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【発明の名称】 フェニルマロンアルデヒド型の化合物、またはフェニルマロンアルデヒド型の化合物およびフタルアルデヒドの混合物を含有している殺菌剤組成物、および消毒または滅菌のためにこれらの組成物を使用する方法
【発明者】 【氏名】ピーター・シー・ズ

【氏名】チャールズ・ジー・ロバーツ

【要約】 【課題】フェニルマロンアルデヒド型の化合物、またはフェニルマロンアルデヒド型の化合物およびフタルアルデヒドの混合物を含有している殺菌剤組成物、および殺菌、消毒または滅菌のためにこれらの組成物を使用する方法を提供する。

【解決手段】一例の態様において、上記殺菌剤組成物は一定の希釈剤、および以下の化学式を有する一定の殺菌性の化合物を含有している。また、別の態様において、上記組成物はイソフタルアルデヒドまたはイソフタルアルデヒドとテレフタルアルデヒドとの一定の組み合わせ物等のような一定の殺菌効力向上剤も含有できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺菌剤組成物において、
一定の希釈剤、および
以下の化学式を有する一定の殺菌性の化合物を含有している殺菌剤組成物。
【化1】



この場合に、Arはフェニル、4−ピリミジニル、および2−(2−ニトロ−3−ホルミル−フェニル)から成る群から選択される一定のアリール基である。
【請求項2】
前記組成物が一定の殺菌に有効な量の前記化合物を含有している請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
さらに、
一定の緩衝剤、
一定のキレート化剤、
一定の腐蝕抑制剤、および
一定の界面活性剤を含有している請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
さらに、
一定の芳香剤、および
一定の着色剤を含有している請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の組成物に対して細菌を接触させることによりその細菌を殺菌する処理を含む方法。
【請求項6】
一定の表面を消毒するために有効な一定時間の期間および一定温度において請求項1に記載の組成物に対してその表面を接触させることによりその表面を消毒する処理を含む方法。
【請求項7】
前記Arがフェニルである請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記殺菌に有効な量の前記化合物が20℃の一定温度において一定の細菌懸濁試験により1時間以内に前記組成物に接触している少なくとも1×106 個のマイコバクテリウム・テラエ属(Mycobacterium terrae)の細菌を殺菌するために有効である請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
一定の表面を消毒するために有効な一定時間の期間および一定温度において請求項8に記載の組成物に対してその表面を接触させることによりその表面を消毒する処理を含む方法。
【請求項10】
さらに、前記殺菌性の化合物の殺菌効力を高めるために一定の向上剤を含み、この向上剤がイソフタルアルデヒドおよびイソフタルアルデヒドとテレフタルアルデヒドとの一定の組み合わせ物から成る群から選択される請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
前記Arが4−ピリミジニルである請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
一定の表面を消毒するために有効な一定時間の期間および一定温度において請求項11に記載の組成物に対してその表面を接触させることによりその表面を消毒する処理を含む方法。
【請求項13】
前記殺菌に有効な量の前記化合物が20℃の一定温度において一定の細菌懸濁試験により5分以内に前記組成物に接触している少なくとも1×104 個のマイコバクテリウム・テラエ属(Mycobacterium terrae)の細菌を殺菌するために有効である請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
前記Arが2−(2−ニトロ−3−ホルミル−フェニル)である請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
一定の表面を消毒するために有効な一定時間の期間および一定温度において請求項14に記載の組成物に対してその表面を接触させることによりその表面を消毒する処理を含む方法。
【請求項16】
前記殺菌に有効な量の前記化合物が20℃の一定温度において一定の細菌懸濁試験により5分以内に前記組成物に接触している少なくとも1×104 個のマイコバクテリウム・テラエ属(Mycobacterium terrae)の細菌を殺菌するために有効である請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
以下の化学式を有する一定の化合物に対して細菌を接触させることによりその細菌を殺菌する処理を含む方法。
【化2】



この場合に、Arはフェニル、4−ピリミジニル、または2−(2−ニトロ−3−ホルミル−フェニル)である。
【請求項18】
さらに、一定の表面を消毒するために有効な一定時間の期間および一定温度において請求項13に記載の化合物を含む一定の組成物に対してその表面を接触させることによりその表面を消毒する処理を含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
殺菌剤組成物において、
一定の希釈剤、
フェニル−プロパンジアール、および
イソフタルアルデヒドを含有している組成物。
【請求項20】
前記イソフタルアルデヒドが前記フェニル−プロパンジアールの殺菌効力に対応する一定の向上剤である請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
請求項19に記載の組成物に対して細菌を接触させることによりその細菌を殺菌する処理を含む方法。
【請求項22】
さらに、テレフタルアルデヒドを含有している請求項19に記載の組成物。
【請求項23】
前記イソフタルアルデヒドおよびテレフタルアルデヒドが前記フェニル−プロパンジアールの殺菌効力に対応する一定の向上剤である請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
請求項23に記載の組成物に対して一定の表面を接触させることによりその表面を消毒する処理を含む方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明の一定の実施形態は一定の殺菌性の組成物および消毒または滅菌のための当該組成物の使用方法に関連している。
【背景技術】
【0002】
種々の殺菌性の化合物、これらの殺菌性の化合物を含有している組成物、および消毒または滅菌のために当該化合物または組成物を使用する方法が本明細書において論じられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
殺菌性の化合物の中にホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、またはo−フタルアルデヒド(または単にフタルアルデヒドまたはOPAとしても知られている)等のようなアルデヒドまたはジアルデヒドの化合物が含まれる。しかしながら、ホルムアルデヒドおよびグルタルアルデヒドは望ましくない特性を有している。例えば、ホルムアルデヒドは潜在的に発癌性であり、一定の不快な臭いを有している。グルタルアルデヒドも同様に一定の不快な臭いを有しており、保管中に化学的に不安定になる可能性がある。一方、フタルアルデヒドはホルムアルデヒドおよびグルタルアルデヒドに優る特定の利点を有している。すなわち、フタルアルデヒドは一般に発癌性であると見なされておらず、実質的に無臭である。しかしながら、フタルアルデヒドは特定の表面を黒く染色する可能性がある。このように染色する可能性のある表面は皮膚、毛髪、一部の衣類、一部の手袋、および一部の環境の表面を含む。フタルアルデヒドはまた不適当に浄化されている種々の医療器具におけるタンパク質も染色する可能性がある。一部の場合に、この染色は消すことができず、取り除くのに困難である。このような染色は不適当な浄化を示すために潜在的に役立つが、一部の開業医はこの染色の特性を好ましくないと考えている。フタルアルデヒドはまた水中における限られた溶解度を有しており、この溶解度を高めるために種々の高価な混和性を有する溶媒が用いられてきた。また、上記および別の既知の殺菌性の化合物における別の潜在的な問題はこれらの化合物に対して種々の微生物が適応してこれらの殺菌性に対して耐性を有する可能性があることである。従って、これらの化合物の殺菌効力は経時的に低下する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、消毒または滅菌のための新しい殺菌性の化合物に対する要望が当業界において存在している。一例の態様において、減少した染色特性を有する殺菌性の化合物に対する要望が存在している。また、別の態様において、高められた水中の溶解度を有する殺菌性の化合物に対する要望が存在している。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、消毒または滅菌のための新しい殺菌性の化合物が提供でき、これらの化合物は減少した染色特性を有する殺菌性の化合物であり、高められた水中の溶解度を有する殺菌性の化合物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下の説明において、多くの特定の詳細が記載されている。しかしながら、本発明の実施形態がこれらの特定の詳細を伴わずに実施可能であることが理解されると考える。また、別の例において、周知の種々の構造および技法が上記の説明の理解を不明瞭にしないために詳細に示されていない。
【0007】
I.殺菌性の4−ハロ−フタルアルデヒド
本発明者は4−ハロ−フタルアルデヒド化合物および消毒または滅菌のためにこれらの4−ハロ−フタルアルデヒド化合物を用いる方法を発見している。本発明の一定の実施形態は以下の一般式(I)を有する一定の4−ハロ−フタルアルデヒドの殺菌性の化合物を含む一定の組成物および殺菌方法を含む。
【化1】


この場合に、Xはフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素等のような一定のハロゲンである。例えば、このXがフッ素である場合に、上記化合物は4−フルオロ−フタルアルデヒド(4−フルオロ−1,2−ベンゼンジカルボキシアルデヒド、[89226−83−5]としても知られている)であり、Xが塩素である場合に、上記化合物は4−クロロ−フタルアルデヒド(4−クロロ−1,2−ベンゼンジカルボキシアルデヒド、[13209−31−9]としても知られている)であり、Xが臭素である場合に、上記化合物は4−ブロモ−フタルアルデヒド(4−ブロモ−1,2−ベンゼンジカルボキシアルデヒド、[13209−32−0]としても知られている)等である。さらに、本発明の別の実施形態は4−ハロ−フタルアルデヒドを作成する方法を含む(第VIII節を参照されたい)。
【0008】
上記の4−ハロ−フタルアルデヒド化合物は殺菌性の活性を有していて消毒または滅菌のために使用可能である。一般的に、これらの化合物は一定の活性成分としてのこの化合物および一定の希釈剤を含む種々の殺菌剤組成物を形成するために用いられる。既に知られているように、一定の希釈剤は別の成分とこの希釈剤を組み合わせるか混合することにより別の成分の濃度を薄めるか低下するために使用できる一定の希釈用の物質である。さらに、一定の希釈剤は1種類以上の溶媒を含むことができる。適当な希釈剤は水、種々の水性溶液、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等)、ポリオール(例えば、エチレン・グリコールまたはそのオリゴマーまたはポリマー、プロピレン・グリコールまたはそのオリゴマーまたはポリマー、グリセロール等)、別の有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトン、ジオキサン等)、およびこれらの希釈剤の種々の組み合わせ物を含むがこれらに限定されない。これらの中で、水性溶液は適当で安価である場合が多く、種々のpH調節剤、緩衝剤の塩類、キレート化剤、腐蝕抑制剤、界面活性剤、アルコール、またはその他の混和性の溶媒、芳香剤、着色剤等のような別の成分も含むことができる。
【0009】
以下の実施例1乃至3において、4−フルオロ、4−クロロ、または4−ブロモ−フタルアルデヒド化合物のいずれかを含有している幾つかの殺菌性の溶液を一定の細菌懸濁試験を用いて少なくとも1×106 個/mlのミコバクテリウム・テラエ(Mycobacterium terrae)属の細菌を殺菌することにおけるそれぞれの有効性を決定するために試験した。なお、採用した細菌懸濁試験が第VII節において記載されている。
【0010】
上記の各溶液は適当量のそれぞれの殺菌性の化合物を一定の水性溶液に加えることにより調製した。なお、特別に述べられていない限りにおいて、本明細書において報告されている全ての濃度は(重量/容量)%で表現されている。また、上記溶液のpH値は調節されていない。さらに、それぞれの試験は約20℃(室温)の一定温度で行なわれている。また、それぞれの結果は対数減少/mLにより示されている。なお、上記の各実施例ならびに本明細書における他の実施例が単に例示であり限定ではないものとして解釈すべきであることが理解されると考える。
【0011】
実施例1
0.25%の4−フルオロ−フタルアルデヒドを含有する殺菌剤溶液を30分および60分の曝露時間においてそれぞれ試験した。これらの結果が以下の表1において示されている。
【表1】


【0012】
上記の結果は、上記の試験条件下において、約0.25%の4−フルオロ−フタルアルデヒドが20℃の一定温度において30分乃至60分で細菌の全数殺菌を達成するために有効であることを示している。
【0013】
実施例2
0.2%または2.7%の4−クロロ−フタルアルデヒドを含有する殺菌剤溶液を5分の曝露時間においてそれぞれ試験した。さらに、上記の2.7%溶液は溶解度を高めるために20%のイソプロパノールを含有していた。これらの結果が以下の表2において示されている。
【表2】


【0014】
上記の結果は、上記の試験条件下において、約0.2%乃至2.7%の4−クロロ−フタルアルデヒドの濃度が20℃の一定温度においてちょうど5分で全ての細菌の全数殺菌を達成するために有効であることを示している。なお、上記0.2%の溶液の高い対数減少に基づいて、1%よりも低い濃度の化合物により全数殺菌を達成することが可能であると考えられる。また、別の実験において、塩素化化合物を全く含有していない20%のイソプロパノール溶液は20℃において5分で細菌に対して融合性である(数え切れない生存している細菌である)ことが分かり、イソプロパノールが対数減少において有意義な影響を示さないことが分かった。
【0015】
実施例3
0.1%の4−ブロモ−フタルアルデヒドを含有している殺菌性の溶液を10分および30分の曝露時間においてそれぞれ試験した。これらの結果が以下の表3において示されている。
【表3】


【0016】
上記の結果は、上記の試験条件下において、約0.1%の4−ブロモ−フタルアルデヒドが20℃において10分乃至30分で細菌の全数殺菌を達成するために有効であることを示している。
【0017】
一例の態様において、一定の殺菌剤組成物は一定の水性溶液中または別の希釈剤中において一定の殺菌に有効な量の4−ハロ−フタルアルデヒド化合物を含有できる。なお、この量は20℃における一定の細菌懸濁試験において、1時間未満、30分未満、または5分未満に上記組成物に接触している少なくとも1×106 個のマイコバクテリウム・テラエ属の細菌を殺菌するために有効であると考えられる。上記実施例1において立証されているように、約0.25%の4−フルオロ−フタルアルデヒドを含有している一定の組成物は20℃において30分乃至60分以内に上記細菌の全数殺菌を達成するために有効である。また、上記実施例2において示されているように、約0.2%乃至2.7%、または推定により1%未満、の4−クロロ−フタルアルデヒドを含有している一定の組成物は20℃の一定温度においてちょうど5分以内に全ての細菌の全数殺菌を達成するために有効である。最後に、上記実施例3において立証されているように、約0.1%の4−ブロモ−フタルアルデヒドを含有している一定の組成物は20℃の一定温度において10分乃至30分以内に細菌の全数殺菌を達成するために有効である。
【0018】
別の態様において、使用時の殺菌に有効な一定の濃度における上記組成物は、その曝露時間および温度に応じて、0.05%乃至2%以上、または0.1%乃至1%の上記殺菌性の化合物を含むことができる。この場合に、比較的に高い濃度が使用場所まで上記組成物を輸送するために用いることができ、その後に、その組成物を所望の使用濃度に希釈できる。望まれる場合に、とりわけ、メタノール、エタノール、イソプロパノール、グリコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、またはジオキサン等のような水混和性の補助溶媒を用いて上記化合物の溶解度を高めることができる。
【0019】
殺菌に有効な量の上記ハロゲン化化合物を含有している上記の組成物は消毒または滅菌に使用できる。一例の実施形態による方法は一定の表面の消毒または滅菌を達成するために有効な一定時間の期間および一定温度において上記組成物にその表面を接触させることによる表面の消毒を含むことができる。この表面は、例えば、浸漬、噴霧、または塗布等により上記組成物に接触させることができる。
【0020】
本発明者は新規な4−ハロ−フタルアルデヒドがフタルアルデヒドよりも実質的に低い染色作用を有しているか実質的に無染色性であると言う予想外の優れた特性も有していることを発見している。当業界において知られているように、フタルアルデヒドは種々の特定の表面を染色する傾向があると考えられる。このように染色される可能性のある表面は皮膚、毛髪、一部の衣類、一部の手袋および一部の環境の表面を含む。フタルアルデヒドはまた不適当に浄化されている種々の医療器具におけるタンパク質も染色する可能性がある。一部の場合において、この染色は消すことができず、また、一部の開業医はこのような染色の特性を好ましくないと考えている。一方、種々の染色の実験により、同一濃度で用いる場合に、上記4−ハロ−フタルアルデヒドのそれぞれはフタルアルデヒドよりも染色作用が低い。このようなフタルアルデヒドに比べて低下した上記のハロゲン化化合物の染色特性は予想外で重要であり、特にフタルアルデヒドの染色特性が望ましくないと考えている開業医にとって注目される可能性がある。
【0021】
市場において既に用いられている既知の種々の殺菌剤における潜在的な問題は微生物がこれらの殺菌剤に対して耐性を有する可能性があることである。かつては比較的に容易に殺菌できた結核菌等のような微生物も上記のような殺菌剤に対する耐性が高くなる可能性があり、従って殺菌することが困難になると考えられる。さらに、特定の細菌はグルタルアルデヒドに対して既に耐性になりつつある。そこで、既知のまたは現在用いられている殺菌剤とはさらにわずかに構造が異なっている新しい殺菌剤が上記のような微生物の耐性または許容性に対応または対処できる可能性がある。従って、本明細書において開示されている新規な殺菌剤は消毒および滅菌の技術において大幅な進歩を遂げる可能性がある。
【0022】
II.殺菌性のプロパンジアール
本発明者は多数のプロパンジアール(propanedial)化合物が殺菌効力を有することを発見している。本発明の一定の実施形態は一定の希釈剤および一定の殺菌に有効な量の以下の化学式を有する一定のプロパンジアール化合物を含む一定の殺菌剤組成物を含む。
【化2】


この場合に、Arは一定のアリール基である。さらに、本発明者により調べられている特定の化合物が以下の表4において記載されている。
【表4】


【0023】
上記Arがフェニルである場合に、上記化合物はフェニル−プロパンジアール(2−フェニル−1,3−プロパンジアール[26591−66−2]としても知られている)であり、Arが4−ピリミジニルである場合に、上記化合物は4−ピリジニル−プロパンジアール(2−(4−ピリジル)プロパン−1,3−ジオン[51076−46−1]としても知られている)であり、Arが2−(カルボキシ−2−ニトロ)フェニルである場合に、上記化合物は3−(1−ホルミル−2−オキソエチル)−2−ニトロ−安息香酸[205680−83−7]である。なお、これらの化合物はサウス・カロライナ州、コロンビアのマトリクス・サイエンティフィック社(Matrix Scientific)から市場において入手可能である。また、少なくとも3−(1−ホルミル−2−オキソエチル)−2−ニトロ−安息香酸および4−ピリミジニル−プロパンジアールはまた英国、リーススターシャイア、ローボローのアクロス・オーガニクス社(Acros Organics)から市場において入手可能である。
【0024】
本発明者は上記のプロパンジアール化合物が殺菌性の活性を有していて、消毒または滅菌の新規な目的のために使用可能であることを発見している。一般的に、これらの化合物は一定の活性成分としてのこの化合物および一定の希釈剤を含有する種々の殺菌剤組成物を形成するために使用できる。適当な希釈剤は水、種々の水性溶液、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等)、ポリオール(例えば、エチレン・グリコールまたはそのオリゴマーまたはポリマー、プロピレン・グリコールまたはそのオリゴマーまたはポリマー、グリセロール等)、別の有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトン、ジオキサン等)、およびこれらの希釈剤の種々の組み合わせ物を含むがこれらに限定されない。これらの中で、水性溶液が適当である場合が多く、種々のpH調節剤、緩衝剤の塩類、キレート化剤、腐蝕抑制剤、界面活性剤、アルコール、またはその他の混和性の溶媒、芳香剤、着色剤等のような別の成分も含むことができる。
【0025】
以下の実施例4および5において、上記プロパンジアールの内の1種類を含有している幾つかの殺菌性の溶液が第VII節において論じられている細菌懸濁試験を用いて少なくとも1×106 個/mLのマイコバクテリウム・テラエ属の細菌を殺菌することにおけるそれぞれの有効性を決定するために試験されている。これらの溶液はそれぞれの適当量の殺菌性の化合物を一定の水性溶液に加えることにより調製されている。なお、この溶液のpH値は調節されていない。また、上記の試験は約20℃(室温)の一定温度においてそれぞれ行なわれている。
【0026】
実施例4
0.2%乃至1%のフェニル−プロパンジアールを含有している一連の殺菌性の溶液を5分乃至60分の範囲の曝露時間においてそれぞれ試験した。これらの結果が以下の表5において示されている。
【表5】


【0027】
上記の結果は、上記の試験条件下において、約0.3%乃至0.4%のフェニル−プロパンジアールが20℃の一定温度において60分以内に細菌の全数殺菌を達成するために有効であることを示している。さらに、約0.4%乃至0.7%のフェニル−プロパンジアールが上記と同一の温度において15分以内に全数殺菌を達成するために有効である。また、1%溶液はわずか5分以内に対数4よりも多く殺菌することが可能である。
【0028】
実施例5
4−ピリジニル−プロパンジアールまたは3−(1−ホルミル−2−オキソエチル)−2−ニトロ−安息香酸のいずれかにより飽和されている殺菌性の溶液を5分の一定の曝露時間においてそれぞれ試験した。これらの結果が以下の表6において示されている。
【表6】


【0029】
上記の結果は、上記の試験条件下において、約2.3%の4−ピリジニル−プロパンジアールまたは約2.1%の3−(1−ホルミル−2−オキソエチル)−2−ニトロ−安息香酸が20℃の一定温度において5分以内に上記組成物に接触しているマイコバクテリウム・テラエ属の少なくとも1×104 個の細菌を殺菌するために有効であることを示している。この結果、全数殺菌は一定のさらに長い曝露時間、一定のさらに高い殺菌性化合物の濃度、および/または一定のさらに高い温度により予想される。
【0030】
一例の態様において、一定の殺菌剤組成物は一定の水性溶液またはその他の適当な希釈剤中において一定の殺菌に有効な量のプロパンジアール化合物を含有できる。上記実施例4において立証されているように、約0.3%乃至0.4%またはそれ以上のフェニル−プロパンジアールを含有する一定の組成物は20℃の一定温度において60分以内にマイコバクテリウム・テラエ属の細菌の全数殺菌を達成するために有効である。さらに、約0.4%乃至0.7%のフェニル−プロパンジアールを含有する一定の組成物は上記と同一の温度において15分以内に上記細菌の全数殺菌を達成するために有効である。また、約1%またはそれ以上のフェニル−プロパンジアールを含有している一定の組成物は上記と同一の温度においてわずか5分以内に対数4以上の細菌を殺菌することができる。さらに、上記実施例5において立証されているように、約2.3%以上の4−ピリジニル−プロパンジアールまたは約2.1%以上の3−(1−ホルミル−2−オキソエチル)−2−ニトロ−安息香酸を含有する一定の組成物は20℃の一定温度において5分以内にこの組成物に接触している少なくとも1×104 個のマイコバクテリウム・テラエ属の細菌を殺菌するために有効である。
【0031】
別の態様において、使用時に殺菌に有効な濃度における上記組成物は0.1%乃至一定の飽和濃度、または0.3%乃至一定の飽和濃度の上記殺菌性の化合物を含有することができる。また、望まれる場合に、とりわけ、メタノール、エタノール、イソプロパノール、グリコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、またはジオキサン等のような水混和性の補助溶媒を上記化合物の溶解度を高めるために用いることができる。この場合に、比較的に高い濃度が使用場所まで上記組成物を輸送するために用いることができ、その後に、その組成物を水により所望の使用濃度に希釈できる。
【0032】
上記の殺菌に有効な量の化合物を含有している組成物は消毒または滅菌のために使用できる。一例の実施形態による方法は一定の表面の消毒または滅菌を達成するために有効な一定時間の期間および一定温度において上記組成物にその表面を接触させることによる表面の消毒を含むことができる。この表面は、例えば、浸漬、噴霧、または塗布等により上記組成物に接触させることができる。上記のプロパンジアール化合物は一般に無染色性であり、一般に揮発性が低い。
【0033】
III.殺菌性のα−ヒドロキシ・スルホネート型のアルデヒド
本発明者は多数の新規な水溶性のα−ヒドロキシ・スルホネート型のアルデヒド化合物を発見しており、これらはα−ヒドロキシ・スルホネート基[−CH(OH)SO3-]、およびアルデヒド基(−CHO)を有していて、殺菌効力を有している。本発明の一定の実施形態は、例えば、水中において少なくとも5(重量/容量)%の一定の実質的に高い溶解度を有する一定の水溶性の化合物を含む。これらの新規な化合物の特定の例が以下の表7において示されている。
【表7】


【0034】
上記化合物のそれぞれにおいて、スルホネート基(−SO3-)およびヒドロキシル基(−OH)は同一の炭素に結合している。このヒドロキシル基、スルホネート基、およびこれらを分離している単一の炭素を含む部分はヒドロキシル−メタン・スルホネートの基または部分として本明細書において呼ぶことができる。なお、ナトリウム・イオン(Na+ )の使用は必ずしも必要ではなく、別のイオンも随意に用いることができる。また、上記化合物は、一般に一定の比較的に低いpH値において、一定の酸の形態を有することも可能である。多くの場合において、消毒または滅菌における使用の前に上記酸の形態を一定のイオン化した形態に変換することが適当であると考えられる。この場合に、一定の方法として、上記化合物をその酸の形態からイオン化した形態に変換するために、例えば、一定の塩基性物質を加えることにより、これらの化合物の酸の形態を含有する一定の媒体のpH値を高める処理を含むことができる。上記化合物の多くにおいて、そのα−ヒドロキシ・スルホネート基はそのアルデヒド基の近くに存在している。このような化合物のそれぞれにおいて、そのα−ヒドロキシ・スルホネート基は3個以下の炭素原子を介してアルデヒド基から分離している。上記化合物の大部分において、例えば、1−ヒドロキシ−3−オキソ−2−フェニル−プロパン−1−スルホン酸の塩、および1,3−プロパンジアルデヒドの構造から誘導できるその他の化合物の場合のように、α−ヒドロキシ・スルホネート基は2個のみの炭素原子を介してアルデヒド基から分離している。
【0035】
本発明者は上記の化合物が殺菌性の活性を有していることを発見しており、消毒または滅菌のためのこれらの化合物の新しい使用方法を開発している。一般的に、上記化合物またはこれらの化合物の一定の混合物は一定の活性成分としての一定の殺菌において有効な量のこの化合物または混合物、および水等のような一定の希釈剤を含有している一定の殺菌剤組成物を形成するために用いられる。部分的に、一定のヒドロキシル基を含む上記のスルホネート基により、上記化合物は水中において実質的に可溶性である。一般的に、上記化合物は上記スルホネート基が一定のアルデヒド基により置換されている一定の対応している化合物よりも水中において溶解度が高い。多くの場合に、この水中における溶解度は5(重量/容量)%よりも高い。この水中における実質的な溶解度は上記化合物の水またはその他の極性溶媒の中への溶解を容易にすることができる。さらに、この高められた水溶性により、上記化合物は一般的なジアルデヒドの殺菌剤の場合に典型的である値よりも水中において高い濃度で用いることができる。また、上記化合物は一般に不揮発性である。さらに、上記組成物中に含むことのできる別の成分は種々のpH調節剤、緩衝剤の塩類、キレート化剤、腐蝕抑制剤、界面活性剤、アルコール、またはその他の混和性の溶媒、芳香剤、着色剤等を含む。この組成物は殺菌または消毒を達成するために十分な一定時間の期間および一定温度においてこの組成物に対して細菌または種々の表面を接触させることによりその細菌を殺すか表面を消毒するために使用できる。
【0036】
以下の実施例6および7において、表7において示されている種々の化合物を含有している幾つかの殺菌性の溶液が一定の細菌懸濁試験を用いて少なくとも1×106 個/mLのマイコバクテリウム・テラエ属の細菌を殺菌することにおけるそれぞれの有効性を決定するために試験されている。なお、この溶液のpH値は調節されていない。また、これらの試験は約20℃(室温)の一定温度においてそれぞれ行なわれている。これらの結果が対数減少/mLにより示されている。
【0037】
実施例6
種々の濃度の1−ヒドロキシ−3−オキソ−2−フェニル−プロパン−1−スルホン酸のナトリウム塩を含有している殺菌性の溶液が5分乃至60分の範囲の種々の曝露時間においてそれぞれ試験されている。これらの結果が以下の表8において示されている。
【表8】


【0038】
上記の結果は、上記の試験条件下において、1−ヒドロキシ−3−オキソ−2−フェニル−プロパン−1−スルホン酸のナトリウム塩が殺菌効力を有していること、および約0.6%の一定の濃度が20℃の一定温度において60分以内に1×106 個よりも多いマイコバクテリウム・テラエ属の細菌の全数殺菌を達成するために有効であることを示している。これらの結果はまた2.5%またはそれ以上の一定の濃度がわずか10分以内に一定の全数殺菌を達成するために有効であることも示している。
【0039】
実施例7
さらに、表7における種々の化合物を含有している殺菌性の溶液が20℃の一定温度における30分乃至120分の曝露時間においてそれぞれ試験されている。これらの結果が以下の表9において示されている。
【表9】


【0040】
上記の結果は、上記の試験条件下において、上記化合物の全てが殺菌効力を有していることを示している。すなわち、(2−ホルミル−フェニル)−ヒドロキシ−メタン・スルホン酸の塩を除く化合物の全てが20℃の一定温度において120分以内に1×106 個よりも多いマイコバクテリウム・テラエ属の細菌の全数殺菌を達成することができる。また、(2−ホルミル−フェニル)−ヒドロキシ−メタン・スルホン酸の塩および2−ベンゾオキサゾール−2−イル−1−ヒドロキシ−3−オキソ−プロパン−1−スルホン酸の塩を除く全ての化合物が30分以内に全数殺菌を達成することができる。
【0041】
一例の態様において、一定の殺菌剤組成物が一定の水性溶液またはその他の適当な希釈剤の中において一定の殺菌に有効な量の上記化合物の1種類以上を含有できる。上記の各実施例において得られた結果に基づいて、上記の量は20℃の一定温度における一定の細菌懸濁試験により2時間、1時間、30分、または10分以内に上記組成物に対して接触している少なくとも1×106 個のマイコバクテリウム・テラエ属の細菌を殺すために有効であると考えられる。なお、上記の各実施例において記載されている濃度は必ずしも必要ではなく、これに代わり、比較的に長い時間または比較的に高い温度を用いる場合には、さらに少ない量を供給することが可能である。また、別の態様において、上記組成物は0.1%乃至一定の飽和量の上記化合物を含有できる。また、一部の化合物の場合に、上記の飽和量に基づいて、上記濃度は約0.1%乃至15%にすることができる。
【0042】
上記の殺菌に有効な量の化合物を含有している組成物は消毒または滅菌のために使用できる。一例の実施形態による一定の方法は一定の表面の消毒または滅菌を達成するために有効な一定時間の期間および一定温度において上記組成物に対してその表面を接触させることによりその表面を消毒する処理を含むことができる。さらに、このような表面は、例えば、浸漬、噴霧、または塗布により上記組成物に対して接触させることができる。
【0043】
本発明の別の実施形態は上記のような化合物を作成する一定の方法、またはこのような方法により製造される一定の化合物、またはこのような化合物を含有している一定の殺菌剤組成物、または消毒または滅菌のために上記のような化合物を使用する一定の方法を含む。さらに、一例の実施形態による方法は一定のポリアルデヒド化合物(例えば、一定のジアルデヒド化合物)を供給する処理、およびこのジアルデヒド化合物により一定のアルデヒド基および一定のα−ヒドロキシ・スルホネート基を有する一定の水溶性の化合物(上記ジアルデヒド化合物よりも溶解性が高い)を形成する処理を含むことができる。さらに、上記水溶性の化合物を製造する処理は上記ポリアルデヒドと共に適当量の、例えば、ほぼ等しいモル量の硫酸水素ナトリウムを混合する処理、および反応を誘発する処理を含むことができる。上記の化合物を作成するための適当なジアルデヒド化合物はフェニル−プロパンジアール、フタルアルデヒド、[4−(メチルスルホニル)−2−ニトロフェニル−]−プロパンジアール、ブロモ−プロパンジアール、クロロ−プロパンジアール、および2−(1−ホルミル−2−オキソ−エチル)−イソニコチン酸、2−ベンズオキアゾリル−プロパンジアール、および4−メトキシフェニル−プロパンジアール、およびこれらの種々の組み合わせ物を含むがこれらに限定されない。
【0044】
上記の化合物の幾つか、例えば、フタルアルデヒドは殺菌効力を有していることが知られている。本発明者は一定のポリアルデヒドにおけるアルデヒド基の1個を一定のヒドロキシル−メタン・スルホネート基、すなわち、α−ヒドロキシ・スルホネート基に換える処理が上記の殺菌効力を失わずに水溶性を高めることができることを発見している。おおまかに述べれば、本発明の一定の実施形態はフタルアルデヒドを含むがこれに限定されない一定の既知の殺菌性のポリアルデヒド(例えば、一定のジアルデヒド)の構造に類似している一定の構造を有する新規な殺菌性の化合物を含むが、この場合に、このジアルデヒドのアルデヒド基の内の1個は一定のヒドロキシ−メタン・スルホネート基を含む一定のα−ヒドロキシ・スルホネートを製造するために置換されている。一例の態様において、上記の置換されたアルデヒド基はこのアルデヒド基を上記のα−ヒドロキシ・スルホネートに変換するために一定の亜硫酸水素塩(例えば、亜硫酸水素ナトリウム、NaHSO3 )、亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、Na2 SO3 )、または二亜硫酸塩(例えば、二亜硫酸ナトリウム、Na225 )により反応することができる。なお、上記のナトリウムの使用は必ずしも必要ではなく、別のイオン(例えば、カリウム)も随意に用いることができる。さらに、上記化合物における別のアルデヒドの基または部分は上記α−ヒドロキシ・スルホネートにおいて維持または未反応状態に保つことができる。このことにより、殺菌効力を有すると共に高められた水溶性および比較的に低い揮発性を有する新規な殺菌性の化合物が可能になる。この節における幾つかの実施例は多様な構造および化学的特性(例えば、芳香族対非芳香族、ハロゲン化対非ハロゲン化、酸性対非酸性等)を有する種々の化合物における有意義な殺菌効力を立証している。このことは殺菌性の化合物を製造するための上記方法の広い適用能力を示している。
【0045】
IV.フタルアルデヒドおよびその異性体のイソフタルアルデヒドおよびテレフタルアルデヒドの内の1種類以上を含む殺菌剤組成物
本発明者はフタルアルデヒド(1,2−ベンゼンジカルボキシアルデヒド)およびその異性体のイソフタルアルデヒド(1,3−ベンゼンジカルボキシアルデヒド)およびテレフタルアルデヒド(1,4−ベンゼンジカルボキシアルデヒド)の内の1種類以上を含む多数の新規な殺菌剤組成物を発見している。便宜上、本発明者はフタルアルデヒドをOPAとして、イソフタルアルデヒドをIPAとして、さらにテレフタルアルデヒドをTPAとして以下において省略する。これらのOPA、IPAおよびTPAのそれぞれの構造が以下の表10において記載されている。
【表10】


なお、上記のOPA、IPA、およびTPAは、とりわけ、シグマ−アルドリッチ社(Sigma-Aldrich)、アルファ・エーザー社(Alfa Aesar)、およびフルカ社(Fluka)を含む多数の供給元から市場において入手可能である。
【0046】
本発明の一例の実施形態による一定の殺菌性の組成物は本明細書の別の場所においても論じられていような、一定の希釈剤、OPA、およびIPAを含有できる。この組成物は一般にOPAおよびIPAの間の見かけ上の共同作用により一定の予想外に高められている殺菌効力を有している。加えて、上記組成物は一般に同一濃度におけるOPAにより実質的に構成されている(例えば、IPAを伴わないOPAおよび希釈剤の単独の)一定の組成物よりも弱く染色すると言う新規で予想外の優れた特性を有する。このことはOPAの染色特性の単なる「低下(dilution)」を超える作用による結果であり、一定の予想外のまたは共同的な作用によると考えられる。上記組成物の別の潜在的に有利な特性はほとんど無臭であること、および一般にステンレス・スチールならびにその他の種々の医療装置の形成において一般的に用いられている材料に対して一般に相容性であることを含む。さらに、上記IPAの使用はOPAに対して減少されている毒性等のような別の潜在的な利点を与えることができる。
【0047】
実施例8
一定の細菌懸濁試験を用いて少なくとも1×106 個/mLのマイコバクテリウム・テラエ属の細菌を殺菌することにおけるそれぞれの殺菌効力を決定するために幾つかの殺菌性の溶液を試験した。すなわち、20%のイソプロパノール中において希釈した0.08%乃至0.28%のOPAおよび0.3%のIPA、または0.14%のOPAおよび0.2%のIPAを含有している殺菌性の溶液を5分および30分の曝露時間においてそれぞれ試験した。なお、各溶液のpH値は調節されていない。また、上記の試験は約20℃(室温)の一定温度において行なわれている。これらの結果が以下の表11において対数減少/mLにより示されている。
【表11】


【0048】
上記の結果は、上記の試験条件下において、約0.14%のOPAおよび0.2%のIPAまたはそれ以上の濃度のこれらの活性成分を含有する殺菌剤組成物はそれぞれ20℃の一定温度において5分以内に細菌の全数殺菌を達成するために有効である。これらの結果はまたOPAおよびIPAを混合することが殺菌効力を高めること、あるいは、OPAとIPAとの間に一定の共同作用が存在することも示している。なお、約2倍の濃度のOPA(0.28%)を5分間にわたり用いた場合においても一定の全数殺菌が達成されなかったことに注目されたい。また、一定の比較的に高い濃度のIPA(0.3%)が一定の有意義な殺菌を行なっていないこと(融合性)にも注目されたい。このようなOPAおよびIPAの一定の混合物における向上または殺菌の共同作用は予想外であり有意義である。
【0049】
実施例9
OPA、IPAまたはOPAおよびIPAの一定の組み合わせ物のいずれかを含有している3種類の溶液をそれぞれの染色特性を決定するために試験した。カリフォルニア州、オレンジ・カウンティにおけるエイジアン・フード・スーパーマーケット社(Asian Food Supermarket)から一定のブタの耳からの皮膚を入手した。その後、このブタの皮膚を都合のよい大きさに切り、その切断片を一定の表面の上に平らに置いた。次に、約10μLのそれぞれの溶液をそのブタの皮膚の表面上に配置した。これらの液滴を室温において約24時間にわたりそれぞれのブタの皮膚上において自然放置して維持した。その後、それぞれの溶液の染色特性をそれぞれの液滴の位置におけるブタの皮膚の色とその周囲の未処理のブタの皮膚の色との比較により評価した。これらの結果が以下の表12において示されている。
【表12】


【0050】
上記の結果は、上記の試験条件下において、OPAの溶液が暗い染色であり、IPAの溶液が染色無しであり、OPAおよびIPAの溶液がほとんど染色無しであることを示している。さらに、これらの結果はIPAがOPAの染色特性を低下することを示している。
【0051】
本発明の別の実施形態による一定の殺菌剤組成物は、本明細書の別の場所においても論じられているような、一定の希釈剤、一定の殺菌に有効な量のOPA、IPA、およびTPAを含有できる。このTPAを含有している組成物はTPAおよびIPAとOPAとの間の一定の見かけ上の共同作用により、OPAのみを含有する一定の組成物よりも優る予想外に高められた殺菌効力を有する。加えて、この組成物は一般に同一濃度のOPAを単独で含有している一定の組成物よりも弱く染色すると言う新規で予想外の優れた特性を有する。実際に、本発明者はTPAがOPAおよびIPAの一定の混合物よりもさらにOPAにより生じる染色を減少することを観察している。このことはOPAの染色特性の単なる「低下(dilution)」を超える作用である。さらに、上記組成物の別の潜在的に有利な特性はこの組成物がほとんど無臭であり一般に種々の医療装置のために用いられている材料に対して相容性を有していることを含む。
【0052】
実施例10
一定の細菌懸濁試験を用いて少なくとも1×106 個/mLのマイコバクテリウム・テラエ属の細菌を殺菌することにおけるそれぞれの殺菌効力を決定するために幾つかの殺菌性の溶液を試験した。すなわち、TPAまたはTPAおよびOPA、IPA、またはこれらの両方の種々の混合物を含有している殺菌性の溶液をそれぞれ5分の一定の曝露時間および20℃の一定温度において試験した。なお、各溶液のpH値は調節されていない。また、これらの試験は約20℃(室温)の一定温度で行なわれている。これらの結果が以下の表13において対数減少/mLにより記載されている。
【表13】


【0053】
上記の結果は、上記の試験条件下において、約0.1%のTPA、および0.2%のIPA、および0.1%のOPA、またはこれらよりも高いそれぞれの濃度を含有している殺菌剤組成物が20℃の一定温度において5分以内に細菌の全数殺菌を達成するために有効であることを示している。これらの結果はまたTPAおよびIPAの一定の混合物がOPAの殺菌効力を高めていること、または一定の殺菌の共同作用が存在することも示している。すなわち、上記のTPA、IPA、およびOPAを含有している組成物はOPAのみを含有している一定の組成物よりも予想外に高められた殺菌効力を有する。なお、上記実施例8により、0.1%のOPAの濃度が全数殺菌を達成するために有効でないことに注目されたい。また、0.1%のTPAおよび0.2%のIPAの混合物が一定の有意義な殺菌を行なっていないこと(融合性)にも注目されたい。このような向上または殺菌の共同作用は予想外で有意義である。
【0054】
上記のように行なった染色の種々の実験は上記のOPA、IPA、およびTPAの組成物が同一濃度のOPAを単独で含有する一定の組成物よりも弱く染色すると言う新規で予想外の優れた特性を有する。実際に、上記のデータはTPAがOPAおよびIPAの一定の混合物よりもさらにOPAにより生じる染色を減少することも示している。
【0055】
一般に、上記のそれぞれの組成物は一定の殺菌に有効な量のOPAを含有できる。例えば、このフタルアルデヒドは0.025重量%乃至2.0重量%、または0.1重量%乃至1重量%の一定の使用時の濃度で上記の各組成物中において用いることができる。また、望まれる場合に、例えば、5%までの比較的に高い濃度が使用可能である。このような比較的に高い濃度のフタルアルデヒドは使用の場所まで上記の組成物を輸送するために用いることができ、その後に、その組成物を所望の使用濃度に水により希釈できる。なお、水中におけるフタルアルデヒドの溶解度は約5重量%であり、この溶解度は一定の水混和性のまたは少なくとも水溶性のさらに高い補助溶媒を含有することにより高めることができる。適当な溶媒は、とりわけ、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、グリコール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシドおよびジオキサンを含む。
【0056】
一例の態様において、上記IPAによる向上により、上記OPAの殺菌に有効な量をそのOPAをIPAを伴わずに用いる場合に必要とされる量よりも少なくすることができる。このようなOPAについての殺菌に有効な量における上限の種々の推定は当業界において既に知られている。例えば、米国特許第4,971,999号において記載されている結果に基づいて、IPAと共に用いる場合のOPAの殺菌に有効な量は20℃の一定温度で10分以内においてヒト結核菌、ウシ結核菌BCG、およびポリオウイルスI型に対して有効であるために、約0.25%またはそれ以下にすることができる。あるいは、このIPAと共に用いる場合のOPAの殺菌に有効な量は20℃の一定温度で24時間以内において枯草菌およびスポロゲネス菌の胞子に対して有効であるために、約0.25%またはそれ以下にすることができる。さらに別の選択肢として、上記のIPAと共に用いる場合のOPAの殺菌に有効な量は10時間以内に滅菌を達成するために約1%またはそれ以下にすることができる。
【0057】
別の態様において、上記の殺菌に有効な量は20℃の一定温度における一定の細菌懸濁試験により5分以内に上記組成物に接触している少なくとも1×106 個のマイコバクテリウム・テラエ属の細菌を殺菌するために有効であり得る。例えば、上記実施例8において立証されているように、約0.14%のOPAおよび0.2%のIPA、またはこれらよりも高いそれぞれの濃度を含有している一定の組成物は20℃の一定温度において5分以内に上記細菌の全数殺菌を達成するために有効である。また、実施例9において立証されているように、約0.1%のTPA、および0.2%のIPA、および0.1%のOPA、またはこれらよりも高いそれぞれの濃度を含有している一定の組成物は20℃の一定温度において5分以内に上記細菌の全数殺菌を達成するために有効である。
【0058】
一例の態様において、IPA、TPA,またはIPAおよびTPAの一定の組み合わせ物は一定の所望の程度でOPAの効力を高めるかその染色特性を低下するために有効な一定の量で用いることができる。少なくとも一定の程度まで、IPA、TPA、またはIPAおよびTPAの量を多くするほど、OPAの効力の向上またはOPAによる染色の減少効果が高まる。また、一定の比較的に少ない量または割合のIPA、TPA、またはIPAおよびTPAが一定の比較的に低い効果を達成するために使用可能であり、あるいは、一定の比較的に多い量または割合のこれらの化合物の1種類以上が一定の比較的に高い効果を達成するために使用可能である。種々の態様において、IPAのOPAに対するモル比率または重量比率は一般的に約0.1:1乃至約10:1であり、多くの場合に約0.2:1乃至約5:1であり、約0.5:1乃至約2:1にすることも可能である。同様に、種々の態様において、TPAのOPAに対するモル比率または重量比率は一般的に約0.1:1乃至約10:1であり、多くの場合に約0.2:1乃至約5:1であり、約0.5:1乃至約2:1にすることも可能である。
【0059】
以下の表14はOPA、IPA、TPAおよびOPAとIPAおよびIPAおよびTPAとの混合物のそれぞれの殺菌効力および染色特性をまとめている。この表において示されているように、OPAは良好な殺菌効力を有しているが、特定の表面を染色する傾向がある。一方、IPAおよびTPAは染色しないが、はるかに不十分な殺菌効力を有している。本発明者はOPAとIPA、またはOPAとIPAおよびTPAを含有している組成物が良好な殺菌効力および低下した染色作用を有することを見出している。
【表14】


【0060】
上記の各組成物は種々の装置およびその他の表面の低下した染色作用を伴う消毒または滅菌のために用いることができる。一例の実施形態による一定の方法は一定の表面の消毒または滅菌を達成するために有効な一定時間の期間および一定温度において上記組成物に対してその表面を接触させることによりその表面を消毒する処理を含むことができる。
【0061】
V.フェニル−プロパンジアールおよび1種類以上の芳香族ジアルデヒドを含有する殺菌剤組成物
本発明者はフェニル−プロパンジアール(フェニル−モノアルデヒドまたは単にPMAとしても知られている)およびイソフタルアルデヒド(IPA)、またはIPAおよびテレフタルアルデヒド(TPA)の一定の組み合わせ物等のような1種類以上の芳香族ジアルデヒドを含有している新規な組成物を発見している。この場合に、IPA、およびIPAおよびTPAの組み合わせ物は上記フェニル−プロパンジアールの組成物の殺菌効力を予想外に且つ有意義に高める。
【0062】
本発明の一例の実施形態による一定の殺菌剤組成物は本明細書の別の場所においても論じられているような、一定の希釈剤、一定の殺菌に有効な量のフェニル−プロパンジアール、およびこのフェニル−プロパンジアールの殺菌効力を高めるためのIPAを含有できる。あるいは、上記IPAはIPAおよびTPAの一定の組み合わせ物により置き換えることも可能である。また、本発明の別の実施形態による一定の殺菌剤組成物は一定の希釈剤、一定の殺菌に有効な量のフェニル−プロパンジアール、およびこのフェニル−プロパンジアールの殺菌効力を高めるためのIPAおよびTPAの一定の組み合わせ物を含有できる。以下の表11において示されているように、これらの組成物は一般にフェニル−プロパンジアールとIPA、またはIPAおよびTPAの組み合わせ物との間の見かけ上の共同作用により予想外に高められた殺菌効力を有する。さらに、上記組成物の別の潜在的に有利な特性はこれらの組成物がほとんど無臭であり、有意義に染色せず、ステンレス・スチールおよび種々の別の材料に対して良好な相容性を有していることを含む。
【0063】
実施例11
一定の細菌懸濁試験を用いて少なくとも1×106 個/mLのマイコバクテリウム・テラエ属の細菌を殺菌することにおけるそれぞれの殺菌効力を決定するためにPMA、PMAおよびIPA、およびPMAおよびIPAおよびTPAを含有している幾つかの殺菌性の溶液を試験した。これらの試験は約20℃(室温)の一定温度で行なわれている。また、各溶液のpH値は調節されていない。これらの結果が以下の表15において対数減少/mLにより記載されている。
【表15】


【0064】
上記の結果は、上記の試験条件下において、IPAおよびIPAとTPAとの組み合わせ物が共にPMAの殺菌効力を高めることを示している。すなわち、0.68%のPMA、0.2%のIPA、0.1%のTPA、またはこれらよりも高いそれぞれの濃度を含有する一定の組成物は20℃の一定温度における一定の細菌懸濁試験により5分以内に上記組成物に接触している少なくとも1×106 個のマイコバクテリウム・テラエ属の細菌を殺菌するために有効である。これらの結果は同一濃度に希釈したPMAにより実質的に構成されている(すなわち、IPAまたはIPAおよびTPAを含まない)一定の組成物における結果よりも有意義に且つ予想外に良好である。
【0065】
一般に、上記のそれぞれ組成物は一定の有効な量のフェニル−プロパンジアールを含有できる。例えば、このフェニル−プロパンジアールは0.025%乃至一定の飽和濃度の使用時の濃度で上記の各組成物中において使用可能である。水中におけるフェニル−プロパンジアールの溶解度は約1%であり、この溶解度は一定の水混和性のまたは少なくともさらに高い水溶性の補助溶媒を含有することにより高めることができる。望まれる場合に、一定の比較的に高い濃度の殺菌剤化合物が上記組成物をその使用の場所に輸送するために使用可能であり、その後に、その組成物を所望の使用濃度に水により希釈できる。
【0066】
一例の態様において、上記のIPA、またはIPAおよびTPAはフェニル−プロパンジアールの効力を一定の所望の程度に高めるために有効である一定の量で用いることができる。この場合に、少なくとも一定の程度まで、IPA、またはIPAおよびTPAの組み合わされた量を多くするほど、上記の向上が高まる。また、一定の比較的に少ない量または割合のIPA、またはIPAおよびTPAが一定の比較的に低い効果を達成するために使用可能であり、あるいは、一定の比較的に多い量または割合のこれらの成分の1種類以上が一定の比較的に高い効果を達成するために使用可能である。種々の態様において、IPA、またはIPAおよびTPAのフェニル−プロパンジアールに対するモル比率または重量比率は一般的に約0.1:1乃至約2:1である。さらに、多くの場合に、上記の比率は少なくとも約0.2:1である。
【0067】
VI.α−ヒドロキシ・スルホネート型アルデヒドおよび1種類以上の芳香族ジアルデヒドを含有する殺菌剤組成物
本発明者はさらに(2−ホルミル−フェニル)−ヒドロキシ−メタン・スルホネートおよびフタルアルデヒド(OPA)、イソフタルアルデヒド(IPA)、テレフタルアルデヒド(TPA)、およびこれらの組み合わせ物等のような1種類以上の芳香族ジアルデヒドを含有している新規な組成物を発見している。また、本発明者は上記の組成物が高められた殺菌効力、または低下した染色特性等のような予想外で有意義な特性を有し得ることを見出している。
【0068】
本発明の一例の実施形態による一定の殺菌剤組成物は(2−ホルミル−フェニル)−ヒドロキシ−メタン・スルホネート、およびOPA、IPA、TPA、およびこれらの種々の組み合わせ物から成る群から選択される1種類以上の芳香族ジアルデヒドを含有できる。以下の実施例12において立証されているように、IPA、TPA、またはIPAおよびTPAを含有する種々の組成物は高められた殺菌効力を有する。また、本発明者は上記の(2−ホルミル−フェニル)−ヒドロキシ−メタン・スルホネートがOPAの染色特性を低下できることも見出している。
【0069】
実施例12
一定の細菌懸濁試験を用いて少なくとも1×106 個/mLのマイコバクテリウム・テラエ属の細菌を殺菌することにおけるそれぞれの有効性を決定するためにOPA、IPA、TPA、またはIPAおよびTPAの一定の組み合わせ物のいずれかとの(2−ホルミル−フェニル)−ヒドロキシ−メタン・スルホネート(H−SULF)の混合物を含有している幾つかの殺菌剤組成物を試験した。これらの試験は約20℃(室温)の一定温度で行なわれている。これらの結果が以下の表16において対数減少/mLにより記載されている。
【表16】


【0070】
上記の結果はOPA、IPA、TPA、およびIPAおよびTPAの一定の組み合わせ物を伴う(2−ホルミル−フェニル)−ヒドロキシ−メタン・スルホネート(H−SULF)を含有している組成物がそれぞれ高められた殺菌効力を有することを示している。一方、ジアルデヒドを全く伴わない比較的に高い濃度の約9.1%の(2−ホルミル−フェニル)−ヒドロキシ−メタン・スルホネートを含有する組成物は5分後において融合性であることが分かった。これに対して、既に述べた芳香族ジアルデヒドの1種類以上を含有している幾つかの組成物は有意義に且つ予想外に比較的に良好な殺菌効力を有していた。
【0071】
上記の0.9%またはそれ以上の(2−ホルミル−フェニル)−ヒドロキシ−メタン・スルホネートおよび0.5%のOPAを含有している第1の組成物は5分以内に細菌の全数殺菌を達成するために有効であると決定されている。加えて、一定の染色試験により、上記の組成物が同一濃度に希釈されているOPAにより実質的に構成されている組成物、すなわち、(2−ホルミル−フェニル)−ヒドロキシ−メタン・スルホネートを伴わない組成物よりも少なく染色することが示された。また、1.1%またはそれ以上の(2−ホルミル−フェニル)−ヒドロキシ−メタン・スルホネートおよび0.25%のIPAを含有している第2の組成物は5分以内に細菌の全数殺菌を達成するために有効であると決定されている。また、9.1%またはそれ以上の(2−ホルミル−フェニル)−ヒドロキシ−メタン・スルホネートおよび0.1%のTPAを含有している第3の組成物は5分以内に約4.5の対数減少を達成するために有効であると決定されている。さらに、1.1%またはそれ以上の(2−ホルミル−フェニル)−ヒドロキシ−メタン・スルホネート、0.2%のIPA,および0.1%のTPAを含有している第4の組成物は5分以内に細菌の全数殺菌を達成するために有効であると決定されている。このような効力の増加、ならびにOPAの染色の低下は有意義であり予想外である。
【0072】
VII.懸濁試験
この実施例は上記の効力の決定を行なうために用いる周知の細菌懸濁試験の手順を示している。この試験方法において、試験する9mLの殺菌剤が一定の水槽の中に入れた試験管の中に入れられて、所望の温度になるまで放置される。その後、少なくとも対数7の個数/mLのマイコバクテリウム・テラエ属の細菌を含む1mLの試験生物を上記9mLの試験する殺菌剤に加える。この希釈によりその混合物中において少なくとも対数6の個数/mLの細菌になる。なお、当該技術分野における熟練者により、別の濃度も適当な希釈および計数により利用可能であることが認識されると考える。
【0073】
適当な時間間隔において、1mLの分量の上記殺菌剤−細胞の懸濁液を取り出して1%の9mLのグリシン溶液(中和剤)の中に直接に加えて完全に混合することによりその移した懸濁液中の殺菌剤を中和した。なお、このグリシン溶液は、とりわけ、VWR・サイエンテイフィック・プロダクツ社(VWR Scientific Products)から入手可能である固体のグリシンにより調製されている。その後、上記のように定めた10mLの中和溶液を0.45マイクロメートルの平均の気孔寸法を有する一定の膜のフィルタを通して注いだ。その後、このフィルタを1回のすすぎ当たりに150mLの1%グリシン溶液を用いて2回にわたりすすいだ。その後、このフィルタを一定の寒天プレート上に置いて、37℃において21日間にわたりインキュベーションした。上記の処置において、希釈が必要とされる場合には、上記1mLの殺菌剤−細胞の懸濁液を上記9mLの1%グリシン溶液に加える前に99mLの一定のリン酸塩緩衝液中において希釈した。なお、このリン酸塩緩衝液はカリフォルニア州、サンタ・マリアのハーディ・ダイアグノスティクス社(Hardy Diagnostics)から入手可能なダイル−ロック(DiLu-Lok)(商標)バターフィールド・ホスフェート・バッファである。
【0074】
その後、生存しているコロニーを計数した。さらに、このデータをS/S0 対時間としてプロットした。この場合に、S0 は少なくとも106 個の細菌/mLである上記10mLの溶液中における細菌の初期的な計数値であり、Sは上記寒天プレート上のフィルタにおける生存している細菌である。これらの実験の結果が対数減少により示されている。なお、この対数減少はlog(S0 )とlog(S)との間の差である。一例として、log(S0 )=6.2であり、100個が生存している場合に、log(S)=2となり、この対数減少は4.2として記録される。
【0075】
VIII.殺菌性の化合物の合成
A.4−置換型フタルアルデヒドの合成
この節は一定の開始材料として4−クロロ−o−キシレン(化合物1)を用いることにより4−クロロ−ベンゼン−1,2−カルボアルデヒド(化合物3)を合成する方法を示している。この合成は以下の2段階の連続的な反応により進行する。
【化3】


第1の反応において、化合物1が光照射を伴って四塩化炭素と共に還流することにより臭素化されて4−クロロ−1,2−ビス(ジブロモエチル)ベンゼン(化合物2)が形成される。次に、第2の反応において、化合物2が発煙硫酸により最初に反応して一定の複合物が形成された後に、ドライ・アイス/アセトンの温度において加水分解されて化合物3が形成される。
【0076】
1.臭素化
最初に、上記第1の反応をさらに詳細に論じることから始める。上記化合物1は98%以上(≧98%)の純度でアルドリッチ社(Aldrich)から入手した。5グラムの化合物1および200mLの四塩化炭素(CCl4 )を一定の磁気攪拌棒、一定の200mLの添加ロート、一定の冷却器、および一定のストッパーを備えている一定の250mLの三口の丸底フラスコの中に加えた。さらに、反応中に発生する臭化水素(HBr)を捕捉するために、上記の冷却器の出口を飽和した炭酸水素ナトリウム(NaHCO3 )の溶液により充たした一定のビーカーにタイゴン(Tygon)チューブを介して連結した。
【0077】
先ず、上記フラスコの中の溶液を四塩化炭素の沸点において一定のシリコン・オイル・バス中で加熱して還流した。次に、液体の臭素を添加ロートから滴下して加えた。この臭素の添加の速度はフラスコの溶液内の臭素の濃度を調整するために手動により制御した。この場合に、上記溶液の色が比較的に明るくなるか無色になる場合にさらに付加的な臭素を加えた。さらに、2個の250ワット(W)タングステン・ランプを用いて臭素化を高めるために上記の混合物を照射した。また、望まれる場合に、上記反応の進行が上記溶液をサンプリングして一定のガス・クロマトグラフ(GC)を用いてそのサンプル中の化合物2の量を決定することによりモニターできる。さらに、この反応を約6時間にわたり放置して進行させた。
【0078】
その後、約180mLの四塩化炭素が除去されるまで、130℃における蒸留により常圧において四塩化炭素を除去した。次に、上記フラスコ内の残留物に対してそれぞれ約20mLのメタノールの一連の5回の添加を行なって、130℃における蒸留により残留している四塩化炭素を共沸により除去した。この最後の蒸留において、フラスコの中に約20mLの溶液が残っている段階で、その溶液を室温まで冷却した。その後、残留している溶媒を約10mmHgにおいて一定のロータリー・エバポレータにより40℃において除去してそのフラスコの底に一定の固形物を得た。次に、この固形物を溶解するまで約150mLのヘキサン中において煮沸し、この得られた溶液を濾過した。さらに、この濾液を室温まで放置冷却することにより白色の針状結晶の化合物2を形成した。その後、これらの結晶を濾過して約20mLの冷温のヘキサンにより洗浄した。この結果、約12グラムの白色の針状結晶の化合物2を得た。また、GCは99%の純度を示した(収率:約72%)。
【0079】
2.加水分解
次に、上記の加水分解反応について詳細に述べる。約6.4グラムの上記化合物2を一定の粉末に粉砕して、一定の磁気攪拌棒を備えている一定の乾燥状態の100mLの丸底型フラスコに加えた。その後、約20mLの発煙硫酸(フィッシャー・サイエンテイフィック社(Fisher Scientific)AC419975000、発煙硫酸、20%の遊離のSO3 )を一定の磁気攪拌棒により攪拌しながら上記フラスコの中に注ぎいれた。次に、この混合物を約1時間にわたり室温で攪拌した。この1時間の間に、上記の粉末が溶けて、その溶液の色が徐々に暗褐色になった。
【0080】
その後、上記溶液を磁気攪拌棒と共に一定のドライ・アイス/アセトンの槽の中に浸漬した100mLのビーカーの中に注ぎ入れた。次に、約25gの砕いた氷を上記褐色の溶液に攪拌しながら徐々に加えて、その溶液の温度が急速に上昇しないようにした。この砕いた氷の添加後に、上記溶液の温度が室温まで徐々に自然に上昇した。その後、この溶液を適当な時に約100mLの酢酸エチルの2回の連続した添加により抽出した。この抽出に続いて、その有機相を3回にわたり5%の炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )の50mL溶液により抽出した。さらに、この炭酸ナトリウム溶液による抽出の後、その有機相を3回にわたり飽和塩化ナトリウム(NaCl)の50mL溶液により再び抽出した。これらの抽出は種々のカルボン酸基を含む化合物、または酸化したアルデヒド等のような不純物を除去するために役立つ。さらに、上記の結果として得られた有機相を室温において一晩にわたり約10gの硫酸ナトリウム(Na2 SO4 )の上において乾燥した。この乾燥の後に、残留している溶媒を約10mmHgにおいてロータリー・エバポレータにより40℃で除去することにより一定の黄色の固形物を得た。次に、この黄色の固形物を溶解するまで約30mLのヘキサン中において煮沸してから濾過した。その後、この濾液を室温まで放置冷却することにより白色の結晶を得た。この結果、約1.7gの白色の結晶が得られた(GCの純度99%、収率=72%)。
【0081】
本発明者はまた4−クロロ−OPAについて上述されている手順と類似の手順により4−ブロモ−OPAおよび4−フルオロ−OPA等のような別の4−ハロ−OPAも合成している。一定の液体である4−フルオロ−OPAの場合に、カラム・クロマトグラフが分離のために用いられている。また、4−ブロモ−OPAの場合には、上記の場合の4−クロロ−OPAと同様に、結晶化および再結晶が分離のために用いられている。これらの場合において、種々の類似性および差異が以下の表17において示されている。
【表17】


【0082】
この時点において、上記化合物の合成における多数の実験を通して、本発明者は上記およびその他の4−置換型の芳香族ジアルデヒドを合成する一定の改善された方法を発見しており、これらの化合物は高められた収率をそれぞれ示している。本発明の一例の実施形態において、上記の改善された方法は導入する発煙硫酸の量を調整する処理を含むことができる。また、本発明の別の実施形態において、上記の改善された方法は水を加える前、および加水分解の前に、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3 )等のような一定の固体の塩基性物質を添加する処理を含むことができる。また、本発明者は上記の方法が最終生成物の収率を有意義に高めることができることを発見している。さらに、全体の手順は上述した手順に類似しているが、以下の幾つかの段落において記載されている幾つかの重要な差異を伴う。
【0083】
まず、上記化合物2から4−ブロモ−OPAを作成するために本発明者が用いた一定の改善された方法を考えることにする。一定の丸底フラスコに、1モル等量の上記臭素化反応の臭素化した化合物または生成物、および12モル等量の発煙硫酸を加えた。なお、この酸の臭素化した化合物に対する特定のモル比率は必ずしも必要ではない。例えば、本発明の一例の実施形態において、一定の十分な量の硫酸を約10:1乃至14:1のその発煙硫酸の上記臭素化した化合物の開始材料に対する一定のモル比率にするように加えることが可能である。このフラスコは一定のゴムのストッパーおよび一定のCaCl2 の乾燥管を備えている。次に、上記の混合物を全ての臭素が溶解するまで攪拌した。その後、8モル等量の固形の炭酸水素ナトリウム(NaHCO3 )の粉末を上記混合物を一定のアイス・バス中において攪拌しながら添加または導入した。このNaHCO3 は上記の硫酸を概ね中和する。なお、上記のNaHCO3 の特定の量は必ずしも必要ではない。一般に、この量は硫酸を中和するか硫酸の量を少なくとも減少するために十分である必要がある。本発明の一例の実施形態において、一定の十分な量の炭酸水素ナトリウムを5:1乃至11:1のその炭酸水素ナトリウムの上記臭素化した開始材料の化合物に対する一定のモル比率にするように添加または導入することが可能である。その後、上記混合物の泡立ちが停止した後に、水を加水分解のために加えて、所望のジアルデヒドを得た。従って、この水の導入、および加水分解はNaHCO3 の導入後に行なわれている。このような改善された方法は以下の連続的な反応として表現できる。
【化4】


【0084】
上記の収率における改善を立証するために、本発明者は上記の開示されている改善された方法により得られた収率をそれぞれの化合物の合成のための一定の従来技術による方法により得られる収率に対して比較している。リー(Li)他(フアクシュー・シジエ(Huaxue Shijie),26(5)巻,p.168−70,1985年)は種々のゲム二臭化物(gem-dibromides)の加水分解によるo−フタルアルデヒドを含む種々の芳香族ポリアルデヒドの調製のための一定の方法を論じている。この要約において論じられているように、幾つかの芳香族ポリアルデヒドC66-n (CHO)n (n=2,3)が発煙H2 SO4 によるその対応しているC66-n (CHBr2n の加水分解により高収率で調製されている。なお、これらの二臭化物はCCl4 中におけるC66-n (CH3n の光臭素化により得られている。
【0085】
本発明者はo−フタルアルデヒド(OPA)を合成するために上記リー他において論じられている方法を用いており、さらに、4−クロロ−OPA、4−ブロモ−OPA、および4−ニトロ−OPAを合成するために上記の方法を拡張している。便宜上のために、上記リー他において論じられている方法を「従来技術(prior art)」の合成方法として本明細書において呼ぶことにする。さらに、本発明者は上記の改善された合成方法によりo−フタルアルデヒド、4−クロロ−OPA、4−ブロモ−OPA、および4−ニトロ−OPAを合成している。以下の表18は上記従来技術の合成方法、および調製された酸または添加された塩基性物質のいずれかにより向上している改善された合成方法において得られたそれぞれの収率を示している。
【表18】


上記の表において示されているように、上記両方の改善された方法はそれぞれの化合物に対して従来技術の方法よりも有意義に高い収率を与えている。さらに、これらの収率における最も高い相対的な改善が4−ブロモ−OPAおよび4−ニトロ−OPAにおいて観察されている。
【0086】
B.α−ヒドロキシ・スルホネート型アルデヒドの合成
この節は一定の開始材料としてo−フタルアルデヒドを用いることにより(2−ホルミル−フェニル)−ヒドロキシ−メタンスルホン酸のナトリウム塩を合成する方法を示している。この合成は以下の反応に従って進行する。
【化5】


上記の反応において、o−フタルアルデヒドが二亜硫酸ナトリウム(Na225 )を伴う水性溶液中において反応して、その生成物の(2−ホルミル−フェニル)−ヒドロキシ−メタンスルホン酸のナトリウム塩を形成する。先ず、第1の溶液が5g(37.3ミリモル)のフタルアルデヒドを200mLの水に溶かすことにより調製されている。このフタルアルデヒドは、とりわけ、リンツ/オーストリア,A−4021,私書箱296,セント・ピーター・ストラーセ25を所在地とするDSM・ケミー・リンツ社(DSM Chemie Linz)から入手可能である。さらに、第2の溶液は3.54g(18.64ミリモル)の二亜硫酸ナトリウムを24.5gの水に溶かすことにより調製されている。なお、この二亜硫酸ナトリウムは、とりわけ、ミズーリー州、セント・ルイスのシグマ−アルドリッチ社(Sigma-Aldrich Co.)から入手可能である。その後、この二亜硫酸ナトリウムを含有している第2の溶液をほぼ室温において定常的な攪拌を伴って上記フタルアルデヒドを含有している一定のビーカー内における上記第1の溶液に一定の滴下ロートから徐々に加えた。この滴下速度は11秒ごとに約1滴である。この最終的な溶液は約250mLの一定の混合された容積であった。その後、酢酸エチルにより4回にわたり(3×30mL+1×10mL)未反応のOPAを抽出して除去した後にGCにより分析した結果約0.1gであることが分かった。
【0087】
C.市場において入手可能な別の化合物
本明細書において開示されている別の化合物の一部は市場において入手可能である。本明細書において開示されている組成物を作成および使用することにおいて当該技術分野における熟練者をさらに補助するために、販売者の簡単なリストを記載しているが、別の販売者も潜在的に利用可能であると言える。
【0088】
フェニル−プロパンジアールはサウス・カリフォルニア州、コロンビアのマトリクス・サイエンティフィック社(Matrix Scientific)から入手可能である。4−ピリジニル−プロパンジアールは英国、リーススターシャイア、ローボローのアクロス・オーガニクス社(Acros Organics)のアコス・ビルデイング・ブロックス社(Akos Building Blocks)、および上記のマトリクス・サイエンティフィック社から入手可能である。また、2−ピリジニル−プロパンジアールも上記のアクロス・オーガニクス社およびマトリクス・サイエンティフィック社から入手可能である。また、3−(1−ホルミル−2−オキソエチル)−2−ニトロ−安息香酸もアクロス・オーガニクス社およびマトリクス・サイエンティフィック社から入手可能である。また、4−ピリミジニル−プロパンジアールも上記のアクロス・オーガニクス社およびマトリクス・サイエンティフィック社から入手可能である。また、2−ベンズオキサゾリル−プロパンジアールもアクロス・オーガニクス社およびマトリクス・サイエンティフィック社から入手可能である。また、(4−メトキシフェニル)−プロパンジアールはマトリクス・サイエンティフィック社から入手可能である。また、[4−(メトキシスルホニル)−2−ニトロフェニル]−プロパンジアールは上記のアクロス・オーガニクス社およびマトリクス・サイエンティフィック社から入手可能である。また、1,2−ベンゼンジカルボキシアルデヒドはマサチューセッツ州、ワード・ヒルのアルファ・アエサー社(Alfa Aesar)、フルカ社(Fluka)、およびミズーリ−州、セント・ルイスのシグマ−アルドリッチ社(Sigma-Aldrich)から入手可能である。また、1,3−ベンゼンジカルボキシアルデヒドも上記のアルファ・アエサー社、フルカ社、およびシグマ−アルドリッチ社から入手可能である。さらに、1,3−ベンゼンジカルボキシアルデヒドもアルファ・アエサー社、フルカ社、およびシグマ−アルドリッチ社から入手可能である。
【0089】
IX.他の事項
上記において、説明の目的のために、多数の特定の詳細が本発明の実施形態の完全な理解を与えるために記載されている。しかしながら、当該技術分野における熟練者において、別の実施形態が上記の特定の詳細の一部を伴わずに実施可能であることが明らかになると考えられる。また、別の例において、周知の種々の構造、装置および技法が本明細書の理解を不明瞭にしないためにブロック図の形態でまたは詳細を伴わずにそれぞれ示されている。
【0090】
本明細書に含まれている各実施例は本発明の特性の一部を説明して本発明の実用的な利点を立証するために、さらに、当該技術分野における一定の熟練者が本発明を利用することを可能にするために、本発明の特定の実施形態として記載されている。なお、これらの実施形態が単なる例示として解釈すべきであることが理解されると考える。例えば、種々の殺菌性の化合物の特定の濃度は必ずしも必要とされない。すなわち、少なくとも一定の値まで、比較的に高い濃度は一般に比較的に大きな殺菌効力、比較的に短い殺菌の時間を与え、比較的に低い濃度は比較的に長い時間または比較的に高い温度を伴って用いることができる。比較的に高い濃度はまた一定の使用の場所まで上記化合物を輸送するために使用することもでき、その後に、一定の適当な使用時の濃度を達成するために希釈を用いることができる。
【0091】
一般的に、上記殺菌性の化合物はその化合物を一定の活性成分として含み、さらに1種類以上の別の成分を含む種々の殺菌剤組成物において用いられる。この1種類以上の別の成分は一定の希釈剤、一定の向上剤、一定のpH調節剤、種々の緩衝剤の塩類、キレート化剤、腐蝕抑制剤、界面活性剤、着色剤等を含むことができる。上記の向上剤は殺菌効力を向上するか染色特性等のような殺菌剤の一定の特性を変化するために用いることができる。また、適当な希釈剤は水、種々の水性溶液、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等)、ポリオール(例えば、エチレン・グリコールまたはそのオリゴマーまたはポリマー、プロピレン・グリコールまたはそのオリゴマーまたはポリマー、グリセロール等)、別の有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトン、ジオキサン等)、およびこれらの希釈剤の種々の組み合わせ物を含むがこれらに限定されない。
【0092】
上記の殺菌剤は20℃(室温)において用いることを必ずしも必要としない。一定の水性の殺菌剤組成物による消毒または滅菌は約10℃乃至80℃、特に約20℃乃至60℃の一定の温度において行なうことができる。一般に、比較的に高い温度はその殺菌効力を高め、殺菌のための時間を短縮する。また、さらに別の実施例として、上記の殺菌剤組成物はマイコバクテリウム・テラエ属の細菌以外の細菌を殺菌するために使用可能である。なお、このマイクバクテリウム・テラエ属の細菌は消毒の目的のために殺菌することが比較的に困難である細菌の一例として見なされている。例えば、比較的に耐性の低い細菌ほど、比較的に短期間で殺菌できるか、比較的に少量の殺菌性の化合物により殺菌できる。同様に、胞子を含む耐性の高い微生物ほど、比較的に長時間で殺菌可能であり、比較的に多量の殺菌性の化合物により殺菌できる。
【0093】
上記の方法の多くがそれぞれの最も基本的な形態で説明されているが、これらの動作は本発明の基本的な範囲から逸脱することなくこれらの方法のいずれに対しても追加または削減することができる。なお、当該技術分野における熟練者において、多くのさらに別の変更例および適応例が作成可能であることが明らかになると考えられる。すなわち、上記の特定の実施形態は本発明を限定ためではなく本発明を例示するために記載されている。従って、本発明の範囲は上記の特定の実施例により決定されるものではなく、以下の特許請求の各項のみにより決定されている。
【0094】
また、本明細書の全体を通して「一例の実施形態(one embodiment)」または「一定の実施形態(an embodiment)」に対する言及は一定の特別な特徴が本発明の実施において含まれる可能性があることを意味することを認識する必要がある。同様に、本発明の例示的な各実施形態の上記の説明において、開示を簡素化して種々の発明の態様の1個以上の理解を補助するために、種々の特徴が単一の実施形態、図面、またはその説明の中において一体に集合している場合があることを認識する必要がある。しかしながら、このような開示の方法は請求されている発明がそれぞれの特許請求項において特別に記載されている特徴よりも多くの特徴を必要とすると言う趣旨の反映として解釈すべきではない。むしろ、以下の特許請求の各項が反映しているように、本発明のそれぞれの態様は上記の単一の開示されている実施形態の全ての特徴よりも少ない範囲で存在している。従って、上記の詳細な説明に続く特許請求の各項はこれによりこの詳細な説明の中に特別に組み込まれており、それぞれの特許請求項は本発明の一定の分離している実施形態として独立している。
【0095】
特許請求項において、一定の具体化されている機能を実行する「ための手段(means for)」、または一定の具体化されている機能を実行する「ための工程(step for)」を明白に述べていないあらゆる要素は米国特許法第112条、第6項において指定されている「手段(means)」または「工程(step)」の条項として解釈するべきではない。特に、本明細書におけるそれぞれの特許請求項における「の工程(step of)」の使用は米国特許法第112条、第6項の条項に訴えることを目的としていない。
【0096】
以上において本発明が幾つかの実施形態に関連して説明されているが、当該技術分野における熟練者であれば、本発明がこれらの説明されている実施形態に限定されず、添付の各特許請求項の趣旨および範囲に含まれる変更および変形を伴って実施可能であることが認識できると考える。従って、上記の説明は限定ではなく例示として見なされるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は消毒または滅菌のための新しい殺菌性の化合物に適用可能であり、その一例の態様において、減少した染色特性を有する殺菌性の化合物に適用でき、別の態様において、高められた水中の溶解度を有する殺菌性の化合物に適用できる。
【0098】
本発明の具体的な実施態様は以下のとおりである。
(1)殺菌剤組成物において、
一定の希釈剤、および
以下の化学式を有する一定の殺菌性の化合物を含有している殺菌剤組成物。
【化6】



この場合に、Arはフェニル、4−ピリミジニル、および2−(2−ニトロ−3−ホルミル−フェニル)から成る群から選択される一定のアリール基である。
(2)前記組成物が一定の殺菌に有効な量の前記化合物を含有している実施態様1に記載の組成物。
(3)さらに、
一定の緩衝剤、
一定のキレート化剤、
一定の腐蝕抑制剤、および
一定の界面活性剤を含有している実施態様1に記載の組成物。
(4)さらに、
一定の芳香剤、および
一定の着色剤を含有している実施態様3に記載の組成物。
(5)実施態様1に記載の組成物に対して細菌を接触させることによりその細菌を殺菌する処理を含む方法。
【0099】
(6)一定の表面を消毒するために有効な一定時間の期間および一定温度において実施態様1に記載の組成物に対してその表面を接触させることによりその表面を消毒する処理を含む方法。
(7)前記Arがフェニルである実施態様1に記載の組成物。
(8)前記殺菌に有効な量の前記化合物が20℃の一定温度において一定の細菌懸濁試験により1時間以内に前記組成物に接触している少なくとも1×106 個のマイコバクテリウム・テラエ属(Mycobacterium terrae)の細菌を殺菌するために有効である実施態様7に記載の組成物。
(9)一定の表面を消毒するために有効な一定時間の期間および一定温度において実施態様8に記載の組成物に対してその表面を接触させることによりその表面を消毒する処理を含む方法。
(10)さらに、前記殺菌性の化合物の殺菌効力を高めるために一定の向上剤を含み、この向上剤がイソフタルアルデヒドおよびイソフタルアルデヒドとテレフタルアルデヒドとの一定の組み合わせ物から成る群から選択される実施態様7に記載の組成物。
【0100】
(11)前記Arが4−ピリミジニルである実施態様1に記載の組成物。
(12)一定の表面を消毒するために有効な一定時間の期間および一定温度において実施態様11に記載の組成物に対してその表面を接触させることによりその表面を消毒する処理を含む方法。
(13)前記殺菌に有効な量の前記化合物が20℃の一定温度において一定の細菌懸濁試験により5分以内に前記組成物に接触している少なくとも1×104 個のマイコバクテリウム・テラエ属(Mycobacterium terrae)の細菌を殺菌するために有効である実施態様11に記載の組成物。
(14)前記Arが2−(2−ニトロ−3−ホルミル−フェニル)である実施態様1に記載の組成物。
(15)一定の表面を消毒するために有効な一定時間の期間および一定温度において実施態様14に記載の組成物に対してその表面を接触させることによりその表面を消毒する処理を含む方法。
【0101】
(16)前記殺菌に有効な量の前記化合物が20℃の一定温度において一定の細菌懸濁試験により5分以内に前記組成物に接触している少なくとも1×104 個のマイコバクテリウム・テラエ属(Mycobacterium terrae)の細菌を殺菌するために有効である実施態様14に記載の組成物。
(17)以下の化学式を有する一定の化合物に対して細菌を接触させることによりその細菌を殺菌する処理を含む方法。
【化7】



この場合に、Arはフェニル、4−ピリミジニル、または2−(2−ニトロ−3−ホルミル−フェニル)である。
(18)さらに、一定の表面を消毒するために有効な一定時間の期間および一定温度において実施態様13に記載の化合物を含む一定の組成物に対してその表面を接触させることによりその表面を消毒する処理を含む実施態様17に記載の方法。
(19)殺菌剤組成物において、
一定の希釈剤、
フェニル−プロパンジアール、および
イソフタルアルデヒドを含有している組成物。
(20)前記イソフタルアルデヒドが前記フェニル−プロパンジアールの殺菌効力に対応する一定の向上剤である実施態様19に記載の組成物。
【0102】
(21)実施態様19に記載の組成物に対して細菌を接触させることによりその細菌を殺菌する処理を含む方法。
(22)さらに、テレフタルアルデヒドを含有している実施態様19に記載の組成物。
(23)前記イソフタルアルデヒドおよびテレフタルアルデヒドが前記フェニル−プロパンジアールの殺菌効力に対応する一定の向上剤である実施態様22に記載の組成物。
(24)実施態様23に記載の組成物に対して一定の表面を接触させることによりその表面を消毒する処理を含む方法。
【出願人】 【識別番号】591286579
【氏名又は名称】エシコン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ETHICON, INCORPORATED
【出願日】 平成17年1月28日(2005.1.28)
【代理人】 【識別番号】100066474
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 博昭

【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延

【識別番号】100123434
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 英昭

【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音

【公開番号】 特開2005−213258(P2005−213258A)
【公開日】 平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願番号】 特願2005−21880(P2005−21880)