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【発明の名称】 冷菓製造装置
【発明者】 【氏名】石井 武
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】黒沢 剛
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】前田 和也
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【氏名】池本 宏一郎
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【要約】 【課題】ミックス送給手段によりミックス原料袋からミックスを衛生的に冷却シリンダに供給し、大気開放型空気導入手段により空気を冷却シリンダに供給して冷菓製造を行うことができる冷菓製造装置を提供する。

【解決手段】冷菓製造装置SMは、ミックスが収納されたミックス原料袋5を保冷するための保冷庫2と、ミックス原料袋5から供給されたミックスを撹拌しながら冷却することにより冷菓を製造する冷却シリンダ8と、ミックス原料袋5内のミックスを、ミックス原料チューブ34を介して冷却シリンダ8内に送給するエアーポンプ27と、空気を冷却シリンダ8内に導入するための大気開放型の空気導入パイプ51とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミックスが収納されたミックス原料袋を保冷するための保冷庫と、
前記ミックス原料袋から供給されたミックスを撹拌しながら冷却することにより冷菓を製造する冷却シリンダと、
前記ミックス原料袋内のミックスを、ミックス供給通路を介して前記冷却シリンダ内に送給するミックス送給手段と、
空気を前記冷却シリンダ内に導入するための大気開放型空気導入手段とを備えたことを特徴とする冷菓製造装置。
【請求項2】
前記ミックス送給手段は、可撓性を有する前記ミックス原料袋を加圧して当該ミックス原料袋内のミックスを前記ミックス供給通路に押し出す袋加圧装置であることを特徴とする請求項1の冷菓製造装置。
【請求項3】
前記ミックス送給手段は、チューブより構成される前記ミックス供給通路に設けられたチューブポンプであることを特徴とする請求項1の冷菓製造装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばソフトクリーム(ソフトアイスクリーム)等の冷菓を製造する冷菓製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種冷菓製造装置は、コンプレッサ、凝縮器、キャピラリチューブ及び冷却シリンダとホッパー(ミックスタンク)に装備した冷却器からなる冷却装置を備え、この冷却装置によって冷菓製造時には冷却器に液化冷媒を減圧してから流して冷却シリンダ、ホッパーを冷却する。そして、冷却シリンダ内にはビータが取り付けられ、冷却シリンダ内のミックスを冷却器により冷却しながら、ビータによって撹拌し、ソフトクリームやシャーベットなどの冷菓を製造するものであった(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−271957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この場合、ミックスはホッパー内に貯溜され、ホッパーからはミックス供給器によって冷却シリンダ内にミックスを流し込む方式が採られていた。このミックス供給器は上端が大気中に開放し、ホッパー内の下端部にてホッパー内に連通したパイプ状のものであり、ミックスの供給量はこのミックス供給器におけるヘッド差に依存していた。
【0004】
即ち、ホッパーから冷却シリンダへのミックスの供給は重力に依存していたため、供給量が安定しない欠点があった。また、ミックスは予め原料袋内に収納されているものを開封し、ホッパー内に注入するものであったため、ホッパーにて雑菌に汚染され、衛生上の問題が発生する欠点もあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の冷菓製造装置は、ミックスが収納されたミックス原料袋を保冷するための保冷庫と、ミックス原料袋から供給されたミックスを撹拌しながら冷却することにより冷菓を製造する冷却シリンダと、ミックス原料袋内のミックスを、ミックス供給通路を介して冷却シリンダ内に送給するミックス送給手段と、空気を冷却シリンダ内に導入するための大気開放型空気導入手段とを備えているものである。
【0006】
請求項2の発明の冷菓製造装置は、上記においてミックス送給手段は、可撓性を有するミックス原料袋を加圧して当該ミックス原料袋内のミックスをミックス供給通路に押し出す袋加圧装置であることを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明の冷菓製造装置は、請求項1においてミックス送給手段は、チューブより構成されるミックス供給通路に設けられたチューブポンプであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ミックス原料袋ごと保冷庫内でミックスを保冷し、ミックス送給手段によりミックス原料袋内のミックスを、強制的にミックス供給通路を介して直接冷却シリンダに供給し、冷菓を製造することができるようになる。これにより、重力に依存したミックスの供給方式を廃して安定的なミックスの自動供給が実現できるようになると共に、ミックスをミックス原料袋から直接冷却シリンダに供給することで、従来の如くホッパーにおいて衛生上の問題が発生することも無くなる。
【0009】
更に、冷却シリンダ内には大気開放型空気導入手段により空気が導入されるので、冷菓のオーバーランも支障無く得られるものである。
【0010】
また、請求項2の発明によれば、上記に加えてミックス送給手段を、可撓性を有するミックス原料袋を加圧して当該ミックス原料袋内のミックスをミックス供給通路に押し出す袋加圧装置により構成したので、冷却シリンダ内にミックスをより確実に送給することができるようになるものである。
【0011】
また、請求項3の発明によれば、請求項1においてミックス送給手段を、チューブより構成されるミックス供給通路に設けられたチューブポンプにより構成したので、冷却シリンダ内にミックスをより正確に送給することができるようになるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、ミックス送給手段によりミックス原料袋からミックスを衛生的に冷却シリンダに供給し、大気開放型空気導入手段により空気を冷却シリンダに供給して冷菓製造を行うことができる冷菓製造装置を提供するものである。
【実施例1】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明を適用した冷菓製造装置SMの一部縦断斜視図、図2は冷菓製造装置SMのミックス供給に関する構成図、図3は冷菓製造装置SMの電気回路のブロック図を示している。
【0014】
実施例の冷菓製造装置SMは、ソフトクリームやシャーベット(シェーク)等の冷菓(実施例ではソフトクリームを製造するものとする)を製造販売するための装置であり、図1において本体1の上部には、ソフトクリームの原料ミックス(ソフトクリームやシャーベットなどの冷菓原料となるミックス)を収納したミックス原料袋5を貯蔵保冷するための断熱性の保冷庫2が設けられている。この保冷庫2の庫内2Aは前面が開口しており、この前面開口は回動自在の断熱扉3にて開閉自在に閉塞され、ミックス原料袋5の交換時等にはこの断熱扉3が開放される。尚、33はこの断熱扉3の開閉を検知するための保冷庫開閉スイッチである。
【0015】
一方、保冷庫2の庫内2A天井部には保冷庫冷却器4と図示しない送風機が配設されており、保冷庫2の背部には保冷庫コンプレッサ18Aや図示しない保冷庫用凝縮器が設置されて前記保冷庫冷却器4と周知の冷媒回路を構成している。この保冷庫コンプレッサ18Aが運転されると保冷庫冷却器4が冷却作用を発揮する。そして、この保冷庫冷却器4により冷却された冷気が送風機により庫内2Aに循環されて保冷庫2内のミックス原料袋5や後述する周辺部品は所定の温度に保冷される。
【0016】
尚、ミックス原料袋5はラック31内に納出自在に収納され、シート材32で上から保持された状態で保冷庫2の庫内2Aに装填される。このとき、庫内2Aの側面には前側に傾斜した保持レール6、6が形成されており、この保持レール6、6にラック31の脚部107が支持される。
【0017】
前記ミックス原料袋5は、例えばアルミ蒸着された可撓性を有する樹脂製の袋本体21と、この袋本体21の一面に取り付けられ、袋本体21内と外部とを連通する硬質樹脂製の出口部材22と、袋本体21の他面に周囲を溶着され、当該袋本体21と同素材から成る可撓性の外層体23と、この外層体23と袋本体21の間の後述する非接着部分に連通するように袋本体21の一面に取り付けられた硬質樹脂製の連通口部材24とから構成されている(図2)。このようなミックス原料袋5の構造も本発明の袋加圧装置を構成する。
【0018】
前記外層体23と袋本体21とは当該外層体23の周囲以外は非接着状態とされており、これにより、外層体23と袋本体21間には密閉空間が構成可能とされている。そして、前記連通口部材24はこの外層体23と袋本体21との間(密閉空間)と外部とを連通する。また、ミックス(図2にMで示す)はこの袋本体21内に収納されると共に、外層体23と袋本体21との間の密閉空間には圧縮空気(図2にAIで示す)が供給可能とされている。
【0019】
上述した如くミックスを収納したミックス原料袋5を、前述の如くラック31内に収納し、シート材32で抑えた状態で保冷庫2の庫内2Aに収納する。この状態では、ラック31及びミックス原料袋5は前部がやや低く傾斜した状態で、その下方に十分なる空間を存して係支される。この状態で、出口部材22に予め取り付けられているミックス供給通路を構成するためのミックス原料チューブ34を後述する如く空気導入手段としての空気導入パイプ51に接続し、連通口部材24と接続部7Aとの間を袋加圧パイプ7にて連通接続する。
【0020】
前記ミックス原料チューブ34は可撓性の樹脂チューブから構成されており、予めミックス原料袋5の出口部材22に接続されている。ミックス原料チューブ34の他端(先端)のミックス流出口34Aは当初封止され、外部と接触しないようにミックス原料チューブ34内は衛生的に保持されており、空気導入パイプ51に接続する際に切断されて開口される。また、この他端のミックス流出口34Aより少許ミックス原料袋5側の部分の外面には、鍔部34Bが外方に張り出して一体に成形されている(図2)。そして、この鍔部34Bのミックス流出口34A側とは反対側の後面は硬質樹脂にて構成されている。
【0021】
一方、図1において8は、前記ミックス入口9から流入するミックスをビータ10により回転撹拌して冷菓を製造する前述した冷却シリンダであり、その周囲にはシリンダ冷却器11が取り付けられている。ビータ10はビータモータ12、駆動伝達ベルト、減速機13及び回転軸を介して回転される。製造された冷菓は、冷却シリンダ8の前面開口を開閉可能に閉塞するフリーザドア14に配設された取出レバー15を前側に倒すことにより、プランジャー16が上昇し、図示しない抽出路が開放されると共に、ビータ10が回転駆動されることにより、取り出される。上記フリーザドア14や取出レバー15、プランジャー16により冷菓抽出部が構成されている。
【0022】
前記フリーザドア14は透明ガラス若しくは透明硬質樹脂にて構成されて透視部を構成する。このフリーザドア14を通して冷却シリンダ8内は前方から透視可能とされている。このフリーザドア14の本体1側の面には永久磁石36が埋め込まれており、この永久磁石36に対応する位置の本体1前面にはリードスイッチ37が取り付けられている。そして、フリーザドア14が本体1に取り付けられ、冷却シリンダ8の前面開口を閉塞したときに、このリードスイッチ37は永久磁石36によって接点が閉じられ、フリーザドア14が取り外されて冷却シリンダ8の前面開口が開放されたときは、リードスイッチ37の接点が開放されるよう構成されている。
【0023】
また、冷菓抽出部を構成する取出レバー15の後方に対応する位置の本体1前面には近接スイッチ(近接センサ)38が取り付けられている。この近接スイッチ38は赤外線や音波を用いて取出レバー15が前側に倒されたことを検出する。
【0024】
更に、図1に示す如く保冷庫2の内壁には洗浄用ホース接続口39が設けられている。この洗浄用ホース接続口39には冷却シリンダ8内の洗浄の際に洗浄用水を冷却シリンダ8内に吐出するための洗浄用ホース(図示せず)が接続されるものであり、側面に引き出された洗浄用水配管41に連通している。この洗浄用水配管41は図示しない水道管に接続され、更に、洗浄用水配管41の途中には開閉栓42が介設されて、本体1の前面に配設されている。この開閉栓42は常には洗浄用水配管41を閉じており、冷却シリンダ8を洗浄する際にはこれを回して洗浄用水配管41を開くものである。
【0025】
上記本体1の下部には冷却装置Rを構成するコンプレッサ18や凝縮器20、四方弁19等が収納設置されている。尚、この四方弁19は前記シリンダ冷却器11に高温冷媒を流して解凍・殺菌などを行わせるためのものである。
【0026】
次に、図2において27はミックス送給手段としての袋加圧装置を構成するエアーポンプ(空気圧縮装置)であり、このエアーポンプ27の吐出パイプ28は分配器46に接続されている。そして、この分配器46には前記袋加圧パイプ7の他端が接続される。尚、袋加圧パイプ7は前述した接続部7Aを介した複数部品で構成される。更に、この分配器46には圧力検出手段を構成するエアー回路内センサー(圧力センサー)47と排気パイプ49が接続され、この排気パイプ49には排気手段を構成するエアー回路内排気電磁弁48(エアーポンプの保護とエアー回路の排気用)が接続される。
【0027】
前記空気導入パイプ51は、上下に開口した筒状を呈しており、上端は保冷庫2の庫内2Aに開放(大気開放)すると共に、下端は逆止弁54を介して冷却シリンダ8のミックス入口9に着脱可能に取り付けられて庫内2Aに立設される。上記逆止弁54は冷却シリンダ8の方向が順方向とされている。また、これらミックス原料袋5、ミックス原料チューブ34、袋加圧パイプ7の一端部及び空気導入パイプ51は保冷庫2の庫内2Aに位置し、保冷されることになる。
【0028】
ここで、前記袋加圧パイプ7も可撓性を有するチューブにて構成され、ワンタッチ継手等によりミックス原料袋5の連通口部材24に着脱可能に接続される。また、ミックス原料チューブ34の一端はチューブ取付部品により前述した如くミックス原料袋5の出口部材22に予め接続されている。
【0029】
また、ミックス原料チューブ34の他端は取付ナット67により空気導入パイプ51の分岐入口51Aに着脱可能に接続される。この場合、ミックス原料チューブ34のミックス流出口34Aを空気導入パイプ51の分岐入口51Aから空気導入パイプ51内に挿入すると、鍔部34Bが分岐入口51Aの開口縁に当接する。この状態で、取付ナット67を鍔部34Bの後面側から分岐入口51A外面に形成したネジ溝に螺合させ、鍔部34Bを分岐入口51Aの開口縁に押し付けて封止する。これによって、ミックス原料チューブ34の他端は空気導入パイプ51に着脱可能に接続される。このように着脱可能に接続することで、ミックス原料チューブ34や空気導入パイプ51などの洗浄が容易となる。
【0030】
尚、図2において68は電動ピンチである。前述の如くミックス原料チューブ34は前述の如く可撓性のチューブであるので、電動ピンチ68にて挟むことで封止できる。
【0031】
次に、図3において73は制御手段を構成する汎用のマイクロコンピュータであり、このマイクロコンピュータ73の入力には前記保冷庫開閉スイッチ33、エアー回路内センサー47、近接スイッチ38、リードスイッチ37が接続されている。また、マイクロコンピュータ73の入力には、更に本体1のコントロールパネル74に設けられたプリチャージスイッチ(操作スイッチ)76と冷却スイッチ77が接続されている。
【0032】
更に、マイクロコンピュータ73の出力には前述した冷却装置Rのコンプレッサ18、18Aやビータモータ12などの他、前記エアー回路内排気電磁弁48とエアーポンプ27、電動ピンチ68が接続されている。更にまた、マイクロコンピュータ73の出力には前記操作パネル74に設けられた売り切れ表示ランプ78も接続されている。
【0033】
以上の構成で、次に動作を説明する。冷菓製造装置SMの図示しない電源プラグが電源に接続されて電源がONされると、マイクロコンピュータ73は先ずリードスイッチ37の接点が閉じているか否か判断する。そして、フリーザドア14が取り付けられて冷却シリンダ8の前面開口を閉じており、永久磁石36がリードスイッチ37の接点が閉じていれば以後の運転の開始を許容するが、フリーザドア14が正常に取り付けられておらず、リードスイッチ37の接点が開いている場合には以後の運転の開始を禁止し、例えば売り切れ表示ランプ78を点滅させて警報を表示する。これにより、フリーザドア14の取り付けを忘れ、或いは、正常に取り付けない状態で運転が開始されることを防止すると共に、フリーザドア14の取り付けを使用者に促す。
【0034】
(1)初期状態
上記電源ONからの初期状態で、マイクロコンピュータ73は先ず所定期間エアー回路内排気電磁弁48を開く。その後、前述の如くミックス原料袋5を保冷庫2の庫内2Aにセットするなどした後、断熱扉3が閉じられたことを保冷庫開閉スイッチ33の検出動作に基づいて検出すると、マイクロコンピュータ73はエアーポンプ27を運転する。その後、保冷庫2の断熱扉3が開放された場合、マイクロコンピュータ73は保冷庫開閉スイッチ33の検出動作に基づき、エアーポンプ27を停止すると共に、所定期間エアー回路内排気電磁弁48を開いてエアー回路51や袋加圧パイプ7から排気する。
【0035】
即ち、マイクロコンピュータ73は保冷庫2の断熱扉3が開放された場合にはエアーポンプ27を停止し、断熱扉3が閉じられている場合のみエアーポンプ27の運転を許容する。これにより、ミックス原料袋5の交換などの際のパイプなどの着脱に際しての安全性が向上する。特に、断熱扉3が開放された際にはエアー回路内排気電磁弁48を開いて袋加圧パイプ7から圧縮空気を排出するので、パイプの着脱の際に圧縮空気が吹き出す不都合を確実に回避できるようになる。
【0036】
尚、この初期状態においてエアーポンプ27が運転された後、例えば3分経過してもエアー回路内センサー47が分配器46で連通された袋加圧パイプ7(袋加圧パイプ7に連通しているミックス原料袋5の袋本体21と外層体23との間の密閉空間を含む)内の圧力上昇を検出しない場合にはエアーポンプ27を停止し、売り切れ表示ランプ78を点滅させて警報する。
【0037】
(2)プリチャージモード
次に、使用者がプリチャージスイッチ76をONする(例えば2秒未満押す)と、マイクロコンピュータ73はプリチャージモードに入りプリチャージを開始する。このプリチャージモードではマイクロコンピュータ73はエアーポンプ27を運転し、分配器46で連通された袋加圧パイプ7(袋加圧パイプ7に連通しているミックス原料袋5の袋本体21と外層体23との間の密閉空間を含む)内に圧縮空気を供給する。また、電動ピンチ68を開放する。
【0038】
そして、エアー回路内センサー47が検出する空気圧力が設定値まで上昇した場合、マイクロコンピュータ73は当該エアー回路内センサー47の出力に基づいてエアーポンプ27を停止する。その後、マイクロコンピュータ73は自らの機能として有する3分タイマ(3分に限定されない所定時間)のカウントを開始する。
【0039】
袋加圧パイプ7から圧縮空気がミックス原料袋5の外層体23と袋本体21との間の密閉空間に送り込まれることにより、袋本体21には外側から一定の圧力が印加され、加圧される。これにより、外層体23と袋本体21との間の密閉空間の容積が拡大することで、袋本体21内のミックスは出口部材22からミックス原料チューブ34へと押し出されていく。ミックス原料チューブ34に押し出されたミックスはミックス流出口34Aから出た後、空気導入パイプ51、逆止弁54を経てミックス入口9から冷却シリンダ8内に流入する。このとき、冷却シリンダ8内の空気は空気導入パイプ51の上端開口から出ていく。これにより、ミックスも冷却シリンダ8内へ円滑に流入していく。
【0040】
このようにミックス原料袋5からミックスが流出することで、外層体23と袋本体21間の密閉空間の容積が拡大するので、袋加圧パイプ7から分配器46に至るパイプ内の空気圧力も低下する。そして、エアー回路内センサー47が所定の下限値まで圧力が低下したことを検出した場合、マイクロコンピュータ73はエアーポンプ27を運転して圧縮空気の供給を再開する。これを繰り返してマイクロコンピュータ74はエアー回路内センサー47が検出する空気圧力(ミックス原料袋5の外層体23と袋本体21間の密閉空間の空気圧力)を設定値と下限値の間(設定値と下限値の範囲における所定圧力)に維持する。
【0041】
その後、前記3分タイマのカウントが終了するまでこれを継続し、冷却シリンダ8内にミックスを送給していく。これにより、冷却シリンダ8内にはミックスが貯溜されていく。3分タイマのカウントが終了した時点で、マイクロコンピュータ73はエアーポンプ27の運転を停止し、電動ピンチ68を閉じる(ミックス原料チューブ34を挟む)。使用者は透明なフリーザドア14を介して冷却シリンダ8内のミックスの液位を確認し、所定液位に満たない場合にはプリチャージスイッチ76を今度は押し続ける(例えば2秒以上ON)。
【0042】
マイクロコンピュータ73はプリチャージスイッチ76が連続してONされると、エアーポンプ27を運転して再び圧縮空気の供給を開始し、前述の如くエアー回路内センサー47が検出する空気圧力(ミックス原料袋5の外層体23と袋本体21間の密閉空間の空気圧力)を設定値に維持する。また、電動ピンチ68を開く。これにより、ミックス原料袋5からは再びミックスが冷却シリンダ8内に送給されていく。そして、使用者が冷却シリンダ8内のミックスが所定液位まで貯溜されたことを目視により確認し、プリチャージスイッチ76から手を離すと(OFF)、マイクロコンピュータ73はエアーポンプポンプ27を停止して電動ピンチ68を閉じ、エアー回路内排気電磁弁48を開放してミックス原料袋5の外層体23と袋本体21間の密閉空間の空気圧縮を排出する。これにより、ミックスの送給は停止され、冷却シリンダ8内には所定液位までミックスが貯溜される。
【0043】
マイクロコンピュータ73にこのようなプリチャージモードを設けることで、開店時に円滑に冷却シリンダ8内にミックスを貯溜することができるようになる。特に、プリチャージスイッチ76を設けてプリチャージの開始を手動で行うことができるので、使用性も良好となる。
【0044】
また、冷却シリンダ8内には空気導入パイプ51の上端開口から保冷庫2の庫内2Aの空気が流入するので、冷菓のオーバーラン(冷菓中に空気が混入して嵩が増える状態)も支障無く得られることになるが、前述の如く冷却シリンダ8内に貯溜するミックスの液位はプリチャージスイッチ76の操作によって所定の液位に規定できるので、冷却シリンダ8内の空気量も規定できることになり、これにより、冷菓のオーバーラン量を正確に設定することができるようになる。
【0045】
更にまた、以上のようにミックス原料チューブ34を空気導入パイプ51に接続する構造としているので、冷却シリンダ8へのミックスの供給とオーバーラン用の空気の供給の双方を単一のミックス入口9から行うことができるようになり、冷却シリンダ8の構造の簡素化が図れる。
【0046】
以上でプリチャージモードは終了する。この状態で冷却スイッチ77の操作を待つ。
【0047】
(3)通常販売モード
次に、使用者により冷却スイッチ77がON(押す)されると、マイクロコンピュータ73は前述の如くフリーザドア14が正常に取り付けられて閉じていることを条件として、冷却装置Rのコンプレッサ18を運転して冷却運転を開始する。コンプレッサ18が運転されると、凝縮器20で凝縮された冷媒が図示しない減圧装置を経てシリンダ冷却器11に供給され、そこで蒸発することで冷却作用を発揮する。また、コンプレッサ18Aも運転され、前述の如く保冷庫冷却器4により保冷庫2の庫内2Aのミックス原料袋5のミックスは保冷される。更に、庫内2Aにあるミックス原料チューブ68、及び、空気導入パイプ51などの部品(図2に二点鎖線で囲まれた部分)も保冷されるので、後述する如く冷却シリンダ8内に流入するミックスや空気がこれらを通過する過程で温度上昇することもなくなる。
【0048】
一方、冷却シリンダ8内ではシリンダ冷却器11によってミックスは冷凍温度に冷却されると共に、マイクロコンピュータ73はビータモータ12によりビータ10を回転させるので、これにより、冷却シリンダ8内では半硬化状態の冷菓(ソフトクリーム)が製造される。以後、販売待機状態となる。
【0049】
この状態で、使用者が例えばコーン(容器)を取出レバー15の下方に宛い、取出レバー15を前側に倒すと、近接スイッチ38が当該取出レバー51の操作を検出してONする(販売検知)。マイクロコンピュータ73は近接スイッチ38がONした場合、自らがその機能として有する販売検知3秒(3秒に限らない所定期間)タイマのカウントを開始する。そして、当該状態が3秒間継続してタイマのカウントが終了した場合、即ち、近接スイッチ38が取出レバー15の操作を3秒間継続して検出している場合、マイクロコンピュータ73はビータ10を回転させる。そして、取出レバー15の操作により前述の如くプランジャー16が上がっているので、ビータ10により図示しない抽出路に冷菓(ソフトクリーム)が押し出され、コーンに抽出されることになる。
【0050】
このように、近接スイッチ38を用いてビータ10の回転を制御するので、従来の如くプランジャー16の上下動に連動するアームを用いた取出スイッチを設ける必要が無くなり、部品点数の削減が図れると共に、機構が簡素化されるので故障も発生し難くなる。また、所定期間(3秒)継続して取出レバー15の操作を検出している場合にビータ10を回転させるようにしているので、誤って取出レバー15を操作した場合などに生じる誤作動も防止できる。
【0051】
尚、取出レバー15を戻せばプランジャー16が降下して抽出路は塞がれる。また、近接スイッチ38が取出レバー15の起立状態を検出することでOFFすると、マイクロコンピュータ73はビータ10を停止させる。これにより、冷菓の抽出は停止する。冷却シリンダ8内から冷菓が抽出されることで圧力が低下するため、ミックス原料袋5の袋本体21内からミックス原料チューブ34、空気導入パイプ51、逆止弁54を経てミックス入口9から冷却シリンダ8内にミックスが流入し、補充されることになる。
【0052】
このように、空気導入パイプ51には逆止弁54が設けられているので、冷却シリンダ8から空気導入パイプ51にミックスや冷菓が逆流する不都合は無くなる。
【0053】
(4)売り切れ時
以上のような販売動作が行われ、ミックス原料袋5の袋本体21内のミックスが無くなると、販売検知後に冷菓の抽出が行われても補充されるミックスが無くなるため、エアー回路内センサー47が検出する圧力の変化が生じなくなるか極めて少なくなる。実施例ではマイクロコンピュータ73は販売検知後の圧力変化が無くなった場合、売り切れと判断して売り切れ表示ランプ78を連続して点灯させる(ON)。また、エアーポンプ27の運転も停止する。
【0054】
(5)袋交換
この売り切れ表示ランプ78の点灯により使用者がミックスの売り切れを確認し、交換のために断熱扉3を開くと、前述同様にマイクロコンピュータ73はエアー回路排気電磁弁48を所定期間開いて圧縮空気を排出する。その後、袋加圧パイプ7やミックス原料チューブ34を外してラック31ごと空となったミックス原料袋5を取り出す。
【0055】
そして、新たなミックス原料袋5をラック31に収納し、シート材32で抑えて前述同様に庫内2Aにセットし、袋加圧パイプ7やミックス原料チューブ34の接続を行った後、断熱扉3が閉じられると、マイクロコンピュータ73は再びエアーポンプ27を運転してエアー回路内センサー47が検出する空気圧力を設定値まで上昇させ、販売待機状態とするものである。
【実施例2】
【0056】
尚、上記実施例ではミックス原料チューブ34を空気導入パイプ51に接続するようにしたが、それに限らず、図4に示す如く冷却シリンダ8にミックス入口9に加えて空気入口9Aを形成しておき、ミックス原料チューブ34はミックス入口9に接続し、空気導入パイプ51は空気入口9Aに接続して立設するようにしてもよい。その場合には、空気入口9A内に逆止弁54Aを設け、冷却シリンダ8方向を順方向としておく。
【実施例3】
【0057】
また、上記各実施例ではエアーポンプ27にてミックス原料袋5を加圧するようにしたが、それに限らず、図5に示すようなチューブポンプ61(ミックス送給手段)をミックス原料チューブ34に設けてミックス原料袋5内のミックスを冷却シリンダ8に送給するようにしてもよい。
【0058】
このチューブポンプ61はモータにて回転されてミックス原料チューブ34を扱き、当該ミックス原料チューブ34内のミックスを冷却シリンダ8方向に送り出すものである。従って、この場合にはミックス原料袋5としては前述した如き外層体23を備えたものである必要は無く、袋本体21と出口部材22のみを有する通常の構造のもので済む。また、このようなチューブポンプ61を用いた場合には、前述した如き空気加圧によってミックスをミックス原料袋5から押し出す方式に比してより正確な量でミックスを送給できるようになる。
【0059】
ここで、前記実施例1ではエアーポンプにより袋加圧装置を構成したが、それに限らず、加圧水をミックス原料袋5の袋本体21と外層体23間に送り込むものでもよく、ミックス原料袋5を外部から押圧する押圧装置などによってミックス原料袋5を加圧し、ミックスを押し出す方式でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明を適用した冷菓製造装置の一部縦断斜視図である(実施例1)。
【図2】図1の冷菓製造装置のミックス供給に関する構成図である。
【図3】図1の冷菓製造装置の電気回路のブロック図である。
【図4】本発明を適用した他の実施例の冷菓製造装置のミックス供給に関する構成図である(実施例2)。
【図5】本発明を適用したもう一つの他の実施例の冷菓製造装置のミックス供給に関する構成図である(実施例3)。
【符号の説明】
【0061】
2 保冷庫
3 断熱扉
4 保冷庫冷却器
5 ミックス原料袋
7 袋加圧パイプ
8 冷却シリンダ
9 ミックス入口
10 ビータ
11 シリンダ冷却器
14 フリーザドア
21 袋本体
22 出口部材
23 外層体
24 連通口部材
27 エアーポンプ(袋加圧装置)
33 保冷庫開閉スイッチ
34 ミックス原料チューブ(ミックス供給通路)
51 空気導入パイプ
SM 冷菓製造装置
R 冷却装置
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号
【出願日】 平成15年7月31日(2003.7.31)
【代理人】 【識別番号】100098361
【弁理士】
【氏名又は名称】雨笠 敬

【公開番号】 特開2005−46114(P2005−46114A)
【公開日】 平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願番号】 特願2003−283733(P2003−283733)