| 【発明の名称】 |
組成物及びその用途 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤田 裕之 【住所又は居所】大阪府大阪市北区大淀中一丁目1番88号 日本サプリメント株式会社内
【氏名】山上 知秀 【住所又は居所】大阪府大阪市北区大淀中一丁目1番88号 日本サプリメント株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】味が良くかつ安定性にすぐれ、機能性食品として有用な組成物及びその用途を提供する。
【解決手段】黒茶抽出物及び食物繊維を含有する組成物であって、該黒茶抽出物が水あるいは熱水で抽出されるものであり、該食物繊維がデキストリン、セルロース、デンプンの中から少なくとも1種選ばれるものであり、黒茶抽出物100重量部に対して5〜300重量部を含有することが好ましい実施態様である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 黒茶抽出物及び食物繊維を含有してなることを特徴とする組成物。 【請求項2】 黒茶抽出物が水あるいは熱水で抽出されてなることを特徴とする請求項1記載の組成物。 【請求項3】 食物繊維が多糖類であることを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。 【請求項4】 多糖類がデキストリン、セルロース、デンプンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3記載の食物繊維。 【請求項5】 食物繊維を黒茶抽出物100重量部に対して5〜500重量部含有してなることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の組成物。 【請求項6】 請求項1乃至5いずれかに記載の組成物を含有してなることを特徴とする機能性食品。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、黒茶抽出物に食物繊維を含有することで保存中の変質防止及び味の改善に有用な組成物及びその用途に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、我が国の食生活が豊かになるにつれて、高脂血症の症状を持つ成人が増加し、この結果、肥満、動脈硬化、血栓症等疾患の誘因となり問題となっている。これら疾患の予防治療剤として、茶類の持つ機能性が注目を集めており、中国茶の一種である黒茶では、たとえば黒茶の一種であるプアール茶の脂質代謝作用(例えば、非特許文献1参照。)、黒茶のコレステロール一時減少作用(例えば、非特許文献2参照。)が報告されており、かかる作用を有する黒茶の生理活性に注目した具体的な食品として、黒茶抽出物からなる血糖値上昇抑制物質を添加した機能性食品素材又は機能性飲食品が知られている(例えば、特許文献1参照。)。 【非特許文献1】佐野ら、1986年 Chem. Pharm. Bull (Tokyo) 34, 1, p221-8 【非特許文献2】Yangら、Pharmacological Reserch, Vol.35, No.6, 1997:505-512 【特許文献1】特開2002−370994号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかしながら、上記特許文献1に開示の機能性食品素材又は機能性飲食品は、上記の非特許文献1や2で公知である黒茶を血糖値上昇抑制物質として利用するものであるが、本発明者がかかる黒茶を食品適用するにあたり、種々検討した結果、かかる食品素材又は飲食品はその保存中に吸湿し、菌が発生し腐敗・変質したり、さらには、活性が低下するという欠点を有すること、及び経口摂取時に苦み等の異味、異臭を感じ摂取しにくいことが判明した。 【課題を解決するための手段】 【0004】 そこで、本発明者はかかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、黒茶抽出物及び食物繊維を含有してなる組成物が保存中の菌による腐敗防止や変質防止(粉体の安定化)効果に優れ、更には風味の改善が図れることを見出し本発明を完成するに至った。 【発明の効果】 【0005】 本発明の組成物は、黒茶抽出物に食物繊維を含有させたものであって、保存中の菌による腐敗防止や変質防止、更には風味の改善が図れるという効果を奏するものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0006】 本発明で用いる黒茶とは、カビ〔アスペルギルス(Aspergillus)属、リゾパス(Rhizopus)属〕等の微生物により発酵することにより製造される長期熟成した茶で、茶の分類において「後発酵茶」と呼ばれるものであり、広く中国で飲用されているほか、日本国内でも富山などで少量生産され消費されているものである。中国の黒茶には通常の茶葉形態の「散茶」ほか、茶葉を堆積して後発酵を進行させた後にプレス加工した「磚茶」がある。散茶には「プアール茶」や「六堡茶」などがあり、磚茶には産地の違いにより「黒磚茶」、「茯磚茶」、「康磚茶」、「花磚茶」などがある。本発明で用いる黒茶は、上述のように微生物で後発酵しているものであれば、いずれも使用可能である。 【0007】 黒茶抽出物を得るにあたっては、特に限定されず、水、熱水、有機溶媒(エタノール、メタノール等)等で抽出すれば良く、特に安全性の点で水あるいは熱水で抽出されることが好ましい。水あるいは熱水の使用量は黒茶100重量部に対して100〜10,000重量部が好ましく、更には150〜9,000重量部、特には200〜5,000重量部が好ましく、かかる使用量が100重量部未満では十分抽出することができなくなり、逆に10,000重量部を超えると抽出後の固液分離が煩雑となって好ましくない。抽出にあたっては水あるいは熱水と黒茶を抽出タンクに入れ加熱すれば良く、必要に応じて撹拌すればよい。抽出時間も特に限定されないが、0.1〜5時間が好ましく更には0.2〜4時間が好ましい。かかる抽出時間が0.1時間未満では十分抽出ができず回収率が低くなるため好ましくなく、逆に5時間を超えると作業効率が悪くなり好ましくない。また、抽出効率促進のために圧力釜などで、黒茶の茶葉に蒸気を直接吹き付ける方法や、圧力釜の周囲に付属されたジャケットを加熱し、この伝播熱を利用して温度を上昇させやすくする方法をとっても良い。 かくして得られた抽出液から抽出物を得る方法については特に限定されないが、必要に応じて酸、アルカリ処理、膜処理等を行った後、通常は、遠心分離等による固液分離の処理後、フィルタープレスにより異物を除去して抽出物が得られるのである。かかる抽出物を濃縮しエキスの形態で使用してもよく、あるいは、さらに乾燥させて使用してもよい。かかる抽出エキスを濃縮する方法としては、特に限定されないが減圧濃縮、膜濃縮、凍結濃縮等があり、乾燥にはスプレードライ、フリーズドライ、ニーダー、ナウターミキサーなどの機械を用いて粉末化することができる。 【0008】 かくして、黒茶抽出物が得られるのであるが、本発明では、かかる黒茶抽出物と食物繊維を混合させて組成物とすることを最大の特徴とするもので、かかる食物繊維としては、水溶性、水不溶性のもののどちらでもよく、好ましくは、多糖類が挙げられるが、多糖類としては、例えば、通常食品の加工に用いられる、デキストリン、セルロース、でんぷん、ガム質、等や、海産物由来の、キチン、キトサン、フコイダン、寒天等あるいは、ポリデキストロース、更には、微生物由来のプルラン、カードラン等を挙げることができ、中でもデキストリン、セルロース、デンプンのいずれかの使用が食品の加工性の点で好ましい。組成物中のこれらの含有量は、黒茶抽出物100重量部に対して、5〜500重量部とすることが好ましく、更に好ましくは、10〜450重量部であり、特に好ましくは15〜400重量部である。かかる含有量が5重量部未満となると、苦みを感じる場合があり、また、500重量部を超えると、黒茶の生理活性を得るためには、大量に摂取しなければならなくなり、また食物繊維による吸収阻害が生じることにより、生理活性が低下するおそれもあり、好ましくない。 【0009】 上記黒茶抽出物と食物繊維を混合するにあたっては、黒茶の抽出液に混合し、濃縮、乾燥してもよく、また黒茶の抽出液を粉末化した後混合しても良い。 【0010】 かくして、本発明の黒茶抽出物と食物繊維を含有してなる組成物が得られるのであるが、本発明においては、かかる組成物はコレステロール低下作用、血糖値上昇抑制作用等の生理活性に優れているため、そのまま、あるいは他の食品に添加して機能性食品として有用であり、これについて以下に具体的に説明する。 上記組成物をそのまま機能性食品とする場合は、かかる組成物を直接顆粒化、錠剤に加工すればよい。また、該組成物を他の食品等に添加して用いる場合の具体的に対象となる食品としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。 (1)農水酸加工品 はるさめ、こしあん、こんにゃく、パン、麺類(即席めん、パスタ、生めん、乾 めん)、餅、シリアル食品、大豆加工品(豆腐、豆乳、納豆、凍豆腐)、水酸加 工品[練り製品、(かに風味)蒲鉾、(魚肉)ハム、(魚肉ソーセージ)、(魚 肉)ウィンナー、ふりかけ、お茶づけのり]、卵含有食品(スープ、丼等)、缶 詰(オイルサーディン、焼鳥)、レトルト食品(カレー、シチュー、スパゲッ ティー) (2)乳製品 牛乳、加工乳、乳酸菌飲料、バター、チーズ、練乳、粉乳 (3)菓子 ケーキ、ムース、(粉末)デザート、アイスクリーム、飴、チョコレート、グ ミ、キャンディー、クッキー、ウエハース、ゼリー (4)調味料 味噌、醤油、うま味(風味)調味料、(粉末)天然調味料、ソース、ドレッシン グ、焼肉のたれ、みりん、カレー、シチュー、香辛料、スパイス、ヨーグルト (5)飲料 清涼飲料(炭酸飲料、果実飲料、スポーツドリンク、栄養飲料)、嗜好飲料 (コーヒー、ココア、麦汁) 【0011】 (6)健康食品(栄養補助食品) <1>サポニン含有食品(オタネニンジン根含有食品、エゾウコギ含有食品) <2>糖含有食品〔オリゴ糖(フラクトオリゴ糖含有食品、イソマルトオリゴ糖 含有食品、ガラクトオリゴ糖含有食品)、多糖類(シイタケ含有食品、ム コ多糖、蛋白含有食品、コンドロイチン硫酸含有食品、マンネンタケ(霊 芝)含有食品)、キチン、キトサン含有食品〕 <3>ミネラル含有食品(カルシウム含有食品、アルファルファ含有食品、プ ルーンエキス食品、βカロチン含有食品) <4>油脂含有食品 ビタミンE含有油脂〔麦(小麦、鳩麦)胚芽油、大豆胚芽油、米胚芽油〕 エイコサペンタン酸含有食品、大豆レシチン含有食品、γ−リノレン酸含 有食品(月見草油、ボラージ油)、ドコサヘキサエン酸含有食品 <5>蛋白質含有食品 大豆蛋白質含有食品、カゼイン、ホエー蛋白、鯉加工食品 <6>タウリン 牡蠣加工食品、シジミ加工食品 (7)その他 スッポン加工食品、アミノ酸代謝異常用食品、流動食(病食) 【実施例】 【0012】 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。 尚、実施例中、「%」とあるのは、特に断りのない限り重量基準を示す。 実施例1 磚茶198gを抽出タンクに入れ、水1000mL添加し、120℃で1時間抽出し、抽出液1150mLを得た。この抽出液を遠心分離後、フィルタープレスにより異物を除去した。この溶液を濃縮し、20%の溶液(抽出物)120mLを得た。ついで、この溶液(抽出物24g)に水溶性デキストリン40gを混合し、スプレードライで56gの乾燥物(本発明の組成物)を得た。得られた乾燥物について味の評価と安定性の評価を以下の要領で行った。 【0013】 [味の評価] 得られた乾燥物を1%溶液となるように、お湯(約80℃)に溶解し、苦み、におい、摂取のしやすさの3項目について以下のように評価した。 【0014】 (苦み) ○・・・苦みがまったくしない。 △・・・苦みが少し感じられる。 ×・・・苦みがする。 【0015】 (におい) ○・・・においがまったくしない。 △・・・においが少しする。 ×・・・においがする。 【0016】 (摂取のしやすさ) 黒茶特有の風味(一般にあるかび臭さ、後を引く苦みや特有の舌触り等)を総合に判断し、摂取のしやすさを以下のように評価した。 ○・・・摂取しやすい △・・・摂取が少しし難い ×・・・摂取がし難い 【0017】 [安定性の評価] 得られた乾燥物を、直径10cmのシャーレに1g入れ、それを温度45℃、湿度70%の保温箱に入れ、経時的に粉の状態を観察して、以下のように評価した。 <1>粉体の性状 ○・・・試験開始前と同じ △・・・粉の表面のみがべたつく ×・・・粉が吸湿してべたべたになる <2>一般生菌数の変化 標準寒天培養法により菌数を測定した。 【0018】 実施例2 実施例1において、水溶性デキストリンの代わりにセルロースを用いて同様に乾燥物を得て、同様に評価した。 【0019】 実施例3 実施例1において、水溶性デキストリンの代わりにデンプンを用いて同様に乾燥物を得て、同様に評価した。 【0020】 実施例4 実施例1において、水溶性デキストリンを24g用いた以外は同様に乾燥物を得て、同様に評価した。 【0021】 比較例1 実施例1において、水溶性デキストリンを混合せずに乾燥物を得て、同時に評価を行った。 【0022】 実施例1〜4及び比較例1の評価結果を表1〜3に示す 〔表1〕 味の評価 苦み におい 摂取のしやすさ 実施例1 ○ ○ ○ 実施例2 ○ ○ ○ 実施例3 ○ ○ ○ 実施例4 ○ ○ ○ 比較例1 × × ×
〔表2〕 安定性の評価:<1>粉体の性状 保存期間(日) 1 2 3 7 実施例1 ○ ○ ○ ○ 実施例2 ○ ○ ○ ○ 実施例3 ○ ○ ○ ○ 実施例4 ○ ○ ○ ○ 比較例1 × × × ×
〔表3〕 安定性の評価:<2>一般生菌数の変化 保存期間(日) 1 2 3 7 実施例1 10 10 10 100 実施例2 10 10 30 500 実施例3 10 13 45 1,500 実施例4 10 20 500 1,000 比較例1 3,000 5,000 106 108 なお、通常食品においては3,000以下が判断基準とされている。 【産業上の利用可能性】 【0023】 本発明の組成物は味が良く、安定性にも優れているため、黒茶抽出物が本来有する、コレステロール低下作用、血糖値上昇抑制作用等の生理活性を利用して機能性食品として有用で単独あるいは各種食品に添加して利用することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】500333132 【氏名又は名称】日本サプリメント株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区茶屋町19番19号 アプローズタワー 【識別番号】000004101 【氏名又は名称】日本合成化学工業株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市北区大淀中一丁目1番88号 梅田スカイビル タワーイースト
|
| 【出願日】 |
平成16年3月12日(2004.3.12) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2005−253373(P2005−253373A) |
| 【公開日】 |
平成17年9月22日(2005.9.22) |
| 【出願番号】 |
特願2004−69998(P2004−69998) |
|