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【発明の名称】 送帯蒸機
【発明者】 【氏名】菅沼 宏文
【住所又は居所】静岡県榛原郡金谷町金谷河原347番地の8 カワサキ機工株式会社内

【氏名】大崎 鉄男
【住所又は居所】静岡県榛原郡金谷町金谷河原347番地の8 カワサキ機工株式会社内

【氏名】秋山 保
【住所又は居所】静岡県榛原郡金谷町金谷河原347番地の8 カワサキ機工株式会社内

【氏名】竹内 正司
【住所又は居所】静岡県榛原郡金谷町金谷河原347番地の8 カワサキ機工株式会社内

【氏名】柴田 努
【住所又は居所】静岡県榛原郡金谷町金谷河原347番地の8 カワサキ機工株式会社内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生葉が投入される投入側から蒸された蒸葉が排出される排出側まで茶葉を搬送する搬送手段と、
該搬送手段で搬送される過程の茶葉に対し蒸気を噴出する蒸気噴出手段と、
を具備した送帯蒸機において、
前記搬送手段で搬送される茶葉の層の厚さを、投入側が薄く、且つ、排出側が厚くなるよう構成したことを特徴とする送帯蒸機。
【請求項2】
前記搬送手段は、投入側に配設された第1コンベアと、排出側に配設された第2コンベアとの多段で構成され、当該第1コンベアの搬送面終端から第2コンベアの搬送面始端まで落下することにより茶葉が投入側から排出側まで搬送されるとともに、第1コンベアの搬送速度を第2コンベアの搬送速度より速くしたことを特徴とする請求項1記載の送帯蒸機。
【請求項3】
前記第1コンベアの搬送面を覆った第1室と、第2コンベアの搬送面を覆った第2室とが形成され、第1室側の方が第2室側よりも前記蒸気噴出手段から噴出される蒸気量が多いことを特徴とする請求項2記載の送帯蒸機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、生葉が投入される投入側から蒸された蒸葉が排出される排出側まで茶葉を搬送する搬送手段を具備し、該搬送手段で茶葉を搬送しつつ生葉を蒸して蒸葉とすることができる送帯蒸機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の送帯蒸機は、生葉が投入される投入側から蒸された蒸葉が排出される排出側まで延設された1つのネットコンベアを具備し、該ネットコンベアにより当該投入側から排出側まで茶葉を搬送する過程において、蒸気を噴出して蒸すよう構成されている。より具体的には、ネットコンベアの上下方向から当該ネットコンベア上の茶葉に向けて蒸気を噴出する蒸気噴出手段が形成されており、投入された生葉が搬送されつつ蒸気で蒸された後、排出側から蒸葉となって排出されるようになっている(かかる技術は、例えば特許文献1にて開示されている)。
【特許文献1】特開昭62−186747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の送帯蒸機においては、ネットコンベア上に投入された茶葉の層の厚さは、投入側から排出側まで一定とされているので、例えば投入量が多ければ層の厚さが厚くなってしまい、該層の中央部において蒸気が当たらない茶葉が存在する場合があり、蒸しムラが生じてしまう可能性があった。かかる不具合を回避すべく、ネットコンベア上の茶葉の層を薄くして、上下から噴出される蒸気が茶葉に均一に当たるようにする必要があるが、そのためには、投入量を少なくするか、或いはネットコンベアの幅を大きくする必要がある。
【0004】
しかし、生葉の投入量を減少させれば、送帯蒸機から排出される蒸葉の量も減ってしまい、後工程を流れる茶葉が減少して、製茶処理能力が低下してしまう問題があるとともに、ネットコンベアの幅を大きくすれば、製茶処理能力を確保できるものの、送帯蒸機全体が大型化してしまい設置スペースが増大してしまうという問題があった。また、通常、後工程の製茶工程により送帯蒸機による処理量は決まってしまい、その処理量を減少させることは困難となっているのが実情である。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、蒸し工程における処理量を維持しつつ装置の設置スペースの増大を回避するとともに、蒸しムラを防止することができる送帯蒸機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、生葉が投入される投入側から蒸された蒸葉が排出される排出側まで茶葉を搬送する搬送手段と、該搬送手段で搬送される過程の茶葉に対し蒸気を噴出する蒸気噴出手段とを具備した送帯蒸機において、前記搬送手段で搬送される茶葉の層の厚さを、投入側が薄く、且つ、排出側が厚くなるよう構成したことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の送帯蒸機において、前記搬送手段は、投入側に配設された第1コンベアと、排出側に配設された第2コンベアとの多段で構成され、当該第1コンベアの搬送面終端から第2コンベアの搬送面始端まで落下することにより茶葉が投入側から排出側まで搬送されるとともに、第1コンベアの搬送速度を第2コンベアの搬送速度より速くしたことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の送帯蒸機において、前記第1コンベアの搬送面を覆った第1室と、第2コンベアの搬送面を覆った第2室とが形成され、第1室側の方が第2室側よりも前記蒸気噴出手段から噴出される蒸気量が多いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、搬送手段で搬送される茶葉の層の厚さを、投入側が薄く、且つ、排出側が厚くなるよう構成したので、蒸し工程における処理量を維持しつつ装置の設置スペースの増大を回避するとともに、蒸しムラを防止することができる。
【0010】
請求項2の発明によれば、第1コンベアの搬送速度を第2コンベアの搬送速度より速くしたので、搬送される茶葉の層の厚さを、第1コンベア上(投入側)で薄く、且つ、第2コンベア上(排出側)で厚くすることができ、蒸し工程における処理量を維持しつつ装置の設置スペースの増大を回避するとともに、蒸しムラを防止することができる。加えて、茶葉が搬送される過程において、第1コンベアの搬送面終端から第2コンベアの搬送面始端まで落下するので、その落下過程で茶葉を反転、撹拌することができる。
【0011】
請求項3の発明によれば、第1室側の方が第2室側よりも前記蒸気噴出手段から噴出される蒸気量が多いので、第1室にて茶葉に対して短時間で潜熱昇温を行い、その後、第2室にて比較的長時間かけて茶葉を保温し、蒸すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る送帯蒸機は、図1に示すように、ホッパ7の投入口7aから投入された生葉が第1コンベア2及び第2コンベア3にて搬送される過程において蒸気で蒸され、シュート8の排出口8aから蒸葉となって排出されるよう構成されたものである。
【0013】
尚、送帯蒸機1は、外観が機枠6にて構成されており、該機枠6内に第1コンベア2及び第2コンベア3が配設されており、これら第1コンベア2と第2コンベア3とで、生葉が投入される投入側から蒸された蒸葉が排出される排出側まで茶葉を搬送する搬送手段を構成している。
【0014】
第1コンベア2は、蒸気を透過し得るネットコンベアから成るもので、プーリP1〜P6に懸架して構成されている。また、第1コンベア2におけるプーリP1とプーリP6との間の上面が茶葉の搬送面を成しており、例えばプーリP1にモータ(不図示)を連結させて駆動プーリとした場合、そのモータの駆動速度により茶葉の搬送速度が設定される。
【0015】
第2コンベア3は、第1コンベア2と同様のネットコンベアから成るもので、プーリP7〜P17に懸架して構成されている。また、第2コンベア3におけるプーリP7とプーリP17との間の上面が茶葉の搬送面を成しており、例えばプーリP12にモータ(不図)を連結させて駆動プーリとした場合、そのモータの駆動速度により茶葉の搬送速度が設定される。
【0016】
尚、プーリP6が第1コンベア2の搬送面始端、プーリP1が第1コンベア2の搬送面終端、プーリP7が第2コンベア3の搬送面始端、及びプーリP17が第2コンベア3の搬送面終端を構成している。このうち、第1コンベア2の搬送面終端の下方に、第2コンベア3の搬送面始端近傍が位置しており、当該第1コンベア2の搬送面終端まで搬送された茶葉は、第2コンベア3の搬送面始端近傍まで落下することとなる。
【0017】
更に、第1コンベア2及び第2コンベア3の各搬送面を覆って第1室4及び第2室5が配設されており、これら第1室4及び第2室5のそれぞれには当該搬送面上の茶葉に対して上下方向から蒸気を噴出するための複数の蒸気噴出手段4a及び5aが配設されている。具体的には、図2に示すように、蒸気噴出手段4a及び5aは、機枠6の側方に配設された蒸気供給管10から第1室4の上部と下部、及び第2室5の上部と下部のそれぞれまで延びた管に複数の孔が形成されて成り、その孔から搬送面上の茶葉に向けて上下から蒸気が噴出するようになっている。
【0018】
一方、ホッパ7内には、回転羽根12aの回転によって第1コンベア2上の茶葉を掻き均す掻き均し手段12が配設されており、当該ホッパ7から投入された生葉が搬送面の幅方向に対し略同一の層の高さを成しつつ搬送されるよう構成されている。また、第1室4と第2室5とは、一部が連通されており、当該第2室5側に蒸気を排出する蒸気排出口11が形成されている。これにより、第2室5の蒸気噴出手段5aから噴出された蒸気は勿論、第1室4の蒸気噴出手段4aから噴出された蒸気も第2室5を介して蒸気排出口11から排出されることとなる。
【0019】
また、機枠6の後方には、冷却ファン9が配設されており、図4で示すように、第2コンベア3の搬送面終端(プーリP17の位置)から落下した茶葉が冷却ファン9による送風で飛ばされつつ、プーリP12とプーリP13との間の補助搬送面に落下するようになっている。そして、プーリP12とプーリP13とが成す補助搬送面の終端には、シュート8が配設されており、当該終端から落下した茶葉がシュート8で案内されつつその排出口8aから排出されるよう構成されている。
【0020】
ところで、第1コンベア2における第1室4に配設された蒸気噴出手段4aの方が第2コンベア3における第2室5に配設された蒸気噴出手段5aの数より多く設定されている。これにより、第1室4の方が第2室5よりも蒸気噴出手段4a又は5aから噴出される蒸気量が多くなるよう設定されている。尚、第1室4に配設された蒸気噴出手段4aにおいても、搬送面始端側(投入口7a側)の方が搬送面終端側よりも蒸気噴出手段4aをより密集させて、噴出させる蒸気の量を多くしている。
【0021】
これにより、第1室4側の方が第2室5側よりも蒸気噴出手段4a、5aから噴出される蒸気量が多いので、第1室4において茶葉に対して短時間で潜熱昇温を行い、その後、第2室5にて比較的長時間かけて茶葉を保温し、蒸すことができる。言い換えれば、第1コンベア2による搬送過程で潜熱昇温を急激に行い、その後、第2コンベア3による搬送過程で時間をかけてゆっくりと蒸すことができる。
【0022】
ここで、本実施形態においては、第1コンベア2の搬送速度を第2コンベア3の搬送速度より速くなるよう設定されており、図3に示すように、第1コンベア2にて搬送速度S1で搬送された茶葉が、その搬送面終端で落下した後、第2コンベア3にて搬送速度S2で搬送されるようになっている。即ち、ホッパ7から供給された茶葉(生葉)の層の厚さが、第1コンベア2の搬送面上(投入側)の方が第2コンベア3の搬送面上(排出側)よりも薄くなるよう設定されている。
【0023】
より具体的には、同図に示すように、第1コンベア2の搬送面上における茶葉の層がt1の厚みを有していた場合、その茶葉が搬送面終端から落下して第2コンベア3で搬送される際、搬送速度S2の方がS1よりも遅いので、茶葉は、t1より厚いt2の厚みの層を成すこととなる。このように、第1コンベア2の搬送面上の茶葉の層が薄く、且つ、第2コンベア3の搬送面上の茶葉の層が厚くなるよう設定することにより、以下のような効果を奏することができる。
【0024】
第1コンベア2による搬送過程で潜熱昇温を急激に行うにあたり、搬送面上の茶葉の層が薄いので、蒸気噴出手段4aから噴出される上下からの蒸気が各々の茶葉に均等に当たり、蒸しムラを回避しつつ急激な潜熱昇温を行わせることができる。その一方、第2コンベア3による搬送速度が第1コンベア2に比べて遅いので、蒸し時間を長時間かけることができるとともに、シュート8から排出される茶葉(即ち、送帯蒸機の処理量)を蒸し時間を変えても所定量に維持することができる。
【0025】
また、上記の如く第1コンベア2の搬送速度を第2コンベア3の搬送速度より速く(逆にいえば、第2コンベア3の搬送速度を第1コンベアの搬送速度より遅く)設定することにより、それぞれの搬送面上の茶葉の層を変えることができるので、蒸しムラを回避すべく搬送手段の幅寸法を大きくしたものに比べ、送帯蒸機を小型化することができ、設置スペースの増大を回避することができる。
【0026】
更に、第1コンベア2と第2コンベア3とを多段として、第1コンベア2の搬送面終端から第2コンベア3の搬送面始端まで茶葉を落下させる構成としているので、その落下過程で茶葉を反転、撹拌することができる。また、第2コンベア3の終端近傍において、冷却ファン9による冷却、乾燥処理がなされるので、製茶工程における蒸し工程より後の工程をスムーズに行わせることができる。
【0027】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば図5に示すように、プーリPa〜Phに懸架された1本のネットコンベアから成る搬送手段を具備するとともに、プーリPaとPhとの間、及びプーリPc〜Peまでの間をそれぞれ茶葉の搬送面としたものとしてもよい。
【0028】
かかる他の実施形態に係る送帯蒸機は、プーリPaとプーリPhとの間における搬送面を覆った第1室4、プーリPdとプーリPeとの間における搬送面を覆った第2室5が配設されており、これら第1室4及び第2室5には、上記実施形態と同様の蒸気噴出手段が配設されている。尚、生葉の投入は、プーリPh部位近傍から行われるとともに、蒸葉の排出口はプーリPe部位から行われる。
【0029】
更に、プーリPaとPhとが成す搬送面と、プーリPc〜Peが成す搬送面とは上下に落差を有しており、プーリPaに達した茶葉は、案内手段13を通過しつつ落下して、当該プーリPc〜Peが成す搬送面に至るようになっている。この案内手段13は、同図に示すように、上部の開口13aの幅が下部の開口13bより広く形成されており、落下した茶葉の層を厚くするよう構成されている。
【0030】
即ち、投入された茶葉の層を薄く、且つ、プーリPa部位から落下した後の茶葉の層を厚くすることができるので、第1室4にて急激な潜熱昇温を行うにあたり、蒸しムラを回避することができ、蒸し工程における処理量を維持することができるのである。
【0031】
このように、搬送手段(1本或いは複数本のコンベアを含む)による茶葉の搬送過程において、当該茶葉の層の厚さを、投入側が薄く、且つ、排出側が厚くなるように構成すれば上記効果を奏することができるのである。例えば、上記の如き案内手段を用いるものの他、生葉の投入側から蒸葉の排出側までの搬送面の幅を徐々に狭くするガイドを当該搬送面に形成するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、茶葉の層の厚さを投入側が薄く、且つ、排出側が厚くなるよう構成するものであれば他の形態の送帯蒸機にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態に係る送帯蒸機を示す側面模式図
【図2】同上面模式図
【図3】本発明の実施形態に係る送帯蒸機における第1コンベアの搬送面終端から第2コンベアの搬送面始端まで茶葉が落下する状態を示す模式図
【図4】本発明の実施形態に係る送帯蒸機における冷却ファンによる冷却、乾燥作用を説明するための模式図
【図5】本発明の他の実施形態に係る送帯蒸機を示す模式図
【符号の説明】
【0034】
1…送帯蒸機
2…第1コンベア(搬送手段)
3…第2コンベア(搬送手段)
4…第1室
5…第2室
4a、5a…蒸気噴出手段
6…機枠
7…ホッパ
7a…投入口
8…シュート
8a…排出口
9…冷却ファン
10…蒸気供給管
11…蒸気排出口
12…掻き均し手段
13…案内手段
【出願人】 【識別番号】000104375
【氏名又は名称】カワサキ機工株式会社
【住所又は居所】静岡県榛原郡金谷町金谷河原347−8
【出願日】 平成15年8月29日(2003.8.29)
【代理人】 【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫

【公開番号】 特開2005−73546(P2005−73546A)
【公開日】 平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願番号】 特願2003−306296(P2003−306296)