| 【発明の名称】 |
住環境改善材料、及びそれを使用した建材、敷設材並びに散布剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】東坂 栄作
【氏名】西本 孝一
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| 【要約】 |
【課題】ヒノキチオールと担体としての多孔質粒子の有用性に着目して、両者を組み合わせた有用な住環境改善材料を提供するとともに、その住環境改善材料を用いた優れた建材等をも提供する。
【解決手段】人工セラミックス粒子11を主体としてなる住環境改善材料1を、人工セラミックス粒子11の細孔部11aに、ヒノキチオールを含有する液体12を保持させて構成し、この住環境改善材料1を種々の建材等に使用するようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 セラミックスを主成分とする多孔質粒子を主体としてなるものであって、前記多孔質粒子の細孔部に、ヒノキチオールを含有する液体を保持させてなることを特徴とする住環境改善材料。 【請求項2】 ヒノキチオールを含有する液体が、ヒバ油であることを特徴とする請求項1記載の住環境改善材料。 【請求項3】 前記多孔質粒子が、人工セラミックス粒子、ゼオライト、ハイドロキシアパタイト、又はセラミックスと有機高分子物質との複合粒子のうち何れかであることを特徴とする請求項1又は2記載の住環境改善材料。 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の住環境改善材料を使用した建材であって、主材料であるコンクリート組成中に、前記住環境改善材料を含有させてなる建築物の基礎部であることを特徴とする建材。 【請求項5】 請求項1、2又は3記載の住環境改善材料を使用した建材であって、主材料である非透水性のシート本体中に、前記住環境改善材料を含有させてなる防湿シートであることを特徴とする建材。 【請求項6】 請求項1、2又は3記載の住環境改善材料を使用した建材であって、当該住環境改善材料を主材料として形成してなる建築物の壁体であることを特徴とする建材。 【請求項7】 請求項1、2又は3記載の住環境改善材料を使用した建材であって、主材料である漆喰、シラス、珪藻土又はセメント等に、前記住環境改善材料を含有させてなり、建築物の壁体に貼り付けて施工される板状の壁パネルであることを特徴とする建材。 【請求項8】 主材料に、色土を混合させている請求項6又は7記載の建材。 【請求項9】 請求項1、2又は3記載の住環境改善材料を使用した建材であって、主材料である発泡性を有する建材本体に、前記住環境改善材料を保持又は含有させてなる建築物の壁、床、天井等に施工される発泡性建材であることを特徴とする建材。 【請求項10】 建材本体が、ロックウールやグラスウール等の無機繊維性建材からなる請求項9記載の建材。 【請求項11】 建材本体が、セルロースファイバー等の木質繊維性建材からなる請求項9記載の建材。 【請求項12】 建材本体が、ウレタン系、スチレン系、エチレン系、フェノール系、イソシアヌレート系等の樹脂性建材からなる請求項9記載の建材。 【請求項13】 請求項1、2又は3記載の住環境改善材料を使用した建材であって、主材料として畳床とその表面に掛けられる畳表とを少なくとも具備し、畳床中に、前記住環境改善材料を含有させてなる畳であることを特徴とする建材。 【請求項14】 畳床が、芯材及び該芯材の表面に重積されるボード材とを具備し、芯材又はボード材の少なくとも一方に前記住環境改善材料を含有させていることを特徴とする請求項13記載の建材。 【請求項15】 請求項1、2又は3記載の住環境改善材料を使用した建材であって、主材料として畳床とその表面に掛けられる畳表とを少なくとも具備し、畳表に、前記住環境改善材料を付着又は含有させてなる畳であることを特徴とする建材。 【請求項16】 主材料中に、ヒノキチオールを含有する木材粉末を更に混入させていることを特徴とする請求項4乃至15記載の建材。 【請求項17】 前記住環境改善材料を、当該建材又は主材料の重量に対して約3%の割合で含有させている請求項4乃至16記載の建材。 【請求項18】 請求項1、2又は3記載の住環境改善材料を使用し建築物の床下又はその周辺に敷設されるものであって、内外に通気可能な収容体の内部に、前記住環境改善材料を収容してなることを特徴とする敷設材。 【請求項19】 前記収容体の内部に、ヒノキチオールを含有する木材粉末を更に収容してなることを特徴とする請求項18記載の敷設材。 【請求項20】 請求項1、2又は3記載の住環境改善材料を組成中に含有し、建築物の基礎部、当該基礎部の周辺における土壌、建築物の床や壁等に散布又は混合し得るようにしたことを特徴とする散布剤。 【請求項21】 ヒノキチオールを含有する木材粉を更に組成中に含有してなることを特徴とする請求項20記載の散布剤。 【請求項22】 前記住環境改善材料を、組成中に約1〜20%含有していることを特徴とする請求項20又は21記載の散布剤。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、多孔質微粒子からなるマイクロカプセルを主体とした住環境改善材料及びそれを用いた建材、敷設材並びに散布剤に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 従前より、建築物におけるシロアリ被害が大きな問題となっている。シロアリは、一般に湿潤な木材を好んで食べることがよく知られているが、木材の他にも布や紙はもちろん、コンクリート、土、ゴム、ビニール素材等も食害又は案孔する極めて雑食性の高い害虫であることが知られてきている。このようなシロアリ被害は、日本国内外を問わず、また湿潤か乾燥しているかの気候も問わず、世界中で深刻化している。シロアリ対策としては、これまで合成化学薬剤や天然薬剤等を床下や基礎コンクリート等のシロアリが巣を作りそうな箇所に散布したり塗布する方法が採用されてきてはいるが、このような方法ではシロアリに対する駆除効果が長続きせず、所定期間を空けて何度も薬剤処理する必要があって手間やコストが多大であるという問題があり、また薬剤の中には人体やペット、家畜等に有害で使用に注意を要する有機化合物が含まれていることもあり、それによる健康被害も報じられている。また、特に湿気がこもりがちな床下は、シロアリ以外にもダニ等の害虫やカビ等の雑菌が繁殖しやすい場所でもあるため、建築物そのものが朽ちたり、その建築物に居住する者に健康被害を及ぼしたりするという問題も指摘されている。 【0003】 また、気密性の高い今日の建築物では、その気密性の高さ故に居室内に湿気がこもりがちになりカビやダニが繁殖しやすくなっているだけでなく、いわゆる新建材に使用されているホルムアルデヒド等の揮発性有機化学物質(VOC)が原因で起こるといわれているシックハウス症候群による居住者の健康被害も大きな問題となっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 ところで、青森ヒバや台湾ヒノキに代表される木材を使用した建築物ではシロアリやダニ等の害虫や、カビ等の雑菌が繁殖しにくいと言われている。そして、このような木材に含まれるヒノキチオール成分が防虫・抗菌効果のみならず、VOCを除去(中和)する効果があることが分かってきている。そこで、ヒノキチオールの精油又はそれを希釈した液剤を直接、建築物の柱や床、基礎部分、壁体等に散布したり塗布するなどすることによって、防シロアリ・防ダニ・抗菌効果を得たり、シックハウス対策としようとする方法が各種考えられている。しかしながらこのような方法では、一旦、液剤散布などの処理を施した後、ヒノキチオール成分が揮発してしまうと所期の効果が薄れてしまい、その後繰り返して何度も処理を行わなければならないという不具合がある。特に床下には、建築物の施工前には処理を行いやすいが、建築物が完成してしまうと液剤の散布等を行うのが極めて煩雑となる問題がある。また、液剤は一般に、タンク等に入れて保存・運搬する必要があって、取り扱いが不便である。 【0005】 このような状況から、人体や動物、環境に対して害を及ぼさないヒノキチオールを有効に利用し、且つそのヒノキチオールの奏する諸々の効果を長期間に亘って持続的に発揮できるようにすることで、住環境を良好に改善することができる材料が望まれている。 【0006】 本発明は、以上の問題を一挙に解決するべく、ヒノキチオールの担体として多孔質粒子に着目してなされたものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】 すなわち、本発明の住環境改善材料は、セラミックスを主成分とする多孔質粒子を主体としてなるものであって、前記多孔質粒子の細孔部に、ヒノキチオールを含有する液体を保持させてなることを特徴とするものである。 【0008】 前記多孔質粒子は、その細孔部に水溶性物質又は油溶性物質の如何を問わず種々の物質を吸着する性質を有している。このような多孔質粒子の担体としての作用に着目して、細孔部にヒノキチオールを含有する液体を保持させることで、その吸着されたヒノキチオールが細孔部から徐々に揮発すると、特にシロアリに対する忌避効果をはじめとしてヒノキチオールの抗菌性、防虫性、VOC除去性、リラクゼーション性等の各種の住環境を改善し得る効果が長期間に亘って得られるようになる。ここで、ヒノキチオールとしては、青森ヒバや台湾ヒノキ等の木材から抽出した液剤や、化学合成したヒノキチオールの溶液等を適用することができる。 【0009】 なお、より簡単にヒノキチオールによる効果を得るには、多孔質粒子の細孔部に、ヒバ油を保持させるようにすることもできる。このようにすれば、ヒバ油中にはヒノキチオールが多量に含まれているので、ヒノキチオールによる抗菌、防カビ、防虫、VOC除去、リラクゼーション等の上述の諸効果を得られる上に、ヒバ油からのヒノキチオール抽出工程をなくすことができるので、この住環境改善材料の製造に係るコストや時間を削減することができる。また、天然素材であるヒバ油を用いれば、この住環境改善材料を使用した住宅に居住する者(オフィスなどでは働く者)にとっても、安心して使用することができる。 【0010】 ここで、多孔質粒子の具体例としては、例えば、人工セラミックス粒子、ゼオライト、ハイドロキシアパタイト、又はセラミックスと有機高分子物質の複合粒子が挙げられる。これらのうち何れかであれば好適に使用でき、1種類からなるものに限らず、2種類以上を混合したものであっても勿論かまわない。 【0011】 以上のような住環境改善材料を使用した建材としては、主材料であるコンクリート組成中に住環境改善材料を含有させてなる建築物の基礎部、主材料である非透水性のシート本体中に住環境改善材料を含有させてなる防湿シート、当該住環境改善材料を主材料として形成してなる建築物の壁体、主材料である漆喰等に住環境改善材料を含有させ建築物の壁体に貼り付けて施工される板状の壁パネル、主材料である発泡性を有する建材本体に住環境改善材料を保持又は含有させてなる建築物の壁や床や天井等に施工される発泡性建材、主材料として畳床とその表面に掛けられる畳表とを少なくとも具備し該畳床中に住環境改善材料を含有させてなる畳等が挙げられる。 【0012】 また、本発明の住環境改善材料を使用した敷設材としては、建築物の床下又はその周辺に敷設される敷設材であって、内外に通気可能な収容体の内部に、前記住環境改善材料を収容したものが挙げられる。 【0013】 さらに、住環境改善材料を使用した散布剤としては、住環境改善材料を組成中に含有し、建築物の基礎部、当該基礎部の周辺における土壌、建築物の床や壁等に散布又は混合し得るようにしたものが挙げられる。 【0014】 このような各種建材や敷設材、散布剤において、ヒノキチオールに基づく効果をさらに持続的に奏し得るようにするには、ヒノキチオールを含有する木材粉末を住環境改善材料と併用することが好ましい。また、住環境改善材料の割合は、建材の場合は約3%、散布剤の場合は約1〜20%とすることが望ましいが、必ずしもこれに限られるものではなく、費用対効果を考慮してそれ以上又は以下の適宜の割合で含有させるようにするとよい。 【0015】 【発明の実施の形態】 以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。 【0016】 図1は、本実施形態における住環境改善材料1の模式的な断面図である。この住環境改善材料1は、多孔質粒子として高純度のセラミックスを主成分とする人工セラミックス粒子11を使用したものであり、その細孔部11aにヒバ油12を含有させたものである。同図に示すように人工セラミックス粒子11の一粒ずつについては、平均粒径約7マイクロメートルの大きさであり、無数の微細孔である細孔部11aを備えた超多孔質の微粒子である。 【0017】 この住環境改善材料1は、例えば所定量の人工セラミックス粒子11をヒバ油12を溜めた容器内に投入し、細孔部11aにヒバ油12が吸着された後にそのヒバ油12が蒸発してしまわない程度に乾燥することで製造される。ヒバ油12は、青森ヒバや台湾ヒノキの木片や樹皮、枝葉等を細かく粉砕したものに高温高圧の蒸気を当てて生じた液体のうち、ヒノキチオールを多量に含む油溶成分である。 【0018】 ここで、この住環境改善材料1の防シロアリ効果試験及びその結果について、図2及び図3を用いて説明する。この試験は、(社)日本木材保存協会規格第13号(1992)「土壌処理用防蟻剤の防蟻効力試験方法及び性能基準(1)の室内試験方法」に準拠するものである。以下、試験方法について簡単に説明する。図2に示すように、2本のガラス製枝付き試験管TT1、TT2をその枝部同士を対向配置し、それら枝部同士に両端を開口させたガラス管GTを挿入する。このガラス管GTには試料Xが入れられており、その試料についてガラス管の長手方向に一方(図示例では右側)から順に約1cmごとの等間隔で0〜5の目盛りが振られている。また、一方(図示例では右側)の試験管TT1には、無処理土壌Yと共に所定数のシロアリ(図示省略)が入れられており、他方(同左側)の試験管TT2には、シロアリの食餌となるアカマツの砕片Zが入れられている。両試験管の上端部は、穴を開けたアルミ箔TTaを被せている。すなわち、この試験は、所定温度下で所定時間経過後に、シロアリが試験管TT1からアカマツ砕片Zを食べるために、試料X中をどの目盛りまで進むことができるかを調べるものである。 【0019】 ここで、本試験では試料XとしてA〜Gの7つの試験区分を設定し、各試験区分について3回の試験を行っている。図3(a)に、各試験区分における試料Xの内容を示す。なお、以下に述べる「含ホウ酸カルシウム粉」とは、ホウ酸カルシウムを含有する鉱物を粉砕した砂である。具体的には各試料Xをガラス管GT内に、試験区分Aでは住環境改善材料1が100%、試験区分Bでは住環境改善材料1が40%及び含ホウ酸カルシウム粉が60%、試験区分Cでは住環境改善材料1が20%及び含ホウ酸カルシウム粉が80%、試験区分Dでは含ホウ酸カルシウム粉が100%、試験区分Eでは住環境改善材料1が20%及び砂壌土が80%、試験区分Fでは砂壌土が100%となるように、それぞれ均一に入れている。また、試験区分Gでは、目盛り3と4の間にのみ住環境改善材料1を入れ、目盛り0〜3まで及び4〜5までの間には砂壌土を入れている。 【0020】 この試験結果を図3(b)に示す。同図における数値は穿孔度を示しており、この値が小さいほど、防シロアリ効果が高いことが表される。すなわち、試料X中の住環境改善材料1が100%である試験区分Aでは、極めて高い防シロアリ効果が得られた。また、試料X中の住環境改善材料1が40%及び20%の試験区分B、C、Eでも、住環境改善材料1と混合されるのが含ホウ酸カルシウム粉であるか砂壌土であるかを問わず、高い防シロアリ効果が得られた。但し、住環境改善材料1には砂壌土よりも含ホウ酸カルシウム粉を混合した方が防シロアリ効果は高かった。また、含ホウ酸カルシウム粉単独又は砂壌土単独の試料を用いた試験区分D、Fにおける防シロアリ効果は低い若しくは殆どないといえる。更に、試験区分Gにおける防シロアリ効果が低いことから、砂壌土に対して住環境改善材料1を一部分に配置するよりも砂壌土と住環境改善材料1とを均一に混合(試験区分E)する方が、高い防シロアリ効果が得られることが分かった。 【0021】 以上のことから、この住環境改善材料1は、適度な割合で他の材料と混合すれば、良好な防シロアリ効果を奏することが判明した。 【0022】 以下、このような住環境改善材料1の適用例について説明する。 【0023】 まず、図4に示す第1の適用例は、土壌S中に敷設された栗石層Aの上に防湿シートWRSを介して施工される建築物の基礎部B(コンクリート基礎)やその周辺の土壌Sに散布するための散布剤10である。この散布剤10は、図5に概略的に示すように、前記住環境改善材料1と、青森ヒバ等の木材チップ2とを基材である水に混ぜて噴霧器Pから噴霧するようにした液剤である。木材チップ2は、ヒノキチオールを多量に含有する青森ヒバ等(他には台湾ヒノキ等)の樹皮や枝葉等を数ミリメートル程度の大きさに粉砕したものである。住環境改善材料1や木材チップ2は極めて微少なものであるため、同図ではそれらを誇張して示している。そして、この適用例では、住環境改善材料1、木材チップ2をそれぞれ散布剤10の全重量に対して約3%の割合で配合している。なお、この配合割合は3%に限らず適宜変更が可能である。特に、住環境改善塗料1及び木材チップ2は固体であるので、保存や運搬が容易であり、散布剤10の散布現場で水と混合すればすぐに使用できるため、取り扱いの便に優れている。 【0024】 また、図4に示すように、建築物の基礎コンクリート部Bを打設する前に、まず、基礎コンクリート部Bの下敷きとなり得る箇所の土壌Sを梳き取り、その基礎コンクリート部Bの下敷きとなる土壌Sの上面に所定量の栗石aを敷き詰めて栗石層Aを形成する際、栗石層Aのほぼ上面の高さ位置までシロアリ防除剤100を流し込み、その上方から圧力をかけてシロアリ防除剤100の層を作る。その後、シロアリ防除剤100の層の上に防湿シートWRSを介して基礎コンクリート部Bを打設する。このように極めて簡単な作業によってシロアリ防除剤100を所定箇所の土壌S中に混入することができる。このシロアリ防除剤100は、上記試験結果に鑑みて、2重量部の住環境改善材料1と8重量部砂壌土の粉末とを混合したものである。この割合は、上述したように極めて高いシロアリ忌避効果が得られた試験区分に該当するものである。なお、栗石層Aの下あるいは上に約1cm程度の厚さでシロアリ防除剤100の層を設けるようにしてもよい。 また、前記シロアリ防除剤100の代わりに、住環境改善材料1と砂壌土とセメント粉末とを所定割合で水に混ぜて、栗石層Aの上に薄く流し込み、基礎部Bのベースとすることによっても十分なシロアリ対策とすることができる。 【0025】 このような散布剤10やシロアリ防除剤100を建築物の基礎部Bやその周辺の土壌Sに散布すると、まず、住環境改善材料1の人工セラミックス粒子11における細孔部11aからヒバ油12が揮発して、そのヒバ油12に含まれるヒノキチオールの作用によって土壌S中や基礎部B及びその周辺において防シロアリ作用等が奏され、建築初期段階から中長期に亘って継続的にシロアリ被害を予防することができる。さらに、木材チップ3からはごく少量ずつのヒノキチオールが放出されるため、即効性には劣るものの、殆ど全ての住環境改善材料1からヒバ油12が放出され終えてその効果が薄れた後でもヒノキチオールを放出し続けるので、さらに長期に亘ってシロアリ忌避効果等が得られることになる。なお、放出されたヒノキチオールによって得られる効果は防シロアリ効果だけではなく、ダニその他の害虫に対する防虫効果や、カビや細菌等に対する除菌・抗菌効果、さらには建築物に使用された合成樹脂接着剤や新建材等から発散するホルムアルデヒド等のシックハウス症候群の原因となるVOCに対する除去効果も含まれるのは勿論である。さらに、ヒバ油12を放出中あるいは放出後の人工セラミックス粒子11は、その細孔部11aにおいて、VOCの吸着効果、臭いの原因物質を吸着する防臭効果、調湿効果等も得ることができる。また、建築物が完成した後、一定時間の経過後に散布剤10を土壌Sや基礎部Bに散布することによっても、シロアリ駆除効果を含む各種効果が高い効率で奏されることになる。なお、土壌Sには散布剤10を上方から散布するだけでなく、土壌S中に散布剤10を混ぜ合わせるようにしてもよい。 【0026】 また、散布剤10の基材としては、水以外にも青森ヒバ等の抽出液(例えば水溶成分や油用成分)を用いると、上記の効果がより一層高まることになる。また、散布剤10の基材中には、住環境改善材料1のみを含有させてもよい。 【0027】 次に、図6〜図8に示す住環境改善材料1の第2適用例は、建築物の床下Fsやその周辺の土壌Sに載置又は埋設するようにした敷設材20である。なお、床下空間Fsや基礎部Bの外側に配置される敷設材20の数、間隔、土壌S中に埋設する深さなどは、建築物の広さや予算、その他の要因によって任意に決めることができる。さらに、建築物の完成後であっても可能であれば、床下空間Fsや土壌S中に敷設材20を配設するようにしてもよい。個々の敷設材20は、図8に模式的に示すように、袋状をなす収容体21と、この収容体21の内部に収容される住環境改善材料1及び木材チップ2とから構成される。収容体21は、例えば麻袋や不織布からなる袋など、通気性を有する素材からなるものであって、これら以外にも土嚢用袋等として通常使用されるものなど、種々のものを適用することができる。住環境改善材料1や木材チップ2は、前記第1適用例のものと同様のものである。この他にも、収容体21には土やおがくず等を共に収容しておいてもよい。なお、収容体21には、住環境改善材料1のみを収容させておいても構わない。 【0028】 そして、このような敷設材20を図6及び図7に示すように、建築物の基礎部B、床F及び土壌Sとの間に形成される床下空間Fsに載置したり、建築物外における基礎部Bの周辺の土壌Sに埋設するなどすることで、住環境改善材料1から放出されるヒバ油12中のヒノキチオールの作用によって、短期的及び中長期的な防シロアリ効果、防カビ効果等が得られることになる。さらにより長期的には、前記第1適用例と同様に、木材チップ2から放出されるヒノキチオールによる効果が得られる。また、ヒバ油12を放出中あるいは放出後の人工セラミックス粒子11によって、VOCの吸着効果、防臭効果、調湿効果等が得られることも、第1適用例と同様である。したがって、第1適用例の散布剤10と第2適用例の敷設材20の両方を同時に実施するようにしてもよいのは勿論である。 【0029】 また、図9及び図10に示す住環境改善材料1の第3適用例は、建材本体としてロックウール31を適用した発泡性建材30である。図9は、発泡性建材30を吹き付け施工した建築物の壁を一部破断して示すものである。この壁は防耐火性能を向上させたもので、外壁材として防火サイディング300を配設し、その内側に耐水合板310を設け、さらにその内側に耐水シート320を張り、この耐水シート320の内側に立てた柱330同士の間に前記発泡性建材30を施工し、室内側に内装材として石膏ボード340を配設している。なお同図において発泡性建材30には網掛けを附して示している。図10は、吹き付け施工された発泡性建材30の一部を拡大して模式的に示したものである。この発泡性建材30は、鉱物を原料として繊維状にして形成した発泡性を有する建材本体たるロックウール31の互いに絡み合った繊維表面に、上述した各適用例で用いたのと同様の多数の住環境改善材料1及び多数の木材チップ2が付着した状態で保持されている。このような構成の発泡性建材30は、住環境改善材料1と木材チップ2とをロックウール31と共に適宜の発泡機内に混合したうえで、噴射することで施工することができる。あるいは、住環境改善材料1等を混合済のロックウール31を発泡機で発泡させた後で施工箇所に流し込むようにしてもよい。なお、住環境改善材料1、木材チップ2の発泡性建材30に対する割合は、それぞれ約3%とすることが好ましいが、必ずしもこの限りではない。また、ロックウール31には住環境改善材料1のみを付着させてもよい。更に、建材本体としてロックウールの代わりに、グラスウールやセルロースファイバー等の無機・木質繊維性建材を用いることができるのは勿論のこと、その他にもポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォームやフェノール系、イソシアヌレート系等の樹脂性建材を適用することができる。 【0030】 このような発泡性建材30によれば、防音断熱材としての基本性能を有していることはいうまでもなく、ロックウール31に保持された住環境改善材料1からヒバ油12が放出されると、ヒバ油12中のヒノキチオールによって、新建材や合成樹脂接着剤から発するホルムアルデヒド等のシックハウス症候群の原因物質であるVOCを有効に除去できるとともに、壁や室内に繁殖するダニやシロアリ、カビ等の雑菌の繁殖を防止又は抑制することが可能である。また、住環境改善材料1を構成する人工セラミックス粒子11や木材チップ2によっては壁内での調湿作用が得られるうえに、木材チップ2からもさらに長期に亘ってヒノキチオールが放出されるために、住環境改善材料1の効果と相まって、建築物の防虫、抗菌効果及びシックハウス症候群による人体の健康被害防止を、極めて長期間維持することが可能である。また、ヒノキチオールの芳香による居住者へのリラクゼーション効果も有効に得られる。 【0031】 さらにまた、図11に示す住環境改善材料1の第4適用例は、建築物の壁体Wにおける屋内側や屋外側に貼り付けて内装壁や外装壁として施工・使用される壁パネル40である。この壁パネル40は、図12に部分的に拡大した断面を示すように、漆喰41を主たる原材料として構成され、その漆喰41中に、前述の各適用例と同様の住環境改善材料1及び木材チップ2とを含有させたものである。 これら住環境改善材料1、木材チップ2の漆喰41に対する割合は、それぞれ約3%とすることが好ましいが、必ずしもこの限りではない。また、漆喰41には住環境改善材料1のみを含有させてもよい。更に、壁パネル40に漆喰41そのもの以外の色を付ける場合には、漆喰41に色土を配合するとよい。 【0032】 この壁パネル40は、漆喰の塗装に要する高度な技術を回避し、施工の手間や製造のコストダウンを図るため、所定のサイズに規格化した板状をなすものである。具体的には壁パネル40の上縁及び下縁に沿ってそれぞれ段部42、43を形成し、上側に配置される壁パネル40の下縁側の段部43と下側に配置される壁パネル40の上縁側の段部42とを相互に係り合わせることによって容易に位置決めができるようにしており、さらに各壁パネル40を前記段部42、43に係合させるようにした取付金具BRを介して壁体Wの起立面に整列させて簡単に取り付けられるようにしている。 【0033】 このような壁パネル40であると、漆喰41本来の調湿作用と、住環境改善材料1を構成する人工セラミックス粒子11や木材チップ2の調湿作用とが相俟って、屋内の調湿作用を極めて良好に行うことができる。また、住環境改善材料1からヒバ油12が放出されると、ヒバ油12中のヒノキチオールによって、VOCを有効に除去できるとともに、壁体Wや室内に繁殖するダニやシロアリ、カビ等の雑菌の繁殖を建築初期段階から建築後長期間に亘って防止又は抑制することも可能である。さらに、ヒノキチオールの芳香による居住者へのリラクゼーション効果も有効に得られる。なお、壁パネル40の主材料は漆喰41に限らず、シラス、セメント土、あるいはヒバ油12を含有しない人工セラミックス粒子11等の一般的に壁体に適用される材料を使用することもできる。 【0034】 また、図13に示す住環境改善材料1の第5適用例は、建築物の床に敷設される畳50である。この畳は、同図及び図14に示すように、畳床51と、畳床51の表裏両面側に配設される表裏一対の畳表52と、畳床51及び畳表52の間に配設される不織布からなるシート材53とを備えてなるものである。これらに加えて縁(へり)が設けられる場合もある。畳床2は、ポリウレタンフォームやポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム等の硬質発泡性合成樹脂素材からなる芯材511と、その芯材511の表裏両面側を覆う位置に配置される木材の小片(削片や破片等)を圧縮成型などして形成したいわゆるパーティクルボードからなる一対のボード材512とによって構成している。そして、図14に示すように、芯材511を構成する主材料である合成樹脂素材中に、前述の各適用例と同様の住環境改善材料1をその成型前に多数混入している。更に、ボード材512には、木材チップ2を混入している。これら住環境改善材料1の合成樹脂素材の重量に対する割合、木材チップ2のボード材512に対する割合は、それぞれ約3%としているが必ずしもこの限りではない。また、芯材511には住環境改善材料1のみを混入したり、それと木材チップ2を併用して混入してもよい。また、図示していないが、畳表52やシート材53にも住環境改善材料1、木材チップ2等を付着又は混在させておくこともできる。 【0035】 このような畳50によれば、畳床51の素材中に含有させた住環境改善材料1や木材チップ2から時間経過とともに連続的に放出されるヒバ油12に含まれるヒノキチオールの作用によって、連続的に新建材や合成樹脂製接着剤等から放出されるVOCが除去されてシックハウス症候群の発生を施工当初から長期に亘って抑制することができ、さらには畳50自体や、壁、床、あるいは室内におけるダニやシロアリ、あるいはカビ等の雑菌類の繁殖を抑制することができる。また、住環境改善材料1を構成する人工セラミックス粒子11や木材チップ2が奏する調湿作用によって、調湿性能の高い畳50を構成することもできる。その他、畳50から室内に放出されることになるヒノキチオールによって、居住者がリラックス効果を享受することもできるようになる。 【0036】 なお、本発明の住環境改善材料1は、ヒバ油12等のヒノキチオールを含有する液体の保持担体として機能する多孔質粒子として、ゼオライト(図示省略)やハイドロキシアパタイト(図示省略)、又は図15に模式的な断面図で示すように、平均粒径約10マイクロメートル〜数十マイクロメートルの大きさを有する人工セラミックス粒子61と有機高分子物質62(例えばポリエチレン)との複合粒子60(例えばシリカ被覆ポリエチレン粒子)を主体としたものを適用してもよい。ゼオライトは、シリカ(約70%)及びアルミナ(約10%)を主成分として、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物及び鉄酸化物等を含んだ含水ケイ酸塩鉱物であり、無数の微細孔である細孔部を有する。また、その粒径が約0、2mm〜0、6mmであり、表面積が前記人工セラミックス粒子11よりも大きいため、一粒あたりの細孔部に吸着されるヒバ油12の量も増加する。 その結果、ゼオライトと上記実施形態におけるヒバ油12とを例えば10:1の割合で単純に混合するだけで、防シロアリ・防虫・抗菌機能等を発揮する十分な量であるヒノキチオールを含んだヒバ油12を細孔部に吸収することができる。 さらに、ゼオライトには人工的に合成した合成ゼオライトと天然鉱物を破砕した粉体である天然ゼオライトとがあり、特に天然ゼオライトを使用する場合には安価に入手することができるので使用者にとって利用しやすいものとなる。また、複合粒子60は人工セラミックス粒子61の周囲を有機高分子物質62で取り巻いた構成を有しており、温度が上昇すると有機高分子物質62が膨張し、温度が低下すると有機高分子物質62が収縮するため、それに対応して細孔部61aが閉塞又は露出するという特性がある。その結果、ヒノキチオールを含んだヒバ油12が中長期に亘って複合粒子60に保持され又は放出されることになり、ヒノキチオールに基づく防シロアリ効果が有効に発揮される。なお、これらの多孔質粒子を2種類以上混合したものであっても好適に使用することができる。 【0037】 また、本発明の住環境改善材料1は、上述の適用例に限らない。例えば、図4に示した建築物の基礎部Bの主材料であるセメントやモルタル等のコンクリート素材中に住環境改善材料1を混入したり、同じく図4に示した防水シートWRSの主材料である強化ビニル素材等からなる非透水性シートに住環境改善材料1を含有させても、高い対シロアリ性能を発揮することができる。さらに壁体そのものの塗装に際して、住環境改善材料1を主材料として塗り壁施工を行ってもよいし、漆喰の塗り壁に住環境改善材料1を混入することもできる。また、これらに例や上記各適用例において、ヒバ油を含有しない珪藻土と住環境改善材料とを併用してもよいし、各適用例を同時に用いてもよい。 【0038】 また、本実施形態の住環境改善材料1を、建築塗装用の樹脂塗料に含有させることもできる。このような塗料は、例えば建築物の基礎コンクリートの表面や基礎コンクリートから立ち上がる柱等の木部の表面への塗装、室内壁のクロス張りの下地処理剤としての塗装に利用することができる。住環境改善材料1の塗料中における含量は、基礎コンクリートや木部へ塗装する場合には約20%以上、クロスの下地処理の場合には約1%程度とすることが好ましいが、費用対効果を考慮して適宜変更することもできる。 【0039】 その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。 【0040】 【発明の効果】 本発明は、以上に詳述したように、セラミックス粒子を主成分とする多孔質粒子を担体としてその細孔部にヒバ油やヒノキチオールを含有する液体を保持させた新規な住環境改善材料である。したがって、このような住環境改善材料を各種建材や散布剤、敷設材などに適用することで、前記多孔質粒子が有する不燃性、断熱性、結露防止機能、調湿機能、呼吸性、消臭機能、防水機能、空気浄化機能に加えて、ヒノキチオールが有するシロアリやダニ等に対する防虫機能、カビ等の雑菌に対する抗菌機能、シックハウスの原因となるVOCの除去機能、芳香によるリラクゼーション機能などの機能が相乗的に発揮される建築物を提供することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施形態である住環境改善材料を示す断面図。 【図2】同実施形態の住環境改善材料の防シロアリ効果試験方法を示す説明図。 【図3】同防シロアリ効果試験の内容及び結果を示す説明図。 【図4】同実施形態の第1適用例を示す概略的な断面図。 【図5】同適用例の散布剤を示す概略図。 【図6】同実施形態の第2適用例を示す概略的な斜視図。 【図7】同適用例を示す概略的な断面図。 【図8】同適用例の敷設材を示す概略的な断面図。 【図9】同実施形態の第3適用例を示す概略的な斜視図。 【図10】同適用例の発泡性建材を示す概略的な断面図。 【図11】同実施形態の第4適用例を示す概略的な斜視図。 【図12】同適用例の壁パネルを示す部分的な概略断面図。 【図13】同実施形態の第5適用例を示す概略的な斜視図。 【図14】同適用例の畳を示す概略的な断面図。 【図15】本発明の他の実施例である住環境改善材料を示す断面図。 【符号の説明】 1…住環境改善材料 2…木材チップ 10…散布剤 11…人工セラミックス粒子 11a…細孔部 12…ヒバ油 20…敷設材 30…建材(発泡性建材) 40…建材(壁パネル) 50…畳(建材) 100…シロアリ防除剤 B…建材(基礎部) S…土壌 WRS…建材(防湿シート)
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| 【出願人】 |
【識別番号】598027238 【氏名又は名称】株式会社トピックス
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| 【出願日】 |
平成13年10月17日(2001.10.17) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085338 【弁理士】 【氏名又は名称】赤澤 一博
【識別番号】100111349 【弁理士】 【氏名又は名称】久留 徹
【識別番号】100118245 【弁理士】 【氏名又は名称】井上 敬子
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| 【公開番号】 |
特開2005−29472(P2005−29472A) |
| 【公開日】 |
平成17年2月3日(2005.2.3) |
| 【出願番号】 |
特願2001−320021(P2001−320021) |
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