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【発明の名称】 オカラ混入菓子類の製造方法
【発明者】 【氏名】工藤 雅則

【要約】 【課題】廃棄物となるオカラを有効活用するために、菓子類(菓子、煎餅、餅、パン等)へ添加するにさいして、オカラ独特のザラツキ感を払拭し、しっとりとした舌触りを提供する。

【解決手段】オカラとコンニャクを水で溶き、アルカリで凝固させ、しかる後すりつぶして、それに小麦粉などの生地粉と甘味料、膨潤剤、香料等の添加剤を加えて、加熱処理してオカラ混入菓子類を製造する。
【特許請求の範囲】
【請求項】
オカラとコンニャクとを均一に混合しアルカリで凝固させた後すりつぶし、それに生地粉と添加剤等を加えて、加熱処理することを特徴とするオカラ混入菓子類の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、オカラを混入させた菓子類の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大豆より豆腐を製造する際に生ずるオカラは廃棄物として扱われているが、食物繊維が多く含まれていることから、その有効活用策として、ドーナツなどの菓子類に応用されつつあるが、生地が硬く締まりすぎるために、それらを食した時に、オカラ独特のパサパサ感が現れ、そのためにオカラ入り菓子類は広く普及していない。(例えば、特許文献1並びに特許文献2参照。)
【0003】
その問題を解決するためにオカラをそのまま、又は加水しながら裏漉しにして、裏漉ししたものを菓子類に混合させるという方法が提案されているが、手間もかかるし残渣の処分の課題を抱えるなどの欠点があった(例えば、特許文献3並びに特許文献4参照。)。
【0004】
また、オカラの平均粒子径が200〜300ミクロンと大きいことに注目してオカラを作成するときに100ミクロン以下に微細化する方法も提案されており、また生オカラを湿式粉砕して42メッシュの篩を通して利用することが提案されているが、大掛かりな設備を必要とするなどの欠点があった(例えば、特許文献5並びに特許文献6参照。)。
【0005】
さらには、小麦粉に豆乳・オカラ一体物等を添加することも提案されているが、この場合は豆の全成分を用いており、廃棄物となるオカラの有効活用という本発明の目的とは異なり、また植物繊維が十分に混じっているとは言いがたい(例えば、特許文献7参照。)。
【0006】
一方、スポンジケーキを作る際、材料の小麦粉を減らす目的で、材料の一部としてコンニャク粉を用いることが提案されているが、菓子等の食感を積極的に変えようとするものであり、また、廃棄物となるオカラの有効活用といった面からも本発明の主旨とは異なる。(例えば、特許文献8並びに特許文献9参照。)。
【0007】
更に、スナック菓子にサクサク感を付与したり、餅菓子に餅食感を出したりするためにコンニャクなどの糊料を加工して、あるいはそのまま用いることも提案されているが、これも上記方法と同じく、廃棄物となるオカラの有効活用といった面からも本発明の主旨とは異なる。(例えば、特許文献10並びに特許文献11参照。)。
【0008】
加えて、オカラとコンニャクを混合して固めた食材も提案されているが、惣菜として利用する目的で提案されたものであり、その素材を菓子類に用いるということについては、誰も着想できないことであった。(例えば、特許文献12並びに特許文献13参照。)。
【0009】
【特許文献1】特開平7−213227号公報
【特許文献2】特開2001−204389号公報
【特許文献3】特開平5−316983号公報
【特許文献4】特開平9−313108号公報
【特許文献5】特開2000−333593号公報
【特許文献6】特開平11−318322号公報
【特許文献7】特開平11−266774号公報
【特許文献8】特開平7−132038号公報
【特許文献9】特開平7−327583号公報
【特許文献10】特開2000−41583号公報
【特許文献11】特開2000−83590号公報
【特許文献12】特開平10−52233号公報
【特許文献13】特開2002−272401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上から明らかなごとく、従来の方法によると廃棄物となるオカラを有効に活用し、かつ簡便な方法でオカラのザラツキ感を改善した菓子類の製造方法は提供されていない。
【0011】
本発明は、前記の種々の課題を解決するためになされたもので、極めて簡便な方法でオカラを混合させ、しかもオカラ独特のパサパサ感をなくし、しっとりした食感を提供できる、ドーナツやバウンドケーキなどの菓子、煎餅、餅、パンなど(以下菓子類と呼ぶ)を製造する方法に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明はオカラとコンニャク原料を均一に混合しアルカリで凝固させたものをすりつぶし、それと小麦粉や米粉などの菓子類の生地となる粉(以下生地粉と呼ぶ)を混和してなることによって、オカラを混入したことによるパサパサ感を抑え、しっとりした食感を提供できることを特徴とする。
【0013】
本発明はオカラと生地粉と湿潤状態で混練されると生地が硬くなりパサパサ感がでてくるが、オカラをコンニャクと混合して凝固させたものを用いることによって、オカラのパサパサ感が消滅し、しかもしっとりとした食感を与える作用に着目してなされた。
【0014】
また、本発明は、コンニャクをアルカリによって凝固させる前にオカラとコンニャクとを混練することによって、オカラのパサパサ感が消滅する現象を発見してなされたものであり、アルカリによって凝固したコンニャクをすりつぶしてオカラと混練したものではオカラのパサパサ感は消えないので、この方法によって得られた菓子類は本発明の目的に適していないし、オカラとコンニャク粉と生地粉を混合した後にアルカリで処理したものは全体で凝固しているので過剰のアルカリを除去するのが困難で、本発明においては採用できない。
【発明の効果】
【0015】
本発明によって、オカラとコンニャクとを混練した状態で凝固してなるので、オカラのパサパサ感が消えた状態で生地粉と混合でき、その後焼いたり、揚げたり、蒸したりする通常の菓子類の製造工程で行なわれる加熱処理によって、しっとりした食感の菓子類を提供できる。
【0016】
しかも本発明は簡便な方法で食物繊維を多く含むオカラと食物繊維の多いコンニャクを含んでなる菓子用類を提供でき、健康食品材料としても抵抗なく利用できる。
【0017】
本発明において、オカラとコンニャクとを混練する際に、粘稠剤として生たまごや長芋をすったものなど、より食感を滑らかにするものを混ぜることによって、菓子類の食感をさらに向上させることができる。
【0018】
また、本発明の製造工程において、必要に応じて砂糖・蜂蜜・塩などの甘味料・調味料、重曹などの膨潤剤、ハーブなどの香料等や、目的の菓子の特性に応じて卵・牛乳・バターなどの添加剤は適宜行うことは当然であるが、通常の菓子類製造に用いられている添加剤によって、オカラのパサパサ感が発現することはない。
【発明を実施するための最良の形態・実施例】
【0019】
以下、本発明の実施例を説明する。
乾燥時の重量で30〜85重量部のオカラを水分率が70〜90%になるように水を含ませて均一に練ったものに、70〜15重量部のコンニャク原料を入れて均一に混和し、その後アルカリ液によって凝固させる。
アルカリ液は1.5〜3%の水酸化カルシウム水溶液で30〜80℃、コンニャク原料の2〜3倍の量が適している。
オカラとコンニャクが混合した塊を適宜に切り分け、約30分ゆでて過剰のアルカリ分を除去し、しかる後ミキサーによってすりつぶし、その10〜40重量部に生地粉と添加剤とをあわせたもの重量90〜60部を混合して加熱処理し菓子類を製造する。
オカラが85部を越えると出来上がった菓子類にパサパサ感が発現し、また15%未満の場合はコンニャク独特のヌメリと腰が発現し、本来の目的とする菓子類の食感にならないので、オカラ30〜85部が好ましく用いられる。
オカラとコンニャクとの塊の割合が10重量部未満だと食物繊維は十分補給されているとは言いがたく、また40重量部を越えると菓子類の生地粉本来の食感が薄れることとなる。
【0020】
第2の実施例を説明する。
乾燥時の重量で30〜85部のオカラを水分率が70〜90%になるように水を含ませて均一に練ったものに、70〜15部のコンニャク原料とコンニャク原料の5.0倍以下の粘稠剤を入れて均一に混和し、その後アルカリ液によって凝固させたのち、過剰のアルカリ分を除去し、しかる後ミキサーによってすりつぶし、その重量10〜40重量部に生地粉と添加剤とをあわせたもの重量90〜60部を混合して菓子類を製造する。
粘稠剤は生たまごや長芋をすったものが適しているが、ニワトリ、あひる、などの生たまご、長芋、里芋、レンコン、ジャガイモ等のイモ類をすったものであるが、これにこだわるものではない。
生たまごなどの粘稠剤の量が5倍を越えると、菓子類の生地がベトベトとしたものになり、本来の目的とする菓子類の食感にはなりがたいので、本発明では粘稠剤の量は5倍以下が好ましく用いられる。
【0021】
第3の実施例をその製造工程とともに説明する。
乾燥時の重量で3kgのオカラを70℃の温水12リットルで均一に練ったものに、1.5kgのコンニャク原料を均一に混和し、その後2.5%の100℃の水酸化カルシウム水溶液4リットルによって凝固させたのち、多量の水で煮沸して過剰のアルカリ分を除去し、42kgのオカラとコンニャクの塊を得、しかる後ミキサーによってすりつぶし、その80gと薄力粉200g、ニワトリのタマゴ60gと砂糖30g、バター40g、ベーキングパウダー2gと牛乳50gを良く混ぜて生地を作り、15個のドーナツ型にして170℃のサラダオイルで揚げた。
オカラが混入されていることを感じさせない、滑らかなしっとりした舌触りのドーナツを得ることができた。
【0022】
第4の実施例をその製造工程とともに説明する。
乾燥時の重量で3kgの生オカラ(水分率が80%)に、1.4kgのコンニャク原料と粘稠剤としてニワトリの生たまご2.7kgを入れて均一に混和し、その後2.5%の100℃の水酸化カルシウム水溶液によって凝固させたのち、過剰のアルカリ分を除去し45kgの塊を得、しかる後ミキサーによってすりつぶし、その重量20gに小麦粉と添加剤とが予め配合されている試販のドーナツ素材「ドーナツミックス」(日本食研株式会社製)80gを混ぜて、170℃加熱されたサラダオイルで揚げたところ、オカラが混入されていることを感じさせない滑らかな舌触りのドーナツを得ることができた。
【0023】
第5の実施例をその製造工程とともに説明する。
乾燥時の重量で3kgのオカラを水分率が80%になるように12リットルの水を含ませて均一に練ったものに、1.5kgのコンニャク原料を均一に混和し、その後2.5%水酸化カルシウム液によって凝固させ、過剰のアルカリ分を除去し、しかる後ミキサーによってすりつぶし、その80gと小麦粉80g、砂糖8g、ベーキングパウダー2g、サラダオイル6と牛乳40gを良く混ぜて生地を作り、5×10×50mm程度の短冊に切って、160℃のサラダオイルで加熱処理して、それを煮沸した黒砂糖水溶液に入れてカリントウを得た。
オカラが混入されていることを感じさせない滑らかな舌触りで歯ごたえがサクサクしているカリントウを得ることができた。
【0024】
第6の実施例をその製造工程とともに説明する。
乾燥時の重量で3kgの生オカラ(水分率が80%)に、1.4kgのコンニャク原料と添加物としてニワトリの生たまご2.7kgを入れて均一に混和し、その後アルカり液によって凝固させ、過剰のアルカリ分を除去し、しかる後ミキサーによってすりつぶし、その重量30gと薄力粉120gを良く混ぜたもの、タマゴ130gと砂糖60g、バター100g、アーモンドパウダー30gとを良く混ぜて泡立てた生地を約30分間寝かせ、しかる後クッキーの形に整え、180℃のオーブンで約15分焼きあげた。
オカラが混入されていることを感じさせない、滑らかなしっとりした舌触りのクッキーを得ることができた。
【出願人】 【識別番号】503360285
【氏名又は名称】有限会社カネ久越後屋商店
【出願日】 平成15年8月25日(2003.8.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−65680(P2005−65680A)
【公開日】 平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願番号】 特願2003−343784(P2003−343784)