| 【発明の名称】 |
摘花剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】北条 壽一 【住所又は居所】兵庫県明石市魚住町西岡1455番地 丸尾カルシウム株式会社内
【氏名】柴田 洋志 【住所又は居所】兵庫県明石市魚住町西岡1455番地 丸尾カルシウム株式会社内
【氏名】久保田 直樹 【住所又は居所】兵庫県明石市魚住町西岡1455番地 丸尾カルシウム株式会社内
【氏名】宇都 成敦 【住所又は居所】兵庫県明石市魚住町西岡1455番地 丸尾カルシウム株式会社内
【氏名】藤原 敏男 【住所又は居所】兵庫県明石市魚住町西岡1455番地 丸尾カルシウム株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】人体に無害で、環境に易しく、徐放効果に優れた摘花剤を提供する。
【解決手段】水難溶性無機化合物と摘花薬剤との混合製剤からなり、(a)0.03≦P≦10、(b)3≦Q≦400、(c)0.5≦Q/P≦1000〔P:SALD2000Aレーザー式粒度分布計による平均粒子径(μm)、Q:窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)〕の要件を満たすことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 水難溶性無機化合物と摘花薬剤との混合製剤からなり、下記(a)、(b)及び(c)の要件を満たすことを特徴とする摘花剤。 (a)0.03≦P≦10 (b)3≦Q≦400 (c)0.5≦Q/P≦1000 P:SALD2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm) Q:窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g) 【請求項2】 水難溶性無機化合物と摘花薬剤との混合製剤からなり、下記(d)、(e)及び(f)の要件を満たすことを特徴とする摘花剤。 (d)0.03≦P≦7 (e)7≦Q≦250 (f)0.5≦Q/P≦100 P:SALD2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm) Q:窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g) 【請求項3】 水難溶性無機化合物と摘花薬剤との混合製剤からなり、下記(g)、(h)及び(i)の要件を満たすことを特徴とする摘花剤。 (g)0.03≦P≦5 (h)10≦Q≦200 (i)1≦Q/P≦30 P:SALD2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm) Q:窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g) 【請求項4】 水難溶性無機化合物が、炭酸カルシウムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の摘花剤。 【請求項5】 リン酸カルシウムからなる水難溶性無機化合物と摘花薬剤との混合製剤からなり、下記(a)、(b)、(j)及び(k)の要件を満たすことを特徴とする摘花剤。 (a)0.03≦P≦10 (b)3≦Q≦400 (j)0.01≦R≦10 (k)1≦S≦300 P:SALD2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm) Q:窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g) R:電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径(μm) S:多孔質度 S=窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)/電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径Rから算出された比表面積(m2 /g) 【請求項6】 リン酸カルシウムからなる水難溶性無機化合物と摘花薬剤との混合製剤からなり、下記(a)、(b)、(l)及び(m)の要件を満たすことを特徴とする摘花剤。 (a)0.03≦P≦10 (b)3≦Q≦400 (l)0.01≦R≦7 (m)1≦S≦45 P:SALD2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm) Q:窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g) R:電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径(μm) S:多孔質度 S=窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)/電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径Rから算出された比表面積(m2 /g) 【請求項7】 リン酸カルシウムからなる水難溶性無機化合物と摘花薬剤との混合製剤からなり、下記(a)、(b)、(n)及び(o)の要件を満たすことを特徴とする摘花剤。 (a)0.03≦P≦10 (b)3≦Q≦400 (n)0.01≦R≦5 (o)1≦S≦5 P:SALD2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm) Q:窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g) R:電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径(μm) S:多孔質度 S=窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)/電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径Rから算出された比表面積(m2 /g) 【請求項8】 摘花薬剤が、縮合リン酸及びその塩、カルボキシル基を有する有機酸及びその塩及びそのエステル、レシチンから選ばれた少なくとも1種である請求項1〜7のいずれか1項に記載の摘花剤。 【請求項9】 摘花薬剤が、カルボキシル基とアミノ基を共に有する有機酸及びその塩、レシチンから選ばれた少なくとも1種である請求項1〜7のいずれか1項に記載の摘花剤。 【請求項10】 摘花薬剤が、アミノ酸、レシチンから選ばれた少なくとも1種である請求項1〜7のいずれか1項に記載の摘花剤。 【請求項11】 摘花薬剤の量が水難溶性無機化合物100重量部に対し1〜200重量部である請求項1〜10のいずれか1項に記載の摘花剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、摘花剤に関し、更に詳しくは環境に悪影響を与えない上、薬害の恐れが少なく、地域・天候等の影響を受け難い、リンゴ、ナシ、モモ、ぶどう等に有用な摘花剤に関する。 【0002】 【従来の技術】 果樹栽培農家の作業の内、着果数を制限する摘花・摘果と果実の均等な着色を狙った葉摘みの作業は非常に大きな負担となっている。例えば、リンゴでは、これらの作業が全作業に占める割合は約半分を占めているといわれている。この内、摘花・摘果作業は、果実品質を大きく作用する重要な作業であるが、その作業を決められた短期間に終える必要性があるため、果樹農家に対する負担は大きい上、特に日本では、農業人口の高齢化問題もあり、省力化は大きな課題である。この摘花は、リンゴのみならず、ナシの種類の内で花粉づけ作業を必要としない品種やモモ、ぶどう等においても必要な作業とされており、摘花を行うことで果実数を制限して果樹の樹勢の衰えを防ぎ、果実の発育や枝葉の発達を促すのである。摘花は手作業で行う方法以外に、従来から摘花剤を散布することが実施されている。 【0003】 これまでに提案され、又は実用化されている摘花剤としては、例えば、石灰硫黄合剤を有効成分とする摘花剤がある。しかしながら、石灰硫黄合剤は、一定の効果があるものの、強い塩基性であるため、人体に悪影響をおよぼす恐れがあり、マスクや保護眼鏡、防御服等で防護措置を取る必要があることはもちろん、万一目に入ったときには直ちに洗浄をおこなう等の対策が必要となるなど、作業性が悪く、取り扱いが面倒である。また、石灰硫黄合剤は、散布器具の金属を腐食させるという懸念もある。この現象を改善するために、石灰量を減少させ、pHを中性領域に近づけた場合、硫黄量が増加するために葉のやけ等の薬害現象が激しくなり、従って、pH調整をすることは、好ましい方法ではない。更に、該石灰硫黄合剤を使用した場合、みつばち等の訪花昆虫が活動した際に、硫黄に基づく異臭がみつばちによりもたらされ、ハチミツの品質の低下を招く恐れもあり、石灰硫黄合剤の使用は、一定の摘花効果は認められるものの、副作用の面で好ましいものとは云い難い。 【0004】 また、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウムを有効成分とする摘花剤は、摘花効果にバラツキがあり、安定した効果が得られないという問題がある上、ベンゼン環等をもつため、自然環境の中で分解され難く、環境に悪影響を与えるという問題も含んでいる。 【0005】 また、特開2000−198704号公報、特開2001−328910号公報において、イタコン酸等の脂肪族有機酸等を有効成分とする摘花剤が提案されている。しかしながら、イタコン酸等脂肪族有機酸を有効成分とする薬剤を用いた場合、一定の摘花効果は認められるものの、その薬剤効果が強すぎるため、葉がカールしたり、茶褐色に変色する等の強い薬害が発生する問題点がある。 【0006】 更に、特開平2000−290103号公報、特開2001−206804号公報、特開2001−206805号公報において、有機の水溶性酸のクエン酸,グルコン酸,コハク酸,乳酸,フマル酸,リンゴ酸,酢酸,酒石酸,プロピオン酸等の有機酸及び有機酸塩を有効成分とする摘花剤が提案されている。しかしながら、上記記載の有機酸及び有機酸塩を用いた場合、花粉置床後、1〜数時間内に散布すれば一定の摘花効果が認められるものの、その後の散布では、その効果が著しく低下するため、散布タイミングが限定され、散布時期を決定することが難しい欠点を有している。また、これらの物質は、水溶性物質であるため、摘花剤が流れ易く、散布適正時期が雨天であった場合、摘花効果が殆ど期待出来ない。 また、上記の様な脂肪族系の酸や有機酸系の摘花剤は、希釈前の原液の保管や、希釈操作にも十分な注意が必要である。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 本発明者らは、かかる実状に鑑み、上記課題を解決し、人体に無害で、且つ、環境に易しく、摘花効果の高い摘花剤を提供するものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】 本発明の請求項1は、水難溶性無機化合物と摘花薬剤との混合製剤からなり、下記(a)、(b)及び(c)の要件を満たすことを特徴とする摘花剤を内容とする。 (a)0.03≦P≦10 (b)3≦Q≦400 (c)0.5≦Q/P≦1000 P:SALD2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm) Q:窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g) 【0009】 本発明の請求項2は、水難溶性無機化合物と摘花薬剤との混合製剤からなり、下記(d)、(e)及び(f)の要件を満たすことを特徴とする摘花剤を内容とする。 (d)0.03≦P≦7 (e)7≦Q≦250 (f)0.5≦Q/P≦100 P:SALD2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm) Q:窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g) 【0010】 本発明の請求項3は、水難溶性無機化合物と摘花薬剤との混合製剤からなり、下記(g)、(h)及び(i)の要件を満たすことを特徴とする摘花剤を内容とする。 (g)0.03≦P≦5 (h)10≦Q≦200 (i)1≦Q/P≦30 P:SALD2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm) Q:窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g) 【0011】 本発明の請求項4は、水難溶性無機化合物が、炭酸カルシウムである請求項1〜3のいずれか1項に記載の摘花剤を内容とする。 【0012】 本発明の請求項5は、リン酸カルシウムからなる水難溶性無機化合物と摘花薬剤との混合製剤からなり、下記(a)、(b)、(j)及び(k)の要件を満たすことを特徴とする摘花剤を内容とする。 (a)0.03≦P≦10 (b)3≦Q≦400 (j)0.01≦R≦10 (k)1≦S≦300 P:SALD2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm) Q:窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g) R:電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径(μm) S:多孔質度 S=窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)/電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径Rから算出された比表面積(m2 /g) 【0013】 本発明の請求項6は、リン酸カルシウムからなる水難溶性無機化合物と摘花薬剤との混合製剤からなり、下記(a)、(b)、(l)及び(m)の要件を満たすことを特徴とする摘花剤を内容とする。 (a)0.03≦P≦10 (b)3≦Q≦400 (l)0.01≦R≦7 (m)1≦S≦45 P:SALD2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm) Q:窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g) R:電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径(μm) S:多孔質度 S=窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)/電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径Rから算出された比表面積(m2 /g) 【0014】 本発明の請求項7は、リン酸カルシウムからなる水難溶性無機化合物と摘花薬剤との混合製剤からなり、下記(a)、(b)、(n)及び(o)の要件を満たすことを特徴とする摘花剤を内容とする。 (a)0.03≦P≦10 (b)3≦Q≦400 (n)0.01≦R≦5 (o)1<S≦5 P:SALD2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm) Q:窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g) R:電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径(μm) S:多孔質度 S=窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)/電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径Rから算出された比表面積(m2 /g) 【0015】 本発明の請求項8は、摘花薬剤が、縮合リン酸及びその塩、カルボキシル基を有する有機酸及びその塩及びそのエステル、レシチンから選ばれた少なくとも1種である請求項1〜7のいずれか1項に記載の摘花剤を内容とする。 【0016】 本発明の請求項9は、摘花薬剤が、カルボキシル基とアミノ基を共に有する有機酸及びその塩、レシチンから選ばれた少なくとも1種である請求項1〜7のいずれか1項に記載の摘花剤を内容とする。 【0017】 本発明の請求項10は、摘花薬剤が、アミノ酸、レシチンから選ばれた少なくとも1種である請求項1〜7のいずれか1項に記載の摘花剤を内容とする。 【0018】 本発明の請求項11は、摘花薬剤の量が水難溶性無機化合物100重量部に対し1〜200重量部である請求項1〜10のいずれか1項に記載の摘花剤を内容とする。 【0019】 【発明の実施の形態】 本発明で用いる水難溶性無機化合物とは、上述の(a)、(b)及び(c)の要件を満たす水難溶性無機化合物であれば特に限定はされないが、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、硫酸バリウム、珪酸塩化合物、ゼオライト等が例示出来、これらは、単独で用いても、2種以上組み合わせても構わない。 【0020】 これらの中でも炭酸カルシウム、リン酸カルシウムは、適度な多孔質度を有するものや高分散性のものを作り易い点で、より好ましい。多孔質度とは、電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径Xから算出された比表面積(m2 /g)/窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)で算出され、摘花剤が一定の時間に一定濃度で放出される様に適度な多孔質度を有する水難溶性の無機化合物が好ましい。 【0021】 リン酸カルシウムとしては、非晶質リン酸カルシウム(略号:ACP、化学式:Ca3 (PO4 )2 ・nH2 O)、フッ素アパタイト(略号:FAP、Ca10(PO4 )6 F2 )、塩素アパタイト(略号:CAP、Ca10(PO4 )6 Cl2 )、ヒドロキシアパタイト((略号:HAP、Ca10(PO4 )6 OH2 )、リン酸八カルシウム(略号:OCP、化学式:Ca8 H2 (PO4 )6 ・5H2 O)、リン酸三カルシウム(略号:TCP、化学式:Ca3 (PO4 )2 )等が例示出来、これらは単独でも2種以上組み合わせてもよく、炭酸カルシウムとリン酸カルシウムの混合組成物でも構わない。これらの中でも、適度な多孔質度と分散性を有する観点で、非晶質リン酸カルシウム、リン酸3カルシウム、ヒドロキシアパタイトが好ましく、より好ましい多孔質度と高分散性を有する観点より、非晶質リン酸カルシウムが最も好ましい。 【0022】 炭酸カルシウムとしては、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、コロイド炭酸カルシウム、多孔質炭酸カルシウム等が例示出来、これらは単独でも2種以上組み合わせてもよい。小さな粒子径の化合物を得易いという点で、コロイド炭酸カルシウム、多孔質炭酸カルシウムが好ましいが、適度な多孔質度を有する点で多孔質炭酸カルシウムが、より好ましい。 【0023】 その他、ケイ酸塩化合物として、結晶性シリカ、含水ケイ酸、湿式シリカ、合成ケイ酸等の非晶質シリカが例示出来、これらは単独でも2種以上組み合わせてもよい。適度な分散性を有する観点より、合成ケイ酸が好ましい。 【0024】 尚、水難溶性無機化合物の中でも、特に、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、蛍石などの水難溶性カルシウム塩は化学的に安定で、人体や植物に対する作用が少なく安全であるばかりでなく、雄しべや雌しべに付着して層となった後に白色を呈するので摘花剤を散布した花と未散布の花との識別が容易であることから、摘花剤として好適である。また、日本では果樹栽培地域を含め、酸性土壌が多いので、土壌改良のため消石灰等のカルシウム剤を散布することがある。従って、散布される摘果剤は少量ではあるが、土壌にカルシウムを補充できるという点でも、カルシウム塩が好適である。特に、カルシウム塩は、その水難溶性により遅効性であるので、肥料バランス等にも影響を与え難い、即ち、害の少ないカルシウム源と言える。 【0025】 本発明の摘花剤の粒度分布計により測定した平均粒子径Pとしては、下記(a)の要件を満たしていれば良いが、(d)の要件を満たしているのがより好ましく、(P)の要件を満たしていることが更に好ましい。 (a)0.03≦P≦10 (d)0.03≦P≦7 (f)0.03≦P≦5 【0026】 平均粒子径Pが10μmを越えた場合、水難溶性無機化合物に添加する摘花薬剤の吸着が十分になさないため、摘花剤の効果の持続性が不十分となる傾向となり好ましくないだけでなく、薬害を発生し易くなるため好ましくない。一方、平均粒子径Pの下限は特に制限されないが、通常、0.03μm未満の水難溶性無機化合物を合成することは技術上困難である。 また、摘花剤の平均粒子径Pが10μm以下である場合、花粉が20〜50μmとされているので、花粉のサイズよりも粒子サイズが小さいので、雌しべや雄しべを物理的に被覆し、この被覆層は雄しべからの花粉の飛散を防ぎ、また飛散した花粉が雌しべの表面に直接接触することを妨ぎ、授粉を妨げる効果もある。花粉も摘花剤も球形と考えた場合、例えば20μmの花粉と4μmの摘花剤で、同一容積を占める個数では100倍の違いがある。従って、たとえ花粉が成熟して雄しべから飛散する直前であっても、花粉の表面が多数の摘花剤で被覆されることにより、花粉の活性は発揮されなくなるという効果も期待できる。 【0027】 尚、本発明において粒度分布の平均粒子径Pは、SALD−2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm)より算出した。測定試料は、摘花剤の濃度が5重量%となるように蒸留水で希釈し、超音波分散機US−300T(日本精機製作所製)を用い、20kHZ 、300W で1分間予備分散を行い、測定した。 【0028】 本発明の摘花剤の比表面積Qは、下記(b)の要件を満たしていれば良いが、(e)の要件を満たしているのがより好ましく、(h)の要件を満たしていることが更に好ましい。 (b)3≦Q≦400 (e)7≦Q≦250 (h)10≦<Q≦200 【0029】 比表面積Qが400(m2 /g)を越えた場合、多孔質度が高くなり過ぎるため、水難溶性無機粒子に添加した摘花薬剤の徐放速度が遅くなり過ぎる傾向となり、混合製剤中の摘花薬剤が、花の受粉時期に受粉を阻害するに十分な量が放出されなくなり、摘花効果が不十分となる傾向にあるため、好ましくない。一方、比表面積が3(m2 /g)未満の場合、摘花剤の比表面積が小さすぎるため、摘花薬剤の吸着面積が小さくなり、摘花効果の持続性が不十分となる傾向にあるため好ましくないだけでなく、薬害を発生し易くなるため好ましくない。 尚、本発明において比表面積Qの測定は、ユアサイオニクス(株)製NOVA2000を用いて測定した。 【0030】 本発明の摘花剤のQ/P値は、下記(c)の要件を満たしていれば良いが、(f)の要件を満たしているのがより好ましく、(i)の要件を満たしていることが更に好ましい。 (c)0.5≦Q/P≦1000 (f)0.5≦Q/P≦100 (i)1≦Q/P≦30 【0031】 Q/P値が1000を越えた場合、水難溶性無機粒子に添加した摘花薬剤の徐放速度が遅くなり過ぎる傾向にあるため、混合製剤中の摘花薬剤が、花の受粉時期に受粉を阻害するに十分な量が放出されなくなり、摘花効果が不十分となる傾向にあるため好ましくない。一方、Q/P値が0.5未満の場合、摘花薬剤の吸着面積が小さくなり過ぎ効果の持続性が不十分となる傾向にあるため好ましくないだけでなく、薬害を発生し易くなるため好ましくない。 【0032】 本発明において、水溶性無機化合物がリン酸カルシウムからなる摘花剤の電子顕微鏡より測定した平均粒子径Rとしては、下記(j)の要件を満たしていれば良いが、(l)の要件を満たしているのがより好ましく、(n)の要件を満たしていることが更に好ましい。 (j)0.01≦R≦10 (l)0.01≦R≦7 (n)0.01≦R≦5 【0033】 電子顕微鏡より測定した平均粒子径Rが10μmを越えた場合、水難溶性無機化合物に添加する摘花薬剤の吸着が充分になされず、効果の持続性が不十分となる傾向にあるため好ましくないだけでなく、薬害を発生し易くなるため好ましくない。 電子顕微鏡より測定した平均粒子径Rが、0.01μm未満の場合、摘花剤用無機化合物として、好適な分散性を有する無機化合物を調整することが困難な傾向にあるため好ましくない。 【0034】 尚、本発明の摘花剤の電子顕微鏡により測定した平均粒子径Rが0.03μm以上の場合、日立株式会社製電子顕微鏡S−2360Nにより撮影した1万倍の写真において、写真中央部の3cm×3cmの範囲に存在する摘花剤の長径と短径をゲージで測定し、その平均値をとることで求められる。また、一次粒子径が、0.03μm未満の場合は、日本電子株式会社製電子顕微鏡JEM−200CXにより撮影した10万倍の写真において、写真中央部の3cm×3cmの範囲に存在する摘花剤の長径と短径をゲージで測定し、その平均値をとることで求められる。 【0035】 リン酸カルシウムからなる摘花剤の多孔質度Sは、下記(k)の要件を満たしていれば良いが、(m)の要件を満たしているのがより好ましく、(o)の要件を満たしていることが更に好ましい。 (k)1≦S≦300 (m)1≦S≦45 (o)1≦S≦5 【0036】 多孔質度Sが300を越えた場合、多孔質度が高くなり過ぎるため、水難溶性無機化合物に添加した摘花薬剤の徐放速度が遅くなり過ぎる傾向にあるため、混合製剤中の摘花薬剤が、花の受粉時期に受粉を阻害するに充分な量が、花の受粉期に放出されなくなるため、十分な徐放効果を得ることが困難となる。一方、多孔質度Sが1未満の場合、水難溶性無機化合物の凝集度が強い傾向にあると共に徐放効果があまり期待出来なくなるため、摘花薬剤の吸着不足や薬害の恐れのある摘花剤になり易い傾向にあり、好ましくない。 【0037】 本発明に用いる摘花薬剤に関しては、摘花効果を有する薬剤であれば特に限定されず、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸等の一塩基酸類、シュー酸、マロン酸、グルコン酸、乳酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、グルタル酸、アジピン酸等の二塩基酸類、クエン酸等の三塩基酸類、イタコン酸等の脂肪族有機酸及び有機酸塩及び有機酸エステル類、アルキルベンゼンスルホン酸カルシウム,ナトリウム等のベンゼン環を有する化合物、レシチン、アミノ酸等が例示でき、これらは、単独で用いても、2種以上組み合わせて用いても構わない。 【0038】 薬害の可能性が少なく、環境に優しく、より有効な効果が発揮され易いことを考慮した場合、下記(A)群から選ばれた少なくとも1種であることが一層好ましく、下記(B)群から選ばれた少なくとも1種であることが更に好ましい。 (A)群:縮合リン酸及びその塩、カルボキシル基を有する有機酸及びその塩及びそのエステル、レシチン (B)群:カルボキシル基とアミノ基を共に有する有機酸及びその塩、レシチン(C)群:アミノ酸、レシチン。 【0039】 水難溶性無機化合物と摘花薬剤の混合比率に関しては、水難溶性無機化合物100重量部に対して、摘花薬剤を1〜200重量部が適当で、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは3〜50重量部である。 水難溶性無機化合物100重量部に対する摘花薬剤の添加量が1重量部未満の場合、摘花効果が不十分となるため好ましくなく、一方、200重量部を越えると薬害が発生し易い傾向にあり、極端な場合、木が枯れることもあるので好ましくない。 【0040】 本発明の摘花剤のpH値に関しては、通常、pHが4〜10の間であれば特に問題はなく摘花効果を発揮出来るが、人体への影響等を加味した場合、pH5.5〜8.5の範囲で用いるのが好ましく、pH6〜7.5の範囲で用いることが更に好ましい。 【0041】 従来の摘花剤は水溶性の摘花剤であるため、例えば、散布適正時期が雨天である場合には摘花剤が流失しやすく、摘花効果が殆ど期待出来なかった。これに対し、本発明の摘花剤は、水難溶性無機化合物に摘花薬剤が含浸・吸着された構成からなるため、従来の摘花剤よりも流失しにくい長所を有している。更に、本発明の摘花剤にポリビニルアルコール、ポリブテン、カルボキシメチルセルロース等の結着効果のある薬剤を併用することにより、雨天時等の流失防止効果を更に向上させることができる。 【0042】 本発明の摘花剤の果実への好ましい散布方法について説明する。りんご等の落葉果実の開花は、頂芽の中心花が先ず満開になる。その後、頂芽の側花がやや遅れて満開となり、更に1週間後、腋花が満開となる。本発明の摘花剤は、頂芽の中心花が満開になった際に散布すれば良いが、必要に応じて若干、散布時期を前後しても構わない。この操作により、花芽の雄しべの花粉に摘花剤が付着し、花粉が、雄しべへ付着したとしても、摘花剤の発芽抑制作用により受精を妨げ、結実を少なくする。 尚、従来からある摘花剤は水溶性であり、該摘花剤を用いた場合、摘花剤が流失しやすいため、効果の持続性が短いだけでなく、散布のタイミングの微妙なズレにより、効果にバラツキが出やすい問題点があったが、本発明の摘花剤を用いた場合、特定の水難溶性無機化合物に摘花薬剤が含浸・吸着されているため、薬剤の徐放速度を調節することが可能となり、効果の持続性が高いだけでなく、天候の変化による開花タイミングの微妙かズレにも対応が可能となる点で従来の摘花剤よりも優れている。 【0043】 【実施例】 以下に実施例、比較例を示し本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。 尚、以下の記載において、%及び部は、特に断らない限り、重量基準である。 【0044】 先ず、水難溶性無機化合物として炭酸カルシウム及びリン酸カルシウムを製造した。 【0045】 炭酸カルシウムI 11%石灰乳に石灰乳固形分に対し1%のクエン酸を添加し、濃度25% の炭酸ガスを導入して炭酸化反応を行い,系のpHが9.5になったときに炭酸化反応を停止し,50℃15時間攪拌して,再度炭酸ガスを導入して系のpHを7以下にし白色スラリーを得た。該白色スラリーをフィルタープレスを用いて脱水後、180℃で乾燥し白色粉末を得た。X線回折により得られた白色物がカルサイト型炭酸カルシウムであることを確認した。 【0046】 炭酸カルシウムII 11%石灰乳に25% の炭酸ガスを導入して炭酸化反応を行い,系のpHが8になったときに炭酸化反応を停止し、50℃15時間攪拌して、再度炭酸ガスを導入して系のpHを8以下にし炭酸カルシウムスラリーを得た。次ぎに該炭酸カルシウムスラリー1Lに11%水酸化カルシウムを1.5L加えた後、再度炭酸ガスを導入して系のpHを7にして白色スラリーを得た。該白色スラリーをフィルタープレスを用いて脱水後、180℃で乾燥し白色粉末を得た。X線回折により得られた白色物がカルサイト型炭酸カルシウムであることを確認した。 【0047】 リン酸カルシウムI 攪拌下において20%の炭酸カルシウム(スーパー#2000、丸尾カルシウム(株)製)水スラリーに10%リン酸をCa/Pモル比=3.33となるように滴下し、その後50℃で3時間攪拌し白色スラリーを得た。該白色スラリーをフィルタープレスを用いて脱水後、180℃で乾燥し白色粉末を得た。X線回折により得られた白色粉末がヒドロキシアパタイトであることを確認した。 【0048】 リン酸カルシウムII 攪拌下において20%の炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウム、丸尾カルシウム(株)製)水スラリーに10%リン酸をCa/Pモル比=3.00となるように滴下し、その後50℃で3時間攪拌し白色スラリーを得た。該白色スラリーをフィルタープレスを用いて脱水後、180℃で乾燥し白色粉末を得た。X線回折により得られた白色粉末がヒドロキシアパタイトであることを確認した。 【0049】 リン酸カルシウムIII 攪拌下において15℃に調整した11%水酸化カルシウムスラリー1molに、50%クエン酸0.3molを300秒で滴下し、その後30%リン酸0.66molと40%KOH0.9molの混合物を600秒で滴下し、その後120℃で1時間攪拌し白色スラリーを得た。X線回折により得られた白色物がリン酸三カルシウムであることを確認した。 【0050】 リン酸カルシウムIV 攪拌下において15℃に調整した11%水酸化カルシウムスラリー1molに、50%クエン酸0.3molを300秒で滴下し、その後30%リン酸0.66molと40%KOH0.9molの混合物を600秒で滴下し、その後120℃で1時間攪拌し白色スラリーを得た。該白色スラリーをスプレードライヤーにて乾燥し、白色粉末を得た。X線回折により得られた白色粉末がリン酸三カルシウムであることを確認した。 【0051】 実施例1 上記炭酸カルシウムIを用い、炭酸カルシウム固形分100部に対し、グリシンを40部及び水を添加し攪拌混合し、炭酸カルシウム固形分濃度30%の摘花剤を得た。得られた摘花剤のSALD−2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm)P、窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)Q、Q/Pを表1に示す。 【0052】 実施例2 上記炭酸カルシウムIIを用い、炭酸カルシウム固形分100部に対し、酵素分解レシチン(SLPペーストリゾ、T&Kレシチン社製)を3部及び水を添加し攪拌混合し、炭酸カルシウム固形分濃度30%の摘花剤を得た。得られた摘花剤のSALD−2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm)P、窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)Q、Q/Pを表1に示す。 【0053】 実施例3 市販の重質炭酸カルシウム(スーパー#2300、丸尾カルシウム製)を用い、炭酸カルシウム固形分100部に対し、アラニンを20部及び水を添加し攪拌混合し、炭酸カルシウム固形分濃度30%の摘花剤を得た。得られた摘花剤のSALD−2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm)P、窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)Q、Q/Pを表1に示す。 【0054】 実施例4 上記リン酸カルシウムIを用い、リン酸カルシウム固形分100部に対し、高純度レシチン(SLPホワイト、T&Kレシチン社製)を40部及び水を添加し攪拌混合し、リン酸カルシウム固形分濃度20%の摘花剤を得た。得られた摘花剤のSALD−2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm)P、窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)Q、Q/P、電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径(μm)R、多孔質度Sを表1、表2に示す。 【0055】 実施例5 上記リン酸カルシウムIII を用い、リン酸カルシウム固形分100部に対し、バリンを100部及び水を添加し攪拌混合し、リン酸カルシウム固形分濃度30%の摘花剤を得た。得られた摘花剤のSALD−2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm)P、窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)Q、Q/P、電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径(μm)R、多孔質度Sを表1、表2に示す。 【0056】 実施例6 上記リン酸カルシウムIVを用い、リン酸カルシウム固形分100部に対し、酵素分解レシチンを20部及び水を添加し攪拌混合し、リン酸カルシウム固形分濃度10%の摘花剤を得た。得られた摘花剤のSALD−2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm)P、窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)Q、Q/P、電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径(μm)R、多孔質度Sを表1、表2に示す。 【0057】 実施例7 市販のリン酸三カルシウム(リン酸三カルシウム、太平化学産業(株)製)を用い、リン酸カルシウム固形分100部に対し、ヘキサメタリン酸ナトリウムを180部及び水を添加し攪拌混合し、リン酸カルシウム固形分濃度30%の摘花剤を得た。得られた摘花剤のSALD−2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm)P、窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)Q、Q/P、電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径(μm)R、多孔質度Sを表1、表2に示す。 【0058】 実施例8 市販のシリカ(NIPGEL AZ200、日本シリカ工業(株)製)を用い、シリカ固形分100部に対し、グルコン酸三カリウムを40部及び水を添加し攪拌混合し、シリカ固形分濃度20%の摘花剤を得た。得られた摘花剤のSALD−2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm)P、窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)Q、Q/Pを表1に示す。 【0059】 実施例9 市販のシリカ(Nipsil、日本シリカ工業(株)製)を用い、シリカ固形分100部に対し、イタコン酸を20部及び水を添加し攪拌混合し、シリカ固形分濃度20%の摘花剤を得た。得られた摘花剤のSALD−2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm)P、窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)Q、Q/Pを表1に示す。 【0060】 実施例10 実施例5で作成した摘花剤をスプレードライヤーにて乾燥し、摘花剤パウダーを得た。得られた摘花剤のSALD−2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm)P、窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)Q、Q/P、電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径(μm)R、多孔質度Sを表1、表2に示す。 【0061】 比較例1 市販の重質炭酸カルシウム(R重炭、丸尾カルシウム(株)製)を用い、炭酸カルシウム固形分100部に対し、酵素分解レシチンを3部及び水を添加し攪拌混合し、炭酸カルシウム固形分濃度30%の摘花剤を得た。得られた摘花剤のSALD−2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm)P、窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)Q、Q/Pを表1に示す。 【0062】 比較例2 市販の重質炭酸カルシウム(スーパーSS、丸尾カルシウム(株)製)を用い、炭酸カルシウム固形分100部に対し、高純度レシチンを40部及び水を添加し攪拌混合し、炭酸カルシウム固形分濃度30%の摘花剤を得た。得られた摘花剤のSALD−2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm)P、窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)Q、Q/Pを表1に示す。 【0063】 比較例3 市販のゼオライト(HSZ320NAA 、東ソー(株)製)を用い、ゼオライト固形分100部に対し、グリシン20部及び水を添加し攪拌混合し、ゼオライト固形分濃度30%の摘花剤を得た。得られた摘花剤のSALD−2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm)P、窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)Q、Q/Pを表1に示す。 【0064】 比較例4 上記リン酸カルシウムIIを用い、リン酸カルシウム固形分100部に対し、イタコン酸を20部及び水を添加し攪拌混合し、リン酸カルシウム固形分濃度20%の摘花剤を得た。得られた摘花剤のSALD−2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm)P、窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)Q、Q/P、電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径(μm)R、多孔質度Sを表1、表2に示す。 【0065】 比較例5 市販のリン酸一水素カルシウム(試薬特級)を用い、リン酸一水素カルシウム固形分100部に対し、酵素分解レシチンを20部及び水を添加し攪拌混合し、炭酸カルシウム固形分濃度30%の摘花剤を得た。得られた摘花剤のSALD−2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm)P、窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)Q、Q/P、電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径(μm)R、多孔質度Sを表1、表2に示す。 【0066】 比較例6 グリシンを添加しない他は実施例1同条件で摘花剤を得た。得られた摘花剤のSALD−2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm)P、窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)Q、Q/Pを表1に示す。 【0067】 比較例7 高純度レシチンを添加しない他は実施例4同条件で摘花剤を得た。得られた摘花剤のSALD−2000Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の平均粒子径(μm)P、窒素吸着法によるBET比表面積(m2 /g)Q、Q/P、電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径(μm)R、多孔質度Sを表1に示す。 【0068】 【表1】
【0069】 【表2】
【0070】 応用例1 りんご(ふじ)の木を用い、摘花効果の確認を行った。即ち、前記のりんごの木を用い、中心花の開花日より2日後及び5日後の2回に渡って、実施例1の摘花剤を表3に示す濃度で散布した。尚、有効成分濃度は水難溶性無機化合物の重量固形分を基準とした。また、処理は枝別処理とし、背負い式噴霧器により散布した。 評価は、中心花、側花に関する残果率で表した。また、薬害に関しては、落葉、変色葉、奇形葉等、葉の状態の観察結果を下記の5段階で表した。 ◎:正常 ○:極小害 □:小害 △:中害 ×:大害 【0071】 応用例2〜10、比較応用例1〜7 実施例1の摘花剤の代わりに実施例2〜10、比較例1〜7の摘花剤を用いる他は、応用例1と同様の方法で試験を行った。結果は、表3、表4に示す。 【0072】 比較応用例8 実施例1の摘花剤の代わりに石灰硫黄剤を有効成分とする摘花剤を用いることを除き、他は応用例1と同様の方法で試験を行った。結果は表4に示す。 【0073】 比較応用例9 実施例1の摘花剤の代わりにイタコン酸を有効成分とする摘花剤を用いることを除き、他は応用例1と同様の方法で試験を行った。結果は表4に示す。 【0074】 比較応用例10 実施例1の摘花剤の代わりに水(コントロール)を用いることを除き、他は応用例1と同様の方法で試験を行った。結果は表4に示す。 【0075】 応用例11 ナシ(幸水)の木を用い、摘花効果の確認を行った。即ち、前記のナシの木を用い、中心花の開花日より3日後及び5日後の2回に渡って、実施例1の摘花剤を表5に示す濃度で散布した。尚、有効成分濃度は水難溶性無機化合物の重量固形分を基準とした。また、処理は枝別処理とし、背負い式噴霧器により散布した。 評価は、中心花、側花に関する残果率で表した。また、薬害に関しては、落葉、変色葉、奇形葉等、葉の状態の観察結果を下記の5段階で表した。 ◎:正常 ○:極小害 □:小害 △:中害 ×:大害 【0076】 応用例12〜20、比較応用例11〜17 実施例1の摘花剤の代わりに実施例2〜10、比較例1〜7の摘花剤を用いることを除き、他は、応用例11と同様の方法で試験を行った。結果は、表5、表6に示す。 【0077】 比較応用例18 実施例1の摘花剤の代わりに石灰硫黄剤を有効成分とする摘花剤を用いることを除き、他は応用例11と同様の方法で試験を行った。結果は表6に示す。 【0078】 比較応用例19 実施例1の摘花剤の代わりにイタコン酸を有効成分とする摘花剤を用いることを除き、他は応用例11と同様の方法で試験を行った。結果は表6に示す。 【0079】 比較応用例20 実施例1の摘花剤の代わりに水(コントロール)を用いることを除き、他は応用例11と同様の方法で試験を行った。結果は表6に示す。 【0080】 【表3】
【0081】 【表4】
【0082】 【表5】
【0083】 【表6】
【0084】 上記表3〜表6に示す様に、応用例で用いた本発明の摘花剤は、適度な摘花効果を示すと共に薬害も殆ど発生しなかった。また、比較応用例3、4で用いた摘花剤は、水難溶性無機化合物の影響で遅効性となり、摘花効果が不十分であった。比較応用例7、8の摘花剤は、ひどい薬害の発生が認められた。 【0085】 【発明の効果】 以上のように、本発明の摘花剤は、人体に無害で、且つ、環境に易しく、高い摘花効果を有している。また、本発明の摘花剤は徐放効果にも優れているため、散布時期の自由度が従来よりも広がり、使い勝手にも優れている。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390008442 【氏名又は名称】丸尾カルシウム株式会社 【住所又は居所】兵庫県明石市魚住町西岡1455番地
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| 【出願日】 |
平成14年8月2日(2002.8.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076820 【弁理士】 【氏名又は名称】伊丹 健次
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| 【公開番号】 |
特開2005−325024(P2005−325024A) |
| 【公開日】 |
平成17年11月24日(2005.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願2002−225712(P2002−225712) |
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