| 【発明の名称】 |
年輪形の焼き菓子とその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】松嵜 善治郎 【住所又は居所】静岡県引佐郡三ケ日町三ケ日230番地 株式会社入河屋内
【氏名】御子柴 将人 【住所又は居所】静岡県引佐郡三ケ日町三ケ日230番地 株式会社入河屋内
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 澱粉質として粒径が2〜100ミクロンの範囲を中心に分布する米粉と、その米粉の量と重量割合で略等量に他の穀類、および任意の量の果実類をそれぞれ含み、これらを焼いて形成された薄い生地層の多数を円周方向へ積層して中心部に軸方向の透孔を設けた筒状に形成し、前記生地層の両端部外面に周面から前記透孔の開口端に至る外側に凸の大きな弧状の面取りを施してなる年輪形の焼き菓子。 【請求項2】 鶏卵を卵白と卵黄とに分け、卵黄と澱粉質の材料とを混練して生地半成品を作る工程と、卵白に砂糖を混ぜて加糖卵白を作る工程とを含み、それらの工程で作られた生地半成品へ加糖卵白を加えて混練する混練工程によって生地を作り、その生地を支持棒の周りに粘着させて外面を加熱する焼成工程で焼き、その焼成工程を繰り返すことによって、薄い生地層の多数を周方向へ積層する年輪形の焼き菓子の製造方法。 【請求項3】 鶏卵を卵白と卵黄とに分けた後、卵黄に米粉と略同量のコーンスターチとを混ぜてペースト状の生地半成品を作る工程と、卵白に砂糖を混ぜて泡立てた加糖卵白を作る工程とを設け、それらの工程で作られた生地半成品へ加糖卵白の略半量を加えて練る第1混練工程と、第1混練工程で得られた半成品に加糖卵白の残量を加えて比較的軟質の生地を作る第2混練工程を経て、得られた生地を支持棒の周りに粘着させ外面を加熱する焼成工程を従属させるとともに、前記焼成工程を繰り返すことによって、薄い生地層の多数を周方向へ積層する年輪形の焼き菓子の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、米粉に卵黄を加えて練りペースト状にした生地を、支持棒の周りに粘着させて火にあてて焼く工程を繰り返すことによって、薄い生地層の多数を同心に巻いて形成した年輪形の焼き菓子と、その製造方法に関するものであり、特に、その主な材料を従来の小麦粉に代えて米粉としたものに関する。 【背景技術】 【0002】 一般に、バウムクーヘンのように、小麦粉に鶏卵やバターを加えて作った生地を丸棒の回りに粘着させて焼く工程を繰り返して、薄く焼かれた生地を同芯状に形成させた焼き菓子を作る技術は慣用されている。そこでは生地を作る澱粉質材料として小麦粉が用いられ、これにベーキングパウダーやナッツの粉末を加えた上で、鶏卵やバター、砂糖などを加えて発泡させ、ソフトな食感やボリューム感のあるサクサクした焼き菓子が作られている(特許文献1)。 【0003】 他方、発明者は、このようにして作られた年輪形焼き菓子の粘りを増し、羊羹のようにねっとりとした食感を持ったものにしようとし、併せて、アレルギー性疾患の原因となり易い小麦粉を使用しない焼き菓子の製造を思い立った。そのため、年輪形の焼き菓子の一種であるバウムクーヘンに着眼し、その主材料である小麦粉に代えて米粉を用いるという着想を得た。 【0004】 しかし、米粉は小麦粉に比して吸水率が高く水分を含んだとき大きく膨張するので、小麦粉と同等の粒度の原料粉を用いると焼いた後にツブツブしたものが舌に残る、いわゆるツブツブ感が出て舌触りに難があった。また、食感として羊羹に似た硬さと水分とを保持する上からは、生地をよく練り上げるのがよいが、米粉の場合、水分を加えた状態で過度に練ると餅のような強い粘りが出て歯切れが悪くなり食感を損ねてしまうことになった。 【0005】 そこで、前記ツブツブ感を改善するため、使用する米粉の粒度を小麦粉の場合に比して数分の一の粒度に細かく砕いてみたが、今度は粉がフワフワになって鶏卵と交ざり難くなった。すなわち、混合の過程で米粉が飛散したり、生地の中に米粉が小さい塊となってそのまま残存する、いわゆる、ダマダマが出来るので、粒度を細かくすることにも限度があった。発明者はダマダマの出来る原因が新鮮な鶏卵の卵白は形が崩れにくいことに着眼して米粉と鶏卵を混ぜるとき、形が崩れ易く粉と混じり易い卵黄を分離して使用する着想を得た。 【特許文献1】特開2000−83590号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本願発明が解決しようとする課題は、小麦粉を主材料とする焼き菓子より、しっとり感のある焼き菓子を得るべく小麦粉に代えて米粉を用いる際に生じる不具合、すなわち、食後に舌に残るツブツブ感をなくすことであり、さらに、そのツブツブ感をなくすべく米粉の粒度を小さくするとき生じる米粉の飛散や、鶏卵と混合しにくくなる不具合を解決して、食感の優れた焼き菓子を安定に製造することである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 物の発明は、澱粉質として粒径が2〜100ミクロンの範囲を中心に分布する米粉と、その米粉の量と重量割合で略等量に他の穀類、および任意の量の果実類をそれぞれ含み、これらを焼いて形成された薄い生地層の多数を円周方向へ積層して中心部に軸方向の透孔を設けた筒状に形成し、前記生地層の両端部外面に周面から前記透孔の開口端に至る外側に凸の大きな弧状の面取りを施す点に主要な特徴がある。 【0008】 製法の発明として、鶏卵を卵白と卵黄とに分け、卵黄と澱粉質の材料とを混練して生地半成品を作る工程と、卵白に砂糖を混ぜて加糖卵白を作る工程とを含み、それらの工程で作られた生地半成品へ加糖卵白を加えて混練する混練工程によって生地を作り、その生地を支持棒の周りに粘着させて外面を加熱する焼成工程で焼き、その焼成工程を繰り返すことによって、薄い生地層の多数を同心に積層する点に主要な特徴がある。 【発明の効果】 【0009】 本発明に係る年輪形の焼き菓子は、外観形状が略円筒形で端部外面が円弧状に大きく面取りされており、一見したところが米俵形に似ていて米が原料となっていることがイメージされる。また、材料として米粉を使用したにも拘わらず、小麦粉の場合に比して細かく破砕して使用するので、ツブツブ感のない食味のすぐれた焼き菓子が得られる利点がある。 【0010】 また、焼き菓子の製造方法には、従来の焼き菓子の材料であった小麦粉に比して微細に粉砕した米粉を用いているにも拘わらず、米粉と鶏卵との混練に際して米粉が飛散して機械の周りを汚したり、混練の際にダマダマができたりする不具合が回避できる利点がある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 実施例は、食感を犠牲にすることなく米粉を用いて食味のすぐれた焼き菓子を作るという目的のため、鶏卵と米粉との濡れ性の悪さに起因する生産性の低下を、混練工程の改良により焼き菓子製造の生産性を損なうことなく実現したものである。 【実施例1】 【0012】 図面は本願発明の一実施例を示すもので、図1中、10は年輪形の焼き菓子である。焼き菓子10は外径が2〜100ミクロンの微細な米粉を、ベーキングパウダーのような他の澱粉質材料とともに、鶏卵やバターでドロドロに溶かし、丸棒からなる焼き軸の外面に付着させて焼き上げるものである。焼き菓子10は焼き上がった状態で、断面形状が厚さ2mm程度の略円形をした生地層の15層から20層が周方向へ積層されている。焼き菓子10の外観は軸芯の部分に比較的大径の透孔11を有する略円筒状をなし、その両端部は円筒形の外面から前記透孔の開口端に至る間が、外側に凸の大きな弧状の面取り12となっている。 【0013】 かくて、焼き菓子10に含まれる米粉が鶏卵中の水分を吸収し膨潤して軟化し、選別された特定の粒度の米粉を用いるため口にしたときツブツブした食感がなく食べ易い。また、あずき羊羹や黒糖羊羹のようなしっとりとした羊羹風の独特の食味を呈する。 【0014】 つぎに、上記焼き菓子10を製造する方法の例を説明する。まず、材料として図2で示すように、従来の焼き菓子に使用される小麦粉に代えて米粉が使用される。ツブツブ感がなく、羊羹のような独特の食味を得るため、米粉の量は重量比で材料全体の8〜12%が好ましく、この量より少なくなると粘りがなくなってパサツキ感が現れ、多くなると硬くなって乾燥した羊羹のようになる。なお、従来の焼き菓子における小麦粉も重量割合でいえば概ねこの範囲にある。 【0015】 図3は使用された米粉の粒度とその分布を示す。この図から明らかなように、使用された米粉の粒度は外径が1ミクロンから110ミクロンの範囲にあり、重量比で80%は4ミクロンから70ミクロンの範囲に集中していることが分かる。実験の結果、使用される米粉の粒度は2〜100ミクロンが好ましく、望ましくは重量比で70%がこの範囲に含まれるのがよい。粒度がこの下限を超えて細かくなると攪拌の際に一層飛散し易くなり、上限を超えて粗くなると焼き菓子10にツブツブ感が出て食感が低下する。 【0016】 図5、図6は上記焼き菓子10を製造するのに使用した焼き菓子機30を示す。図中、焼き菓子機30はフレーム31上へ回転自在に支持された横軸32によって4本の焼き軸33、33を支持している。横軸32には両端近傍に円板34、34が一体的に取り付けられ、その円板34、34には同軸に配された比較的短い2個一対の支持軸35、35が設けられている。36、36は前記支持軸35、35の内端に設けられた軸継ぎ手であり、前記焼き軸33、33を支持軸35と同軸に支持する。 【0017】 かくて、焼き軸33は横軸32の回転に伴って、その周囲を回転する。所定の位置において、支持軸35、35から取り外したり、取り付けたりすることができる。なお、焼き軸33を支持する支持軸35、35は、図示してない駆動手段によって、軸芯の周囲を所定の速度で自転し、焼き軸33を回転させる構成になっている。 【0018】 37、37はフレーム31の内面に取り付けられた電気ヒータであり、前記横軸32の周りに配置されている。38は生地20を入れる生地皿であり、横軸32下方の実線で示した位置と、横軸32の側方に示す仮想線位置との間を昇降可能に設けられている。なお、以上に説明した焼き菓子機30の構成は従来のものと大差はない。 【0019】 焼き菓子機30は以上のように構成されているので、生地皿38に生地20を入れ、焼き軸33が図示の位置にある状態から、生地皿38を仮想線位置まで上昇させ、回転している焼き軸33へ生地20を付着させる。すなわち、焼き軸33の外面が生地20に接触した状態で約一回転すると外面に生地が薄く付着し、生地皿38は下降して原位置へ復帰する。同時に横軸32が反時計方向へ概ね1/4回転し、生地20を付着させた焼き軸33を電気ヒータ37、37の前面へ移動させる。 【0020】 焼き軸33はこの位置で概ね一回転する間保持され、それに付着した生地20が電気ヒータ37によって加熱される。焼き軸33が概ね一回転すると、前記横軸32が反時計方向へさらに1/4回転し焼き軸33を次の電気ヒータ37、37の前面へ移動させて停止し同様に生地20を加熱して付着させた層の生地が焼き上がる。そして、横軸32がさらに反時計方向へ概ね1/4回転し焼き軸33が原位置へ復帰すると、再び、生地皿38が上昇して先に焼いた層の外面に生地20を重ねる。以上の工程を所要の回数だけ繰り返すことによって、焼き軸33の外面に多層の生地の積層した焼き菓子が完成し焼成工程が終了する。 【0021】 このようにして焼き上がった焼き菓子10は焼き軸33が当初の位置に復帰した処で、支持軸35から取り外し、これから使用する焼き軸33と交換して一連の焼成作業が完了となる。焼き軸33から取り外された焼き菓子10は、図1で示すように、略同軸上に配された薄い生地層の多数によって中心部に軸方向の透孔を有する全体として略円筒形に形成され、その両端部外面には、周面から前記透孔の開口端に至る外側に凸の大きな弧状の面取り12が施されている。 【0022】 次に、上記焼き菓子機10で使用する生地20の製造方法を説明する。生地20の製造方法は図4で示すように、鶏卵を卵黄と卵白とに分離して使用することに特徴がある。卵黄には米粉など砂糖以外の材料を混ぜて生地半成品(仮生地)を作り、この生地半成品に砂糖を加えた卵白を加えて混練して前記生地20を作る。 【0023】 米粉など砂糖以外の材料は、粘りの少ない卵黄に濡れ易いので、粘りが出ない程度の軽い混練によって、ダマダマのない生地半成品ができる(生地半成品作り工程)。また、水分が多い上に粘りのある卵白は、質量の大きい砂糖と混ぜて攪拌することにより均一に加糖された泡たてられた加糖卵白ができる(加糖卵白作り工程)。 【0024】 上記工程によって作られた生地半成品と加糖卵白とは引き続く第一混練工程によって生地半成品の全量と加糖卵白の半量が混合され、一旦、硬く練りあげられる。第二混練工程によって残量の加糖卵白が加えられ、粘りがでないように軽く混練して粘度を調節することによって前記生地20が出来上がる。 【産業上の利用可能性】 【0025】 なお、この米粉と鶏卵の混合方法は、各種の鶏卵と穀類の粉末との混合に転用できる。 【図面の簡単な説明】 【0026】 【図1】本願発明の焼き菓子を示す外観図(下半部)とその縦断面図(上半部)である。 【図2】本発明に係る焼き菓子の使用材料表である。 【図3】本発明に係る焼き菓子の米粉の粒度分布を示す粒度分布図である。 【図4】本願発明の製造方法を示した工程図である。 【図5】本願発明の実施に使用する焼き菓子機の縦断面図である。 【図6】図5中の要部の正面図である。 【符号の説明】 【0027】 10 焼き菓子 11 透孔 12 面取り 20 生地 30 焼き菓子機 31 フレーム 32 横軸 33 焼き軸 34 円板 35 支持軸 36 軸継ぎ手 37 電気ヒータ 38 生地皿
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| 【出願人】 |
【識別番号】596104810 【氏名又は名称】株式会社入河屋 【住所又は居所】静岡県引佐郡三ヶ日町三ヶ日230番地
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| 【出願日】 |
平成16年3月5日(2004.3.5) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−245349(P2005−245349A) |
| 【公開日】 |
平成17年9月15日(2005.9.15) |
| 【出願番号】 |
特願2004−62445(P2004−62445) |
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