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【発明の名称】 低蛋白パンの製造方法
【発明者】 【氏名】松田 学
【住所又は居所】新潟県北蒲原郡笹神村大字勝屋字横道下918番地112 株式会社バイオテックジャパン内

【氏名】斎藤 紀子
【住所又は居所】新潟県北蒲原郡笹神村大字勝屋字横道下918番地112 株式会社バイオテックジャパン内

【要約】 【課題】通常のパンよりも蛋白を低減させた低蛋白パンのヘタレ(ガス保持機能の低下)を解消すると共に、低減率が1/2以下でも充分に膨らみのあるパンを提供できるようにする。

【解決手段】強力粉の一部(25%)を低蛋白米粉に代え、相応の蛋白を備えてグルテン網状組織をしっかりと形成した第一生地(A生地)と、小麦粉を低蛋白粉(小麦澱粉及び低蛋白米粉)に置き換えた第二生地(B生地)とを格別に調製し、第一生地に第二生地を包み込んで焼成して製パンを行う。前記のパンは、第二生地焼成部分での発酵ガスは、第一生地焼成部分で外部へ放出されるのが阻止されることになり、パン全体として低蛋白を実現すると共に、ボリューム感のある軽いパンとなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相応の蛋白を備えてグルテン網状組織をしっかりと形成した第一生地と、小麦粉を低蛋白粉に置き換えた第二生地とを各別に調製し、第一生地で第二生地を包み込んで焼成してなることを特徴とする低蛋白パンの製造方法。
【請求項2】
第一生地並びに第二生地の原材料として、蛋白質を低減した米を粉砕して得た米粉を使用してなる請求項1記載の低蛋白パンの製造方法。
【請求項3】
第二生地の主材料を小麦澱粉と低蛋白米粉としてなる請求項1又は2記載の低蛋白パンの製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は腎臓病患者の食事療法などに使用される低蛋白パンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
腎臓病患者用の低蛋白パンとして、従来より種々のパンが提案されている。その基本的構成は、蛋白を含む小麦粉の一部を澱粉(主として小麦澱粉)に置き換えて製パンするものである。更に前記製パンにおいて澱粉量を増やしたり食感を改善する手段が提案されている。
【0003】
例えば特許文献1には、澱粉量を50重量部以上使用すると共に、増粘多糖類と食物繊維を原材料として添加混合することで、製出されたパンにガス保持機能を有せしめソフトな食感を確保している。
【0004】
更には、生地に生クリームを混合したり(特許文献2)、澱粉の一部をα化澱粉としたり(特許文献3)、大粒澱粉を採用したりしている(特許文献4)。
【0005】
【特許文献1】特開平11―155467号公報。
【特許文献2】特開2000―30015号公報。
【特許文献3】特開2001―224300号公報。
【特許文献4】特開2002―169号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
低蛋白パンを実現するために小麦粉の一部を澱粉等に置換するパンは、小麦蛋白による膜形成が少なく、焼成後のガス保持力が低くなり、ボリューム感のある膨らんだパンの製造が困難で、小麦粉の澱粉への置換(蛋白減少率)は50%が限度である。
【0007】
そこで本発明は、製パン工程を工夫することで蛋白を1/3程度まで減少させても、充分なガス保持がなされる新規な製パン法を提案したものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る低蛋白パンの製造方法は、相応の蛋白を備えてグルテン網状組織をしっかりと形成した第一生地と、小麦粉を低蛋白粉に置き換えた第二生地とを各別に調製し、第一生地で第二生地を包み込んで焼成してなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
従って第二生地内の発酵ガスは、第一生地の焼成部分で外部へ放出されるのが阻止されることになり、パン全体として例えば1/3の低蛋白を実現することもできると共に、ボリューム感のある軽いパンを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に本発明の実施形態について説明する。本発明の製パンに使用する生地は二種類各別に調整するものである。第一生地(A生地)は、相応の蛋白を備えてグルテン網状組織をしっかりと形成したものであり、第二生地(B生地)は、小麦粉を使用しない生地である。
【0011】
A生地は、常法通りの製パン工程を採用するもので、図2の表の通りの材料を用いて、所定のミキシング(低速2分、中速6分で油脂類などの添加を行い再度中速5分)を行い捏上生地温度28℃とし、然る後70分(40分パンチ30分)の発酵を行い、所定の大きさ(24g)に分割し、15分のねかし(ベンチタイム)を行う。
【0012】
B生地は、図2の表に示す通り、小麦澱粉と低蛋白米粉を主材料とし、ミキシング(低速1分、中速1分)を行い、然る後15分の発酵を行い、所定の大きさ(36g)に分割した。
【0013】
そして低蛋白パンは、前記のA生地の分割片でB生地の分割片を包み込み、ホイロ工程(38℃、湿度80%、60分)を経て焼成(220℃、12分)して製出したものである。
【0014】
前記のパン生地は、小麦粉重量300gに対して小麦澱粉及び低蛋白米粉の総量が700gであり、小麦粉100%のパンに対してたんぱく質総量が1/3以下となったものである。
【0015】
また膨張の程度を比較するために、前記実施形態と同一材料を全部一括で捏上げて生地とし(C生地;図3)、このC生地を用いて常法通り製パンしたC生地パンと、前記実施形態の小麦澱粉と低蛋白米粉を強力粉に代えて捏上げて生地とし(D生地;図3)、このCD生地を用いて常法通り製パンしたD生地パンとを製出した。この比較例と前記の本件発明実施形態のパンとの容積を計測した結果が図4の表の通りである。
【0016】
この結果から、同一材料を使用して同程度の低蛋白率のパンであっても、本発明方法を採用すると、パンの膨らみにおいて優れていることが確認できる。
【0017】
尚外側の被覆生地となる第一生地は前記実施形態のA生地に限定されるものではなく、内部生地のガス保持機能を補完できるものであれば良いし、低蛋白米粉を一部採用することで風味の改善になると共に、低蛋白化に貢献することになる。
【0018】
更にB生地も小麦粉の使用を一切行わない方が低蛋白化に貢献するが、パンの風味などの点から、一部小麦粉を使用しても良い。更に第一生地と第二生地の比率は、第一生地で第二生地を包み込むことができればよいもので、特に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態の製造工程図。
【図2】同生地の材料配合表。
【図3】同比較例生地の材料配合表。
【図4】同製出パンの容積比較表。
【出願人】 【識別番号】595093049
【氏名又は名称】株式会社バイオテックジャパン
【住所又は居所】新潟県阿賀野市勝屋字横道下918番地112
【出願日】 平成15年7月31日(2003.7.31)
【代理人】 【識別番号】100084102
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 彰

【公開番号】 特開2005−46108(P2005−46108A)
【公開日】 平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願番号】 特願2003−283625(P2003−283625)