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【発明の名称】 水性懸濁農薬組成物
【発明者】 【氏名】渡邉 敦
【住所又は居所】兵庫県宝塚市高司四丁目2番1号 住友化学株式会社内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)酸化ポリエチレンに水難溶性農薬活性成分を担持させた農薬徐放性微粒子、(b)アニオン性界面活性剤、及び(c)固結防止剤を含有し、農薬組成物の合計重量に対して構成成分(b)が10重量%以上である水性懸濁農薬組成物。
【請求項2】
農薬組成物の合計重量に対して、構成成分(b)が10〜25重量%である請求項1に記載の水性懸濁農薬組成物。
【請求項3】
農薬組成物の合計重量に対して、構成成分(a)が0.1〜40重量%、構成成分(b)が10〜25重量%、且つ構成成分(c)が5〜89.9重量%である請求項1に記載の水性懸濁農薬組成物。
【請求項4】
構成成分(a)の平均粒子径が5〜30μmである請求項1〜3のいずれかに1項記載の農薬組成物。
【請求項5】
構成成分(a)における水難溶性農薬活性成分がフルミオキサジンである請求項1〜4のいずれかに1項記載の水性懸濁農薬組成物。
【請求項6】
構成成分(b)がアルキルナフタレンスルホネート、リグニンスルホネート、及びアルキルナフタレンスルホネートのホルマリン縮合物からなる群より選ばれる1種以上である請求項1〜5のいずれか1項記載の農薬組成物。
【請求項7】
構成成分(a)が水難溶性農薬活性成分と酸化ポリエチレンとを水に分散させた分散液を噴霧乾燥して得られる農薬徐放性微粒子である請求項1〜6のいずれか1項に記載の水性懸濁農薬組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、農薬活性成分に徐放性を付与された水性懸濁農薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薬効の持続、薬害の軽減等を目的として、農薬活性成分を徐放化した徐放性農薬製剤が、各種提案されている。このような徐放性農薬製剤としては、農薬活性成分をマイクロカプセル化したもの(例えば、特許文献1参照)、農薬活性成分を含有する粒子を被覆したもの(例えば、特許文献2参照)等が知られている。
【0003】
【特許文献1】特開昭59−20209号公報
【特許文献2】特開昭60−226801号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、優れた徐放性水性懸濁組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は鋭意検討を行い、酸化ポリエチレンに水難溶性農薬活性成分を担持させた農薬徐放性微粒子を含有する農薬組成物において、アニオン性界面活性剤が農薬組成物全量に対して10重量%以上含有される場合に、農薬活性成分の徐放化が一層優れるようになることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、(a)酸化ポリエチレンに水難溶性農薬活性成分を担持させた農薬徐放性微粒子、(b)アニオン性界面活性剤、及び(c)固結防止剤を含有し、農薬組成物の合計重量に対して(b)アニオン性界面活性剤が10重量%以上である水性懸濁農薬組成物、に関するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の水性懸濁農薬組成物は、農薬活性成分の徐放化性能が優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の水性懸濁農薬組成物は、(a)酸化ポリエチレンに水難溶性農薬活性成分を担持させた農薬徐放性微粒子、(b)アニオン性界面活性剤、及び(c)固結防止剤を含有し、農薬組成物の合計重量に対して構成成分(b)が10重量%以上の水性懸濁農薬組成物である。
【0008】
まず、本発明に用いる(a)酸化ポリエチレンに水難溶性農薬活性成分を担持させた農薬徐放性微粒子(以下、本農薬徐放性微粒子と記す。)について、説明する。
本農薬徐放性微粒子は、例えば(1)溶融させた酸化ポリエチレンに水難溶性農薬活性成分を分散させた液を噴霧冷却する、または(2)水難溶性農薬活性成分と酸化ポリエチレンとを水に分散させた分散液を噴霧乾燥することにより、製造することができる。
【0009】
本農薬徐放性微粒子に用いられる水難溶性農薬活性成分は、常温(25℃)において固体でも、液体でもよいが、本農薬徐放性微粒子の農薬徐放性微粒子の製造のしやすさの点から融点が80℃以上のものが好ましい。
また、本農薬徐放性微粒子に用いられる水難溶性農薬活性成分とは、25℃における水溶解性が通常1000mg/1000ml以下の農薬活性成分をいい、好ましくは25℃における水溶解性が100mg/1000ml以下の農薬活性成分である。
かかる農薬活性成分としては、例えば殺虫活性成分、殺菌活性成分、除草活性成分、及び植物成長調節活性成分が挙げられ、具体的には例えば以下の化合物が挙げられる。
【0010】
殺虫活性成分:シペルメトリン、デルタメトリン、フェンプロパトリン、トラロメトリン、アクリナトリン、ビフェントリン、レスメトリン、テトラメトリン、ペルメトリン、イソプロカルブ、キシリルカルブ、XMC、カルバリル、カルボフラン、フェノキシカルブ、アラニカルブ、フェノブカルブ、ベンダイオカルブ、テトラクロルビンホス、ジメチルビンホス、ホサロン、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、ピリダフェンチオン、キナルホス、メチダチオン、アジンホスエチル、アジンホスメチル、サリチオン、シアノホス、EPN、シアノフェンホス、ジフルベンズロン、クロルフルアズロン、ルフェヌロン、ヘキサフルムロン、フルフェノクスロン、フルシクロクスロン、ジアフェンチウロン、ヘキシチアゾクス、ノヴァルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、ベンスルタップ、フェノキシカルブ、フェナザキン、フェンピロキシメート、ピリダベン、ヒドラメチルノン、チオジカルブ、クロルフェナピル、ピメトロジン、ピリミジフェン、テブフェノジド、テブフェンピラド、トリアザメート、スルフルラミド、ミルベメクチン、ピリダリル等。
【0011】
殺菌活性成分:ベノミル、カルベンダジム、チオファネートメチル、ジエトフェンカルブ、プロシミドン、イプロジオン、ビンクロゾリン、ジニコナゾール、テブコナゾール、ジフェノコナゾール、シプロコナゾール、フルシラゾール、トリアジメフォン、フラメトピル、メプロニル、フルトラニル、トルクロホスメチル、ピラゾホス、ピリメサニル、メパニピリム、シプロジニル、フルジオキソニル、フェンピクロニル、アゾキシストロビン、クレソキシムメチル、メトミノストロビン、クロロタロニル、マンゼブ、キャプタン、フォルペット、プロベナゾール、ジメトモルフ、ファモキサドン、オキソリニック酸、フルアジナム、フェリムゾン等。
【0012】
除草活性成分:フェノキサプロップ−p−エチル、シハロホップブチル、ベンスルフロンメチル、ニコスルフロン、シクロスルファムロン、トリフルスルフロンメチル、イマザキン、フルメツラム、アトラジン、メトリブジン、フルオメツロン、イソプロチュロン、プロパニル、ブロモキシニル、アイオキシニル、ベンタゾン、フルミオキサジン、フルチアセットメチル、アザフェニジン、サルフェントラゾン、ノルフルラゾン、ジフルフェニカン、イソキサフルトール、ペンディメサリン、トリフルラリン、メフェナセット、メコプロップ、フルロキシピル等。
【0013】
植物成長調節活性成分:チジアズロン、イナベンファイド、パクロブトラゾール 、ウニコナゾール等。
【0014】
本発明において酸化ポリエチレンとは、一般に“酸化ポリエチレンワックス”とも呼称されている物質(CAS No. 68441-17-8)であって、ポリエチレンを酸化することにより製造される。酸化ポリエチレンの市販品を入手することも可能であり、例えば、ネオワックスE(ヤスハラケミカル社製、融点:100℃、酸価:15mgKOH/g)、ネオワックスE−20(ヤスハラケミカル社製、融点:102℃、酸価:18mgKOH/g)、ネオワックスE−3(ヤスハラケミカル社製;融点:110℃、酸価:1mgKOH/g)、Licowax PED 522(クラリアント社製、滴点:102−107℃、酸価:22−28mgKOH/g)、Licolub H12(クラリアント社製、滴点:100−108℃、酸価:15−19mgKOH/g)、Ceridust 3719(クラリアント社製、滴点:113−118℃、酸価:16−19mgKOH/g)、Luwax OA2 powder(BOYSAN社製、融点:107−113℃、酸価:19−25mgKOH/g)、Marcus M3400(Marcus Oil & Chemical社製、融点:109℃(peak)、酸価:12−16mgKOH/g)、Marcus M3500(Marcus Oil & Chemical社製、融点:109℃(peak)、酸価:24mgKOH/g)が挙げられる。本発明においては、1gに含まれる遊離カルボン酸を中和するために必要な水酸化カリウムの量(以下、酸価と記す。)が10〜30mgである酸化ポリエチレン、融点が80〜150℃の酸化ポリエチレンが好ましい。なお、ここで言う酸化ポリエチレンの融点とは、固体の酸化ポリエチレンを加熱したときに、該酸化ポリエチレンが溶け始める温度をいう。
【0015】
まず、溶融させた酸化ポリエチレンに水難溶性農薬活性成分を分散させた液を噴霧冷却して本農薬徐放性微粒子を製造する方法について説明する。
溶融させた酸化ポリエチレンに水難溶性農薬活性成分を分散させた液は、予め加熱して溶融させた酸化ポリエチレン、微粉砕(粒子径1〜7μm程度)した水難溶性農薬活性成分を加えて、分散(又は溶解)することにより、製造することができる。
本農薬徐放性微粒子は、前記の溶融させた酸化ポリエチレンに水難溶性農薬活性成分を分散させた液を噴霧冷却することにより製造することができる。ここで噴霧冷却とは、噴霧と同時に溶融した液が固化する程度の温度まで冷却することにより固体を析出させる技術を意味する。
該製造方法においては、本農薬徐放性微粒子の大きさ(粒子径)は、噴霧条件を変化させることにより、通常5〜30μmの範囲内に制御される。
【0016】
次に、水難溶性農薬活性成分と酸化ポリエチレンとを水に分散させた分散液を噴霧乾燥して本農薬徐放性微粒子を製造する方法について説明する。
水難溶性農薬活性成分と酸化ポリエチレンとが水に分散された分散液は、例えば、酸化ポリエチレンを水に分散させた樹脂エマルジョンに、微粉砕(平均粒子径1〜7μm程度)した水難溶性農薬活性成分を加え、攪拌することにより製造される。
【0017】
酸化ポリエチレンを水に分散させた樹脂エマルジョンは、例えば、ポリエチレンが水に分散した樹脂エマルジョンを酸素酸化することにより製造することもできるし、酸化ポリエチレンが分散した樹脂エマルジョンの市販品を使用することもできる。例えば、Agrocer DCX 1688(クラリアント社製、固形分量:約18%)、Poligen WE6(BOYSAN社製、固形分量:33−36%)が挙げられる。本発明には、酸化ポリエチレンの樹脂エマルジョンをそのまま本発明の農薬徐放性微粒子の製造に使用することができる。また、酸化ポリエチレンの樹脂エマルジョンは、市販の酸化ポリエチレンを水に分散させることによっても製造することができる。具体的には例えば、以下の方法により製造することができる。酸化ポリエチレンを加熱溶融し、必要に応じて界面活性剤(カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤)を加え、これを攪拌下に95〜98℃の熱水中に加え、ポリカルボン酸の乳化液を調製する。この際、酸化ポリエチレンの融点に応じて、オートクレーブ容器等の加圧条件下で行う。酸化ポリエチレンが溶融した状態のままで、攪拌等により酸化ポリエチレンの粒径を整え、徐々に冷却して、酸化ポリエチレンの樹脂エマルジョンを得る。
水難溶性農薬活性成分を微粉砕する方法としては、例えばハンマーミルやジェットミル等の乾式粉砕法やビーズミル等の湿式粉砕法が挙げられる。
この分散液には、本発明の目的を達する範囲内で、分散剤、粉砕助剤、増粘剤等が含有されていてもよい。
【0018】
本農薬徐放性微粒子は、前記の農薬活性成分と酸化ポリエチレンとが水に分散された分散液を噴霧乾燥することにより製造される。ここで、噴霧乾燥とは、分散液中の分散媒である水を噴霧と同時に蒸発させて固体を析出させる技術を意味する。
前記の水難溶性農薬活性成分と酸化ポリエチレンとが水に分散された分散液の噴霧乾燥は、通常約80〜200℃に加熱された乾燥空気の流れ中に前記の水難溶性農薬活性成分と酸化ポリエチレンとが水に分散された分散液を噴霧装置を用いて噴霧することにより行われる。噴霧された水難溶性農薬活性成分と酸化ポリエチレンとが水に分散された分散液は、乾燥空気の流れ中で水が蒸発して、本農薬徐放性微粒子を形成する。この場合に用いられる噴霧装置としては、例えばロータリー式、加圧ノズル式、及び二流体ノズル式が挙げられる。
【0019】
該製造方法においては、本農薬徐放性微粒子の大きさ(粒子径)は、農薬活性成分と酸化ポリエチレンとが水に分散された分散液を噴霧乾燥する際の噴霧条件により変化させることで、通常5〜30μmの範囲内とされる。即ち、供給する噴霧液の噴霧圧を高くするか、噴霧液の供給量を少なくすることにより、小さな粒子径の農薬徐放性微粒子を製造することができる。更に、噴霧液中の固形分の濃度を小さくするか、噴霧液の粘度を低くすることにより、小さな粒子径の農薬徐放性微粒子を製造することができる。
【0020】
噴霧乾燥条件は、噴霧乾燥に使用する装置に応じて適宜設定することができるが、例えば東京理化器械株式会社製スプレードライヤーSD-1型を用いて二流体ノズルを用いる場合には試料送液流量50〜500ml/時間、噴霧空気圧0.2〜2.0kg/cm2、乾燥空気流量0.4〜1.0m3/分、乾燥空気入口温度100〜200℃、乾燥空気出口温度50〜100℃である。
【0021】
上記の製造方法で本農薬徐放性微粒子を製造すると、本農薬徐放性微粒子が多数固着した粒子となって得られる場合がある。この場合には、得られた粒子を粉砕機等により解砕することで、本農薬徐放性微粒子を得ることができる。
【0022】
農薬徐放性微粒子の粒子径は、レーザー回折法により測定することができる。例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(Laser diffraction particle size analyzer)SALD−1100(島津製作所製)が使用できる。
【0023】
本農薬徐放性微粒子において、水難溶性農薬活性成分と酸化ポリエチレンとの重量比は、上記の(1)の方法においては1:99〜50:50の範囲であり、上記の(2)の方法においては1:99〜95:5、好ましくは10:90〜80:20の範囲である。
【0024】
次に、本発明に用いる(b)アニオン性界面活性剤について、説明する。
本発明に用いるアニオン性界面活性剤として、通常水溶性のアニオン性界面活性剤が用いられる。
本発明に用いられるアニオン性界面活性剤としては、例えばアルキルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンベンジルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーサルフェート、パラフィンスルホネート、アルカンスルホネート、ジアルキルスルホサクシネート、アルキルベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、アルキルナフタレンスルホネート、ジアルキルナフタレンスルホネート、アルキルナフタレンスルホネートのホルマリン縮合物、アルキルジフェニルエーテルジスルホネート、リグニンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホネート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸ハーフエステル、脂肪酸塩、高分子ポリカルボン酸塩、N−メチル−脂肪酸サルコシネート、樹脂酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンフェニルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンベンジル化フェニルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンベンジル化フェニルフェニルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンスチリル化フェニルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンスチリル化フェニルフェニルエーテルホスフェート、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーホスフェート、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールイミン、及びアルキルホスフェートが挙げられる。
中でも、アニオン性界面活性剤の使用量の点からアルキルナフタレンスルホネート、リグニンスルホネート、及びアルキルナフタレンスルホネートのホルマリン縮合物からなる群より選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
【0025】
次に、本発明に用いる(c)固結防止剤について、説明する。
本発明に用いる固結防止剤とは、本発明の水性懸濁農薬組成物の保存時において、本農薬徐放性微粒子間の固結を防止する固体粒子であり、該固体としては一般に農薬製剤において固体担体として用いられる固体粒子が使用できる。該固結防止剤は水溶性であるか、水分散時の分散性が良好であるものが好ましい。
本発明に用いられる固結防止剤としては、例えばパイロフィライト、含水カオリン、無水カオリン、セリサイト等のクレー、炭酸カルシウム、ベントナイト、珪藻土、タルク、珪石、軽石、バーミキュライト、パーライト、ホワイトカーボン、スクロース、グルコース、マルトース、ラクトース、デキストリン、デンプン類、セルロース誘導体(セルロース、カルボキシメチルセルロース等)、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム、尿素、及び珪藻土を挙げることができる。
【0026】
本発明の水性懸濁農薬組成物には、(a)本農薬徐放性微粒子、(b)アニオン性界面活性剤、及び(c)固結防止剤の他に、結合剤、崩壊剤、及び/又は他の界面活性剤が含有されていてもよい。
【0027】
結合剤としては、例えばグアーガム、ローカストビーンガム、トラガカントガム、ザンサンガム、アラビアガムのような各種ガム類;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコールエステルのようなアルギン酸誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタアクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸アミドのような有機高分子化合物;及び卵白、アルブミン、カゼイン、ゼラチンのような動物性又は植物性の水溶性蛋白質が挙げられる。その使用量は、本発明の農薬組成物全量に対して、通常0.1〜20重量%である。
【0028】
他の界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンカルボン酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。その使用量は、本発明の農薬組成物全量に対して、通常0.1〜20重量%である。
【0029】
本発明の水性懸濁農薬組成物は、通常、本農薬徐放性微粒子、アニオン性界面活性剤、固体担体、さらに必要に応じて他の成分をミキサーなどで混合し、必要に応じて遠心粉砕機等の粉砕機を用いて解砕し、粉状の本発明の水性懸濁農薬組成物としたり、これらの粉状物をローラーコンパクター等の圧縮成形機、押出造粒機、転動造粒機、流動層造粒機等の造粒機を用いて顆粒状に成形し、顆粒状の本発明の水性懸濁農薬組成物としたりしたものである。
【0030】
本発明の水性懸濁農薬組成物には、本発明の農薬組成物全量に対して(b)アニオン性界面活性剤が総量で10重量%以上含有される。即ち、通常10〜80重量%、好ましくは10〜25重量%の割合である。
また、本発明の水性懸濁農薬組成物には、本発明の農薬組成物全量に対して(a)本農薬徐放性微粒子は通常0.1〜40重量%、(c)固結防止剤が通常5〜89.9重量%の割合で含有される。
【0031】
本発明の水性懸濁農薬組成物は、通常、農薬活性成分が所定濃度になるように水に懸濁し、該懸濁液を保護すべき植物、又は該植物が栽培されるか、あるいは栽培されている土壌に散布することにより使用される。
【実施例】
【0032】
以下、製造例、試験例等を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら例に限定されるものではない。
【0033】
参考例
酸化ポリエチレン樹脂エマルジョン(Agrocer 06、酸化ポリエチレン(融点:115℃、平均粒子径:0.19μm、酸価:16〜19mgKOH/g)の25重量%懸濁液、クラリアント社製)80重量部、フルミオキサジン(平均粒子径:7.5μm:ジェットミルにより粉砕)20重量部を加えて攪拌し、分散液を調製した。この分散液を下記の条件で噴霧乾燥し、得られた固形物を粉砕機(スクリーン径:1.5mm、回転数10000rpm、日本精機製作所製)で解砕して、農薬徐放性微粒子(平均粒子径:14.2μm)を得た。
【0034】
噴霧乾燥の条件
噴霧乾燥機:東京理化器械株式会社製 SD−1型噴霧乾燥機
噴霧装置:試料噴出ノズル直径0.51mmの二流体ノズル
試料送液流量:200ml/時間
試料噴霧空気圧:0.7kg/cm2
乾燥空気流量:0.6m3/分
乾燥空気入口温度:115℃
乾燥空気出口温度:65℃
【0035】
製造例1
参考例で製造した農薬徐放性微粒子22重量部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物(Morwet D−425、クロンプトン株式会社製)10重量部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(Morwet EFW、クロンプトン株式会社製)1.5重量部、及び含水カオリン66.5重量部を乳鉢で粉砕・混合し、本発明の水性懸濁農薬組成物を得た。
【0036】
製造例2
参考例で製造した農薬徐放性微粒子22重量部、リグニンスルホン酸ナトリウム(Reax 85A、ウエストベーコ株式会社製)10重量部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(Morwet EFW、クロンプトン株式会社製)1.5重量部、及び含水カオリン66.5重量部を乳鉢で粉砕・混合し、本発明の水性懸濁農薬組成物を得た。
【0037】
製造例3
参考例で製造した農薬徐放性微粒子22重量部、高分子ポリカルボン酸塩(Demol EPパウダー、花王株式会社製)10重量部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(Morwet EFW、クロンプトン株式会社製)1.5重量部、及び含水カオリン66.5重量部を乳鉢で粉砕・混合し、本発明の水性懸濁農薬組成物を得た。
【0038】
製造例4
参考例で製造した農薬徐放性微粒子22重量部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物(Morwet D−425、クロンプトン株式会社製)20重量部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(商品名:Morwet EFW、クロンプトン株式会社製)1.5重量部、及び含水カオリン56.5重量部を乳鉢で粉砕・混合し、本発明の水性懸濁農薬組成物を得る。
【0039】
製造例5
参考例で製造した農薬徐放性微粒子22重量部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物(Morwet D−425、クロンプトン株式会社製)40重量部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(Morwet EFW、クロンプトン株式会社製)1.5重量部、及び含水カオリン36.5重量部を乳鉢で粉砕・混合し、本発明の水性懸濁農薬組成物を得る。
【0040】
製造例6
参考例で製造した農薬徐放性微粒子22重量部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物(Morwet D−425、クロンプトン株式会社製)70重量部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(Morwet EFW、クロンプトン株式会社製)1.5重量部、及び含水カオリン6.5重量部を乳鉢で粉砕・混合し、本発明の水性懸濁農薬組成物を得る。
【0041】
製造例7
参考例で製造した農薬徐放性微粒子4.4重量部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物(Morwet D−425、クロンプトン株式会社製)10重量部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(Morwet EFW、クロンプトン株式会社製)1.5重量部、及び含水カオリン84.1重量部を乳鉢で粉砕・混合し、本発明の水性懸濁農薬組成物を得る。
【0042】
製造例8
参考例で製造した農薬徐放性微粒子0.88重量部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物(Morwet D−425、クロンプトン株式会社製)10重量部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(Morwet EFW、クロンプトン株式会社製)1.5重量部、及び含水カオリン87.62重量部を乳鉢で粉砕・混合し、本発明の水性懸濁農薬組成物を得る。
【0043】
比較例1
参考例で製造した農薬徐放性微粒子22重量部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(Morwet EFW、クロンプトン株式会社製)1.5重量部、及び含水カオリン76.5重量部を乳鉢で粉砕・混合し、水性懸濁農薬組成物を得た。
【0044】
比較例2
参考例で製造した農薬徐放性微粒子22重量部、ポリエチレングリコール(PEG 1000、三洋化成工業株式会社製)10重量部、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(Morwet EFW、クロンプトン株式会社製)1.5重量部、及び含水カオリン66.5重量部を乳鉢で粉砕・混合し、水性懸濁農薬組成物を得た。
【0045】
次に、本発明の水性懸濁農薬組成物が優れた徐放化性能を有することを、水への高倍率希釈条件における溶出試験にて示す。
試験例
イオン交換水1000mlに水性懸濁農薬組成物3.58mgを25℃にて加え、マグネチックスターラで3時間攪拌した。その後、この懸濁液を100mlを採取して、濾過し、固形物を得た。この固形物中のフルミオキサジン量を高速液体クロマトグラフィーにより定量した。この結果から、水性懸濁農薬組成物中の農薬徐放性微粒子から水中に溶出されたフルミオキサジンの量を計算し、溶出率を求めた。
結果を表1に示す。
【0046】
【表1】


本発明の水性懸濁農薬組成物は、良好な徐放性を有することが判る。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の水性懸濁農薬組成物は、優れた徐放性を有する水性懸濁組成物であり、農薬の製剤形態として有用である。
【出願人】 【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
【住所又は居所】東京都中央区新川二丁目27番1号
【出願日】 平成16年11月10日(2004.11.10)
【代理人】 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆

【識別番号】100113000
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 亨

【識別番号】100119471
【弁理士】
【氏名又は名称】榎本 雅之

【公開番号】 特開2005−162740(P2005−162740A)
【公開日】 平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願番号】 特願2004−326020(P2004−326020)