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【発明の名称】 冷菓供給装置
【発明者】 【氏名】岩田 務
【住所又は居所】愛知県豊明市栄町南館3番の16 ホシザキ電機株式会社内

【要約】 【課題】この発明は、袋詰め冷菓を庫内にて注出適温に保持することができる冷菓供給装置を提供することを課題とする。

【解決手段】第1及び第2のハンガースイッチ36の少なくとも一方がオンした場合に(S2,S3)、袋詰め冷菓がストックされたと判断し、サーミスタ補正プログラムで庫内温度設定値に対して1度低い値となるように庫内温度が補正される(S4)。庫内温度が圧縮機オフ温度にまで下降したと判定されると(S5)、圧縮機がオフされ(S6)、圧縮機保護タイマがタイムアップすると(S7,S8)、庫内温度が圧縮機オン温度まで上昇したか否かが判定され(S9)、圧縮機オン温度に達すると圧縮機が駆動される(S1)。第1及び第2のハンガースイッチ36がいずれもオフ状態にあるときは(S2,S3)、通常の庫内温度制御が行われる(S10)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋詰め冷菓を庫内温度に晒すことにより流通温度から注出温度にまで昇温した後にシリンダ内に装填して冷菓を注出する冷菓供給装置において、
袋詰め冷菓を庫内に保持するストック手段と、
前記ストック手段に保持された袋詰め冷菓の有無を検知する検知スイッチと、
前記検知スイッチにより袋詰め冷菓が前記ストック手段に保持されたことを検知すると庫内温度を補正する制御手段と
を備えたことを特徴とする冷菓供給装置。
【請求項2】
庫内に冷気を循環させる冷気循環手段と、
庫内への冷気の吐出側で庫内温度を検出する温度検出手段と
を備え、前記制御手段は、前記検知スイッチにより袋詰め冷菓が前記ストック手段に保持されたことを検知したときに、前記温度検出手段で検出される温度が庫内温度の設定値より低い値になるように温度補正を行う請求項1に記載の冷菓供給装置。
【請求項3】
庫内に冷気を循環させる冷気循環手段と、
庫内からの冷気の吸込側で庫内温度を検出する温度検出手段と
を備え、前記制御手段は、前記検知スイッチにより袋詰め冷菓が前記ストック手段に保持されたことを検知したときに、前記温度検出手段で検出される温度が庫内温度の設定値より高い値になるように温度補正を行う請求項1に記載の冷菓供給装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、冷菓供給装置に係り、特に袋詰め冷菓を注出適温に昇温させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されたような冷菓供給装置においては、袋詰め冷菓をシリンダ内に装填してピストンで押圧することにより冷菓の注出が行われるが、冷菓製造元からの発送途中等の流通段階や店舗内冷凍庫における保管状態にあっては、袋詰め冷菓はその品質を保持する目的で通常−25℃以下に保たれている。そこで、冷菓供給装置のシリンダ内への装填に先だって例えば−12℃程度の注出適温にまで昇温させる必要がある。
【0003】
【特許文献1】特開2000−189063号公報
【0004】
従来、このような袋詰め冷菓の昇温は、予め例えば−12℃程度の温度に設定された冷菓供給装置の庫内に袋詰め冷菓を収容することにより行われている。通常、卓上型冷菓供給装置の庫内は、図8(a)に示されるような冷気の循環によって冷却される。冷気は、背面ダクト51から吹き出されてシリンダ52及び前面扉53に向かって庫内を均等に流れた後に図示しない上面ダクトに吸い込まれる。例えば、背面ダクト51内に配置されたサーミスタにより温度検知がなされ、庫内温度が設定値−12℃(冷却上限値−14℃/冷却下限値−10℃)程度に制御される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図8(b)に示されるように、庫内の左右壁面にそれぞれ袋詰め冷菓54を吊り下げて収容した場合には、背面ダクト51から吹き出された冷気が中央に集中してシリンダ52へと流れる。ここで、シリンダ52及び前面扉53は外気に近いために負荷が大きく、冷気はこれらシリンダ52及び前面扉53と熱交換した後に左右の袋詰め冷菓54へと流れる。その結果、袋詰め冷菓54の温度が庫内温度設定値より1〜2度程度高くなり、注出適温に保持することが困難となっていた。
この発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、袋詰め冷菓を庫内にて注出適温に保持することができる冷菓供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る冷菓供給装置は、袋詰め冷菓を庫内温度に晒すことにより流通温度から注出温度にまで昇温した後にシリンダ内に装填して冷菓を注出する冷菓供給装置において、袋詰め冷菓を庫内に保持するストック手段と、ストック手段に保持された袋詰め冷菓の有無を検知する検知スイッチと、検知スイッチにより袋詰め冷菓がストック手段に保持されたことを検知すると庫内温度を補正する制御手段とを備えたものである。
【0007】
なお、冷気循環手段で庫内に冷気を循環させ、温度検出手段により庫内への冷気の吐出側で庫内温度を検出することができ、この場合、制御手段は検知スイッチにより袋詰め冷菓がストック手段に保持されたことを検知したときに、温度検出手段で検出される温度が庫内温度の設定値より低い値になるように温度補正を行うことが好ましい。また、温度検出手段により庫内からの冷気の吸込側で庫内温度を検出する場合には、検知スイッチにより袋詰め冷菓がストック手段に保持されたことを検知したときに、温度検出手段で検出される温度が庫内温度の設定値より高い値になるように制御手段が温度補正を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、この発明によれば、袋詰め冷菓がストック手段に保持されたことを検知スイッチが検知すると、制御手段により庫内温度が補正されるように構成したので、庫内への袋詰め冷菓の吊り下げにより冷気の流れに変化が生じても、袋詰め冷菓の温度を庫内温度設定値に保持することが可能となる。
庫内への冷気の吐出側で庫内温度を検出する場合には、温度検出手段で検出される温度が庫内温度の設定値より低い値になるように温度補正を行うことで、一方、庫内からの冷気の吸込側で庫内温度を検出する場合には、温度検出手段で検出される温度が庫内温度の設定値より高い値になるように温度補正を行うことで、それぞれ袋詰め冷菓の温度を庫内温度設定値に保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1にこの発明の実施の形態1に係る冷菓供給装置の全体構造を示す。冷凍室1内の天井部分に冷却器2と庫内ファン3が配置される一方、機械室4内には冷却器2に接続された冷凍機5が配置されている。庫内ファン3を介して吸引された庫内空気が冷却器2で冷却されて冷凍室1の奥面に設けられた背面ダクト6から冷凍室1内に循環供給される。背面ダクト6の吐出側には温度検出用のサーミスタSが取り付けられており、冷凍室1内はアイスクリーム等の冷菓が注出可能な状態で保存されるような温度、例えば庫内温度設定値−12℃(冷却上限値−14℃/冷却下限値−10℃)に維持されている。
【0010】
前面扉Aの前部に配置されたコック7を開操作すると、弁体8が上昇してコックパイプ9が開放されると共に注出口スイッチ10がオンして機械室4内のポンプ11が正方向に駆動され、実線矢印で示されるように、ブラインタンク12からブライン13がシリンダ14下部の圧力室15に供給される。これにより、ピストン16が上昇してシリンダ14上部に装填された袋詰め冷菓17が圧縮され、袋詰め冷菓17の取出口18から冷菓19が流出してコックパイプ9を通り、注出口20から注出される。コック7を閉操作すると、注出口スイッチ10がオフとなってポンプ11が停止すると共に弁体8が下降してコックパイプ9が閉鎖され、冷菓19の注出が停止される。
【0011】
冷菓19が全て注出されると、操作パネル21のピストン下降ボタン(図示せず)の操作によりポンプ11が逆方向に駆動され、破線矢印で示されるように、シリンダ14の圧力室15からブライン13がブラインタンク12に戻されてピストン16が最下位位置まで下降する。この状態で冷凍室1の前面扉A及びシリンダ14の蓋22を開けて袋詰め冷菓17が交換される。
【0012】
冷凍室1内の左右両側面には、袋詰め冷菓17を保持するために、それぞれ図2に示されるような第1及び第2のハンガー31が配設されている。これらのハンガー31は、一端部が冷凍室1の内壁面に固定され且つ他端部が冷凍室1内に突出するブラケット32を有している。ブラケット32の他端部には、袋詰め冷菓17の取出口18を引っ掛けるための切り欠き33が形成されると共に、袋詰め冷菓17の取出口18に係合することにより回転軸となるボルト34の回りに回動するレバー35が切り欠き33の近傍に取り付けられている。
【0013】
図3に示されるように、ブラケット32の他端部には、レバー35の近傍にハンガースイッチ36が配置され、ハンガースイッチ36の進退自在のプランジャ37の先端がレバー35に当接している。なお、レバー35は、図示しないスプリング等により図3の状態となるように切り欠き33の方向に付勢されている。また、レバー35の回動範囲の両端を規定するストッパ38及び39がブラケット32に固定されている。
【0014】
図4に示されるように、袋詰め冷菓17の取出口18をブラケット32の切り欠き33に引っ掛けて保持させると、図5に示されるように、取出口18によってレバー35が押されてハンガースイッチ36の方向に回動し、ハンガースイッチ36のプランジャ37が後退する。これにより、ハンガースイッチ36がオンし、袋詰め冷菓17の存在を検知することができる。
【0015】
また、図6に示されるように、冷菓供給装置には制御回路41が設けられており、制御回路41に冷凍室1内の二つのハンガー31のハンガースイッチすなわち第1及び第2のハンガースイッチ36が接続されると共に冷凍室1内のサーミスタSが接続されている。さらに、制御回路41には、冷凍機5内の圧縮機42が接続され且つ圧縮機保護タイマ43が接続されている。
【0016】
なお、第1及び第2のハンガー31によりこの発明のストック手段が、第1及び第2のハンガースイッチ36により検知スイッチが、制御回路41により制御手段が、サーミスタSにより温度検出手段が、冷却器2と庫内ファン3と冷凍機5と背面ダクト6により冷気循環手段がそれぞれ構成されている。
【0017】
次に、この実施の形態1に係る冷菓供給装置における庫内温度制御の動作について図7のフローチャートを参照して説明する。まず、ステップS1で冷凍機5内の圧縮機42がオンされ、冷却器2の作用によって冷凍室1内に冷気が循環供給されると、ステップS2で第1のハンガースイッチ36のオン/オフ状態が確認される。第1のハンガースイッチ36がオフ状態にあるときには、ステップS3に進んで第2のハンガースイッチ36のオン/オフ状態が確認される。そして、第1及び第2のハンガースイッチ36の少なくとも一方がオンした場合には、制御回路41は、少なくとも一方のハンガー31のブラケット32に袋詰め冷菓17がストックされたと判断し、ステップS4でサーミスタ補正プログラムを実行する。
【0018】
サーミスタ補正プログラムでは、庫内温度設定値に対して1度低い値となるように庫内温度が補正される。上述したように庫内温度設定値が−12℃にされている場合には、冷却上限値−15℃/冷却下限値−11℃として庫内温度が−12℃よりも1度低い−13℃となるように補正される。
【0019】
ステップS5でサーミスタSにより検出される庫内温度が冷却上限値である圧縮機オフ温度にまで下降したと判定されると、制御回路41は、ステップS6で圧縮機42をオフして冷凍室1内の冷却を停止した後、続くステップS7で圧縮機保護タイマ43をスタートさせる。そして、所定時間が経過し、ステップS8で圧縮機保護タイマ43がタイムアップすると、ステップS9に進んでサーミスタSにより検出される庫内温度が冷却下限値である圧縮機オン温度まで上昇したか否かが判定される。庫内温度が圧縮機オン温度に達したと判定されると、ステップS1に戻って圧縮機42が駆動され、冷凍室1内の冷却が再開される。
【0020】
ステップS2及びS3で第1及び第2のハンガースイッチ36がいずれもオフ状態にあるときには、制御回路41は、袋詰め冷菓17がストックされていないと判断し、ステップS10に進んで通常の庫内温度制御を行う。すなわち、庫内温度設定値−12℃に基づいて冷却上限値−14℃/冷却下限値−10℃で温度制御が行われる。
【0021】
このように、少なくとも一方のハンガー31に袋詰め冷菓17がストックされた場合に、サーミスタ補正プログラムを実行して、庫内温度設定値よりも1度低い値に庫内温度が補正されるため、袋詰め冷菓17の吊り下げにより冷凍室1内の冷気の流れに変化が生じても、袋詰め冷菓17の温度を庫内温度設定値に保持することが可能となる。
【0022】
実施の形態2.
図1に示した実施の形態1の冷菓供給装置では、温度検出手段であるサーミスタSが背面ダクト6の吐出側に配置されていたが、サーミスタSを庫内ファン3の近傍すなわち冷凍室1内からの冷気の吸込側に配置することもできる。この場合、シリンダ14や前面扉A等の負荷により熱交換されて温度上昇した冷気の温度がサーミスタSにより検出されるため、例えば、庫内温度設定値を−12℃とすると、ハンガー31に吊り下げられた袋詰め冷菓17の温度は−12℃よりもわずかに低い温度に保持される虞がある。そこで、サーミスタ補正プログラムにおいては、庫内温度設定値に対して例えば1度高い値となるように庫内温度を補正することが好ましい。庫内温度設定値が−12℃である場合には、冷却上限値−13℃/冷却下限値−9℃として庫内温度が−12℃よりも1度高い−11℃となるように補正される。
【0023】
なお、実施の形態1及び2では、冷凍室1内に二つのハンガー31を設置したが、これに限るものではなく、一つあるいは三つ以上のハンガー31を設置することもできる。
また、サーミスタ補正プログラムにおける補正温度は庫内温度設定値に対して1度低いあるいは高い値に限るものではなく、袋詰め冷菓17の吊り下げによる冷凍室1内の冷気の流れの変化、冷凍室1内の負荷の大小等に応じて適宜選択されることが望ましい。
さらに、冷凍室1内に収納する袋詰め冷菓17の数に応じて、冷凍室1内の負荷が増減するため、サーミスタ補正プログラムにおける補正温度を変更するようにしてもよい。例えば、袋詰め冷菓17が2本以下の場合には庫内温度設定値に対して1度の補正、3本以上の場合には2度の補正等を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の実施の形態1に係る冷菓供給装置の全体構造を示す断面図である。
【図2】実施の形態1で用いられたハンガーを示す側面断面図である。
【図3】実施の形態1で用いられたハンガーを示す平面図である。
【図4】実施の形態1で用いられたハンガーに袋詰め冷菓を保持させた状態を示す側面断面図である。
【図5】実施の形態1で用いられたハンガーに袋詰め冷菓を保持させた状態を示す平面図である。
【図6】実施の形態1において庫内温度制御を行う回路を示すブロック図である。
【図7】実施の形態1における庫内温度制御の動作を示すフローチャートである。
【図8】冷菓供給装置の庫内を示し、(a)は袋詰め冷菓を保持しないときの平面図、(b)は袋詰め冷菓を保持したときの平面図である。
【符号の説明】
【0025】
1 冷凍室、2 冷却器、3 庫内ファン、5 冷凍機、6 背面ダクト、17 袋詰め冷菓、31 ハンガー、32 ブラケット、33 切り欠き、34 ボルト、35 レバー、36 ハンガースイッチ、37 プランジャ、41 制御回路、42 圧縮機、43 圧縮機保護タイマ、A 前面扉、S サーミスタ。
【出願人】 【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ電機株式会社
【住所又は居所】愛知県豊明市栄町南館3番の16
【出願日】 平成15年9月4日(2003.9.4)
【代理人】 【識別番号】100057874
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照

【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治

【識別番号】100084010
【弁理士】
【氏名又は名称】古川 秀利

【識別番号】100094695
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 憲七

【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順

【識別番号】100117776
【弁理士】
【氏名又は名称】武井 義一

【公開番号】 特開2005−80517(P2005−80517A)
【公開日】 平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願番号】 特願2003−313094(P2003−313094)