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【発明の名称】 液体収納バック及びそれを用いた冷菓製造装置
【発明者】 【氏名】黒沢 剛
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】池本 宏一郎
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】石井 武
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】前田 和也
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】北爪 直人
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】川崎 大生
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【要約】 【課題】液体抽出チューブからの液体の漏出を極力抑えることができる液体収納バックを提供する。

【解決手段】液体が収納される可撓性を有した袋本体21と、該袋本体21の外側に設けられ、当該袋本体21との間に密閉空間AIを形成可能とされた可撓性を有した外層体23と、基端が前記袋本体21内に連通して取り付けられた可撓性を有するミックス原料チューブ34とを備え、ミックス原料チューブ34の先端は熱溶着により封止されていると共に、当該先端部には、チューブ内空間とその両側の熱溶着部とが隣接する切断部が形成されている。切断部には印が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が収納される可撓性を有した袋本体と、該袋本体の外側に設けられ、当該袋本体との間に密閉空間を形成可能とされた可撓性を有した外層体と、基端が前記袋本体内に連通して取り付けられた可撓性を有する液体抽出チューブとを備え、
該液体抽出チューブの先端は熱溶着により封止されていると共に、当該先端部には、チューブ内空間とその両側の熱溶着部とが隣接する切断部が形成されていることを特徴とする液体収納バック。
【請求項2】
前記液体抽出チューブ先端部におけるチューブ内空間に傾斜部を形成し、該傾斜部を前記切断部としたことを特徴とする請求項1の液体収納バック。
【請求項3】
前記液体抽出チューブ先端部におけるチューブ内空間に階段部を形成し、該階段部を前記切断部としたことを特徴とする請求項1の液体収納バック。
【請求項4】
前記切断部には印が設けられていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3の液体収納バック。
【請求項5】
前記切断部の印を、前記液体抽出チューブ先端部におけるチューブ内空間が先端に向けて狭くなる傾斜部に設けたことを特徴とする請求項4の液体収納バック。
【請求項6】
前記切断部の印を、前記液体抽出チューブ先端部におけるチューブ内空間が先端に向けて広くなる傾斜部に設けたことを特徴とする請求項4の液体収納バック。
【請求項7】
前記切断部の印を、前記液体抽出チューブ先端部におけるチューブ内空間が先端に向けて狭くなる階段部に設けたことを特徴とする請求項4の液体収納バック。
【請求項8】
前記切断部の印を、前記液体抽出チューブ先端部におけるチューブ内空間が先端に向けて広くなる階段部に設けたことを特徴とする請求項4の液体収納バック。
【請求項9】
前記袋本体内にミックスを収納した前記液体収納バックを保冷する保冷庫と、前記液体収納バックの袋本体内より前記液体抽出チューブを介して供給されたミックスを撹拌しながら冷却することにより冷菓を製造する冷却シリンダと、前記液体収納バックの外層体と前記袋本体との間に圧縮空気を供給し、前記袋本体内のミックスを前記液体抽出チューブに押し出す空気圧縮装置とを備えたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7又は請求項8の液体収納バックを用いた冷菓製造装置。
【請求項10】
前記空気圧縮装置からの圧縮空気を前記冷却シリンダ内に供給するための空気供給通路と、該空気供給通路に設けられた流路開閉手段と、前記液体収納バックの外層体と前記袋本体との間の圧縮空気を排出するための排気手段とを備え、
前記液体抽出チューブと前記空気供給通路とを合流させた後、前記冷却シリンダ内に連通させると共に、前記流路開閉手段を開放して前記空気供給通路から前記冷却シリンダ内に圧縮空気を供給した後、前記流路開閉手段を閉じ、前記排気手段により前記液体収納バックの外層体と前記袋本体との間の圧縮空気を排出することを特徴とする請求項8の冷菓製造装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばソフトクリーム(ソフトアイスクリーム)等の冷菓の原料となるミックス等の液体を収納するための液体収納バック及びそれを用いた冷菓製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種冷菓製造装置は、コンプレッサ、凝縮器、キャピラリチューブ及び冷却シリンダとホッパー(ミックスタンク)に装備した冷却器からなる冷却装置を備え、この冷却装置によって冷菓製造時には冷却器に液化冷媒を減圧してから流して冷却シリンダ、ホッパーを冷却する。そして、冷却シリンダ内にはビータが取り付けられ、冷却シリンダ内のミックスを冷却器により冷却しながら、ビータによって撹拌し、ソフトクリームやシャーベットなどの冷菓を製造するものであった(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−271957号公報
【0003】
この場合、ミックスはホッパー内に貯溜され、ホッパーからはミックス供給器によって冷却シリンダ内にミックスを流し込む方式が採られていた。このミックス供給器は上端が大気中に開放し、ホッパー内の下端部にてホッパー内に連通したパイプ状のものであり、ミックスの供給量はこのミックス供給器におけるヘッド差に依存していた。
【0004】
即ち、ホッパーから冷却シリンダへのミックスの供給は重力に依存していたため、供給量が安定しない欠点があった。また、ミックスは予め原料袋内に収納されているものを開封し、ホッパー内に注入するものであったため、ホッパー内にて雑菌に汚染され、衛生上の問題が発生する欠点もあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、可撓性の袋本体とその外側の外層体から成る液体収納バックを準備し、ミックスを袋本体に収納し、この袋本体と外層体間の密閉空間に圧縮空気を供給することで袋本体を加圧し、袋本体からミックスを押し出し、液体抽出チューブを介して直接冷却シリンダに供給する方法が考えられる。係る方法によれば、ミックスを重力に依存すること無く、且つ、ホッパーに移し替えること無く液体収納バックから直接冷却シリンダに供給できる。
【0006】
しかしながら、そのままでは液体収納バックから常時冷却シリンダにミックスが供給されてしまうため、液体収納バックからのミックスの供給を制御する必要がある。この制御の方法としては、例えば冷菓にオーバーランを与えるために冷却シリンダ内に圧縮空気を供給するための空気供給通路と液体抽出チューブとを合流させた後、冷却シリンダに連通させれば、圧縮空気による加圧によって液体抽出チューブ先端からのミックスの流出を阻止することが可能であるが、冷却シリンダ内のビータの回転による圧力変動で、冷却シリンダ内が負圧になると、どうしても液体抽出チューブの先端からミックスが少量ずつ漏れだしてしまう問題があった。
【0007】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、液体抽出チューブからの液体の漏出を極力抑えることができる液体収納バック及びそれを用いた冷菓製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の液体収納バックは、液体が収納される可撓性を有した袋本体と、この袋本体の外側に設けられ、当該袋本体との間に密閉空間を形成可能とされた可撓性を有した外層体と、基端が袋本体内に連通して取り付けられた可撓性を有する液体抽出チューブとを備え、この液体抽出チューブの先端は熱溶着により封止されていると共に、当該先端部には、チューブ内空間とその両側の熱溶着部とが隣接する切断部が形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明の液体収納バックは、上記において液体抽出チューブ先端部におけるチューブ内空間に傾斜部を形成し、該傾斜部を切断部としたことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明の液体収納バックは、請求項1の発明において液体抽出チューブ先端部におけるチューブ内空間に階段部を形成し、該階段部を切断部としたことを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明の液体収納バックは、上記各発明において切断部には印が設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明の液体収納バックは、上記において切断部の印を、液体抽出チューブ先端部におけるチューブ内空間が先端に向けて狭くなる傾斜部に設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明の液体収納バックは、請求項4の発明において切断部の印を、液体抽出チューブ先端部におけるチューブ内空間が先端に向けて広くなる傾斜部に設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明の液体収納バックは、請求項4の発明において切断部の印を、液体抽出チューブ先端部におけるチューブ内空間が先端に向けて狭くなる階段部に設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明の液体収納バックは、請求項4の発明において切断部の印を、液体抽出チューブ先端部におけるチューブ内空間が先端に向けて広くなる階段部に設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明の冷菓製造装置は、前記袋本体内にミックスを収納した液体収納バックを保冷する保冷庫と、液体収納バックの袋本体内より液体抽出チューブを介して供給されたミックスを撹拌しながら冷却することにより冷菓を製造する冷却シリンダと、液体収納バックの外層体と袋本体との間に圧縮空気を供給し、袋本体内のミックスを液体抽出チューブに押し出す空気圧縮装置とを備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項10の発明の冷菓製造装置は、上記において空気圧縮装置からの圧縮空気を冷却シリンダ内に供給するための空気供給通路と、この空気供給通路に設けられた流路開閉手段と、液体収納バックの外層体と袋本体との間の圧縮空気を排出するための排気手段とを備え、液体抽出チューブと空気供給通路とを合流させた後、冷却シリンダ内に連通させると共に、流路開閉手段を開放して空気供給通路から冷却シリンダ内に圧縮空気を供給した後、流路開閉手段を閉じ、排気手段により液体収納バックの外層体と袋本体との間の圧縮空気を排出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の液体収納バックによれば、液体が収納される可撓性を有した袋本体と、この袋本体の外側に設けられ、当該袋本体との間に密閉空間を形成可能とされた可撓性を有した外層体と、基端が袋本体内に連通して取り付けられた可撓性を有する液体抽出チューブとを備えているので、外層体と袋本体との間に例えば圧縮空気を供給することにより、それらの間の密閉空間の容積を拡大させて袋本体内に収納された液体を液体抽出チューブに押し出すことができる。これにより、袋本体からの液体の自動供給を実現することが可能となる。
【0019】
特に、液体抽出チューブの先端は熱溶着により封止されていると共に、当該先端部には、チューブ内空間とその両側の熱溶着部とが隣接する切断部が形成されているので、この切断部を切断するまで液体抽出チューブ内は衛生的に保持されると共に、切断部にて液剤抽出チューブを切断すれば、その切口にはチューブ内空間とその両側の熱溶着部とが隣接していることになるので、切口は常時閉じようとする自閉機能を有するようになる。これにより、外層体と袋本体との間に圧縮空気を供給していない状態や、切口の内外で圧力差が殆ど無い状態における液体抽出チューブからの液体の漏洩を極力抑えることができるようになる。
【0020】
特に、請求項2の如く液体抽出チューブ先端部におけるチューブ内空間に傾斜部を形成し、該傾斜部を切断部とし、或いは、請求項3の如く液体抽出チューブ先端部におけるチューブ内空間に階段部を形成し、該階段部を切断部とすることで、自閉機能を向上させることができるようになる。
【0021】
更に、請求項4の発明の如く切断部に印が設け、特に、この切断部の印を、請求項5の如く液体抽出チューブ先端部におけるチューブ内空間が先端に向けて狭くなる傾斜部や、請求項6の如く液体抽出チューブ先端部におけるチューブ内空間が先端に向けて広くなる傾斜部や、請求項7の如く液体抽出チューブ先端部におけるチューブ内空間が先端に向けて狭くなる階段部や、請求項8の如く液体抽出チューブ先端部におけるチューブ内空間が先端に向けて広くなる階段部に設けることで、この印の箇所で液体抽出チューブを切断するだけで、自閉機能を有する切口を確実且つ容易に構成することができるようになる。
【0022】
請求項9の発明の冷菓製造装置は、前記袋本体内にミックスを収納した液体収納バックを保冷する保冷庫と、液体収納バックの袋本体内より液体抽出チューブを介して供給されたミックスを撹拌しながら冷却することにより冷菓を製造する冷却シリンダと、液体収納バックの外層体と袋本体との間に圧縮空気を供給し、袋本体内のミックスを液体抽出チューブに押し出す空気圧縮装置とを備えているので、液体収納バックごと保冷庫内でミックスを保冷し、空気圧縮装置により外層体と袋本体間の密閉空間に圧縮空気を供給して袋本体を加圧し、ミックスを強制的に液体抽出チューブに押し出し、直接冷却シリンダにミックスを供給して冷菓を製造することができるようになる。これにより、重力に依存したミックスの供給方式を廃して安定的なミックスの自動供給が実現できるようになると共に、ミックスを液体収納バックから直接冷却シリンダに供給することで、従来の如くホッパーにおいて衛生上の問題が発生することも無くなる。
【0023】
特に、前述の如く液体抽出チューブの先端の切口からのミックスの漏洩は極力抑えられるので、液体収納バックから冷却シリンダへのミックスの供給を的確に制御することが可能となるものである。
【0024】
また、請求項10の発明の冷菓製造装置は、上記に加えて空気圧縮装置からの圧縮空気を冷却シリンダ内に供給するための空気供給通路を備えているので、支障無く冷菓のオーバーランが得られる。更に、液体抽出チューブと空気供給通路とを合流させた後、冷却シリンダ内に連通させているので、空気供給通路からの圧縮空気によって液体抽出チューブからのミックスの供給を停止させることができる。特に、この場合、空気供給通路に設けられた流路開閉手段と、液体収納バックの外層体と袋本体との間の圧縮空気を排出するための排気手段とを備えており、流路開閉手段を開放して空気供給通路から冷却シリンダ内に圧縮空気を供給した後、流路開閉手段を閉じ、排気手段により液体収納バックの外層体と袋本体との間の圧縮空気を排出するので、液体抽出チューブと空気供給通路との合流部の圧力を液体収納バック側よりも高くして、液体抽出チューブ先端の切口をより確実に自閉させることができるようになるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明を適用した実施例の冷菓製造装置SMの一部縦断斜視図、図2は冷菓製造装置SMのミックス供給に関する構成図、図3は図2の本発明の液体収納バックの実施例のミックス原料袋5周辺の部品の分解構成図、図4は冷菓製造装置SMの電気回路のブロック図を示している。
【0026】
実施例の冷菓製造装置SMは、ソフトクリームやシャーベット(シェーク)等の冷菓(実施例ではソフトクリームを製造するものとする)を製造販売するための装置であり、図1において本体1の上部には、ソフトクリームの原料ミックス(ソフトクリームやシャーベットなどの冷菓原料となるミックス)を収納した液体収納バックとしてのミックス原料袋5(図1では図示しない。)を貯蔵保冷するための断熱性の保冷庫2が設けられている。この保冷庫2の庫内2Aは前面が開口しており、この前面開口は回動自在の断熱扉3にて開閉自在に閉塞され、ミックス原料袋5の交換時等にはこの断熱扉3が開放される。尚、33はこの断熱扉3の開閉を検知するための保冷庫開閉スイッチである。
【0027】
一方、保冷庫2の庫内2A天井部には図示しない保冷庫冷却器と送風機が配設されており、保冷庫2の背部には保冷庫コンプレッサ18Aや図示しない保冷庫用凝縮器が設置されて前記保冷庫冷却器と周知の冷媒回路を構成している。この保冷庫コンプレッサ18Aが運転されると保冷庫冷却器が冷却作用を発揮する。そして、この保冷庫冷却器により冷却された冷気が送風機により庫内2Aに循環されて保冷庫2内のミックス原料袋5や後述する周辺部品は所定の温度に保冷される。
【0028】
ミックス原料袋5は袋ケース31内に納出自在に収納保持され、その状態で保冷庫2の庫内2Aに収納されて装填される。尚、本実施例において冷菓製造装置SMは、後述する如き冷却シリンダ8を2つ備え、二種のミックス原料により冷菓を製造可能とするものである。そのため、本実施例では、保冷庫2の庫内2Aにそれぞれのミックス原料袋5を収納した袋ケース31、31が二つ並置されるものとする。この袋ケース31はワイヤーにて網状に構成された上下二部品から構成されている。
【0029】
一方、保冷庫2の後部内壁には袋ケース31の後部を保持し、それを前側に低く斜めにするための図示しない支持部が形成されていると共に、保冷庫2の前部内壁には、袋ケース31の前部を保持するための係止部材79が左右に渡って設けられている。また、保冷庫2の内壁からは図1に示す如く袋加圧通路を構成する袋加圧パイプ7の接続部7Aと、空気供給通路としてのエアー回路51の接続部51Aが設けられている。更に、保冷庫2の庫内2A底壁には後述する冷却シリンダ8のミックス入口9が開口して設けられている。尚、本実施例では、上述した如く二種のミックス原料により冷菓を製造可能とするものであるため、袋加圧パイプ7の接続部7A、エアー回路51の接続部51A及び冷却シリンダ8、ミックス入口9は、それぞれ二つ設けられている。
【0030】
ここで、本発明の液体収納バックの実施例であるミックス原料袋5は、例えば熱溶着された可撓性を有する樹脂製の袋本体21と、この袋本体21の一面に取り付けられ、袋本体21内と外部とを連通する硬質樹脂製の出口部材22と、この出口部材22に基端が取り付けられ、袋本体21内に連通した液体抽出チューブとしてのミックス原料チューブ34と、袋本体21の他面に周囲を溶着され、当該袋本体21と同素材から成る可撓性の外層体23と、この外層体23と袋本体21の間の後述する非接着部分に連通するように袋本体21の一面に取り付けられた硬質樹脂製の連通口部材24とから構成されている(図2)。
【0031】
前記外層体23と袋本体21とは当該外層体23の周囲以外は非接着状態とされており、これにより、外層体23と袋本体21間には密閉空間(図2にAIで示す)が構成可能とされている。そして、前記連通口部材24はこの外層体23と袋本体21との間(密閉空間)と外部とを連通する。また、液体収納バックに収納される液体の実施例としてのミックス(図2にMで示す)はこの袋本体21内に収納されると共に、外層体23と袋本体21との間の密閉空間AIには圧縮空気が供給可能とされている。
【0032】
上述した如くミックスを収納したミックス原料袋5を、袋ケース31内に収納した状態で保持し、保冷庫2の庫内2Aに収納する。この状態では、袋ケース31及びミックス原料袋5は前部がやや低く傾斜した状態で、その下方に十分なる空間を存して係止される。この状態で、前述の如く出口部材22に予め取り付けられたミックス原料チューブ34(ミックス供給通路を構成する)を後述する如くY型混合器57(経路構成部品)に接続し、連通口部材24と接続部7Aとの間を袋加圧パイプ7にて連通接続する。また、接続部51AとY型混合器57との間をエアー回路51により連通接続する。
【0033】
前記ミックス原料チューブ34は可撓性及び柔軟性を有した軟質合成樹脂チューブから構成されており、前述の如くその基端は予めミックス原料袋5の出口部材22に接続されている。そして、ミックス原料チューブ34の先端は熱溶着されて封止され、外部と接触しないようにミックス原料チューブ34内の通路は衛生的に保持されており、後述する如くY型混合器57に接続する際に切断されて開口されることになる。
【0034】
図7、図8に係るミックス原料チューブ34の先端形状を示している。各図において81はミックス原料チューブ34先端の熱溶着部を示している。この場合、ミックス原料チューブ34のチューブ内空間(82で示す)が、その中央部が先端方向に向けて傾斜しながら一旦広がり、その後、傾斜しながら狭くなる、全体としては矢尻形状に突出したかたちとるように、図示しない熱溶着ヘッドにより熱溶着部が構成されている。そして、ミックス原料チューブ34の長手方向を向いて中央にチューブ内空間82があり、その両側に熱溶着部(81Aで示す)が存在する箇所、実施例ではチューブ内空間82が先端に向かって狭くなる傾斜部を切断部83とし、そこに印刷若しくは押圧溝によって印84(ミックス原料チューブ34の長手方向と直交する方向)が付けられている。
【0035】
そして、図9、図10に示す如く印84に沿ってミックス原料チューブ34を切断すると、その切口85には中央のチューブ内空間82とその両側の熱溶着部81A、81Aが存在するかたちとなる。これにより、ミックス原料チューブ34自らの可撓性或いは柔軟性により、両側の熱溶着部81A、81Aが切口85を常時閉じようとするので、切口85の内外に圧力差が無いか、殆ど無い状態では、図11の如く切口85におけるチューブ内空間82は閉じられる自閉機能が付与される。
【0036】
一方、袋本体21からミックス原料チューブ34内にミックスが押し出されると、その圧力で切口85は図12の如く開き、チューブ内空間82は開口することになる。
【0037】
一方、図1において8は、前記ミックス入口9から流入するミックスを回転するビータ10により撹拌して冷菓を製造する前述した冷却シリンダであり、その周囲にはシリンダ冷却器11が取り付けられている。ビータ10はビータモータ12、駆動伝達ベルト、減速機13及び回転軸を介して回転される。製造された冷菓は、冷却シリンダ8の前面開口を開閉可能に閉塞するフリーザドア14に配設された取出レバー15を操作することにより、プランジャー16が上下動し、図示しない抽出路が開放されると共に、ビータ10が回転駆動されることにより、取り出される。上記フリーザドア14や取出レバー15、プランジャー16により冷菓抽出部が構成されている。
【0038】
前記フリーザドア14は透明ガラス、若しくは、透明硬質樹脂にて構成されて透視部を構成する。このフリーザドア14を通して冷却シリンダ8内は前方から透視可能とされている。このフリーザドア14の本体1側の面には永久磁石36が埋め込まれており、この永久磁石36に対応する位置の本体1前面にはリードスイッチ37が取り付けられている。そして、フリーザドア14が本体1に取り付けられ、冷却シリンダ8の前面開口を閉塞したときに、このリードスイッチ37は永久磁石36によって接点が閉じられ、フリーザドア14が取り外されて冷却シリンダ8の前面開口が開放されたときは、リードスイッチ37の接点が開放されるよう構成されている。
【0039】
また、冷菓抽出部を構成する取出レバー15の下方に対応する位置の本体1前面には近接スイッチ(近接センサ)38が取り付けられている。この近接スイッチ38は赤外線や音波を用いて取出レバー15の下側に冷菓を盛るコーンや紙カップなどの容器が宛われたことを検出する。
【0040】
更に、図1に示す如く保冷庫2の内壁には洗浄用ホース接続口39が設けられている。この洗浄用ホース接続口39には冷却シリンダ8内の洗浄の際に洗浄用水を冷却シリンダ8内に吐出するための洗浄用ホース(図示せず)が接続されるものであり、側面に引き出された洗浄用水配管41に連通している。この洗浄用水配管41は図示しない水道管に接続され、更に、洗浄用水配管41の途中には開閉栓42が介設されて、本体1の前面に配設されている。この開閉栓42は常には洗浄用水配管41を閉じており、冷却シリンダ8を洗浄する際にはこれを回して洗浄用水配管41を開くものである。
【0041】
上記本体1の下部には冷却装置Rを構成するコンプレッサ18や凝縮器20、四方弁19等が収納設置されている。尚、この四方弁19は前記シリンダ冷却器11に高温冷媒を流して解凍・殺菌などを行わせるためのものである。
【0042】
次に、図2において27は空気圧縮装置を構成するエアーポンプであり、このエアーポンプ27の吐出パイプ28は分配器46に接続されている。そして、この分配器46には前記袋加圧パイプ7の他端が接続される。尚、袋加圧パイプ7は前述した接続部7Aを介した複数部品で構成される。更に、この分配器46には圧力検出手段を構成するエアー回路内センサー(圧力センサー)47と排気パイプ49が接続され、この排気パイプ49には排気手段を構成するエアー回路内排気電磁弁48(エアーポンプの保護とエアー回路の排気用)が接続される。
【0043】
更にまた、分配器46には空気供給通路としての前記エアー回路51の一端が接続され、これにより、分配器46を介して袋加圧パイプ7、エアー回路51、エアーポンプ27、エアー回路内センサー47及び排気パイプ49は分岐接続されたかたちで相互に連通されている。このエアー回路51も接続部51Aを介した複数部品で構成され、そこには流路開閉手段としてのエアー回路開閉電磁弁52とエアーフィルタ53と逆止弁56が介設されている。このエアーフィルタ53はエアー回路51内に流入する圧縮空気中の異物や雑菌を捕獲して除去するものである。
【0044】
そして、前記エアー回路51の他端は経路構成部品である合流部材としての前記Y型混合器57の他方の入口に着脱可能に接続される。更に、このY型混合器57の出口は逆止弁54を介して冷却シリンダ8のミックス入口9に着脱可能に連通接続される。上記逆止弁54は冷却シリンダ8の方向、逆止弁56はY型混合器57の方向が順方向とされている。また、これらミックス原料袋5、ミックス原料チューブ34、エアー回路51の逆止弁56より下流側の他端部、袋加圧パイプ7の一端部及びY型混合器57は保冷庫2の庫内2Aに位置し、保冷されることになる。
【0045】
ここで、袋加圧パイプ7も柔軟性を有する軟質合成樹脂チューブにて構成され、ワンタッチ継手61によりミックス原料袋5の連通口部材24に着脱可能に接続する。また、ミックス原料チューブ34の先端は、前述の如く切断部83にて切断した後、切口85をY型混合器57の一方の入口内に挿入し、接続具67により着脱可能に接続する。前述の如くミックス原料チューブ34先端の切口85には自閉機能があるので、このような接続作業中にもミックスが漏出し難くなる。
【0046】
他方、前記エアー回路51の他端も接続具69によりY型混合器57の他方の入口に着脱可能に接続する。そして、このY型混合器57の出口はOリング71を介して冷却シリンダ8のミックス入口9に着脱可能に接続する。このように着脱可能に接続することで、ミックス原料チューブ34やY型混合器57などの洗浄が容易となる。
【0047】
次に、図4において73は制御手段を構成する汎用のマイクロコンピュータであり、このマイクロコンピュータ73の入力には前記保冷庫開閉スイッチ33、エアー回路内センサー47、近接スイッチ38、リードスイッチ37が接続されている。また、マイクロコンピュータ73の入力には、更に本体1のコントロールパネル74に設けられたプルダウンスイッチ(操作スイッチ)76と冷却スイッチ77が接続されている。
【0048】
更に、マイクロコンピュータ73の出力には前述した冷却装置Rのコンプレッサ18、18Aやビータモータ12などの他、前記エアー回路内排気電磁弁48とエアーポンプ27、エアー回路開閉電磁弁52が接続されている。更にまた、マイクロコンピュータ73の出力には前記操作パネル74に設けられた売り切れ表示ランプ78も接続されている。
【0049】
以上の構成で、次に動作を説明する。冷菓製造装置SMの図示しない電源プラグが電源に接続されて電源がONされると、マイクロコンピュータ73は先ずリードスイッチ37の接点が閉じているか否か判断する。そして、フリーザドア14が取り付けられて冷却シリンダ8の前面開口を閉じており、永久磁石36がリードスイッチ37の接点を閉じていれば以後の運転の開始を許容するが、フリーザドア14が正常に取り付けられておらず、リードスイッチ37の接点が開いている場合には以後の運転の開始を禁止し、例えば売り切れ表示ランプ78を点滅させて警報を表示する。これにより、フリーザドア14の取り付けを忘れ、或いは、正常に取り付けない状態で運転が開始されることを防止すると共に、フリーザドア14の取り付けを使用者に促す。
【0050】
次に、図5及び図6のタイミングチャートを参照しながらミックスの供給から冷菓の製造、冷菓の抽出動作について説明する。尚、ミックス原料袋5は前述の如く袋ケース31内に収納した状態で保冷庫2の庫内2Aに納出自在にセットする。その状態で、袋加圧パイプ7、ミックス原料チューブ34(前述の如く先端を切断する)、Y型混合器57も前述した如く接続する。但し、プルダウンを始めるこの時点ではエアー回路51をY型混合器57から外しておく。
【0051】
(1)初期状態
図5における電源ONからの初期状態で、マイクロコンピュータ73は先ず所定期間(実施例では5秒間)エアー回路内排気電磁弁48を開く。その後、前述の如くミックス原料袋5を保冷庫2の庫内2Aにセットするなどした後、断熱扉3が閉じられたことを保冷庫開閉スイッチ33の検出動作に基づいて検出すると、マイクロコンピュータ73はエアーポンプ27を運転する。その後、保冷庫2の断熱扉3が開放された場合、マイクロコンピュータ73は保冷庫開閉スイッチ33の検出動作に基づき、エアーポンプ27を停止すると共に、所定期間(5秒間)エアー回路内排気電磁弁48を開いてエアー回路51や袋加圧パイプ7(袋加圧パイプ7に連通しているミックス原料袋5の袋本体21と外層体23との間の密閉空間AIを含む)から排気する。
【0052】
即ち、マイクロコンピュータ73は保冷庫2の断熱扉3が開放された場合にはエアーポンプ27を停止し、断熱扉3が閉じられている場合のみエアーポンプ27の運転を許容する。これにより、ミックス原料袋5の交換などの際のパイプなどの着脱に際しての安全性が向上する。特に、断熱扉3が開放された際にはエアー回路内排気電磁弁48を開いてエアー回路51や袋加圧パイプ7から圧縮空気を排出するので、パイプの着脱の際に圧縮空気が吹き出す不都合を確実に回避できるようになる。
【0053】
尚、この初期状態においてエアーポンプ27が運転された後、3分経過してもエアー回路内センサー47が分配器46で連通された袋加圧パイプ7(袋加圧パイプ7に連通しているミックス原料袋5の袋本体21と外層体23との間の密閉空間AIを含む)やエアー回路51内の圧力上昇を検出しない場合にはエアーポンプ27を停止し、売り切れ表示ランプ78を点滅させて警報する。
【0054】
(2)プルダウンモード
次に、使用者がプルダウンスイッチ76をONする(2秒未満押す)と、マイクロコンピュータ73はプルダウンモードに入りプルダウンを開始する。このプルダウンモードではマイクロコンピュータ73はエアーポンプ27を運転し、分配器46で連通された袋加圧パイプ7(袋加圧パイプ7に連通しているミックス原料袋5の袋本体21と外層体23との間の密閉空間AIを含む)やエアー回路51(プルダウンモードではエアー回路開閉電磁弁52は閉じている)内に圧縮空気を供給する。
【0055】
そして、エアー回路内センサー47が検出する空気圧力が設定値(例えば15.0KPa)まで上昇した場合、マイクロコンピュータ73は当該エアー回路内センサー47の出力に基づいてエアーポンプ27を停止する。その後、マイクロコンピュータ73は自らの機能として有する3分タイマ(3分に限定されない所定)のカウントを開始する。
【0056】
袋加圧パイプ7から圧縮空気がミックス原料袋5の外層体23と袋本体21との間の密閉空間AIに送り込まれることにより、袋本体21には外側から一定の圧力が印加される。これにより、外層体23と袋本体21との間の密閉空間AIの容積が拡大することで、袋本体21内のミックスは出口部材22からミックス原料チューブ34へと押し出されていく。ミックス原料チューブ34先端の切口85は自閉機能があるために、圧縮空気が密閉空間AIに供給されてミックスが押し出されるまではチューブ内空間82を閉じている(図11)。
【0057】
そして、上述の如く袋本体21が加圧されてミックスがミックス原料チューブ34に押し出されると、その圧力で切口85は開き(図12)、チューブ内空間82が開口する。これにより、袋本体21からミックス原料チューブ34に押し出されたミックスはそこを通過した後、切口85から出てY型混合器57、逆止弁54を通過し、ミックス入口9から冷却シリンダ8内に流入する。このとき、エアー回路51は外されているので、冷却シリンダ8内の空気はY型混合器57の他方の出口から出ていく。これにより、ミックスも冷却シリンダ8内へ円滑に流入していく。
【0058】
ミックス原料袋5からミックスが流出することで、外層体23と袋本体21間の密閉空間AIの容積が拡大するので、袋加圧パイプ7から分配器46に至るパイプ内の空気圧力も低下する。そして、エアー回路内センサー47が所定の下限値まで圧力が低下したことを検出した場合、マイクロコンピュータ73はエアーポンプ27を運転して圧縮空気の供給を再開する。これを繰り返してマイクロコンピュータ73はエアー回路内センサー47が検出する空気圧力(ミックス原料袋5の外層体23と袋本体21間の密閉空間AIの空気圧力)を設定値と下限値の間(設定値と下限値の範囲における所定圧力)に維持する。
【0059】
その後、3分タイマのカウントが終了するまでこれを継続し、冷却シリンダ8内にミックスを送給していく。これにより、冷却シリンダ8内にはミックスが貯溜されていく。3分タイマのカウントが終了した時点で、マイクロコンピュータ73はエアーポンプ27の運転を停止し、エアー回路内排気電磁弁48を5秒間開放して圧縮空気を一旦排出する。袋本体21の加圧が無くなることでミックス原料チューブ34の切口85も一旦閉じる。使用者は透明なフリーザドア14を介して冷却シリンダ8内のミックスの液位を確認し、所定液位に満たない場合にはプルダウンスイッチ76を今度は押し続ける(2秒以上ON)。
【0060】
マイクロコンピュータ73はプルダウンスイッチ76が連続してONされると、エアーポンプ27を運転して再び圧縮空気の供給を開始し、前述の如くエアー回路内センサー47が検出する空気圧力(ミックス原料袋5の外層体23と袋本体21間の密閉空間AIの空気圧力)を設定値に維持する。これにより、袋本体21が加圧されてミックス原料チューブ34の切口85は開き、ミックス原料袋5からは再びミックスが冷却シリンダ8内に送給されていく。そして、使用者が冷却シリンダ8内のミックスが所定液位まで貯溜されたことを目視により確認し、プルダウンスイッチ76から手を離すと(OFF)、マイクロコンピュータ73はエアーポンプポンプ27を停止し、エアー回路内排気電磁弁48を開放してミックス原料袋5の外層体23と袋本体21間の密閉空間AIの圧縮空気を排出する。これにより、ミックスの送給は停止され、冷却シリンダ8内には所定液位までミックスが貯溜されると共に、ミックス原料チューブ34の切口85も閉じる。
【0061】
マイクロコンピュータ73にこのようなプルダウンモードを設けることで、開店時に円滑に冷却シリンダ8内にミックスを貯溜することができるようになる。特に、プルダウンスイッチ76を設けてプルダウンの開始を手動で行うことができるので、使用性も良好となる。
【0062】
このように冷却シリンダ8内に所定液位までミックスを貯溜した後、断熱扉3を開き、保冷庫2の庫内2Aにおいてエアー回路51をY型混合器57の他方の入口に接続し、断熱扉3を閉じる。断熱扉3が開放された時点で前述の如くマイクロコンピュータ73はエアーポンプ27を停止し、エアー回路内排気電磁弁48を開いて圧縮空気を排出するが、エアー回路51の接続後、断熱扉3が閉じられれば再びエアーポンプ27を運転してエアー回路内センサー47が検出する空気圧力(ミックス原料袋5の外層体23と袋本体21間の密閉空間AIを含む袋加圧パイプ7や分配器46及びエアー回路51内のエアー回路開閉電磁弁52までの空気圧力)を設定値まで上昇させる。
【0063】
エアー回路内センサー47が検出する空気圧力が設定値まで上昇したら、マイクロコンピュータ73はエアー回路開閉電磁弁52を所定期間(例えば5秒)開き、Y型混合器57に至るエアー回路51内に圧縮空気を送り込む。このエアー回路51からY型混合器57を経て冷却シリンダ8内に流入する圧縮空気の圧力により、ミックス原料チューブ34の切口85から冷却シリンダ8へのミックスの流入は阻止される。
【0064】
また、マイクロコンピュータ73は当該所定期間が経過してエアー回路開閉電磁弁52を閉じた後、エアー回路内排気電磁弁48を短時間だけ開き、ミックス原料袋5の外層体23と袋本体21間の密閉空間AIを含む袋加圧パイプ7や分配器46、エアー回路51内のエアー回路開閉電磁弁52までの空気圧力を少許下げる。これにより、ミックス原料チューブ34の切口85の外側のY型混合器57内の空気圧力は、ミックス原料袋5の密閉空間AIの空気圧力より高くなるので、ミックス原料チューブ34の切口85の自閉機能は一層強力に発揮されるようになり、切口85からのミックスの漏洩は効果的に防止されるようになる。
【0065】
また、エアー回路51から冷却シリンダ8内に流入する圧縮空気の量によって冷菓のオーバーラン(冷菓中に空気が混入して嵩が増える状態)が得られることになるが、前述の如く冷却シリンダ8内に貯溜するミックスの液位はプルダウンスイッチ76の操作や液位センサの位置によって所定の液位に規定できるので、冷却シリンダ8内の空気量も規定できることになり、これにより、冷菓のオーバーラン量を正確に設定することができるようになる。
【0066】
また、このときに冷却シリンダ8内に流入する圧縮空気はエアフィルタ53を通過したものであるので、この空気に含まれる異物や雑菌はエアフィルタ53に捕獲される。これにより、冷却シリンダ8内に圧縮空気と共に異物や雑菌が混入する不都合を回避することができるようになり、衛生管理を確実に行うことが可能となる。
【0067】
更にまた、以上のようにY型混合器57にてミックス原料チューブ34とエアー回路51とを一旦合流させた後、ミックス入口9から冷却シリンダ8内に連通させているので、冷却シリンダ8へのミックスの供給とオーバーラン用の空気の供給の双方を単一のミックス入口9から行うことができるようになり、冷却シリンダ8の構造の簡素化が図れる。
【0068】
以上でプルダウンモードは終了する。この状態で冷却スイッチ77の操作を待つ。尚、マイクロコンピュータ73は最初にプルダウンスイッチ77が操作された時点から前述の如く冷却シリンダ8内に所定液位までミックスを貯溜するに要したプルダウン時間をカウントして保持している。この場合、前述の如く目視によりプルダウンスイッチ77を操作して所定液位までミックスを貯溜する場合には、最終的にプルダウンスイッチ77を離した時点でプルダウン時間のカウントを終了し、前述の如く液位センサで所定液位までミックスを貯溜する場合には、当該液位センサがミックスの所定液位を検出した時点でプルダウン時間のカウントを終了することになる。
【0069】
(3)通常販売モード
次に図6に移って、使用者により冷却スイッチ77がON(押す)されると、マイクロコンピュータ73は前述の如くフリーザドア14が正常に取り付けられて閉じていることを条件として、冷却装置Rのコンプレッサ18を運転して冷却運転を開始する。コンプレッサ18が運転されると、凝縮器20で凝縮された冷媒が図示しない減圧装置を経てシリンダ冷却器11に供給され、そこで蒸発することで冷却作用を発揮する。また、コンプレッサ18も運転され、前述の如く保冷庫冷却器4により保冷庫2の庫内2Aのミックス原料袋5のミックスは保冷される。更に、庫内2Aにあるミックス原料チューブ68やエアー回路51の他端部、及び、Y型混合器57などの部品(図2に二点鎖線で囲まれた部分)も保冷されるので、後述する如く冷却シリンダ8内に流入するミックスや圧縮空気がこれらを通過する過程で温度上昇することもなくなる。
【0070】
一方、冷却シリンダ8内ではシリンダ冷却器11によってミックスは冷凍温度に冷却されると共に、マイクロコンピュータ73はビータモータ12によりビータ10を回転させるので、これにより、冷却シリンダ8内では半硬化状態の冷菓(ソフトクリーム)が製造される。以後、販売待機状態となる。
【0071】
ここで、係るビータ10の回転によって冷却シリンダ8内の圧力は変動することになる。そのため、冷却シリンダ8内が負圧となるY型混合器57内に圧縮空気が入っていても、ミックス原料チューブ34の切口85は内側より外側の圧力が低くなる場合が生じるが、前述の如く切口85には自閉機能があるので僅かな圧力差では開かない。これにより、待機状態におけるミックス原料チューブ34から冷却シリンダ8へのミックスの不必要な漏出は効果的に防止できる。
【0072】
この状態で、使用者が例えばコーン(容器)を取出レバー15の下方に宛い、近接スイッチ38に近接させると近接スイッチ38が当該コーンを検出してONする(販売検知)。マイクロコンピュータ73は近接スイッチ38がONした場合、自らがその機能として有する販売検知3秒(3秒に限らない所定期間)タイマのカウントを開始する。そして、当該状態が3秒間継続してタイマのカウントが終了した場合、即ち、近接スイッチ38がコーンを3秒間継続して検出している場合、マイクロコンピュータ73はビータ10を回転させる。そして、使用者が取出レバー15を操作すれば、前述の如くプランジャー16が上がるので、ビータ10により図示しない抽出路に冷菓(ソフトクリーム)が押し出され、コーンに抽出されることになる。
【0073】
このように、近接スイッチ38を用いてビータ10の回転を制御するので、従来の如くプランジャー16の上下動に連動するアームを用いた取出スイッチを設ける必要が無くなり、部品点数の削減が図れると共に、機構が簡素化されるので故障も発生し難くなる。また、所定期間(3秒)継続してコーンを検出している場合にビータ10を回転させるようにしているので、誤って近接スイッチ8の近くに手をかざした場合などに生じる誤作動も防止できる。
【0074】
尚、取出レバー15を戻せばプランジャー16が降下して抽出路は塞がれる。また、コーンを近接スイッチ38から離せばマイクロコンピュータ73はビータ10を停止させる。これにより、冷菓の抽出は停止する。冷却シリンダ8内から冷菓が抽出されることで圧力が低下するため、ミックス原料チューブ34の切口85内外の圧力差が大きくなるので、切口85は開き、ミックス原料袋5の袋本体21内からミックス原料チューブ34、逆止弁54、Y型混合器57を経てミックス入口9から冷却シリンダ8内にミックスが流入し、補充されることになる。
【0075】
この場合、エアー回路51には逆止弁56が設けられているので、このときにミックス原料チューブ34からY型混合器57に入るミックスがエアー回路51側に流入する不都合は回避される。従って、逆止弁56より上流のエアー回路51内を洗浄する必要が無くなる。
【0076】
一方、マイクロコンピュータ73は販売検知からa秒(遅延時間)後にb秒間(所定期間)エアー回路開閉電磁弁52を開放する。このエアー回路開閉電磁弁52によるエアー回路51の開放により、エアー回路51からY型混合器57を経て冷却シリンダ8内に流入する圧縮空気の圧力により、ミックス原料チューブ34から冷却シリンダ8へのミックスの流入は阻止され、また、同様にエアー回路開閉電磁弁52を閉じてエアー回路内排気電磁弁48を短く開くので、切口85も自閉し、ミックスの供給は前述同様に停止することになる。即ち、冷却シリンダ8からの冷菓の抽出開始から遅延してエアー回路開閉電磁弁52を開くことで、ミックス原料チューブ34から冷却シリンダ8内にミックスを補充できる。
【0077】
尚、図6の実施例では連続してb秒間エアー回路開閉電磁弁52を開いているが、a秒後に複数回間欠的にエアー回路開閉電磁弁52を開閉するようにしてもよい。
【0078】
ここで、このときのミックスの補充量は係るa秒間の遅延時間によって決定されるが、この遅延時間中に冷却シリンダ8内に流入するミックスの量は、当該ミックスの粘性によって違ってくる。即ち、同じ遅延時間ではミックスの粘性が高い場合には補充量が少なくなり、粘性が低い場合には補充量は多くなる。一方、ミックスの粘性が高い場合には前述したプルダウンに要する時間(プルダウン時間)が長くなり、低い場合には短くなる。
【0079】
そこで、マイクロコンピュータ73は前述した如くカウントして保持しているプルダウン時間に基づき、当該プルダウン時間が長い場合にはa秒間の遅延時間を延長し、プルダウン時間が短い場合には短縮する。これにより、冷菓の抽出に伴って冷却シリンダ8内へ補充されるミックスの量を、当該ミックスの粘性に関わらず常に略一定にすることができるようになり、冷却シリンダ8へのミックスの過剰補充と冷却シリンダ8内におけるミックス不足の双方を回避できるようになる。
【0080】
ここで、マイクロコンピュータ73はエアー回路内センサー47が検出する圧力を前述した設定値と下限値の間に維持するようにエアーポンプ27をON−OFF制御している。上述のような冷菓の抽出に伴ってミックス原料袋5からミックスが流出し、また、エアー回路51からも空気が冷却シリンダ8内に流入することでエアー回路内センサー47が検出する圧力は徐々に低下していくが、略5回の抽出で圧力は下限値に低下し、エアーポンプ27は運転される。
【0081】
そのため、連続して6回以上抽出が行われるなどの極希な状況を除く殆どの場合、前述したb秒間のエアー回路開閉電磁弁52の開放中にエアーポンプ27は運転されていない。従って、このb秒間の間はミックス原料袋5の外層体23と袋本体21間の密閉空間AI内の圧縮空気が袋加圧パイプ7及び分配器46を経由してエアー回路51内に入り、エアー回路開閉電磁弁52、エアフィルタ53及びY型混合器57を経て冷却シリンダ8内に流入することになる。
【0082】
このミックス原料袋5の外層体23と袋本体21間の密閉空間AI内の圧縮空気は、保冷庫2の庫内2Aにて冷やされている空気である。即ち、冷却シリンダ8内には温度の低い圧縮空気がエアー回路51から供給されることになるので、体積が嵩張らず、オーバーランに有利なものとなる。
【0083】
また、このようにエアーポンプ27とエアー回路内センサー47を用いてミックス原料袋5の外層体23と袋本体21間の密閉空間AI内の空気圧力を封入することで、それらの間の密閉空間AIの容積を拡大させて袋本体21内に収納されたミックスをミックス原料チューブ34に押し出すので、袋本体21から冷却シリンダ8へのミックスの自動供給を実現することが可能となる。これにより、従来の如くミックス供給パイプを使用する重力に依存したミックスの供給方式を廃して、安定的なミックスの自動供給を実現できるようになると共に、ミックスをミックス原料袋5から直接冷却シリンダ8に供給することで、衛生上の問題も解決することができるようになる。
【0084】
更に、このようにエアーポンプ27とエアー回路内センサー47を用いてミックス原料袋5の外層体23と袋本体21間の密閉空間AI内の空気圧力を設定値と前記下限値の間の所定圧力に維持しておき、係る空気圧力によってミックスを袋本体21内からミックス原料チューブ34に押し出して冷却シリンダ8に供給すると共に、エアー回路開閉電磁弁52を開いてエアー回路51からの圧縮空気を流入させ、且つ、ミックス原料チューブ34の自閉機能によりミックスの補充を停止するようにしているので、ミックス原料チューブ34側にミックスの供給を制御するための電磁弁などを設ける必要が無くなる。これにより、洗浄作業が極めて容易となる。
【0085】
(4)売り切れ時
以上のような販売動作が行われ、ミックス原料袋5の袋本体21内のミックスが無くなると、販売検知後に冷菓の抽出が行われても補充されるミックスが無くなるため、エアー回路内センサー47が検出する圧力の変化が生じなくなるか極めて少なくなる。実施例ではマイクロコンピュータ73は販売検知後の圧力変化が無くなった場合、売り切れと判断して売り切れ表示ランプ78を連続して点灯させる(ON)。また、エアーポンプ27の運転も停止する。
【0086】
(5)袋交換
この売り切れ表示ランプ78の点灯により使用者がミックスの売り切れを確認し、交換のために断熱扉3を開くと、前述同様にマイクロコンピュータ73はエアー回路内排気電磁弁48を5秒間開いて圧縮空気を排出する。その後、袋加圧パイプ7やミックス原料チューブ34を外して袋ケース31ごと空となったミックス原料袋5を取り出す。そして、新たなミックス原料袋5を袋ケース31に収納し、前述同様に庫内2Aにセットして前述同様に袋加圧パイプ7やミックス原料チューブ34(切断部にて切断)の接続を行った後、断熱扉3が閉じられると、マイクロコンピュータ73は再びエアーポンプ27を運転してエアー回路内センサー47が検出する空気圧力を設定値まで上昇させ、販売待機状態とするものである。
【0087】
ここで、上記実施例ではチューブ内空間82が先端に向けて狭くなる傾斜部を切断部83とし、そこに印84を付けたが、それに限らず、先端に向けて広くなる傾斜部を切断部83として印84を付けてもよい。
【0088】
(6)ミックス原料チューブの先端形状に関する他の実施形態
また、ミックス原料チューブ34の先端部のチューブ内空間82の形状は図7、図8のものに限らず、図13の如き階段形状、図14の如き円弧状階段形状など様々な形状が考えられる。そして、図13の如く階段形状が先端に向けて狭くなる箇所や図14の如く階段形状が先端に向けて広くなる箇所を切断部83として印84を付ける。
【0089】
何れの場合にも切断部83における切口85において中央のチューブ内空間82とその両側の熱溶着部81A、81Aが隣接することになる。また、図15の如く例えば図7の形状に加えてミックス原料チューブ34の先端を湾曲させて熱溶着すれば、中央のチューブ内空間82においても切口85を閉じる自閉力が得られるようになるので、自閉機能は一層強力なものとなる。
【0090】
尚、本実施例では、上述した如く保冷庫2内にミックス原料袋5を収納した袋ケース31を2つ並置する場合について説明しているが、これ以外にも、保冷庫2内にミックス原料袋5を収納した袋ケース31を1つ設ける場合についても上記発明を適用することができる。更に、実施例では本発明の液体収納バックを冷菓製造装置のミックス収納に採用したが、それに限らず、液体収納バックの袋本体内に飲料を収納して飲料供給装置などに採用しても有効である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明を適用した実施例の冷菓製造装置の一部縦断斜視図である。
【図2】図1の冷菓製造装置のミックス供給に関する構成図である。
【図3】本発明の液体収納バックの実施例のミックス原料袋周辺の冷菓製造装置部品の分解構成図である。
【図4】図1の冷菓製造装置の電気回路のブロック図である。
【図5】図1の冷菓製造装置のミックスの供給から冷菓の製造、冷菓の抽出動作について説明するタイミングチャートである。
【図6】同じく図1の冷菓製造装置のミックスの供給から冷菓の製造、冷菓の抽出動作について説明するタイミングチャートである。
【図7】図1の冷菓製造装置のミックス原料袋のミックス原料チューブ先端部の正面図である。
【図8】図7のミックス原料チューブ先端部の側面図である。
【図9】図7のミックス原料チューブ先端部を切断した状態の図である。
【図10】図8のミックス原料チューブ先端部を切断した状態の図である。
【図11】図7のミックス原料チューブの先端部の切口の正面図(閉じた状態)である。
【図12】図7のミックス原料チューブの先端部の切口の正面図(開いた状態)である。
【図13】ミックス原料チューブの先端部形状の他の実施例を示す正面図である。
【図14】ミックス原料チューブの先端部形状のもう一つの他の実施例を示す正面図である。
【図15】ミックス原料チューブの先端部形状の更にもう一つの他の実施例を示す切口の正面図である。
【符号の説明】
【0092】
AI 密閉空間
SM 冷菓製造装置
1 本体
2 保冷庫
2A 庫内
3 断熱扉
5 ミックス原料袋(液体収納バック)
7 袋加圧パイプ
8 冷却シリンダ
9 ミックス入口
21 袋本体
23 外層体
27 エアーポンプ
34 ミックス原料チューブ(液体抽出チューブ)
47 エアー回路内センサー
48 エアー回路内排気電磁弁
51 エアー回路
52 エアー回路開閉電磁弁
57 Y型混合器
73 マイクロコンピュータ
81、81A 熱溶着部
82 チューブ内空間
83 切断部
84 印
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号
【出願日】 平成16年1月29日(2004.1.29)
【代理人】 【識別番号】100098361
【弁理士】
【氏名又は名称】雨笠 敬

【公開番号】 特開2005−210971(P2005−210971A)
【公開日】 平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願番号】 特願2004−21705(P2004−21705)