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【発明の名称】 粒状ムース菓子用組合せ菓子、ムース状組成物成形用治具及び組合せ菓子を用いた粒状ムース菓子の製造方法。
【発明者】 【氏名】金澤 瑞穂
【住所又は居所】大阪府高槻市梶原6丁目20番1号 カネボウフーズ株式会社内

【氏名】西 絵里香
【住所又は居所】大阪府高槻市梶原6丁目20番1号 カネボウフーズ株式会社内

【要約】 【課題】喫食者が簡便に手作りで、成形性の良い大量の均一な粒状ムース菓子を作ることができ、視覚的変化や意外性に富む粒状ムース菓子用組合せ菓子、ムース状組成物成形用治具及び組合せ菓子を用いた粒状ムース菓子の製造方法を提供する。

【解決手段】別々に容器詰めされた下記(A)成分及び(B)成分とからなることを特徴とする粒状ムース菓子用組合せ菓子によって達成される。(A)酸成分と、アルカリ成分と、水溶性増粘剤及び蛋白系起泡剤の少なくとも一方とを含有し、水性媒体と会ってムース状組成物になるムース用粉末組成物。(B)ムース状組成物が成形されたムース状成形物の表面を被覆し、粒状ムース菓子を成形するための被覆用粉末。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
別々に容器詰めされた下記(A)成分及び(B)成分とからなることを特徴とする粒状ムース菓子用組合せ菓子。
(A)酸成分と、アルカリ成分と、水溶性増粘剤及び蛋白系起泡剤の少なくとも一方とを含有し、水性媒体と会ってムース状組成物になるムース用粉末組成物。(B)ムース状組成物が成形されたムース状成形物の表面を被覆し、粒状ムース菓子を成形するための被覆用粉末。
【請求項2】
(A)成分が水性媒体と会ってムース状組成物を形成した際に、固形分換算でムース状組成物全体重量中に酸成分1〜9重量%、アルカリ成分0.5〜9重量%、水溶性増粘剤及び蛋白系気泡剤の合計量1〜6重量%となるように(A)成分が設定されている請求項1記載の粒状ムース菓子用組合せ菓子。
【請求項3】
(A)成分が水性媒体と会ってムース状組成物を形成した際に、該ムース状組成物の粘度が7〜75Pa.sとなるように(A)成分が設定されている請求項1又は2記載の粒状ムース菓子用組合せ菓子。
【請求項4】
粒状ムース菓子を製造する際に用いる治具であって、
ムース状組成物を形成するためのムース状組成物形成用凹部と、
ムース状組成物形成用凹部内のムース状組成物を粒状に押出成形する押圧成形手段とを備えることを特徴とするムース状組成物成形用治具。
【請求項5】
押圧成形手段がムース状組成物形成用凹部と略同一形状であると共に、該ムース状組成物形成用凹部内に嵌合し得るトレイであり、且つ、トレイ底部に成形孔を設けてなる請求項4記載のムース状組成物成形用治具。
【請求項6】
更に請求項4又は5記載のムース状組成物成形用治具を組合せてなる請求項1乃至3の何れか1項に記載の粒状ムース菓子用組合せ菓子。
【請求項7】
下記(1)〜(4)の工程を備えてなることを特徴とする組合せ菓子を用いた粒状ムース菓子の製造方法。
(1)ムース状組成物形成用凹部内に、下記(A)成分と水性媒体とを投入し、混合してムース状組成物を形成する工程。
(A)酸成分と、アルカリ成分と、水溶性増粘剤及び蛋白系起泡剤の少なくとも一方とを含有し、水性媒体と会ってムース状組成物になるムース用粉末組成物。
(2)ムース状組成物形成用凹部内に形成されたムース状組成物上に、押圧成形手段を載置した後、該押圧成形手段内に下記(B)成分を投入する工程。
(B)ムース状組成物が成形されたムース状成形物の表面を被覆し、粒状ムース菓子を成形するための被覆用粉末。
(3)上記押圧成形手段でムース状組成物を押圧して、該ムース状組成物を成形孔から押し出し、ムース状成形物を得る工程。
(4)ムース状組成物成形用治具を振動することにより、上記ムース状成形物表面を(B)成分で被覆し、粒状ムース菓子を得る工程。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、喫食者が簡便に手作りで、均一で成形性の良い大量の粒状ムース菓子を作ることができる粒状ムース菓子用組合せ菓子、ムース状組成物成形用治具及び組合せ菓子を用いた粒状ムース菓子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、粘性のあるソフトな食品を手作りで楽しむための組合せ菓子としては、糖類と炭酸水素ナトリウムと水溶性増粘剤とを主成分とし、水と会ってペースト状になるペースト用粉末組成物(A成分)と、酸味料を必須成分とする発泡用粉末組成物(B成分)とからなる組合せ菓子が知られている。この組合せ菓子は、喫食者が上記ペースト用粉末組成物と発泡用粉末組成物とを、水と共に練ることにより、混合物が発泡、白濁して体積が膨張し、練り飴状菓子を得ることができるものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、粒状の菓子を手作りで楽しむための組合せ菓子としては、ガムベースと無水結晶麦芽糖と保湿成分とガム質成分とを含有したチューインガムを含水化工程を経由させて粉末化してなる粉末チューインガム成分(A成分)と、粉末チューインガム成分Aと接触しその接触部に水分を供給して上記接触部を固め塊状チューインガム化させるための液体成分(B成分)とからなる組合せチューインガムが知られている。この組合せチューインガムは、喫食者が容器中のA成分にB成分を数滴滴下して、容器を振動させることにより、複数個の粒状チューインガムを得るものである(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、その他には、α化澱粉、増粘多糖類、ゼラチンの中から選ばれた少なくとも一成分を含有する粉末成分(A成分)と、単糖類及び少糖類の中から選ばれた少なくとも一成分を含有し、当該成分の粒径が60メッシュ〜150メッシュオンである粉末成分(B成分)とからなる組合せ菓子が知られている。この組合せ菓子は、喫食者が容器中に上記(B)成分粉末を準備し、該(B)成分粉末中に上記(A)成分溶液を滴下し、容器を振動させることにより、塊状菓子を得ることができるものである(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
また、α化架橋澱粉と糖類と保形物質とを含有する組成物(A成分)と、半流動性食品と、底部近傍の外周面に押出孔を有するシリンダーとピストン部とからなる成形用治具を用いて、喫食者が多様な波線状の成形菓子を作ることが知られている(例えば、特許文献4参照。)。
【0006】
【特許文献1】
実公平3−33274号公報
【特許文献2】
特公平3−71099号公報
【特許文献3】
特開2002−360172号公報
【特許文献4】
特開平10−23861号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の組合せ菓子は、粘性が強い練り飴状菓子をスプーン等で混ぜて喫食するだけのものであり、例えば均一で成形性の良いムース状菓子をスプーンを使って調製しようとしても、粘性が強くて切れが悪く、成形することは実質不可能であることから、年少者にとっては視覚的変化や意外性に劣り、更なる創意工夫・改良の余地があった。
【0008】
また、特許文献2、3では、喫食者の液体成分の滴下量にバラツキがあり、粒状菓子の大きさが不均一になりやすく、均一で成形性の良い大量の粒状菓子を調製することは困難であった。
【0009】
また、特許文献4では、該文献に記載の成形用治具を用いては、粒状菓子の大きさが不均一になりやすく、例えば均一で成形性の良い大量の粒状菓子を調製することは困難であった。
【0010】
このように、上記特許文献1〜4の組合せ菓子では、喫食者が簡便に手作りで、均一成形性の良い大量のムース状菓子を作ることは不可能であり、視覚的変化や意外性を得るためには、更なる創意工夫、改良の余地があった。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、喫食者が簡便に手作りで、成形性の良い大量の均一な粒状ムース菓子を作ることができ、視覚的変化や意外性に富む粒状ムース菓子用組合せ菓子、ムース状組成物成形用治具及び組合せ菓子を用いた粒状ムース菓子の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、別々に容器詰めされた下記(A)成分及び(B)成分とからなることを特徴とする粒状ムース菓子用組合せ菓子によって達成される。
(A)酸成分と、アルカリ成分と、水溶性増粘剤及び蛋白系起泡剤の少なくとも一方とを含有し、水性媒体と会ってムース状組成物になるムース用粉末組成物。
(B)ムース状組成物が成形されたムース状成形物の表面を被覆し、粒状ムース菓子を成形するための被覆用粉末。
【0013】
好ましくは、(A)成分が水性媒体と会ってムース状組成物を形成した際に、固形分換算でムース状組成物全体重量中に酸成分1〜9重量%、アルカリ成分0.5〜9重量%、水溶性増粘剤及び蛋白系気泡剤の合計量1〜6重量%となるように(A)成分が設定されている。
【0014】
更に好ましくは、(A)成分が水性媒体と会ってムース状組成物を形成した際に、該ムース状組成物の粘度が7〜75Pa.sとなるように(A)成分が設定されている。
【0015】
また、上記の目的は、粒状ムース菓子を製造する際に用いる治具であって、
ムース状組成物を形成するためのムース状組成物形成用凹部と、
ムース状組成物形成用凹部内のムース状組成物を粒状に押出成形する押圧成形手段とを備えることを特徴とするムース状組成物成形用治具によって達成される。
【0016】
好ましくは、押圧成形手段がムース状組成物形成用凹部と略同一形状であると共に、該ムース状組成物形成用凹部内に嵌合し得るトレイであり、且つ、トレイ底部に成形孔を設けてなる。
【0017】
更に好ましくは、組合せ菓子にムース状組成物成形用治具を組合せる。
【0018】
また、上記の目的は、下記(1)〜(4)の工程を備えてなることを特徴とする組合せ菓子を用いた粒状ムース菓子の製造方法によって達成される。
(1)ムース状組成物形成用凹部内に、下記(A)成分と水性媒体とを投入した後、混合してムース状組成物を形成する工程。
(A)酸成分と、アルカリ成分と、水溶性増粘剤及び蛋白系起泡剤の少なくとも一方とを含有し、水性媒体と会ってムース状組成物になるムース用粉末組成物。
(2)ムース状組成物形成用凹部内に形成されたムース状組成物上に、押圧成形手段を載置した後、該押圧成形手段内に下記(B)成分を投入する工程。
(B)ムース状組成物が成形されたムース状成形物の表面を被覆し、粒状ムース菓子を成形するための被覆用粉末。
(3)上記押圧成形手段でムース状組成物を押圧して、該ムース状組成物を成形孔から押し出し、ムース状成形物を得る工程。
(4)ムース状組成物成形用治具を振動することにより、上記ムース状成形物表面を(B)成分で被覆し、粒状ムース菓子を得る工程。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を詳しく説明する。
まず、本発明の組合せ菓子は、ムース用粉末組成物と被覆用粉末とが別々に容器詰めされており、粒状ムース菓子を得るための組合せ菓子である。
本発明でいう粒状ムース菓子とは、予め調製された塊状のムース状組成物を分割、成形したムース状成形物を、被覆用粉末で被覆したムース菓子を指すものである。その形状は、球状、楕円状、紐状、直方体状等が挙げられ、塊状ムース状組成物を分割、成形したものであれば特に限定するものではない。
【0020】
本発明に係るムース用粉末組成物は、酸成分と、アルカリ成分と、水溶性増粘剤及び蛋白系起泡剤の少なくとも一方とを含有するものであり、水性媒体と会ってムース状組成物となるものである。
【0021】
上記酸成分としては、クエン酸、リンゴ酸、フマール酸、乳酸、酢酸、酒石酸等の有機酸類や、これらを主体とする醸造酢、梅酢、果実酢、果汁などの粉体物、顆粒状物等が挙げられ、これらの中から適宜選択して単独もしくは複数組合せて用いればよい。この中でも、特にクエン酸、酒石酸は、ムース状組成物の成形性及び風味の点で好適である。
【0022】
上記アルカリ成分としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸化合物等が挙げられ、これらの中から適宜選択して単独もしくは複数組合せて用いればよい。この中でも、特に炭酸水素ナトリウムは、ムース状組成物の成形性及び風味の点で好適である。
【0023】
なお、上記酸成分及びアルカリ成分は、造粒物を用いることが、ムース用粉末組成物の経日安定性に優れる点で望ましい。
【0024】
本発明に係るムース用粉末組成物に用いる水溶性増粘剤及び蛋白系起泡剤は、少なくとも一方を含有すればよく、好適には両者を用いることが、均一成形性、食感及び風味の点で好適である。
【0025】
上記水溶性増粘剤としては、水に可溶の天然ガム質であれば特に限定するものではなく、例えば、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、プルラン等が挙げられ、適宜選択して単独もしくは数種組合せて用いればよい。この中でも、特にキサンタンガム、ローカストビーンガム、プルランは、均一成形性及び食感の点で好適である。
【0026】
上記蛋白系起泡剤としては、卵白粉末、起泡性蛋白質(乳蛋白質等)等が挙げられ、適宜選択して単独もしくは数種組合せて用いればよい。この中でも、特に卵白粉末、乳蛋白質は、均一成形性、食感及び風味の点で好適である。
【0027】
上記成分の含有量は、ムース状組成物とした際に、ムース状組成物全体重量中、好ましくは酸成分が1〜9重量%、アルカリ成分が0.5〜9重量%、水溶性増粘剤及び蛋白系起泡剤の合計量が1〜6重量%となるようにムース用粉末組成物が設定されていることが、ムース状組成物の均一成形性及び風味の点で好適である。
なお、酸成分とアルカリ成分との両者の比率は、酸成分1に対してアルカリ成分0.4〜1に設定することが、ムース状組成物の均一成形性及び風味の点で好適である。
【0028】
本発明に係るムース用粉末組成物は、上記成分以外に、副原料として糖類、香料、色素等を適宜含有してもよい。
【0029】
なお、本発明に係るムース用粉末組成物は、ムース状組成物となった際に、その粘度が好適には7〜75Pa.s、更に好適には50〜70Pa.sとなるようにその成分構成及び含有量が設定されていることが、均一成形性及び食感の点で好適である。
上記粘度測定は、ムース状組成物をB型粘度計を用いて測定することにより行われる。
【0030】
次に、本発明に係る被覆用粉末は、ムース状組成物が成形されたムース状成形物に接触することにより、該ムース状成形物表面を被覆し、粒状ムース菓子が成形できればどのような粉末でもよい。
【0031】
上記被覆用粉末の形態は、粉体物、顆粒状物等が挙げられ、これらの中から適宜選択して用いればよい。その粒径は、最長径が3.5メッシュより小さい粉末であることがムース状成形物表面の被覆性の点で好適である。なお、上記粒径は、全粉末の50重量%以上であればよく、更に好ましくは70重量%以上が望ましい。
【0032】
上記被覆用粉末に用いる原料としては、例えば、砂糖、高甘味度甘味料、乳糖、ブドウ糖、デキストリン(澱粉分解物)オリゴ糖、果糖、麦芽糖、粉末水飴、α化穀類粉末(タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、ワキシーコーンスターチ等)等が挙げられ、適宜選択して単独もしくは複数組合せて用いればよい。この中でも、特に砂糖、α化澱粉、ブドウ糖、デキストリンは、ムース状成形物への被覆性及び風味の点で好適である。
【0033】
また、被覆用粉末には、上記成分以外に、副原料として糖類、香料、色素等を適宜含有してもよい。
【0034】
上記原料及び副原料は、そのまま用いてもよく、大きさによっては造粒、粉砕等の加工を施して、適宜粉体物、顆粒状物に成形すればよい。
【0035】
次に、本発明のムース状組成物成形用治具の第一の実施形態について、図面に基づき詳述する。なお、第一の実施形態の治具は、ムース状組成物形成用凹部と、押出成形手段とが分離されているタイプのものである。
図1は、ムース状組成物形成用トレイ凹部の一例を示す説明図であり、図2は、押圧成形手段の一例を示す説明図である。
まず、図1において、1はムース状組成物形成用トレイである。このムース状組成物形成用トレイ1は、ポリスチレン製であり、凹部2と、把持部3と、計量カップ4とで構成される。なお、この計量カップ4は、ムース状組成物を調製する際に、切り離し手段としてのミシン目5で切り離して用いるようになっている。
【0036】
上記凹部2は、ムース用粉末組成物と水性媒体とを混合してムース状組成物を形成するためのものである。その形状は、直径8cmの真円状であり、その深さは、17mmである。
【0037】
上記把持部3は、粒状ムース菓子を形成する工程において、ムース状組成物成形用治具を振動させる際に把持する部分である。この把持部3は、凹部周縁の平面部分であり、一角部は平面面積を大きく設けている。
【0038】
また、計量カップ4は、ムース状組成物を調製する際に用いる水性媒体を計量するためのものであって、カップ部に満杯充填で好適な水性媒体量となるように設計されている。
【0039】
次に、図2は、押圧成形手段の一例である押圧成形用トレイである。この押圧成形用トレイ10はポリプロピレン製の凹型であり、その底部11には成形孔12が形成されている。すなわち、押圧成形用トレイ10の底部11でムース状組成物を押圧し、該ムース状組成物を成形孔12から通過させることによって押出成形するものである。
【0040】
上記押圧成形用トレイ10の形状は、直径7.5cmの真円状、その深さは20mmであり、上述したムース状組成物形成用トレイ1の凹部2内に嵌合する形状となっている。
【0041】
また、成形孔12は、直径4mmの真円状であり、押圧成形トレイ10の底部11に均等間隔に8個形成されている。
【0042】
上述した第一の実施形態では、ムース状組成物形成用凹部と、押出成形手段とが分離されているタイプのものを例に説明したが、上記両者の少なくとも一部が連結されているタイプのものでもよく、着脱自在、切り離し自在のタイプのものでもよい。具体的に、連結されているタイプとしては、ムース状組成物形成用凹部の一部と押出成形手段の一部とがヒンジによって連結されているタイプ等が挙げられる。
【0043】
また、ムース状組成物形成用トレイ1の材質は、上記の例に限定するものではなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリビニル系樹脂等が挙げられ、適宜選択して用いればよい。
また、ムース状組成物形成用トレイ1の凹部2形状は、楕円等の円状、三角形、四角形、多角形、星形等でもよい。その径もそれぞれの形状にあわせて適宜選択すればよいが、円状の場合、好適には直径4〜10cmとすることが粒状ムース菓子の成形性の点で望ましい。その深さも適宜設定すればよいが、10〜40mm程度とすることが、同じく粒状ムース菓子の成形性の点で望ましい。
把持部3は、ムース状菓子を調製する工程において、ムース状組成物成形用治具を振動させる際に把持し得ればよく、その形状等は適宜設定すればよい。
ムース状組成物形成用トレイ1には、ミシン目5で切り離し可能な計量カップ4が設けられているが、これは任意である。設けない場合には、別途添付してもよく、家庭のコップ等を代用するようにしてもよい。
【0044】
また、押圧成形用トレイ10の材質は、上記の例に限定するものではなく、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリビニル系樹脂等が挙げられ、適宜選択して用いればよい。この中でも、比較的強度のある材質が好適であり、特に上記の例で用いたポリプロピレン製は成形性の点で好適である。
押圧成形用トレイ10の形状は、上記の例においては凹型であるが、板状等であってもよい。しかしながら、押圧のし易さ、ムース状組成物の成形性及び簡便性の点で凹型であることが好適である。
また、このトレイ10に形成された成形孔12の形状も、U字状、T字状、楕円等の円状、三角形、四角形、星形等が挙げられ、適宜選択すればよい。更に、成形孔の径は2〜8mm、その数は2〜16個とすることが成形性及び意外性の点で望ましい。
【0045】
更には、上記の例においては、押圧成形用トレイ10は、ムース状組成物形成用トレイ1の凹部2形状と同一形状であり、該凹部2内に嵌合する形状となっているが、押圧成形用トレイ10とムース状組成物形成用トレイ1の凹部2とは、同一形状であることに限定されない。しかしながら、押圧成形用トレイ10が、ムース状組成物形成用トレイ1の凹部2内に嵌合する形状である方が、小さい押圧力で押圧でき、押圧成形用トレイ10とムース状組成物形成用トレイ1との間からムース状組成物があふれることがなく成形できる点で好適である。押圧成形用トレイ10とムース状組成物形成用トレイ1の凹部2とが同一形状の場合、両者の大きさの差が好ましくは5mm未満、更に好ましくは1〜5mmであることが成形性の点で好適である。すなわち、本発明においては、押圧成形用トレイ10の成形孔12がムース状組成物形成用トレイ1の底部まで到達可能であればよい。なお、成形孔12が複数個ある場合には、それら全てが同時に底部まで到達可能であることが成形性及び意外性の点で望ましい。
【0046】
このように、本発明の粒状ムース状組成物成形用治具によれば、ムース状組成物形成用凹部内に形成されたムース状組成物を押圧成形手段で押出成形することにより、年少者であっても、簡単に好みの形状の粒状ムース菓子を調製することができ、意外性を体感することができる。
【0047】
次に、本発明の組合せ菓子の製品化は、例えば次のようにして行われる。
まず、(A)酸成分と、アルカリ成分と、水溶性増粘剤及び蛋白系起泡剤の少なくとも一方とを含有し、水性媒体と会ってムース状組成物になるムース用粉末組成物を包装したものと、(B)ムース状組成物が成形されたムース状成形物の表面を被覆し、粒状ムース菓子を成形するための被覆用粉末を包装したものと、ムース状組成物形成用凹部と押圧成形手段とからなるムース状組成物成形用治具とを準備する。そして、これらを必要に応じて、更に一つの包装体に密封し、組合せ菓子製品とすればよい。
上記各(A)、(B)成分の各包装は、例えば、ポリエチレン等の軟質なプラスチック袋等に包装すればよい。その包装形態は、袋体、筒状や箱状等が挙げられる。また、その材質は、プラスチックに限定されるものではなく紙等でもよく、あるいは金属等各種材質等の中から適宜選択して用いればよい。
なお、このとき攪拌喫食用治具等を同封するようにしてもよい。
【0048】
次に、本発明の組合せ菓子を用いて、粒状ムース菓子は、例えば次のようにして製造される。なお、ムース状組成物成形用治具として、上記第一の実施形態の治具を用いる。
まず、水性媒体を準備する。水性媒体は、例えば、水、牛乳、水溶性エキス等が挙げられ、これらの中から適宜選択し、単独もしくは複数組合せて用いればよい。この中でも、特に手軽に使用でき、粒状ムース菓子が素早く得られる点で水が好適に用いられる。なお、水性媒体は容器詰め等を行い、上記組合せ菓子とセットにして製品化するようにしてもよい。
【0049】
そして、図3(A)に示すように、ムース状組成物形成用トレイ1の凹部2に、容器詰めされたムース用粉末組成物20と、予めミシン目5から切り離した計量カップ4で所定量に計量した水15を投入し、攪拌喫食用治具であるスプーン30を用いてよく攪拌溶解、混合し、ムース状組成物22(図3(B)にて示す)を形成する。
なお、更に好適には、上記のようにして得られたムース状組成物22は、凹部2の底面全体にスプーン30を用いて略平らに敷き詰めるようにすることが、ムース状成形物の成形性の点で望ましい。
【0050】
次に、図3(B)に示すように、上記のようにして得られたムース状組成物22上に、押圧成形用トレイ10を矢印方向に載置する。
【0051】
次に、図3(C)に示すように、載置された押圧成形用トレイ10内に被覆用粉末23を投入した後、ムース状組成物形成用トレイ1を手でRS方向(略平行方向)に揺り動かすことにより治具全体を振動させ、被覆用粉末23を押圧成形用トレイ10内に略平らに敷き詰める。
その結果、ムース状組成物形成用トレイ1の凹部2内は、最下層にムース状組成物22、その上に押圧成形用トレイ10の底部11、更にその上に被覆用粉末23が載っている状態となっている。
【0052】
次に、図3(D−1)に示すように、手に持った押圧成形用トレイ10でムース状組成物22を軽く押圧することにより押圧成形用トレイ10の複数の成形孔12(図3(C)にて図示)からムース状組成物22を押出成形し、トレイ10内にムース状成形物24を得る。
【0053】
次に、図3(D−2)に示すように、ムース状組成物形成用トレイ1を手31でRS方向(略平行方向)に揺り動かすことにより治具全体を振動させ、ムース状成形物24と被覆用粉末23とを連続的に接触させてムース状成形物24の表面全体を被覆用粉末7で被覆し、粒状ムース菓子25を得る。
すなわち、押圧成形用トレイ10の成形孔12から押出成形されたムース状成形物24は、ムース状組成物成形用トレイ1の凹部2内のムース状組成物22と略結着状態であるので、被覆用粉末7による表面被覆及び振動により、ムース状組成物22からムース状成形物を分離し、相互結着のない取りだし可能な粒状ムース菓子25とするのである。
なお、粒状ムース菓子25の形状は、押圧する力や時間等により、粒状、紐状などから適宜選択すればよい。
また、この図3(D−1)、(D−2)の操作を繰り返し行うことにより、喫食者が簡単に大量の粒状ムース菓子25を得ることができる。
【0054】
なお、得られた粒状ムース菓子25は、このままでも喫食可能であるが、更に被覆用粉末23とは別にトッピングを施してもよい。トッピング材料としては、きなこ、粉末ジュース、抹茶、チョコレート等各種ソース、ジャム、シロップ等が挙げられ、これらは適宜選択して単独もしくは複数組合せて用いればよい。なお、上記トッピング材料の形態は、粉末状、顆粒状、液状等から適宜選択すればよい。
【0055】
あるいは、予めムース用粉末組成物20中に、pHによって発色が異なる色素を添加しておき、pHが異なるように設定しておくことによって、ムース状組成物22が生成する際に色変わりさせるようにしてもよい。
例えば、ムース用粉末組成物20中に、水15と接触して赤等に発色する色素(白色粉末中では白色に見える)を添加しておくと、白色の粉末から赤色のムース状組成物22が形成されるため、更に視覚的変化を増大させることができ好適である。
【0056】
なお、図3中のムース状組成物形成用トレイ1は、家庭にある茶碗やコップ、皿等の食器を用いてもよい。あるいは、食器等で形成したムース状組成物を、ムース状組成物形成用トレイ1に収容するようにしてもよい。また、スプーン20は、家庭にあるフォーク、スプーン等のものを適宜用いてもよい。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、喫食者の年齢に拘らず、簡便に手作りで、成形性の良い大量の均一な粒状ムース菓子を成形することができ、視覚的変化や意外性を体感することができる。
また、本発明によれば、風味及び食感にも優れた粒状ムース菓子を得ることができる。
【0058】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
【0059】
〈実施例1〜5、比較例1〜2〉
《組合せ菓子の調製》
表1に示す組成の(A)成分と、(B)成分とを別々のプラスチック袋に密封充填し、第一の実施形態で説明したムース状組成物成形用治具である図3に示すムース状組成物形成用トレイ1及び押圧成形用トレイ10と、スプーン30とを添付したものを、更にプラスチック袋に一纏めに密封することにより組合せ菓子とした。
なお、(B)成分の粒度は、全ての粉末の最長径が3.5メッシュより小さいものである。
【0060】
《粒状ムース菓子の調製》
上記組合せ菓子を用い、図3(A)〜(D−2)に示す手順で粒状ムース菓子を調製した。
すなわち、まず、ムース状組成物成形用トレイ1の凹部2内に、ムース用粉末組成物20(10g)と水15(4cc)を投入後、スプーン30を用いて攪拌溶解し、ムース状組成物22を得た。得られたムース状組成物22はムース状組成物形成用トレイ1の凹部2底面全体にスプーン30を用いて略平らに敷き詰めた。
次に、凹部2の底面全体に略平らに敷き詰められたムース状組成物22上に、押圧成形用トレイ10を載置した。
次に、押圧成形用トレイ10内に被覆用粉末23(9.5g)を投入し、ムース状組成物成形用トレイ1を手で約3秒間RS方向に振って振動させることにより、該被覆用粉末23を押圧成形用トレイ10内に略平らに敷き詰めた。
次に、押圧成形用トレイ10を手で押圧して複数の成形孔12からムース状組成物を押出成形し、ムース状成形物24を得た。その後、ムース状組成物成形用トレイ1を手で約5秒間RS方向に数回振動させることにより、ムース状成形物表面に被覆用粉末23を被覆し、ムース状組成物22からムース状成形物24分離して、合計8個の粒状ムース菓子25(直径約4mmの球状)を調製した。更に、ムース状成形物24を得てから粒状ムース菓子25を得る操作を3回繰り返し行い、合計24個の粒状ムース菓子25を得た。
【0061】
上記のようにして得られた粒状ムース菓子について、専門パネラー20名にて評価した。
以上の結果を表1に併せて示す。
【0062】
【表1】


【0063】
表1の結果より、実施例の組合せ菓子は、簡単に均一な粒状ムース菓子が得られ、視覚的変化に優れていた。また、一度に大量の均一の粒状ムース菓子が得られ、意外性も得られた。更に、風味・食感も良好であった。特に、実施例1〜3の組合せ菓子は、ムース状組成物の粘度が好適であり、より簡単に均一な粒状ムース菓子が得られ、意外性に富んだものであった。
これに対し、被覆用粉末であるB成分を用いない比較例1の組合せ菓子は、成形が困難であったため、視覚的変化や意外性及び簡便性に劣るだけでなく、風味・食感にも劣るものであった。また、比較例2の組合せ菓子は、ムース状組成物に成形するための粘度が得られず、球状への成形が不可能であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のムース状組成物成形用治具のムース状組成物形成用凹部の一例を示す説明図。
【図2】本発明のムース状組成物成形用治具の押圧成形手段の一例を示す説明図。
【図3】本発明の粒状ムース菓子の製造方法の一例を示す説明図。
【符号の説明】
1 ムース状組成物形成用トレイ
2 凹部
10 押圧成形用トレイ
12 成形孔
【出願人】 【識別番号】000000952
【氏名又は名称】カネボウ株式会社
【住所又は居所】東京都墨田区墨田五丁目17番4号
【識別番号】393029974
【氏名又は名称】カネボウフーズ株式会社
【住所又は居所】東京都港区海岸3丁目20番20号
【出願日】 平成15年8月22日(2003.8.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−65507(P2005−65507A)
【公開日】 平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願番号】 特願2003−208449(P2003−208449)