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【発明の名称】 折り畳み式の魚捕獲器
【発明者】 【氏名】水谷 元哉

【要約】 【課題】魚捕獲器の骨組みにおける摩耗や腐食の発生部位に摩耗や腐食を防ぐ保護部材を部分的に施し、耐久性の大幅な向上を図ることができる折り畳み式の魚捕獲器を提供する。

【解決手段】金属線材を用いたベース枠22の上面側に複数の骨子23乃至25を起伏回動可能となるよう枢着して骨組みを形成し、前記ベース枠22に底網体27を張設すると共に、ベース枠22と一端側に位置する骨子23の間及び各骨子23乃至25間の周囲に沿って網体28を、各骨子23乃至25を所定角度の配置にした状態でベース枠22の上部を覆うことができるように張設し、この網体28の適所に筒状の魚進入路29を設け、前記ベース枠22に、ベース枠22上に倒した骨子25を止めるための係止フック30を取付けた折り畳み式の魚捕獲器21において、前記ベース枠22の各骨子23乃至25を枢着した両側の部位と、前記ベース枠22と骨子25における係止フック30の取り付け部分及びこの係止フック30を係止する部位に、これらの部位の摩耗と腐食を防ぐ保護部材35を取付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属線材を用いたベース枠の上面側に、同じく金属線材を用いて略U字状に形成された複数の骨子を起伏回動可能となるよう枢着して骨組みを形成し、前記ベース枠に底網体を張設すると共に、ベース枠と一端側に位置する骨子の間及び各骨子間の周囲に沿って網体を、各骨子を所定角度の配置にした状態でベース枠の上部を覆うことができるように張設し、この網体の適所に筒状の魚進入路を設け、前記ベース枠と他端側に位置する骨子の一方に、ベース枠上に倒した骨子を止めるための係止フックを取付けた折り畳み式の魚捕獲器において、前記ベース枠の各骨子を枢着した両側の部位と、前記ベース枠と骨子における係止フックの取り付け部分及びこの係止フックを係止する部位に、これらの部位の摩耗を防ぐ保護部材を設けたことを特徴とする折り畳み式の魚捕獲器。
【請求項2】
上記保護部材が、金属もしくは合成樹脂を用いたCリング又はパイプで形成され、ベース枠又は骨子を形成する金属線材に対して外嵌状に取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳み式の魚捕獲器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、海中や水中に設置し、筒状の魚進入路から網内に魚を餌で誘い込んで捕獲すると共に、捕獲した魚を網内から脱出することができないようにする折り畳み式の魚捕獲器に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような従来の折り畳み式の魚捕獲器1は、図9乃至図11に示すように、金属線材を用いて長円形に形成したベース枠2の上面側に、同じく金属線材を用い、前記ベース枠2の略半分のU字状に形成された第1乃至第3の骨子3乃至5を、ベース枠2の中棧6に起伏回動可能となるよう枢着して骨組みを組み立て、前記ベース枠2に底網体7を張設すると共に、ベース枠2と一端側に位置する第1骨子3の間及び各第1乃至第3の骨子3乃至5間の周囲に沿って網体8を、各骨子3乃至5を所定角度の配置にした状態でベース枠2の上部を覆うことができるように張設し、この網体8のベース枠2と第1骨子3の間及び、第2と第3の骨子4、5間に筒状の魚進入路9、9を設け、ベース枠2の他端側先端部に、このベース枠2上に倒した第3の骨子5をベース枠2に対して止めるための係止フック10を取付けた構造になっている。
【0003】
上記の魚進入路9、9は、網体8の部分で開口し、網体8から内側へ先端が小径となる筒状の網で形成され、この魚進入路9、9の先端側がベース枠2の両側に固定した紐11で引っ張り状態に保持され、網体8の内部に対して外部からの魚の侵入を許容し、内側からの魚の脱出を阻止する所謂戻りや返しの機能を有している。
【0004】
上記第1乃至第3の骨子3乃至5のベース枠2に対する枢着は、各骨子3乃至5の両端に屈曲形成した円弧状部12を中棧6に外嵌して取付けることによって行われ、また、係止フック10は、金属線材を用い、一端側に屈曲形成した円弧状部13をベース枠2に回転可能に取付け、他端側に設けた屈曲部14を第3の骨子5に対して係脱させることができる構造になっている。
【0005】
この折り畳み式の魚捕獲器1は、使用しないとき、第1乃至第3の骨子3乃至5をその間に網体8が収まるようにベース枠2上の片側に折り畳み、全体を薄い扁平状とすることにより、嵩張らないようになっている。
【0006】
また、折り畳み式の魚捕獲器1を使用する場合は、第3の骨子5を引き起こすようにすると、網体8を介して第2と第1の骨子3、4が順に引き起され、第3の骨子5をベース枠2上の他方側に重ね、ベース枠2に取付けた係止フック10を第3の骨子5に係止すれば、図11のように第3の骨子5がベース枠2に固定されることで網体8はベース枠2の上部を覆うような展張状態となり、魚進入路9、9が紐11で略水平状態に保持され、網体8の内側に餌を入れた状態でこの魚捕獲器1を海中等に沈める。
【0007】
上記魚捕獲器1には、魚進入路9、9から網体8の内側に魚が侵入し、捕獲した魚は魚捕獲器1を引き上げた後、係止フック10を第3の骨子5から離脱させ、網体8を開くことによって取り出すことができる(特許文献1参照)。
【特許文献1】実公昭57−32695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上記のような折り畳み式の魚捕獲器1は、使用の都度、ベース枠2に対して第1乃至第3の骨子3乃至5を回動させると共に、係止フック10を第3の骨子5に対して係脱させるため、ベース枠2の第1乃至第3の骨子3乃至5と、係止フック10を枢着した部分及び、第3の骨子5の係止フック10が係脱する部位に摩耗が発生することになり、この摩耗が魚捕獲器1の寿命を低下させる原因になっている。
【0009】
また、魚捕獲器1は、海中等に沈めて使用するため、ベース枠2や各骨子3乃至5を形成する金属線材にメッキ等の防錆処理を施してあるが、上記のような摩耗によってすぐに剥がれることになり、この防錆処理の剥がれた部分は電解作用によって錆びることにより、摩耗の発生を増大させると同時に腐食することで、魚捕獲器の耐久性を一段と低下させるという問題がある。
【0010】
そこで、この発明の課題は、魚捕獲器の骨組みにおける摩耗の発生部位に摩耗を防ぐ保護部材を部分的に取付け、耐久性の大幅な向上を図ることができる折り畳み式の魚捕獲器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような課題を解決するため、この発明は、金属線材を用いたベース枠の上面側に、同じく金属線材を用いて略U字状に形成された複数の骨子を起伏回動可能となるよう枢着して骨組みを形成し、前記ベース枠に底網体を張設すると共に、ベース枠と一端側に位置する骨子の間及び各骨子間の周囲に沿って網体を、各骨子を所定角度の配置にした状態でベース枠の上部を覆うことができるように張設し、この網体の適所に筒状の魚進入路を設け、前記ベース枠と他端側に位置する骨子の一方に、ベース枠上に倒した骨子を止めるための係止フックを取付けた折り畳み式の魚捕獲器において、前記ベース枠の各骨子を枢着した両側の部位と、前記ベース枠と骨子における係止フックの取り付け部分及びこの係止フックを係止する部位に、これらの部位の摩耗を防ぐ保護部材を設けた構成を採用したものである。
【0012】
上記保護部材が、金属もしくは合成樹脂を用いたCリング又はパイプで形成され、ベース枠又は骨子を形成する金属線材に対して外嵌状に取付けられている構造とすることができる。
【0013】
ここで、ベース枠は長円形に形成され、骨子は第1乃至第3の骨子からなり、各骨子のベース枠に対する枢着は、各骨子の両端に屈曲形成した円弧状部を中棧に外嵌して取付けることによって行われ、また、係止フックは、金属線材を用い、一端側に屈曲形成した円弧状部をベース枠に回転可能に取付け、他端側に設けた屈曲部を第3の骨子に対して係脱させることができる構造になっている。
【0014】
また、上記した魚進入路は、網体の部分で開口し、網体から内側へ先端が小径となる筒状の網で形成され、この魚進入路の先端側がベース枠の両側に固定した紐で引っ張り状態に保持され、外部からの魚の侵入を許容し、内側からの魚の脱出を阻止する所謂戻りや返しの機能を有している。
【発明の効果】
【0015】
この発明によると、魚捕獲器の骨組みにおける摩耗の発生部位に摩耗を防ぐ保護部材を設けたので、ベース枠と骨子の摩耗が発生する部位を摩耗から保護することで魚捕獲器の寿命を向上させることができる。
【0016】
また、骨組みにおける摩耗の発生部位を保護部材で覆うことにより、ベース枠や各骨子を形成する金属線材に施したメッキ等の防錆処理を損傷させることがなく、防錆処理を維持することで錆びや腐食による耐久性の低下を防ぎ、魚捕獲器の耐久性を大幅に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態を図示例に基づいて説明する。
【0018】
図1乃至図7のように、第1の実施の形態の折り畳み式の魚捕獲器21は、亜鉛等のメッキや樹脂皮膜によって防錆処理を施した金属線材を用いて長円形に形成したベース枠22の上面側に、同じく防錆処理を施した金属線材を用い、前記ベース枠22の略半分のU字状に形成された第1乃至第3の骨子23乃至25を、ベース枠22の中棧26に起伏回動可能となるよう枢着して骨組みを組み立て、前記ベース枠22に底網体27を張設すると共に、ベース枠22と一端側に位置する第1骨子23の間及び各第1乃至第3の骨子23乃至25間の周囲に沿って網体28を、各骨子23乃至25を所定角度の配置にした状態でベース枠22の上部を覆うことができるように張設し、この網体28のベース枠22と第1骨子23の間と、第2と第3の骨子24、25間に筒状の魚進入路29、29を内側に突出するよう設け、ベース枠22他端側に先端部に、ベース枠22上に倒した第3の骨子25をベース枠22に対して止めるための係止フック30を取付けた構造になっている。
【0019】
上記の魚進入路29、29は、網体28の部分で開口し、網体28から内側へ先端が小径となる筒状の網で形成され、この魚進入路29、29の先端側がベース枠22の両側に固定した紐31で引っ張り状態に保持され、網体28の内部に対して外部からの魚の侵入を許容し、内側からの魚の脱出を阻止する所謂戻りや返しの機能を有している。
【0020】
上記第1乃至第3の骨子23乃至25のベース枠22に対する枢着は、各骨子23乃至25の両端に屈曲形成した円弧状部32を中棧26に外嵌して取付けることによって行われ、また、係止フック30は、ステンレスのような金属線材を用い、一端側に屈曲形成した円弧状部33をベース枠22に回転可能に取付け、他端側に設けた屈曲部34を第3の骨子25に対して係脱させることができる構造になっている。
【0021】
上記のような折り畳み式の魚捕獲器21において、ベース枠22の各骨子23乃至25を枢着した中棧26の両側の部位と、前記ベース枠22の係止フック30を取付けた部分及び第3の骨子25の係止フック30を係止する部位の合計四箇所の位置に、これらの部位の摩耗を防ぐと共に、耐食性を維持するための保護部材35が取付けられている。
【0022】
この保護部材35は、図4の(b)と(c)に示すように、ステンレス、真鍮等の金属もしくはビニール等の合成樹脂を用いたCリング又はパイプで形成され、Cリングの場合は骨組みの組み立て後に後付けで、また、パイプの場合は骨組みの組み立て前に先付けによって取付け、ベース枠22又は骨子25を形成する金属線材に対して外嵌状となるようカシメ等によって固定されている。
【0023】
上記のような保護部材35の取付けによって、ベース枠22に対する第1乃至第3の骨子23乃至25の両端に屈曲形成した円弧状部32と係止フック30の円弧状部33は保護部材35に外嵌し、かつ、係止フック30の第3の骨子25に対する係脱は保護部材35を介して行われるので、ベース枠22及び第3の骨子25に対して、第1乃至第3の骨子23乃至25と係止フック30は直接的な接触部分が生じないことになり、これにより、ベース枠22及び第3の骨子25の摩耗発生と防錆処理の損傷発生を防ぐことになる。
【0024】
なお、折り畳み式の魚捕獲器が大型の場合、係止フック30はベース枠22の幅方向の両側に二個が取り付けられた構造となり、従って、保護部材35は、ベース枠22において、両係止フック30の取付け部分と、第3の骨子25の両係止フック30が係脱する二箇所の位置に取付けることになり、保護部材35は合計六箇所に取付けられることになる。
【0025】
また、図8はベース枠に対する骨子の取付け構造の異なる第2の実施の形態の折り畳み式の魚捕獲器21を示している。なお、上述した第1の実施の形態と同一分部には同一符号を付して説明に代える。
【0026】
この第2の実施の形態の魚捕獲器21は、ベース枠22の上面で両側位置に略半円形の取付け軸36を立設し、第1乃至第4の骨子37乃至40の両端に屈曲形成した円弧状部32を取付け軸36に外嵌して取付け、ベース枠22と一端側に位置する第1骨子37の間及び各第1乃至第4の骨子37乃至40間の周囲に沿って網体28を、各骨子37乃至40を所定角度の配置にした状態でベース枠22の上部を覆うことができるように張設し、この網体28のベース枠22と第1骨子37の間と、第3と第4の骨子39、40間に筒状の魚進入路29を内側に突出するよう設け、ベース枠22の他端側に、ベース枠22上に倒した第4の骨子40をベース枠22に対して止めるための係止フック30を取付けた構造になっている。
【0027】
この折り畳み式の魚捕獲器21において、上記両側位置の取付け軸36とベース枠22の係止フック30を取付けた部分及び第4の骨子40の係止フック30を係止する部位の合計四箇所の位置に、これらの部位の摩耗を防ぐと共に、耐食性を維持する保護部材35が施されている。
【0028】
図8(c)は、取付け軸36に対する保護部材35の取付け構造を示し、保護部材35は、略半円形となる取付け軸36の形状に合わせて弧状に成形したCリングを、取付け軸36に外嵌してカシメ等の手段で固定するものである。
【0029】
この発明の魚捕獲器は、上記のような構成であり、第1の実施の形態の魚捕獲器21の場合、使用しないとき、第1乃至第3の骨子23乃至25をその間に網体28が収まるようにベース枠22上の片側に折り畳み、全体を薄い扁平状とすることにより、嵩張らないようになっている。
【0030】
また、折り畳み式の魚捕獲器21を使用する場合は、第3の骨子25を引き起こすようにすると、網体28を介して第2と第1の骨子23、24が順に引き起され、第3の骨子25をベース枠22上の他方側に重ね、ベース枠22に取付けた係止フック30を第3の骨子25に係止すれば、図1と図3のように第3の骨子25がベース枠22に固定されることで網体28はベース枠22の上部を覆うような展張状態となり、魚進入路29、29が紐31で略水平状態に保持され、網体28の内側に餌を入れた状態でこの魚捕獲器21を海中等に沈める。
【0031】
上記魚捕獲器21には、魚進入路29、29から網体28の内側に魚が侵入し、捕獲した魚は魚捕獲器21を引き上げた後、係止フック30を第3の骨子25から離脱させて網体28を開くことによって取り出すことができる。
【0032】
この発明の魚捕獲器21は、骨組みにおける摩耗の発生部位に摩耗を防いで耐食性を維持するための保護部材35を取付けてあるので、ベース枠22と骨子25の摩耗が発生する部位を保護することができ、しかも、ベース枠22や骨子25を形成する金属線材に施したメッキ等の防錆処理を損傷させることがなくなり、防錆処理を維持することで錆びや電解腐食による耐久性の低下を防ぎ、魚捕獲器21の寿命を大幅に向上させることができることになる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明に係る魚捕獲器の第1の実施の形態を示す使用状態の斜視図
【図2】同上の要部を切り欠いた平面図
【図3】同上の要部を切り欠いた側面図
【図4】(a)は図2におけるベース枠への骨子の枢着部分を拡大した平面図、(b)は保護部材であるCリングの斜視図、(c)は保護部材であるパイプの斜視図
【図5】図2の矢印V−Vに沿う拡大断面図
【図6】図4(a)の矢印VI−VIに沿う拡大断面図
【図7】図6の断面図
【図8】(a)はこの発明に係る魚捕獲器の第2の実施の形態を示す使用状態の斜視図、(b)は(a)の矢印VIII−VIIIに沿う拡大断面図、(c)はこの第2の実施の形態に使用する保護部材の斜視図
【図9】従来の魚捕獲器を示す使用状態の斜視図
【図10】同上の要部を切り欠いた平面図
【図11】同上の要部を切り欠いた側面図
【符号の説明】
【0034】
21 折り畳み式の魚捕獲器
22 ベース枠
23 第1の骨子
24 第2の骨子
25 第3の骨子
26 中棧
27 底網体
28 網体
29 魚進入路
30 係止フック
31 紐
32 円弧状部
33 円弧状部
34 屈曲部
35 保護部材
36 取付け軸
37 第1の骨子
38 第2の骨子
39 第3の骨子
40 第4の骨子
【出願人】 【識別番号】504190490
【氏名又は名称】水谷 元哉
【出願日】 平成16年5月17日(2004.5.17)
【代理人】 【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二

【識別番号】100084858
【弁理士】
【氏名又は名称】東尾 正博

【識別番号】100087538
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 和久

【公開番号】 特開2005−323564(P2005−323564A)
【公開日】 平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願番号】 特願2004−146318(P2004−146318)