| 【発明の名称】 |
波力を利用した海水循環装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】平野 正浩
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| 【要約】 |
【課題】従来の波力利用の海水ポンプは、機械部を設けた大規模な装置であり、利用する波の波高も高く、稼働率が低いものであった。
【解決手段】海面部の海水を一時貯留する貯留室を設け、水面の上昇とともに海水を取り込み、この時得られる位置エネルギーを利用し海水を移動させる構造とした。このため、複雑な機械部を設けない簡素な構造で、微小な波の位置エネルギーを利用することができ、海水を効率よく循環できる装置となる。また耐波設計上、有利な構造とするため浮漂式の構造とした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 波力の揚圧力を利用し、溶存酸素量の多い海面の水を一時貯留室に取り込み、貯留の際に得た位置エネルギーを活用し、排水管により海底部まで送水することにより海域の海水を循環させる装置。 【請求項2】 一時海水貯留室の海水取り込み口は、小口径かつ多数とし、各取り込み口に逆流防止板(弁)を取り付けることにより、局所的かつ微小な揚圧力の変化にも追随し海水を効率的に取り込めるもの。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 オイルショック以降、エネルギーの有効活用、地球温暖化防止等の地球環境保全の観点から、自然エネルギーの利用技術の開発が強く求められている。また一方、沿岸海域の水質汚濁の改善は、下水道等の普及が進展しつつも、沿岸海域での自浄回復能力の低下等に起因して、顕著な改善は見られない状況である。 本発明は、自然エネルギーを利用し、海域の水質改善を目的とする技術である。海水交換が悪く海底付近に貧酸素水隗が存在する湾内に設置することにより、酸素量の豊富な海水を海底部まで導き、水棲・底棲生物の生存範囲を拡大し、自然界の自浄回復能力を高め、汚濁物質を分解・除去する。さらに副次的効果として、海域の静穏を確保する波力を利用した海洋構造物である。 【背景技術】 【0002】 【特許文献1】特願平5−116302 波力式ポンプ
この特許は、海面に浮かぶフロートの上下動により、海底に設置したピストンとシリンダーを用い海水を送水するポンプである。このポンプは、フロート、ピストン等の往復運動が必要不可欠であるが、この駆動にかかるエネルギーロスが相当発生すること、また水中に機械部持つため、建設及びメンテナンスに相当のコストが必要なるなどの問題があり、広いエリアを対象とする海域浄化への利用には、さらなる低コスト化を図る必要がある。 【0003】 【特許文献2】特開2000−2173(P2000−2173A)
この特許は、波の運動エネルギーを水平方向の水流に整え、振り子式の受動板を作動させ、ピストンとシリンダーを用い海水を送水するポンプである。波を水平方向の運動に整えるため整流板を設けており、利用する波については波向の制限があり、後方等からの波については、エネルギーの利用はできない。また、海中部に機械部を固定する必要があるため、波力に抵抗しうる基礎が必要である。受動板、ピストン等の機械部が往復運動する必要があり、この駆動にかかるエネルギーロスが相当発生する。同様に水中に機械部を持つため、メンテナンス等の問題が発生する。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【装置のコスト縮減】 【0004】 波の運動をピストンの往復運動に変換しポンプを作動させるため、ピストン等の機械部が必要となっいる。加えて、海中に固定する支持装置が必要となるなど、装置の複雑化、大型化からコスト高につながっている。 【効率性の問題】 【0005】 エネルギーに変換できる波の進入方向に制限がある。また、微小な波については、揚圧力、運動エネルギーは小さく、作用時間も短いため、駆動する部分の質量の大きいピストン方式では、利用可能なエネルギーに変換できない問題があった。 【問題を解決するための手段】 【0006】 本発明では、上記の課題を解決するため、ピストン方式は用いず、海面部に海水を一時貯留する貯留室を設け、水面の上昇とともに海水を取り込み、その後、海面の低下時に相対的に得られる位置エネルギーを利用し海水を移動させる構造とした。このため、複雑な機械部を設けない簡素な構造で、微小な波の位置エネルギーを蓄えることができ、海水を効率よく循環できる装置となる。また、本体は固定式とはせず、耐波設計上有利な浮漂式の構造とした。 本発明の構成は、海面付近に一時貯留室(1)を設ける。一時貯留室(1)の底面には開口部が設ける。その開口部に逆流防止板(弁)(2)を複数取り付ける。また、一時貯留室の下部には、排水用ダクト(3)を設ける。さらに本体にアンカー(4)を設置する。上部に浮体(5)を設けるものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0007】 以下、本発明の実施の形態について説明する。 装置本体を海上に設置する。本体に設置した浮き(5)により、満潮や干潮を問わず常時、海面上に突出している。海底に設置したアンカー(4)により、一時貯留室の一部を残し水没する位置にセットする。波の通過に従い揚圧力が発生し一時貯留室(1)の底面にある開口部より、海水が進入する。また、逆流防止板(弁)(2)が逆流を防止する。貯留室底部にある開口部は小口径かつ多数設け、逆流防止板の質量を小さくし、局所的かつ微小な揚圧力の変化にも追随できるようにした。 【0008】 一時貯留室に取り込まれた海水は、揚圧力により押し上げられ、海底部との間に位置エネルギーの勾配が発生している。このため、取り込まれた海水は、一時貯留室(1)の下部に取り付けた排水ダクト(3)を経由して海底に達する。このようにして、波の通過とともに、連続的に海面付近の海水は一時貯留室に取り込まれ、酸素を多く含んだ海水は海底付近に移送される。 【0009】 海面付近では、本体を上昇させる力が発生するため、これを抑止するため十分な重量のアンカー(4)となっている。 【発明の効果】 【0010】 装置自体は、海水を取り込む一時貯留室、ダクト、アンカー等からなり、機械部をもたない単純な構造であるため、建設及びメンテナンスコストの低減を図られるものである。 【0010】 また、比較的小さな水位の上昇でも、海水を取り込めるため、稼動効率が高くなっている。そもそも波力を利用するため、エネルギー費用のかからない装置である。 建設コスト及び維持コストを押さえることにより、計画的多数配置することができ、小海域から湾全体の海水循環さえも可能となる。 【産業上の利用の可能性】 本発明は、海域の水質を改善し環境保全を行うことであるため、水質改善による産業上の利用の可能性について説明する。 海面養殖の現場では、大量の餌を海面に投棄し使用するため、海底部に食べられなかった餌が沈殿し水質汚濁の原因となる。通常はエアレーションにより、水質浄化を行っているが、メンテナンス費用のほとんどかからない本発明は有効である。 浅水域では、貝類、えびなどの底棲生物が多数生息しており、漁業活動の活発な水域である。しかし風浪により貧酸素水隗が移動・上昇し、浅水域に達すると、逃げられない底棲生物は死滅し水産業に多大に被害を与えることがあるが、浅水域との境界付近に沿って本発明を計画的に配置することにより、貧酸素状態は緩和される。また、鉛直方向の水流を連続的に発生させられれば、カーテン効果により貧酸素水隗の浅水域への移動を阻止できる可能性もあり水産業への多大な貢献の可能性があると考えられる。 【図面の簡単な説明】 【0011】 【図1】本発明の斜視図である。 【図2】本発明の概念図 【符号の説明】 1 一時貯留室 2 逆流防止板 3 排水ダクト 4 アンカー 5 浮き
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| 【出願人】 |
【識別番号】504222300 【氏名又は名称】平野 正浩
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| 【出願日】 |
平成16年5月13日(2004.5.13) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−323576(P2005−323576A) |
| 【公開日】 |
平成17年11月24日(2005.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願2004−171911(P2004−171911) |
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