、カカオニブの温度が165℃になったところで焙焼を終了しカカオ破砕物を得た。 【実施例10】 【0028】 生カカオニブ100重量部に30重量部の水、4.5重量部の炭酸カリウムを添加、混合し110℃で50分反応させた。得られたカカオニブのpHは8.4であった。反応後のカカオニブに2重量部の緑茶茶葉、5重量部のソルビトール、0.5重量部の酒石酸を添加、混合して、回転ドラム式直火コーヒーロースターにて1分間に約3℃の昇温スピードで焙焼し、カカオニブの温度が160℃になったところで焙焼を終了しカカオ破砕物を得た。 【実施例11】 【0029】 実施例1で得られたカカオ破砕物をロールミルにて細粒化し、目開きが0.25mm及び3.0mmの篩振盪機にて整粒を行った。整粒した0.25〜3.0mmのカカオ破砕物10重量部をコーヒーフィルターに入れ、それをコーヒードリップ容器にて80℃のお湯90重量部を注いでカカオ抽出物を得た。該カカオ抽出物は異味や雑味がほとんど感じられず、まろやかなカカオ風味であった。また、該カカオ抽出物87重量部に対して砂糖10重量部、オレンジ果汁3重量部を添加したカカオ飲料を作成した。該カカオ飲料はまろやかなカカオ風味とほのかな甘さ、オレンジ風味が複合した良好な風味を有していた。 【実施例12】 【0030】 実施例2で得られたカカオ破砕物をロールミルにて細粒化し、目開きが0.3mm及び1.7mmの篩振盪機にて整粒を行った。得られた0.3〜1.7mmのカカオ破砕物10重量部をコーヒーフィルターに入れ、それをコーヒードリップ容器にて70℃に温めた牛乳90重量部を注いでカカオ抽出物を得た。該カカオ抽出物は異味や雑味がほとんど感じられず、カカオとミルクの香りがまろやかな風味であった。該カカオ抽出物90重量部に対してブランデー10重量部を加えてカカオ飲料を作成した。該カカオ飲料はカカオとミルク、ブランデーの風味が複合した良好な風味を有していた。 【実施例13】 【0031】 実施例3で得られたカカオ破砕物をロールミルにて細粒化し、目開きが0.25mm及び3.0mmの篩振盪機にて整粒を行った。得られた0.25〜3.0mmのカカオ破砕物10重量部をコーヒーフィルターに入れ、それをコーヒードリップ容器にて90℃のお湯90重量部を注いでカカオ抽出物を得た。該カカオ抽出物をスプレードライして、粉末カカオ抽出物を得た。該粉末カカオ抽出物5重量部、砂糖7重量部、全粉乳5重量部を100重量部の牛乳に溶解してカカオ飲料を得た。該カカオ飲料は異味や雑味がほとんど感じられず、まろやかなカカオ風味であった。 【実施例14】 【0032】 実施例6で得られたカカオ破砕物をボールミルによって磨砕した後、油分が22重量%になるまで搾油し、ココアケーキを得た。該ココアケーキをピンミルによって微粉砕してココアパウダーを得た。 (比較例1) 【0033】 生カカオニブ100重量部に20重量部の水、4.1重量部の炭酸カリウムを添加、混合し100℃で60分反応させた。得られたカカオニブのpHは8.0であった。得られたカカオニブを200℃設定の熱風ロースターにて焙焼し、カカオニブの温度が150℃になったところで焙焼を終了しカカオ破砕物を得た。 (比較例2) 【0034】 生カカオニブ100重量部に20重量部の水、1重量部のブドウ果汁、4.1重量部の炭酸カリウムを添加、混合し100℃で60分反応させた。得られたカカオニブのpHは8.0であった。得られたカカオニブを200℃設定の熱風ロースターにて焙焼し、カカオニブの温度が160℃になったところで焙焼を終了しカカオ破砕物を得た。 (比較例3) 【0035】 生カカオニブ100重量部に10重量部の水、55重量部のブドウ果汁、4.4重量部の炭酸カリウムを添加、混合し100℃で60分反応させた。得られたカカオニブのpHは8.0であった。得られたカカオニブを200℃設定の熱風ロースターにて焙焼し、カカオニブの温度が160℃になったところで焙焼を終了しカカオ破砕物を得た。 (比較例4) 【0036】 生カカオニブ100重量部に20重量部の水、4.1重量部の炭酸カリウムを添加、混合し100℃で60分反応させた。得られたカカオニブのpHは8.0であった。反応後のカカオニブに6重量部の果糖、3重量部の砂糖、3重量部のブドウ糖、及び0.5重量部のリンゴ酸を添加、混合して、200℃設定の熱風ロースターにて焙焼し、カカオニブの温度が160℃になったところで焙焼を終了しカカオ破砕物を得た。 (比較例5) 【0037】 比較例1の方法により得られたカカオ破砕物をボールミルにより磨砕しカカオマスを得た。該カカオマス50kgに対して、1時間当たり1分の所要時間で各5Lの酸素ガスを吹き込み、混合攪拌機(オークスミキサー)によりカカオマス中の酸素ガス気泡の直径が0.2mm以下になるように混合しながら、密閉系で10時間にわたり処理した。該酸素処理カカオマスを加圧プレス機で搾油し、ピンミルにて粉末化して油分22重量%のココアパウダーを得た。 (比較例6) 【0038】 比較例1の方法により得られたカカオ破砕物をボールミルにより磨砕しカカオマスを得た。該カカオマス1kgに対して、ピリキュラリア・オリゼ(Pyricularia oryzae)由来のポリフェノールオキシダーゼ溶液5ml(0.753単位、シグマ社製)を添加し、45℃で2.5時間攪拌しながら作用させた。該酵素処理カカオマスを加圧プレス機で搾油し、ピンミルにて粉末化して油分22重量%のココアパウダーを得た。 試験例1 【0039】 実施例1〜10、比較例1〜4で得られたカカオ破砕物各10重量部をコーヒーフィルターに入れ、それぞれにコーヒードリップ容器にて80℃のお湯90重量部を注いでカカオ抽出物を得た。該カカオ抽出物を20名の専門パネルにて、以下の評価基準で風味及び異味、雑味の官能評価を行った。表1にその結果を記す。 【0040】 風味の評価 異味、雑味の評価 評価基準 評点 評価基準 評点 嫌な風味 1 強い異味や雑味がある 1 やや嫌な風味 2 かなり異味や雑味がある 2 どちらでもない 3 やや異味や雑味がある 3 やや好ましい風味 4 わずかに異味や雑味がある 4 好ましい風味 5 異味や雑味を感じない 5 【0041】 【表1】
実施例は比較例と比べて、風味と異味、雑味評価が高かった。比較例3では、異味、雑味はあまり感じられなかったが、味のバランスが崩れてしまったため、風味評価は低くなってしまったと考えられる。 試験例2 【0042】 実施例14、および比較例5、6で得られたココアパウダー各10重量部に対してそれぞれ80℃のお湯を100重量部添加し、5分間攪拌を行った。その後遠心分離で沈殿物を取り除きカカオ抽出物を得た。該カカオ抽出物を試験例1と同様の方法で、風味及び異味、雑味について官能評価した。表2にその結果を記す。 【0043】 【表2】
実施例14のカカオ抽出物は、酸素処理(比較例5)や酵素処理(比較例6)したものよりも風味が良く、異味、雑味が少なかった。 試験例3 【0044】 香気成分分析 実施例1、比較例1、比較例4で得られたカカオ破砕物2gをそれぞれバイアル瓶に入れ、40℃にて2分間、SPMEファイバー(100μmポリジメチルシロキサン;Polydimethylsiloxane)を用いてヘッドスペース部分の香気成分を抽出し、ガスクロマトグラフ質量分析計(ヒューレットパッカード社製)にて香気成分分析を行った。 分析条件を以下に示す。
使用ファイバー:灰色ファイバー(DVB/carboxen/PDMS) カラム :TC-WAX 60m×φ250μm×0.25μm(GLサイエンス社製) 移動相 :窒素 昇温条件 :40℃ 5分保持 → 昇温 3℃/分 → 220℃ 5分保持 注入口温度 :250℃ Aux温度 :250℃ 流量 :1.0ml/分
カカオ風味の重要な香気成分である2−メチルピラジン(2-methyl-pyrazine)、2,6−ジメチルピラジン(2,6-dimethyl-pyrazine)、2−エチル−5−メチルピラジン(2-ethyl-5-methyl-pyrazine)のフレーバーチャートの積算値を表3に示す。 【0045】 【表3】
実施例は比較例に比べて、カカオ風味の重要な香気成分が多かった。 【産業上の利用可能性】 【0046】 本発明により、カカオを使用した、異味、雑味が少ない飲料を提供することが可能となり、コーヒーや紅茶のように気軽にカカオを飲用できるようになるので、カカオ飲料の飲用形態を広げ、ひいてはカカオ飲料の市場を広げることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006091 【氏名又は名称】明治製菓株式会社 【住所又は居所】東京都中央区京橋2丁目4番16号
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| 【出願日】 |
平成16年4月19日(2004.4.19) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−304332(P2005−304332A) |
| 【公開日】 |
平成17年11月4日(2005.11.4) |
| 【出願番号】 |
特願2004−123035(P2004−123035) |
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