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【発明の名称】 後発酵茶を含有するリバウンド予防用飲料及び脂肪吸収抑制剤
【発明者】 【氏名】石井 千広
【住所又は居所】東京都墨田区吾妻橋1丁目23番1号 アサヒ飲料株式会社内

【氏名】佐藤 克彦
【住所又は居所】東京都墨田区吾妻橋1丁目23番1号 アサヒ飲料株式会社内

【氏名】三木 智恵
【住所又は居所】東京都墨田区吾妻橋1丁目23番1号 アサヒ飲料株式会社内

【氏名】高崎 智子
【住所又は居所】茨城県守谷市緑1丁目1番21号 アサヒビール株式会社未来技術研究所内

【氏名】安江 正明
【住所又は居所】茨城県守谷市緑1丁目1番21号 アサヒビール株式会社未来技術研究所内

【要約】 【課題】後発酵茶抽出成分を用いたダイエット後のリバウンド抑制効果を有する茶飲料及び脂肪吸収抑制剤を提供する。

【解決手段】後発酵茶であるプーアル茶6.0g、中国茶であるジャスミン茶6.0gを85℃の温純水3000gに入れ5分間抽出し、濾過して得られた抽出液を希釈してアスコルビン酸ナトリウムを600ppmになるように添加し、殺菌後密閉容器へ充填することにより製造する。また、プーアル茶を湯抽出したのち凍結乾燥してパウダー状にする。これにより、副作用なく痩身効果を得られる飲料、脂肪吸収抑制剤を提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
後発酵茶抽出成分をダイエット維持有効量含有するリバウンド予防用飲料。
【請求項2】
前記後発酵茶はプーアル茶である請求項1記載のリバウンド予防用飲料。
【請求項3】
更にジャスミン茶抽出成分を含有する請求項2記載のリバウンド予防用飲料。
【請求項4】
飲料500mlあたり3.89質量%のプーアル茶抽出成分を含有する請求項2又は3記載のリバウンド予防用飲料。
【請求項5】
後発酵茶抽出物をダイエット後のリバウンド抑制有効量含有する飲料用又は食品用添加剤。
【請求項6】
前記飲料用又は食品用添加剤は後発酵茶の抽出液乾燥粉末である請求項5記載の飲料用又は食品用添加剤。
【請求項7】
前記後発酵茶はプーアル茶である請求項5又は6記載の飲料用又は食品用添加剤。
【請求項8】
更にジャスミン茶抽出成分を含有する請求項7記載の飲料用又は食品用添加剤。
【請求項9】
後発酵茶抽出物を凍結乾燥して得られる食前摂取用の脂肪吸収抑制剤。
【請求項10】
前記脂肪吸収抑制剤は飲料又は食品添加用のものである請求項9記載の脂肪吸収抑制剤。
【請求項11】
前記脂肪吸収抑制剤は飲料用原料である請求項9記載の脂肪吸収抑制剤。
【請求項12】
前記後発酵茶はプーアル茶である請求項9から11いずれか記載の脂肪吸収抑制剤。
【請求項13】
前記脂肪吸収抑制剤はプーアル茶の抽出液凍結乾燥物とジャスミン茶の抽出液凍結乾燥物とが重量比1:1の比率で混合されたものである請求項9記載の脂肪吸収抑制剤。
【請求項14】
飲料中のプーアル茶抽出成分含有量を調整することにより飲料の痩身効果を調整する方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、後発酵茶の抽出成分を用いて製造される、痩身効果を有する飲料及び飲料用又は食品用添加剤、並びに飲料用原料に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食生活の変化や環境悪化などに起因する各種成人病が深刻化しており、この成人病に大きく影響する肥満の改善が重要な問題となっている。かかる肥満は、カロリーの摂取量が運動等によるカロリー消費量よりも多いために脂肪が体内に過剰に蓄積してしまうことなどにより生じる。
【0003】
この肥満改善については様々なダイエット法が提唱されているが、副作用もなく手軽な方法として半発酵茶である烏龍茶飲料の摂取が広くなされており、かかる烏龍茶の痩身効果については実験結果等による報告も存在している。
【0004】
例えば、特許文献1にはウーロン茶サポニン及びウーロン茶ファイバーを含有する体重抑制剤が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、ウーロン茶とヤーコンを有効成分として含有する、脂質代謝異常の予防並びにダイエットに有用な養生茶が記載されている。
【特許文献1】特開平06−227996号公報
【特許文献2】再表98/008527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の実施例においては被験者の食事が1500〜2000Kcalに制限されているため、高脂肪食を食した場合でも体重が減少するかは不明である。また、特許文献2では、ウーロン茶単独では血漿中の中性脂肪量に有意な変化も体重の増加抑制も認められず、ヤーコン茶と烏龍茶の組み合わせによって初めて有意な効果が得られることが開示されており、ウーロン茶単独ではダイエット茶としては不十分であることが示唆されているということができる。
【0007】
一方、肥満に関しては、ダイエットを試みて体重が減少したものの、ダイエット終了後には肥満がかえって増悪してしまうリバウンドも近年問題になっている。しかしながら、茶成分の摂取によるダイエット効果の持続に関してはこれまでに報告例がなく、上記文献においてもかかるリバウンド抑制に関しては何ら記載も示唆もない。
【0008】
本発明は以上のような現状に鑑みてなされたものであり、油の摂り過ぎによる脂肪蓄積やダイエット後のリバウンドという肥満において問題となる2つの要因に着目し、茶成分のみを痩身有効成分とする飲料や飲料及び食品用添加剤の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、後発酵茶が脂肪吸収抑制効果やリバウンド予防効果といった痩身効果を有していることを見出し、以下のような
発明を完成した。
【0010】
より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
【0011】
(1)後発酵茶抽出成分をダイエット維持有効量含有するリバウンド予防用飲料。
【0012】
本発明における「後発酵茶抽出成分」は、後発酵茶を湯抽出などで抽出した抽出液であってもよく、この抽出液を乾燥等してパウダー状としたものであってもよい。また、本発明に係る「リバウンド予防用飲料」は、上記抽出液等を希釈することによって製造してもよく、所定の飲料に添加するようにして製造してもよい。
【0013】
(2)前記後発酵茶はプーアル茶である(1)記載のリバウンド予防用飲料。
【0014】
(3)更にジャスミン茶抽出成分を含有する(2)記載のリバウンド予防用飲料。
【0015】
(4)飲料500mlあたり3.89質量%のプーアル茶抽出成分を含有する(2)又は(3)記載のリバウンド予防用飲料。
【0016】
(5)後発酵茶抽物分をダイエット後のリバウンド抑制有効量含有する飲料用又は食品用添加剤。
【0017】
(6)前記飲料用又は食品用添加剤は後発酵茶の抽出液乾燥粉末である(5)記載の飲料用又は食品用添加剤。
【0018】
(7)前記後発酵茶はプーアル茶である(5)又は(6)記載の飲料用又は食品用添加剤。
【0019】
(8)更にジャスミン茶抽出成分を含有する(7)記載の飲料用又は食品用添加剤。
【0020】
(9)後発酵茶抽出成分を凍結乾燥して得られる食前摂取用の脂肪吸収抑制剤。
【0021】
本発明に係る脂肪吸収抑制剤は、例えば、茶葉を抽出した液を一度凍らせ、真空乾燥器にて水分を飛ばすことにより乾燥し、製造することができる。
【0022】
(10)前記脂肪吸収抑制剤は飲料又は食品添加用のものである(9)記載の脂肪吸収抑制剤。
【0023】
(11)前記脂肪吸収抑制剤は飲料用原料である(9)記載の脂肪吸収抑制剤。
【0024】
本発明によれば、後発酵茶から成る脂肪吸収抑制剤が飲料用の原料となっているので、希釈するなどして飲料を製造することが可能となっている。
【0025】
(12)前記後発酵茶はプーアル茶である(9)から(11)いずれか記載の脂肪吸収抑制剤。
【0026】
(13)前記脂肪吸収抑制剤はプーアル茶の抽出液凍結乾燥物とジャスミン茶の抽出液凍結乾燥物とが重量比1:1の比率で混合されたものである(9)記載の脂肪吸収抑制剤。
【0027】
(14)前記飲料中のプーアル茶抽出成分含有量を調整することにより飲料の痩身効果を調整する方法。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る後発酵茶又は後発酵茶を含有する混合茶の抽出成分を有効成分とする飲料によれば、何ら副作用を生ずることなく、優れた痩身効果が得られるので、ダイエット後のリバウンド防止を含めた肥満改善に有用である。
【0029】
また、本発明に係る脂肪吸収抑制剤によれば、予め食前に摂取しておくことにより、食事中の脂肪吸収を効果的に阻害することができ、体内に脂肪が蓄積することにより生じる肥満の予防・改善を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明について詳しく説明する。
【0031】
本明細書において「リバウンド」とは、食事制限などによるダイエット完了後通常の食生活に戻した場合に、体重が元の体重に戻ってしまうこと、あるいは元の体重以上の体重になってしまうことをいう。ヒトは一旦肥満になると脂肪細胞が生理学的に変化し、正常な脂肪採用よりも栄養分に対する感受性が高まるといわれている。即ち、同じ栄養分を与えた場合、正常な脂肪採用よりも脂肪蓄積をおこしやすいことになる。このようなことから、リバウンドを繰り返すと痩せにくい体質になってしまうおそれがあり、リバウンドの抑制は肥満症改善のために重要なものである。
【0032】
[茶の分類]
茶は製法によって以下に示す表1のように4つに大別できる。このうち「プーアル茶」のような「後発酵茶」は微生物による発酵を行うため、緑茶のような不発酵茶、ウーロン茶のような半発酵茶とは、異なる茶成分の分解物が含まれると考えられる。なお、ジャスミン茶とは中国製緑茶にジャスミンの花で着香した茶葉で、成分的には緑茶に属するものである。
【0033】
【表1】


【0034】
プーアル茶のような後発酵茶についてはいくつかの報告がなされてはいるものの、微生物による発酵の複雑さ故に、その機能性は十分に明らかにされていないのが現状である。しかも、従来の後発酵茶機能性の報告は飲用者が通常体に対する評価のみであり、肥満体に対する評価は行われていなかった。
【実施例】
【0035】
以下に後発酵茶の効能について検証した実施例を示す。なお、本発明に係る実施例では、プーアル茶、ジャスミン茶、及びウーロン茶については、85℃の湯で5分間抽出して湯抽出液を作成し、凍結乾燥により粉末化して茶抽出液乾燥粉末としたものを回収したプーアル茶粉末、ジャスミン茶、及びウーロン茶を使用している(湯抽出液の調整:各茶葉0.033g/湯1kg)。なお、プーアル茶:ジャスミン茶が1:1の比率で混合された混合物は、上述した粉末を用いて作成した。また、プーアル茶は、商品名「74201」、産地が中国広東省のものを使用した。
【0036】
[実施例1(脂肪吸収に及ぼす影響:単回投与)]
まず、単回投与した場合の脂肪吸収に及ぼす影響を試験するため、茶粉末の事前投与が植物油投与による血液中の中性脂肪値上昇に及ぼす影響を検討した。
【0037】
被験動物には、日本エスエルシー株式会社から購入した4週齢の雄性ddyマウスを用い、1週間予備飼育後試験に使用した。
【0038】
上述したマウスを24時間絶食後、体重によって1群10匹で5群に分け、プラセボとして水を投与する「水投与群」、「プーアル茶投与群」、「ウーロン茶投与群」、「ジャスミン茶投与群」、プーアル茶とジャスミン茶との「混合茶投与群」とした(各群n=10)。
【0039】
水投与群には蒸留水を、各茶投与群には各茶乾燥粉末を10%(w/w)になるようにして蒸留水に懸濁し、マウスの体重10gあたり0.1mLを投与した。そして、投与30分後に植物油(日清サラダ油(登録商標))をマウスの体重10gあたり0.1mL投与した。なお、水投与群には植物油のみ投与した。
【0040】
血液中の中性脂肪値を測定するために、植物油投与前、投与後1、2、3時間後にそれぞれ眼窩採血を行った。採血した血液について血漿中性脂肪濃度を測定し、これを脂肪吸収の代用特性値とした。
【0041】
図1に、植物油投与後の血漿中性脂肪値の経持的変化を示した。この図から明らかなように、茶粉末を投与しなかった水投与群(対象群)では、植物油投与により中性脂肪値が急激に上昇し、2時間後にピークに達した。これに対し、茶粉末を植物油投与前に投与した各群では、中性脂肪値は緩やかな上昇を示し、観察時間全体を通じて対照群よりも低値で推移した。採血時間によっては、対照群と茶粉末投与群との間に有意差が認められた。
【0042】
この図1の中性脂肪変動曲線から求めた各試験群の曲線下面積を、表2にまとめた。この曲線下面積は、「上昇抑制効果が強いほど」、また「効果の持続性があるほど」、小さくなるものである。この表から明らかなように、曲線下面積から判断した各茶投与群の効果の強さは、プーアル茶>混合茶>ウーロン茶>ジャスミン茶であった。
【0043】
【表2】


【0044】
[実施例2(ダイエット後のリバウンドに及ぼす影響:36日間連続投与)]
ダイエット作用の評価試験では、通常6〜8週間程度、動物に高脂質飼料を摂取させて肥満にするモデルが用いられ、高脂質飼料に被験物を添加した際の影響を調べる方法が一般化している。しかしながらこの試験では「普通体が肥満になる」のを予防する効果が判明するのみで、肥満になってからダイエットを考える人の場合と乖離している。このようなことから、本実施例では近年問題になっている「ダイエット後のリバウンド」に的を絞り、予め食餌性肥満にしたマウスを用いて、茶粉末のリバウンド抑制効果を検証した。具体的には、マウスを高脂質給餌により肥満にした後、通常給餌に切り換えて「ダイエット」させ、ダイエット中の茶粉末投与が体重変動に及ぼす影響を検討した。
【0045】
被験動物には、日本エスエルシー株式会社から購入した4週齢の雄性ICRマウスを使用した。このマウスを3匹/ケージで飼育した。
【0046】
このマウスの飼料には、オリエンタル酵母工業株式会社から購入した精製飼料AIN−93Gを通常飼料として、ラード40%、カゼイン36%、とうもろこし澱粉10%、ショ糖9%、AIN−76ビタミン混合1%、AIN−76ミネラル混合1%のものを特殊高脂肪飼料として使用した。
【0047】
マウスを2群に分け、AIN−93Gのみを与える通常食群(n=6)及び高脂肪飼料のみを与える高脂肪食群(n=45)とした。前者については全試験期間(92日間)を通じて通常食による飼育を行った。後者については、最初の56日間は高脂肪飼料で飼育して肥満を誘発して「肥満化期間」とし、57日目以降は「減量期間」とした。「減量期間」では体重の上位30匹を選んで5群に分け、それぞれ対照群、プーアル茶投与群、ジャスミン茶投与群、混合茶投与群、ウーロン茶投与群とし(各群n=6)、対照群には茶粉末無添加のAIN−93Gを、各茶投与群には対応する茶粉末を0.5%添加したAIN−93Gを「減量食」として36日間自由摂取させ、強制的に「ダイエット」させた。
【0048】
検査方法としては、1〜56日目までは、体重測定を週1回実施した。餌の交換は週2〜3回行い、ケージ毎(3匹/ケージ)に摂餌量を記録した。57〜92日目には、体重測定を週2回実施した。餌の交換は週2〜3回行い、ケージ毎(3匹/ケージ)に摂餌量を記録した。そして、92日目に全採血と剖検を実施し、血漿中のグルコース、中性脂肪、総コレステロール、GOT、GPT、BUN、クレアチニン、LDHを測定した。また精巣周囲脂肪と肝臓の重量についても測定した。
【0049】
図2及び図3に、通常食群及び高脂肪食群(餌切換前)と対照群(餌切換後)の全試験期間を通した摂餌量と体重の推移を示した。高脂肪飼料の嗜好性はAIN−93Gよりも極端に悪く、摂餌量はAIN−93Gの40%程度であった。また、飼料嗜好性の個体差に起因すると考えられる、大きな体重のバラツキが高脂肪給餌群に観察されたため、45匹の中から十分な体重増が見られた30匹のみを選抜して以降の実験に使用した。
【0050】
高脂肪飼料から標準カロリーのAIN−93Gに切り換えた直後、対照群(高脂肪食群由来)の摂餌量は50%程度減少した。AIN−93Gと高脂肪飼料のカロリー差も作用して体重は約15%減少し、対照群の数値は通常食群を下回った。その後対照群がAIN−93Gに馴化されて摂餌量が上昇し、体重も再び増加に転じた。対照群の体重は餌切換後20日目には通常食群と同値にまで回復し、その後も上昇を続けて「リバウンド」様の増体曲線を示した。
【0051】
図4に、餌切換後の各試験群の体重推移を示した。この図から明らかなように、高脂肪飼料からAIN−93Gへの餌切換を実施した全ての試験群において著しい体重減少が観察されたが、対照群とジャスミン茶投与群では速やかに体重が回復した。一方、ウーロン茶、プーアル茶、混合茶投与群では体重回復が明確でなく、「ダイエット効果」が持続した。なお、リバウンドに及ぼす茶粉末投与の影響は、体重に関しては対照群(茶未投与群)と各茶投与群との間に有意差は認められなかった。
【0052】
各群の餌切換日に対する体重の増減量を図5に示した。体重増減量に関しては、対照群とプーアル茶、混合茶、もしくはウーロン茶投与群との間に有意差(p<0.05)が認められ、これらのお茶にはダイエット後のリバウンド抑制効果があることが示唆された。体重測定値のみから判断した見かけ上の活性は、プーアル茶>混合茶>ウーロン茶であった。
【0053】
図6に各群の摂餌量推移を示した。対照群、プーアル茶投与群、ジャスミン茶投与群、及び混合茶投与群の摂餌量はほぼ同等であったが、ウーロン茶投与群の数値はこれらより若干高めで推移した。
【0054】
このように、ジャスミン茶にはリバウンド抑制効果が認められなかったことから、混合茶の活性がプーアル茶より劣るのは、ジャスミン茶の添加によりプーアル茶の活性が希釈されたからと考えられる。
【0055】
図7及び図8に各試験群の精巣脂肪重量とその体重比を示した。プーアル茶と混合茶投与群の精巣脂肪重量は対照群よりも有意に少なく、リバウンド抑制に脂肪蓄積に対する阻害効果が関わっていたと考えられる。
【0056】
高脂肪食群のマウスが通常食に慣れた後、餌の摂取量が通常食群と同等であるにも拘らず速やかな体重の復帰を示したのは、上述したリバウンドのメカニズム、即ち、一旦肥満になると正常な脂肪細胞よりも脂肪蓄積を起こしやすいことに拠るとも考えられる。このため、プーアル茶が特に脂肪蓄積への寄与率の高い脂肪分等の吸収を効果的に抑えたものと考えられ、これにより体重の復帰、即ちリバウンドの抑制することができたと考えられる。
【0057】
各試験群の試験終了時(剖検時)の血漿生化学値を表3にまとめた。ダイエットに関わる血糖値、中性脂肪、総コレステロールについては、本試験においては通常食群と高脂肪食群に有意差は認められず、茶粉末の有効性評価の使用にはならなかった。なお、安全性の指標となるGOT、GPT、クレアチニン、LDHに関しても、各試験群間に有意差は認められず、本実施例で用いた茶粉末に毒性は認められなかった。
【0058】
【表3】


【0059】
上記実施例により、プーアル茶、プーアル茶とジャスミン茶との混合茶は、消化管からの脂肪吸収を抑制することが確認できた。従って、脂肪分が多い食事のときにプーアル茶、混合茶を摂取することは、脂肪の取りすぎによる肥満の予防効果が期待できる。
【0060】
また、通常飼料と高脂肪飼料とを組み合わせることにより誘導したダイエット後のリバウンド現象は、プーアル茶もしくはジャスミン茶との混合茶を投与することにより抑制された。従って、ダイエット終了後に継続的にプーアル茶や混合茶を摂取することによりリバウンドを抑制することが期待できる。
【0061】
[本発明に係る飲料の製造方法]
本発明に係る飲料としては、例えば、後発酵茶であるプーアル茶6.0g、中国茶であるジャスミン茶6.0gを85℃の温純水3000gに入れ、5分間抽出を行う。その後、濾過により抽出液と茶葉を分離する。こうして得られた抽出液を希釈した後、アスコルビン酸ナトリウムを600ppmになるように添加する。こうして得られた液を殺菌後密閉容器へ充填することにより製造することができる。
【0062】
飲料を製造するときには、飲料500mlあたりプーアル茶抽出成分を3.89質量%含有させるのが好ましい。また、本発明に係る飲料用又は食品用添加剤、脂肪吸収抑制剤を飲料に含有させるときも、この割合となるように製造することができる。なお、この数値は、上述した実施例において効果のあった茶葉量(飼料摂取量の平均値より算出)と茶混合飼料を食べ始める前のマウス体重を基に、マウス体重あたりの茶摂取量を算出し、これを体重50kgのヒトに換算して算出したものである。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】各試験群の中性脂肪値の変化を示す図である。
【図2】各試験群の餌の摂取量の推移を示す図である。
【図3】各試験群の体重の推移を示す図である。
【図4】餌切換後の各試験群の体重推移を示す図である。
【図5】餌切換日に対する各試験群の体重推移を示す図である。
【図6】各試験群の餌の摂取量の推移を示す図である。
【図7】各試験群の精巣脂肪重量を示す図である。
【図8】各試験群の体重比を示す図である。
【出願人】 【識別番号】596126465
【氏名又は名称】アサヒ飲料株式会社
【住所又は居所】東京都墨田区吾妻橋一丁目23番1号
【識別番号】000000055
【氏名又は名称】アサヒビール株式会社
【住所又は居所】東京都中央区京橋3丁目7番1号
【出願日】 平成16年3月29日(2004.3.29)
【代理人】 【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之

【公開番号】 特開2005−278478(P2005−278478A)
【公開日】 平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願番号】 特願2004−96973(P2004−96973)