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【発明の名称】 衣料用防虫材
【発明者】 【氏名】松永 忠功
【住所又は居所】兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化学工業株式会社内

【氏名】川崎 真希
【住所又は居所】兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化学工業株式会社内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)


(式中、R1は水素原子、メチル基、メトキシ基又はメトキシメチル基を表し、
2及びR3は独立して塩素原子、水素原子又はメチル基を表す。)
で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとが、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンメタクリル酸メチル共重合体、又は密度0.91〜0.94g/cm3のポリエチレンのフィルムで被われてなる衣料用防虫材。
【請求項2】
式(1)で示される化合物が、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、又は2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートである請求項1記載の衣料用防虫材。
【請求項3】
式(1)で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとの重量比が、1:50〜1:799の範囲内である請求項1又は請求項2記載の衣料用防虫材。
【請求項4】
フィルムが厚さ10〜100μmのフィルムである請求項1〜3いずれか1項記載の衣料用防虫材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は衣料用防虫材に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種のテトラフルオロベンジルアルコールエステル化合物が殺虫剤の有効成分として有用であることが知られている(例えば特許文献1、特許文献2、及び特許文献3参照)。
一方、一般に衣料用防虫剤は濃厚な有効成分が衣料に直接接触することを避けるために、包装された形態で使用されることが多い。
【0003】
【特許文献1】特開2000−63329号公報
【特許文献2】特開2001−11022号公報
【特許文献3】特開昭63−203649号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、包装された形態の衣料用防虫剤は、有効成分の揮散が包装材料よって妨げられる等の理由から、十分に効力を発揮できない場合があった。
本発明は、濃厚な有効成分が直接衣料に接触する心配がなく、かつ高い衣料害虫防除効力を有する衣料用防虫材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、式(1)で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとを特定の樹脂フィルムで被ったものが、上記課題を解決した衣料用防虫材として有用であることを見出し本発明を完成した。
【0006】
即ち、式(1)


(式中、R1は水素原子、メチル基、メトキシ基又はメトキシメチル基を表し、
2及びR3は独立して塩素原子、水素原子又はメチル基を表す。)
で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとが、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンメタクリル酸メチル共重合体、又は密度0.91〜0.94g/cm3のポリエチレンのフィルムで被われてなる衣料用防虫材、を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の衣料用防虫材は、樹脂フィルムで被われているので、濃厚な有効成分が直接衣服に接触する心配がなく、かつ高い衣料害虫防除効力を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明に用いられる式(1)で示される化合物としては、例えば2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシベンジル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートが挙げられる。
これらの化合物は前記特許文献1〜3等で公知の化合物であり、例えば該特許文献に記載された方法で製造することができる。
【0009】
式(1)で示される化合物にはシクロプロパン環、及び場合により炭素−炭素二重結合に基づく異性体が存在するが、本発明には活性な任意の異性体を使用することができる。
【0010】
本発明に用いられる2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンは、商品名サンサブリとして小川香料株式会社から市販されている化合物であり、本発明には市販されているものをそのまま使用することができる。
【0011】
本発明の衣料用防虫材は、式(1)で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとを含有する組成物が、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとが、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンメタクリル酸メチル共重合体、又は密度0.91〜0.94g/cm3のポリエチレンのフィルムで被われてなるものである。
【0012】
本発明の衣料用防虫材において、フィルムに被われている組成物は、式(1)で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとを含有するものである。かかる組成物は、実質的に式(1)で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとのみからなるものであってもよい。
本発明において、式(1)で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとの重量比は、通常1:20〜1:8000、好ましくは1:50〜1:799の割合である。
【0013】
本発明において、式(1)で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとを含有する組成物は、通常2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンに式(1)で示される化合物が保持されてなる固体、即ち式(1)で示される化合物を保持する2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンである。
【0014】
また、式(1)で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとを含有する組成物には、必要に応じてさらに昇華性又は常温揮散性の抗菌剤等が含有されていてもよい。かかる抗菌剤としては、例えば3−メチル−4−イソプロピルフェノール、チモール、カルバクロル、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、4−クロロ−3−メチルフェノール、及びヒノキチオールが挙げられる。
【0015】
式(1)で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとを含有する組成物は、例えば式(1)で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとの所定量を混合し、必要に応じて他の成分を加えてから、所定形状の固形物に加圧成形する方法;式(1)で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとを混合し、必要に応じて他の成分を加えてから、70〜200℃に加熱して溶融させ、所定形状の容器に入れて40℃以下(例えば室温付近)まで冷却して固化させる方法;及び2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンの固形物に式(1)で示される化合物の溶液を含浸させた後、乾燥する方法により製造することができる。
【0016】
本発明において、式(1)で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとを含有する組成物は、通常1個あたり0.05〜50g、好ましくは0.5〜5gの大きさの固形物に成形されている。
【0017】
本発明の衣料用防虫材は、上記のようにして製造される式(1)で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとを含有する組成物が、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンメタクリル酸メチル共重合体、又は密度0.91〜0.94g/cm3のポリエチレンのフィルムで被われてなるものである。
本発明の衣料用防虫材に使用される式(1)で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとを含有する組成物の量は、使用の便宜の点から本発明の衣料用防虫材1個あたり通常0.5〜5gである。
【0018】
本発明に用いられる密度0.91〜0.94g/cm3のポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレンが挙げられ、市販のものを使用することができる。また、本発明にはエチレン酢酸ビニル共重合体、及びエチレンメタクリル酸メチル共重合体も市販のものを使用することができる。
本発明に用いられるこれらのフィルムの厚さは通常10〜100μmであり、好ましくは20〜80μmである。
本発明の衣料用防虫材は、通常1個又は複数個の式(1)で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとを含有する固形状の組成物がフィルムで被われている。
【0019】
式(1)で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとを含有する組成物が、フィルムで被われた態様としては、例えば以下の態様が挙げられる。
(I)式(1)で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとを含有する組成物の全体がフィルムで被われた態様。
(式(1)で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとを含有する組成物を2枚のポリエチレンフィルムで挟み、端部をヒートシール等により密閉したもの等)
(II)式(1)で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとを含有する組成物が、式(1)で示される化合物非透過性の材質でできた開口部を有する容器に入れられ、該容器の開口部がフィルムで被われた態様。
式(1)で示される化合物非透過性の材質としては、例えばアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレンビニルアルコール共重合樹脂、及びアルミニウムが挙げられる。
【0020】
本発明の衣料用防虫材では、有効成分である式(1)で示される化合物がフィルムを透過して周囲に揮散される。このため、本発明の衣料用防虫材は、式(1)で示される化合物を透過しない材料(例えばアルミニウムフィルム)でできた袋等で密閉包装されて保管され、使用時に該密閉包装された袋から本発明の衣料用防虫材を取り出して衣料害虫防除用途に用いられる。
また、本発明の衣料用防虫材では2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンも昇華し、フィルムを透過する。
【0021】
本発明の衣料用防虫材は、例えば衣料の収納場所に置く、吊り下げることにより、衣料害虫を防除することができ、これにより害虫による衣料の被害を防止することができる。
衣料の収納場所としては、例えば衣装箱等の衣料収納容器、洋ダンス、和ダンス等の家具、及びクローゼット、ウオークインクローゼット等の衣料収納用の収納設備が挙げられる。
本発明の衣料用防虫材の使用量は、使用期間、防除対象空間の大きさ等に応じて適宜決定することができるが、式(1)で示される化合物量に換算して1m3あたり通常5〜1500mg程度、好ましくは50〜1200mg程度、さらに好ましくは50〜800mg程度である。より具体的には例えば、容量0.05m3の衣装箱に本発明の衣料用防虫材を適用して6ヶ月間の防虫効果を発揮させようとする場合は、式(1)で示される化合物量に換算して通常2.5〜60mg程度、好ましくは2.5〜40mg程度が用いられる。
【0022】
本発明の衣料用防虫材によって衣料害虫から保護される衣料としては、衣服、下着類、靴下、手袋等の他に、織物、布袋等の繊維製品全般が挙げられる。
このような衣料の素材としては、例えば絹、ウール、カシミア、モヘア等の動物性繊維、綿、麻等の植物性繊維、レーヨン等の再生繊維、アセテート、トリアセテート等の半合成繊維、及びナイロン、アクリル等の合成繊維が挙げられる。
【0023】
本発明の衣料用防虫材により防除できる衣料害虫としては、例えばイガ、コイガ、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシ、ハラジロカツオブシムシ、及びニセマルヒョウホンムシが挙げられる。
【0024】
本発明の衣料用防虫材は、濃厚な有効成分が衣料に直接接触する心配がないうえに、高い防虫効力を有する。さらに、実質的に式(1)で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとのみからなる組成物がフィルムに被われてなる本発明の防虫材は、防虫効果の終点をフィルムで被われた式(1)で示される化合物と2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンとを含有する組成物の大きさによって目視で認識可能にすることができる。
【実施例】
【0025】
以下、製剤例、試験例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0026】
製造例1
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル (1R)−トランス−3−(1−プロペニル(Z/E=8/1))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(以下、化合物Aと記す。)10mg及び2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン2000mgとの均一混合物を加圧成形(4t)して円盤状の固形物(直径3cm、厚さ3mm)を得た。この円盤状の固形物を、厚さ30μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(密度0.92g/cm3、多摩ポリ株式会社製、UB−1、5×10cmの大きさに切り取ったもの)を2つ折りしたものに挟み、3辺をヒートシールして本発明の衣料用防虫材を得た(図1参照)。
【0027】
製造例2
化合物A 10mg及び2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン2000mgとの均一混合物を加圧成形(4t)して円盤状の固形物(直径3cm、厚さ3mm)を得た。この円盤状の固形物を、厚さ50μmのエチレン酢酸ビニル共重合体フィルム(酢酸ビニル5重量%、多摩ポリ株式会社製、SB−5、5×10cmの大きさに切り取ったもの)を2つ折りしたものに挟み、3辺をヒートシールして本発明の衣料用防虫材を得た(図1参照)。
【0028】
製造例3
化合物A 10mg及び2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン2000mgとの均一混合物を加圧成形(4t)して円盤状の固形物(直径3cm、厚さ3mm)を得た。この円盤状の固形物を、厚さ40μmのエチレンメタクリル酸メチル共重合体フィルム(メタクリル酸メチル5重量%、住友化学工業株式会社製、WD203−1、5×10cmの大きさに切り取ったもの)を2つ折りしたものに挟み、3辺をヒートシールして本発明の衣料用防虫材を得た(図1参照)。
【0029】
製造例4
化合物A 10mg及び2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン2000mgとの均一混合物を加圧成形(4t)して円盤状の固形物(直径3cm、厚さ3mm)を得た。この円盤状の固形物を、厚さ30μmの低密度ポリエチレンフィルム(密度0.925g/cm3、多摩ポリ株式会社製、V−1、5×10cmの大きさに切り取ったもの)を2つ折りしたものに挟み、3辺をヒートシールして本発明の衣料用防虫材を得た。
【0030】
製造例5
直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの厚さを60μm(密度0.92g/cm3、多摩ポリ株式会社製、UB−1)とした以外は製造例1と同様にして、本発明の衣料用防虫材を得た。
製造例6
低密度ポリエチレンフィルムの厚さを60μm(密度0.925g/cm3、多摩ポリ株式会社製、V−1)とした以外は製造例4と同様にして、本発明の衣料用防虫材を得た。
【0031】
製造例7
2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン2000mgを加圧成形(4t)して得た円盤状の錠剤(直径3cm、厚さ3mm)に、化合物Aのヘキサン溶液(化合物A/ヘキサン=1/7.1(重量比))100μlを均一に塗布してから乾燥して、化合物Aを保持する2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンを得た。これを直径7cm、高さ0.8cmの上部が開口したエチレンビニルアルコール共重合樹脂製の容器に入れ、開口部を厚さ40μmのエチレンメタクリル酸メチル共重合体フィルム(メタクリル酸メチル15重量%、住友化学工業株式会社製、WH204)で被い、密閉して本発明の衣料用防虫材を得た(図3参照)。
【0032】
製造例8
2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 1R−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート10mg及び2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン2000mgとの均一混合物を加圧成形(4t)して円盤状の固形物(直径3cm、厚さ3mm)を得る。この円盤状の固形物を、厚さ30μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(密度0.92g/cm3、多摩ポリ株式会社製、UB−1、5×10cmの大きさに切り取ったもの)を2つ折りしたものに挟み、3辺をヒートシールして本発明の衣料用防虫材を得る。
【0033】
製造例9
2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 1R−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート10mg及び2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン2000mgとの均一混合物を加圧成形(4t)して円盤状の固形物(直径3cm、厚さ3mm)を得る。この円盤状の固形物を、厚さ50μmのエチレン酢酸ビニル共重合体フィルム(酢酸ビニル5重量%、多摩ポリ株式会社製、SB−5、5×10cmの大きさに切り取ったもの)を2つ折りしたものに挟み、3辺をヒートシールして本発明の衣料用防虫材を得る。
【0034】
製造例10
2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 1R−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート10mg及び2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン2000mgとの均一混合物を加圧成形(4t)して円盤状の固形物(直径3cm、厚さ3mm)を得る。この円盤状の固形物を、厚さ40μmのエチレンメタクリル酸メチル共重合体フィルム(メタクリル酸メチル10重量%、住友化学工業株式会社製、WD201、5×10cmの大きさに切り取ったもの)を2つ折りしたものに挟み、3辺をヒートシールして本発明の衣料用防虫材を得る。
【0035】
製造例11
2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン2000mgを加圧成形(4t)して得た円盤状の錠剤(直径3cm、厚さ3mm)に、化合物Aのアセトン溶液(化合物A/アセトン=1/29(重量比))30μlを均一に塗布してから乾燥して、化合物Aを保持する2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンを得る。これを直径7cm、高さ0.8cmの上部が開口したエチレンビニルアルコール共重合樹脂製の容器に入れ、開口部を厚さ50μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(密度0.924g/cm3、住友化学工業株式会社製、F200−0)で被い、密閉して本発明の衣料用防虫材を得る(図3参照)。
【0036】
製造例12
2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン2000mgを加圧成形(4t)して得た円盤状の錠剤(直径3cm、厚さ3mm)に、化合物Aのアセトン溶液(化合物A/アセトン=1/29(重量比))30μlを均一に塗布してから乾燥して、化合物Aを保持する2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンを得る。これを直径7cm、高さ0.8cmの上部が開口したエチレンビニルアルコール共重合樹脂製の容器に入れ、開口部を厚さ50μmのエチレン酢酸ビニル共重合体フィルム(酢酸ビニル5重量%、多摩ポリ株式会社製、SB−5)で被い、密閉して本発明の衣料用防虫材を得る(図3参照)。
【0037】
製造例13
化合物A 10mg及び2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン4000mgとの均一混合物を加圧成形(4t)して円盤状の固形物(直径3cm、厚さ3mm)を得た。この円盤状の固形物を、厚さ30μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(密度0.91g/cm3、5×10cmの大きさに切り取ったもの)を2つ折りしたものに挟み、3辺をヒートシールして本発明の衣料用防虫材を得た(図1参照)。
【0038】
製造例14
化合物A 10mg及び2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン2000mgとの均一混合物を加圧成形(4t)して円盤状の固形物(直径3cm、厚さ3mm)を得た。この円盤状の固形物を、厚さ30μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(密度0.91g/cm3、5×10cmの大きさに切り取ったもの)を2つ折りしたものに挟み、3辺をヒートシールして本発明の衣料用防虫材を得た(図1参照)。
【0039】
比較製造例1
化合物A 10mg及び2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン4000mgとの均一混合物を加圧成形(4t)して円盤状の固形物(直径3cm、厚さ3mm)である比較用の衣料用防虫材を得た。
【0040】
比較製造例2
化合物A 10mg及び2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン2000mgとの均一混合物を加圧成形(4t)して円盤状の固形物(直径3cm、厚さ3mm)である比較用の衣料用防虫材を得た。
【0041】
試験例1
衣装箱(縦725mm×横427mm×高さ158mm)内の二箇所に本発明の衣料用防虫材を置き、この衣装箱を25±2℃の室内に放置した。
本発明の衣料用防虫材を置いてから所定日数経過後にコイガの卵10〜15個を入れた綿繊維の布(厚さ0.2mm)でできた袋(大きさ4.5cm×4.5cm)を、本発明の衣料用防虫材のそばに1個ずつ置いて1週間放置した。その後、コイガ卵を入れた袋を開封し、生存数と死亡数とを数え、死虫率を求めた。
結果を表1に示す。
【0042】
【表1】


(表中の日数は本発明の衣料用防虫材を衣装箱内に置いてから、コイガ卵が入った袋を置くまでの経過日数を意味する。)
【0043】
試験例2
衣装箱(縦725mm×横427mm×高さ158mm)内の二箇所に本発明の衣料用防虫材を置き、この衣装箱を25±2℃の室内に放置した。
本発明の衣料用防虫材を置いてから所定日数経過後にコイガの卵10〜15個を入れた綿繊維の布(厚さ0.2mm)でできた袋(大きさ4.5cm×4.5cm)を、本発明の衣料用防虫材のそばに1個ずつ置いて1週間放置した。その後、コイガ卵を入れた袋を開封し、生存数と死亡数とを数え、死虫率を求めた。
結果を表2に示す。
【0044】
【表2】


(表中の日数は本発明の衣料用防虫材を衣装箱内に置いてから、コイガ卵が入った袋を置くまでの経過日数を意味する。)
【0045】
試験例3
衣装箱(縦725mm×横427mm×高さ158mm)内の二箇所に本発明の衣料用防虫材を置き、この衣装箱を25±2℃の室内に放置した。
本発明の衣料用防虫材を置いてから所定日数経過後にコイガの卵10〜15個を入れた綿繊維の布(厚さ0.2mm)でできた袋(大きさ4.5cm×4.5cm)を、本発明の衣料用防虫材のそばに1個ずつ置いて1週間放置した。その後、コイガ卵を入れた袋を開封し、生存数と死亡数とを数え、死虫率を求めた。
結果を表3に示す。
【0046】
【表3】


(表中の日数は本発明の衣料用防虫材を衣装箱内に置いてから、コイガ卵が入った袋を置くまでの経過日数を意味する。)
【0047】
試験例4
衣装箱(縦725mm×横427mm×高さ158mm)内の二箇所に本発明の衣料用防虫材を置き、この衣装箱を25±2℃の室内に放置した。
本発明の衣料用防虫材を置いてから所定日数経過後に、コイガの卵10〜15個と綿繊維の布(1×1cm)とを入れた綿繊維の布(厚さ0.2mm)でできた袋(大きさ4.5cm×4.5cm)を、本発明の衣料用防虫材のそばに1個ずつ置いて1週間放置した。その後、コイガ卵を入れた袋を開封し、生存数と死亡数とを数え、死虫率を求めた。 結果を表3に示す。
【0048】
【表4】


(表中の日数は本発明の衣料用防虫材を衣装箱内に置いてから、コイガ卵が入った袋を置くまでの経過日数を意味する。)
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の衣料用防虫材は、衣料害虫の防除、衣料を衣料害虫の食害から保護するために有用である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】式(1)で示される化合物を保持する2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン全体がポリエチレンフィルムで被われた本発明の衣料用防虫材の一態様の斜視図。
【図2】式(1)で示される化合物を保持する2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン全体がポリエチレンフィルムで被われた本発明の衣料用防虫材の一態様の断面図。
【図3】式(1)で示される化合物を保持する2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンが、式(1)で示される化合物非透過性の材質でできた開口部を有する容器に入れられ、該容器の開口部がポリエチレンで被われた本発明の衣料用防虫材の一態様の断面図。
【符号の説明】
【0051】
1・・・式(1)で示される化合物を保持する2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン
2・・・ポリエチレンフィルム
3・・・式(1)で示される化合物非透過性の材質でできた容器
【出願人】 【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
【住所又は居所】東京都中央区新川二丁目27番1号
【出願日】 平成16年3月9日(2004.3.9)
【代理人】 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆

【識別番号】100113000
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 亨

【識別番号】100119471
【弁理士】
【氏名又は名称】榎本 雅之

【公開番号】 特開2005−126407(P2005−126407A)
【公開日】 平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願番号】 特願2004−65223(P2004−65223)