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【発明の名称】 冷菓分給装置
【発明者】 【氏名】岩田 務
【住所又は居所】愛知県豊明市栄町南館3番の16 ホシザキ電機株式会社内

【要約】 【課題】この発明は、装填された分給容器を十分に押圧して冷菓の残留を防止することができる冷菓分給装置を提供することを課題とする。

【解決手段】ピストン10を上下動自在に収容するシリンダ2の下端部に、冷菓分給容器を収容するための凹状の注出部15が画成され、注出部15の底部に注出口16が開口している。注出部15とピストン10の間に位置するシリンダ2の側部には、注出部15に冷菓分給容器を装填するための開口部17が形成されている。冷菓が充填された冷菓分給容器を開口部17を通して注出部15に装填し、ポンプモータ5を駆動させてピストン10を下降させると、冷菓分給容器が押圧され、冷菓がシリンダ2の注出口16から注出される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストンにより分給容器を押圧して分給容器内に充填された冷菓を注出する冷菓分給装置において、
装置本体の上部に配置されると共にその下端部に分給容器を収容するための注出部と冷菓注出口とが画成されたシリンダと、
前記シリンダ内の上部に上下動自在に収納されたピストンと
を備え、
前記シリンダの注出部内に装填された分給容器を前記ピストンで押圧することにより分給容器内の冷菓を冷菓注出口から注出することを特徴とする冷菓分給装置。
【請求項2】
注出部に分給容器を装填するための開口部が前記シリンダの側部に形成されている請求項1に記載の冷菓分給装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷菓分給装置に係り、特にピストンにより分給容器を押圧して分給容器内に充填された冷菓を注出する冷菓分給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の冷菓分給装置においては、冷菓が充填された分給容器を装填する注出部と、分給容器を上方から押圧して冷菓を注出させる押圧機構部とが互いに分離して設けられていた。例えば特許文献1には、分給装置を装填した後に注出部を移動させて押圧機構部の直下に固定し、この状態で冷菓の注出を行う装置が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−70423号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、注出部を移動するための移動機構部が必要となり、この移動機構部の組み付け隙間や分給容器を固定する箇所の材質等により、押圧機構部の押圧力が吸収され、分給容器を十分に押圧し得ない虞があった。押圧力が充分に伝わらないと、分給容器内の冷菓を最後まで注出することができず、容器内に残った冷菓を廃棄せざるを得ないという問題点が生じてしまう。
また、従来の冷菓分給装置では、注出部と押圧機構部とが互いに分離していたので、ピストンによる圧力が接続部等に作用し、このため装置の耐久性が低下していた。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、装填された分給容器を十分に押圧して冷菓の残留を防止することができると共に優れた耐久性を有する冷菓分給装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る冷菓分給装置は、ピストンにより分給容器を押圧して分給容器内に充填された冷菓を注出する冷菓分給装置において、装置本体の上部に配置されると共にその下端部に分給容器を収容するための注出部と冷菓注出口とが画成されたシリンダと、シリンダ内の上部に上下動自在に収納されたピストンとを備え、シリンダの注出部内に装填された分給容器をピストンで押圧することにより分給容器内の冷菓を冷菓注出口から注出するものである。
なお、注出部に分給容器を装填するための開口部をシリンダの側部に形成することが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1にこの発明の実施の形態に係る冷菓分給装置の概略構成を示す。本体1内の上部にシリンダ2が配設され、下部には配管3を介してブラインタンク4からブラインをシリンダ2へ送出するポンプモータ5と電装箱6が配置されている。シリンダ2の直下に位置する本体1の中央部は開放されており、ここに冷菓を受け取る収容容器を載置するための載置台7が形成されている。また、本体1の上部前面には、使用者が装置を動作させる際に操作する操作部8が配置されると共にシリンダ2内へ後述する冷菓分給容器を装填するための開閉扉9が設けられている。
【0007】
図2に示されるように、シリンダ2内の上部にはピストン10が上下動自在に収容されている。ピストン10は、その上部にブラインタンク4からのブライン11を受ける凹部12を有するほぼ円柱形状を呈しており、外周部に嵌め込まれたダストシール13によりシリンダ2の内壁面に密着しながら上下方向に摺動し得るように構成されている。なお、シリンダ2内には、ピストン10の段部10aと係合することによりピストン10の最下位位置を規定するための段差14が形成されている。
【0008】
シリンダ2の下端部には、冷菓分給容器を収容するための凹状の注出部15が画成されており、注出部15の底部に注出口16が開口されている。また、注出部15とピストン10の間に位置するシリンダ2の側部には、注出部15に冷菓分給容器を装填するための開口部17が形成されている。
【0009】
ここで、この冷菓分給装置に使用される冷菓分給容器21を図3に示す。冷菓分給容器21は、ほぼ円筒状の全体形状を有しており、ピストン10から押圧力を受ける第1の部材22と、容器の底部を形成する第2の部材23と、第1の部材22と第2の部材23とをつないでこれらの間に冷菓充填空間Vを形成する環状の連結部材24とを有している。
【0010】
第1の部材22は、ピストン10の下端部に係合すると共に冷菓充填空間Vの上端を閉じる蓋部材25と、この蓋部材25を受け止める第1のリング部材26と、第1のリング部材26の内側に嵌入される補助リング27とを含んでいる。蓋部材25は、補助リング27の内側に嵌入する凹状の形状を有し、これによりピストン10の下端部で蓋部材25が下方へ押圧されたときに第1のリング部材26及び補助リング27と密着して冷菓充填空間Vからの冷菓の漏れを防止するように構成されている。
【0011】
また、第2の部材23は、第1のリング部材26の下方に位置する第2のリング部材28と、第2のリング部材28の内側に嵌入されて第2のリング部材28と一体に形成されると共に冷菓注出用の十字形の開口部29が形成された底板部材30と、底板部材30の開口部29を脱着自在に閉じるキャップ31とを含んでいる。
連結部材24は、ピストン10からの押圧力により変形可能なフィルム材からなり、図4に示されるように、その上端部が第1のリング部材26と補助リング27との間に圧着挟持され、下端部が第2のリング部材28と底板部材30との間に圧着挟持されている。
【0012】
さらに、連結部材24の外周部には、第1のリング部材26と第2のリング部材28との間をつなぐように環状のカバー部材32が配設されている。このカバー部材32は、冷菓充填空間Vへ冷菓を充填する際に容器21の形状を保持する役目と冷菓充填後の輸送時等における連結部材24の保護の役目を併せ持っている。カバー部材32は、切り取り線33及び34を介して第1のリング部材26及び第2のリング部材28と一体に形成されており、切り取り線33及び34により第1のリング部材26及び第2のリング部材28から剥離除去することができる。
【0013】
図5に示されるように、キャップ31の上部には、底板部材30の十字形の開口部29を塞ぐように十字形の突状部35が形成され、下部には冷菓注出の際に底板部材30からキャップ31を引き抜くための取っ手36が形成されている。また、図3に示されるように、キャップ31が底板部材30の開口部29に取り付けられたときに、取っ手36の底面が第2のリング部材28及び底板部材30の下端部と同一高さとなるように取っ手36の高さが設定されており、冷菓の充填時に容器21の自重による底板部材30の変形と冷菓の漏れを防止するように構成されている。
【0014】
蓋部材25、第1のリング部材26、補助リング27、第2のリング部材28、底板部材30、キャップ31及びカバー部材32は、それぞれ例えば所定厚さのポリエチレン材からなり、所定の剛性を有している。
また、連結部材24は、例えば直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)/エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)からなり、ピストン10からの押圧力により容易に変形し得る可撓性を有している。
【0015】
次に、この実施の形態に係る冷菓分給装置による冷菓の注出方法について説明する。まず、図6に示されるように、冷菓分給容器21の冷菓充填空間V内に冷菓を充填した後、補助リング27の内側に蓋部材25を嵌入して冷菓充填空間Vを閉じる。そして、この容器21を冷菓分給装置に装填する前に底板部材30からキャップ31を取り外す。これにより、図7に示されるように、底板部材30の十字形の開口部29が開放される。なお、底板部材30には、十字形の開口部29のそれぞれの先端部をつなぐように曲がり溝37が形成されている。
【0016】
ここで、冷菓分給装置の開閉扉9を開け、図8に示されるように、シリンダ2の開口部17を通して容器21を注出部15に装填する。このとき、注出部15内の底面の上に容器21の底板部材30の下面が当接し、十字形の開口部29がシリンダ2の注出口16の直上に位置する。また、注出部15の内周面に容器21の第1のリング部材26及び第2のリング部材28が当接し、容器21が注出部15内に嵌め込まれる。
【0017】
そして、載置台7に収容容器を載置した状態で操作部8の操作により、ポンプモータ5を駆動させて、図9に示されるように、ブラインタンク4からブライン11をシリンダ2へ送出すると、ピストン10がシリンダ2内を摺動して下降する。これにより、図10に示されるように、ピストン10の下端部が凹状の蓋部材25に係合して下方へ押圧し、冷菓充填空間V内に充填された冷菓が底板部材30の十字形の開口部29及びシリンダ2の注出口16を通って下方へ注出される。このとき、蓋部材25と共に第1のリング部材26及び補助リング27が下方へ押圧され、フィルム材からなる連結部材24が容易に小刻みに折り畳まれるように変形する。また、冷菓の圧力により、図11に示されるように、底板部材30の十字形の開口部29はシリンダ2の注出口16を支えとして曲がり溝37から変形し、冷菓はシリンダ2の注出口16に接触することなく注出される。
【0018】
載置台7に載置された収容容器に所望量の冷菓が注出されたところで、操作部8の操作により、ポンプモータ5を停止させれば、ピストン10の下降が停止し、冷菓の注出も停止される。
【0019】
このようにしてブラインタンク4からシリンダ2へのブライン11の送出により冷菓の注出が進んで、図12に示されるように、ピストン10の段部10aがシリンダ2内の段差14に当接したところで、冷菓の注出が終了する。このとき、図13に示されるように、容器21の連結部材24が折り畳まれて冷菓充填空間Vが最小限にまで縮小され、充填されていた冷菓が残留することなく注出される。なお、この注出終了状態において、ピストン10の下端部がシリンダ2の注出部15の底面から適度な間隔をもって接触しないように設定されている。
【0020】
なお、冷菓分給容器21としては、冷菓を注出するために図4に示したような十字形の開口部29を有するものに限らず、例えば図14に示されるように、底板部材30に米字形の開口部29を形成することもできる。このような米字形の開口部29によっても、図15のように、ピストン10を下降させた際に開口部29が曲がり溝37から変形して大きく広がり、冷菓漏れを生じることなく、冷菓を注出することが可能となる。
底板部材30の開口部29の形状は、上述した十字形、米字形に限るものではなく、種々の形状とすることができる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、装置本体の上部に配置されるシリンダの下端部に分給容器を収容するための注出部と冷菓注出口とを画成すると共にシリンダ内の上部に上下動自在にピストンを収納し、注出部内に装填された分給容器をピストンで押圧することにより分給容器内の冷菓を冷菓注出口から注出するようにしたので、装填された分給容器を十分に押圧して、残留冷菓を生じることなく冷菓を注出することが可能となる。また、シリンダの下端部に注出部と冷菓注出口とが画成されているので、装置の耐久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る冷菓分給装置を示す側面図である。
【図2】冷菓分給装置のシリンダ及びブライン供給系を示す図である。
【図3】実施の形態で用いられた冷菓分給容器を示す断面図である。
【図4】蓋部材を外した状態の冷菓分給容器を示す平面図である。
【図5】キャップを示し、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は底面図である。
【図6】冷菓分給装置への装填前の冷菓分給容器を示す断面図である。
【図7】冷菓分給装置への装填前の冷菓分給容器を示す底面図である。
【図8】冷菓分給容器が装填された冷菓分給装置の注出部を示す断面図である。
【図9】冷菓注出時の冷菓分給装置のシリンダ及びブライン供給系を示す図である。
【図10】冷菓注出時の冷菓分給装置の注出部を示す断面図である。
【図11】冷菓注出時の冷菓分給容器の底板部材の開口部を示す底面図である。
【図12】冷菓注出完了時の冷菓分給装置のシリンダ及びブライン供給系を示す図である。
【図13】冷菓注出完了時の冷菓分給装置の注出部を示す断面図である。
【図14】他の冷菓分給容器の底板部材の開口部を示す底面図である。
【図15】冷菓注出時における他の冷菓分給容器の底板部材の開口部を示す底面図である。
【符号の説明】
1 本体、2 シリンダ、3 配管、4 ブラインタンク、5 ポンプモータ、6 電装箱、7 載置台、8 操作部、9 開閉扉、10 ピストン、11 ブライン、12 凹部、13 ダストシール、14 段差、15 注出部、16注出口、17 開口部、21 冷菓分給容器、22 第1の部材、23 第2の部材、24 連結部材、25 第1のリング部材、27 補助リング、28 第2のリング部材、29 開口部、30 底板部材、31 キャップ、32 カバー部材、33,34 切り取り線、35 突状部、36 取っ手、37 曲がり溝、V 冷菓充填空間。
【出願人】 【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ電機株式会社
【住所又は居所】愛知県豊明市栄町南館3番の16
【出願日】 平成15年8月22日(2003.8.22)
【代理人】 【識別番号】100057874
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照

【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治

【識別番号】100084010
【弁理士】
【氏名又は名称】古川 秀利

【識別番号】100094695
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 憲七

【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順

【識別番号】100117776
【弁理士】
【氏名又は名称】武井 義一

【公開番号】 特開2005−65510(P2005−65510A)
【公開日】 平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願番号】 特願2003−208462(P2003−208462)