| 【発明の名称】 |
畜舎の消臭方法および消臭機構 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 拓実
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| 【要約】 |
【課題】安価でかつ効果の高い、畜舎の消臭方法および消臭機構を提供する。
【解決手段】家畜の糞尿による畜舎S内の悪臭を消臭するための畜舎の消臭機構であって、植物性の材料を蒸し焼きにする蒸焼炉2と、蒸焼炉2に連通し、畜舎S内に開口する煙突4とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植物性の材料を蒸し焼きにし、該蒸し焼きの際に発生した煙を畜舎内に充満させて、家畜の糞尿による畜舎内の悪臭を消臭することを特徴とする畜舎の消臭方法。 【請求項2】 前記蒸し焼きを蒸焼炉内で行い、該蒸焼炉内に連通し畜舎内に開口する煙突を通じて、前記煙を畜舎内に導入することを特徴とする請求項1記載の畜舎の消臭方法。 【請求項3】 前記植物性の材料は、農産廃棄物であることを特徴とする請求項1または2記載の畜舎の消臭方法。 【請求項4】 前記植物性の材料は、粒状物であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項記載の畜舎の消臭方法。 【請求項5】 前記植物性の材料は、籾殻、蕎麦殻、おが屑、および木材チップから選ばれる一種以上の材料であることを特徴とする請求項4記載の畜舎の消臭方法。 【請求項6】 家畜の糞尿による畜舎内の悪臭を消臭するための畜舎の消臭機構であって、 植物性の材料を蒸し焼きにする蒸焼炉と、 該蒸焼炉に連通し、畜舎内に開口する煙突とを備えることを特徴とする畜舎の消臭機構。 【請求項7】 前記蒸焼炉は畜舎外に配設され、 前記煙突は、前記蒸焼炉から、畜舎の壁部を貫通して畜舎内に連通されていることを特徴とする請求項6記載の畜舎の消臭機構。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、家畜の糞尿による畜舎内の悪臭を消臭するための畜舎の消臭方法および消臭機構に関する。 【背景技術】 【0002】 従来より、畜産業においては、家畜が飼われる家畜舎や、家畜の糞尿が蓄積される堆肥舎等の畜舎内で発生する家畜の糞尿の悪臭が、近隣住宅に対する悪臭公害等に繋がるため、その消臭方法が種々工夫されている。 従来の消臭方法としては、臭気ガスを水や薬液に溶かして臭いを取る水洗法、臭気ガスをおが屑や籾殻等に通して臭いを取る吸着法、臭気ガスを所定材料に溶解または吸着させ、所定材料中の微生物の働きで臭いを取る生物脱臭法等が考えられている。 【0003】 畜舎の消臭装置および消臭方法の従来例が、特許文献1に記載されている。 特許文献1記載のウインドレス畜舎用脱臭装置は、畜舎内の空気を、畜舎の真下に地下空間が設けられた地下空間に導き、地下空間内に消臭用薬液を放出して、消臭を行う(水洗法の一種である)。 【0004】 【特許文献1】特開2002−35095号公報(段落00028−0038、第1図) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、特許文献1に記載された脱臭装置は、畜舎下に地下空間を設ける必要があって設備コストが嵩むとともに、消臭用薬液の購入や、使用した消臭用薬液の処理・排出にコストが掛かってしまうという課題がある。 また、従来の他の消臭方法である、吸着法や生物脱臭法においても、設備コストやランニングコストが掛かってしまうという課題がある。 【0006】 そこで、本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、安価でかつ効果の高い、畜舎の消臭方法および消臭機構を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本願発明者は、上記課題を解決するために精査研究を行い、直物性の材料を蒸し焼きにした際に発生する煙を畜舎内に充満させると、畜舎内の悪臭が消えることを見い出し、本願発明に到達した。 【0008】 すなわち、本発明に係る畜舎の消臭方法は、上記目的を達成するため次の構成を備える。植物性の材料を蒸し焼きにし、該蒸し焼きの際に発生した煙を畜舎内に充満させて、家畜の糞尿による畜舎内の悪臭を消臭することを特徴とする。 【0009】 さらに、前記蒸し焼きを蒸焼炉内で行い、該蒸焼炉内に連通し畜舎内に開口する煙突を通じて、前記煙を畜舎内に導入することを特徴とする。 これによれば、蒸焼炉により蒸し焼きを行うから、広い場所を占有せず、かつ、より高効率に蒸し焼きを行うことができる。 【0010】 また、前記植物性の材料は、農産廃棄物であることを特徴とする。 これによれば、材料コストが掛からない。 【0011】 また、前記植物性の材料は、粒状物であることを特徴とする。 さらに、前記植物性の材料は、籾殻、蕎麦殻、おが屑、および木材チップから選ばれる一種以上の材料であることを特徴とする。 これによれば、蒸し焼きの際の酸素供給が好適となり、より好適かつ高効率に蒸し焼きがなされる。 【0012】 また、本発明に係る畜舎の消臭機構は、上記目的を達成するため次の構成を備える。すなわち、家畜の糞尿による畜舎内の悪臭を消臭するための畜舎の消臭機構であって、植物性の材料を蒸し焼きにする蒸焼炉と、該蒸焼炉に連通し、畜舎内に開口する煙突とを備えることを特徴とする。 【0013】 さらに、前記蒸焼炉は畜舎外に配設され、前記煙突は、前記蒸焼炉から、畜舎の壁部を貫通して畜舎内に連通されていることを特徴とする。 これによれば、蒸焼炉は畜舎外に配設されることから、畜舎内の場所を取らず、また、蒸焼炉に対する酸素供給が好適となる。 【発明の効果】 【0014】 本発明に係る畜舎の消臭方法および消臭機構によれば、植物性の材料を蒸し焼きにした煙により、効果の高い消臭を行うことができる。また、充満した煙により畜舎内への鼠の侵入を防ぎ、鼠が媒体となるサルモネラ菌の畜舎内における繁殖を防ぐことができる。また、植物性の材料、特には籾殻、蕎麦殻、おが屑、および木材チップ等の農産廃棄物を用いることから、材料コストがほとんど掛からない。さらには、蒸し焼きにより発生した炭は、家畜の糞尿を発酵させる際の水分調整に用いたり、田畑の堆肥として用いることができるため、農家の営農上の経済効率を高めることができる。 また、本発明に係る畜舎の消臭機構によれば、蒸焼炉と煙突といった極簡単な構成であるから、設備コストを低く抑えることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を用いて詳細に説明する。 【実施例1】 【0016】 図1および図2は、本発明に係る畜舎の消臭方法および消臭機構の実施例1を示す説明図である。図1は斜視説明図、図2は断面説明図である。 実施例1の畜舎の消臭機構は、植物性の材料を蒸し焼きにする蒸焼炉2と、蒸焼炉2の内部に連通し、畜舎としての、家畜の糞尿が蓄積される堆肥舎Sの内部に開口する煙突4とを備える。 蒸焼炉2は、堆肥舎S外に配設される。また、煙突4は、蒸焼炉2から、堆肥舎Sの壁部Saを貫通して堆肥舎S内に連通されて開口している。 また、図2に示すように、煙突4の開口端部には、開口端部から若干離間して開口端部に対向するよう、傘部8が設けられる。 【0017】 蒸焼炉2の構成を図3に示す。 蒸焼炉2は、中空の箱状に形成された本体2aと、本体2aの上面に開口部に形成された投入口2eと、投入口2eを開閉自在に覆う蓋部2dと、本体2aの下部側の側面に開口部に形成された空気供給口兼点火口2bと、空気供給口兼点火口2bの若干上方に、本体2a内を上下に分割するように設けられた網部材2cとを備える。 【0018】 空気供給口兼点火口2bには、空気供給口兼点火口2bの開口量aを調節可能な、スライド式の蓋部(風量調節部2f)を設けることで、蒸し焼きの際に本体2a内に供給される空気量を調整可能に設ける。 【0019】 蒸焼炉2の本体2aの上部には、煙突4が連通される。 煙突4の、蒸焼炉2本体2aとの接合部の近傍には、煙量調節弁6が設けられる。煙量調節弁6は、煙突4の側面に周方向に延びて形成されたスリット状の開口部から、煙突4内に挿入された、板状部材から成る。煙量調節弁6は、作業者によって煙突4への挿入量が調節されることで、蒸し焼きの際に本体2a内に発生した煙の、煙突4内へ(堆肥舎S内へ)の流量を調節することができる。 なお、煙量調節弁6は、煙突4の、堆肥舎S内の開口端部側に設けて、煙の堆肥舎S内への流量を調節可能に設けてもよい。 【0020】 次に、実施例1の畜舎の消臭機構を用いた、畜舎の消臭方法を説明する。 【0021】 まず、蒸焼炉2の本体2a内に、蒸し焼きする直物性の材料を投入する。 蒸焼炉2にて蒸し焼きされる植物性の材料は、蓋部2dを開けた状態で投入口2eから本体2a内に投入できる。蓋部2dは、材料の投入時に作業者により開けられ、蒸し焼きの最中の常時は閉じられる。 本体2a内に投入された直物性の材料は、網部材2c上に積層する。 なお、蒸し焼きに用いる直物性の材料としては、籾殻、蕎麦殻、おが屑、および木材チップ等の、粒状の農産廃棄物が好適である。 【0022】 蒸し焼きを開始する際には、本体2a内に直物性の材料を積層した状態で、空気供給口兼点火口2bから火種を投入して、網部材2cの網目を介して、植物性の材料の層の下部に点火する。このように、直物性の材料の層の下部に点火することで、植物性の材料は燻るようにして蒸し焼きされ、炭化される。作業者は、この蒸し焼き(炭化)が好適に進むよう、前記風量調節部2fにより開口量aを調節して、本体2a内に供給される空気量を調整するとよい。 【0023】 ここで、蒸し焼きする植物性の材料として、籾殻、蕎麦殻、おが屑、および木材チップ等の粒状物を用いれば、積層された粒状物中に含まれる空気等により、蒸し焼きの際に供給される空気量が自然に好適となり、蒸し焼きが速やかかつ好適になされる。 【0024】 蒸焼炉2内で蒸し焼きを行うと、発生した煙は煙突4を通じて堆肥舎S内に供給され、堆肥舎S内に充満する。 この際、糞尿の発酵時に発生する熱で上昇気流が発生することにより、堆肥舎S内には空気の対流が発生しているため、堆肥舎S内に供給された煙は、その対流に乗って堆肥舎S内に満遍なく行き渡る。 なお、堆肥舎S内に供給する煙の量は、煙量調節弁6により調節できる。 【0025】 そして、堆肥舎S内に供給された煙により、堆肥舎S内の糞尿による悪臭が消臭されることを、本願発明者は確認している。 本願発明者は、植物の蒸し焼きの際に発生した煙によって、なぜ糞尿の悪臭が消臭されるのかについては、未だ解明には至っていないが、煙が糞尿に浸透するなどすることにより、マスキングの効果によって臭い成分の発生が抑えられるなどによるものと推測している。 【0026】 また、充満した煙により畜舎内への鼠の侵入を防ぎ、鼠が媒体となるサルモネラ菌の畜舎内における繁殖を防ぐことができる。 また、蒸し焼きの結果発生した炭や灰は、堆肥舎S内の糞尿を発酵させる際の水分調整に好適に用いることができる(従来は、農家は、水分調節用の炭化物等を購入する必要があった)。さらに、蒸し焼きする植物性の材料として、籾殻、蕎麦殻、おが屑、および木材チップ等の農産廃棄物を用いれば、材料コストが全く掛からない上、農産廃棄物を処理するためのコストが掛からず、農家にとって非常に経済効率がよい。 【実施例2】 【0027】 本発明に係る畜舎の消臭機構の実施例2を、図4の断面説明図に示す。実施例2の、実施例1との構成上の相違点は、蒸焼炉2が堆肥舎S内に設けられ、煙突4がそのまま堆肥舎S内で開口している点であり、その他の構成は同一である。 【0028】 実施例1と実施例2とを比較すると、実施例1は、蒸焼炉2が堆肥舎S外に設けられているため、堆肥舎S内のスペースを広く取ることができるとともに、蒸焼炉に対する酸素供給が好適となるという利点がある。一方、実施例2は、作業者が堆肥舎S内外に出入する必要なく、堆肥舎S内で糞尿を処理する作業を行いながら、蒸焼炉2に植物性の材料を供給したり風量調節部2f等により燃焼状態を調節したりできるため、作業者の作業効率がよくなるといった利点がある。 【産業上の利用可能性】 【0029】 上記実施の形態においては、家畜の糞尿が蓄積される堆肥舎内を消臭する消臭方法および消臭機構を例に取って説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、家畜が飼われる家畜舎等、家畜の糞尿が置かれる畜舎であれば、あらゆる畜舎に応用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0030】 【図1】本発明の実施例1に係る畜舎の消臭方法および消臭機構を示す説明図である。 【図2】本発明の実施例1に係る畜舎の消臭方法および消臭機構を示す説明図である。 【図3】蒸焼炉の構成を示す説明図である。 【図4】本発明の実施例2に係る畜舎の消臭方法および消臭機構を示す説明図である。 【符号の説明】 【0031】 S 堆肥舎(畜舎) Sa 壁部 2 蒸焼炉 4 煙突
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| 【出願人】 |
【識別番号】599049244 【氏名又は名称】田中 拓実
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| 【出願日】 |
平成16年6月14日(2004.6.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077621 【弁理士】 【氏名又は名称】綿貫 隆夫
【識別番号】100092819 【弁理士】 【氏名又は名称】堀米 和春
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| 【公開番号】 |
特開2005−237369(P2005−237369A) |
| 【公開日】 |
平成17年9月8日(2005.9.8) |
| 【出願番号】 |
特願2004−176030(P2004−176030) |
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