| 【発明の名称】 |
カメムシ類による水稲斑点米の生成を抑制する方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 英一 【住所又は居所】千葉県茂原市東郷1144番地 三井化学株式会社内
【氏名】桐谷 幸生 【住所又は居所】千葉県茂原市東郷1144番地 三井化学株式会社内
【氏名】河原 信行 【住所又は居所】千葉県茂原市東郷1144番地 三井化学株式会社内
【氏名】渡辺 孝 【住所又は居所】千葉県茂原市東郷1144番地 三井化学株式会社内
【氏名】大江 桜麻 【住所又は居所】千葉県茂原市東郷1144番地 三井化学株式会社内
【氏名】河原 敦子 【住所又は居所】千葉県茂原市東郷1144番地 三井化学株式会社内
【氏名】中村 雅彦 【住所又は居所】千葉県茂原市東郷1144番地 三井化学株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】作業者への薬剤被曝が防止され、薬剤環境負荷が軽減され、作業性に優れたカメムシ類による水稲斑点米の生成抑制方法を提供する。
【解決手段】浸透移行性を有し、カメムシ類に吸汁阻害作用を示す1種以上の化合物を含有する組成物を水田の水面に施用してカメムシ類による水稲斑点米の生成を抑制する方法。この化合物がニトロメチレン系殺虫剤、ニトロイミノ系殺虫剤、シアノイミノ系殺虫剤あるいはフェニルピラゾール骨格を有する殺虫剤である方法。またニトロメチレン系殺虫剤がニテンビラム、ニトロイミノ系殺虫剤がイミダクロプリド、ジノテフラン、チアメトキサム又はクロチアニジン、シアノイミノ系殺虫剤がチアクロプリド、ニトロシアノ系殺虫剤がアセタミプリド、フェニルピラゾール骨格を有する殺虫剤がフィプロニル、エチプロール又はアセトプロールである方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (RS)-1-メチル-2-ニトロ-3-[(3-テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン(一般名ジノテフラン)、(E)-1-(2-クロロ-1,3-チアゾール-5-イルメチル)-3-メチル-2-ニトログアニジン(一般名クロチアニジン)、N-[3-(6-クロロピリジン-3-イルメチル)チアゾリジン-2-イリデン]シアナミド(一般名チアクロプリド)、及び3-(2-クロロチアゾール-5-イルメチル)-5-メチル-1,3,5-オキサジアジナン-4-イリデン-N-(ニトロ)アミン(一般名チアメトキサム)から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物を含有する組成物を水稲の出穂30日前から出穂20日後の期間に該化合物を粒剤、ジャンボ剤、顆粒水和剤、顆粒水溶剤、又はこれらを水溶性フィルム等でパックした剤型の形態で、水田の水面に直接施用することを特徴とする、カメムシ類による水稲斑点米の生成を抑制する方法。 【請求項2】 (RS)-1-メチル-2-ニトロ-3-[(3-テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン(一般名ジノテフラン)、(E)-1-(2-クロロ-1,3-チアゾール-5-イルメチル)-3-メチル-2-ニトログアニジン(一般名クロチアニジン)、N-[3-(6-クロロピリジン-3-イルメチル)チアゾリジン-2-イリデン]シアナミド(一般名チアクロプリド)、及び3-(2-クロロチアゾール-5-イルメチル)-5-メチル-1,3,5-オキサジアジナン-4-イリデン-N-(ニトロ)アミン(一般名チアメトキサム)から選ばれる少なくとも1種類以上の化合物を含有する組成物を水稲の出穂30日前から出穂20日後の期間に該化合物を粒剤、ジャンボ剤、顆粒水和剤、顆粒水溶剤、又はこれらを水溶性フィルム等でパックした固体製剤の形態で、水田の水面に直接施用することを特徴とする、カメムシ類による水稲斑点米の生成を抑制する方法。 【請求項3】 10アール当たり、化合物を1g以上100g以下の量を水田の水面に施用することを特徴とする、請求項1又は2記載のカメムシ類による水稲斑点米の生成を抑制する方法。 【請求項4】 10アール当たり、化合物を10g以上70g以下の量を水田の水面に施用することを特徴とする、請求項1又は2記載のカメムシ類による水稲斑点米の生成を抑制する方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、カメムシ類による水稲斑点米の生成を抑制する方法に関する。詳しくはカメムシ類の水稲の穂への加害を防止し、水稲斑点米の生成を抑制する方法に関する。 【背景技術】 【0002】 水稲に対する多くの害虫のうち、米の収穫や品質に重大な影響を及ぼす害虫として、ウンカ類やカメムシ類などの半翅目害虫がある。その中で、カメムシ類は近年、水稲の穂を加害し、収穫した米の品質を低下させる害虫として問題となり、難防除害虫となっている。ウンカ類の水稲に及ぼす影響とカメムシ類の水稲に及ぼす影響を比較すると、両者の水稲に及ぼす影響は大きく異なる。すなわち、ウンカ類はある程度の発生密度に達しないと水稲に対する被害が顕在化しない。それに対して、カメムシ類は非常に少ない発生密度でも、収穫した米の品質に対して、重大な被害が出る。一般に米1000粒中、2個以上の米粒にカメムシ類による吸汁痕があると、斑点米として、米の等級が下がる。また、1アール当たりに2、3頭のカメムシ類の存在が確認されると、そのカメムシが水稲の穂を吸汁し、その結果、収穫した米の品質に重大な被害が出る。そのため、カメムシ類の防除はウンカ類の防除と比べて、極めて高い防除効果を要求される。 【0003】 これらのカメムシ類は、歩行或いは飛び込みにより水田に入り込み、増殖を繰り返して稲の穂、また、ある種のカメムシ類は茎部を加害する。一般的には、水稲の開花から収穫期に被害が発生する。 【0004】 カメムシ類の防除は、カメムシ類の発生が予期される時期に、散布器を用いた薬剤散布や或いは、航空機で薬剤を散布する方法で行なわれている。すなわち、出穂期、乳熟期或いは黄熟期にかけて粉剤、液剤等を2〜3回、散布することでカメムシ類の防除を行っている。この防除方法では、カメムシ類を完璧に防除するために、2〜3回の農薬散布を行う必要があり、人手や防除費用の面からも十分なものではなかった。また、散布器や航空機による薬剤散布は乳剤、水和剤、粉剤などをカメムシ類が存在する茎葉部に直接散布する方法であり、散布時における作業者の薬剤被爆、作業条件の困苦、水田以外の環境への拡散、散布効果維持の為に過剰量の薬剤の使用、降雨による防除効果の低下や防除適期の逸脱、作業効率が悪いなど、多くの解決すべき課題を抱えている。 【0005】 最近、イミダクロプリド、ニテンピラム、チアメトキサム、チアクロプリド、クロチアニジン、アセアタミプリド、ジノテフランなどのニトロメチレン系殺虫剤、ニトロイミノ系殺虫剤、シアノイミノ系殺虫剤や、フィプロニル、エチプロール、アセトプロールなどのフェニルピラゾール骨格を有する殺虫剤など、浸透移行性を有する殺虫剤が水稲の害虫防除用殺虫剤として開発されている。(特開昭61−267575、特開平4−154741、特開平3−157308、特開平6−183918、特開平7−179448、特開昭63−316771、特開平6−271408、など。) これらの殺虫剤は散布剤、水面施用剤の剤型で、ウンカ類などの水稲の害虫防除に使用できる。また、これらの殺虫剤の一部がカメムシ類に対して殺虫効果のあることも該公報などに記載されている。しかし、これら公報にはカメムシ類による水稲の穂の吸汁を防止することやそれによりカメムシ類による水稲斑点米の生成を防除することに関しては何も開示されていない。 【0006】 【特許文献1】特開昭61−267575号公報 【特許文献2】特開平04−154741号公報 【特許文献3】特開平03−157308号公報 【特許文献4】特開平06−183918号公報 【特許文献5】特開平07−179448号公報 【特許文献6】特開昭63−316771号公報 【特許文献7】特開平06−271408号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明は従来の散布器を使用した殺虫剤散布方法によるカメムシ類の防除の問題点を解決し、作業者への薬剤被爆防止、作業条件の改善、環境への拡散防止、天候に左右されないなど、作業性に優れたカメムシ類による水稲斑点米の生成を抑制する方法を提供することを目的とし、更に本発明は、殺虫剤を水面に処理する方法によるカメムシ類の水稲の穂に対する吸汁を防止する方法、更にはカメムシ類が水稲の穂を吸汁することで引き起こされる、水稲斑点米の生成を抑制する方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明者らは、浸透移行性を有する化合物を含有する組成物の水面施用方法による、カメムシ類の水稲の穂に対する吸汁を防止する方法に関して鋭意検討した結果、浸透移行性を有する化合物を水面に処理すると、カメムシ類に対して吸汁阻害効果があること、及び、カメムシ類を完全に死に至らしめなくても、カメムシ類の水稲の穂に対する吸汁を十分に防止できること、更にその結果、水稲斑点米の生成を抑制できることを見い出し、本発明を完成させた。 【0009】 すなわち、本発明は、浸透移行性を有し、且つ、カメムシ類に吸汁阻害作用を示す、少なくとも1種類以上の化合物を含有する組成物を水田の水面に施用することを特徴とする、カメムシ類による水稲斑点米の生成を抑制する方法である。 【発明の効果】 【0010】 本発明の方法はカメムシ類の水稲の穂に対する加害を防止し、その結果、斑点米の生成を効果的に抑制することができ、米の品質確保に貢献できる。 また、本発明の方法は薬剤を水面に施用するので、作業者への薬剤被爆防止、作業条件の改善、環境への拡散防止、天候に左右されないなど、従来のカメムシ類の防除方法の問題点を解決し、作業の簡便化、作業条件の改善などに寄与することができる。 更に、本発明の方法においてはカメムシを殺虫するための薬剤の施用量よりも少ない量でカメムシの水稲の穂の吸汁阻害が起こるため、従来の農薬の施用量よりも少ない薬剤量で十分な効果が得られ、防除コストの低減や土壌の環境汚染を防止できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 本発明で用いるカメムシ類に防除効果を示す化合物は、浸透移行性を有し、且つカメムシ類に対して吸汁阻害作用を示す化合物である。本発明で言う、浸透移行性を有する化合物は、活性化合物が植物の根や茎葉から吸収されて、植物の他の部位へ移行し、害虫が茎や葉を吸汁あるいは食することで、害虫を死に至らしめる作用を有する化合物である。本発明で言う、浸透移行性を有し、且つカメムシ類に対して吸汁阻害作用を示す化合物は、該化合物が植物体内を浸透移行し、その結果、カメムシ類を完全に死に至らしめなくても、カメムシ類の積極的な吸汁を阻止できる化合物を意味している。そのようなものは従来より殺虫性化合物として知られているものを含んでいる。本発明の方法に使用される化合物としては具体的に、イミダクロプリド、3-(2-クロロチアゾール-5-イルメチル)-5-メチル-1,3,5-オキサジアジナン-4-イリデン-N-(ニトロ)アミン(一般名チアメトキサム)、(RS)-1-メチル-2-ニトロ-3-[(3-テトラヒドロフリル)メチル]グアニジン(一般名ジノテフラン)、(E)-1-(2-クロロ-1,3-チアゾール-5-イルメチル)-3-メチル-2-ニトログアニジン(一般名クロチアニジン)などのニトロイミノ系殺虫剤、ニテンピラムなどのニトロメチレン系殺虫剤、アセタミプリド、N-[3-(6-クロロピリジン-3-イルメチル)チアゾリジン-2-イリデン]シアナミド(一般名チアクロプリド)などのシアノイミノ系殺虫剤やフィプロニル、5-アミノ-1-(2,6-ジクロル-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)-4-エチルスルフィニルピラゾール-3-カルボニトリル(一般名エチプロール)、1-[5-アミノ-1-(2,6-ジクロル-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)-4-メチルスルフィニルピラゾール-3-イル]エタノン(一般名アセトプロール)などのフェニルピラゾール骨格を有する殺虫剤があげられるが、浸透移行性を有し、且つカメムシ類に対して吸汁阻害作用を示す化合物であれば、これらに限定されるものではない。本発明の方法においては、これらの化合物を単独で、または2種以上を混合してカメムシ類に対して水面に施用する。 【0012】 カメムシ類の水稲の穂に対する吸汁を防止するために、浸透移行性を有し、且つカメムシ類に対して吸汁阻害作用を示す化合物は、カメムシ類の吸汁阻害効果が出る薬量以上を、水面に施用すればよい。具体的には、10アール当たり、1g以上の活性成分を水面に施用すれば、活性成分が水稲へ浸透移行して、カメムシ類に吸汁阻害効果が出る。活性成分を多く施用しても、カメムシ類の吸汁阻害効果の発現に影響はないが、経済的な観点から、100g以下の施用量で十分である。好ましくは、10アールあたり、10g以上70g以下の活性成分の施用量で十分である。浸透移行性を有し、且つカメムシ類に対して吸汁阻害作用を示す化合物が殺虫剤である場合には、これら施用量は該殺虫剤が殺虫効果を示す量よりも一般的に少ない量で十分である。 【0013】 本発明の、浸透移行性を有し、且つ、カメムシ類に吸汁阻害作用を示す化合物を含有する組成物を水面に施用する時期は、水稲の生育期間内であれば、いつでもよいが、好ましくは、水稲の分けつ時期から黄熟期の間に該殺虫剤を水面に処理すれば、効果的にカメムシ類の水稲の穂に対する吸汁を防止することができる。更に好ましくは、水稲の出穂30日前から出穂20日後の期間に該殺虫剤を処理すればよい。本願の方法は通常、1回の処理で、十分にカメムシ類の水稲の穂に対する吸汁を防除することができるが、カメムシ類の発生状況に応じて、2回以上、水面に処理しても、何ら問題はない。 【0014】 本発明で言う、カメムシ類の水稲の穂に対する吸汁を防止する方法は、浸透移行性を有し、且つ、カメムシ類に吸汁阻害作用を示す化合物を含有する組成物を水面に施用する方法である。ここで言う、水面に施用する方法とは、該化合物を固体製剤、液体製剤等の組成物の形態で、水面に直接施用することを意味している。該化合物の固体製剤は直接水面に施用するか、あるいは、水に懸濁し、少量且つ高濃度状態の液体あるいは懸濁液の状態で水面に施用する。畦畔から手振り散布、パック等に粒剤を封入し、これを投与する方法、水口からの水の流入拡散を利用した水口処理等の方法が挙げられる。該化合物の液状製剤も固体製剤と同様に水面に処理する。水面への施用が可能な固体製剤は、粒剤、ジャンボ剤、水和剤、顆粒水和剤、顆粒水溶剤、粉剤等が挙げられる。また、これらをPVAなどの水溶性フィルム等でパックした剤型も使用できる。水面に施用が可能な液体製剤は、乳剤、液剤、油剤、フロアブル剤、エマルジョン剤,マイクロエマルジョン剤、サスポエマルジョン剤、マイクロカプセル剤等である。いかなる剤型においても、浸透移行性を有し、且つ、カメムシ類に吸汁阻害作用を示す殺虫剤を水面に施用すれば、該化合物が水稲植物内へ浸透移行し、カメムシ類の水稲の穂に対する吸汁を防止することができる。 【0015】 本発明の方法で、効果的に、且つ簡易にカメムシ類による水稲の穂に対する吸汁を防止できる。ここで言う、水稲の穂に対する吸汁を防止できるカメムシ類として、例えば、以下のものが挙げられる。ナカグロメクラガメ、ブチヒゲクロメクラガメ、アカホシメクラガメ、ハナグロミドリメクラガメ、マダラメクラガメ、マキバメクラガメ、アカスジメクラガメ、ムギメクラガメ、アカミャクメクラガメ、ナカムギメクラガメ、アカヒゲホソミドリメクラガメ等のメクラカメムシ科、メダカバガカメムシ等のメダカナガカメムシ科、ヒメヒラタナガカメムシ、モンシロナガカメムシ、ウスグロシロヘリナガカメムシ、シロヘリナガカメムシ、アムールシロヘリナガカメムシ、チャイロナガカメムシ、ヒメナガカメムシ、ミナミホソナガカメムシ、クロアシホソナガカメムシ、キベリヒョウタンナガカメムシ、ヒラタヒョウタンナガカメムシ、サビヒョウタンナガカメムシ、ヒゲナガカメムシ、ヨツボシヒョウタンナガカメムシ、マダラナガカメムシ、コバネヒョウタンナガカメムシ等のナガカメムシ科、フタモンホシカメムシ等のホシカメムシ科、アズキヘリカメムシ、ヒメハリカメムシ、ハリカメムシ、ホソハリカメムシ、ホシハラビロヘリカメムシ等のヘリカメムシ科、ヒメクモヘリカメムシ、クモヘリカメムシ、タイワンクモヘリカメムシ、ホソヘリカメムシ等のホソヘリカメムシ科、アカヒメヘリカメムシ、ケブカヒメヘリカメムシ、スカシヒメヘリカメムシ、ブチヒゲヘリカメムシ等のヒメヘリカメムシ科、チャイロカメムシ等のキンカメムシ科、エビイロカメムシ、ウズラカメムシ、トゲカメムシ、ムラサキカメムシ、ブチヒゲカメムシ、ハナダカカメムシ、ムラサキシラホシカメムシ、マルシラホシカメムシ、オオトゲシラホシカメムシ、トゲシラホシカメムシ、シラホシカメムシ、クサギカメムシイネカメムシ、ツマジロカメムシ、アオクサカメムシ、ミナミアオカメムシ、エゾアオカメムシ、イチモンジカメムシ、チャバネアオカメムシ、アカカメムシ、イネクロカメムシ、イワサキカメムシ等のカメムシ類が挙げられる。本発明の方法は、これらのカメムシ類のうち、特に水稲の穂を吸汁するカメムシ類に対して効果的に、その吸汁を防止することができる。 【0016】 本発明の方法により、カメムシ類を完全に死に至らしめることなく、カメムシ類の積極的な吸汁活動を防止することができる。更には、水稲の穂に対する吸汁活動を防止することができる。その結果、水稲の穂に対するカメムシ類の吸汁活動によって引き起こされる、水稲斑点米の生成を抑制することができる。 【0017】 本発明の方法に使用される組成物を実際に施用するにあたって、組成物は、必要に応じて、他の活性化合物、例えば殺菌剤や肥料等と混用して使用してもよい。更に、その他の活性化合物を含む場合、これらの活性化合物は、浸透移行性を有するものが好ましい。その代表例として、イソプロチオラン、フルトラニル、アゾキシストロビン、プロベナゾール、フラメトピル、チフルザミド、バリダマイシン、ピロキロン、メトミノストロビン、IBP、フサライド、カスガマイシン、カルプロパミド、ジクロメジン、トリシクラゾール、バリダマイシン、ペンシクロン、ポリオキシン、メプロニル、EDDPなどを例示できる。 【0018】 本発明の方法に使用される組成物の製剤化にあたっては、何らの特別の条件を必要とせず、一般農薬に準じて当業技術の熟知する方法によって、粒剤、水和剤、顆粒水和剤、顆粒水溶剤、粉剤、乳剤、液剤、油剤、フロアブル剤、エマルジョン剤、マイクロエマルジョン剤、サスポエマルジョン剤、マイクロカプセル剤等の任意の剤型に調製することができる。 【0019】 かくして、浸透移行性を有し、且つ、カメムシ類に吸汁阻害作用を示す、少なくとも1種類以上の化合物を含有する組成物を水面に施用すれば、カメムシ類による水稲斑点米の生成を効果的に抑制できる他、農作業の簡便化、農作業に従事する作業者への薬剤被爆、環境への拡散、天候の影響など、従来の散布器を使用した防除方法の問題点を全て解決することができる。 【実施例】 【0020】 以下に製剤例及び試験例により本発明を更に詳細に説明する。尚、製剤例中の部は重量部を示す。 【0021】 製剤例1 ジノテフランを10部、ソルポール355S(東邦化学製、界面活性剤)10部、ソルベッソ150(エクソン製)80部、以上を均一に撹拌混合して乳剤を得た。 【0022】 製剤例2 ジノテフランを10部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム2部、リグニンスルホン酸ナトリウム1部、ホワイトカーボン5部、ケイソウ土82部、以上を均一に撹拌混合して水和剤100部を得た。 【0023】 製剤例3 ジノテフランを10部、ポリビニルアルコールの20%水溶液5部を充分撹拌混合した後、キサンタンガムの0.8%水溶液65部を加えて再び撹拌混合してフロアブル剤100部を得た。 【0024】 製剤例4 ジノテフランを20部、尿素90部を部を均一に十分攪拌混合して水溶剤100部を得た。 【0025】 製剤例5 ジノテフランを1部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ナトリウム2部、ベントナイト95部、以上を均一に粉砕混合後、水を加えて混練し、造粒乾燥して粒剤100部を得た。 【0026】 製剤例6 チアクロプリドを1部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ナトリウム2部、ベントナイト95部、以上を均一に粉砕混合後、水を加えて混練し、造粒乾燥して粒剤100部を得た。 【0027】 製剤例7 チアメトキサムを1部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ナトリウム2部、ベントナイト95部、以上を均一に粉砕混合後、水を加えて混練し、造粒乾燥して粒剤100部を得た。 【0028】 製剤例8 クロチアニジンを1部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ナトリウム2部、ベントナイト95部、以上を均一に粉砕混合後、水を加えて混練し、造粒乾燥して粒剤100部を得た。 【0029】 製剤例9 エチプロールを1部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ナトリウム2部、ベントナイト95部、以上を均一に粉砕混合後、水を加えて混練し、造粒乾燥して粒剤100部を得た。 【0030】 製剤例10 アセトプロールを1部、ホワイトカーボン2部、リグニンスルホン酸ナトリウム2部、ベントナイト95部、以上を均一に粉砕混合後、水を加えて混練し、造粒乾燥して粒剤100部を得た。 【0031】 試験例1 ポットでの出穂時処理におけるカメムシ類への効果 出穂時期のイネ(こしひかり:1/5000aポット:水深3cmで管理)に上記の製剤例5〜10で作成した粒剤、或いは市販品アドマイヤー1粒剤、ベストガード粒剤、モスピラン粒剤、プリンス粒剤を3kg/10a相当量散布した。処理7日後に穂の部分のみをゴースで覆い、ゴースの中にオオトゲシラホシカメムシを雄雌各5頭ずつ放飼した(1区3連制)。放飼6日後に生死判定を行った。更に収穫時、斑点米の調査を行った。試験の結果、死虫率が不十分でカメムシが死滅しなくても、十分な吸汁阻害作用を示す事がわかった。 【0032】 【表1】
【0033】 試験例2 ポットでの出穂時処理におけるカメムシ類への効果 出穂10日前のイネ(こしひかり:1/5000aポット:水深3cmで管理)に製剤例5で作成した粒剤を3kg/10a相当量水面に処理した。また、製剤例3で調製したフロアブル剤を30gai./10a相当量水面し処理した。処理20日後に穂の部分のみをゴースで覆い、ゴースの中にオオトゲシラホシカメムシを雄雌各5頭ずつ放飼した(1区3連制)。放飼6日後に生死判定を行った。試験の結果、剤型に関わらず同じ処理量では同程度の吸汁阻害作用が見られた。 【0034】 【表2】
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005887 【氏名又は名称】三井化学株式会社 【住所又は居所】東京都港区東新橋一丁目5番2号
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| 【出願日】 |
平成17年4月6日(2005.4.6) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−213270(P2005−213270A) |
| 【公開日】 |
平成17年8月11日(2005.8.11) |
| 【出願番号】 |
特願2005−110204(P2005−110204) |
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