| 【発明の名称】 |
発酵茶の製造法 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤田 裕之 【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町19番19号 日本サプリメント株式会社内
【氏名】山上 知秀 【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町19番19号 日本サプリメント株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】発酵茶特有の生理活性を保持したまま、短期間で発酵茶を製造し、収率を向上させる製造法を提供する。
【解決手段】発酵茶の製造法において、茶の茎の共存下で茶葉を発酵させることで、発酵茶を製造すること、好ましくは、更に茶葉100重量部に対して30重量部以上の茶の茎を含有させ、特定の微生物(カビ)を茶葉及び茶の茎の総量に対して0.001〜1重量%含有させ発酵させ、発酵時には32℃以上を少なくとも5時間保持して得られる発酵茶中に含有するカフェイン量が5重量%以下である発酵茶の製造法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 茶の茎の共存下で茶葉を発酵させることを特徴とする発酵茶の製造法。 【請求項2】 茶葉100重量部に対して茶の茎を25重量部以上共存させることを特徴とする請求項1記載の発酵茶の製造法。 【請求項3】 微生物共存下で発酵させることを特徴とする請求項1または2記載の発酵茶の製造法。 【請求項4】 微生物がアスペルギルス(Aspergillus)属またはリゾプス(Rhizopus)属であることを特徴とする請求項3記載の発酵茶の製造法。 【請求項5】 微生物の共存量が茶葉及び茶の茎の総量に対して0.001〜1重量%であることを特徴とする請求項3または4記載の発酵茶の製造法。 【請求項6】 32℃以上で5時間以上発酵させることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の発酵茶の製造法。 【請求項7】 得られる発酵茶中のカフェイン含有量を5重量%以下にすることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の発酵茶の製造法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、茶の茎の共存下で微生物を用いて茶葉を発酵させてなる発酵茶の製造法に関する。 【背景技術】 【0002】 我が国の食生活が豊かになるにつれて、高脂血症の症状を持つ成人が増加し、その結果、肥満、動脈硬化、血栓症等疾患の誘因となり問題となっている。この高脂血症の予防治療剤として、各種食品中に含有されているコレステロール低下作用が注目されてきており、その一つである茶類の持つ機能性が注目を集めている。例えば、中国茶の黒茶の一種であるプアール茶の脂質代謝作用(例えば、非特許文献1参照。)、各種黒茶のコレステロール一時減少作用(例えば、非特許文献2参照。)が報告されており、かかる作用を有する黒茶の抽出物からなる血糖値上昇抑制物質が知られている(例えば、特許文献1参照。)。 【非特許文献1】佐野ら、1986年 Chem. Pharm. Bull(Tokyo) 34, 1, p221-8 【非特許文献2】Yangら、Pharmacological Reserch, Vol. 35, No.6, 1997:505-512 【特許文献1】特開2002−370994号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかしながら、発明者の知見によれば、上記開示技術の原料となる黒茶を製造するには、通常約40日以上もの日数を要することが判明し、黒茶が有するコレステロール低下作用等の生理活性を保持したまま、短期間で黒茶が製造でき、しかも発酵茶からの抽出物の収率を向上させる方法が望まれるところである。 【課題を解決するための手段】 【0004】 そこで、本発明者はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、発酵茶の製造法において、茶の茎の共存下で、茶葉を発酵させることで、コレステロール低下作用等の生理活性を保持したまま、短時間で、しかも収率が向上することを見出して、本発明を完成するに至った。 【発明の効果】 【0005】 本発明の製造法によれば、コレステロール低下作用等の生理活性を保持したまま、発酵茶の製造時間の短縮及び発酵茶からの抽出物の収率の向上が図れる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0006】 本発明では、中国大葉種、中国小葉種、シャン種、アッサム種、等の茶樹から得られる茶葉を使用することができる。 【0007】 本発明においては、発酵処理を行う前に茶葉中に含まれる酵素による酸化等を防ぐ目的で加熱処理をすることが好ましく、かかる加熱処理により茶葉の青臭さなどの生臭が消え、良い香りを得ることが可能となる。かかる熱処理にあたっては、収穫された茶葉をそのまま加熱処理した茶葉を用いても良いが、加熱処理前に茶葉に含まれる酵素で自己消化し、一度半発酵したウーロン茶や後発酵した紅茶に加工した茶葉を原料に使用してもよい。加熱の方法は、釜を用いた直火法、電気などを熱源とする各種乾燥機や、蒸気を利用する蒸煮加熱乾燥機を使用する方法、日光にさらす天日乾燥等、茶葉を加熱処理し、酵素を失活できれば、如何なる手法でも良い。このときの加熱条件は、20℃以上、好ましくは100〜200℃の高温で10秒以上、好ましくは30〜3,000秒加熱すればよい。 【0008】 本発明においては、上記のような茶葉を発酵するにあたり、茶の茎を共存させることを最大の特徴とするもので、以下に説明する。 発酵に用いる茶葉と茶の茎は特に大きさに限定されない。そのまま使用してもよく、破砕機、粉砕機、製粉機、ボールミルなどによって裁断したものを使用してもよい。 【0009】 加熱後の放冷は、特に限定されるものではないが、発酵室内で通風機による冷却、クーラーによる冷却、等で行ってもよく、自然に冷却されるのを待っても良い。 【0010】 また、発酵に供される茶葉及び茶の茎は、霧吹き等で加湿して、水分量を30重量%以上、更には30〜50重量%、発酵後の水分量は20重量%以下、更には10〜19重量%とすることが好ましく、発酵前の水分量が30%未満であると十分に発酵が進まないことがあり、また、発酵後の水分量が20%を超えると、腐敗の原因となるためそれぞれ好ましくない。 【0011】 上記の如く処理された茶葉及び茶の茎を用いて発酵させるにあたって、茶の茎の共存量は特に限定されないが、茶葉100重量部に対して、茶の茎を25重量部以上共存させることが好ましく、更に好ましくは25〜60重量部、特に好ましくは27〜40重量部で、かかる共存量が25重量部未満では、発酵時の通気が悪くなり、発酵状態が一定にならなかったり、茶葉からの有効成分生成量が減少するため好ましくない。また、60重量部以上では、茶葉の有効成分を発酵させることができなくなり、有効成分量が減少するため好ましくない。 【0012】 また、発酵にあたっては、発酵茶特有の風味と生理活性を十分に得るために、微生物(カビ)を共存させて発酵せしめることが好ましい。使用するカビは自然に存在するものでも構わないがアスペルギルスアワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルスサイトイ(Aspergillus saitoi)やアスペルギルスニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルスオリゼー(Aspergillus orizae)などのAspergillus属またはリゾパスデリマー(Rhizopus delemar)などのRhizopus属、その他テンペ菌等の食品加工用のカビを使用することができ、生理活性の発現の点において、Aspergillus属やRhizopus属を使用することが好ましい。使用するカビの種類は一種、あるいは複数種を混合して用いることができるが、一種類のカビを用いた純粋発酵が好ましい。 【0013】 上記のカビを植菌するには、茶葉及び茶の茎とカビの胞子をそのまま粉体混合する方法や、カビの胞子をいったん小麦粉や米粉、大麦粉等の食品賦型剤で紛体混合して胞子を一度希釈した後に茶葉及び茶の茎を混合する方法や、カビの胞子を生理食塩水等で懸濁状態にして、茶葉及び茶の茎に吹き付ける方法などを挙げることができる。カビの植菌量は、茶葉及び茶の茎の総量に対し0.001〜1重量%が好ましく、更には0.01〜0.5重量%が好ましい。植菌量が0.001重量%未満では、十分に発酵できないことがあり、逆に1重量%を超えると製造コストがかかりすぎて好ましくない。 【0014】 これらの菌株はいずれも、市販されている清酒用の麹、みりん用の麹、焼酎用の麹、てんぺ用の麹等をカビの種菌として購入してもよく、また発酵が終了した茶葉を残しておき、種麹として再使用することも可能であり、なんら制限なく入手することができる。 【0015】 次いで、植菌をされた茶葉及び茶の茎は、醗酵室内のベッド上に広げ発酵せしめる。発酵時の温度は、発酵開始後25時間以内に発酵物の温度を32℃以上に昇温することが好ましく、更に好ましくは32〜45℃、特に好ましくは35〜42℃である。そして、かかる温度を少なくとも5時間以上保持することが好ましく、更に好ましくは5〜10時間である。このような条件を逸脱するとき、すなわち短時間に高温にしないときには十分に発酵が進まないことがあり好ましくない。 上述の方法により、短期間に発酵させることが可能となるので、発酵工程は、20時間〜15日間、更には10時間〜7日間程度で発酵が可能となるのである。 【0016】 かくして、発酵茶が製造されるのであるが、本発明の方法で得られる発酵茶中のカフェインの含有量は5重量%以下であることが好ましく、更に好ましくは3〜5重量%である。かかるカフェイン含有量が5重量%を超えると抽出物中のカフェイン含量が増え、興奮作用、利尿作用等の生理作用が強くなるため好ましくない。 【0017】 上記の如く製造された発酵茶はコレステロール低下作用等の生理活性を有するものであり、かかる有効成分を抽出するにあたっては、水や熱水で抽出処理をすることができる。 【0018】 かかる方法としては、発酵茶葉を抽出タンクに入れ、水又は熱水を添加して、抽出することができ、得られた抽出液は、遠心分離による固液分離の処理後、フィルタープレスにより異物等を除去し抽出物が得られ、かかる抽出物を濃縮し、あるいは、さらにその乾燥の形態で使用してもよく、かかる濃縮方法としては、特に限定されないが減圧濃縮、膜濃縮、凍結濃縮等があり、乾燥にはスプレードライ、フリーズドライ、ニーダー、ナウターミキサーなどの機械を用いて粉末化することができ、濃縮あるいは乾燥されて、液状又は粉末化されたエキスとして、そのまま、あるいは他の食品に添加して機能性食品として利用されるのである。 【0019】 かかるエキスを他の食品に添加して用いる場合の具体的に対象となる食品としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。 (1)農水酸加工品 はるさめ、こしあん、こんにゃく、パン、麺類(即席めん、パスタ、生めん、乾 めん)、餅、シリアル食品、大豆加工品(豆腐、豆乳、納豆、凍豆腐)、水酸加 工品[練り製品、(かに風味)蒲鉾、(魚肉)ハム、(魚肉ソーセージ)、(魚 肉)ウィンナー、ふりかけ、お茶づけのり]、卵含有食品(スープ、丼等)、缶 詰(オイルサーディン、焼鳥)、レトルト食品(カレー、シチュー、スパゲッ ティー) (2)乳製品 牛乳、加工乳、乳酸菌飲料、バター、チーズ、練乳、粉乳 (3)菓子 ケーキ、ムース、(粉末)デザート、アイスクリーム、飴、チョコレート、グ ミ、キャンディー、クッキー、ウエハース、ゼリー (4)調味料 味噌、醤油、うま味(風味)調味料、(粉末)天然調味料、ソース、ドレッシン グ、焼肉のたれ、みりん、カレー、シチュー、香辛料、スパイス、ヨーグルト (5)飲料 清涼飲料(炭酸飲料、果実飲料、スポーツドリンク、栄養飲料)、嗜好飲料 (コーヒー、ココア、麦汁) 【0020】 (6)健康食品(栄養補助食品) 〈1〉サポニン含有食品(オタネニンジン根含有食品、エゾウコギ含有食品) 〈2〉糖含有食品糖含有食品〔オリゴ糖(フラクトオリゴ糖含有食品、イソマルト オリゴ糖含有食品、ガラクトオリゴ糖含有食品)、多糖類(シイタケ含有食 品、ムコ多糖、蛋白含有食品、コンドロイチン硫酸含有食品、マンネンタケ (霊芝)含有食品)、キチン、キトサン含有食品〕 〈3〉ミネラル含有食品(カルシウム含有食品、アルファルファ含有食品、プルー ンエキス食品、βカロチン含有食品) 〈4〉油脂含有食品 ビタミンE含有油脂〔麦(小麦、鳩麦)胚芽油、大豆胚芽油、米胚芽油〕エ イコサペンタン酸含有食品、大豆レシチン含有食品、γ−リノレン酸含有食 品(月見草油、ボラージ油)、ドコサヘキサエン酸含有食品 〈5〉蛋白質含有食品 大豆蛋白質含有食品、カゼイン、ホエー蛋白、鯉加工食品 〈6〉タウリン 牡蠣加工食品、シジミ加工食品 (7)その他 〈1〉スッポン加工食品、アミノ酸代謝異常用食品、流動食(病食) 【実施例】 【0021】 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。 尚、実施例中、「部」、「%」とあるのは、特に断りのない限り重量基準を示す。 【0022】 実施例1 中国大葉種の茶葉及び茶の茎を収穫し、茶葉100部と、茶の茎37部を直火の釜に入れて、90℃で25分間焙煎釜炒りした。放冷後、霧吹きを用いて水を噴霧して水分量を32%とした後、発酵室に入れアスペルギルス(Aspergillus)属のカビを、茶葉及び茶の茎総量に対し0.1%添加して十分に混合して系内の温度を25時間で37℃まで上昇させた後、そのままの温度で、80時間発酵を続けた。上記により得られた発酵茶に含有するカフェインの量は4.8重量%であった。 上記製造方法による発酵茶の製造時間、抽出物の収率及び生理活性を以下の基準で評価した。 【0023】 (製造時間) 発酵開始後、茶葉の温度、および湿度を測定し、80時間後の茶葉の状態と生理活性を評価した。 【0024】 (製造収率) 上記で得られた発酵茶葉198gを抽出タンクに入れ、水1000mLを添加し、120℃で1時間抽出し、抽出液1150mLを得た。この抽出液を遠心分離後、フィルタープレスにより異物を除去し、得られた抽出液を濃縮後、凍結乾燥して得られた抽出物の収率を調べた。 尚、収率(%)の算出にあたっては、乾燥粉末重量/発酵茶葉×100(%)で計算した。 【0025】 (生理活性) 高コレステロール血症のボランティア11名(総コレステロール値の平均値:231mg/dL)を、インフォームドコンセントの元試験を以下の要領で実施した。 試験前日、20時以降、絶食・絶飲とし、医師の問診を受けた後に単回経口投与試験を行った。コントロールにはバターを30g摂取させ、摂取後6時間後に採血し、コレステロール量を測定した。また、試験では、この乾燥物1〜5gをバターと同時に摂取させ、6時間後に採血してコレステロール量を測定し、コントロールのコレステロール値からの抑制率(%)で評価した。 【0026】 実施例2 実施例1において、茶の茎の含有量を55部に変更した以外は、同様に発酵茶を得て同様に評価を行った。尚、上記により得られた発酵茶に含有するカフェイン含量は4.3%であった。 【0027】 実施例3 実施例1において、茶の茎の含有量を30部に変更した以外は、同様に発酵茶を得て同様に評価を行った。尚、上記により得られた発酵茶に含有するカフェイン含量は4.7%であった。 【0028】 実施例4 実施例1において、カビの種類をリゾプス(Rhizopus)属に変更した以外は、同様に発酵茶を得て同様に評価を行った。尚、上記により得られた発酵茶に含有するカフェイン含量は4.5%であった。 【0029】 実施例5 実施例1において、カビの共存量を茶葉及び茶の茎の総量に対して1.0%に変更した以外は、同様に発酵茶を得て同様に評価を行った。尚、上記により得られた発酵茶に含有するカフェイン含量は4.5%であった。 【0030】 実施例6 実施例1において、発酵時に45℃の温度に変更した以外は、同様に発酵茶を得て、同様に評価を行った。尚、上記により得られた発酵茶に含有するカフェイン含量は4.5%であった。 【0031】 比較例1 実施例1において、茶の茎の含有量を2部に変更した以外は、同様に発酵茶を得て、同様に評価を行った。尚、上記により得られた発酵茶に含有するカフェイン含量は5.1%であった。 【0032】 実施例1〜6及び比較例1の評価結果を表1に示す。 【0033】 〔表1〕 抽出物の収率(%) 製造時間(h) 生理活性(%) 実施例1 30% 80h 50% 実施例2 27% 76h 45% 実施例3 33% 85h 53% 実施例4 30% 82h 51% 実施例5 29% 76h 50% 実施例6 31% 86h 50% 比較例1 20% 130h 15% 【産業上の利用可能性】 【0034】 本発明の発酵茶の製造法は、黒茶が有するコレステロール低下作用等の生理活性を保持したままで、製造時間の短縮、製造収率の向上が図れる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】500333132 【氏名又は名称】日本サプリメント株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町19番19号 アプローズタワー 【識別番号】000004101 【氏名又は名称】日本合成化学工業株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区大淀中一丁目1番88号 梅田スカイビル タワーイースト
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| 【出願日】 |
平成16年5月28日(2004.5.28) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−333929(P2005−333929A) |
| 【公開日】 |
平成17年12月8日(2005.12.8) |
| 【出願番号】 |
特願2004−159681(P2004−159681) |
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