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【発明の名称】 冷菓分給容器
【発明者】 【氏名】岩田 務
【住所又は居所】愛知県豊明市栄町南館3番の16 ホシザキ電機株式会社内

【要約】 【課題】この発明は、冷菓漏れを生じることなく冷菓を注出することができる冷菓分給容器を提供することを課題とする。

【解決手段】ピストン10によって蓋部材25が下方へ押圧されると、冷菓充填空間V内に充填された冷菓が底板部材30の十字形の開口部29及びシリンダ2の注出口16を通って下方へ注出される。このとき、蓋部材25と共に第1のリング部材26及び補助リング27が下方へ押圧され、フィルム材からなる連結部材24が容易に小刻みに折り畳まれるように変形する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷菓が充填されると共にピストンにより押圧されて内部の冷菓を注出する冷菓分給容器において、
ピストンから押圧力を受ける第1の部材と、
容器の底部を形成する第2の部材と、
第1の部材と第2の部材とをつないでこれらの間に冷菓充填空間を形成し且つピストンからの押圧力により変形可能な環状の連結部材と
を備えたことを特徴とする冷菓分給容器。
【請求項2】
第1の部材は、
ピストンの先端部に係合すると共に冷菓充填空間の一端を閉じる蓋部材と、
前記蓋部材を受け止める第1のリング部材と
を含む請求項1に記載の冷菓分給容器。
【請求項3】
第2の部材は、
第2のリング部材と、
冷菓充填空間の他端を閉じるように第2のリング部材に一体に形成されると共に冷菓を注出するための開口部が形成された底板部材と、
前記底板部材の開口部を脱着自在に閉じるキャップと
を含む請求項1または2に記載の冷菓分給容器。
【請求項4】
前記連結部材が変形しないように第1の部材と第2の部材との間に配置されると共に冷菓注出の際には除去されるカバー部材をさらに備えた請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷菓分給容器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷菓分給容器に係り、特に冷菓が充填されると共にピストンにより押圧されて内部の冷菓を注出する冷菓分給容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、冷菓を冷菓分給容器に充填し、ピストンにより冷菓分給容器を押圧することにより容器から冷菓を注出しようとする冷菓分給装置が知られている。この種の冷菓分給装置に用いられる冷菓分給容器として、例えば特許文献1には、容器本体内をスライドし得る蓋部材を有し、この蓋部材をピストンで押圧してスライドさせることにより容器本体内部の冷菓を押し出す容器が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−61587号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、容器本体の内部壁面と蓋部材の外側面との間に高い密着度が要求され、密着度を保持することができないと、そこに生じた隙間から冷菓が漏れ出す虞があった。また、密着度を保持するために高い寸法精度が必要となるが、冷菓の運搬時や冷菓分給装置への容器の装填時に打痕等の僅かな変形や歪みを生じると、それにより冷菓漏れを来す虞があった。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、冷菓漏れを生じることなく冷菓を注出することができる冷菓分給容器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る冷菓分給容器は、冷菓が充填されると共にピストンにより押圧されて内部の冷菓を注出する冷菓分給容器において、ピストンから押圧力を受ける第1の部材と、容器の底部を形成する第2の部材と、第1の部材と第2の部材とをつないでこれらの間に冷菓充填空間を形成し且つピストンからの押圧力により変形可能な環状の連結部材とを備えたものである。
【0006】
なお、第1の部材は、ピストンの先端部に係合すると共に冷菓充填空間の一端を閉じる蓋部材と、蓋部材を受け止める第1のリング部材とを含むように構成することができる。一方、第2の部材は、第2のリング部材と、冷菓充填空間の他端を閉じるように第2のリング部材に一体に形成されると共に冷菓を注出するための開口部が形成された底板部材と、底板部材の開口部を脱着自在に閉じるキャップとを含むように構成することができる。
さらに、連結部材が変形しないように第1の部材と第2の部材との間にカバー部材を配置し、冷菓注出の際にこのカバー部材を除去するように構成することが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1にこの発明の実施の形態1に係る冷菓分給容器を使用する冷菓分給装置の概略構成を示す。本体1内の上部にシリンダ2が配設され、下部には配管3を介してブラインタンク4からブラインをシリンダ2へ送出するポンプモータ5と電装箱6が配置されている。シリンダ2の直下に位置する本体1の中央部は開放されており、ここに冷菓を受け取る収容容器を載置するための載置台7が形成されている。また、本体1の上部前面には、使用者が装置を動作させる際に操作する操作部8が配置されると共にシリンダ2内へ後述する冷菓分給容器を装填するための開閉扉9が設けられている。
【0008】
図2に示されるように、シリンダ2内の上部にはピストン10が上下動自在に収容されている。ピストン10は、その上部にブラインタンク4からのブライン11を受ける凹部12を有するほぼ円柱形状を呈しており、外周部に嵌め込まれたダストシール13によりシリンダ2の内壁面に密着しながら上下方向に摺動し得るように構成されている。なお、シリンダ2内には、ピストン10の最下位位置を規定するための段差14が形成されている。
【0009】
シリンダ2の下端部には、冷菓分給容器を収容するための凹状の注出部15が画成されており、注出部15の底部に注出口16が開口されている。また、注出部15とピストン10の間に位置するシリンダ2の側部には、注出部15に冷菓分給容器を装填するための開口部17が形成されている。
【0010】
ここで、この実施の形態1に係る冷菓分給容器21を図3に示す。冷菓分給容器21は、ほぼ円筒状の全体形状を有しており、ピストン10から押圧力を受ける第1の部材22と、容器の底部を形成する第2の部材23と、第1の部材22と第2の部材23とをつないでこれらの間に冷菓充填空間Vを形成する環状の連結部材24とを有している。
【0011】
第1の部材22は、ピストン10の下端部に係合すると共に冷菓充填空間Vの上端を閉じる蓋部材25と、この蓋部材25を受け止める第1のリング部材26と、第1のリング部材26の内側に嵌入される補助リング27とを含んでいる。蓋部材25は、補助リング27の内側に嵌入する凹状の形状を有し、これによりピストン10の下端部で蓋部材25が下方へ押圧されたときに第1のリング部材26及び補助リング27と密着して冷菓充填空間Vからの冷菓の漏れを防止するように構成されている。
【0012】
また、第2の部材23は、第1のリング部材26の下方に位置する第2のリング部材28と、第2のリング部材28の内側に嵌入されて第2のリング部材28と一体に形成されると共に冷菓注出用の十字形の開口部29が形成された底板部材30と、底板部材30の開口部29を脱着自在に閉じるキャップ31とを含んでいる。
連結部材24は、ピストン10からの押圧力により変形可能なフィルム材からなり、図4に示されるように、その上端部が第1のリング部材26と補助リング27との間に圧着挟持され、下端部が第2のリング部材28と底板部材30との間に圧着挟持されている。
【0013】
さらに、連結部材24の外周部には、第1のリング部材26と第2のリング部材28との間をつなぐように環状のカバー部材32が配設されている。このカバー部材32は、冷菓充填空間Vへ冷菓を充填する際に容器21の形状を保持する役目と冷菓充填後の輸送時等における連結部材24の保護の役目を併せ持っている。カバー部材32は、切り取り線33及び34を介して第1のリング部材26及び第2のリング部材28と一体に形成されており、切り取り線33及び34により第1のリング部材26及び第2のリング部材28から剥離除去することができる。
【0014】
図5に示されるように、キャップ31の上部には、底板部材30の十字形の開口部29を塞ぐように十字形の突状部35が形成され、下部には冷菓注出の際に底板部材30からキャップ31を引き抜くための取っ手36が形成されている。また、図3に示されるように、キャップ31が底板部材30の開口部29に取り付けられたときに、取っ手36の底面が第2のリング部材28及び底板部材30の下端部と同一高さとなるように取っ手36の高さが設定されており、冷菓の充填時に容器21の自重による底板部材30の変形と冷菓の漏れを防止するように構成されている。
【0015】
蓋部材25、第1のリング部材26、補助リング27、第2のリング部材28、底板部材30、キャップ31及びカバー部材32は、それぞれ例えば所定厚さのポリエチレン材からなり、所定の剛性を有している。
また、連結部材24は、例えば直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)/エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)からなり、ピストン10からの押圧力により容易に変形し得る可撓性を有している。
【0016】
次に、図1の冷菓分給装置とこの冷菓分給容器21を用いた冷菓の注出方法について説明する。まず、図6に示されるように、容器21の冷菓充填空間V内に冷菓を充填した後、補助リング27の内側に蓋部材25を嵌入して冷菓充填空間Vを閉じる。そして、この容器21を冷菓分給装置に装填する前にカバー部材32を剥離除去し、さらに底板部材30からキャップ31を取り外す。これにより、図7に示されるように、底板部材30の十字形の開口部29が開放される。なお、底板部材30には、十字形の開口部29のそれぞれの先端部をつなぐように曲がり溝37が形成されている。
【0017】
ここで、冷菓分給装置の開閉扉9を開け、シリンダ2の開口部17を通して容器21を注出部15に装填する。そして、載置台7に収容容器を載置した状態で操作部8の操作により、ポンプモータ5を駆動させてブラインタンク4からブライン11をシリンダ2へ送出すると、ピストン10が下降してピストン10の下端部が凹状の蓋部材25に係合する。さらにピストン10が下降すると、図8に示されるように、ピストン10によって蓋部材25が下方へ押圧され、冷菓充填空間V内に充填された冷菓が底板部材30の十字形の開口部29及びシリンダ2の注出口16を通って下方へ注出される。このとき、蓋部材25と共に第1のリング部材26及び補助リング27が下方へ押圧され、フィルム材からなる連結部材24が容易に小刻みに折り畳まれるように変形する。また、冷菓の圧力により、図9に示されるように、底板部材30の十字形の開口部29はシリンダ2の注出口16を支えとして曲がり溝37から変形し、冷菓はシリンダ2の注出口16に接触することなく注出される。
載置台7に載置された収容容器に所望量の冷菓が注出されたところで、操作部8の操作により、ポンプモータ5を停止させれば、ピストン10の下降が停止し、冷菓の注出も停止される。
【0018】
実施の形態2.
実施の形態2に係る冷菓分給容器は、実施の形態1の容器21において、図10に示されるように、底板部材30の開口部29を米字形としたものである。このような米字形の開口部29を底板部材30に形成しても、実施の形態1と同様に、図11の如く、ピストン10を下降させた際に連結部材24が容易に変形し、また図12のように、開口部29が曲がり溝37から変形して大きく広がり、冷菓漏れを生じることなく、冷菓を注出することが可能となる。
【0019】
なお、底板部材30の開口部29の形状は、上述した十字形、米字形に限るものではなく、種々の形状とすることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、ピストンから押圧力を受ける第1の部材と容器の底部を形成する第2の部材とを変形可能な環状の連結部材でつないでこれらの間に冷菓充填空間を形成したので、ピストンにより第1の部材を押圧したときに容易に連結部材が変形し、冷菓漏れを生じることなく冷菓を注出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1で用いられた冷菓分給装置を示す側面図である。
【図2】冷菓分給装置のシリンダ及びブライン供給系を示す図である。
【図3】実施の形態1に係る冷菓分給容器を示す断面図である。
【図4】蓋部材を外した状態の冷菓分給容器を示す平面図である。
【図5】キャップを示し、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は底面図である。
【図6】冷菓分給装置への装填前の冷菓分給容器を示す断面図である。
【図7】冷菓分給装置への装填前の冷菓分給容器を示す底面図である。
【図8】冷菓注出時における冷菓分給容器を模式的に示す断面図である。
【図9】冷菓注出時における冷菓分給容器の底板部材の開口部を示す底面図である。
【図10】実施の形態2に係る冷菓分給容器の底板部材の開口部を示す底面図である。
【図11】冷菓注出時における実施の形態2の冷菓分給容器を模式的に示す断面図である。
【図12】冷菓注出時における実施の形態2の冷菓分給容器の底板部材の開口部を示す底面図である。
【符号の説明】
1 本体、2 シリンダ、3 配管、4 ブラインタンク、5 ポンプモータ、6 電装箱、7 載置台、8 操作部、9 開閉扉、10 ピストン、11 ブライン、12 凹部、13 ダストシール、14 段差、15 注出部、16注出口、17 開口部、21 冷菓分給容器、22 第1の部材、23 第2の部材、24 連結部材、25 第1のリング部材、27 補助リング、28 第2のリング部材、29 開口部、30 底板部材、31 キャップ、32 カバー部材、33,34 切り取り線、35 突状部、36 取っ手、37 曲がり溝、V 冷菓充填空間。
【出願人】 【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ電機株式会社
【住所又は居所】愛知県豊明市栄町南館3番の16
【出願日】 平成15年8月22日(2003.8.22)
【代理人】 【識別番号】100057874
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照

【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治

【識別番号】100084010
【弁理士】
【氏名又は名称】古川 秀利

【識別番号】100094695
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 憲七

【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順

【識別番号】100117776
【弁理士】
【氏名又は名称】武井 義一

【公開番号】 特開2005−65509(P2005−65509A)
【公開日】 平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願番号】 特願2003−208461(P2003−208461)