| 【発明の名称】 |
除草用高濃度顆粒水和剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】斉藤 裕 【住所又は居所】茨城県つくば市御幸が丘45 保土谷コントラクトラボ株式会社内
【氏名】来住野 敦 【住所又は居所】茨城県つくば市御幸が丘45 保土谷コントラクトラボ株式会社内
【氏名】安斎 達雄 【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区堀川町66番地2 保土谷化学工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】作業者に安全で取り扱いやすく、凝集性の高い除草剤有効成分を用いた場合であっても、散布時のノズル詰まり等の起こらない、水中分散性、懸垂性の優れた除草用高濃度顆粒水和剤を提供すること。
【解決手段】除草剤有効成分を粉砕することによって得られる、粒径範囲が4〜12μmに粒径制御された除草剤有効成分を含有し、補助剤として無機塩を含有することを特徴とする除草用高濃度顆粒水和剤とすること。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 粒径範囲が4〜12μmに粒径制御された除草剤有効成分を含有し、補助剤として無機塩を含有することを特徴とする除草用高濃度顆粒水和剤。 【請求項2】 前記した除草剤有効成分が、凝集性の高い物性を有する除草剤有効成分である請求項1記載の除草用高濃度顆粒水和剤。 【請求項3】 前記した粒径制御された除草剤有効成分が、除草剤有効成分を粉砕することによって得られたものである請求項1または請求項2記載の除草用高濃度顆粒水和剤。 【請求項4】 前記した補助剤の無機塩の含有量が、除草用高濃度顆粒水和剤に対して0.1〜20質量%である請求項1〜請求項3いずれかの項に記載の除草用高濃度顆粒水和剤。 【請求項5】 前記した補助剤の無機塩の含有量が、除草用高濃度顆粒水和剤に対して1〜10質量%である請求項4記載の除草用高濃度顆粒水和剤。 【請求項6】 前記した補助剤の無機塩の含有量が、除草用高濃度顆粒水和剤に対して3〜7質量%である請求項4または請求項5記載の除草用高濃度顆粒水和剤。 【請求項7】 前記した補助剤の無機塩が、硫酸マグネシウムまたは酢酸ナトリウムである請求項1〜請求項6いずれかの項に記載の除草用高濃度顆粒水和剤。 【請求項8】 前記した除草剤有効成分の含有量が、除草用高濃度顆粒水和剤に対して50質量%以上である請求項1〜請求項7いずれかの項に記載の除草用高濃度顆粒水和剤。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は水中での分散性・懸垂性に優れた、より安全で取り扱いやすい除草用高濃度顆粒水和剤に関するものである。 【背景技術】 【0002】 昨今、農薬の環境問題、農作業従事者の不足等から、より安全で取り扱いやすい農薬製剤が注目されつつある。そのため農作業従事者にとって安全で取り扱いやすい形状の剤が求められており、有機溶媒等を少なくし、剤中の有効成分を高濃度にする事によって、安全でかつ剤の使用量の少ない高濃度剤とする方法がとられている。さらに高濃度剤は、低濃度剤に比べて散布時の使用量が少なくて済み、運搬・貯蔵等にも優れている。これらの要求を満たしている剤としては、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤、エマルション剤、サスポエマルション剤等が挙げられる。 【0003】 水和剤は有効成分、界面活性剤(湿潤剤、分散剤)、増量剤を混合した粉体であり、広範囲の農薬原体を高濃度で製剤化でき、そのため輸送、保管費用が割安である。しかしながら微粉であるので、取り扱い時や包装の開封時に粉立ちが起こり、作業者が薬剤を被爆する恐れがあり、また計量作業も不便であるという問題点を有する。フロアブル剤は水に固体有効成分を懸濁させたもので、予め粉砕された有効成分、界面活性剤、増粘剤が用いられている。フロアブル剤は有機溶媒を使わず、水和剤のように粉立ちが無いために作業者に安全で計量もしやすい。しかしながら比較的高粘度であるために、容器からの取り出しが不便であり、容器内の付着による使用済み容器の廃棄の問題や、水を含有するために剤全体の重量が増加して現場での運搬が不便となる、また長期間の保存時に固形分が沈降して塊となり使用しにくくなる、といった問題点を有している。エマルション剤は、水に不溶な有効成分を乳化剤に添加して水中に微粒子として乳化分散させたものであり、またサスポエマルション剤は、固体有効成分を分散させたサスペンションと液体有効成分を分散させたエマルションを混ぜ合わせたものであるが、いずれも前記したようなフロアブル剤と同様の欠点を持っている。 【0004】 上記のような問題を解決すべく、近年、顆粒水和剤が注目されている。顆粒水和剤とは、水中に投入すると速やかに崩壊、分散する顆粒状の製剤である。ドライフロアブルとも呼ばれ、水和剤やフロアブル剤の固形分を顆粒状にしたものである。顆粒水和剤の一般的な特徴としては、顆粒状のために粉立ちが少なく作業者に安全であり、見かけ比重が大きいので包装が小さくなり輸送、保管に有利であり、水和剤に比べて流動性が良いので取り扱いやすく、高濃度製剤が可能なこと等が挙げられる。 【0005】 一方、以上示したような製剤上の工夫と、除草剤有効成分との関係に着目し、一例としてDCMU[3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素]を取り上げてみると、DCMUは除草剤として農耕地(畑地、水田)、非農耕地(公園、鉄道、宅地)問わず広く使われており、粉剤、粒剤、微粒剤、フロアブル剤、水和剤等として使用されている。その中でDCMU高濃度剤としては、水和剤、フロアブル剤(ゾル剤)がある。しかしこの両剤も前述したような欠点を持ち合わせており、また水に懸濁させた後に沈降しやすく、且つ沈殿物が凝集しやすいことから、散布機のノズル詰まりの原因にもなっていた。そしてこれらの欠点はDCMUに限らず、凝集性の高い物性を有する除草剤有効成分の場合に共通する特徴ともなっている。 【0006】 DCMUのような凝集性の高い物性を有する除草剤有効成分を用いた顆粒水和剤を作る場合には、特にこのような点に留意しなければならない。すなわち、剤を水に分散させた後の固形分の沈降が早いこと、および沈殿物の凝集のしやすさが製品化への障壁となっている。そのためこれら欠点を解決した顆粒水和剤のような新規製剤開発が待たれている。 【0007】 これらの問題点を解決する方法として、除草剤有効成分を粉砕して沈降しにくくするとともに、無機物を多く加えて凝集性を緩和する方法が提案されている(例えば、特許文献1)が、無機塩や鉱物を多量に使うために、逆に除草剤有効成分の添加量を少なくせざるを得ないため、高濃度化を実現するには至らなかった。 【0008】 【特許文献1】特開昭57−81403号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 顆粒水和剤とは水和剤、フロアブル剤の固形分を顆粒状にしたものであり、一般的には固体有効成分であれば含有量は90%程度まで可能とされている。しかしながら、有効成分の特性により有効成分含有量を低減させねばならない場合が多い。即ち、有効成分の凝集性が高い場合や低融点であった場合には、適時資材を添加して製剤化しなければならない。そのため現実的には含有量を90%にするのは難しく、それ以下の含有量にせざるを得ない。市販の顆粒水和剤では60%以下のものが多く見られる。一部70%以上の高濃度顆粒水和剤も存在するが、散布時にノズル詰まりが起きやすい等の苦情が寄せられており、改善の余地がある。そのため資材量を極力減らしつつ、かつノズル詰まり等の起こらない高濃度顆粒水和剤が望まれていることから、本発明者らは有効成分50%以上の高濃度顆粒水和剤を開発することにした。 【0010】 本発明は、作業者に安全で取り扱いやすく、水中分散性、懸垂性の優れた高濃度顆粒水和剤、その中でも凝集性の高い物性を有する除草剤有効成分を用いた高濃度顆粒水和剤を提供することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0011】 本発明者らは高濃度顆粒水和剤、その中でも特に凝集性の高い物性を有する除草剤有効成分の顆粒水和剤を作るにあたって、造粒がしやすく、剤の水中での分散性、懸垂性が優れており、且つ分散後の再凝集がしにくい剤を検討した結果、除草剤有効成分を微粉砕して粒径範囲をd=4〜12μmにし、無機塩、分散剤、湿潤剤、粘度等鉱物を加えて混合し、押出造粒することによって目的とする剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。 【0012】 すなわち本発明は、粒径範囲が4〜12μmに粒径制御された除草剤有効成分を含有し、補助剤として無機塩を含有することを特徴とする除草用高濃度顆粒水和剤である。また本発明は、前記した粒径制御された除草剤有効成分が、除草剤有効成分を粉砕することによって得られたものであることを特徴としている。さらに本発明は、前記した除草剤有効成分が、凝集性の高い物性を有する除草剤有効成分であることを特徴としている。 【0013】 また本発明の除草用高濃度顆粒水和剤は、補助剤の無機塩の含有量が、除草用高濃度顆粒水和剤に対して0.1〜20%、好ましくは1〜10%、さらに好ましくは3〜7%であることを特徴としている。また本発明の除草用高濃度顆粒水和剤は、除草剤有効成分の含有量が、除草用高濃度顆粒水和剤に対して50質量%以上であることも特徴としている。 【0014】 本発明に用いる除草剤有効成分の一つとして、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(以下DCMUと記す)に着目し、これを50%以上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上含む顆粒水和剤を目指して、粒径範囲を4〜12μmに粒径制御した。当然ながら剤の物性は除草剤有効成分、この場合DCMUの影響を大きく受ける。粒径制御していないDCMUは平均粒径13〜21μmなので、湿潤剤等を用いて水中に懸濁させても沈降しやすく、また、沈殿物は粘稠性があり再分散性に劣り、散布機のノズルやホースの詰まりの原因になってしまう。本発明の除草用高濃度顆粒水和剤では、DCMUを微粉砕化することによって、水中での沈降速度を遅くし、懸垂性を改善することに成功したものである。 【0015】 ここで本発明の改善点を説明するために、除草用高濃度顆粒水和剤の粒径とダイラタンシーとの関係について説明する。ダイラタンシーの例としては、海岸の波打ち際で水が浮き出たような砂を踏むと、その周辺が急に固くなり水が乾いたように見えるが、足を離すと再び元の状態に戻る現象が挙げられる。この現象は特殊な材料だけで起こるものではなく、一般的な材料でも見られるが、粒子の大きさや比重、液体の粘度、及びその割合に依存しやすく、これら条件が揃ったごく狭い範囲で起きると言われている。DCMUに関しても平均粒径d<4μmの場合は湿潤剤と水との練込み造粒時にこの現象が顕著に起きる。 【0016】 [図1]を使用して説明すると、[図1]の(A)ではDCMU粒子が細密充填状態にあり、このような時は粒子間の空隙が少ないために、水分は粒子の外側に追い出され表面に滲み出し粘稠性の高い物質になる。そしてこれに造粒時の外力が加わると、[図1]の(B)のように粒子の配列が変わり体積が増加して、その間に水分が入り込むことにより表面が乾いたようになる。しかし外力を加えなくなると再度[図1](A)に可逆的に移行し、表面に再び水分が滲み出てくる。そのため[図1](B)の状態で押出造粒したとしても、その後[図1](A)になるために剤が再結着してしまう。この現象が起きる理由としては、(1)表面が滑りやすい、(2)対象粒子の含有率が高い、(3)粒子径が均一である(粒度分布が狭い)、(4)粒子の比重が小さい、事などが挙げられる。 【0017】 この細密充填状態になることを防止する方法として、(1)表面を滑りにくくするために湿潤剤の量を減らす、(2)DCMU以外の鉱物等の添加量を増やす、(3)粒子径分布を広くする、(4)粒子の比重を大きくするために平均粒径を大きくする事が考えられる。しかし、本発明の剤を作るにあたっては、(1)湿潤剤の減量は剤の水分散性を劣らせる、(2)DCMU含有率が高いので、鉱物等のその他成分含有率が著しく制約される、(3)極端に粒子径分布を広げると、大粒子が増えて沈降しやすくなる、などの弊害が考えられるので、(4)粒子径分布を広げることなく、平均粒径を大きくするのが最適と考えられる。したがって、ダイラタンシーを起こさず、且つ水分散後にも沈降を起こりにくくするために、DCMUを粉砕することによって平均粒径をd=4〜12μmとする条件を、本発明では採用した。 【0018】 また本発明で使用するDCMUも水溶解性の低い除草剤有効成分であり、水中での均一分散の安定化が重要である。本発明においても、DCMU、湿潤剤、分散剤、鉱物からなる顆粒水和剤を作った場合には、剤を水に入れた直後にはDCMUは均一分散するものの、その後DCMUが凝集をし始め1mm程度の凝集物を生じるようになる。この凝集物が発生すると、散布機のノズル部分の目詰まりをおこす可能性がある。 【0019】 微粒子が懸濁した固液分散系は熱力学的に不安定であり、常に凝集して表面積を小さくしようとする。これは液体中に固体粒子を分散させると、粒子表面の解離基の存在、イオンの吸着、固体表面の欠損などによって粒子表面が帯電し、正帯電粒子と負帯電粒子が結合しやすい事による。そしてこれを防ぐために、イオン性物質(電解質)を加えることによって表面電荷量を制御したり、高分子イオン性物質を加えることによって保護コロイド的な役割を持たせる方法が採用されている。本発明の凝集性の高い物性を有する除草剤有効成分に関しても、イオン性物質の種類や添加量を選択しながら、イオン性物質を加えることによって改善を行った。 【発明の効果】 【0020】 除草剤有効成分を微粉砕して粒径範囲を4〜12μmに粒径制御し、かつ無機塩を加える事によって凝集性の高い物性を有する除草剤有効成分であっても、分散性、懸垂性が優れ、懸濁液中の除草剤有効成分が凝集しない剤を作ることが出来る。これにより作業者に安全で使いやすい剤を提供できる。また、押出造粒法で製造するために剤の低コスト化が可能である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0021】 以下、本発明の構成成分、製造方法について具体的に説明する。DCMUを粉砕するにはジェットミル式粉砕器や、ハンマーミル、ピンミル等の高速衝撃ミル等の乾式粉砕器が適している。この時、装置内部でのDCMUの付着から粉砕性が悪化した場合、ホワイトカーボン、クレー、珪藻土等の粉砕助剤を数%添加して粉砕しても良い。このような粉砕器で粉砕したDCMUの平均粒径はd=4〜12μmとすることが望ましい。 【0022】 この粒径範囲より大きい場合、顆粒水和剤を水分散させた場合に、DCMUの懸垂性は劣り、短時間で沈降してしまう。またこの粒径範囲より小さい場合は、加水して練込み造粒を行う時にダイラタンシー現象を引き起こし造粒が著しく困難になる。更に造粒後の顆粒水和剤に関しても、粒子間の凝集性が強くなることから、水中における剤の崩壊が速やかに進行しなくなって分散性が劣る。 【0023】 電解質は無機塩であれば特に限定されず、価数、分子量などにも影響されない。無機塩としては硫酸マグネシウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カリウム等が挙げられる。添加量としては無機塩として1〜10%が適当である。 【0024】 本発明においては、有機塩の添加を制限するものでは無い。有機塩としてはポリカルボン酸ナトリウム塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム塩、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、アルキルアリルスルホン酸塩、ジアルキルエステルスルホン酸塩、アルケニルスルホネート塩等の各種有機電解質があげられる。また有機塩は1〜15%で使用される。しかしながら、有機物はDCMUの沈殿後の粘稠性を増加させる傾向があり、沈殿物を再分散させるのに不利である。また、無機物は最大10%の添加で効果が見られるのにも関わらず、有機物はそれ以上の添加が必要となる。 【0025】 無機塩の添加方法は特に制限は無い。電解質が固体の場合は、原料粉体の混合時に同時に添加しても、練込み水に溶解させて添加しても良い。電解質が液体の場合は、原料粉体を混合後に、他の液体成分(湿潤剤など)と同時に、もしくは練込み水に溶解させて添加しても良い。 【0026】 本発明に用いられる電解質としては、硫酸マグネシウム、酢酸ナトリウムが好ましい。 【0027】 本発明に用いられる界面活性剤としては、特に限定はされず、顆粒水和剤、粒剤、水和剤に使用されている一般的なノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤を使用することができ、これらを単独、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。 【0028】 ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルが挙げられる。 【0029】 アニオン系界面活性剤としてはリグニンスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、ジアルキルエステルスルホン酸塩、アルケニルスルホネート塩アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリカルボン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、高級脂肪酸塩が挙げられる。また、カチオン系界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩、アルキルアミン塩等が挙げられる。 【0030】 本発明で使用される界面活性剤として好ましいのは、リグニンスルホン酸塩、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、アルキルアリルスルホン酸塩、ジアルキルエステルスルホン酸塩、アルケニルスルホネート塩である。 【0031】 本発明では必要に応じて増量剤、粉砕助剤として、鉱物質粉体、水溶性粉体、植物性粉体を使用しても良く、これらは単独、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。 【0032】 鉱物質粉体としては特に制限されないが、珪藻土、クレー、タルク、ベントナイト、炭酸カルシウム、ゼオライト、酸性白土等が挙げられる。 水溶性粉体としては特に制限されないが、糖類、尿素、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩、塩酸塩、金属塩、アンモニウム塩が挙げられる。 植物性粉体としては特に制限されないが、小麦粉、糠、ふすま等の各種植物繊維質が挙げられる。 本発明で使用される増量剤、粉砕助剤としては、珪藻土、クレーが好ましい。 【0033】 本発明の顆粒水和剤は以下の方法で製造されるが、一例であり特に限定はされない。 まず、DCMUをジェットミル粉砕器で微粉化し、その平均粒径をd=4〜10μmにする。続いて、DCMUと原料粉体(界面活性剤、無機塩、増量剤等)を均一混合させる。さらに液体成分を使用する場合には練込み水に溶解させて、加えて混練し、押出造粒機を用いて造粒し、乾燥して目的物を得る。無機塩に関しては練込み水に溶解させて添加しても構わない。乾燥は、熱風式乾燥機、輻射式乾燥機、熱伝導式乾燥機等を用いる。 【0034】 このようにして得られた目的とする顆粒水和剤の粒径は0.2〜2.0mm、好ましくは0.5〜1.0mmが良い。 【0035】 得られた顆粒水和剤は、(1)水分散性、懸垂性に優れている。(2)分散質が凝集しないのでノズル詰まり等を起こさず、速やかに散布できる。(3)沈降後の沈殿物の再分散性も優れている。等の利点を持った剤であり、農地、非農耕地で使用できる。 【実施例1】 【0036】 次に実施例、比較例、試験例を挙げて更に本発明の説明を行うが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、以下の例で「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を表す。また平均粒径はレーザー回折散乱粒度分布測定装置による測定値である。 また実験に用いた原料は以下の通りである。 リグニンスルホン酸塩:東邦化学(株)Sorpol9047k ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム:東邦化学(株)ネオスコープCN−30SF アルキルアリルスルホン酸塩:東邦化学(株)RUNOX P−65L ジアルキルエステルスルホン酸塩:東邦化学(株)Sorpol5050 アルケニルスルホネート3部:東邦化学(株)Sorpol5115 珪藻土:昭和化学工業(株)ラヂオライト♯900 クレー:(株)勝光山鉱業所製、勝光山クレー 硫酸マグネシウム:小宗化学薬品(株)製、無水硫酸マグネシウム 酢酸ナトリウム:純正化学(株)試薬特級品 【0037】 [実施例1] ジェットミル式粉砕器で粉砕し平均粒径d=4μmにしたDCMU70部、リグニンスルホン酸ナトリウム5部、珪藻土10部、硫酸マグネシウム5部を加え均一に混合した。その後、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム塩29%水溶液を、ナトリウム塩として10部加えて混練し、孔径0.7mmのスクリーンを装着した押出造粒機を用いて造粒した。その後60℃で乾燥し、篩分けして整粒し目的物を得た。 【実施例2】 【0038】 ジェットミル式粉砕器で粉砕し平均粒径d=10μmにしたDCMU70部、リグニンスルホン酸ナトリウム5部、珪藻土10部、硫酸マグネシウム5部を加え均一に混合した。その後、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム塩29%水溶液を、ナトリウム塩として10部加えて混練し、孔径0.7mmのスクリーンを装着した押出造粒機を用いて造粒した。その後60℃で乾燥し、篩分けして整粒し目的物を得た。 【実施例3】 【0039】 ジェットミル式粉砕器で粉砕し平均粒径d=4μmにしたDCMU70部、リグニンスルホン酸ナトリウム塩5部、アルキルアリルスルホン酸塩3部、珪藻土10部、硫酸マグネシウム5部を加え均一に混合した。その後、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム塩29%水溶液を、ナトリウム塩として7部加えて混練し、孔径0.7mmのスクリーンを装着した押出造粒機を用いて造粒した。その後60℃で乾燥し、篩分けして整粒し目的物を得た。 【実施例4】 【0040】 ジェットミル式粉砕器で粉砕し平均粒径d=4μmにしたDCMU70部、リグニンスルホン酸ナトリウム5部、ジアルキルエステルスルホン酸塩3部、珪藻土10部、硫酸マグネシウム5部を加え均一に混合した。その後、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム塩29%水溶液を、ナトリウム塩として7部加えて混練し、孔径0.7mmのスクリーンを装着した押出造粒機を用いて造粒した。その後60℃で乾燥し、篩分けして整粒し目的物を得た。 【実施例5】 【0041】 ジェットミル式粉砕器で粉砕し平均粒径d=4μmにしたDCMU70部、リグニンスルホン酸ナトリウム5部、アルケニルスルホネート3部、珪藻土10部、硫酸マグネシウム5部を加え均一に混合した。その後、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム塩29%水溶液を、ナトリウム塩として7部加えて混練し、孔径0.7mmのスクリーンを装着した押出造粒機を用いて造粒した。その後60℃で乾燥し、篩分けして整粒し目的物を得た。 【実施例6】 【0042】 ジェットミル式粉砕器で粉砕し平均粒径d=4μmにしたDCMU70部、リグニンスルホン酸ナトリウム5部、珪藻土10部、酢酸ナトリウム5部を加え均一に混合した。その後、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム塩29%水溶液を、ナトリウム塩として10部加えて混練し、孔径0.7mmのスクリーンを装着した押出造粒機を用いて造粒した。その後60℃で乾燥し、篩分けして整粒し目的物を得た。 【実施例7】 【0043】 ジェットミル式粉砕器で粉砕し平均粒径d=4μmにしたDCMU70部、リグニンスルホン酸ナトリウム5部、クレー10部、硫酸マグネシウム5部を加え均一に混合した。その後、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム塩29%水溶液を、ナトリウム塩として10部加えて混練し、孔径0.7mmのスクリーンを装着した押出造粒機を用いて造粒した。その後60℃で乾燥し、篩分けして整粒し目的物を得た。 【実施例8】 【0044】 ジェットミル式粉砕器で粉砕し平均粒径d=4μmにしたDCMU50部、リグニンスルホン酸ナトリウム5部、珪藻土30部、硫酸マグネシウム5部を加え均一に混合した。その後、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム塩29%水溶液を、ナトリウム塩として10部加えて混練し、孔径0.7mmのスクリーンを装着した押出造粒機を用いて造粒した。その後60℃で乾燥し、篩分けして整粒し目的物を得た。 【実施例9】 【0045】 ジェットミル式粉砕器で粉砕し平均粒径d=4μmにしたDCMU60部、リグニンスルホン酸ナトリウム5部、珪藻土20部、硫酸マグネシウム5部を加え均一に混合した。その後、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム塩29%水溶液を、ナトリウム塩として10部加えて混練し、孔径0.7mmのスクリーンを装着した押出造粒機を用いて造粒した。その後60℃で乾燥し、篩分けして整粒し目的物を得た。 【0046】 [比較例1] ジェットミル式粉砕器で粉砕し平均粒径d=2μmにしたDCMU70部、リグニンスルホン酸ナトリウム5部、珪藻土10部、硫酸マグネシウム5部を加え均一に混合した。その後、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム塩29%水溶液を、ナトリウム塩として10部加えて混練し、孔径0.7mmのスクリーンを装着した押出造粒機を用いて造粒した。その後60℃で乾燥し、篩分けして整粒し目的物を得た。 【0047】 [比較例2] ジェットミル粉砕処理をしない未粉砕DCMU(平均粒径15μm)70部、リグニンスルホン酸ナトリウム5部、珪藻土10部、硫酸マグネシウム5部を加え均一に混合した。その後、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム塩29%水溶液を、ナトリウム塩として10部加えて混練し、孔径0.7mmのスクリーンを装着した押出造粒機を用いて造粒した。その後60℃で乾燥し、篩分けして整粒し目的物を得た。 【0048】 [比較例3] ジェットミル式粉砕器で粉砕し平均粒径d=4μmにしたDCMU70部、リグニンスルホン酸ナトリウム5部、珪藻土15部を加え均一に混合した。その後、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム塩29%水溶液を、ナトリウム塩として10部加えて混練し、孔径0.7mmのスクリーンを装着した押出造粒機を用いて造粒した。その後60℃で乾燥し、篩分けして整粒し目的物を得た。 【0049】 [比較例4] ジェットミル式粉砕器で粉砕し平均粒径d=4μmにしたDCMU70部、リグニンスルホン酸ナトリウム5部、アルケニルスルホネート5部、珪藻土10部を加え均一に混合した。その後、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム塩29%水溶液を、ナトリウム塩として10部加えて混練し、孔径0.7mmのスクリーンを装着した押出造粒機を用いて造粒した。その後60℃で乾燥し、篩分けして整粒し目的物を得た。 【0050】 [比較例5] 市販品のDCMU80%水和剤「ダイロン水和剤」 未粉砕DCMU(平均粒径15μm)80%と界面活性剤、鉱物質微粉20%から成る粉体。 【実施例10】 【0051】 [試験例1]水分散性・懸垂性試験 100ml栓付きメスシリンダーに25℃の標準硬水100mlを入れ、それに試料を1gを入れ1分間静置した。その後2回/1分の割合でメスシリンダーの反転を行い、試料が均一に分散するまでに要する回数を測定した。さらに1日静置後に再度メスシリンダーを反転させ、沈殿物が再分散するまでの回数を測定した。 また同じ方法で試料を均一分散させた後に静置し、30分後にシリンダーの中央部から4mlを採取し、高速液体クロマトグラフィーにてDCMU成分を分析して懸垂率とした。尚、懸垂率は以下の式で求めた。 懸垂率(%)=〔(A×25)/B〕×100 A:採取した溶液中のDCMU含有量 B:DCMUが均一に分散した場合の理論値(最初のDCMU量) 試験結果を[表1]に示す。 「均一分散に要した回数」が少ないほど分散性が良く、懸垂率が高いほど懸垂性が良いことを意味している。 【0052】 【表1】
【0053】 [表1]から明らかな通り、実施例1〜9においてはDCMU平均粒径d=4〜12μmに粒径範囲を設けることによって、DCMU濃度50%以上で分散性、懸垂性ともに優れた剤とすることができた。一方、DCMU粒径が2μmの比較例1では懸垂性が良好だが、分散性が著しく劣っている。DCMU粒径が15μmの比較例2では分散性は良いものの、懸垂性が劣っている。硫酸マグネシウム等を含有しない比較例3では、均一分散に要した回数は実施例並みであったが、均一分散直後に再凝集が見られ、それが懸垂率を悪化させた。即ち、硫酸マグネシウムを添加することによっても懸垂性を改善できることがわかる。比較例5の水和剤は粉体であるため、均一分散に要した回数は少ないものの、DCMU粒径が10μm以上であるために比較例2と同様に懸垂率が悪くなった。 【実施例11】 【0054】 [試験例2]凝集性試験 試験例1と同じ方法で試料を均一分散させて懸濁液を調製し、懸濁液を濾紙を使用して濾過し、濾紙上に残渣(試料の固形成分)を得た。残渣を乾燥後に1mm程の凝集物の有無を調べ凝集性を評価した。この凝集物が多いと散布時のノズル詰まりの原因となるので、少ない方が望ましい。試験結果を[表2]に示す。 【0055】 【表2】
【0056】 硫酸マグネシウム等を含有しない比較例3および比較例4では、凝集物が認められた。硫酸マグネシウム、酢酸ナトリウムを加えることによって明らかに分散質の均一性(凝集性)に効果があることが分かる。 【実施例12】 【0057】 [試験例3]生物評価 苺パックの底に5mm程度の排水孔を15個開け、パック内に土壌を入れ試験区とした。 次に各種雑草(エノコログサ、メヒシバ、ノビエ、アオビユ、コセンダングサ、ヤバスソウ)の種を各20粒ずつパックに散布した。 これに試験サンプルを50g/10a、75g/10a、100g/10a、150g/10aの割合で散布した。 試験サンプルの散布時期としては、種と同時に散布したものを「雑草発生前処理」、雑草が生えてきたのを確認して19日後に散布したものを「雑草発生始期処理」と区別した。 実験開始後、24日後と45日後に雑草の発生状況を比較して評価した。 【0058】 (表の見方) 判定は5段階評価で行っている。5が最も効果が高く、対象雑草を全て枯らしていることを意味し、0は全く効果が無いことを意味している。一般的には、処理量を増加させると効果は高くなり、日数が経つにつれて効果の差がはっきりしてくることが知られている。 [雑草発生前処理] 雑草発生前処理による生物評価結果を[表3]に示す。各雑草に対する評価は以下の通りになる。 【0059】 【表3】
【0060】 エノコログサ:実施例1、比較例5>比較例2>比較例1 メヒシバ:実施例1、比較例1、比較例5>比較例2 ノビエ:比較例1>実施例1、比較例5>比較例2 アオビユ:製剤間に有意な差異は見られなかった。 ヤバスソウ:実施例1、比較例1、比較例5≧比較例2 コセンダングサ:製剤間に有意な差異は見られなかった。 以上の結果から雑草発生前処理において、実施例1は市販品である比較例5と同等の高い除草効果を示すことが分かった。 【0061】 [雑草発生始期処理] 雑草発生始期処理による生物評価結果を[表4]に示す。各雑草に対する評価は以下の通りになる。 【0062】 【表4】
【0063】 エノコログサ:比較例2>実施例1>比較例1>比較例5 メヒシバ:実施例1、比較例1≧比較例2、比較例5 ノビエ:実施例1>比較例1、比較例2、比較例5 アオビユ:製剤間に有意な差異は見られなかった。 ヤバスソウ:製剤間に有意な差異は見られなかった。 コセンダングサ:製剤間に有意な差異は見られなかった。 以上の結果から雑草発生始期処理において、ほぼ同等の効果が得られているが、その中でも実施例1はイネ科雑草に対して市販品である比較例5に比較して、最も高い除草効果を示した。 【0064】 試験サンプルにおいては何れも市販剤である比較例5と同等の効果を得ている。即ち、DCMUの粒径が生物評価に影響を与えていないことを意味している。また、比較例3、4のような硫酸マグネシウムを加えなかった剤に関しては、粒状の凝集物が散布機のノズルに詰まったために散布できず、評価できなかった。したがって、懸垂性や凝集物の有無を考慮すると、本発明実施例1の様な顆粒水和剤が望ましいことが分かる。 【産業上の利用可能性】 【0065】 凝集性の高い物性を有する除草剤有効成分の場合でも、分散性、懸垂性が優れ、懸濁液中の除草剤有効成分が凝集しない剤が必要なときに、本発明の除草用高濃度顆粒水和剤が適用できる。 【図面の簡単な説明】 【0066】 【図1】ダイラタンシーを図示した説明図である。 【符号の説明】 【0067】 (A)粒子の細密充填状態 (B)粒子の配列状態が変わって体積が増加した状態
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005315 【氏名又は名称】保土谷化学工業株式会社 【住所又は居所】神奈川県川崎市幸区堀川町66番地2
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| 【出願日】 |
平成15年12月25日(2003.12.25) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−187364(P2005−187364A) |
| 【公開日】 |
平成17年7月14日(2005.7.14) |
| 【出願番号】 |
特願2003−429069(P2003−429069) |
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