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【発明の名称】 焼き菓子
【発明者】 【氏名】新保 康三

【要約】 【課題】伝統的な和風菓子の復権を計り、その消費量の回復を実現することが出来るような焼き菓子を提供する。

【解決手段】小麦粉、鶏卵、砂糖を主材料として焼き上げられた焼成体の、少なくとも2つに割られたその断面間に、カスタードクリームや生クリームなどから成るクリーム層が形成されており、このクリーム層に、イチゴなどの果物、またはトマトなどの野菜、またはホタテやキャビアなどの魚介、またはソーセージなどの肉加工品、等々の具材が存在している構造の焼き菓子とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小麦粉、鶏卵、砂糖を主材料として焼き上げられた焼成体の少なくとも2つに割られたその断面間に、カスタードクリームや生クリームなどから成るクリーム層が形成されており、このクリーム層にイチゴなどの果物、またはトマトなどの野菜、またはホタテやキャビアなどの魚介、またはソーセージなどの肉加工品、等々の具材が存在していることを特徴とする焼き菓子。
【請求項2】
前記断面間に更に別の具材が狭着されている請求項1に記載の焼き菓子。
【請求項3】
更に調味料を加えて成る請求項1に記載の焼き菓子。
【請求項4】
焼成体の形状が具象形状を呈する請求項1に記載の焼き菓子。
【請求項5】
具象形状がアザラシなどの海獣類を模したものである、請求項4に記載の焼き菓子。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、鯛焼きの皮や人形焼きや今川焼きなどのような主として和風の食感を有する焼成体の内部に、洋風感覚のクリーム及びイチゴなどの具材を挟持する、全く新しい焼き菓子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
和菓子の一般的な特徴として餡を多用することが上げられる。餡とはゆでた小豆・白小豆・白隠元・うずら豆・ささげなどに砂糖を混ぜて、更に煮て練ったものであり、漉し餡、粒餡、つぶし餡などがある。餡は菓子・餅などの中に包み、または塗り、汁粉などにしている。例えば鯛焼きは、鯛を型取った焼き型の中に主として水で練り砂糖で甘味を付けた小麦粉を流し込み、中に餡を入れて焼成した焼き菓子である。
【特許文献1】特開平11−137177
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで生活様式全般に於ける洋風化の拡大に伴ない、伝統的な和風の菓子が徐々にその支持を失いつつあるのが現状である。餡の入った和菓子などは、特に若い人達に好まれるものではなくなって来ていることは、売上高の大幅な減少と言う現実からも明らかである。鯛焼きなどの焼き菓子もこの例外ではない。一方で若い人達の支持を多く集めているものとして、エクレアやクレープやショートケーキなどの洋菓子を上げることが出来る。これらの洋菓子にはクリームが使用され、その具材としてイチゴなどのフルーツが多用されている。
【0004】
しかしながら、是非とも伝統的な和風菓子の復権を計り、その消費量の回復を実現したいものである。この発明は上述したような問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題の解決に向けて鋭意研究を重ねた結果、和風の菓子である鯛焼きの皮や人形焼きや今川焼きや大判焼きやカステラなどの焼成体のしっとりとした食感や味が捨てがたいものであると言う思いが益々強まって来た。また鯛焼きや人形焼きのような伝統的な形(デザイン)にも捨てがたいものがある。従って鯛焼きの皮のような焼成体を活かすべきであるとの結論を得たのである。
【0006】
上記の課題は、小麦粉、鶏卵、砂糖を主材料として焼き上げられた焼成体の、少なくとも2つに割られたその断面間に、カスタードクリームや生クリームなどから成るクリーム層が形成されており、このクリーム層に、イチゴやミカンなどの果物、またはトマトなどの野菜、またはホタテやキャビアなどの魚介、またはソーセージなどの肉加工品、等々の具材が存在している構造の焼き菓子とすることにより達成される。
【0007】
クリーム層にイチゴなどの具材が存在しているため、消費者はここから洋菓子としてのイメージと認識とを抱くことになり、皮(焼成体)の美味さやしっとり感に満足することになる。しかしながら実はこの皮は伝統的な鯛焼きの皮や人形焼きやカステラなどとほぼ同様の和風感のあるものであるため、消費者はここに和菓子の味わいを見出すこととなり、和洋相俟ってこれまでに味わったことのない不思議な食べ物であることに感動を覚える。なお鯛焼きのような皮の断面間を開けば外からクリーム層とイチゴなどの具材を見ることが出来る。すなわち外観は和風皮であり断面間は洋風具材である全く新しい菓子なのである。このような新規な菓子が注目されることで和菓子の復権を計ることが出来る。更にこれへの注目によって鯛焼きや人形焼きそのものの復権すら可能となり、若い人へも浸透するであろう。
【0008】
なお前記断面にさらに別の具材が狭着された構造のものとすることが出来る。例えばクリーム層に具材としてのイチゴを添えた場合では、さらに別のイチゴを前記割られた口から挿入するようにすると、このイチゴは内部に隠れている部位がクリーム層に接しており残りの部位は外に突出して現われた状態となる。このように構成すると、見栄えが豪華なものとなると共に、上述した断面間に洋風具材が存在することが外からも一瞥して了解されるようになると言う利点がある。従って消費者の興趣を惹くものとなる。
【0009】
また請求項1に記載の焼き菓子に付いて、更に調味料を加えて成るものとすることが出来る。例えば具材にトマトを用いた場合では調味料としてマヨネーズをトッピングするなどである。また例えばソーセージではレタスの葉をトッピングするなどである。こうして洋風具材の味を更に際立たせると共に、より美味しいものとすることが出来るのである。
【0010】
また請求項1に記載の焼き菓子に付いて、焼成体の形状が具象形状を呈するものとすることが出来る。例えば伝統的には鯛焼きの鯛形状や人形焼きの人形や、あるいは最近話題となったアゴヒゲアザラシの「タマちゃん」を模した形状とするなどが面白い。このように構成すると、上述した外観がより和風趣味のものとなるのである。
【発明の効果】
【0011】
この発明は上述したような構成・構造を持っているため、クリーム層とイチゴなどの具材から洋風の味わいを得ることが出来、また同時に皮から和風の味わいを得ることが出来る。従って伝統的な和風菓子を復権させることに成功し、消費量の回復が得られると言う効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
さて図1はこの発明の第1の実施形態を断面図にて表わしたものである。小麦粉、鶏卵、砂糖を主材料として水に練り、従来の鯛焼きの皮と同一に焼き上げられた焼成体1が刃物で中程まで切り込みを入れられて、上下の切断面10,10が形成されている。そしてこの切断面10,10間が開かれて内部に生クリーム層2が設けられ、このクリーム層2に具材としてのイチゴ3が1/2カットされて置かれて成る。
【0013】
この実施形態の焼き菓子を食すると、2つの異なる食感を得ることが出来る。すなわち内部の生クリーム層2とイチゴ3とから洋菓子の食感が得られ、外側の鯛焼きの皮風に焼き上げられた焼成体1からはしっとりとした和風の食感が得られ、これまでにない食感の不思議な食べ物であると言うことが出来る。
【0014】
次に図2は第2実施形態の外観を表わしたものである。焼成体1の外観形状をアゴヒゲアザラシを模したものとした。これは焼き型のデザインによるものである。材料等構成的には上述した第1実施形態に倣うものであるが、さらに上下の切断面10,10の開口部11に挟まれた状態のイチゴ4を備えている点に特徴を有するものである。このイチゴ4の開口部11より内側に隠れた部位は上述の生クリーム層2に接しており、残りの部位が開口部11から外側に突出したものとされている。なおイチゴ3は1/2カットされたものではなく、さらに細かくカットされたものや丸ごとで用いることが出来る。
【0015】
第2実施形態の焼き菓子は第1実施形態のものと比して、開口部11にイチゴ4が添設されている分豪華に見える。また内部の生クリーム層2とイチゴ3の味と相俟って口中にイチゴのフレッシュな味覚が広がる。なお外観形状のアゴヒゲアザラシは意匠として価値のある愉快な形状であり、当発明者はこの意匠の鯛焼き風の焼き菓子を販売して好評を得ている。
【0016】
次に図3はこの発明の第3の実施形態を断面図にて表わしたものである。焼成体5は小麦粉、鶏卵、砂糖を主材料として水に練り、鯛焼きの皮と同一に焼き上げられて成るものであり、片側の中央部分に窪み50が設けられている。そしてこのような焼成体5を2つ、前記窪み50が内側となるようにして合わせられ、この間に生クリーム層2が設けられて、このクリーム層2に具材としてのイチゴ3が1/2カットされて置かれて成る。このように2つの焼成体5,5を合わせて成るものとすることで、第1実施形態の焼成体1のように2つに割られたのと同じ状態を作り出しているのである。焼成体5の合わせ面は断面であると言うことが出来る。
【0017】
上述した第1および第2実施形態のように焼成体1が中程まで切り込みを入れられているのではなく、初めから2つの焼成体5,5であるものを合わせて成るため、外観が大きく異なる上、クリーム層2やイチゴ3などの具材のボリュームのより大きな構成のものを提供することが出来る。なお周縁部51からクリーム層2が僅かに出るような構成とすることも可能である。
【0018】
さて図4はこの発明の第4の実施形態を断面図にて表わしたものであり、このものは上述した第3の実施形態の2つの焼成体5,5の間の層の構成に係るものである。すなわち平板状に形成された鯛焼きの皮である2枚の積層体6の中間と外側とに蜂蜜クリーム層20が設けられており、この蜂蜜クリーム層20の中に小さく切ったイチゴ3を敷き詰めて成るものであり、これが2つの焼成体5,5の間に挿着されることになる。なお前記蜂蜜クリーム層20は生クリームに蜂蜜を混ぜて成るものである。
【0019】
このように積層体6を介在させることによって、上述のクリーム層である蜂蜜クリーム層20と具材であるイチゴ3とによる層構造を厚くして、なおかつ強度を保つことが出来るようになる。これは蜂蜜クリーム層20以外のクリーム層であっても同様である。
【産業上の利用可能性】
【0020】
なお焼成体の外観形状は任意であるから、焼成体を具象形状としたい場合にはラッコを模したものも興味深いであろう。また具材にチーズなどの乳製品を充てることが出来る。また各種の具材をミックスして使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】 第1実施形態の断面図である。
【図2】 第2実施形態の正面図である。
【図3】 第3実施形態の断面図である。
【図4】 第4実施形態の断面図である。
【符号の説明】
【0022】
1 焼成体
10 切断面
11 開口部
2 生クリーム層
20 蜂蜜クリーム層
3 イチゴ
4 イチゴ
5 焼成体
50 窪み
51 周縁部
6 積層体
【出願人】 【識別番号】503177764
【氏名又は名称】新保 康三
【出願日】 平成16年3月23日(2004.3.23)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−270075(P2005−270075A)
【公開日】 平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願番号】 特願2004−123520(P2004−123520)