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【発明の名称】 鳥獣防止用成形体
【発明者】 【氏名】谷 辰夫

【氏名】中澤 富夫

【氏名】川口 泳

【氏名】國定 佳孝

【要約】 【課題】太陽光線の照射により、強い刺激の光を放射して、鳥獣類を確実かつ効果的に長期間防除することができる鳥獣防止用成形体を提供する。

【解決手段】少なくとも熱可塑性樹脂と蛍光色素とから構成され、太陽光の照射によって鳥獣類に対し強い刺激となる光を放射する鳥獣防止用成形体であって、蛍光色素の熱可塑性樹脂に対する配合割合が0.001〜2重量%であること若しくは熱可塑性樹脂に蛍光色素が付着されてなることを特徴とする鳥獣防止用成形体であって、太陽光線が照射された際、鳥類に対して、強い刺激の光を放射して、例えば、赤色の鋭い光が発せられ、普通の赤色色素に比べ、数倍、例えば3倍以上の強い刺激を鳥獣類に与えることができ、鳥獣類を確実かつ効果的に長期間防除することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも熱可塑性樹脂と蛍光色素とから構成され、太陽光の照射によって鳥獣類に対し強い刺激となる光を放射する鳥獣防止用成形体であって、該蛍光色素の該熱可塑性樹脂に対する配合割合が0.001〜2.0重量%であることを特徴とする鳥獣防止用成形体。
【請求項2】
熱可塑性樹脂に、400〜600nm未満の波長領域で光を吸収し500〜700nmの波長領域で光を放射する蛍光色素を配合して得られる樹脂組成物を押出成形してなることを特徴とする請求項1に記載の鳥獣防止用成形体。
【請求項3】
少なくとも熱可塑性樹脂と蛍光色素とから構成される鳥獣防止用成形体の形態がフィルム、シート、テープ、フラットヤーン、モノフィラメント又はフィルム、フラットヤーン及びモノフィラメントの少なくとも1種を素材として形成される織編布、不織布あるいは袋状物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の鳥獣防止用成形体。
【請求項4】
太陽光の照射によって鳥獣類に対し強い刺激となる光を放射する鳥獣防止用成形体であって、少なくとも熱可塑性樹脂からなる成形体の表面上に蛍光色素が付着されてなり、該蛍光色素が400〜600nm未満の波長領域で光を吸収し500〜700nmの波長領域で光を放射するものであることを特徴とする鳥獣防止用成形体。
【請求項5】
蛍光色素の付着量が熱可塑性樹脂からなる成形体に対して0.01〜2.0重量%であることを特徴とする請求項4に記載の鳥獣防止用成形体。
【請求項6】
蛍光色素が蛍光染料であって、蛍光染料を染色によって熱可塑性樹脂からなる成形体上に付着させたものである請求項4または5に記載の鳥獣防止用成形体。
【請求項7】
少なくとも熱可塑性樹脂からなる成形体の形態がフィルム、シート、テープ、フラットヤーン、モノフィラメント又はフィルム、フラットヤーン及びモノフィラメントの少なくとも1種を素材として形成される織編布、不織布あるいは袋状物であることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1に記載の鳥獣防止用成形体。
【請求項8】
蛍光色素が非イオン系の蛍光色素である請求項1乃至7のいずれか1に記載の鳥獣防止用成形体。
【請求項9】
蛍光色素がビオラントロン系色素、イソビオラントロン系色素、ビラントロン系色素、フラバントロン系色素、ペリレン系色素、ビレン系色素、キサンテン系色素、チオキサンテン系色素、ナフタルイミド色素、ナフトラクタム色素、アントラキノン色素、ベンゾアントロン色素から選ばれた少なくとも一種の色素である請求項1乃至8のいずれか1に記載の鳥獣防止用成形体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はカラス、鳩などの鳥類や犬、猫など獣類の侵入による被害を防止することを目的とした鳥獣防止用成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅地や産業地域でのゴミ集積所、マンションのベランダ及び田畑や果樹園等の農地においては、カラスや鳩等の鳥類や犬、猫など獣類などの鳥獣類の侵入により被害を受け社会問題となっている。
例えば、ゴミ集積所においては、カラス、猫、犬などの鳥獣類の侵入により生じるゴミの散乱やそれによる環境汚染の問題があり、また、マンションのベランダにおいては、鳩等の糞による汚染、腐食、寄生虫の発生等の被害が社会問題となっている。さらに、田畑や果樹園などの農地において、鳥類は種蒔き直後の種をほじくったり、収穫直前の農作物をつついたりして、農作物の育成を阻害し、その商品価値を低下させ、また、レタス、ナス等をハウス栽培している農家では、野鳥がハウスの屋根に止まり爪でビニールシートを破る被害がでており、その被害防除は急務になっている。
【0003】
従来、これらの農作物を鳥獣類の侵入による被害を防止するために、黒色、赤色、黄色等に彩色された目玉様の鳥追い具をロープ、建物の軒先に吊り下げたりして鳥獣類を追い払うことが提案されていた(特許文献1)。また、光反射可能な金色・銀色などの編糸部材を括り編んだ光反射ネットを田畑の穀物・果実を覆って鳥獣類を威嚇しながらその穀物・果実等を守ることも提案されている(特許文献2)。
【0004】
しかしながら、上記のように鳥獣類を追い払って農作物を鳥類から守る手法は、いずれも鳥獣類が馴れてしまうと効果がなくなり、有効な鳥獣類駆除手段ではなかった。また、金色や銀色のテープや短冊を風になびくようにロープに吊り下げることがあったが、これだけでは、光の反射が弱く、鳥獣類を追うには有効でなかった。
【0005】
【特許文献1】特開平7−31355号公報(1頁)
【特許文献2】特開平9−21047号公報(2頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記従来の問題点を解消するためになされたものであって、第一の課題は、太陽光線の照射により、強い刺激の光を放射して、鳥獣類を確実かつ効果的に防除することができる鳥獣防止用成形体を提供することである。
さらに本発明の第二の課題は、太陽光線の照射により、強い刺激の光を放射して、鳥獣類を長時間防除することができる鳥獣防止用成形体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記のような課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、少なくとも熱可塑性樹脂と蛍光色素とから構成され、蛍光色素の熱可塑性樹脂に対する配合割合が0.001〜2重量%である鳥獣防止用成形体が、太陽光を照射すると鳥獣類に対し強い刺激となる光を放射することを見出し、また、熱可塑性樹脂からなる成形体表面に蛍光色素を付着させてなることを特徴とする鳥獣防止用成形体においても、同様の作用を発現することを見出し、本発明を創出するに至った。
【発明の効果】
【0008】
第一の本発明の鳥獣防止用成形体は、少なくとも熱可塑性樹脂と蛍光色素とからなり、蛍光色素の熱可塑性樹脂に対する配合割合を0.001〜2.0重量%であることによって、太陽光を照射によって発生した放射光が鳥獣類の目に刺激となって、鳥獣類対して有効な防除効果を有するものである。
【0009】
特に、前記放射光として赤色系を選択する場合には、蛍光色素として、400〜600nm未満の波長領域で光を吸収し、600〜700nmの波長領域の光を放射するものを用いることが好ましく、赤色の鋭い光が発せられ、普通の赤色色素に比べ、数倍、例えば3倍以上の強い刺激を鳥獣類に与えることができる。
【0010】
第二の発明は、熱可塑性樹脂からなる成形体表面に400〜600nm未満の波長領域で光を吸収し、500〜700nmの波長領域で光を放射する蛍光色素を表面処理により付着させてなることを特徴とする鳥獣防止用成形体であって、太陽光線が照射された際、鳥獣防止用成形体に付着された蛍光色素により、400〜600nm未満の波長領域で光を吸収し、500〜700nmの波長領域で鳥類に対して、強い刺激の光を放射して、例えば、赤色の鋭い光が発せられ、普通の赤色色素に比べ、数倍、例えば3倍以上の強い刺激を鳥獣類に与えることができ、鳥獣類を確実かつ効果的に長期間防除することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。
第一の発明による鳥獣防止用成形体の「成形体」とは、詳しくは後述するが、少なくとも熱可塑性樹脂と蛍光色素とを所定配合割合で構成される組成物を成形することによって得られる、フィルム、シート(板状物を含む)、テープ、フラットヤーン、モノフィラメント、複合モノフィラメント、織編布、不織布、袋状物等の種々の形態が包含され、特に限定されるものではない。
袋状物、フラットヤーンはフィルムを素材として作製され、さらに、織編布あるいは不織布は、フラットヤーン及びモノフィラメントの少なくとも1種を素材として作製されるものである。
本発明の鳥獣防止用成形体を作製するのに使用される成形法としては、特に限定されるわけではなく、押出し成形、射出成形、圧縮成形などが適用可能であり、特に押出し成形が好ましく使用される。
【0012】
第一の発明の「蛍光色素の熱可塑性樹脂に対する配合割合である0.001〜2重量%」の要件について説明する。
本発明者等は、蛍光色素の熱可塑性樹脂に対する配合割合が0.001重量%程度から鳥獣類に刺激を与え始め、配合割合が多くなるにつれて多量の光(蛍光)を発生して鳥獣類への刺激を強くすることになり、特に配合割合が0.01重量%以上になると、鳥獣類防除に有効な強い刺激となる放射光を発生することを確認し、すなわち、配合割合は0.01重量%以上がより好ましい。
上記蛍光色素の配合量が0.001重量%未満では、光を放射する効果が著しく減少し、好ましくない。
【0013】
しかしながら、反面、成形体がシートあるいは板状体である場合、配合割合が多くなると、1つの色素粒子から発生する放射光が他の色素粒子に再吸収されるような現象が起こり、この現象が多数の色素粒子間で発生し、さらに作製される成形体の熱可塑性樹脂が多少濁っていて透明性が減じることも加わって、成形体の外部へ放射される光量が、蛍光色素の熱可塑性樹脂に対する配合量が多いにも拘らず少なくなり、2重量%は、その蛍光色素の配合割合の限界量として本発明者等の繰り返し実施によって確認されたものである。
【0014】
本発明者等は、発明を創出する過程において、鳥獣防止用成形体を繰り返し使用していくと蛍光色素が成形体から徐々に溶出して耐色性が落ちて、短期間のうちに鳥獣類防除効果が消失してしまう現象を確認し、これは、熱可塑性樹脂と蛍光色素との相溶性、あるいは蛍光色素の熱可塑性樹脂中の分散性によるものと想定されるため、熱可塑性樹脂と蛍光色素との組み合わせとして相溶性の良いものを選択することが好ましいことを確認した。
【0015】
また、本発明者等の検討結果によると、本発明の鳥獣防止用成形体として挙げた上記のもののうち、フラットヤーンについては厚みが5〜150μm程度、好ましくは10〜100μm程度、といずれも極めて薄く、またモノフィラメントについても繊維径が140〜1000μm程度、好ましくは220〜700μm程度と極めて細いものであるため、熱可塑性樹脂との相溶性が良好な場合であっても、前述のような、繰り返し使用していくと蛍光色素が成形体から溶出する場合があり、そのような場合には、単位体積当たりに配合可能な蛍光色素量として、0.5重量%以下にすることがより好ましいことを確認した。
なお、フラットヤーンの素材として用いるフィルムの厚みは10〜300μm程度、好ましくは20〜200μm程度であり、また袋状物等に用いるフィルムの厚みは5〜150μm程度、好ましくは10〜100μm程度のものを用いることができる。
【0016】
すなわち、本発明の鳥獣防止用成形体が、強い照射光を発生して高い鳥獣類防除効果を有するばかりでなく、熱可塑性樹脂と蛍光色素との相溶性が高く、耐色性が良く長期間使用可能なものであるためには、熱可塑性樹脂に対する蛍光色素の配合割合として、0.01〜0.5重量%であることが好ましく、特に0.02〜0.3重量%であることが好ましい。
【0017】
上述したように、本発明の鳥獣防止用成形体のフィルム、フラットヤーン及びモノフィラメントは、極めて薄くあるいは細い成形体であって、蛍光色素の配合量には限りがあるため、成形体の内部で蛍光色素から発生する蛍光の総量が減少するものと想定される。
しかしながら、各種の成形法によって製造される、これらの極めて薄いあるいは細い成形体の表面は、光学的に平滑ではなく粗れた凹凸状態であるため、成形体の内部で蛍光色素から発生する放射光が、この粗表面に乱反射して、その乱反射効果によって、成形体から外部に放射される光量が増加し、さらに、これらの成形体に外部から光が当たると、粗表面で乱反射することも加わって、鳥獣類に強い刺激になるものと考えられる。
すなわち、フィルム、フラットヤーン及びモノフィラメントの場合には、この乱反射効果が加わって、蛍光色素を0.5重量%を上限として配合することにしても、鳥獣類に強い刺激となる十分な光量を放射可能となり、0.5重量%より多く配合しても放射光量に変化はなく、むしろ再吸収現象とか色素の溶出現象が発生する場合もあって放射光量が減る場合があって、蛍光色素を多量に使用するとコストが上がることを考慮すると、利点が少ないものである。
【0018】
さらに、これらの、フィルム、フラットヤーン及び/又はモノフィラメントを素材にして作製される、複合モノフィラメント、織編布等のような二次加工体は、この素材を複数縒り合わせたり、織ったりすることによって、素材間に様々な凹凸状態を形成することになるために、フィルム、フラットヤーンおよびモノフィラメントが有する上述した効果がより一層強く発揮され、成形体から放射される光が鳥獣類に対して極めて強い刺激を与えるものと考えられる。
フラットヤーンあるいはモノフィラメントを素材にして作製される織編布については、さらに詳しく後述する。
【0019】
本発明の鳥獣防止用成形体に用いられる熱可塑性樹脂としては、ポリエステル、ナイロン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等が挙げられ、透光性のものが用いられる。
特に、本発明の鳥獣防止用成形体が、鳥獣類を確実かつ効果的に長期間防除することができるものであるためには、長期間安定なものであることが必要であり、そのために、上述したように、熱可塑性樹脂と蛍光色素との分散性、相溶性が良く、色素の成形体からの離出がないことが望ましく、従って、上記の熱可塑性樹脂のうち、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィンが好ましく、ポリエステルが特に好ましく使用される。
【0020】
これらのうち、ポリエステルについては、構成する酸成分とグリコール成分を上記目的のために、適宜選択して合成したものを使用することが好ましい。
ポリエステルとしては、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等と、グリコール成分としてエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール等とを重縮合させて得られる重合体であって、その酸成分および/またはグリコール成分の一部を共重合成分で置き換えた共重合体も包含する。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが用いられる。
【0021】
また、ナイロンとしては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/11、ナイロン6/12等が用いられる。
【0022】
さらに、ポリオレフィンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を用いて製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体などのポリエチレン系樹脂や、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体などのポリプロピレン系樹脂などが用いられる。
【0023】
上記熱可塑性樹脂に配合する蛍光色素としては、成形体に太陽光を照射して発生する放射光(蛍光)が鳥獣類の目に刺激となって防除効果を呈しさえすれば特に限定されない。
【0024】
従って、放射光が、黄色系、オレンジ系および赤色系にいずれも所望の場合には、光吸収波長領域が好ましくは400〜600nm、特に好ましくは470〜600nm、また、太陽光を照射して発生する放射光の波長領域が500〜700nmの蛍光色素が鳥獣類の目に刺激するのに有効である。
しかしながら、放射光が赤色系を選択する場合には、蛍光色素として、光吸収波長領域が400〜600nmが好ましく、特に470〜600nmがより好ましく、また、太陽光を照射して発生する放射光の波長領域が600〜700nmのものを用いることがこのましく、また、押出し成形によって作製される成形体が好ましく、赤色の鋭い光が発せられ、普通の赤色色素に比べ、数倍、例えば3倍以上の強い刺激を鳥獣類に与えることができる。
【0025】
本発明において、蛍光色素とは、蛍光染料や蛍光顔料を包含するものである。
上記蛍光色素としては、非イオン性の蛍光色素、例えば、ビオラントロン系色素、イソビオラントロン系色素、ビラントロン系色素、フラバントロン系色素、ペリレン系色素及びビレン系色素などの多環系色素、キサンテン系色素、チオキサンテン系色素、ナフタルイミド色素、ナフトラクタム色素、アントラキノン色素、ベンゾアントロン色素、クマリン色素などが挙げられ、これらの中から、上記の吸収波長域を有しおよび上記の波長域の光を放射する色素を適宜選択使用することができる。
これらの蛍光色素は、その一種または二種以上を組み合わせて使用できる。
【0026】
上記ペリレン系色素としては、例えば、ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト社製の商品名Lumogen FシリーズのYellow 083、 Orange 240、Red 305 などが挙げられる。
また、ナフタルイミド系色素としては、例えば、ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト社製の商品名 Lumogen FシリーズのViolet 570、Blue 650などが挙げられる。
【0027】
これらの蛍光色素は、例えば、グリコール類、芳香族炭化水素、塩素系炭化水素、エステル類、ケトン類またはアミド類などのような有機溶剤あるいは水に溶解して使用される。
【0028】
次に、本発明の鳥獣防止用成形体の織編布について詳述する。
織編布を製造するのに用いられる糸の形態としては、各種成形機によって作製されたフィルムをスリットした後、延伸して得られるフラットヤーンや、フラットヤーンを割繊したスプリットヤーン、また円形または異形ノズルから押し出したフィラメントを延伸したモノフィラメントや、低繊度フィラメントを収束したマルチフィラメントなどの単層型あるいは多層型、芯鞘型、並列型等の複合糸条など制限なく採用される。
【0029】
フラットヤーンを作製するのに用いられるフィルムは、先ず、熱可塑性樹脂に所定割合の蛍光色素をヘンシェルミキサーなどの混合機を用いて準備した混合物を押出機に供給して混練し、あるいは所定割合の熱可塑性樹脂と蛍光色素をそれぞれ直接押出機に供給して混練した後、押出し成形法、射出成形法、圧縮成形法などのような公知の方法を採用し作製することができる。
しかし、ベースとなる熱可塑性樹脂と同種または同系の樹脂に予め高濃度の蛍光色素を含有させたマスターバッチを製造し、フィルム成形時に所定の含有量に調整してフィルム成形を行なう、いわゆるマスターバッチ法を採用することが好ましい。
【0030】
フラットヤーンは、押出成形法によるフィルムを用いる場合を例にとって説明すると、例えば、ポリオレフィン、ポリエステルまたはナイロンなどのような上記熱可塑性樹脂と蛍光色素からなる混練物を押出機に投入して、Tダイ法またはインフレーション法により無定形状態で押出した後冷却固化し、得られたフィルムを約2〜50mm、好ましくは約5〜30mm幅にスリットした後延伸し、次いで熱処理して形成される。
この際の延伸処理は高融点の熱可塑性樹脂の融点以下、低融点の熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度下に行われるが、加熱法としては、熱ロール式、熱板式、熱風式等いずれの方法も採用できる。
スリットされた熱可塑性樹脂フィルムは加熱され、前後ロールの周速度差により延伸を行う。延伸倍率は3〜15倍、好ましくは4〜12倍、更に好ましくは5〜10倍の範囲である。
この延伸倍率が3倍未満ではフラットヤーンの充分な強度が得られなくなり、一方、延伸倍率が15倍を超えると延伸方向の配向が強すぎてフラットヤーンが割れ易くなり、また生産効率が極端に劣ることなどが想定される。上記延伸糸の単糸繊度は、通常200〜10000デシテクス(以下、dtと略す)、好ましくは500〜5000dtの範囲内である。
【0031】
上記で得られた熱可塑性樹脂製延伸糸を経緯糸に用いて織成して織編布を形成してシート状物とする。
織編布の形態としては、特に限定されるものではなく、織物では、例えば、平織、綾織、模紗織、絽織、絡み織などが挙げられ、編物ではラッセル編、トリコット編み、ミラニーズ編等が挙げられる。
【0032】
また、上記熱可塑性樹脂の不織布としては、熱可塑性樹脂、特にポリオレフィン、ポリエステルまたはナイロンなどを用いて溶融押出された繊維状物をランダムに積み重ね、溶融状態の繊維状物同士を溶融接着させてシート化するメルトブロー方式や、冷却された繊維状物同士を熱エンボスロールにより溶融接着させてシート化するスパンボンド方式のいずれも使用できる。
また、熱可塑性樹脂製延伸糸を所定間隔で経緯に並べて配置し、重ね合わせて交差部を接着して積層不織布を形成したシート状物としたものでもよい。
【0033】
本発明の熱可塑性樹脂には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、酸化防止剤、分散剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、無機充填剤、架橋剤、発泡剤、核剤等の通常用いられる添加剤を配合してもよい。
【0034】
次に、第二の発明は、熱可塑性樹脂からなる成形体の表面に蛍光色素が付着させてなることを特徴とする鳥獣防止用成形体に関する発明である。
この場合の「成形体の表面への蛍光色素の付着」とは、成形体の表面に蛍光色素の塗布液を塗布して蛍光色素からなる膜が形成された場合、および蛍光色素として染料を用いて染色する場合のように、表面処理によって得られた蛍光色素の状態を総称するものである。
さらに、蛍光色素を含有しないフラットヤーンあるいはモノフィラメントのような素材を用いて一旦織編布を形成し、その後織編布を蛍光色素を含む塗布液に浸漬し、あるいは蛍光染料で染色して、織編布表面に蛍光色素を付着させることができる。
【0035】
第二の発明の鳥獣防止用成形体に用いられる熱可塑性樹脂としては、第一の発明と同じくポリエステル、ナイロン、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
【0036】
ポリエステルとしては、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等と、グリコール成分としてエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール等とを重縮合させて得られる重合体であって、その酸成分および/またはグリコール成分の一部を共重合成分で置き換えた共重合体も包含する。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートが用いられる。
【0037】
また、ナイロンとしては、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/11、ナイロン6/12等が用いられる。
【0038】
さらに、ポリオレフィンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセン触媒を用いて製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体などのポリエチレン系樹脂や、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体などのポリプロピレン系樹脂などが用いられる。
【0039】
熱可塑性樹脂の成形体としては、熱可塑性樹脂を押出成形することにより得られる押出成形体、例えば、フィルム、シート、テープ、フラットヤーン、モノフィラメント、複合モノフィラメント、織編布、不織布等の種々の形態が採用され、公知の成形方法で形成できる。
【0040】
上記成形体の一例として織編布の場合について説明する。
織編布に用いる糸の形態としては、フィルムをスリットして延伸したフラットヤーンや、フラットヤーンを割繊したスプリットヤーン、また円形または異形ノズルから押し出したフィラメントを延伸したモノフィラメントや、低繊度フィラメントを収束したマルチフィラメントなどの単層型あるいは多層型、芯鞘型、並列型等の複合糸条など制限なく採用される。
【0041】
フラットヤーンの場合には、上記熱可塑性樹脂、例えば、ポリオレフィン、ポリエステルまたはナイロンなどを押出機に投入して、Tダイ法またはインフレーション法により無定形状態で押出し、冷却固化したフィルムを約2〜50mm、好ましくは約5〜30mm幅にスリットした後延伸し、次いで熱処理してフラットヤーンを形成する。この際の延伸処理は高融点の熱可塑性樹脂の融点以下、低融点の熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度下に行われるが、加熱法としては、熱ロール式、熱板式、熱風式等いずれの方法も採用できる。スリットされた熱可塑性樹脂フィルムは加熱され、前後ロールの周速度差により延伸を行う。延伸倍率は3〜15倍、好ましくは4〜12倍、更に好ましくは5〜10倍の範囲である。この延伸倍率が3倍未満ではフラットヤーンの充分な強度が得られなくなり、一方、延伸倍率が15倍を超えると延伸方向の配向が強すぎてフラットヤーンが割れ易くなり、また生産効率が極端に劣ることなどが想定される。上記延伸糸の単糸繊度は、通常200〜10000デシテクス(以下、dtと略す)、好ましくは500〜5000dtの範囲内である。
【0042】
上記で得られた熱可塑性樹脂製延伸糸を経緯糸に用いて織成して織編布を形成してシート状物とする。織編布の組織としては、特に限定されるものではなく、織物では、例えば、平織、綾織、模紗織、絽織、絡み織などが挙げられ、編物ではラッセル編、トリコット編み、ミラニーズ編等が挙げられる。
【0043】
また、上記熱可塑性樹脂の不織布としては、熱可塑性樹脂、特にポリオレフィン、ポリエステルまたはナイロンなどを用いて溶融押出された繊維状物をランダムに積み重ね、溶融状態の繊維状物同士を溶融接着させてシート化するメルトブロー方式や、冷却された繊維状物同士を熱エンボスロールにより溶融接着させてシート化するスパンボンド方式のいずれも使用できる。また、熱可塑性樹脂製延伸糸を所定間隔で経緯に並べて配置し、重ね合わせて交差部を接着して積層不織布を形成したシート状物としたものでもよい。
【0044】
本発明の熱可塑性樹脂には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、酸化防止剤、分散剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、無機充填剤、架橋剤、発泡剤、核剤等の通常用いられる添加剤を配合してもよい。
【0045】
上記成形体を表面処理に用いられる蛍光色素は、400〜600nm未満、好ましくは、470〜600nm未満の波長領域で光を吸収し、600〜700nmの波長領域で光を放射する高度な光安定性を有する蛍光色素が使用される。なお、本発明において、蛍光色素とは、蛍光染料や蛍光顔料を包含するものである。
上記蛍光色素としては、非イオン性の蛍光色素、例えば、ビオラントロン系色素、イソビオラントロン系色素、ビラントロン系色素、フラバントロン系色素、ペリレン系色素及びビレン系色素などの多環系色素、キサンテン系色素、チオキサンテン系色素、ナフタルイミド色素、ナフトラクタム色素、アントラキノン色素、ベンゾアントロン色素、クマリン色素などが挙げられる。これらの蛍光色素は、その一種または二種以上を組み合わせて使用できる。
上記ペリレン系色素としては、例えば、ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト社製の商品名 Lumogen FシリーズのYellow 083、Orange 240、Red 305 などが挙げられる。また、ナフタルイミド系色素としては、例えば、ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト社製の商品名 Lumogen FシリーズのViolet 570、Blue 650 などが挙げられる。
【0046】
上記成形体の表面処理としては、前述したように、上記成形体に蛍光色素を表面被覆または染色させる方法が挙げられる。
上記成形体に蛍光色素を表面被覆する方法としては、上記成形体を蛍光色素溶液中に浸漬して塗布するディップコート法、上記成形体表面に蛍光色素溶液をスプレーして塗布するスプレーコート法、刷毛塗りやロールコータを用いて上記成形体表面に蛍光色素溶を塗布する方法等が挙げられる。上記蛍光色素の塗布量は、上記成形体に対して、0.01〜2.0重量%、好ましくは、0.05〜0.5重量%の範囲内である。
上記蛍光色素の塗布量が下限未満では、400〜600nm未満の波長領域で光を吸収し、500〜700nmの波長領域で光を放射する効果が著しく減少し、上限より多いと熱可塑性樹脂との分散性の問題が生じると共に、添加効果がそれ以上に上がらず、逆にコストが増加してくるので、好ましくない。
【0047】
また、上記成形体を染色する方法としては、上記成形体を蛍光染料の分散液中で染色する方法が挙げられ、通常の分散染料と同様の方法が採用できる。
染色温度としては、60℃〜140℃の範囲で、かつ染浴中の被染物に掛かる張力を実質的に無張力の状態に保って染色すると、上記成形品の強度を低下させることがなく、良好な染色性が得られるので好ましい。また染色作業は、ウェブ状物の連続処理も枚葉でのバッチ処理のいずれも可能である。
【0048】
次に本発明を実施例によってより具体的に説明する。
【0049】
1)実施例1〜17においては、作製した防鳥ネットについて下記の試験を行なって、その効果を確認した。
(1)防鳥効果試験
神社境内の鳩が日頃集まる場所の地面に防鳥ネットを広げ、その防鳥ネットの端から1.5m以内に一定量のポップコーンを撒いておき、30分経過後に
鳩が食べ残したポップコーンの量を目視して、5段階評価した(残量がほぼ0の場合をランク1、残量がほぼ全量の場合をランク5とする)。
(2)耐光性促進暴露試験
スガノ試験機(スーパーキセノンウェザーメーター SX−75型)を用い、
防鳥ネットに光を照射して、作製直後の防鳥ネットの色がほぼ完全に退色するまでの時間を目視観察する(該促進暴露試験での照射時間に関しては、400時間が通常の環境下のほぼ1年に相当するものである)。
【0050】
実施例1:
ポリエステルとして、エチレングリコール/1,4シクロヘキサンジメタノールの重量比が60/40の割合のグリコール成分とテレフタル酸の酸成分とを重縮合させて得られる重合体(SKChemicals社製 商品名:PET-G 銘柄:S2008)を予め準備した。
このポリエステルを用いて、これに蛍光色素としてのぺリレン系色素(ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト社製の商品名Lumogen FシリーズのRed305)を0.02重量%を配合し、ヘンシェルミキサーで混練して得られた樹脂組成物を用いて、65mmφ押出機により溶融温度260℃で、Tダイ法でフィルム状物にした後、30℃で冷却固化して厚さ60μのフィルムを形成した。ここに使用した蛍光色素(Lumogen FシリーズのRed305)は、約520〜約590nmの波長領域で光を吸収し、その最大吸収波長は578nmであった。また、約600〜約680nmの波長領域で光を放射し、最大放射波長は613nmであった。
該フィルムを巾5mmにスリットし、延伸し、赤色の蛍光色素を含有する、その繊度が600dtのフラットヤーンを得た。
一方、高密度ポリエチレン(MFR=0.7g/10分、密度=0.957g/cm3、Tm=129℃)を用いて、モノフィラメント成形ダイスで溶融押出し、次いで20℃で冷却固化した後、延伸処理して繊度700dtのモノフィラメント(蛍光色素不含)を得た。
得られた繊度が700dtのモノフィラメントを鎖編糸とし、得られた繊度が600dtの上記のフラットヤーンを挿入糸として用い、ラッセル編機を使用して、網目が2.0cm×2.0cm、大きさが1.5mのラッセル編のネットを編成した。
得られたラッセル編のネットをゴミ集積所に集積されたゴミ袋の上に掛けて、ゴミを保護したところ、カラスや猫によるゴミの散乱がなく、被害は見られなかった。
また、前述の耐光性促進暴露試験を行なったところ、300時間が経過しても退色変化が観られなかった。
【0051】
実施例2〜8:
蛍光色素の配合割合を変えた以外は実施例1と同様に作製されたフラットヤーンを鎖編糸と挿入糸として用い、ラッセル編の防鳥ネット(網目が2.0cm×2.0cm、大きさが1.5m)を編成した。
各防鳥ネットについて、前述の防鳥効果試験と耐光性促進暴露試験を行い、その結果を表1に示す。
【0052】
【表1】


【0053】
(※1)試験をこの時間で停止したが、退色はほとんど発生していなかった。
【0054】
実施例9〜15:
実施例1に記載されるものと同じポリエステルとぺリレン系色素を、表2に記載の配合割合で組成物を用いる以外、実施例1と同様にして繊度700dtのモノフィラメントを得た。
得られたモノフィラメントを鎖編糸と挿入糸として用い、ラッセル編の防鳥ネット(網目が2.0cm×2.0cm、大きさが1.5m)を編成した。
各防鳥ネットについて、前述の防鳥効果試験と耐光性促進暴露試験を行い、その結果を表2に示す。
【0055】
【表2】


【0056】
(※1)試験をこの時間で停止したが、退色はほとんど発生していなかった。
【0057】
実施例16:
ポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製 商品名:ウィンテック 銘柄:WFX6)に実施例1に記載の蛍光色素を0.2重量%の配合割合で配合し、ヘンシェルミキサーで混練して得られた樹脂組成物を用いて、モノフィラメント成形ダイスで溶融押出し、次いで20℃で冷却固化した後、延伸処理して繊度500dtのモノフィラメントを得た。
得られたモノフィラメントを鎖編糸と挿入糸として用い、ラッセル編機を使用してラッセル編のネット(網目が2.0cm×2.0cm、大きさが1.5m)を編成した。
得られたラッセル編のネットについて、防鳥効果試験を行なったところ、ランク4であった。
また、前述の耐光性促進暴露試験を行なったところ、48時間経過時点でほぼ完全に退色した。
【0058】
比較例1:
実施例1において、蛍光色素を配合しなかったこと以外は同様にして行った。 その結果、得られたラッセル編のネット(網目が2.0cm×2.0cm、大きさが1.5m)をゴミ集積所に集積されたゴミ袋の上に掛けて、ゴミを保護したところ、カラスや猫によるゴミの散乱があり、被害が見られた。
【0059】
実施例17:
実施例1に記載のポリエステルに蛍光色素RED 305を0.03重量%配合する以外、実施例1と同様にして、ポリエステルと蛍光色素とからなる厚さ60μのフィルムを作製した。
このフィルムを切断して90cm×120cmの四角形のフィルム2枚を準備し、これを重ね合わせた後、三辺を約120℃の温度で加えて熱融着して、袋状物を作製し、同じ袋を2つ準備した。
【0060】
この作製した袋状物を試作生ゴミ袋とし、それぞれに食堂から出る約500gの残飯を納入後、閉じる。
また、2つのポリプロピレン製の市販の生ゴミ袋に、同様に約500gの残飯を納入後、閉じる。
これらをカラスが頻繁に舞い降りるゴミ集積場に並べて早朝設置して、カラスが残飯を食する状態を観察した。
その結果、2つの試作生ゴミ袋についてはゴミ処理場に設置してから6時間経過後にも、残飯が食された形跡は一切なく、最初の状態のままであった。
一方、市販の生ゴミ袋については、設置後45分後に袋が食いちぎられて穴が空けられ、2.8時間後には残飯のほぼ全量が食されていた。
この結果、本発明の鳥獣防止用成形体の1つのフィルムが、太陽光が照射されると強力な蛍光を放射することが確認された。
【0061】
実施例18:
ポリエステルとして、エチレングリコール/1,4シクロヘキサンジメタノールの重量比が60/40の割合のグリコール成分とテレフタル酸の酸成分とを重縮合させて得られる重合体(SKChemicals社製 商品名:PET-G 銘柄:S2008)を用いて、65mmφ押出機により溶融温度260℃で、Tダイ法でフィルムを形成し、冷却固化したフィルムをスリットし、延伸して繊度が600dtのフラットヤーンを得た。
一方、高密度ポリエチレン(MFR=0.7g/10分、密度=0.957g/cm3、Tm=129℃)を用いて、モノフィラメント成形ダイスで溶融押出し、次いで冷却固化した後、延伸処理して繊度700dtのモノフィラメントを得た。
得られた繊度が700dtのモノフィラメントを鎖編糸とし、得られた繊度が600dtのフラットヤーンを挿入糸として用い、ラッセル編機を使用してラッセル編のネットを編成した。
得られたラッセル編のネットを蛍光色素として、ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト社製の商品名 Lumogen Fシリーズの Red 305 を0.5重量%含有する蛍光色素溶液中に浸漬して塗布し、乾燥して、蛍光色素を表面被覆したラッセル編のネット(網目が2.0cm×2.0cm、大きさが1.5m)を得た。
得られたラッセル編のネットをゴミ集積所に集積されたゴミ袋の上に掛けて、ゴミを保護したところ、カラスや猫によるゴミの散乱がなく、被害は見られなかった。
【0062】
比較例2:
実施例18において、蛍光色素を表面被覆しなかったこと以外は同様にして行った。
その結果、得られたラッセル編のネットをゴミ集積所に集積されたゴミ袋の上に掛けて、ゴミを保護したところ、カラスや猫によるゴミの散乱があり、被害が見られた。
【出願人】 【識別番号】803000115
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
【識別番号】591161346
【氏名又は名称】マテリアルサイエンス株式会社
【識別番号】000234122
【氏名又は名称】萩原工業株式会社
【出願日】 平成17年4月12日(2005.4.12)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳

【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳

【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一

【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志

【公開番号】 特開2005−323590(P2005−323590A)
【公開日】 平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願番号】 特願2005−114194(P2005−114194)