トップ :: A 生活必需品 :: A23 食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理




【発明の名称】 集中力向上食品
【発明者】 【氏名】堀江 典子

【氏名】東口 伸二

【氏名】刈谷 敦史

【氏名】横越 英彦

【氏名】金 武祚

【要約】 【課題】本発明は、経口摂取により集中力を向上させる集中力向上食品を提供することを目的とする。

【解決手段】経口摂取により、簡便に負担の少ない方法で集中力を向上させる食品について鋭意検討を重ねた結果、驚くべきことにGABA、及びカカオを添加した食品が高い集中力向上効果をもつことを見い出し本発明を完成するに至った。すなわち、経口摂取することにより、簡便でしかも高い集中力向上効果を有する食品を提供するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
GABA(γ−アミノ酪酸)、カカオポリフェノールを含有することを特徴とする集中力向上食品。
【請求項2】
上記GABAが請求項1記載の集中力向上食品に0.05質量%以上含有されていることを特徴とする請求項1記載の集中力向上食品。
【請求項3】
カカオポリフェノールが0.1質量%以上含有されていることを特徴とする請求項1記載の集中力向上食品。
【請求項4】
集中力向上食品がチョコレートであることを特徴とする請求項1から3いずれか記載の集中力向上食品。
【請求項5】
集中力向上食品がココアドリンク、チョコレートタブレットであることを特徴とする請求項1から3いずれか記載の集中力向上食品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、集中力を向上させる効果のある食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
集中力は、学習、スポーツ及び各種作業時等の多方面にわたり重要なものとして位置付けられており、「集中力をつけるには」といった内容で様々な方法が提案されている。
【0003】
スポーツにおいては、練習により習得した技術を、必要な場所で存分に発揮できることが優秀なスポーツ選手としての条件となる。技術の習得自体は練習により可能になるが、習得した技術を適切な場面で発揮するには技術面の訓練のみでは補えない部分もあり、緊張状態においていかに集中力を発揮し、訓練の成果を存分に発揮できるかという心理面での訓練及び検討が必要である。そのために、様々なメンタルトレーニングが取り入れられてきた。
【0004】
また、学習においても学習時間が長いからといって必ずしも優秀というわけではなく、短い時間の勉強でより多くの学習効果が得られることも非常によく知られており、集中力が関与していると考えられている。
【0005】
集中力を向上させる方法としては、メンタルトレーニング、マインドコントロールといったような種々のトレーニング方法が確立されているが、充分な集中力を獲得するには膨大な時間と設備が必要である。
【0006】
一方、食品として簡単に摂取することで集中力をアップさせる素材もいくつか報告されている(特開2002−322053)が、長時間に渡る緊張状態で消耗した栄養成分を補う目的での利用が大多数を占め、心理面に直接的に働きかけ、より積極的に集中力を向上させるといったものは知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような背景から、誰でも簡単にスポーツ、学習などの場面で集中力を向上させる効果のある素材が強く望まれている。
【0008】
本発明は、心身に負担をかけることなく誰でも簡単に集中力を向上させる効果を付与することができる集中力向上食品を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題について鋭意検討を行った結果、γ−アミノ酪酸(GABA)とカカオポリフェノールの組み合わせで調製された食品を摂取することにより集中力を向上させる効果を有することを見出し、本発明を完成させた。
【0010】
即ち、本発明の集中力向上食品は、GABA及びカカオポリフェノールを有効成分として含有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の集中力向上食品は、有効成分であるGABAとして0.05質量%以上含有することが好ましい。
【0012】
更には、本発明の集中力向上食品は、カカオポリフェノールとして0.1質量%以上含有されていることが好ましい。
【0013】
本発明の集中力向上食品は、チョコレートであることが好ましい。
【0014】
また、本発明の集中力向上食品は、ココアドリンク、チョコレートタブレットであることが好ましい。
【0015】
すなわち、本発明によれば簡便で心身に負担をかけることなく集中力を向上させる効果を有する食品を提供することができる。
【0016】
【発明の実施形態】
本発明の集中力向上食品は、有効成分としてGABA及びカカオポリフェノールを含有する。
【0017】
本発明におけるカカオの種類は特に限定するものではないが、クリオロ種、フォラステロ種、トリニタリオ種等が挙げられる。
【0018】
本発明におけるGABAとは、乳酸菌発酵により生産されるGABAが望ましい。更に好ましくは、ラクトバチルス属の細菌から発酵法で生産されるGABAのことであり、最も好ましいのは、ラクトバチルス ヒルガルディK−3株の細菌から発酵法で生産されるGABAである。
【0019】
上記の乳酸菌発酵溶液は、適宜凍結乾燥やスプレードライにて乾燥し、粉末化しても構わない。特に限定するものではないが、GABAの含有量は、液体で5%〜30%、粉末状では10〜90%である。
【0020】
本発明におけるチョコレートとは特に限定するものではないが、ミルクチョコレート、ココアパウダー、ココアドリンク、ブラックチョコレート、スイートチョコレートが挙げられる。
【0021】
本発明のチョコレートの最終商品形態は特に限定するものではないが、板チョコレート、チョコレートドリンク、チョコレートシロップなどが考えられる。
【0022】
以下に試験例、実施例を示し、本発明をより詳細に説明するが、その内容に制限されるものではない。
【0023】
【実施例】
【実施例1】GABAの調製
【0024】
下記に示す組成の培地(pH5.0)50Lを、90℃、10分間加熱殺菌した後、乳酸菌(Lactobacillus Hilgardii K−3株)を接種し、30℃で3日間培養した。
【0025】
この発酵液を90℃で10分間加熱殺菌した後、ろ過し得られたろ液を真空濃縮機で濃縮した後、凍結乾燥機にて乾燥し、粉砕後サンプルとした。
【0026】
尚、本製造法は1例であり特に本特許を限定するものではない。
【0027】
【実施例2】GABA含有チョコレートの調製
【0028】
市販のカカオマスに、砂糖、脱脂粉乳、香料及び実施例1で得られたGABA粉末(商品名:ファーマギャバ20 株式会社 ファーマフーズ研究所製)0.3gを加え湿式磨砕により微粒子化する。さらにココアバターを加え練り上げ、成形し、GABA含有チョコレート(GABAチョコレート)を調製した。GABA以外の原料で調製したチョコレートをControlチョコレート(Controlチョコレート)とした。尚、本処方は食品の1例であり特に本特許を限定するものではない。
【0029】
【実施例3】テアニン含有チョコレートの調製
【0030】
集中力向上効果が報告されているL−テアニン(以下テアニンとする)を含有するチョコレートを実施例1と同様の方法で調製し(L−テアニン60mg含有)、対照チョコレート(テアニンチョコレート)とした。
【0031】
【試験例1】ワープロ入力テストによる集中力評価試験
【0032】
健常な成人被験者30名を10名づつ3グループに分け、実施例2及び実施例3で調製したチョコレートを用いた集中力評価試験を行った。集中力の評価は、一定時間単調なワープロ入力作業を行い、入力文字数の変動により評価した。チョコレートの摂取は、作業開始30分前とした。グループ毎に以下に示す順序で1日1種類のサンプルチョコレートを摂取し、3日間にわたりテストを行った。結果を表2に示す。
【0033】
【表1】


【0034】
【表2】
<ワープロテストによる入力文字数の変動>


【0035】
表2の結果より、GABAチョコレートを摂取した場合においては、30名の被験者のうち25名において、テアニンチョコレートを摂取した場合では、8名の被験者で入力文字数の増加が確認された。また、Controlチョコレートにおいては、5名の被験者で若干の文字数の増加が確認できたが、大きな変動は認められず、GABAチョコレートの摂取により、単調作業における顕著な集中力の向上効果が確認できた。
【0036】
【実施例4】タブレットの調製
実施例1で得られたGABAを用いて、以下の処方により試験用タブレットを4種類調製した。
【0037】


【0038】


【0039】


【0040】


【0041】
【試験例2】計算テストによる集中力評価試験1
【0042】
様々な職業の被験者40名を選定し、10名づつ以下に示す4グループにわけ、実施例4で調製した4種類のタブレットを1日1種類づつ摂取し、4日間連続で試験を行った。
【0043】
試験は、簡単な足し算を一定時間内に行いその正解率と回答数を比較し評価とした。結果を表4、表5に示す。
【0044】
更には、▲1▼集中度▲2▼緊張感▲3▼注意力散漫感について主観的なアンケート調査を行った。結果を表6に示す。
【0045】
【表3】試験グループ


【0046】
<アンケート判定基準>
判定 評価点
非常によい 5
少し良くなった 4
変化なし 3
少し悪化した 2
非常に悪化した 1
【0047】
【表4】計算テストの正解率


【0048】
【表5】


【0049】
【表6】


【表7】


【表8】


【0050】
表4、表5の結果から、GABA+カカオタブレットの摂取により、正解率、回答数共に著しく上昇することが確認できた。GABAタブレットの摂取では、正解率、回答数共に上昇する傾向が認められたが、顕著な上昇ではなかった。集中力向上効果が報告されているカカオについては、回答数の増加は確認できたが、正解率は、Controlと変わらず顕著な変動は認められなかった。
【0051】
アンケート調査の結果(表6、表7、表8)では、GABA+カカオポリフェノールタブレット、GABAタブレット共に、集中力の向上効果が確認できた。カカオポリフェノールタブレット、Controlタブレットでは、若干の効果が認められたが顕著な効果ではなかった。
【0052】
【実施例5】GABA含有ココアドリンクの調製
【0053】
市販のココア粉末9.9gにGABAとして100mgになるようにブレンドし、GABA添加ココアを調製した。また、テアニンを100mgブレンドしたテアニン添加ココアを調製し、テアニン添加ココアとし、何も添加しない市販のココアを対照品とした。
【0054】
【試験例3】計算テストによる集中力評価試験2
【0055】
実施例5にて調製したココアドリンクを用いて試験例2と同様に計算テストに
【0056】
よる集中力評価試験を行った。ココアドリンクは、各サンプル共に10g/200mlになるようにお湯に溶解し、1日2回飲用した。
【0057】
被験者は、40名で10名づつ4グループにわけ5日間連続で飲用した後に計算テストを実施し、これを1クールとした。その後2日間飲用しない日を経た後、更に別のサンプルを5日間飲用し、トータルで4種類のサンプルをグループ毎に飲用した。試験に用いた各サンプルは以下の通りである。
【0058】
<試験サンプル>
1.市販ココア(対照品)
2.テアニン添加ココア
3.GABA添加ココア
4.水(Control)
結果を表9、表10に示す。
【0059】
【表9】


【0060】
【表10】


【0061】
表9、表10の結果から、GABA添加ココアドリンクにおいて、顕著な集中力向上効果が確認できた。市販ココアドリンク、テアニン添加ココアドリンク共に若干の集中力の向上が認められたものの、顕著な変動ではなかった。
【0062】
特に、GABA添加ココアドリンクにおいては、集中力の持続効果が認められ、回答数の上昇が著しかった。
【0063】
【本発明の効果】
本発明により、食品で集中力を付与することが可能となり、簡便で心身に負担の少ない集中力向上食品を提供するものであり、産業上の意義は極めて大きい。
【0064】
【出願人】 【識別番号】500101243
【氏名又は名称】株式会社ファーマフーズ研究所
【出願日】 平成15年6月27日(2003.6.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−13127(P2005−13127A)
【公開日】 平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願番号】 特願2003−183816(P2003−183816)