| 【発明の名称】 |
茶飲料の脱渋味処理方法及びその方法により得られた茶飲料 |
| 【発明者】 |
【氏名】藤生 訓尚 【住所又は居所】茨城県守谷市緑1丁目1番21号 アサヒ飲料株式会社飲料研究所内
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| 【要約】 |
【課題】健康保持機能を有するカテキンを高濃度含有すると同時に、旨味やコク味を損なわずに渋味を低減させることができる茶飲料の簡易な脱渋味処理方法を提供する。
【解決手段】高濃度のカテキンを含有する状態においてタンナーゼ処理を施すことにより、旨味やコク味を損なわずに渋味を低減した茶飲料を製造することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 茶葉から茶抽出液を濃縮抽出し、この濃縮抽出により得られた茶抽出液をタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理することにより、当該茶抽出液の脱渋味処理をする脱渋味処理工程を含む茶飲料の製造方法。 【請求項2】 茶抽出液にカテキン製剤を添加し、このカテキン製剤の添加により得られた茶抽出液をタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理することにより、当該茶抽出液の脱渋味処理をする脱渋味処理工程を含む茶飲料の製造方法。 【請求項3】 カテキン製剤をタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理をした後、この処理により得られたカテキン製剤を茶抽出液に添加することにより、当該茶抽出液の脱渋味処理をする脱渋味処理工程を含む茶飲料の製造方法。 【請求項4】 前記脱渋味処理工程の後に、100℃から130℃で3分間から15分間加熱するレトルト殺菌工程を含む請求項1から3いずれかに記載の茶飲料の製造方法。 【請求項5】 前記脱渋味処理工程の後に、120℃から150℃で10秒から1分間加熱する超高温殺菌工程を含む請求項1から3いずれかに記載の茶飲料の製造方法。 【請求項6】 茶葉から茶抽出液を濃縮抽出し、この濃縮抽出により得られた茶抽出液をタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理することにより製造される脱渋味処理茶飲料。 【請求項7】 茶抽出液にカテキン製剤を添加し、このカテキン製剤の添加により得られた茶抽出液をタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理することにより製造される脱渋味処理茶飲料。 【請求項8】 タンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理した後、100℃から130℃で3分間から15分間加熱するレトルト殺菌を行うことにより製造される請求項6又は7に記載の脱渋味処理茶飲料。 【請求項9】 タンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理した後、120℃から150℃で10秒から1分間加熱する超高温殺菌を行うことにより製造される請求項6又は7に記載の脱渋味処理茶飲料。 【請求項10】 カテキン製剤をタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理した後、この処理により得られた処理済カテキン製剤を茶抽出液に添加することにより製造される脱渋味処理茶飲料。 【請求項11】 処理済カテキン製剤を茶抽出液に添加した後、100℃から130℃で3分間から15分間加熱するレトルト殺菌を行うことにより製造される請求項10に記載の脱渋味処理茶飲料。 【請求項12】 処理済カテキン製剤を茶抽出液に添加した後、120℃から150℃で10秒から1分間加熱する超高温殺菌を行うことにより製造される請求項10に記載の脱渋味処理茶飲料。 【請求項13】 茶葉から茶抽出液を濃縮抽出し、この濃縮抽出により得られた茶抽出液をタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理する当該茶抽出液の脱渋味処理方法。 【請求項14】 茶抽出液にカテキン製剤を添加し、このカテキン製剤の添加により得られた茶抽出液をタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理する当該茶抽出液の脱渋味処理方法。 【請求項15】 カテキン製剤をタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理をした後、この処理により得られた処理済カテキン製剤を茶抽出液に添加する当該茶抽出液の脱渋味処理方法。 【請求項16】 タンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼを主成分とする脱渋味処理剤。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、茶飲料の渋味を少なくする方法及びその方法により得られた茶飲料に関する。 【背景技術】 【0002】 日本人にとっては、茶飲料は最も身近な嗜好飲料であり、長年にわたって愛飲されている。そして、茶飲料は、抗酸化作用や抗癌作用等の健康保持機能を有しているため、近年の健康ブームに相俟って、茶飲料の需要の伸びは著しいものがある。 【0003】 消費者の嗜好に合う茶飲料を製造するためには、茶飲料中の渋味、旨味及びコク味等の各味の調和が重要となる。例えば、渋味を感じつつ、かつ旨味及びコク味をより一層強く感じる茶飲料は、需要が高い。ここで、茶飲料に含有される渋味の成分としてはカテキン類があり、旨味及びコク味の成分としてはテアニン類がある。この中でも、カテキンは、抗酸化作用や抗癌作用等の健康保持機能を有し、渋味の強いエステル型カテキンと、渋味の弱い非エステル型カテキンと、が存在する。一方、テアニンは、アミノ酸の1種であり、リラックス作用をもち、旨味及びコク味を有する。 【0004】 ところで、茶飲料中の旨味及びコク味を強めるために、テアニン等のアミノ酸の含有量が高い茶葉を選択して、茶飲料を製造することが知られている(例えば、特許文献1)。この特許文献1では、テアニンを多く含む茶葉を選択して、茶飲料を製造している。 【0005】 また、茶原料を、プロテアーゼ及びタンナーゼの存在下に抽出することを特徴とする茶類エキスの製造方法が知られている(例えば、特許文献2)。この特許文献2では、旨味やコク味が強く、渋味の少ない茶類エキスの製造方法を提供する。 【特許文献1】特開2002−238458号公報 【特許文献2】特開2003−144049号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかし、特許文献1に記載されている茶飲料は、テアニンの含有量が高い茶葉を選択して製造をするものであるが、そのようにすると、渋味の強いエステル型カテキンの含有量も高くなる。したがって、特許文献1に記載されているテアニンの濃度が高い茶飲料は、テアニンの高濃度化に伴って旨味やコク味は増すが、それと同時に渋味も増してしまうので、飲みやすさが損なわれる場合があった。 【0007】 また、特許文献2に記載されている茶類エキスの製造方法は、タンナーゼだけではなく、プロテアーゼを併用するため、多くの工程を必要とし、コストが高くなる。 【0008】 本発明の目的は、健康保持機能を有するカテキンを高濃度含有すると同時に、旨味やコク味を損なわずに渋味を低減させることができる茶飲料の簡易な脱渋味処理方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0009】 以上のような目的を達成するために、本発明者が鋭意研究を重ねた結果、高濃度のカテキンを含有する状態においてタンナーゼ処理を施すことにより、茶飲料の旨味やコク味を損なわずに渋味を低減することができるということを突き止め、本発明を完成するに至った。 【0010】 より具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。 【0011】 (1) 茶葉から茶抽出液を濃縮抽出し、この濃縮抽出により得られた茶抽出液をタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理することにより、当該茶抽出液の脱渋味処理をする脱渋味処理工程を含む茶飲料の製造方法。 【0012】 (1)の発明によれば、濃縮抽出後の茶抽出液は、高濃度のカテキン、テアニン等を含有している。これにより、茶抽出液は、高い健康保持機能及びリラックス作用をもつことができる。次に、濃縮抽出後の茶抽出液を、タンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼという加水分解酵素で処理する。これにより、茶抽出液中に含まれる渋味の強いエステル型カテキンが、渋味の弱い非エステル型カテキンへと分解される。なお、加水分解酵素による処理は、濃縮抽出後の茶抽出液の風味等にあまり影響しない。したがって、健康保持機能を有するカテキンを高濃度含有し、かつ茶抽出液の旨味やコク味を損なわずに渋味を低減できる脱渋味処理工程を含む茶飲料の製造方法を提供することができる。 【0013】 (2) 茶抽出液にカテキン製剤を添加し、このカテキン製剤の添加により得られた茶抽出液をタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理することにより、当該茶抽出液の脱渋味処理をする脱渋味処理工程を含む茶飲料の製造方法。 【0014】 (2)の発明によれば、茶抽出液にカテキン製剤を添加する。これにより、茶抽出液は、高い健康保持機能をもつことができる。次に、カテキン製剤を添加した茶抽出液を、タンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼという加水分解酵素で処理する。これにより、茶抽出液中に含まれる渋味の強いエステル型カテキンが、渋味の弱い非エステル型カテキンへと分解される。なお、加水分解酵素による処理は、茶抽出液の風味等にあまり影響しない。したがって、健康保持機能を有するカテキンを高濃度含有し、かつ茶抽出液の旨味やコク味を損なわずに渋味を低減できる脱渋味処理工程を含む茶飲料の製造方法を提供することができる。 【0015】 (3) カテキン製剤をタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理をした後、この処理により得られたカテキン製剤を茶抽出液に添加することにより、当該茶抽出液の脱渋味処理をする脱渋味処理工程を含む茶飲料の製造方法。 【0016】 (3)の発明によれば、カテキン製剤をタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼという加水分解酵素で処理する。これにより、カテキン製剤中に含まれる渋味の強いエステル型カテキンが、渋味の弱い非エステル型カテキンへと分解される。次に、渋味の弱い非エステル型カテキンへと分解したカテキン製剤を、茶抽出液に添加する。これにより、茶抽出液は、高い健康保持機能をもつことができる。なお、加水分解酵素による処理は、茶抽出液の風味等にあまり影響しない。したがって、健康保持機能を有するカテキンを高濃度含有し、かつ茶抽出液の旨味やコク味を損なわずに渋味を低減できる脱渋味処理工程を含む茶飲料の製造方法を提供することができる。 【0017】 (4) 前記脱渋味処理工程の後に、100℃から130℃で3分間から15分間加熱するレトルト殺菌工程を含む(1)から(3)いずれかに記載の茶飲料の製造方法。 【0018】 (4)の発明によれば、(1)から(3)いずれかに記載の茶飲料の製造方法は、100℃から130℃で3分間から15分間加熱するレトルト殺菌の工程を含む。このレトルト殺菌の工程により、(1)から(3)いずれかに記載の茶飲料の製造方法から得られた茶飲料を殺菌することができ、さらには加水分解酵素であるタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼを容易に失活させることができる。したがって、茶飲料の殺菌と、酵素の失活とを同時に行うことができる。 【0019】 なお、レトルト殺菌は、主に缶に充填した茶飲料に対して行う。ここで、レトルト殺菌の加熱温度は100℃から130℃であり、より好ましくは、110℃から120℃である。また、レトルト殺菌の加熱時間は、3分間から15分間であり、より好ましくは、5分間から12分間であり、さらに好ましくは7分間から10分間である。 【0020】 (5) 前記脱渋味処理工程の後に、120℃から150℃で10秒から1分間加熱する超高温殺菌工程を含む(1)から(3)いずれかに記載の茶飲料の製造方法。 【0021】 (5)の発明によれば、(1)から(3)いずれかに記載の茶飲料の製造方法は、120℃から150℃で10秒から1分間加熱する超高温殺菌の工程を含む。この超高温殺菌の工程により、(1)から(3)いずれかに記載の茶飲料の製造方法から得られた茶飲料を殺菌することができ、さらには加水分解酵素であるタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼを容易に失活させることができる。したがって、茶飲料の殺菌と、酵素の失活とを同時に行うことができる。 【0022】 なお、超高温殺菌は、主にPETボトルに充填した茶飲料に対して行う。ここで、超高温殺菌の加熱温度は120℃から150℃であり、より好ましくは、130℃から140℃である。また、超高温殺菌の加熱時間は、10秒から1分間であり、より好ましくは、15秒から50秒であり、さらに好ましくは20秒から40秒である。 【0023】 (6) 茶葉から茶抽出液を濃縮抽出し、この濃縮抽出により得られた茶抽出液をタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理することにより製造される脱渋味処理茶飲料。 【0024】 (6)の発明によれば、濃縮抽出後の茶抽出液は、高濃度のカテキン、テアニン等の化学成分及びアミノ酸を含有している。これにより、茶抽出液は、高い健康保持機能及びリラックス作用をもつことができる。次に、濃縮抽出後の茶抽出液を、タンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼという加水分解酵素で処理する。これにより、茶抽出液中に含まれる渋味の強いエステル型カテキンが、渋味の弱い非エステル型カテキンへと分解される。なお、加水分解酵素よる処理は、濃縮抽出後の茶抽出液の風味等にあまり影響しない。したがって、健康保持機能を有するカテキンを高濃度含有し、かつ茶飲料の旨味やコク味を損なわずに渋味を低減できる脱渋味処理をすることにより製造される脱渋味処理茶飲料を提供することができる。 【0025】 (7) 茶抽出液にカテキン製剤を添加し、このカテキン製剤の添加により得られた茶抽出液をタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理することにより製造される脱渋味処理茶飲料。 【0026】 (7)の発明によれば、茶抽出液にカテキン製剤を添加する。これにより、茶抽出液は、高い健康保持機能をもつことができる。次に、カテキン製剤を添加した茶抽出液を、タンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼという加水分解酵素で処理する。これにより、茶抽出液中に含まれる渋味の強いエステル型カテキンが、渋味の弱い非エステル型カテキンへと分解される。なお、加水分解酵素よる処理は、茶抽出液の風味等にあまり影響しない。したがって、健康保持機能を有するカテキンを高濃度含有し、かつ茶飲料の旨味やコク味を損なわずに渋味を低減できる脱渋味処理をすることにより製造される脱渋味処理茶飲料を提供することができる。 【0027】 (8) タンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理した後、100℃から130℃で3分間から15分間加熱するレトルト殺菌を行うことにより製造される(6)又は(7)に記載の脱渋味処理茶飲料。 【0028】 (8)の発明によれば、(6)又は(7)に記載の脱渋味処理茶飲料は、タンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理した後、100〜130℃で3〜15分間加熱するレトルト殺菌を行うことにより製造する。このレトルト殺菌により、(6)又は(7)に記載の脱渋味処理茶飲料を殺菌することができ、さらには加水分解酵素であるタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼを容易に失活させることができる。したがって、脱渋味処理茶飲料の殺菌と、酵素の失活とを同時に行うことができる。 【0029】 なお、レトルト殺菌は、主に缶に充填した脱渋味処理茶飲料に対して行う。ここで、レトルト殺菌の加熱温度は100℃から130℃であり、より好ましくは、110℃から120℃である。また、レトルト殺菌の加熱時間は、3分間から15分間であり、より好ましくは、5分間から12分間であり、さらに好ましくは7分間から10分間である。 【0030】 (9) タンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理した後、120℃から150℃で10秒から1分間加熱する超高温殺菌を行うことにより製造される(6)又は(7)に記載の脱渋味処理茶飲料。 【0031】 (9)の発明によれば、(6)又は(7)に記載の脱渋味処理茶飲料は、タンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理した後、120℃〜150℃で10秒〜1分間加熱する超高温殺菌を行うことにより製造する。この超高温殺菌により、(6)又は(7)に記載の脱渋味処理茶飲料を殺菌することができ、さらには加水分解酵素であるタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼを容易に失活させることができる。したがって、脱渋味処理茶飲料の殺菌と、酵素の失活とを同時に行うことができる。 【0032】 なお、超高温殺菌は、主にPETボトルに充填した脱渋味処理茶飲料に対して行う。ここで、超高温殺菌の加熱温度は120℃から150℃であり、より好ましくは、130℃から140℃である。また、超高温殺菌の加熱時間は、10秒から1分間であり、より好ましくは、15秒から50秒であり、さらに好ましくは20秒から40秒である。 【0033】 (10) カテキン製剤をタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理した後、この処理により得られた処理済カテキン製剤を茶抽出液に添加することにより製造される脱渋味処理茶飲料。 【0034】 (10)の発明によれば、カテキン製剤をタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼという加水分解酵素で処理する。これにより、カテキン製剤中に含まれる渋味の強いエステル型カテキンが、渋味の弱い非エステル型カテキンへと分解される。次に、渋味の弱い非エステル型カテキンへと分解したカテキン製剤を、茶抽出液に添加する。これにより、茶抽出液は、高い健康保持機能をもつことができる。なお、加水分解酵素よる処理は、茶抽出液の風味等にあまり影響しない。したがって、健康保持機能を有するカテキンを高濃度含有し、かつ茶飲料の旨味やコク味を損なわずに渋味を低減できる脱渋味処理をすることにより製造される脱渋味処理茶飲料を提供することができる。 【0035】 (11) 処理済カテキン製剤を茶抽出液に添加した後、100℃から130℃で3分間から15分間加熱するレトルト殺菌を行うことにより製造される(10)に記載の脱渋味処理茶飲料。 【0036】 (11)の発明によれば、(10)に記載の脱渋味処理茶飲料は、処理済カテキン製剤を茶抽出液に添加した後、100℃から130℃で3分間から15分間加熱するレトルト殺菌を行うことにより製造される。このレトルト殺菌により、(10)に記載の脱渋味処理茶飲料を殺菌することができ、さらには加水分解酵素であるタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼを容易に失活させることができる。したがって、脱渋味処理茶飲料の殺菌と、酵素の失活とを同時に行うことができる。 【0037】 なお、レトルト殺菌は、主に缶に充填した脱渋味処理茶飲料に対して行う。ここで、レトルト殺菌の加熱温度は100℃から130℃であり、より好ましくは、110℃から120℃である。また、レトルト殺菌の加熱時間は、3分間から15分間であり、より好ましくは、5分間から12分間であり、さらに好ましくは7分間から10分間である。 【0038】 (12) 処理済カテキン製剤を茶抽出液に添加した後、120℃から150℃で10秒から1分間加熱する超高温殺菌を行うことにより製造される(10)に記載の脱渋味処理茶飲料。 【0039】 (12)の発明によれば、(10)に記載の脱渋味処理茶飲料は、120℃〜150℃で10秒〜1分間加熱する超高温殺菌を行うことにより製造する。この超高温殺菌により、(10)に記載の脱渋味処理茶飲料を殺菌することができ、さらには加水分解酵素であるタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼを容易に失活させることができる。したがって、脱渋味処理茶飲料の殺菌と、酵素の失活とを同時に行うことができる。 【0040】 なお、超高温殺菌は、主にPETボトルに充填した脱渋味処理茶飲料に対して行う。ここで、超高温殺菌の加熱温度は120℃から150℃であり、より好ましくは、130℃から140℃である。また、超高温殺菌の加熱時間は、10秒から1分間であり、より好ましくは、15秒から50秒であり、さらに好ましくは20秒から40秒である。 【0041】 (13) 茶葉から茶抽出液を濃縮抽出し、この濃縮抽出により得られた茶抽出液をタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理する当該茶抽出液の脱渋味処理方法。 【0042】 (13)の発明によれば、濃縮抽出後の茶抽出液は、高濃度のカテキン、テアニン等の化学成分及びアミノ酸を含有している。これにより、茶抽出液は、高い健康保持機能及びリラックス作用をもつことができる。次に、濃縮抽出後の茶抽出液を、タンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼという加水分解酵素で処理する。これにより、茶抽出液中に含まれる渋味の強いエステル型カテキンが、渋味の弱い非エステル型カテキンへと分解される。なお、加水分解酵素よる処理は、濃縮抽出後の茶抽出液の風味等にあまり影響しない。したがって、健康保持機能を有するカテキンを高濃度含有し、かつ茶飲料の旨味やコク味を損なわずに渋味を低減できる脱渋味処理方法を提供することができる。 【0043】 (14) 茶抽出液にカテキン製剤を添加し、このカテキン製剤の添加により得られた茶抽出液をタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理する当該茶抽出液の脱渋味処理方法。 【0044】 (14)の発明によれば、茶抽出液にカテキン製剤を添加する。これにより、茶抽出液は、高い健康保持機能をもつことができる。次に、カテキン製剤を添加した茶抽出液を、タンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼという加水分解酵素で処理する。これにより、茶抽出液中に含まれる渋味の強いエステル型カテキンが、渋味の弱い非エステル型カテキンへと分解される。なお、加水分解酵素よる処理は、茶抽出液の風味等にあまり影響しない。したがって、健康保持機能を有するカテキンを高濃度含有し、かつ茶飲料の旨味やコク味を損なわずに渋味を低減できる脱渋味処理方法を提供することができる。 【0045】 (15) カテキン製剤をタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼで処理をした後、この処理により得られた処理済カテキン製剤を茶抽出液に添加する当該茶抽出液の脱渋味処理方法。 【0046】 (15)の発明によれば、カテキン製剤をタンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼという加水分解酵素で処理する。これにより、カテキン製剤中に含まれる渋味の強いエステル型カテキンが、渋味の弱い非エステル型カテキンへと分解される。次に、渋味の弱い非エステル型カテキンへと分解したカテキン製剤を、茶抽出液に添加する。これにより、茶抽出液は、高い健康保持機能をもつことができる。なお、加水分解酵素よる処理は、茶抽出液の風味等にあまり影響しない。したがって、健康保持機能を有するカテキンを高濃度含有し、かつ茶飲料の旨味やコク味を損なわずに渋味を低減できる脱渋味処理方法を提供することができる。 【0047】 (16) タンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼを主成分とする脱渋味処理剤。 【0048】 (16)の発明によれば、脱渋味処理剤は、タンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼを主成分として有効量含有している。したがって、この脱渋味処理剤は、渋味の強いエステル型カテキン等を含有する物質に添加することによって、渋味を低減することができる。 【発明の効果】 【0049】 本発明によれば、茶葉から濃縮抽出することによって、または茶抽出液にカテキン製剤を添加することによって、高濃度のカテキンを含有する状態であっても、タンナーゼまたはクロロゲン酸エステラーゼという加水分解酵素で処理することにより、健康保持機能を有するカテキンを高濃度含有すると同時に、旨味やコク味を損なわずに渋味を低減させることができる茶飲料の簡易な脱渋味処理方法及びその方法により得られた茶飲料を提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0050】 以下、本発明の実施例について説明する。 【実施例】 【0051】 本発明の実施例について説明するが、この実施例は現時点で最良と考えられるデータ等を挙げたものである。したがって、本発明はこの実施例に限定されるものではない。また、誤差範囲のもの、あるいは多少のずれがあっても本発明と同じ効果が得られるものである限り、均等物として本発明の権利範囲に入ると解釈されるべきである。 【0052】 [実施例1] まず、茶葉から茶抽出液を濃縮抽出した。次に、この濃縮抽出により得られた茶抽出液を、200mg/Lのタンナーゼ(キッコーマン株式会社製)により、温度30℃の下で30分間処理した。さらに、このタンナーゼの処理の後に、135℃で30秒加熱する超高温殺菌を行い、PETボトル中に充填することにより、茶飲料を得た。 【0053】 [実施例2] まず、茶抽出液にカテキン製剤であるポリフェノン70A(三井農林株式会社製、粗タンニン含量1000/100mlから70mg/100ml)を添加した。次に、このカテキン製剤の添加により得られた茶抽出液を、200mg/Lのタンナーゼ(キッコーマン株式会社製)により、温度30℃の下で30分間処理した。さらに、このタンナーゼの処理の後に、135℃で30秒加熱する超高温殺菌を行い、PETボトル中に充填することにより、茶飲料を得た。 【0054】 [実施例3] まず、カテキン製剤であるポリフェノン70A(三井農林株式会社製、粗タンニン含量1000/100ml)を、200mg/Lのタンナーゼを用いて処理した。次に、このタンナーゼの処理により得られた非エステル型のカテキンを含むカテキン溶液を、スプレードライにより乾燥させ、タンナーゼ処理したカテキン製剤を得た。さらに、得られたカテキン製剤を、茶抽出液に添加した。さらに、135℃で30秒加熱する超高温殺菌を行い、PETボトル中に充填することにより、茶飲料を得た。 【0055】 [比較例1] 茶葉から茶抽出液を濃縮抽出し、135℃で30秒加熱する超高温殺菌を行い、PETボトル中に充填することにより、茶飲料を得た。 【0056】 次に、実施例及び比較例により得られた茶飲料の渋味、またはコク味及び旨味を、5人の被験者により、表1のような評価基準を持って判定を行い、その平均値をとった。 【0057】 【表1】
【0058】 その結果、表2のような結果が得られた。 【0059】 【表2】
【0060】 表2に示した通り、実施例1から実施例3は、いずれも渋味が程ほどで、かつ旨味やコク味を感じることが確認された。一方、比較例1は、渋味を強く感じるために、旨味やコク味を損なってしまうことが確認された。
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| 【出願人】 |
【識別番号】596126465 【氏名又は名称】アサヒ飲料株式会社 【住所又は居所】東京都墨田区吾妻橋一丁目23番1号
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| 【出願日】 |
平成15年10月31日(2003.10.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100106002 【弁理士】 【氏名又は名称】正林 真之
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| 【公開番号】 |
特開2005−130809(P2005−130809A) |
| 【公開日】 |
平成17年5月26日(2005.5.26) |
| 【出願番号】 |
特願2003−372842(P2003−372842) |
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