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【発明の名称】 解凍時ゲル状となる冷菓
【発明者】 【氏名】安藤 典子
【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1−1−11三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内

【要約】 【課題】通常の冷菓の製造工程で製造でき、冷凍時には、冷菓特有の口溶けの良いなめらかな食感を有し、解凍しても、冷菓が溶融することなくゲル状となり、保形性を維持しつつ適度な柔らかさに解凍できる新規な冷菓で、冷凍時及び解凍時の2通りの喫食方法が楽しめる冷菓を提供する。

【解決手段】グルコマンナン0.1〜2重量%及びタマリンド種子多糖類0.01〜5重量%を含む。好ましくは、グルコマンナンがこんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品である。更には、エージング工程及び必要に応じてフリージング工程を経て製造する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グルコマンナン0.1〜2重量%及びタマリンド種子多糖類0.01〜5重量%を含む解凍時ゲル状となる冷菓。
【請求項2】
使用するグルコマンナンがこんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品である、請求項1に記載の解凍時ゲル状となる冷菓。
【請求項3】
エージング工程を経て製造する、請求項1又は2に記載の解凍時ゲル状となる冷菓の製造方法。
【請求項4】
更にフリージング工程を経て製造する、請求項3に記載の解凍時ゲル状となる冷菓の製造方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、通常の冷菓の製造工程で製造でき、冷凍時喫食できるのみならず、解凍しても、冷菓が溶融することなくゲル状となり、保形性を維持しつつ適度な柔らかさとなるため、冷凍時及び解凍時の2通りの喫食方法が楽しめる新規な冷菓に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷凍で食すれば従来の冷菓となり、解凍して冷蔵保存すれば従来のチルドデザートとなるような多用途のデザートの製造法が種々検討されている。例えば、ジェランガム又はジェランガムに、カラギナン、ペクチン、ゼラチン、ローカストビーンガム、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム等を併用した多用途デザートの製造法(特許文献1)や、通常チルド又は常温状態で摂食される菓子を冷凍させた冷菓として、起泡を生じさせた卵白を含有することを特徴とする冷菓(特許文献2)などもある。しかし、このようなデザートを製造する際、通常の冷菓の製造工程であり、10℃以下の低温で行うエージング、フリージング等の工程をとろうとするとミックスがゲル化してしまうため、冷菓の製造ラインで製造することが出来ない。また、通常のゼリーの製造工程を経て製造されたデザートを冷凍しても、冷菓独特の口溶けの良いなめらかな食感とならず、ゼリーっぽい食感となる。
【0003】
一方、ローカストビーンガムとタマリンド種子多糖類を併用した冷菓用安定剤がヒートショック耐性を向上させることも知られている(特許文献3)。しかし、特許文献3では、実験例にてヒートショック後、アイスクリームの融解率の測定を行っており、室温での冷菓の溶融試験を行っているところからすると、ヒートショック耐性は高いものの、解凍してしまうとゲル化することなく溶融する通常の冷菓が挙げられているのみである。
【0004】
また、ローカストビーンガムを0.5〜2重量%含有する、冷蔵時にはゲル化せず流動性があり、凍結後にゲル化することを特徴とする弾力のあるゲル様の食感を有する冷菓(特許文献4)がある。
【0005】
しかし、これらの方法では、通常の冷菓の製造工程で製造すると、製造時のミックスがエージングやフリージング時に極度に増粘・ゲル化することがあり、解凍時ゲル化する冷菓の更なる優れた製造方法が求められていた。
【0006】
【特許文献1】特開平1−257434号公報
【特許文献2】特開2000−354456号公報
【特許文献3】特開平8−107759号公報
【特許文献4】特開2003−333995号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、通常の冷菓の製造工程で製造でき、冷凍時では冷菓特有のなめらかな口溶けの良い食感を有し、常温に解凍した時、冷菓が溶融することなくゲル状となり、保形性を維持しつつ適度な柔らかさになる新規な冷菓を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、冷菓に含有させる安定剤に特に注目して鋭意研究を重ねていたところ、グルコマンナン、特に好ましくは、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品とタマリンド種子多糖類を含有し、冷菓ミックスへの添加量がグルコマンナン0.1〜2重量%、タマリンド種子多糖類0.01〜5重量%とすることにより、エージング工程及び必要に応じてフリージング工程を含む通常の冷菓の製造工程を経て製造することができ、冷凍時では冷菓特有のなめらかな口溶けの良い食感を有し、常温に解凍した時、冷菓が溶融することなくゲル状となり、保形性を維持しつつ適度な柔らかさになる新規な冷菓となることを見いだした。
【0009】
本発明は以下の態様を有する新規な冷菓に関する;
項1.グルコマンナン0.1〜2重量%及びタマリンド種子多糖類0.01〜5重量%を含む解凍時ゲル状となる冷菓。
項2.使用するグルコマンナンがこんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品である、項1に記載の解凍時ゲル状となる冷菓。
項3.エージング工程を経て製造する、項1又は2に記載の解凍時ゲル状となる冷菓の製造方法。
項4.更にフリージング工程を経て製造する、項3に記載の解凍時ゲル状となる冷菓の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、通常の冷菓の製造工程で製造でき、冷凍時喫食できるのみならず、解凍しても、冷菓が溶融することなくゲル状となり、保形性を維持しつつ適度な柔らかさとなるため、冷凍時及び解凍時の2通りの喫食方法が楽しめる新規な冷菓を提供できるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の解凍時ゲル状となる冷菓は、グルコマンナン0.1〜2重量%及びタマリンド種子多糖類0.01〜5重量%含有することを特徴とする。
【0012】
本発明で使用するグルコマンナンは、単に「マンナン」と略することもあるが、D−グルコースとD−マンノースから構成される多糖類の総称であり、グルコースとマンノースがβ−1,4結合した直鎖多糖のことを言う。自然界では、コンニャク芋や、広葉樹、イリス根茎、アロエ葉中に存在しており、本発明では、コンニャク芋から得られるグルコマンナンを使用するのが好ましい。冷菓ミックスに対するグルコマンナンの添加量としては、0.1〜4重量%、好ましくは、0.3〜2重量%、更に好ましくは、0.4〜1.6重量%である。
【0013】
中でも、本発明では、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品を使用するのが好ましい。
【0014】
本発明で使用する乾燥こんにゃく加工品は、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて複合組成物としたものであり、粒状、糸状、粉末状等の任意形状を有するように加工されたものである。本発明の乾燥こんにゃく加工品に用いるこんにゃく粉は、通常用いられているこんにゃく粉や、生こんにゃく芋の乾燥粉砕品等を使用することが出来る。糖質は、例えば、ショ糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水飴、粉末水飴、還元麦芽水飴、蜂蜜、トレハロース、トレハルロース、ネオトレハロース、パラチノース、D−キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコール類などを使用することが出来るが、好ましくは水飴である。澱粉は、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ等のトウモロコシ由来のでんぷん;タピオカでんぷん;サツマイモ由来のでんぷん、ジャガイモ由来のでんぷん、サゴヤシ由来のでんぷん等やそれらの加工澱粉を適宜選択して用いることができる。
【0015】
乾燥こんにゃく加工品の加工方法は、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて複合物として乾燥加工品とすることができ、水中で膨潤できるようなものに加工できればどのような製法を採ってもよい。好ましい製造方法として、コンニャク芋から常法にてグルコマンナンを抽出して乾燥し、澱粉と混合し、水を添加して膨潤し、少量のアルカリを添加することによる脱アセチル化処理を行った後、成型、加熱ゲル化、中和、糖質溶液浸漬、乾燥することで製造する例を挙げることができる。更には、特許第2866609号或いは特許第3159104号に記載の方法で製造することができる。
【0016】
また、乾燥こんにゃく加工品中のこんにゃく粉、糖質及び澱粉の組成も、特に制限されないが、乾燥こんにゃく加工品中、こんにゃく粉5〜30重量%、水飴30〜90重量%、澱粉5〜30重量%の範囲となるように、任意に調整することができる。
【0017】
なお、乾燥こんにゃく加工品は、粉末状、粒状、糸こんにゃくのような糸状といった任意の形態をとることができるが、好ましくは、粉末状態のものである。粉末の度合いとしては、50メッシュ篩過のものがよく、好ましくは、80メッシュ篩過、更に好ましくは、120メッシュ篩過である。このような製剤は、商業上入手することができ、例えば、アイレス株式会社製の乾燥こんにゃくや、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のサンスマート[商標]400等のサンスマートシリーズを挙げることができる。
【0018】
なお、グルコマンナンとして、かかる乾燥こんにゃく加工品を使用した場合の冷菓に対する添加量は、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のサンスマート[商標]400を使用した場合、1〜20重量%、好ましくは3〜10重量%、更に好ましくは4〜8重量%である。なお、当該乾燥こんにゃく加工品の添加量が1重量%を下回ると、解凍した時のゲル形成が弱くなり、20重量%を超えると、冷凍前の冷菓原料のミックス状態での流動性が悪くなり、更には、解凍時のゲルも脆くなることがあるからである。
【0019】
更に、本発明の冷菓には、前記グルコマンナンに加えて、タマリンド種子多糖類を併用する。タマリンド種子多糖類は、タマリンド種子を浸漬、粉砕、種子胚乳部分より抽出分離して製造される水溶性の多糖類である。タマリンド種子多糖類の添加量として、冷菓原料に対して、0.01〜5重量%、好ましくは、0.1〜1重量%である。
【0020】
本発明の冷菓は、冷凍時では冷菓特有のなめらかな口溶けの良い食感を有し、解凍した時、冷菓が溶融することなくゲル状となり、保形性を維持しつつ適度な柔らかさになる冷菓であり、冷凍時及び解凍時に2通りの喫食方法を楽しめる冷菓である。更には、エージングやフリージング時冷菓ミックスが増粘することがなく製造することが出来る。
【0021】
本発明では、冷菓ミックスに前述のグルコマンナン及びタマリンド種子多糖類を一定量配合するが、本発明の効果に悪影響を与えない限度において、他の冷菓用安定剤、例えば、グァーガム、カラギナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、タラガム、カラヤガム、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、アラビアガム、マクロホモプシスガム等のガム質、カラギナン、寒天、ゼラチン、ペクチン、グルコマンナン、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、サイリウムシードガム、カードラン、プルラン、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)ナトリウム等のセルロース誘導体、微結晶セルロース、大豆多糖類、加工・化工でん粉、未加工・未化工でん粉(生でん粉)等などの冷菓用安定剤を併用して用いてもよい。
【0022】
本発明の冷菓は、前述の通り、グルコマンナン及びタマリンド種子多糖類を一定量配合するが、冷菓の通常の製造工程に含まれるエージング工程及びフリージング工程を経て製造することができる。エージング工程とは、10℃以下、好ましくは1〜5℃程度の低温で一定時間、例えば、1〜24時間、好ましくは3〜12時間程度保持する工程を言う。これら低温でも製造時の冷菓ミックスが極度に増粘したりゲル化したりすることなく製造することが出来る。
【0023】
更に、冷菓の製造工程において、高速攪拌しながら−2〜−8℃に急冷する事で冷菓ミックスに空気を取り込む(オーバーランを出す)フリージング工程を採る場合がある。フリージング工程は低温で行うため、冷菓ミックスが極度に増粘したりゲル化したりすると製造できない。本発明では、このような低温でも冷菓ミックスが極度に増粘したり、ゲル化したりしないため好ましい。更には、フリージングを行うことにより、解凍時のゲル強度を高くすることが出来る。フリージングの程度としては、オーバーラン0〜40%、特に好ましくは、5〜15%になるようフリージングを行うことが好ましい。
【0024】
本発明の冷菓の製造方法として、例えば、前述のグルコマンナン及びタマリンド種子多糖類、水、油脂、甘味料、タンパク質、更に必要により乳化剤、その他の安定剤、香料、色素などの原料を混合し、ホモミキサーなどで予備乳化し、次いで均質化(乳化)を行い、殺菌し、その後前記エージング工程を行い、更に得られた乳化物を必要に応じて前記フリージング工程を経て製造することが出来る。充填容器は特に限定はされず、通常の冷菓用のカップ容器やスタンディングパウチ等を挙げることができる。なお、殺菌も常法により行うことができ、例えば、68℃30分以上の条件や、HTST殺菌やUHT殺菌等、通常行われる殺菌工程にて行う。
【0025】
本発明の冷菓は、目的とする製品により、種々の構成をとることができ、例えば、アイスクリーム類(アイスクリーム、ラクトアイス、アイスミルク);ソフトクリーム;アイスケーキ、クラッカーサンドアイス、不凍アイスケーキ、コーン入りアイス、カップ入りアイス、アイスもなか;シャーベット;アイスキャンデー、みぞれ等のウォーターアイス(氷菓);フローズンヨーグルト、シェイク等があげられる。
【0026】
また、本発明の冷菓を使用してコーティングを行うことが出来る。別途調製した冷菓に本発明の冷菓を使用してコーティングを行っても良く、また、果物などのコーティングに使用してもよい。例えば、果物にコーティングして、冷凍時は凍結コーティング果実として、また、解凍時はゼリーコーティングされた果実として喫食可能なフルーツコーティングができる。通常のゲル化剤溶液でコーティングを行うと、コーティング液が乾くまでに液の重さで液が下の方に移動し、均一にコーティングされない、また、コーティング温度を20〜70℃と高くする必要があるため、センターの冷菓が溶融したり、温度管理が難しくなるといった問題があった。本発明ではエージングやフリージング時でも冷菓ミックスがゲル化しないため、コーティング温度も低く設定することが出来、しかも、均一にコーティングでき、コーティングの乾きも早いため、極めて良好にコーティングを行うことが出来る。
【0027】
得られた冷菓は、製造販売ルートでは冷凍流通され、冷凍状態でも喫食可能であり、当該冷菓を、一般家庭等において解凍するとゲル状となり、冷凍時及び解凍時の2通りの喫食方法が楽しめる。解凍方法としては、室温中や冷蔵庫中でも解凍してもよいが、電子レンジ等で加熱することにより解凍しても良い。本発明の冷菓は前記の解凍方法により解凍してもゲル状態或いはゾルゲル状態を維持しており、製造時オーバーランを高くして調製した冷菓は、ゲル状で、ムース様、クリーム様の食感となり、また、オーバーランが低くあるいはゼロに調製した冷菓は、ゼリー様、プリン様の食感となる。更には、解凍せずに食しても冷凍時では冷菓特有のなめらかな口溶けの良い食感を有しており、通常の冷菓の如く食することが出来る。
【0028】
なお、本発明の冷菓は、含まれる水溶性固形分を低く設定することができる。例えば、グルコマンナンを使用せず、タマリンド種子多糖類を単独で使用して当該冷菓を調製した場合、水溶性固形分を高く設定すると(例えば、40〜65重量%)解凍時ゲル化する冷菓を調製することが可能であるが、製造時ミックスが増粘しすぎて、エージングやフリージングなど、通常の冷菓の製造工程を採りづらくなるなどの問題があった。本発明では、前記のように水溶性固形分を高くすることなく、解凍時ゲル化する冷菓を調製することが可能である。水溶性固形分量としては、例えば、10〜40重量%、好ましくは15〜30重量%の範囲に設定できる。かかる可溶性固形分の成分としては、通常冷菓に使用される水溶性の固形分であれば特に制限はないが、通常の冷菓と同様の構成をとることができる。
【0029】
すなわち、本発明の前述の原料以外に、本発明の効果を奏する限り、水、油脂、タンパク質、甘味料、無脂乳固形分、香料、色素、乳化剤、酸化防止剤等より選択された添加材料を、所定の割合で混合させ溶融したものが用いることができる。
【0030】
油脂としては、植物油脂、バター、乳脂肪分、あるいはこれらの分別油脂、硬化油脂、エステル交換油脂等の中から一種又は二種以上を併用することができる。植物油脂の例としては、ヤシ油、パーム油、大豆油、菜種油、綿実油、コーン油、ひまわり油、オリーブ油、サフラワー油及びパーム核油等を挙げることができる。
【0031】
タンパク質としては、通常、牛乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、全脂加糖練乳、脱脂加糖練乳或いは生クリームなどの、水溶性の乳由来のタンパク質や卵由来のタンパク質を含む成分が好適に用いられる。
【0032】
甘味料としては、例えば、ショ糖、異性化糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水あめ、粉末水あめ、還元麦芽水あめ、蜂蜜、トレハロース、パラチノース、D−キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコール類;サッカリンナトリウム、サイクラメート及びその塩、アセサルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、ステビア抽出物に含まれるステビオサイドなどの高甘味度甘味料等を挙げることができる。
【0033】
乳化剤として、例えば、クエン酸あるいは乳酸等の有機酸モノグリセリド類、有機酸ジグリセリド類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、レシチン等などを挙げることができる。
【0034】
また、香料や色素は公知のアイスクリーム生地に添加されるものが選択されて用いられる。その他、カルシウム等のミネラル分やビタミン、カテキン、プロテイン類などの栄養強化に用いられるような食品素材や、果肉、ナッツ類、チョコレート、クルトン、パンなど冷菓の風味、食感にバラエティを持たせるために不溶性の固形分を適宜添加することができる。
【実施例】
【0035】
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、処方中、特に記載のない限り単位は重量部とし、文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標を示す。
【0036】
実施例1:アップル氷菓&ゼリー
下記処方のうち、香料を除く下記処方例の粉体原料を85℃まで加温し、殺菌した後、5℃まで冷却し、クエン酸及び香料を添加混合し、そのまま保温して12時間エージングを行った。その後、得られた冷菓原料ミックスに香料を添加し、オーバーラン15%に達するまでフリージング(取り出し温度−4℃)し、100ccのカップ容器に充填して、急速凍結(−35℃)することにより、アップル氷菓を調製した。
【0037】
処方 部
砂糖 18
乾燥こんにゃく加工品(サンスマート※400*注1)) 5
タマリンド種子多糖類(ビストップD−2032*注2))0.15
クエン酸(無水)F* 0.15
香料(アップルフレーバーNO.64625*) 0.1
水にて合計 100
【0038】
得られた氷菓は冷凍状態のままでもおいしく食することができた。また、電子レンジ(東芝電子レンジ ER−AS7(H))で500W1分間加熱した後食したが、食感もゼリー状の良好なアップルゼリーであった。
【0039】
比較例1として、上記処方のうち、乾燥こんにゃく加工品に代えて、粉末水飴5部を使用した以外は実施例と同様にして、氷菓を製造したが、電子レンジで解凍時、わずかにゲル化するものの、溶液状態に近くなり、喫食してみてもゼリー状の食感ではなかった。また、比較例2としてタマリンド種子多糖類を加えない以外は実施例と同様にして氷菓を製造したが、電子レンジで解凍すると氷菓が溶融して液状になった。
【0040】
実施例2:フルーツコーティング
色素を除く下記処方例の原料を80℃10分間加熱攪拌溶解した後、5℃まで冷却し、そのまま保温して12時間エージングを行った。その後色素及び香料を添加し、コーティング液を調製した。
氷菓コーティング液処方 部
砂糖 15
水あめ(75%含有) 15
クエン酸(無水)F* 0.1
乾燥こんにゃく加工品(サンスマート※400*注1))5
冷菓用安定剤(サンベスト※NN−436*注2)) 0.4
香料(バナナフレーバーNA―3509*) 0.1
色素(サンエロー※NO.2A*) 0.1
水にて合計 100とする
【0041】
得られたコーティング液を使用して、バナナの冷凍品を1〜5℃に調整したコーティング液に浸漬し、コーティングバナナ冷菓を調製した。
【0042】
得られたコーティングバナナ冷菓は、冷凍状態のまま食しても良いし、室温にて解凍時はゼリーコーティングされたバナナとして喫食可能であり、2通りの食べ方を楽しめるフルーツコーティングとなった。
【0043】
実施例3:バニララクトアイス
下記処方のうち、脱脂粉乳、砂糖、乾燥こんにゃく加工品、タマリンド種子多糖類含有製及び乳化剤の粉体混合物を、脱脂加糖練乳、精製ヤシ油、果糖ブドウ糖液糖及び水飴の入った容器に攪拌しながら加えた後、色素を少量の湯に溶かして加え、80℃で10分間攪拌溶解した。この溶液を重量補正後、14700kPa(150kgf/cm2)で均質化し、5℃に冷却してそのまま保温して12時間エージングを行った。エージング後、香料を添加しオーバーラン10%に達するまでフリージング(取り出し温度−4℃)してバニララクトアイスを調製した。得られたバニララクトアイスは凍結状態では口溶けの良いバニララクトアイスであり、また、室温(25℃)2時間放置した後に食したが、おいしいバニラムースとして食することが出来た。
【0044】
処方 部
脱脂加糖練乳 6.5
脱脂粉乳 5
精製ヤシ油 5
砂糖 6
果糖ブドウ糖液糖 4
水飴 6.25
乾燥こんにゃく加工品(サンスマート※400*注1))5
冷菓用安定剤(サンベスト※NN―436*注2)) 0.3
乳化剤(ホモゲン※DM*) 0.3
色素(カロチンベースNO.9400−S*) 0.05
香料(ワニラ フレーバー NO.93−I*) 0.1
水にて合計 100
【0045】
実施例4:洋梨アイスキャンデー
砂糖、乾燥こんにゃく加工品、タマリンド種子多糖類含有製剤及びキサンタンガムの粉体混合物を、果糖ブドウ糖液糖及び水飴の入った容器に添加し、80℃10分間加熱攪拌溶解した。この溶液を全量補正後、5℃に冷却し、そのまま保温して果汁、クエン酸及び香料を添加混合して、10時間エージングを行った。フリージング(取り出し温度−4℃)後、オーバーラン0%でフリージングを行い、氷管に充填し、硬化(−39℃で急速凍結)して、洋なしアイスキャンデーを調製した。このアイスキャンデーは、凍結状態では清涼感のあるアイスキャンデーであり、また、室温(25℃)2時間放置した後に食したが、おいしいゼリーバーとして食することが出来た。
【0046】
処方 部
砂糖 13
果糖ぶどう糖液糖 6
水飴 5
洋梨濃縮透明果汁((株)果香製) 2.5
クエン酸(無水)F* 0.15
乾燥こんにゃく加工品(サンスマート※400*注1))5
冷菓用安定剤(サンベスト※NN―436*注2)) 0.6
キサンタンガム(サンエース※NXG−S*) 0.05
色素(サンエロー※NO.2AU*) 0.01
香料(ペアー フレーバー NO.68722*) 0.15
水にて合計 100
【0047】
注1)乾燥こんにゃく加工品(サンスマート※400*):グルコマンナン10%含有
注2)冷菓用安定剤 サンベスト※NN−436*:タマリンド種子多糖類37.5%、微結晶セルロース41.5%、グァーガム14.5%、カラギナン6.5%含有
【出願人】 【識別番号】000175283
【氏名又は名称】三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1丁目1番11号
【出願日】 平成16年3月25日(2004.3.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−270029(P2005−270029A)
【公開日】 平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願番号】 特願2004−90302(P2004−90302)