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【発明の名称】 スナック膨化装置
【発明者】 【氏名】坂口 弘明

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方が時計回り方向に他方が反時計回り方向にそれぞれ回動可能に対向配置された一組の圧接ローラの間隙に、所定の原料を案内して高温下でプレスした後に瞬時に常温常圧状態に変化させることにより前記所定の原料を膨化スナック菓子を製造するためのスナック膨化装置であって、
前記圧接ローラは、外周面を所要温度に上昇・維持させるヒータを前記圧接ローラ内に内装していることを特徴とするスナック膨化装置。
【請求項2】
前記一組の圧接ローラ間で形成される間隙は、前記所定の原料の厚みより幅狭であることを特徴とする請求項1に記載のスナック膨化装置。
【請求項3】
前記一組の圧接ローラは、前記間隙の幅を調整する間隙幅調整機構を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のスナック膨化装置。
【請求項4】
前記ヒータは、前記間隙側に位置するように設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスナック膨化装置。
【請求項5】
前記所定の原料は、原料自体,ペレット化した原料またはシート化した原料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスナック膨化装置。
【請求項6】
前記一組の圧接ローラは、それぞれが同径またはそれぞれが異径であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のスナック膨化装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、ジャガイモ等の野菜や穀物類を原料とした膨化スナック菓子の製造装置であるスナック膨化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ジャガイモ等の野菜や穀物類を原料とした膨化スナック菓子がある。この膨化スナック菓子は、たとえば、膨化剤を混入させて所要の形状に整えられたワークをフライヤ等で揚げて製造しているのが一般的である。このように、従来におけるスナック菓子の多くは油で揚げたものが一般的で高カロリー食品となっている。
【0003】
しかしながら、それでは、昨今のヘルシー志向の消費者ニーズを満足することはできない。このような消費者ニーズを満足させるためには、油を用いないスナック菓子を提供すればよいということになるが、実際の問題として、油で揚げないでスナック菓子を製造するとなると、その製法が容易ではない。
【0004】
このようなスナック菓子の製法について、近時、油を使用しなくてもスナック菓子としての完成度が得られる製造方法が提案されている。この製造方法によれば、スナック菓子特有のサクサクとした歯触りも得られ、しかも低カロリーなスナック菓子を提供できる。
【0005】
ここで、この製法プロセスを簡単に説明すると、例えば、皮剥きしたジャガイモを所定の大きさおよび所定の厚さにペレット化し、次いで、ペレット化されたジャガイモに高温蒸気を通して蒸す。そして、このペレットを遠赤外線装置によってペレットの水分含有率が5〜20%となるように加熱する。次いで、ヒートプレス機内に乾燥させたペレットをセットして、約180℃〜250℃の温度で、かつ、2000〜3000kg/cm2 の圧力の下で加熱、加圧した後、排出することにより、ペレットを膨化させるものである(例えば特許文献1)。
【0006】
この上記した製法プロセスのうち、最も重要な工程はペレットの膨化工程である。しかし、その製法プロセスは見出されたものの、膨化工程で用いられる膨化装置は、スライダクランク機構を採用したヒートプレス機を代用したものに過ぎない。このヒートプレス機は、固定型に対向して設けられた可動型をスライダに連結させると共に双方の型にヒータを内装させた構成である。
【0007】
そして、このクランクを回転させることにより可動型を往復動させて、固定型あるいは可動型に載置したペレットを押し潰すようにすることで、ペレットを高温高圧状態にし、続いて、可動型が固定型から離間することでペレットを常温常圧状態に変化させて膨化させている。このように、ペレットを膨化させるには、ペレットを高温高圧状態にした後、瞬時に常温常圧状態に変化させることが極めて重要である。
【特許文献1】特開2000−253846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、スライダクランク機構を採用したヒートプレス機では、スライダに連結された可動型の運動軌跡が、上死点(型が閉じた状態)から下死点(型が離間した状態)への移り変わりが緩やかとなるため、瞬時に常温常圧状態に変化させるスピードが限定されてしまう。また、常温常圧状態に変化させるスピードを速めれば、圧縮時間、すなわち加熱時間が短くなり、膨化状態にむらが生じてしまうという問題があった。
【0009】
また、夫々の膨化装置は独立した形態であるため、コストもかかり効率的でははない。
【0010】
さらに、固定型と可動型を上下動させる構成では、ペレットの供給と排出が固定型と可動型とが離間した状態で行うことになるため、タクトタイムに限界が生じていた。
【0011】
従って、本発明の目的は、ヘルシー志向の消費者ニーズに応えた膨化スナック菓子を、一定の品質で、しかもタクトタイムを大幅に短縮して、効率良く大量に生産することができるスナック膨化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記目的を達成するために、一方が時計回り方向に他方が反時計回り方向にそれぞれ回動可能に対向配置された一組の圧接ローラの間隙に、所定の原料を案内して高温下でプレスした後に瞬時に常温常圧状態に変化させることにより前記所定の原料を膨化スナック菓子を製造するためのスナック膨化装置であって、前記圧接ローラは、外周面を所要温度に上昇・維持させるヒータを前記圧接ローラ内に内装していることを特徴とするスナック膨化装置を提供するものである。
【0013】
以上の構成において、前記一組の圧接ローラ間で形成される間隙は、前記所定の原料の厚みより幅狭であることが望ましく、前記一組の圧接ローラは、前記間隙の幅を調整する間隙幅調整機構を備えていることが望ましく、前記ヒータは、前記間隙側に位置するように設けられていることが望ましく、前記所定の原料は、原料自体,ペレット化した原料またはシート化した原料であることが望ましく、前記一組の圧接ローラは、それぞれが同径またはそれぞれが異径であることが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明のスナック膨化装置によれば、第1ローラに載置された原料を第1ローラと第2ローラとで高温高圧状態にした後に瞬時に常温常圧状態に変化させるように構成したので、原料の膨化状態にむらが生じることもなく、一定の品質でしかもタクトタイムを大幅に短縮して、効率良く、油を使用しない新規な膨化スナック菓子の生産をすることができる。また、第1ローラと第2ローラとの間に形成した間隙長さを調整可能としたので、異なる形状の原料にも容易に対応することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための最良の形態を図1〜図3を用いて説明をする。
図面は、乾燥させたペレットを膨化して形成させたスナック菓子を、連続して複数個取りするのに好適なスナック膨化装置を例示している。
なお、本実施形態で例示するペレットWは、皮剥きしたジャガイモを所定の大きさおよび所定の厚さに切断し、次いで、ジャガイモに高温蒸気を通して蒸したものであり、このペレットWを遠赤外線装置等によって水分含有率が5〜20%となるように加熱したもので、常温状態のものを指す。
【0016】
本実施形態にかかるスナック膨化装置は、図1に示すように、駆動ローラ部1と、従動ローラ部2と、ヒータ部3と、排出部4とを備えて構成される。
【0017】
駆動ローラ部1は、駆動部11と、第1従動部12とで構成される。
【0018】
駆動部11は、機台a1に取り付けられた電動ギアモートル11aと、該電動ギアモートル11aの回動軸(時計回りに回動)に嵌着された歯付き駆動プーリー11bと、電動ギアモートル11aより右側に配設され機台a1に回動軸長手方向(図1において奥行き方向)に所定間隔をおいて取り付けられた一組の第1軸受け11cと、その一組の第1軸受け11cに両端が突出するように枢着された第1シャフト11dと、該第1シャフト11dの一端に嵌着された第1歯車11eと、該第1シャフト11dの両端部に嵌着された第1歯付き駆動プーリー11fと、第1歯付き駆動プーリー11fの外側に該第1シャフト11dに嵌着された第2歯付き駆動プーリー11gと、歯付き駆動プーリー11bと第1歯付き駆動プーリー11fとに掛け渡された無端状の第1タイミングベルト11hと、を備えて構成される。
【0019】
第1従動部12は、機台a1の電動ギアモートル11a外側から立設された第1取付けベース12aと、その第1取付けベース12aの上部側面から第2歯付き駆動プーリー11gの略真上となる所要の位置に軸中心が位置するように所定間隔をおいて横設され転がり軸受けbが挿嵌された一組の第2軸受け12bと、両端部に形成された筒状小径部が該第2軸受け12bに枢着され中途部が所要の径からなる中空円筒状の第1ローラ12cと、第2歯付き駆動プーリー11gの真上となる所要の位置の筒状小径部両端に嵌着された第3歯付き駆動プーリー12dと、第2歯付き駆動プーリー11gと第3歯付き駆動プーリー12dとに掛け渡された無端状の第2タイミングベルト12eと、を備えて構成される。なお、この上記した第1ローラ12cは、熱伝導性の高い金属で構成されている。
【0020】
このように構成された駆動ローラ部1は、電動ギアモートル11aの回動軸の時計回りの回転出力が、第1タイミングベルト11h及び第2タイミングベルト12e等を介して第1ローラ12cに伝達されるようになっている。
【0021】
従動ローラ部2は、第2従動部21と、第3従動部22と、を備えて構成される。
【0022】
第2従動部21は、一組の第1軸受け11cから所定間隔をおいて機台a1に対向配設された一組の第3軸受け21aと、その第3軸受け21aに両端が突出するように枢着された第2シャフト21bと、該第2シャフト21bの一端に嵌着され第1歯車11eと噛合された第2歯車21cと、該第2シャフト21bの両端部に嵌着された第4歯付き駆動プーリー21dと、を備えて構成される。
この第2歯車21cと第4歯付き駆動プーリー21dは、第1歯車11e、第2歯付き駆動プーリー11g夫々とピッチ円や歯数などの構成が同一になっている。
【0023】
第3従動部22は、間隔調整部221と、第2ローラ部222と備えて構成される。
間隔調整部221は、駆動部11と第2従動部21とを挟んで第1取付けベース12aと対向配置された第2取付けベース22aと、第2取付けベース22a頂部に形設された張り出し部の左端部に第1ローラ12cの長手方向と直交する方向(図1において左右方向)に延出するように垂設されると共に所定間隔をおいて平行となるように対向配置された一組のガイドレール22bと、そのガイドレール22bにスライド可能に係合した一組のリニアガイド22cに垂設され略L字状を呈したスライドテーブル22dと、第2取付けベース22aの中途部から第1取付けベース12a方向に向かって横設された略L字状の第4取付けベース22eと、その第4取付けベース22eの上に第1取付けベース12a方向に向かって圧縮バネ22fで弾発付勢されたテンションローラ22gが先部に枢着されたテンション機構22hと、第2取付けベース22a頂部に形設された張り出し部の右端部にブラケット22iを介して垂設されると共にスライドテーブル22dの後部(図1において右端部)から垂設された略L字状のアングル部材22jに前後動可能に構成されたロッドの先部が螺着された油圧シリンダ22kと、を備えてなる。
【0024】
第2ローラ部222は、第4歯付き駆動プーリー21dより若干外側(図1において右側)の所要の位置に第1ローラ12cの長手方向(図1において奥行き方向)に所定間隔をおいてスライドテーブル22dから横設され転がり軸受けbが挿嵌された一組の第4軸受け22lと、両端部に形成された筒状小径部が該第4軸受け22lに枢着され中途部が所要の径からなる中空円筒状の第2ローラ22mと、筒状小径部両端に嵌着された第5歯付き駆動プーリー22nと、第4歯付き駆動プーリー21dと第5歯付き駆動プーリー22nとに掛け渡されると共に中途部がテンションローラ22gで押圧された無端状の第3タイミングベルト22oと、を備えて構成される。
【0025】
なお、この上記した第2ローラ22mは、第1ローラ12cと同様に熱伝導性の高い金属で構成されると共に、第5歯付き駆動プーリー22nと第2ローラ22mは、第3歯付き駆動プーリー12dと第1ローラ12c夫々と同一の構成となっている。
【0026】
このように構成された従動ローラ部2は、電動ギアモートル11aの回動軸の時計回りに回転出力が、第1歯車11e及び第2歯車21c、第3タイミングベルト22o等を介して、第2ローラ22mが第1ローラ12cと同期するように、第1ローラ12cとは逆方向である反時計回りに回動可能に伝達されるようになっている。
【0027】
また、上述した第1ローラ12cとこの第2ローラ22mとの間がペレットWの厚みより幅狭な所要の間隙が形成されており、さらに、この間隙の幅は、スライドテーブル22dに横設された第4軸受け22l等を介して、油圧シリンダ22kのロッドを前後動することにより、ロッドの動作と連係した第2ローラ22mが前後動して微調整可能になっている。なお、第3タイミングベルト22oの中途部をテンションローラ22gで押圧して形成された「へ」の字部分にかかる余長によって、上記したスライドテーブル22dは平行移動可能になっている。
【0028】
ヒータ部3は、図2に示すように、第2軸受け12bの軸中心となる第1取付けベース12aの上部両側面に突設された第1継ぎ手部材3bから延設され第1ローラ12cの両端部に形成された筒状小径部から挿通されて間隙方向に沿うように折り曲げ形成された第1管部材3aと、第4軸受け22lの軸中心となるスライドテーブル22dの側面両端部に突設された第2継ぎ手部材3dから延設され第2ローラ22mの両端部に形成された筒状小径部から挿通されて間隙方向に沿うように折り曲げ形成された第2管部材3cと、第1継ぎ手部材3bと第2継ぎ手部材3dとの双方に管部材3eが接続されオイルを所要の温度まで上昇・維持可能に構成されたオイルタンク3fと圧送ポンプ3gとを備えて構成された油圧回路部3hとを備え、セ氏220℃前後まで上昇させた高温のオイルを巡回させて第1ローラ12cと第2ローラ22mとに熱伝達するようになっている。
【0029】
排出部4は、機台a1の第2取付けベース22aと第3軸受け21aとの間から立設され第1ローラ12cと第2ローラ22mとの間に形成された間隙部の真下に開口部を位置させるように形設された排出シュート4aからなる。
【0030】
次に、以上のように構成された本実施形態にかかるスナック膨化装置の一連の動作を説明する。
まず、電動ギアモートル11aとヒータ部3とを作動して、巡回した高温のオイルによってセ氏220℃前後となるように第1ローラ12cと第2ローラ22mとの表面温度を上昇させる。
【0031】
第1ローラ12cと第2ローラ22mの表面温度が上昇したら、第1ローラ12c上方に延出した供給シュートSから所定間隔をおいて連続的に、図3(1)に例示したようなペレットWを第1ローラ12cに落下させる。
落下したペレットWは、第1ローラ12cの外面に載置されると共に、第1ローラ12cと第2ローラ22mとの間に形成した間隙に案内されて、高温下で押圧される。
間隙を通過して押圧が解除されたペレットWは、瞬時に常温常圧状態に晒されて、ペレットWのわずかな水分が瞬時に蒸発して膨化し、下方に配設されたシュートに落下して収納される。この膨化した状態のペレットW(スナック菓子)を図3(2)に示す。
【0032】
この一連の動作を連続して繰り返し行い、スナック菓子を製造する。
なお、図において、供給シュートSは、ペレットWの幅より若干幅広に形成されてペレットWを1ヶずつ移送させるように表しているが、第1ローラ12c、及び第2ローラ22mの幅と略等しく供給シュートSを形成して、幅方向に複数個同時、または、若干幅方向に位置をずらして複数個のペレットWを供給させるようにしても良い。このようにすることで、同時又は略同時にペレットWを移送させて膨化させることができる。その結果、大幅にタクトタイムを減少させることができる。
【0033】
なお、電動ギアモートル11aの回転速度は、第1ローラ12cに載置されたペレットWを間隙に案内して高温下でプレスした後に瞬時に常温常圧状態に変化させるように回転制御されており、たとえばこのペレットWの押圧時間、すなわちペレットWの間隙通過時間は、たとえばペレットWの外観形状が、19mm(縦)×13mm(横)×6mm(厚み)で、水分含有率が約8%の場合、約0.4秒程度である。また、そのときの、間隙の距離は0.1ミリメートル程度が極めて好適な結果が得られている。
【0034】
例えば、上記の実施の形態では、原料はペレット化したものを用いているが、本発明はこれに限られるものではなく、原料自体でもよく、また、シート化した原料であっても良い。また、第1ローラと第2ローラの径については、それぞれが同径であってもよく、また、それぞれが異径であってもよい。
【0035】
以上、上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
ヘルシー志向の消費者ニーズに応えた膨化スナック菓子を、一定の品質で、しかもタクトタイムを大幅に短縮して、効率良く大量に生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本実施形態にかかるスナック膨化装置の正面図である。
【図2】第1ローラと第2ローラまわりの縦断面図である。
【図3】ペレットを例示しており、(1)は膨化前のペレットの平面図、(2)は膨化後のペレットの平面図である。
【符号の説明】
【0038】
W ペレット
12c 第1ローラ(圧接ローラ)
22m 第2ローラ(圧接ローラ)
1 駆動ローラ部
2 従動ローラ部
221 間隔調整部
3 ヒータ部
4 排出部
4a 排出シュート
【出願人】 【識別番号】501440123
【氏名又は名称】坂口 弘明
【出願日】 平成15年7月7日(2003.7.7)
【代理人】 【識別番号】100081455
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 哲男

【公開番号】 特開2005−27575(P2005−27575A)
【公開日】 平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願番号】 特願2003−271389(P2003−271389)