| 【発明の名称】 |
シロアリの誘導装置および駆除方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】廣瀬 博宣
【氏名】皆川 文康
|
| 【要約】 |
【課題】シロアリの誘導装置および駆除方法についての誘導・駆除効率を改善し、自然に徘徊するシロアリを一時的に誘引する蟻道との連絡が円滑に行なえると共に、一度誘引したシロアリが駆除装置の餌材に対して確実に侵入して蟻道を形成する確率を高め、これにより実質的に駆除装置の効率を顕著に高めることのできるシロアリの誘導装置および駆除方法とすることである。
【解決手段】段ボール紙1を介して2片の木質角材からなるシロアリ用餌材2、3を一体化したシロアリ用誘導路とし、この誘導路は、シロアリ用餌材2、3を各片に分割した際に段ボール紙1が層間剥離するようにシロアリ用餌材の各片2、3と段ボール紙1とを接着一体化したシロアリの誘導装置とする。シロアリ用餌材2、3を各片に分割し、次いで分割時に層間剥離した段ボール紙1を別途設けた駆除装置のシロアリ用餌材に沿わせておくと、シロアリが壊れた蟻道を修復する習性を発揮するので、速やかに既設の蟻道と連結するようになり、シロアリを駆除装置の殺蟻機能によって駆除することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 段ボール紙を介して2片のシロアリ用餌材を一体化したシロアリ用誘導路からなり、この誘導路は前記シロアリ用餌材を各片に分割した際に段ボール紙が層間剥離するようにシロアリ用餌材の各片と段ボール紙とを接着一体化してなるシロアリの誘導装置。 【請求項2】 請求項1に記載のシロアリの誘導装置を誘導対象シロアリによる既設の蟻道付近に設置し、段ボール紙およびシロアリ用餌材にシロアリが侵入している状態で前記シロアリ用餌材を各片に分割し、次いで分割時に層間剥離した段ボール紙を別途設けた駆除装置のシロアリ用餌材に沿わせて前記既設の蟻道と連結するように設置するシロアリの駆除方法。 【請求項3】 段ボール紙を介して2片のシロアリ用餌材を一体化した第1誘導路を設け、この第1誘導路から交差方向にシロアリが誘導されるように、段ボール紙を介して2片のシロアリ用餌材を一体化した第2誘導路を設け、これら第1誘導路または第2誘導路の少なくとも一方は、シロアリ用餌材を各片に分割した際、段ボール紙が層間剥離するようにシロアリ用餌材と段ボール紙とを接着一体化してなるシロアリの誘導装置。 【請求項4】 請求項3に記載の第1誘導路または第2誘導路の一方を地中に埋設し、段ボール紙およびシロアリ用餌材にシロアリが侵入した状態で他方の誘導路のシロアリ用餌材を各片に分割し、次いで分割時に層間剥離した段ボール紙を別途設けた駆除装置のシロアリ用餌材に沿わせて設置するシロアリの駆除方法。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、シロアリを駆除または生息状況把握のために用いるシロアリの誘導装置およびこれを用いたシロアリの駆除方法に関する。 【背景技術】 【0002】 シロアリは、等翅目に属する昆虫の総称であり、わが国にはイエシロアリ、ヤマトシロアリ、サツマシロアリ、カタンシロアリ、オオシロアリなどが棲息している。このようなシロアリ類のうち、特に木質の建造物を食害することが多く、建造物の強度や耐久性を低下させたり、予想外の災害を招く害虫と認められる種類に対して駆除装置や駆除方法が種々開発されている。 【0003】 従来、シロアリの生息状況を把握したり、または駆除に用いる一般的なシロアリ誘引・駆除装置として、シロアリの出入り可能な開口部を有する容器内にシロアリが喫食や接触を好むセルロース質の餌やフェロモンまたはそれらの担持物質からなる誘引剤を収容したシロアリ誘引・駆除装置が知られており、松や栂などの木材またはその削り屑もしくはセルロース質のロール紙などが餌として用いられている。 【0004】 このような装置において容器内にシロアリ駆除用の薬剤を収容しておくと、この薬剤を摂餌または接触したシロアリが駆除されると共に、このようなシロアリが帰巣後に死亡することで巣内に薬剤が散布され、営巣しているシロアリの群れ全体を駆除できる可能性がある(特許文献1参照)。 【0005】 このようなシロアリの誘引・駆除装置は、シロアリの食害を防止するために、床下全体の広い面積に薬剤を散布する必要がなく、したがって建物に居住する人の健康を害することなく、また陸水域その他の生物環境保護上からも好ましい駆除手段であることが、近年広く認識されつつある。 【0006】 ところで、シロアリ誘引・駆除装置を使用する場合に、生息しているシロアリをいかにして忌避させることなく装置内に誘導できるかという技術がこのような駆除装置の性能を左右するといっても過言ではない。 【0007】 例えば、駆除装置にシロアリの導入口を形成した際、このシロアリの導入口に導入補助餌材を挿入して設けたシロアリ駆除装置が知られている。導入補助餌材としては、段ボールに湿り気を与えて使用するとシロアリを導入口から容器内に効率よく導入させることができる(特許文献2参照)。 【0008】 【特許文献1】特開平9−313084号公報(段落[0018]) 【特許文献2】特開2001−314145号公報(請求項3、段落[0018]) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 しかし、上記した従来のシロアリの導入補助餌材は、シロアリの駆除装置の設置当初から併用しなければ使用できないものであり、せっかく誘引されたシロアリが、駆除装置の餌材を忌避して蟻道をつくらない場合もあり、実質的に駆除装置の効率を高める誘引性を導入補助餌材で充分に高めることは容易なことではなかった。 【0010】 そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、シロアリの誘導装置および駆除方法についての誘導・駆除効率を改善し、自然に徘徊するシロアリを一時的に誘引する蟻道との連絡が円滑に行なえると共に、一度誘引したシロアリが駆除装置の餌材に対して確実に侵入して蟻道を形成する確率を高め、これにより実質的に駆除装置の効率を顕著に高めることのできるシロアリの誘導装置および駆除方法とすることである。 【課題を解決するための手段】 【0011】 上記の課題を解決するために、この発明においては、段ボール紙を介して2片のシロアリ用餌材を一体化したシロアリ用誘導路からなり、この誘導路は前記シロアリ用餌材を各片に分割した際に段ボール紙が層間剥離するようにシロアリ用餌材の各片と段ボール紙とを接着一体化してなるシロアリの誘導装置としたのである。 【0012】 上記した構造のこの発明のシロアリの誘導装置は、シロアリが段ボール紙の波板状紙材の隙間を蟻道に利用して侵入しやすいものである。そして、段ボール紙およびシロアリ用餌材にシロアリが侵入している状態でシロアリ用餌材を各片に分割した際に、段ボール紙が層間剥離してシロアリ用餌材の各片の一面に一部が破壊されたトンネル状の蟻道が残存するものになる。 【0013】 シロアリ用餌材の各片の一面に残る一部が破壊されたトンネル状の蟻道は、シロアリによって直ちに修復される可能性が高いから、この部分を木材などの餌材に沿わせて設置すると、シロアリが前記餌材に沿って新しい蟻道を無理なく作り、既設の蟻道と誘引しようとする対象物との連結が速やかに行なえる。 【0014】 また、同様にして、実質的に駆除装置の効率を高めるために、前記のシロアリ誘導装置を誘導対象シロアリによる既設の蟻道付近に設置し、段ボール紙およびシロアリ用餌材にシロアリが侵入している状態で前記シロアリ用餌材を各片に分割し、次いで分割時に層間剥離した段ボール紙を別途設けた駆除装置のシロアリ用餌材に沿わせて前記既設の蟻道と連結するように設置するシロアリの駆除方法としたのである。 【0015】 上記したように構成したシロアリの駆除方法では、分割時に層間剥離した段ボール紙を別途設けた駆除装置のシロアリ用餌材に沿わせて前記既設の蟻道と連結するように設置することにより、シロアリ用餌材の各片の一面に残る一部の蟻道が、シロアリによって直ちに修復されることにより、駆除装置のシロアリ用餌材と一体となった蟻道が形成される。これにより自然環境で形成された蟻道から駆除装置のシロアリ用餌材へ誘導される確率が飛躍的に高まり、実質的に駆除装置の効率を顕著に高める。 【0016】 また、前記の課題を解決する別の態様として、段ボール紙を介して2片のシロアリ用餌材を一体化した第1誘導路を設け、この第1誘導路から交差方向にシロアリが誘導されるように、段ボール紙を介して2片のシロアリ用餌材を一体化した第2誘導路を設け、これら第1誘導路または第2誘導路の少なくとも一方は、シロアリ用餌材を各片に分割した際、段ボール紙が層間剥離するようにシロアリ用餌材と段ボール紙とを接着一体化してなるシロアリの誘導装置を採用することもできる。 【0017】 シロアリは、地中を移動して餌や水場を探す行動をする生物であるから、例えば第1誘導路をシロアリの生息する確率の高い地中に埋設することにより、シロアリを誘引する確立は高く、さらに延出部分または餌材の接触部などを介して第2誘導路へ侵入させ、この状態で例えば第2誘導路のシロアリ用餌材を各片に分割すると、2片のシロアリ用餌材に介在する段ボール紙が層間剥離して、各シロアリ用餌材上に一部が残る。 【0018】 そして、この層間剥離した段ボール紙が残る部分を木材などの餌材に沿わせて設置すると、シロアリが前記餌材に沿って駆除装置と一体に新しい蟻道を無理なく速やかに作る。 【0019】 この誘導装置を用いたシロアリの駆除方法は、上述したように、上記誘導装置の第1誘導路または第2誘導路の一方を地中に埋設し、段ボール紙およびシロアリ用餌材にシロアリが侵入した状態で他方の誘導路のシロアリ用餌材を各片に分割し、次いで分割時に層間剥離した段ボール紙を別途設けた駆除装置のシロアリ用餌材に沿わせて設置するシロアリの駆除方法である。 【発明の効果】 【0020】 シロアリの誘導装置が、段ボール紙を介して2片のシロアリ用餌材を接着一体化したシロアリ用誘導路からなる発明では、層間剥離した段ボール紙をシロアリの習性によって再生させると同時に、シロアリが前記餌材に沿って新しい蟻道を無理なく作るから、既設の蟻道と、シロアリを誘引しようとする対象物との連結が速やかにかつ確実に行なえる利点がある。 【0021】 また、上記のシロアリの誘導装置を用いたシロアリの駆除方法では、一度誘引したシロアリが駆除装置の餌材に対して確実に侵入して蟻道を形成する確率を高め、これにより実質的に駆除装置の効率を顕著に高めることのできる利点がある。 【0022】 また、第1誘導路から交差方向に第2誘導路を設けたシロアリの誘導装置またはこれを用いた駆除方法に係る発明では、層間剥離した段ボール紙の残る部分を木材などの餌材に沿わせて設置すると、シロアリが駆除装置の餌材に沿って新しい蟻道を無理なく速やかに作るから、これにより実質的に駆除装置の効率を顕著に高めるシロアリの駆除装置または駆除方法となる利点がある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0023】 この発明の実施形態を以下に、添付図面に基づいて説明する。 図1および図2に示すように、第1実施形態は、段ボール紙1を介して2片の木質角材からなるシロアリ用餌材2、3を一体化したシロアリ用誘導路を示し(図1参照)、この誘導路は、シロアリ用餌材2、3を各片に分割した際に段ボール紙1が層間剥離するようにシロアリ用餌材の各片2、3と段ボール紙1とを接着一体化したシロアリの誘導装置である。 【0024】 この発明に用いる段ボール紙1は、一般的に包装用や運送用の板紙の一種であり、その構造は波状に成形した紙4の片面または両面に板紙5を貼り合せたものである。図示したものは、2枚の板紙5の間に波状に成形した紙4を接着一体化したものを示している。 【0025】 このような段ボール紙1は、2片のシロアリ用餌材2、3に対して防水性の接着剤によって、接着一体化され、湿らせた状態でよくシロアリを誘導するように使用することが好ましい。 【0026】 シロアリの誘導装置を、誘導対象のシロアリによって自然環境下で既設の蟻道付近に設置しておくと、その習性により段ボール紙1およびシロアリ用餌材2、3を喫食して孔を形成しシロアリが侵入している状態になる。このとき図2に示すように、シロアリ用餌材2、3を各片に分割し、次いで分割時に層間剥離した段ボール紙1を別途設けた駆除装置のシロアリ用餌材(図示せず。)に沿わせておくと、シロアリが壊れた蟻道を修復する習性を発揮するので、速やかに既設の蟻道と連結するようになり、シロアリを駆除装置の殺蟻機能によって確実に駆除することができる。 【0027】 図3および図4に示す第2実施形態は、段ボール紙1を介して木質角材からなる2片のシロアリ用餌材9、10を接着一体化した第1誘導路11を設け、この第1誘導路11から直交方向に連続させて、2片のシロアリ用餌材6、7を段ボール紙1を介して接着一体化した第2誘導路8を設け、第2誘導路は、シロアリ用餌材6、7を各片に分割した際(図4参照)、段ボール紙が層間剥離してその分割面にそれぞれ板紙5および波状の紙4の一部が付着するように、シロアリ用餌材6、7と段ボール紙1とを接着一体化したシロアリの誘導装置である。 【0028】 このようなシロアリの誘導装置を使用する態様としては、図5に示すシロアリ駆除装置に対してシロアリを誘導することが好ましい。 【0029】 因みに、図5に示す駆除装置は、木質の角材12を段ボール紙13を介し接着剤により連結して、方形状の枠型状に形成し、その下面を合成樹脂製でダンボール紙と同構造の厚板19で覆うと共に、シロアリの飲用水を粒体と共に容器に収容した水飲み装置14を設置している。また、この装置の隣には、後の工程でシロアリの駆除用毒餌剤などを収容するためのスペーサー用の空容器15を設置している。そして、木質の角材12の外側には、要所に段ボール紙20を接着して設け、シロアリの木材への侵入を促している。 【0030】 なお、駆除装置の内縁は、シロアリの喫食行動を促すために。多数の切り込み16を形成し、また上面は透明プラスチック板17で覆い、さらにその上に断熱性の高いプレート(発泡樹脂板でもよい。)18で覆っている。 【0031】 このような駆除装置と第2実施形態を使用する場合、先ず、駆除装置を水で湿らせておき、シロアリ駆除装置全体を地面に浅く埋設すると共に、図4で示した第2実施形態のシロアリ用餌材6、7を各片に分割し直角状に配置したもの(図5中に鎖線で示した。)を方形状の枠型状の外側に沿わせて地面に埋設する。 【0032】 このようにすると、地中を徘徊するシロアリが、埋設された誘導路から段ボール紙の蟻道に沿って誘導路に侵入し、さらに駆除装置の外側のダンボール紙20と接するか、または接するように沿わせて配置された板紙5や波状の紙4の一部を利用して新しい蟻道を作りながら無理なく速やかに駆除装置内に侵入する。 【0033】 この駆動装置には、シロアリの餌と共にシロアリが侵入して飲用できる水飲み装置(水入りの容器内に水面以上の高さに粒状物が充填されている装置)が設置されているので、水場と餌場が近接して設けられていることにより、営巣活動が活発化し、これにより駆除装置の駆除効率を顕著に高めるシロアリの駆除装置となる。 【図面の簡単な説明】 【0034】 【図1】第1実施形態の斜視図 【図2】第1実施形態のシロアリ用餌材を各片に分割した状態を説明する斜視図 【図3】第2実施形態の斜視図 【図4】第2実施形態のシロアリ用餌材を各片に分割した状態を説明する斜視図 【図5】第2実施形態を駆除装置と共に使用した状態の斜視図 【符号の説明】 【0035】 1、13、20 段ボール紙 2、3、6、7、9、10 シロアリ用餌材 4 紙 5 板紙 8 第2誘導路 11 第1誘導路 12 角材 14 水飲み装置 15 空容器 16 切り込み 17 透明プラスチック板 18 プレート 19 厚板
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000250018 【氏名又は名称】有恒薬品工業株式会社
|
| 【出願日】 |
平成16年3月31日(2004.3.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074206 【弁理士】 【氏名又は名称】鎌田 文二
【識別番号】100084858 【弁理士】 【氏名又は名称】東尾 正博
【識別番号】100087538 【弁理士】 【氏名又は名称】鳥居 和久
|
| 【公開番号】 |
特開2005−287385(P2005−287385A) |
| 【公開日】 |
平成17年10月20日(2005.10.20) |
| 【出願番号】 |
特願2004−106372(P2004−106372) |
|