| 【発明の名称】 |
半透明緑茶飲料の製造法 |
| 【発明者】 |
【氏名】村井 七江 【住所又は居所】東京都中央区日本橋小網町4番13号日本デルモンテ株式会社内
【氏名】渡部 伸夫 【住所又は居所】東京都中央区日本橋小網町4番13号日本デルモンテ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】緑茶粉末を全く使用することなく、緑茶特有の香り、旨味やコク味を適度に有し、色調が薄い黄緑色に近い色を呈し、長期保存しても沈殿を生じない半透明緑茶飲料を得る。
【解決手段】通常の煎茶、玉露茶、茎茶、芽茶などの緑茶の茶葉をpH8.0〜10.0で温水抽出し、該抽出液をpH5.5〜7.0、濁度が660nmにおけるT%で83〜93%となるようにそれぞれ調整した後常法通り加熱殺菌して無色透明なプラスチック製容器(例えばPETボトル)、缶、瓶等の包装容器に充填、密封し、半透明緑茶飲料を得る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 緑茶をpH8.0〜10.0で温水抽出し、該抽出液をpH5.5〜7.0、濁度が660nmにおけるT%で83〜93%となるようにそれぞれ調整した後包装容器に充填、密封することを特徴とする半透明緑茶飲料の製造法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、緑茶粉末を全く使用することなく、緑茶特有の香り、旨味やコク味を適度に有し、色調が薄い緑黄色を呈し、長期保存しても沈殿を生じない半透明緑茶飲料の製造法に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、PETボトルなどの包装容器の普及に伴い、透明タイプの緑茶飲料が知られている。この透明タイプのものは、緑茶抽出液を、微細なメッシュ(フィルター)で濾過、遠心分離濾過、珪藻土濾過、限外濾過、またはこれらを併用した濾過により、緑茶由来の懸濁粒子或いは茶葉組織の微細片を取除くことによって製造される。 このため、この緑茶飲料は、包装容器に詰めて保存しても沈殿は生じないが、緑茶特有の香りや、旨味、コク味が物足りない欠点を有する。 【0003】 一方、半透明ないし混濁タイプの緑茶飲料として、緑茶粉末(微粉末茶)を水または温水で抽出し、該抽出液を遠心分離して緑茶粉末由来の大粒子成分を遠心分離して香味、滋味ともに優れた微粉茶飲料を得る方法(特許文献1参照)、および緑茶抽出液を遠心分離し澄明な部分を採取して透明緑茶抽出液を調製し、これに緑茶粉末を添加して緑茶微粒子を適度に含み、コクがあり、深い味わいのある緑茶飲料を得る方法(特許文献2参照)がそれぞれ知られている。 【0004】 【特許文献1】特開平11−276074 【特許文献2】特許第2981137 【0005】 しかし、特許文献1及び特許文献2は、緑茶粉末を調製するための工程を新たに必要とする欠点を有する。 【0006】 また従来、緑茶粉末を全く使用することなく半透明緑茶飲料を製造する方法は知られていない。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明は、緑茶粉末を全く使用することなく、緑茶特有の香り、旨味やコク味を適度に有し、色調が薄い緑黄色を呈し、長期保存しても沈殿を生じない半透明緑茶飲料の製造法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、緑茶をpH8.0〜10.0で温水抽出し、該抽出液をpH5.5〜7.0、濁度が660nmにおけるT%で83〜93%となるようにそれぞれ調整した後包装容器に充填、密封するときは、上記課題を解決できることを知り、この知見に基づいて本発明を完成した。 【0009】 すなわち、本発明は緑茶をpH8.0〜10.0で温水抽出し、該抽出液をpH5.5〜7.0、濁度が660nmにおけるT%で83〜93%となるようにそれぞれ調整した後包装容器に充填、密封することを特徴とする半透明緑茶飲料の製造法である。 【発明の効果】 【0010】 本発明によれば、緑茶粉末を全く使用することなく、緑茶特有の香り、旨味やコク味を適度に有し、色調が薄い緑黄色を呈し、長期保存しても沈殿を生じない半透明緑茶飲料の製造法を提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 以下本発明の半透明緑茶飲料の製造法をより具体的に説明する。 【0012】 まず、本発明の緑茶とは、通常の煎茶、玉露、茎茶、芽茶または荒茶などの、一種または2種以上の茶葉を意味し、緑茶飲料とはこれを温水抽出して得られるものを意味する。本発明では、特に煎茶または玉露の茶葉を温水抽出して得られる緑茶飲料が特に好ましい。 【0013】 本発明を実施するには、緑茶抽出時のpHが8.0〜10.0になるように、強塩基性物質または弱塩基性物質(例えば炭酸水素ナトリウム)を温水に添加して緑茶を投入するか、緑茶を投入した温水に当該塩基性物質を添加して、緑茶抽出時のpHが8.0〜10.0で抽出温度が40〜100℃の条件で抽出する。 【0014】 このとき使用する温水は、投入する緑茶の10〜250重量倍が好ましく、30〜40重量倍がより好ましい。 また抽出方法、抽出時間などは、特に限定はなく、一般的な如何なる方法を用いてもよい。 【0015】 緑茶抽出後、メッシュ構造の篩で粗く濾過して固液分離した緑茶抽出液を熱交換器等で急冷し、遠心分離処理、フィルター濾過またはネル濾過の少なくとも1つの濾過を用いて、当該緑茶抽出液中の大小緑茶粒子成分を除去する。 この固液分離操作の前後または濾過操作の前後に、L−アスコルビン酸を添加して、該緑茶抽出液のpHを5.5〜7.0に調整するが、固液分離直後の緑茶抽出液に添加することが、酸化防止の観点から最も好ましい。 そして、濾過操作後、必要に応じて、該緑茶抽出液を水で希釈する。 【0016】 本発明においては、上記処理は、660nmにおけるT%が83〜93となるように実施する。このことは極めて重要であって、83未満においては、緑茶飲料としては雑味が強く飲用に適さないものとなり、また貯蔵中に沈殿が生じ易くなるので好ましくない。 反対に93を超えると緑茶飲料としては旨味、コク味に乏しいものとなるので好ましくない。 これに対し、83〜93であるときは、緑茶特有の香り、旨味やコク味を適度に有し、色調が薄い緑黄色を呈し、長期保存しても沈殿を生じない半透明緑茶飲料が得られるので好ましい。 【0017】 このように調製された緑茶飲料は、常法通り加熱殺菌して、PETボトル、缶、瓶等の包装容器に充填密封後、冷却して本発明の半透明緑茶飲料製品とする。 【実施例】 【0018】 次に実施例を挙げて本発明を説明する。 (実施例1) 煎茶10重量部を55℃の温水300重量部に浸漬し、pHを8.5に調整した。そして、6分間抽出し、抽出した緑茶抽出液を20メッシュ、次いで150メッシュの篩で濾過して、後の急冷工程後のpHが6.5となるようにL−アスコルビン酸(食品添加物用、武田薬品工業(株)社製)を添加して、直ちにプレート式熱交換器で23℃に冷却した。 【0019】 次いで、該緑茶抽出液を6000G、5分間の条件で遠心分離濾過し、濾紙を用いて吸引濾過をして、緑茶抽出原液290gを得た。そして、この緑茶抽出原液を水で660nmにおけるT%が表1記載の値となるように希釈して各緑茶飲料を得、得られた緑茶飲料を加熱殺菌後、PETボトルに熱充填した。 【0020】 次に、これら作成直後のPETボトル詰め緑茶飲料と、35℃で30日間保存したPETボトル詰め緑茶飲料の沈殿の観察、及び官能評価をそれぞれ行った。 【0021】 緑茶飲料の660nmにおけるT%は、分光光度計(日立製作所製、U−2800)を用いて、PETボトル上部の緑茶を採取して測定し、沈殿の観察は、緑茶飲料中の沈殿生成の程度を肉眼観察して評価した。 この沈殿の評価方法は、「−」は沈殿が認められない、「+」は沈殿が認められる、「++」はやや多くの沈殿が認められる、そして「+++」は、著しく多くの沈殿が認められる、の4段階で評価した。 そして、ここでの評価で用いた官能方法は、官能評価専門パネル10名による1〜5の採点を平均点で表し、1は最低、5は最高品質の香味を意味しており、それぞれの結果を表1に示す。 【0022】 【表1】
【0023】 表1の結果から、抽出時T%(660nm)が83未満の比較例3〜4においては、緑茶飲料としては雑味があり、飲用に適さないものとなり、また貯蔵中に沈殿が生じ易くなるので好ましくないことが判る。 反対に抽出時T%(660nm)が93を超える比較例1〜2の緑茶飲料は旨味、コク味に乏しいことが判る。 これに対し、抽出時T%(660nm)が83〜93である本発明1〜6は、緑茶特有の香り、旨味やコク味を適度に有し、長期保存しても沈殿を生じない半透明緑茶飲料であることが判る。 なお、抽出時T%(660nm)が83〜93の本発明区分の緑茶抽出液は、色調が薄い緑黄色に近い色を呈していた。 【0024】 (実施例2) 煎茶10重量部を55℃の温水300重量部に浸漬し、pHを表2の値に調整した。そして、6分間抽出し、抽出した緑茶抽出液を20メッシュ、次いで150メッシュの篩で濾過して、後の急冷工程後のpHが6.5となるようにL−アスコルビン酸(食品添加物用、武田薬品工業(株)社製)を添加して、直ちにプレート式熱交換器で23℃に冷却した。 【0025】 次いで、該緑茶抽出液を6000G、5分間の条件で遠心分離濾過し、濾紙を用いて吸引濾過をして、緑茶抽出原液290gを得た。そして、この緑茶抽出原液を水で1000gに希釈して、660nmにおけるT%がそれぞれ表2記載の値を有する緑茶飲料を得、得られた緑茶飲料を加熱殺菌後、PETボトルに熱充填した。 【0026】 次に、これら作成直後のPETボトル詰め緑茶飲料と、35℃で30日間保存したPETボトル詰め緑茶飲料の660nmにおけるT%の測定、沈殿の観察、及び官能評価をそれぞれ行った。 緑茶飲料の660nmにおけるT%は、分光光度計(日立製作所製、U−2800)を用いて、PETボトル上部の緑茶を採取して測定し、沈殿の観察は、緑茶飲料中の沈殿生成の程度を肉眼観察して評価した。この沈殿の評価方法は、「−」は沈殿が認められない、「+」は沈殿が認められる、「++」はやや多くの沈殿が認められる、そして「+++」は、著しく多くの沈殿が認められる、の4段階で評価した。 そして、ここでの評価で用いた官能方法は、官能評価専門パネル10名による1〜5の採点を平均点で表し、1は最低、5は最高品質の香味を意味しており、それぞれの結果を表2に示す。 【0027】 【表2】
【0028】 表2の結果から、緑茶抽出時のpHが10を越えて製造した緑茶飲料(比較例区分)は、pHがより高くなるほど、製造直後からより強い苦味を含み、緑茶飲料に適するものではなかった。 また、抽出時のpHが8.0未満で抽出した緑茶飲料(比較例区分)は、pHがより低くなるほど、30℃30日間保存後に黒色の浮遊物が多く沈殿し、官能評価による香味も不良であった。 しかし、緑茶抽出時のpHが8.0〜10.0の緑茶飲料(本発明区分)は、保存後の660nmにおけるT%値に殆ど変動がなく、溶液中にも浮遊物や沈殿も観察されず、適度な濁度と良好な香味を有していた。 【0029】 (実施例3) 緑茶をpH8.5で抽出し、プレート式熱交換器で急冷後のpHが表3で示す値である以外は、実施例2と同様な方法でPET容器入り緑茶飲料を作成した。 そして、実施例2と同様な評価方法で、それぞれの緑茶飲料を評価し、その結果を表3に示した。 【0030】 【表3】
【0031】 表3の結果から、急冷後の緑茶抽出液をpH8.0に調整した緑茶飲料(比較例区分)は、35℃30日保存後、沈殿が生成せず、660nmのT%もほぼ一定の値を示すことが判る。しかし、表には示さないが、ぼやけた味で、香りも弱く、緑茶飲料の印象が大変弱いものであった。 また、pHを5.0に調整した緑茶飲料(比較例区分)は、保存後、若干の沈殿が生成することが判る。また、表には示さないが、酸味が感じられ、香りも弱く、飲用には適さないものであった。 これに対し、pHを5.5〜7.0に調整した緑茶飲料(本発明区分)は、沈殿が生成せず、660nmのT%もほぼ一定の値を示して、適度な濁度を有し、しかも味、香りともに良好であることが判る。すなわち、緑茶特有の香り、旨味やコク味を適度に有し、色調が薄い緑黄色に近い色を呈し、長期保存しても沈殿を生じない半透明緑茶飲料であった。 【産業上の利用可能性】 【0032】 本発明は、緑茶粉末を全く使用することなく、緑茶特有の香り、旨味やコク味を適度に有し、色調が薄い緑黄色に近い色を呈し、長期保存しても沈殿を生じない半透明緑茶飲料を得ることができ、緑茶飲料業界にとって多大な貢献となるものと思われる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000104559 【氏名又は名称】日本デルモンテ株式会社 【住所又は居所】東京都中央区日本橋小網町4番13号
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| 【出願日】 |
平成15年10月29日(2003.10.29) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−130734(P2005−130734A) |
| 【公開日】 |
平成17年5月26日(2005.5.26) |
| 【出願番号】 |
特願2003−368230(P2003−368230) |
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