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【発明の名称】 糸状菌による植物病害の防除剤及び防除方法
【発明者】 【氏名】阪口 裕史
【住所又は居所】兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化学工業株式会社内

【氏名】松永 礼
【住所又は居所】兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化学工業株式会社内

【氏名】中島 寛樹
【住所又は居所】兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化学工業株式会社内

【要約】 【課題】糸状菌による植物病害に防除効果を有する防除剤および防除方法を提供すること。

【解決手段】式(1)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)


〔式中、
及びXは、各々が独立して酸素原子又は硫黄原子を表し、
nは0〜3の整数のいずれかを表し、
はハロゲン原子、C1−C4(ハロ)アルキル基、C2−C4アルケニル基、C2−C4アルキニル基、ニトロ基又はシアノ基を表す。なお、nが2または3である場合、Rは各々が同一または相異なる基を表す。〕
で示される化合物を有効成分として含有することを特徴とする糸状菌による植物病害の防除剤。
【請求項2】
請求項1記載の糸状菌による植物病害の防除剤の有効量を植物又は土壌に処理することを特徴とする糸状菌による植物病害の防除方法。
【請求項3】
前記式(1)において、nが1〜3の整数のいずれかを表す化合物を有効成分として含有することを特徴とする糸状菌による植物病害の防除剤。
【請求項4】
請求項3記載の糸状菌による植物病害の防除剤の有効量を植物又は土壌に処理することを特徴とする糸状菌による植物病害の防除方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、糸状菌による植物病害の防除剤及び糸状菌による植物病害の防除方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シャーレ上においてバクテリア及び酵母に対する抗菌活性が示される化合物として、例えば下記式(A)


で示される化合物が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
【非特許文献1】
ファルマツィエ、1988年、43巻、12号、877−878頁(Pharmazie,43(12),p.877−878(1988)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、糸状菌による植物病害の防除のために優れた効力を有する防除剤及びその防除剤を用いることを特徴とする糸状菌による植物病害の防除方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、糸状菌による植物病害の防除のために優れた効力を有する防除剤を見出すべく鋭意検討した結果、下記式(1)で示される化合物を有効成分とする糸状菌による植物病害の防除剤が、優れた効力を有することを見出し、本発明を完成した。
【0006】
即ち、本発明は式(1)


〔式中、
及びXは、各々が独立して酸素原子又は硫黄原子を表し、
nは0〜3の整数のいずれかを表し、
はハロゲン原子、C1−C4(ハロ)アルキル基、C2−C4アルケニル基、C2−C4アルキニル基、ニトロ基又はシアノ基を表す。なお、nが2または3である場合、Rは各々が同一または相異なる基を表す。〕
で示される化合物(以下、本化合物と表す。)を有効成分として含有することを特徴とする糸状菌による植物病害の防除剤及びその防除剤の有効量を用いることを特徴とする糸状菌による植物病害の防除方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の糸状菌における植物病害の防除剤の有効成分である本化合物において、Rで示される
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、
C1−C4(ハロ)アルキル基としては、例えばメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられ、
C2−C4アルケニル基としては、ビニル基、1−メチルビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−プロペニル基、2−ブテニル基及び3−ブテニル基が挙げられ、
C2−C4アルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−ブチニル基及び3−ブチニル基が挙げられる。
【0008】
式(1)で示される本化合物は、例えば下記の参考製造法により製造することができる。
【0009】
(参考製造法)
式(1)で示される本化合物は、式(2)で示される化合物と式(3)で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。


〔式中、X、X、n及びRは前記と同じ意味を表す。〕
該反応は通常溶媒の存在下、有機酸無水物の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては例えば酢酸、プロピオン酸等の有機酸があげられる。
反応に用いられる有機酸無水物としては、例えば無水酢酸、プロピオン酸無水物が挙げられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(2)で示される化合物1モルに対して、有機酸無水物が通常1モル〜過剰量の割合であり、式(3)で示される化合物が通常1〜5モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常50〜200℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、室温付近まで放冷した反応混合物に例えばトルエン、ヘキサン等を加えた後、濾過する等の後処理操作を行うことにより、式(1)で示される化合物を単離することができる。単離された式(1)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0010】
本発明の糸状菌による植物病害の防除剤の有効成分として用いられる本化合物の態様としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
式(1)において、Xが酸素原子であり、Xが酸素原子である化合物;
式(1)において、Xが硫黄原子であり、Xが酸素原子である化合物;
式(1)において、Xが硫黄原子であり、Xが硫黄原子である化合物;
式(1)において、Xが酸素原子であり、Xが硫黄原子である化合物;
式(1)において、nが1であり、RがC1−C4(ハロ)アルキル基である化合物;
式(1)において、nが1であり、Rがハロゲン原子である化合物;
式(1)において、nが1であり、Rがニトロ基である化合物;
式(1)において、nが1であり、Rが4位に置換した化合物;
式(1)において、nが1であり、Rが5位に置換した化合物。
【0011】
本発明の糸状菌による植物病害の防除剤により防除することができる糸状菌による植物病害としては例えば以下に示される病害が挙げられる。
イネのいもち病(Pyricularia oryzae)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、紋枯病(Rhizoctonia solani)、ムギ類のうどんこ病(Erysiphe graminis)、赤かび病(Fusarium culmorum, Fusarium avenaceum, Fusarium nivale, Gibberella zeae, Gibberella fujikuroi)、さび病(Puccinia striiformis, P. graminis, P. recondita, P. hordei)、雪腐病(Typhula sp.,Micronectriella nivalis)、裸黒穂病(Ustilago tritici, U. nuda)、なまぐさ黒穂病(Tilletia caries)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病(Leptosphaeria nodorum)、カンキツ類の黒点病(Diaporthe citri)、そうか病(Elsinoe fawcetti)、果実腐敗病(Penicillium digitatum, P. italicum)、リンゴのモニリア病(Sclerotinia mali)、腐らん病 (Valsa mali)、うどんこ病(Podosphaera leucotricha)、斑点落葉病(Alternaria mali)、黒星病(Venturia inaequalis)、ナシの黒星病(Venturia nashicola, V. pirina)、黒斑病(Alternaria kikuchiana)、赤星病(Gymnosporangium haraeanum)、モモの灰星病(Sclerotinia cinerea)、黒星病(Cladosporium carpophilum)、フォモプシス腐敗病(Phomopsis sp.)、ブドウの黒とう病(Elsinoe ampelina)、晩腐病(Glomerella cingulata)、うどんこ病(Uncinula necator)、さび病(Phakopsora ampelopsidis)、ブラックロット病(Guignardia bidwellii)、べと病(Plasmopara viticola)、カキの炭そ病(Gloeosporium kaki)、落葉病(Cercospora kaki, Mycosphaerella nawae)、ウリ類の炭そ病(Colletotrichum lagenarium)、うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、つる枯病 (Mycosphaerella melonis)、つる割病(Fusarium oxysporum)、べと病(Pseudoperonospora cubensis)、疫病(Phytophthora sp.)、苗立枯病(Pythium sp.)、トマトの輪紋病(Alternaria solani)、葉かび病(Cladosporium fulvum)、疫病(Phytophthora infestans)、萎凋病(Fusarium oxysporum)、ナスの褐紋病(Phomopsis vexans)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、半枯病(Fusarium oxysporum)、アブラナ科野菜の黒斑病(Alternaria japonica)、白斑病(Cercosporella brassicae)、ホウレンソウのべと病(Perenospora spinaciae)、萎凋病(Fusarium oxysporum)、ネギのさび病(Puccinia allii)、ダイズの紫斑病(Cercospora kikuchii)、黒とう病(Elsinoe glycines)、黒点病 (Diaporthe phaseolorum var. sojae)、インゲンの炭そ病(Colletotrichum lindemthianum)、ラッカセイの黒渋病(Cercospora personata)、褐斑病(Cercospora arachidicola)、エンドウのうどんこ病(Erysiphe pisi)、ジャガイモの夏疫病(Alternaria solani)、疫病(Phytophthora infestans)、イチゴのうどんこ病(Sphaerotheca humuli)、チャの網もち病(Exobasidium reticulatum)、白星病(Elsinoe leucospila)、タバコの赤星病(Alternaria longipes)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、炭そ病(Colletotrichum tabacum)、べと病(Peronospora tabacina)、疫病(Phytophthora nicotianae)、テンサイの褐斑病(Cercospora beticola)、バラの黒星病(Diplocarpon rosae)、うどんこ病(Sphaerotheca pannosa)、キクの褐班病 (Septoria chrysanthemi−indici)、白さび病(Puccinia horiana)、その他種々の作物の灰色かび病(Botrytis cinerea)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)等。
【0012】
本発明の糸状菌による植物病害の防除剤は本化合物そのものであってもよいが、通常は固体担体、液体担体、界面活性剤その他の製剤用補助剤と混合し、乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤、粉剤、粒剤等に製剤化されている。これらの製剤は本化合物を通常0.1〜90重量%含有する。
【0013】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば、カオリンクレー、アッタパルジャイトクレー、ベントナイト、モンモリロナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石等の鉱物、トウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉等の天然有機物、尿素等の合成有機物、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム等の塩類、合成含水酸化珪素等の合成無機物等からなる微粉末あるいは粒状物等が挙げられ、液体担体としては、例えば、キシレン、アルキルベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、セロソルブ等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、ダイズ油、綿実油等の植物油、脂肪族炭化水素類、エステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル及び水が挙げられる。
【0014】
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド重縮合物等の陰イオン界面活性剤及びポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤が挙げられる。
【0015】
その他の製剤用補助剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、アラビアガム、アルギン酸及びその塩、CMC(カルボキシメチルセルロ−ス)、ザンサンガム等の多糖類、アルミニウムマグネシウムシリケート、アルミナゾル等の無機物、防腐剤、着色剤、PAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT等の安定化剤が挙げられる。
【0016】
本発明の糸状菌による植物病害の防除剤は、例えば、植物体に茎葉処理することにより当該植物を植物病害から保護するために用いられ、また、土壌に処理することにより当該土壌に生育する植物を糸状菌による植物病害から保護するために用いられる。
【0017】
本発明の糸状菌による植物病害の防除剤を植物体に茎葉処理することにより用いる場合又は土壌に処理することにより用いる場合、その処理量は、防除対象植物である作物等の種類、防除対象病害の種類、防除対象病害の発生程度、製剤形態、処理時期、気象条件等によって変化させ得るが、10000mあたり本化合物として通常1〜5000g、好ましくは5〜1000gである。
【0018】
乳剤、水和剤、フロアブル剤等は通常を水で希釈して散布することにより処理する。この場合、本化合物の濃度は通常0.0001〜5重量%、好ましくは0.0005〜1重量%の範囲である。粉剤、粒剤等は通常希釈することなくそのまま処理する。
【0019】
また、本発明の糸状菌による植物病害の防除剤は種子消毒等の処理方法で用いることもできる。種子消毒の方法としては、例えば、本化合物の濃度が1〜10000ppmとなるように調製した本発明の糸状菌による植物病害の防除剤に植物の種子を浸漬する方法、植物の種子に本化合物の濃度が1〜10000ppmの本発明の糸状菌による植物病害の防除剤を噴霧もしくは塗沫する方法及び植物の種子に粉剤に製剤化された本発明の糸状菌による植物病害の防除剤を粉衣する方法があげられる。
【0020】
本発明の糸状菌による植物病害の防除方法は、通常本発明の糸状菌による植物病害の防除剤の有効量を、病害の発生が予測される植物若しくはその植物が生育する土壌に処理する、及び/又は病害の発生が確認された植物若しくはその植物が生育する土壌に処理することにより行われる。
【0021】
本発明の糸状菌による植物病害の防除剤は通常、農園芸用植物病害防除剤、即ち畑地、水田、果樹園、茶園、牧草地、芝生地等の糸状菌による植物病害を防除するための植物病害防除剤として用いられる。
【0022】
本発明の糸状菌による植物病害の防除剤は他の植物病害防除剤剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、植物生長調節剤及び/又は肥料と共に用いることもできる。
【0023】
かかる植物病害防除剤の有効成分としては、例えば、クロロタロニル、フルアジナム、ジクロフルアニド、ホセチル−Al、環状イミド誘導体(キャプタン、キャプタホール、フォルペット等)、ジチオカーバメート誘導体(マンネブ、マンコゼブ、チラム、ジラム、ジネブ、プロピネブ等)、無機もしくは有機の銅誘導体(塩基性硫酸銅、塩基性塩化銅、水酸化銅、オキシン銅等)、アシルアラニン誘導体(メタラキシル、フララキシル、オフレース、シプロフラン、ベナラキシル、オキサジキシル等)、ストロビルリン系化合物(クレソキシムメチル、アゾキシストロビン、トリフロキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、ジモキシストロビン等)、アニリノピリミジン誘導体(シプロジニル、ピリメタニル、メパニピリム等)、フェニルピロール誘導体(フェンピクロニル、フルジオキソニル等)、イミド誘導体(プロシミドン、イプロジオン、ビンクロゾリン等)、ベンズイミダゾール誘導体(カルベンダジム、ベノミル、チアベンダゾール、チオファネートメチル等)、アミン誘導体(フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、スピロキサミン等)、アゾール誘導体(プロピコナゾール、トリアジメノール、プロクロラズ、ペンコナゾール、テブコナゾール、フルシラゾール、ジニコナゾール、ブロモコナゾール、エポキシコナゾール、ジフェノコナゾール、シプロコナゾール、メトコナゾール、トリフルミゾール、テトラコナゾール、マイクロブタニル、フェンブコナゾール、ヘキサコナゾール、フルキンコナゾール、トリティコナゾール、ビテルタノール、イマザリル、フルトリアホール等)、シモキサニル、ジメトモルフ、ファモキサドン、フェナミドン、イプロヴァリカルブ、ベンチアバリカルブ、シアゾファミド、ゾキサミド、エタボキサム、ニコビフェン、フェンヘキサミド、キノキシフェン、ジエトフェンカルブ及びアシベンゾラールSメチルが挙げられる。
【0024】
本発明の糸状菌による植物病害の防除剤の有効成分として用いられる本化合物としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
【0025】
下記式(i)、(ii)、(iii)及び(iv)で示される化合物;








なお、式中の(Rは表1に示される基のいずれかを表す。
【0026】
【表1】


【0027】
下記式(v)、(vi)、(vii)及び(viii)で示される化合物。


【0028】
【実施例】
以下、本発明を製剤例、試験例及び参考製造例等によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0029】
次に、本化合物の参考製造例を示す。
【0030】
参考製造例1
酢酸3mlと無水酢酸1mlとの混合液にチオバルビツール酸0.50g及び2−チオフェンカルボアルデヒド0.42gを加え、130℃で2時間撹拌した。その後、反応混合物を室温付近まで放冷し、トルエンを加えて濾過した。得られた固体をトルエン及びヘキサンで洗浄し、乾燥して5−(チオフェン−2−イルメチレン)−2−チオキソヘキサヒドロピリミジン−4,6−ジオン(以下、本化合物1と記す。)0.72gを得た。
本化合物1


H−NMR(CDSOCD,TMS)δ(ppm):12.37(2H,s)、8.59(1H,s)、8.35(1H,d,J=4.6Hz)、8.24(1H,d,J=2.9Hz)、7.38(1H,m)
【0031】
参考製造例2
2−チオフェンカルボアルデヒドの代わりに5−メチル−2−チオフェンカルボアルデヒド0.42gを用いた以外は参考製造例1と同様の操作を行い、5−(5−メチルチオフェン−2−イルメチレン)−2−チオキソヘキサヒドロピリミジン−4,6−ジオン(以下、本化合物2と記す。)0.72gを得た。
本化合物2


H−NMR(CDSOCD,TMS)δ(ppm):12.32(1H,s)、12.30(1H,s)、8.47(1H,s)、8.09(1H,d,J=3.9Hz)、8.09(1H,d,J=3.9Hz)、2.61(3H,s)
【0032】
参考製造例3
2−チオフェンカルボアルデヒドの代わりに3−メチル−2−チオフェンカルボアルデヒド0.42gを用いた以外は参考製造例1と同様の操作を行い、5−(3−メチルチオフェン−2−イルメチレン)−2−チオキソヘキサヒドロピリミジン−4,6−ジオン(以下、本化合物3と記す。)0.66gを得た。
本化合物3


H−NMR(CDSOCD,TMS)δ(ppm):12.38(1H,s)、12.33(1H,s)、8.59(1H,s)、8.29(1H,d,J=5.1Hz)、8.29(1H,d,J=5.1Hz)、2.54(3H,s)
【0033】
参考製造例4
酢酸3mlと無水酢酸1mlとの混合液にチオバルビツール酸1.3g及び5−ブロモ−2−チオフェンカルボアルデヒド1.7gを加え、130℃で2時間撹拌した。その後、反応混合物を室温付近まで放冷し、トルエンを加えて濾過した。得られた固体をトルエン及びヘキサンで洗浄し、乾燥して5−(5−ブロモチオフェン−2−イルメチレン)−2−チオキソヘキサヒドロピリミジン−4,6−ジオン(以下、本化合物4と記す。)2.5gを得た。
本化合物4


H−NMR(CDSOCD,TMS)δ(ppm):12.45(1H,s)、12.44(1H,s)、8.47(1H,s)、8.17(1H,d,J=4.1Hz)、7.47(1H,d,J=4.1Hz)
【0034】
参考製造例5
2−チオフェンカルボアルデヒドの代わりに5−クロロ−2−チオフェンカルボアルデヒド0.51gを用いた以外は参考製造例1と同様の操作を行い、5−(5−クロロチオフェン−2−イルメチレン)−2−チオキソヘキサヒドロピリミジン−4,6−ジオン(以下、本化合物5と記す。)0.61gを得た。
本化合物5


H−NMR(CDSOCD,TMS)δ(ppm):12.45(1H,s)、12.43(1H,s)、8.49(1H,s)、8.09(1H,d,J=4.1Hz)、7.56(1H,d)
【0035】
参考製造例6
2−チオフェンカルボアルデヒドの代わりに5−メチル−2−フランカルボアルデヒド0.38gを用いた以外は参考製造例1と同様の操作を行い、5−(5−メチルフラン−2−イルメチレン)−2−チオキソヘキサヒドロピリミジン−4,6−ジオン(以下、本化合物6と記す。)0.2gを得た。
本化合物6


H−NMR(CDSOCD,TMS)δ(ppm):12.37(1H,s)、12.30(1H,s)、8.55(1H,d,J=3.9Hz)、7.98(1H,s)、6.68(1H,d)、2.44(3H,s)
【0036】
参考製造例7
酢酸9mlと無水酢酸2mlとの混合液にチオバルビツール酸1.0g及び4−ブロモ−2−チオフェンカルボアルデヒド1.3gを加え、130℃で2時間撹拌した。その後、反応混合物を室温付近まで放冷し、トルエンを加えて濾過した。得られた固体をトルエン及びヘキサンで洗浄し、乾燥して5−(4−ブロモチオフェン−2−イルメチレン)−2−チオキソヘキサヒドロピリミジン−4,6−ジオン(以下、本化合物7と記す。)2.0gを得た。
本化合物7


H−NMR(CDSOCD,TMS)δ(ppm):12.45(2H,s)、8.52(1H,s)、8.39(1H,d,J=1.0Hz)、8.29(1H,d)
【0037】
参考製造例8
2−チオフェンカルボアルデヒドの代わりに5−エチル−2−チオフェンカルボアルデヒド0.49gを用いた以外は参考製造例1と同様の操作を行い、5−(5−エチルチオフェン−2−イルメチレン)−2−チオキソヘキサヒドロピリミジン−4,6−ジオン(以下、本化合物8と記す。)0.69gを得た。
本化合物8


H−NMR(CDSOCD,TMS)δ(ppm):12.32(1H,s)、12.31(1H,s)、8.49(1H,s)、8.11(1H,d,J=3.9Hz)、7.20(1H,d,J=3.9Hz)、2.96(3H,q,J=7.5Hz)、1.31(1H,t,J=7.5Hz)
【0038】
参考製造例9
酢酸10mlと無水酢酸2mlとの混合液にバルビツール酸0.66g及び5−ブロモ−2−チオフェンカルボアルデヒド0.98gを加え、130℃で2時間撹拌した。その後、反応混合物を室温付近まで放冷し、トルエンを加えて濾過した。得られた固体をトルエン及びヘキサンで洗浄し、乾燥して5−(5−ブロモチオフェン−2−イルメチレン)−2−オキソヘキサヒドロピリミジン−4,6−ジオン(以下、本化合物9と記す。)1.4gを得た。
本化合物9


H−NMR(CDSOCD,TMS)δ(ppm):11.36(1H,s)、11.34(1H,s)、8.46(1H,s)、8.03(1H,d,J=4.1Hz)、7.53(1H,d)
【0039】
参考製造例10
酢酸12mlと無水酢酸2mlとの混合液にバルビツール酸0.50g及び5−メチル−2−フランカルボアルデヒド0.43gを加え、120℃で2時間撹拌した。その後、反応混合物を室温付近まで放冷し、トルエンを加えて濾過した。得られた固体をトルエン及びヘキサンで洗浄し、乾燥して5−(5−メチルフラン−2−イルメチレン)−2−オキソヘキサヒドロピリミジン−4,6−ジオン(以下、本化合物10と記す。)0.60gを得た。
本化合物10


H−NMR(CDSOCD,TMS)δ(ppm):11.27(1H,s)、11.18(1H,s)、8.47(1H,d,J=3.6Hz)、7.98(1H,s)、6.63(1H,d,J=3.6Hz)、2.46(3H,s)
【0040】
参考製造例11
酢酸12mlと無水酢酸2mlとの混合液にバルビツール酸0.50g及び2−フランカルボアルデヒド0.33gを加え、120℃で2時間撹拌した。その後、反応混合物を室温付近まで放冷し、トルエンを加えて濾過した。得られた固体をトルエン及びヘキサンで洗浄し、乾燥して5−(フラン−2−イルメチレン)−2−オキソヘキサヒドロピリミジン−4,6−ジオン(以下、本化合物11と記す。)0.61gを得た。
本化合物11


H−NMR(CDSOCD,TMS)δ(ppm):12.45(1H,s)、12.38(1H,s)、8.53(1H,d,J=3.7Hz)、8.33(1H,s)、8.04(1H,s)、6.95〜6.96(1H,m)
【0041】
参考製造例12
2−チオフェンカルボアルデヒドの代わりに5−ニトロ−2−フランカルボアルデヒド0.49gを用いた以外は参考製造例1と同様の操作を行い、5−(5−ニトロフラン−2−イルメチレン)−2−チオキソヘキサヒドロピリミジン−4,6−ジオン(以下、本化合物12と記す。)0.63gを得た。
本化合物12


H−NMR(CDSOCD,TMS)δ(ppm):12.63(1H,s)、12.57(1H,s)、8.40(1H,d,J=3.9H)、7.84〜7.86(2H,m)
【0042】
次に製剤例を示す。部は重量部を表す。
製剤例1
本化合物の各々50部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸マグネシウム2部及び合成含水酸化珪素45部をよく粉砕混合することにより、各々の水和剤を得る。
【0043】
製剤例2
本化合物の各々20部とソルビタントリオレエ−ト1.5部とを、ポリビニルアルコ−ル2部を含む水溶液28.5部と混合し、湿式粉砕法で微粉砕した後、この中に、キサンタンガム0.05部及びアルミニウムマグネシウムシリケ−ト0.1部を含む水溶液40部を加え、さらにプロピレングリコ−ル10部を加えて撹拌混合し各々の製剤を得る。
【0044】
製剤例3
本化合物の各々2部、カオリンクレー88部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより、各々の粉剤を得る。
【0045】
製剤例4
本化合物の各々5部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエ−テル14部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部及びキシレン75部をよく混合することにより、各々の乳剤を得る。
【0046】
製剤例5
本化合物の各々2部、合成含水酸化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部及びカオリンクレ−65部をよく粉砕混合した後、水を加えてよく練り合せ、造粒乾燥することにより、各々の粒剤を得る。
【0047】
製剤例6
本化合物の各々10部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン35部及び水55部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の製剤を得る。
【0048】
次に本発明の糸状菌による植物病害の防除剤が効果を有することを、以下の試験例で示す。
【0049】
試験例1:トマト疫病病害効果試験
プラスチックポットに砂壌土を詰め、トマト(品種:ポンテローザ)を播種し、温室内で20日間生育させた。本化合物の各々を製剤例6に準じて製剤とした後、水で所定濃度(500ppm)に希釈し、希釈液をトマト葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、トマト疫病の遊走子嚢懸濁液(懸濁液1mlあたり約10000個の遊走子嚢を含有する)を噴霧接種(植物1個体あたり約2mlの割合)した。接種後、23℃、相対湿度90%以上の条件下で1日間栽培し、次いで昼間24℃、夜間20℃の温室で4日間栽培した。その後、防除効果を調査した。
その結果、本化合物1〜11及び12の製剤を処理した植物上の病害面積は、無処理区の病斑面積の10%以下であった。
【0050】
試験例2:コムギふ枯れ病防除効果試験
プラスチックポットに砂壌土を詰め、コムギ(農林73号)を播種し、温室内で8日間生育させた。本化合物の各々を製剤例6に準じて製剤とした後、水で所定濃度に希釈し、希釈液をコムギ葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、コムギふ枯れ病菌の胞子懸濁液を噴霧接種した。摂取後はじめは15℃、暗黒多湿下に4日間置き、さらに照明下に7日間置いた後、防除効果を調査した。
その結果、本化合物1〜6、8、10及び11の各々の製剤を処理した植物上の病斑面積の30%以下であった。
【0051】
試験例3:ブドウべと病防除効果試験
プラスチックポットに砂壌土を詰め、ブドウ(ベリーA)を播種し、温室内で40日間生育させた。本化合物の各々を製剤例6に準じて製剤とした後、水で所定濃度(200ppm)に希釈し、希釈液をブドウ葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、ブドウべと病の遊走子嚢懸濁液を噴霧接種した。接種後はじめは23℃、多湿下に1日置き、さらに温室内で6日間置いた後、防除効果を調査した。
その結果、本化合物1〜6、8及び9の各々の製剤を処理した植物上の病斑面積は、無処理区の病斑面積の10%以下であった。
【0052】
試験例4:コムギ赤カビ病防除効果試験
プラスチックポットに砂壌土を詰め、コムギ(農林73号)を播種し、温室内で8日間生育させた。本化合物の各々を製剤例6に準じて製剤とした後、水で所定濃度に希釈し、希釈液をコムギ葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、コムギ赤カビ病菌の胞子懸濁液を噴霧接種した。接種後はじめは23℃、暗黒多湿下に4日間置き、さらに照明下に3日間置いた後、防除効果を調査した。
その結果、本化合物2〜6、9及び11の各々の製剤を処理した植物上の病斑面積は、無処理区の病斑面積の30%以下であった。
【0053】
試験例5:キュウリ灰色かび病防除効果試験
プラスチックポットの砂壌土を詰め、キュウリ(相模半白)を播種し、温室内で12日間生育させた。本化合物を製剤例6に準じて製剤とした後、水で所定濃度(500ppm)に希釈し、希釈液をキュウリ葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、灰色かび病胞子含有PDA培地をキュウリ葉面上に置いた。接種後10℃、多湿下に6日間置いた後、防除効果を調査した。
その結果、本化合物2、3、6及び8の各々の製剤を処理した植物上の病斑面積は、無処理区の病斑面積の50%以下であった。
【0054】
試験例6:ホウレンソウ萎凋病防除効果試験
プラスチックポットに砂壌土を詰め、ホウレンソウ(マジックホウレンソウ)を播種し、温室内で14日間生育させた。ホウレンソウ萎凋病菌の胞子懸濁液をホウレンソウの株元に潅注することにより接種を行った。1日後、本化合物を製剤例6に準じて製剤とした後、水で所定濃度(500ppm)に希釈し、これをホウレンソウの株元にポットあたり20ml潅注処理した。接種後24℃の温室条件に15日間置いた後、防除効果を調査した。
その結果、本化合物4及び5の各々の製剤を処理した植物上の発病程度は無処理区の発病程度の50%以下であった。
【発明の効果】
糸状菌による植物病害に対して優れた防除効力を有することから、本発明の糸状菌による植物病害の防除剤及び糸状菌による植物病害の防除方法は有用である。
【出願人】 【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学工業株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号
【出願日】 平成15年6月26日(2003.6.26)
【代理人】 【識別番号】100093285
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆

【識別番号】100113000
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 亨

【識別番号】100119471
【弁理士】
【氏名又は名称】榎本 雅之

【公開番号】 特開2005−15393(P2005−15393A)
【公開日】 平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願番号】 特願2003−182381(P2003−182381)