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【発明の名称】 魚類養殖装置
【発明者】 【氏名】熊井 英水

【氏名】岡田 貴彦

【氏名】加藤 清

【要約】 【課題】生簀内に照射される光を遮断し、養殖魚にとって快適な環境を実現可能な養殖装置を提供する。

【解決手段】養殖装置1は、生簀2の上部に遮光シート3が設けられる。遮光シートは、生簀の上部に設けられる生簀枠7に連結される遮光シート支持手段4によって支持される。養殖装置はまた、基端部35が生簀枠に連結され、生簀の外方に延びる第1支持部材5を備え、第1支持部材の遊端部36a,36b付近と、遮光シート支持手段とに連結される第1ばね部材6のばね力によって、遮光シート支持手段に装着された遮光シートに張力を作用し、遮光シートの装着状態をより安定的に維持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生簀の上部に可視光を遮断する遮光シートを設けることを特徴とする魚類養殖装置。
【請求項2】
上部に生簀枠が設けられる生簀と、
可視光を遮断する遮光シートと、
生簀枠に連結され、遮光シートを支持する遮光シート支持手段と、
生簀枠の遮光シート支持手段との連結部付近に基端部が連結され、生簀の外方に延びる第1支持部材と、
一端部が第1支持部材の遊端部付近に連結され、他端部が遮光シート支持手段の予め定める位置に連結される第1ばね部材と、
を含むことを特徴とする魚類養殖装置。
【請求項3】
前記遮光シート支持手段は、上下に延びる支柱と、支柱を支持する支柱受部材とを含むことを特徴とする請求項2記載の魚類養殖装置。
【請求項4】
前記第1支持部材の遊端部付近にフロートが取り付けられることを特徴とする請求項2または3記載の魚類養殖装置。
【請求項5】
前記第1支持部材は、基端部から複数の方向に延びるように形成され、第1支持部材の各遊端部付近には、第1ばね部材の各一端部が、それぞれ連結されることを特徴とする請求項2〜4のうちいずれか1項に記載の魚類養殖装置。
【請求項6】
前記遮光シート支持手段は、第1連結手段によって生簀枠に連結され、
第1連結手段は、遮光シート支持手段に作用する生簀の内方への力に対し、逆方向に力を作用することを特徴とする請求項2〜5のうちいずれか1項に記載の魚類養殖装置。
【請求項7】
前記第1連結手段は、
一端部が遮光シート支持手段に連結され、他端部に軸筒部が形成される第1連結部材と、
一端部が生簀枠に連結され、他端部に軸筒部が形成される第2連結部材と、
コイル部を含む第2ばね部材と、
第1連結部材の軸筒部と、第2連結部材の軸筒部と、第2ばね部材のコイル部とを挿通する第1軸部材とを含み、
第2ばね部材は、自然状態において、一端部が第1連結部材の生簀の内方に向かう面に当接し、かつ他端部が第2連結部材に当接するように設けられることを特徴とする請求項6記載の魚類養殖装置。
【請求項8】
前記第1支持部材は、第2連結手段によって生簀枠に連結され、
第2連結手段は、第1支持部材に作用する上方への力に対し、逆方向に力を作用することを特徴とする請求項2〜7のうちいずれか1項に記載の魚類養殖装置。
【請求項9】
前記第2連結手段は、
一端部が第1支持部材に連結され、他端部に軸筒部が形成される第3連結部材と、
一端部が生簀枠に連結され、他端部に軸筒部が形成される第4連結部材と、
コイル部を含む第3ばね部材と、
第3連結部材の軸筒部と、第4連結部材の軸筒部と、第3ばね部材のコイル部とを挿通する第2軸部材とを含み、
第3ばね部材は、自然状態において、一端部が第3連結部材の上方に向かう面に当接し、かつ他端部が第4連結部材に当接するように設けられることを特徴とする請求項8記載の魚類養殖装置。
【請求項10】
前記第1支持部材に重錘手段が設けられることを特徴とする請求項2〜8のうちいずれか1項に記載の魚類養殖装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、海などを利用してマグロなどの魚類を養殖するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マグロなどの高級魚の養殖が、海岸付近の水域に設けられた生簀内で行われている。
【0003】
マグロのような繊細な魚は、特に夜間に、たとえば生簀の近隣を通過する自動車または漁船の照明装置による光を受けると、その光に興奮し、突然暴れ出す習性を有する。従来の養殖装置では、このような光が遮断されないので、生簀中の養殖魚が、暴れ、生簀網または他の養殖魚に衝突することによって、魚体が損傷し、ひいては魚が死亡するという問題があった。また、暴れることによって体温が上昇し、魚体のタンパク質が変質する、いわゆる身焼けが生じるおそれがある。したがって、生簀に対して光が突然照射されたとしても養殖魚に影響を与えることのない、好適な養殖環境を実現可能な養殖装置が望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、生簀に照射される可視光を遮断し、養殖魚にとって快適な環境を実現可能な養殖装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、生簀の上部に可視光を遮断する遮光シートを設けることを特徴とする魚類養殖装置である。
【0006】
本発明に従えば、生簀の上部に遮光シートが設けられることによって、生簀近辺を通過する自動車または漁船からの可視光を遮断することができる。
【0007】
本発明は、上部に生簀枠が設けられる生簀と、
可視光を遮断する遮光シートと、
生簀枠に連結され、遮光シートを支持する遮光シート支持手段と、
生簀枠の遮光シート支持手段との連結部付近に基端部が連結され、生簀の外方に延びる第1支持部材と、
一端部が第1支持部材の遊端部付近に連結され、他端部が遮光シート支持手段の予め定める位置に連結される第1ばね部材と、
を含むことを特徴とする魚類養殖装置である。
【0008】
本発明に従えば、第1ばね部材が、遮光シート支持手段から第1支持部材の遊端部に向かう方向に引張力を作用するので、遮光シート支持手段に装着された遮光シートに張力を作用する。これによって、遮光シートの装着状態をより安定的に維持することができる。
【0009】
遮光シート支持手段が生簀の内方に変位し、遮光シートに作用する張力が弱くなると、生簀内に遮光シートが着水するおそれがある。この場合、養殖魚に遮光シートが絡まるなど、養殖環境を悪化させる原因となる。本発明に従えば、遮光シートが生簀の内方に風圧を受けるなどの外力を受けたとしても、第1ばね部材が、遮光シート支持手段に作用する生簀の内方への力に対し、逆方向にばね力を作用するので、遮光シート支持手段の生簀の内方への変位を防止することができる。この結果、好適な養殖環境を実現することができる。
【0010】
本発明は、前記遮光シート支持手段は、上下に延びる支柱と、支柱を支持する支柱受部材とを含むことを特徴とする。
【0011】
本発明に従えば、遮光シート支持手段において、支柱が支柱受部材によって支持されるので、遮光シートをより安定的に維持することができる。
【0012】
本発明は、前記第1支持部材の遊端部付近にフロートが取り付けられることを特徴とする。
【0013】
本発明に従えば、第1支持部材の遊端部付近にフロートが取り付けられるので、第1支持部材に浮力が与えられ、一定の高さを維持することができる。
【0014】
本発明は、前記第1支持部材は、基端部から複数の方向に延びるように形成され、第1支持部材の各遊端部付近には、第1ばね部材の各一端部が、それぞれ連結されることを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、第1支持部材は、基端部から複数の方向に延びるように形成され、第1ばね部材の各一端部が、第1支持部材の各遊端部付近に連結されるので、第1ばね部材は、遮光シート支持手段に作用する様々な方向への力に対して、逆方向にばね力を作用する。これによって、遮光シートの装着状態をより安定的に維持することができる。
【0016】
本発明は、前記遮光シート支持手段は、第1連結手段によって生簀枠に連結され、
第1連結手段は、遮光シート支持手段に作用する生簀の内方への力に対し、逆方向に力を作用することを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、第1連結手段が、遮光シート支持手段に作用する生簀の内方への力に対し、逆方向に力を作用するので、遮光シート支持手段に装着された遮光シートに作用する張力を維持することができ、遮光シートの装着状態をより安定的に維持することができる。また、遮光シートが生簀の内方に風圧を受けたとしても、遮光シート支持手段の生簀の内方への変位を防止することができ、遮光シートが生簀内に入って養殖魚に絡まるなどの危険はない。
【0018】
本発明は、前記第1連結手段は、
一端部が遮光シート支持手段に連結され、他端部に軸筒部が形成される第1連結部材と、
一端部が生簀枠に連結され、他端部に軸筒部が形成される第2連結部材と、
コイル部を含む第2ばね部材と、
第1連結部材の軸筒部と、第2連結部材の軸筒部と、第2ばね部材のコイル部とを挿通する第1軸部材とを含み、
第2ばね部材は、自然状態において、一端部が第1連結部材の生簀の内方に向かう面に当接し、かつ他端部が第2連結部材に当接するように設けられることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、第1軸部材を軸として、第1連結部材と第2連結部材とが角変位可能であり、第2ばね部材は、自然状態において、一端部が第1連結部材の生簀の内方に向かう面に当接し、他端部が第2連結部材に当接するので、遮光シート支持手段が外力を受けることにより第1連結部材が生簀の内方に角変位する場合、第2ばね部材が、生簀の内方への力に対して、逆方向にばね力を作用する。これによって、遮光シートの装着状態をより安定的に維持することができる。
【0020】
本発明は、前記第1支持部材は、第2連結手段によって生簀枠に連結され、
第2連結手段は、第1支持部材に作用する上方への力に対し、逆方向に力を作用することを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、第2連結手段が、第1支持部材に作用する上方への力、たとえば第1ばね部材によって第1支持部材に作用する遮光シート支持手段方向への引張力、またはフロートによって第1支持部材に作用する浮力に対して、逆方向に力を作用するので、遮光シートの装着状態をより安定的に維持することができる。
【0022】
本発明は、前記第2連結手段は、
一端部が第1支持部材に連結され、他端部に軸筒部が形成される第3連結部材と、
一端部が生簀枠に連結され、他端部に軸筒部が形成される第4連結部材と、
コイル部を含む第3ばね部材と、
第3連結部材の軸筒部と、第4連結部材の軸筒部と、第3ばね部材のコイル部とを挿通する第2軸部材とを含み、
第3ばね部材は、自然状態において、一端部が第3連結部材の上方に向かう面に当接し、かつ他端部が第4連結部材に当接するように設けられることを特徴とする。
【0023】
本発明に従えば、第2軸部材を軸として、第3連結部材と第4連結部材とが角変位可能であり、第3ばね部材は、自然状態において、一端部が第3連結部材の上方に向かう面に当接し、他端部が第4連結部材に当接するので、第1支持部材が外力を受けることにより第3連結部材が上方に角変位する場合、第3ばね部材が、上方への力に対して、逆方向にばね力を作用する。これによって、遮光シートの装着状態をより安定的に維持することができる。
【0024】
本発明は、前記第1支持部材に重錘手段が設けられることを特徴とする。
本発明に従えば、第1支持部材に重錘手段が設けられるので、第1支持部材に作用する上方への力に対して、逆方向に重錘手段の重力が作用する。これによって、遮光シートの装着状態をより安定的に維持することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、生簀の上部に遮光シートが設けられることによって、生簀近辺を通過する自動車または漁船からの可視光を遮断することができ、好適な養殖環境を実現することができる。
【0026】
また、本発明によれば、第1ばね部材が、遮光シート支持手段から第1支持部材の遊端部に向かう方向に引張力を作用するので、遮光シート支持手段に装着された遮光シートに張力を作用し、遮光シートの装着状態をより安定的に維持することができる。また、遮光シートが生簀の内方に風圧を受けるなどの外力を受けたとしても、第1ばね部材が、遮光シート支持手段に作用する生簀の内方への力に対して、ばね力を作用するので、遮光シート支持手段の生簀の内方の変位を防止することができる。この結果、好適な養殖環境を実現することができる。
【0027】
さらに、本発明によれば、遮光シート支持手段において、支柱が支柱受部材によって支持されるので、遮光シートをより安定的に維持することができる。
【0028】
さらに、本発明によれば、第1支持部材の遊端部にフロートが取り付けられるので、第1支持部材に浮力が与えられ、一定の高さを維持することができる。
【0029】
さらに、本発明によれば、第1支持部材は、基端部から複数の方向に延びるように形成され、第1ばね部材の各一端部が、第1支持部材の各遊端部に連結されるので、遮光シート支持手段に作用する様々な方向への力に対して、逆方向にばね力を作用し、遮光シートの装着状態をより安定的に維持することができる。
【0030】
さらに、本発明によれば、第1連結手段が、遮光シート支持手段に作用する生簀の内方への力に対して、逆方向に力を作用するので、遮光シート支持手段に装着された遮光シートに作用する張力を維持することができ、遮光シートの装着状態をより安定的に維持することができる。また、遮光シートが生簀の内方に風圧を受けたとしても、遮光シート支持手段の生簀の内方への変位を抑えることができ、遮光シートが生簀内に入って養殖魚に絡まるなどの危険はない。
【0031】
本発明によれば、第1軸部材を軸として、第1連結部材と第2連結部材とが角変位可能であり、第2ばね部材は、自然状態において、一端部が第1連結部材の生簀の内方に向かう面に当接し、他端部が第2連結部材に当接するので、遮光シート支持手段が外力を受けることにより第1連結部材が生簀の内方に角変位する場合、第2ばね部材が、生簀の内方への力に対して、逆方向にばね力を作用する。これによって、遮光シートの装着状態をより安定的に維持することができる。
【0032】
本発明によれば、第2連結手段が、第1支持部材に作用する上方への力、たとえば第1ばね部材によって第1支持部材に作用する遮光シート支持手段方向への引張力、またはフロートによって第1支持部材に作用する浮力に対して、逆方向に力を作用するので、遮光シートの装着状態をより安定的に維持することができる。
【0033】
本発明によれば、第2軸部材を軸として、第3連結部材と第4連結部材とが角変位可能であり、第3ばね部材は、自然状態において、一端部が第3連結部材の上方に向かう面に当接し、他端部が第4連結部材に当接するので、第1支持部材が外力を受けることにより第3連結部材が上方に角変位する場合、第3ばね部材が、上方への力に対して、逆方向に力を作用する。これによって、遮光シートの装着状態をより安定的に維持することができる。
【0034】
本発明によれば、第1支持部材に重錘手段が設けられるので、第1支持部材に作用する上方への力に対して、逆方向に重錘手段の重力が作用する。これによって、遮光シートの装着状態をより安定的に維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1は、本発明の実施の一形態である養殖装置1の全体の構成を示す斜視図である。養殖装置1は、クロマグロを養殖するための養殖装置であり、海岸付近の水域に設けられる。本実施の形態である養殖装置1は、基本的には、生簀2と、可視光を遮断する遮光シート3と、遮光シート3を支持する遮光シート支持手段4と、生簀2の外方に延びる第1支持部材5と、遮光シート支持手段4と第1支持部材5とに連結される第1ばね部材6とから構成される。
【0036】
生簀2は、上部が開放された円筒形の養殖空間を有し、上部が水面上付近に位置するように浮設される。生簀2の上部には、環状の鉄製の生簀枠7が設けられる。生簀枠7は、生簀2の軸線X方向に間隔をあけて設けられる2つの環状枠8,9と、下方の環状枠9の外方に、生簀2の軸線Xの半径方向に間隔をあけて設けられる1つの環状枠10と、これらの環状枠8,9,10に沿って生簀2の軸線Xまわりに一定の間隔をあけた複数の位置に設けられ、環状枠を互いに連結する環状枠連結部材11とから構成される。生簀枠7の内側の環状枠8,9の直径は、約30mであり、外側の環状枠10の直径は、約31mである。環状枠連結部材11は、上方内側の環状枠8から下方外側の環状枠10に向かって斜めに延びるように形成される斜め連結部材12と、下方内側の環状枠9から上方内側の環状枠8に向かって軸線X方向に立ち上がるように形成される立ち上がり連結部材13と、下方内側の環状枠9から下方外側の環状枠10に向かって生簀2の軸線Xの半径方向に延びるように形成される横連結部材14とを含み、これらの3つの連結部材12,13,14の各端の間に、両端を開放した継ぎ手部を形成してなる。各継ぎ手部に各環状枠8,9,10を挿通することによって、環状枠8,9,10が互いに連結される。本実施の形態において、これらの環状枠8,9,10、および環状枠連結部材11の断面形状は、円形であるが、四角形、またはその他の多角形であってもよい。本実施の形態において、生簀枠7は、鉄製であるが、ステンレス鋼など、その他の金属でもよい。また、生簀枠7の大きさ、形状、構成は、養殖する魚の種類に応じて、適宜選択することができる。
【0037】
生簀枠7の内側の2つの環状枠8,9には、生簀2の軸線Xまわりに合成樹脂製の円筒状の側部網15の上端が取り付けられる。側部網15の下端には、内外2重の金属製の環状枠16,17からなる底枠18が取り付けられる。底枠18の水面からの深さは、約8〜10mである。底枠18の内側の環状枠16の枠内に、合成樹脂製の底部網19が架設される。側部網15の下部は、底部網19によって塞がれ、側部網15と底部網19とで、上部を開放した円筒状の養殖空間が形成される。底枠18の内外の環状枠16,17の間には、複数のロープ21が架橋される。底枠18の外側の環状枠17は、生簀枠7の外側の環状枠10に、複数のロープ22を用いて連結される。
【0038】
生簀枠7には、合成樹脂製の複数の第1フロート23が取り付けられる。これによって、生簀2に浮力が与えられ、一定の高さを維持することができる。第1フロート23は、縦断面形状が略楕円形状の、中空の内部が密閉された略楕円体であり、縦断面の長軸は、約70cmである。第1フロート23は、生簀枠7の下方内側の環状枠9と、外側の環状枠10との間に配置され、第1フロート23を固定するための帯状の第1フロート固定部材24によって、両環状枠9,10に緊縛される。第1フロート固定部材24は、ねじ止めされることによって、第1フロート23に固定される。これによって、本実施の形態において、生簀2は、生簀枠7の下方の環状枠9,10が水面上付近に位置するように浮設される。
【0039】
遮光シート3は、長手方向の長さが12〜13m、長手方向と垂直な方向の長さが2〜3mの矩形の、黒色のシートであり、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂からなるフィルムを網目状に編んで形成される。本実施の形態においては、遮光シート3の上端は水面から約2m上方に設けられ、下端は水面から約0.5〜1m下方に設けられる。これにより、近隣を通過する自動車または漁船などのライトが生簀2内に入るのを遮断することができる。また、遮光シート3が水圧を受け、下端が生簀2の内方に変位したとしても、側部網15を変形させることはないので、養殖環境を好適に維持することができる。遮光シート3の寸法および設置位置は、近隣を通過する自動車または漁船などのライトが入射し得る角度の範囲に応じて適宜選択される。また、本実施の形態において、遮光シート3の下端を水面から約0.5〜1mとしたが、好ましくは、遮光シート3が生簀2の内方に変位しても、側部網15に接触しない程度の長さにされる。遮光シート3の材料、および遮光率は、養殖魚の種類に応じて、適宜選択される。
【0040】
遮光シート支持手段4は、生簀枠7の外側の環状枠10に沿って、生簀2の軸線Xまわりに一定の間隔をあけて、複数の位置に連結される。本実施の形態において、遮光シート支持手段4は、生簀枠7の第1フロート23の各固定位置に配置される。また、本実施の形態において、養殖装置1は、8つの遮光シート支持手段4を備えるが、遮光シート支持手段4の数、間隔および位置は、生簀枠7の形状、大きさ、または遮光シート3の大きさなどに応じて、適宜選択することができる。
【0041】
図2は図1の養殖装置1の一部を示す斜視図であり、図3は養殖装置1の一部を示す簡略化した縦断面図であり、図4は遮光シート支持手段4を示す簡略化した横断面図である。本実施の形態において、遮光シート支持手段4は、第1連結手段25によって、生簀枠7の外側の環状枠10と連結される。第1支持部材5は、第2連結手段26によって、生簀枠7の遮光シート支持手段4との連結部27の下方付近の連結部28に連結される。
【0042】
遮光シート支持手段4は、上下に延びる支柱29と、支柱29を支持する支柱受部材30とから構成されている。支柱29は、軸方向の長さが約2mの棒状のステンレス鋼からなるパイプである。支柱受部材30は、軸方向の長さが約1mの、円筒状のステンレス鋼からなる部材である。支柱受部材30は、上端面と、側面の一部とが開放されており、支柱29の外径よりも大径の内径を有する。支柱29の下端を支柱受部材30の開放された上端側から挿入することによって、支柱29を装着することができる。開放された側面の一部は、支柱受部材30の正面にされる。支柱受部材30の上端部付近の側面には、一対のアーチ状の連結部31a,31bが形成される。これらの連結部31a,31bに第1ばね部材6の一端部が連結される。
【0043】
支柱29の上端部付近の両側部と、中央部付近の両側部と、支柱受部材30の下端部付近の両側部とに、それぞれ一対の突片32,33,34が形成される。これらの突片32,33,34に遮光シート3を繋着することによって、遮光シート3が遮光シート支持手段4に張架される。この結果、遮光シート3は、遮光シート支持手段4に装着された状態、すなわち装着状態となる。本実施の形態において、支柱29および支柱受部材30は、ステンレス鋼からなるが、その他の金属でもよい。支柱29および支柱受部材30の寸法および形状は、遮光シート3の寸法などに応じて、適宜選択することができる。
【0044】
第1支持部材5は、断面形状が矩形であり、中空のステンレス鋼からなる角柱状の部材である。第1支持部材5は、基端部35から生簀2の外方、かつ軸線Xに対して垂直な2つの方向に延びるように形成され、平面形状は略V字形状である。基端部35から各遊端部36a,36bまでの距離は、約1mであり、2つの遊端部36a,36bの間隔は、約1mである。各遊端部36a,36b付近の上面に、アーチ状の連結部37a,37bが形成される。これらの連結部37a,37bに、第1ばね部材6の、遮光シート支持手段4に連結された端部と反対側の端部が連結される。
【0045】
第1支持部材5の各遊端部36a,36b付近には、合成樹脂製の第2フロート38a,38bが取り付けられる。これらの第2フロート38a,38bの平面形状は円形であり、縦断面形状が楕円形の長軸を切断してなる半楕円形状の、中空の密閉された半楕円体である。縦断面の長軸は、約30cmである。第2フロート38a,38bは、上面を第1支持部材5の下面に当接させた状態で、第2フロート38a,38bを固定するための帯状の第2フロート固定部材39a,39bを、第1支持部材5の連結部37a,37bに挿通し、かつ緊縛することによって、第1支持部材5に固定される。これによって、第1支持部材5に浮力が与えられ、第1支持部材5を一定の高さ、すなわち水上に維持することができる。第2フロート38a,38bの固定方法は、その他の方法を用いてもよい。
【0046】
第1支持部材5の寸法は、遮光シート支持手段4の寸法に応じて、適宜選択される。本実施の形態において、第1支持部材5の形状は、基端部35から延びる方向が2つであり、平面形状が略V字形状であるけれども、基端部35から延びる方向を3つ以上とする形状であってもよい。また、第1支持部材5の縦断面形状は、円形など、他の形状にしてもよい。本実施の形態において、第1支持部材5は、ステンレス鋼からなるが、その他の金属でもよい。
【0047】
図2および図3に示すように、第1支持部材5には、重錘手段82が設けられる。重錘手段82は、重錘83と、重錘83を保持する重錘保持部材84とを含む。重錘83は、軸線方向に垂直な仮想平面における断面の形状が円形であり、軸線に沿って貫通孔を有する円筒状の部材である。重錘83は、比重の比較的大きい金属からなり、たとえば、鉄またはステンレス鋼が用いられる。重錘保持部材84は、ステンレス鋼からなる細長い棒状の部材である。重錘保持部材84の軸線方向に垂直な仮想平面における断面の形状は円形であり、重錘83の貫通孔の内径よりも小さい外径を有する。重錘保持部材84は、重錘83を保持するに適した構成を適宜選択することができ、また、その材料は、その他の金属であってもよく、またはロープであってもよい。
【0048】
本実施の形態において、重錘83は、重錘保持部材84を重錘83の貫通孔に挿通することによって、重錘保持部材84に保持される。重錘保持部材84は、両端部をそれぞれ、第1支持部材5の各遊端部36a,36b付近の側面に固定することによって、第1支持部材5に連結される。こうして、重錘手段82は、第1支持部材5に設けられる。これによって、第1支持部材5に作用する上方への力に対して、逆方向に重錘手段82の重力が作用する。この結果、遮光シート3の装着状態をより安定的に維持することができる。
【0049】
重錘保持部材84の両端部の固定位置は、重錘83の重力が第1支持部材5に作用するように、適宜選択することができる。また、重錘83は、第1支持部材5が第2フロート38a,38bの浮力により水上に維持される状態において水上に位置するように保持される。
【0050】
第1支持部材5に作用する重錘手段82の重力は、好ましくは、第2フロート38a,38bが第1支持部材5に与える浮力と均衡するように設定される。必要に応じて、重錘保持部材84に保持される重錘83の数を増減させることによって、第1支持部材5に作用する重力を調整することも可能である。
【0051】
重錘83が重錘保持部材84の両端部を第1支持部材5に固定する方法は、適宜選択され、たとえば、溶接、ねじ止めなどである。また、固定後に重錘83を追加または除去することによって第1支持部材5に作用する力を調節可能とするために、重錘保持部材84の両端部は着脱自在に固定されてもよい。
【0052】
第1ばね部材6は、ステンレス鋼線からなる引張コイルばねである。両端部の形状は、略J字状に形成される。第1ばね部材6は、支柱受部材5のアーチ状の各連結部31a,31bと、第1支持部材5の各遊端部36a,36b付近に設けられたアーチ状の各連結部37a,37bとの間で張架される。遮光シート3が風圧を受けるなど、遮光シート支持手段4が生簀2の内方に、たとえば図2および図3における矢印Pの方向に力を受けた場合に、第1ばね部材6は、遮光シート支持手段4から第1支持部材5の遊端部36a,36b付近に向かう方向に引張力を作用する。これによって、遮光シート支持手段4に張架された遮光シート3に張力を作用し、遮光シート3の装着状態をより安定的に維持することができる。本実施の形態において、第1ばね部材6の材料として、ステンレス鋼線を用いたが、その他の引張ばねに用いられる材料であってもよく、たとえば、ばね鋼鋼材、硬鋼線などでもよい。
【0053】
本実施の形態において、第1支持部材5の遊端部36a,36bは、2つであり、2つの第1ばね部材6の各一端部が、各遊端部36a,36bに形成された連結部37a,37bに連結される。これにより、第1ばね部材6は、遮光シート支持手段4に作用する多方向への力に対して、逆方向にばね力を作用することができ、遮光シート3の装着状態をより安定的に維持することができる。第1ばね部材6の数は、第1支持部材5の連結部37の数、すなわち第1支持部材5の基端部35から延びる方向の数に応じて、適宜選択される。また、第1ばね部材6の両端部の連結位置、すなわち、支柱受部材30に設けられる連結部31a,31bおよび第1支持部材5の遊端部36a,36b付近に設けられる連結部37a,37bの位置は、支柱受部材30の形状および寸法、ならびに第1支持部材5の形状および寸法などに応じて、第1ばね部材6のばね力が好適に作用するように、適宜選択される。
【0054】
図5は図3の領域Aを示す簡略化した拡大断面図であり、図6は第1連結手段25を示す斜視図であり、図7は第1連結手段25を示す分解斜視図であり、図8は第2連結手段26を示す斜視図であり、図9は第2連結手段26を示す分解斜視図である。
【0055】
本実施の形態における第1連結手段25は、ばね部材を備えたヒンジであり、一端部が支柱受部材30の下端面40に連結され、他端部に軸筒部41a,41bが形成される第1連結部材42と、一端部が生簀枠7の外側の環状枠10に連結され、他端部に軸筒部43a,43bが形成される第2連結部材44と、コイル部45を含む第2ばね部材46と、第1連結部材42の軸筒部41a,41bと第2連結部材44の軸筒部43a,43bと第2ばね部材46のコイル部45とを挿通する第1軸部材47とを含む。
【0056】
本実施の形態において、第1連結部材42は、ステンレス鋼からなる薄板である。第1連結部材42の一端部には、支柱受部材30の下端面に一方面を当接させて装着される取付部48が設けられる。この取付部48に連なって、一端から取付部48の支柱受部材30の下端面に当接する面に対して垂直に立ち上がる支持部49が形成される。この支持部49に連なって、取付部48が設けられる側の反対側の端部に、円筒状の実質的に同一の内径を有する2つの軸筒部41a,41bが、軸線方向に間隔をあけて形成される。
【0057】
第1連結部材42の取付部48には、3つの開口部50が互いに等間隔をあけて形成される。これらの開口部50にねじ51を挿通して、第1連結部材42は、支柱受部材30の下端面にねじ止めによって固定される。第1連結部材42は、軸筒部41a,41bの軸線方向が支柱受部材30の軸線方向に対して垂直であり、支柱受部材30の正面方向に対して垂直となるように、支柱受部材30に固定される。
【0058】
本実施の形態において、第2連結部材44は、ステンレス鋼からなる薄板である。第2連結部材44の一端部には、生簀枠7の外側の環状枠10に一方面を当接させて装着される取付部52が形成される。第2連結部材44の取付部52の表面形状は、環状枠10の表面形状に合わせて形成され、本実施の形態の場合、曲面に形成される。この取付部52に連なって、一端から、環状枠10に取り付けた状態で生簀2の軸線Xの半径方向に立ち上がる支持部53が形成される。この支持部53に連なって、取付部52が形成される側の反対側の端部に、円筒状の実質的に同一の内径を有する2つの軸筒部43a,43bが軸線方向に間隔をあけて形成される。第2連結部材44の2つの軸筒部43a,43bの軸線方向の間隔、すなわち一方の軸筒部43aの内側の端と他方の軸筒部43bの内側の端との距離は、第1連結部材42の一方の軸筒部41aの外側の端から他方の軸筒部41bの外側の端までの距離と同一にされる。
【0059】
第2連結部材44の取付部52には、3つの開口部54が互いに等間隔をあけて形成される。これらの開口部54にねじ81を挿通して、第2連結部材44は、生簀枠7の外側の環状枠10に、第1フロート固定部材24を介してねじ止めによって固定される。第2連結部材44は、軸筒部43a,43bの軸線方向が生簀2の軸線Xの半径方向に対して垂直であり、かつ生簀2の軸線X方向に対して垂直となるように、生簀枠7に固定される。本実施の形態において、第2連結部材44は、第1フロート固定部材24を介して生簀枠7に固定されるが、遮光シート支持手段4および第1支持部材5が生簀枠7の第1フロート23の固定位置に設けられない場合は、第1フロート固定部材24を介さずに生簀枠7に固定される。
【0060】
本実施の形態において、第1連結部材42および第2連結部材44は、ステンレス鋼からなるが、その他の金属であってもよい。
【0061】
本実施の形態において、第2ばね部材46は、ステンレス鋼線からなるねじりコイルばねであり、両端の腕部55a,55bがそれぞれ略L字状に屈曲される。自然状態における両端の腕部55a,55bの、コイル部45の軸線に垂直な仮想平面における相対角度は、約90度にされる。コイル部45の軸線方向の長さは、第1連結部材42の軸筒部間の距離と同一にされる。本実施の形態において、第2ばね部材46の材料として、ステンレス鋼線を用いたが、その他のねじりばねに用いられる材料であってもよく、たとえば、硬鋼線などでもよい。
【0062】
第2連結部材44の両軸筒部43の間に、第1連結部材42の両軸筒部41a,41bが、互いの軸線が一致するように配置される。第1連結部材42の両軸筒部41a,41bの間に、第2ばね部材46のコイル部45が、互いの軸線が一致するように配置される。
【0063】
第1軸部材47は、ステンレス鋼からなる円柱状の部材であり、一端部に第1および第2連結部材42,44の軸筒部41a,41b,43a,43bの内径よりも大径の外径を有する頭部56が形成される。第1軸部材47は、頭部56が形成されていない側の端部57から、第1連結部材42の軸筒部41a,41bと、第2ばね部材46のコイル部45と、第2連結部材44の軸筒部43a,43bとに挿通される。これによって、第1軸部材47を軸として、第1連結部材42と第2連結部材44とが角変位可能となる。頭部56が形成されていない側の端部57には、第1および第2連結部材42,44の軸筒部41,43の内径よりも大径の外径を有し、頭部56が形成されていない側の端部57の外径と同一の内径を有し、第1軸部材47を軸止めする環状の第1軸止め部材58が装着される。これによって、第1軸部材47の装着が確実にされる。本実施の形態において、第1軸部材47および第1軸止め部材58は、ステンレス鋼からなるが、その他の金属であってもよい。
【0064】
自然状態において、第2ばね部材46は、一端部が第1連結部材42の生簀2の内方に向かう面59に当接し、他端部が第2連結部材44の上方に向かう面60に当接するように設けられる。第2ばね部材46の自然状態における第1連結部材42と第2連結部材44との、第1軸部材47の軸線に垂直な仮想平面における相対角度は、約90度にされる。遮光シート支持手段4が力を受けることによって、第1連結部材42が生簀2の内方に、第1軸部材47の軸線まわりに角変位する場合、すなわち図5に示す矢印Qの方向に角変位する場合、第2ばね部材46は、遮光シート支持手段4に作用する生簀2の内方への力に対して、逆方向、すなわち図5に示す矢印Rの方向に、ばね力を作用する。
【0065】
本実施の形態における第2連結手段26は、ばね部材を備えたヒンジであり、一端部が第1支持部材5の基端部35に連結され、他端部に軸筒部61a,61bが形成される第3連結部材62と、一端部が生簀枠7の外側の環状枠10に連結され、他端部に軸筒部63a,63bが形成される第4連結部材64と、コイル部65を含む第3ばね部材66と、第3連結部材62の軸筒部61a,61bと第4連結部材64の軸筒部63a,63bと第3ばね部材66のコイル部65とを挿通する第2軸部材67とを含む。
【0066】
本実施の形態において、第3連結部材62は、ステンレス鋼からなる薄板である。第3連結部材62の一端部には、第1支持部材5の基端部35に一方面を当接させて装着される取付部68が形成される。この取付部68に連なって、一端から取付部68の第1支持部材5の基端部35に当接する面に対して垂直に立ち上がる支持部69が形成される。この支持部69に連なって、取付部68が設けられる側の反対側の端部に、円筒状の実質的に同一の内径を有する2つの軸筒部61a,61bが軸線方向に間隔をあけて形成される。
【0067】
第3連結部材62の取付部68には、3つの開口部70が互いに等間隔をあけて形成される。これらの開口部70にねじ71を挿通して、第3連結部材62は、第1支持部材5の基端部35にねじ止めによって固定される。第3連結部材は、軸筒部61a,61bの軸線方向が生簀2の軸線Xの半径方向に対して垂直であり、かつ生簀2の軸線X方向に対して垂直となるように、第1支持部材5に固定される。
【0068】
第4連結部材64は、ステンレス鋼からなる薄板である。第4連結部材64の一端部には、生簀枠7の外側の環状枠10に一方面を当接させて装着される取付部71が設けられる。第4連結部材64の取付部71の環状枠10に当接する面72の形状は、環状枠10の面の形状に合わせて形成され、本実施の形態においては、曲面に形成される。この取付部71に連なって、一端から、環状枠10に取り付けた状態で生簀2の軸線Xの半径方向に立ち上がる支持部72が形成される。この支持部72に連なって、取付部71が形成される側の反対側の端部に、円筒状の実質的に同一の内径を有する2つの軸筒部63a,63bが軸線方向に間隔をあけて形成される。第4連結部材64の軸筒部63a,63bの軸線方向の間隔、すなわち一方の軸筒部63aの内側の端と他方の軸筒部63bの内側の端との距離は、第3連結部材62の一方の軸筒部61aの外側の端から他方の軸筒部61bの外側の端までの距離とは、同一にされる。
【0069】
第4連結部材64の取付部71には、3つの開口部73が互いに等間隔をあけて形成される。これらの開口部73にねじ74を挿通して、取付部71は、生簀枠7の外側の環状枠10に、第1フロート固定部材24を介してねじ止めによって固定される。第4連結部材64は、軸筒部63a,63bの軸線方向が生簀2の軸線Xの半径方向に対して垂直であり、かつ生簀2の軸線X方向に対して垂直となるように、生簀枠7に固定される。本実施の形態において、第4連結部材64は、第1フロート固定部材24を介して生簀枠7に固定されるが、遮光シート支持手段4および第1支持部材5が生簀枠7の第1フロート23の固定位置に設けられない場合は、第1フロート固定部材24を介さずに生簀枠7に固定される。
【0070】
本実施の形態において、第3連結部材62および第4連結部材64は、ステンレス鋼からなるが、その他の金属であってもよい。
【0071】
本実施の形態において、第3ばね部材66は、ステンレス鋼線からなるねじりコイルばねである。第3ばね部材66の両端の腕部75a,75bは、それぞれ略L字状に屈曲される。自然状態における両端の腕部75a,75bの、コイル部65の軸線方向に垂直な仮想平面における相対角度は、約180度にされる。コイル部65の軸線方向の長さは、第3連結部材62の軸筒部61間の距離と同一にされる。本実施の形態において、第3ばね部材66の材料として、ステンレス鋼線を用いたが、その他のねじりばねに用いられる材料であってもよく、たとえば、硬鋼線などでもよい。
【0072】
第4連結部材64の両軸筒部63a,63bの間に、第3連結部材62の両軸筒部61a,61bが、互いの軸線が一致するように配置される。第3連結部材62の両軸筒部61a,61bの間に、第3ばね部材66のコイル部65が、互いの軸線が一致するように配置される。
【0073】
第2軸部材67は、ステンレス鋼からなる円柱状の部材であり、一端部に、第3および第4連結部材62,64の軸筒部61a,61b,63a,63bの内径よりも大径の外径を有する頭部76が形成される。第2軸部材67は、頭部76が形成されていない側の端部77から、第3連結部材62の軸筒部61a,61bと、第4連結部材64の軸筒部63a,63bと、第3ばね部材66のコイル部65とに挿通される。これによって、第2軸部材67を軸として、第3連結部材62と第4連結部材64とが角変位可能となる。頭部76が形成されていない側の端部77には、第3および第4連結部材62,64の軸筒部61,63の内径よりも大径の外径を有し、頭部76が形成されていない側の端部77の外径と同一の内径を有し、第2軸部材67を軸止めする環状の第2軸止め部材78が装着される。これによって、第2軸部材67の装着が確実にされる。本実施の形態において、第2軸部材67および第2軸止め部材78は、ステンレス鋼からなるが、その他の金属であってもよい。
【0074】
第3ばね部材66は、自然状態において、一端部が第3連結部材62の上方に向かう面79に当接し、他端部が第4連結部材64の上方に向かう面80に当接するように設けられる。第3ばね部材66の自然状態における第3連結部材62と第4連結部材64との、第2軸部材67の軸線に垂直な仮想平面における相対角度は、約180度にされる。第1支持部材5が力を受けることによって、第3連結部材62が、上方に、第2軸部材67の軸線まわりに角変位する場合、すなわち図5に示す矢印Sの方向に角変位する場合、第3ばね部材66は、第1支持部材5に作用する上方への力に対して、逆方向、すなわち図5に示す矢印Tの方向に作用する。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施の一形態である養殖装置1の全体の構成を示す斜視図である。
【図2】養殖装置1の一部を示す斜視図である。
【図3】養殖装置1の一部を示す簡略化した縦断面図である。
【図4】遮光シート支持手段4を示す簡略化した横断面図である。
【図5】図3の領域Aを示す簡略化した拡大断面図である。
【図6】第1連結手段25を示す斜視図である。
【図7】第1連結手段25を示す分解斜視図である。
【図8】第2連結手段26を示す斜視図である。
【図9】第2連結手段26を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0076】
1 養殖装置
2 生簀
3 遮光シート
4 遮光シート支持手段
5 第1支持部材
6 第1ばね部材
7 生簀枠
25 第1連結手段
26 第2連結手段
29 支柱
30 支柱受部材
35 第1支持部材の基端部
36a,36b 第1支持部材の遊端部
38a,38b 第2フロート
42 第1連結部材
44 第2連結部材
46 第2ばね部材
47 第1軸部材
62 第3連結部材
64 第4連結部材
66 第3ばね部材
67 第2軸部材
82 重錘手段
【出願人】 【識別番号】504224681
【氏名又は名称】熊井 英水
【識別番号】504224692
【氏名又は名称】岡田 貴彦
【識別番号】592002950
【氏名又は名称】加藤 清
【識別番号】000125347
【氏名又は名称】学校法人近畿大学
【出願日】 平成16年6月10日(2004.6.10)
【代理人】 【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎

【識別番号】100072235
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 毅至

【識別番号】100101638
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 峰太郎

【公開番号】 特開2005−348658(P2005−348658A)
【公開日】 平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願番号】 特願2004−173077(P2004−173077)