| 【発明の名称】 |
エアゾール殺虫剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】勝田 純郎
【氏名】中山 幸治
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| 【要約】 |
【課題】殺虫活性にすぐれ温血動物に対する安全性の高い2,2−ジメチル−3−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸エステル類から選抜された有用な化合物を有効成分として含有するエアゾール殺虫剤の提供。
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 有効成分として、[2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)−1−イミダゾリジニル]メチル 2,2−ジメチル−3−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート及び/又は4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートを含有することを特徴とするエアゾール殺虫剤。 【請求項2】 有効成分として、[2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)−1−イミダゾリジニル]メチル 2,2−ジメチル−3−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートに加え、フェノトリン又はシフェノトリンを含有することを特徴とする請求項1に記載のエアゾール殺虫剤。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、エアゾール殺虫剤の改良に関するものである。 【背景技術】 【0002】 現在、エアゾール殺虫剤の有効成分としては、ハエ・蚊対象の空間用エアゾールではノックダウン剤としてd−T80−フタルスリン、キル剤としてd−T80−レスメトリンが主に使用され、一方、ゴキブリ用エアゾールではノックダウン剤としてイミプロトリンが主流であるが、より的確な有効成分の探索が求められている。 ところで、2,2−ジメチル−3−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸エステル類は既に公知であり、例えば、[2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)−1−イミダゾリジニル]メチル 2,2−ジメチル−3−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートは特公昭62−48660号公報に、また、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートは特公平7−29989号公報に開示されている。しかしながら、これらの化合物は、幾多の化合物群の一例として該公報に例示されているのみで、そのエアゾール殺虫剤への適用については全く触れられていない。 【特許文献1】特公昭62−48660号公報 【特許文献2】特公平7−29989号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 本発明は、殺虫活性にすぐれ温血動物に対する安全性の高い2,2−ジメチル−3−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボン酸エステル類に注目し、特に有用な化合物を選抜するとともに、これを有効成分として含有するエアゾール殺虫剤を開発する目的でなされたものである。 【課題を解決するための手段】 【0004】 上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究を重ね、種々試験の結果本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下の構成を採用する。 (1)有効成分として、[2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)−1−イミダゾリジニル]メチル 2,2−ジメチル−3−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート[以降、化合物Aと称す]及び/又は4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート[以降、化合物Bと称す]を含有するエアゾール殺虫剤。 (2)有効成分として、[2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)−1−イミダゾリジニル]メチル 2,2−ジメチル−3−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート[化合物A]に加え、フェノトリン又はシフェノトリンを含有する(1)に記載のエアゾール殺虫剤。 【発明の効果】 【0005】 本発明のエアゾール殺虫剤は、殺虫活性にすぐれ温血動物に対する安全性の高い化合物A及び/又は化合物Bを有効成分として含有するので、現行のエアゾール製品に比べてより一層優れた速効性と致死効果を奏する。また、コスト的にも有利であり極めて実用性が高い。 【発明を実施するための最良の形態】 【0006】 本発明のエアゾール殺虫剤は、下記の化合物を有効成分として選抜したことに特徴を有する。 (1)化合物A:[2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)−1−イミダゾリジニル]メチル 2,2−ジメチル−3−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート、 (2)化合物B:4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート。 すなわち、化合物A及び化合物Bは、微量滴下法による評価が比較的低かったものの、エアゾールやスプレーの噴霧法では飛躍的に殺虫効力が増強することを認め、本発明に至ったものである。なお、両化合物は、シクロプロパンカルボン酸の立体構造に基づく光学異性体、あるいは幾何異性体が存在するが、これらの単独、ならびに任意の混合物も全て本発明に含まれる。 【0007】 本発明のエアゾール殺虫剤は、化合物A及び/又は化合物Bに溶剤や、必要ならば共力剤、他の有効成分、補助成分等を配合してエアゾール原液を調製し、これをエアゾール容器に充填後、噴射剤を加圧充填して製する。 化合物A及び/又は化合物Bのエアゾール殺虫剤中における配合量は、0.02〜1.0重量%程度が適当であり、油性又は水性エアゾール原液のいずれも調製可能である。 【0008】 油性溶剤としては、ケロシンが使いやすいが、特に化合物Aの場合、ケロシンに溶けにくいので、エステル系溶剤(ミリスチン酸イソプロピル等)、グリコールエーテル系溶剤、ケトン系溶剤、芳香族炭化水素系溶剤等の併用が好ましい。また、水性エアゾール原液を調製するにあたっては、水とともに、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類等)、分散剤、補助溶剤などを適宜配合すればよい。その他、必要に応じて、安定剤(BHT、BHA等)、防錆剤(安息香酸ナトリウム、クエン酸アンモニウム等)、香料などの補助成分が添加される。 【0009】 エアゾール原液には、N−オクチルビシクロヘプテンカルボキシイミド(商品名MGK−264)、N−オクチルビシクロヘプテンジカルボキシイミドとアリールスルホン酸塩との混合物(商品名MGK−5026)、サイネピリン500、オクタクロロジプロピルエーテル、ピペロニルブトキサイドなどの共力剤を加えてもよい。 更に、他の殺虫、防虫成分、例えば、ピレトリン、アレスリン、プラレトリン、フラメトリン、フェノトリン、シフェノトリン、エムペントリン等の従来のピレスロイド系殺虫剤、フェニトロチオン、DDVP、ダイアジノン等の有機リン剤、NAC、MTMC、メトキサジアゾン、プロポクスル等のカーバメート剤、シラフルオフェン等の有機ケイ素系化合物、ヒノキチオールやイソプロピルメチルフェノール等の抗菌・防黴成分、5−クロロ−2−トリフルオロメタンスルホンアミド安息香酸メチル等の殺ダニ成分、ジエチルトルアミドなどの忌避成分、消臭剤、芳香剤等を配合することによって効力のすぐれた多目的組成物が得られ、薬剤間の相乗効果も十分期待しえるものである。 【0010】 化合物Aは、ゴキブリ用エアゾール殺虫剤に適用した場合、ノックダウン剤として優れるものの残効性に乏しいので、フェノトリン又はシフェノトリンと組み合わせることによって、より効率的なゴキブリ駆除が可能となる。 一方、化合物Bの速効性及び致死効果は、現行の空間用エアゾール殺虫剤に用いられているd−T80−フタルスリン及びd−T80−レスメトリンにそれぞれ優るため、一成分で製剤化できコストメリットが大きい。 【0011】 噴射剤としては、液化石油ガス、ジメチルエーテル、圧縮ガス(窒素、炭酸ガス等)があげられる。 エアゾール原液と噴射剤の充填比率は特に制限されないが、20/80〜65/35(容量)程度が適当である。 【0012】 本発明のエアゾール殺虫剤を噴射させるためのエアゾール噴射装置は、エアゾール殺虫剤を充填したエアゾール容器、バルブ、該バルブのステム部分に装着されるアクチュエーターなどから構成され、アクチュエーターには、噴口を含む噴射ボタンなどが装填される。エアゾール容器は、容量として180mL缶、300mL缶、450mL缶が一般的で、エアゾール殺虫剤を充填するに際しては、噴霧粒子の拡散性を考慮して容器内圧を0.3〜0.6MPa程度に設定するのが好ましい。 【0013】 本発明のエアゾール殺虫剤の用途として、ハエ、蚊、ゴキブリ、屋内塵性ダニ類等の衛生害虫、イガ、コイガ、カツオブシムシ等の衣料害虫、コクゾウ等の貯穀害虫をはじめ、アブラムシ、ウンカ、カメムシ、ムカデ、ユスリカ等の種々の害虫に高い殺虫効果を示す。 【0014】 次に、実施例、試験例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【実施例1】 【0015】 化合物A0.3gとシフェノトリン0.4gにミリスチン酸イソプロピル5mLとケロシンを加えて油性エアゾール原液(120mL)を調製し、エアゾール容器に充填した。バルブ部分を取り付けた後、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス、ジメチルエーテルの混合ガス)180mLを加圧充填してゴキブリ用の塗布エアゾール殺虫剤を得た。 かかる本発明のゴキブリ用エアゾール殺虫剤を、台所に出現したワモンゴキブリめがけて2秒間噴射したところ、ワモンゴキブリは直ちにノックダウンした。また台所の壁にエアゾール殺虫剤を噴射しておくことによって、約1ケ月間ゴキブリが出現することはなかった。 【実施例2】 【0016】 化合物B0.4gに界面活性剤8.0g、水30mL、ケロシンを加えて水性エアゾール原液(120mL)を調製し、エアゾール容器に充填した。バルブ部分を取り付けた後、該バルブ部分を通じて噴射剤(液化石油ガス)180mLを加圧充填してハエ・蚊対象の空間用エアゾール殺虫剤を得た。 この空間用エアゾール殺虫剤は、ハエ・蚊等の飛翔性害虫に対して高いノックダウン効果と致死効果を示した。 【実施例3】 【0017】 各供試化合物につき、以下の試験を行った。 (1)微量滴下法:各供試化合物をアセトンに溶解し、イエバエ♀成虫に対するノックダウン効果を調べた。dl,d−T80−アレスリンを1.00とした場合の相対有効比で、その結果を表1に示す。 (2)ガラスチャンバー法:60cm立方(0.216m3)のガラスチャンバーにイエバエ(1群約25匹の雄雌成虫)を放った後、実施例2に準じ調製した供試エアゾール殺虫剤を1秒間噴霧した。10分間暴露して時間の経過に伴う仰転虫数を記録し、KT50値を求めた。d−T80−フタルスリンとd−T80−レスメトリンを含む現行空間用エアゾール殺虫剤のノックダウン効果を1.00とした場合の相対有効比で、その結果を表2に示す。 (3)直接噴霧法:周囲を囲んだ容器内にワモンゴキブリ♂成虫を1匹放った後、約20 cmの距離から実施例1に準じ調製した供試エアゾール殺虫剤を2秒間噴霧し、ノックダウンするまでの時間を記録した。イミプロトリンを含む現行ゴキブリ用エアゾール殺虫剤のノックダウン効果を1.00とした場合の相対有効比で、その結果を表3に示す。 【0018】 【表1】
【0019】 【表2】
【0020】 【表3】
【0021】 試験の結果、本発明で用いる化合物A及び化合物Bは、(1)微量滴下法による評価はそれほど高くないものの、(2)ガラスチャンバー法や(3)直接噴霧法では顕著なノックダウン効果を示し、エアゾール殺虫剤に適用した場合に極めて実用的であることが認められた。なお、化合物A及び化合物Bの併用はより一層有用であった。 これに対し、対照化合物A〔トランスフルトリン:2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート〕や対照化合物B〔特公平7−29989号公報開示化合物:2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(3−メトキシ−3−オキソ−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート〕の場合、(2)ガラスチャンバー法や(3)直接噴霧法では、(1)微量滴下法の結果に相応するほどの高いノックダウン効果が得られず、本発明で用いる化合物A及び化合物Bとは異なる傾向を示した。 このように、化学構造上、類似した化合物であっても、(1)微量滴下法だけではエアゾール殺虫剤に適した化合物であるかどうかは評価できず、本発明は実際に製剤試験を実施してはじめて化合物A及び化合物Bの有用性を知見したものである。 【産業上の利用可能性】 【0022】 本発明は、屋内、屋外における広範な害虫駆除を目的として利用することが可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000207584 【氏名又は名称】大日本除蟲菊株式会社
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| 【出願日】 |
平成16年2月26日(2004.2.26) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−239640(P2005−239640A) |
| 【公開日】 |
平成17年9月8日(2005.9.8) |
| 【出願番号】 |
特願2004−52058(P2004−52058) |
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