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【発明の名称】 給餌装置
【発明者】 【氏名】安川 和義
【住所又は居所】新潟県白根市大字北田中780番地6 ダイニチ工業株式会社内

【要約】 【課題】回転板とガイド板との隙間に餌が入り込むことを防止し、安定した給餌動作を行うことのできる給餌装置を提供することを目的とする。

【解決手段】餌を収納するホッパー4と、前記ホッパー4の底部に設けられホッパー4内の餌を落下させる排出口8と、回転することにより排出口8から落下した餌を周囲に飛散させる回転板9と、前記回転板9の外周に回転板9と間隔をおいて配置され、餌の飛散方向を制限するガイド板13とを備え、前記ガイド板13は、回転板9の回転方向に対向する側の端部と回転板9との隙間を小さくする形状とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
餌を収納するホッパーと、前記ホッパーの底部に設けられホッパー内の餌を落下させる排出口と、回転することにより排出口から落下した餌を周囲に飛散させる回転板と、前記回転板の外周に回転板と間隔をおいて配置され、餌の飛散方向を制限するガイド板とを備え、前記ガイド板は、回転板の回転方向に対向する側の端部と回転板との隙間を小さくする形状であることを特徴とする給餌装置。
【請求項2】
前記回転板には取付角度が変更可能な羽根が設けられていることを特徴とする請求項1記載の給餌装置。
【請求項3】
前記回転板と、前記回転板の回転方向に対向する側のガイド板との隙間への餌の侵入を防止する遮粒板を有することを特徴とする請求項1または2記載の給餌装置。
【請求項4】
前記遮粒板は前記ガイド板に設けられていることを特徴とする請求項3記載の給餌装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、養殖魚等に餌を与える給餌装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、魚類の養殖においては、人が手作業で餌を与えるのは非常に重労働であり、この手間を省くためタイマー装置を備え、決まった時間に自動で餌を撒く給餌装置が用いられている。
【0003】
しかしながら、餌を撒く範囲が狭いと、餌を摂取する際に競り合いとなり、魚同士が擦れて傷がついてしまうことがあるため、餌の散布範囲は広い方が好ましく、また、養魚を均等に飼育するためには、均等に餌を散布することが必要である。そこで従来の給餌装置には、回転させた円盤の上に餌を落とし、その遠心力により餌を散布する方式が採用され、広範囲かつ均等な給餌が可能となっている。
【0004】
図7、8を用いてこの種の給餌装置を説明する。図7より、給餌装置は筐体1内に粒状またはペレット状の餌を貯蔵するホッパー4を有しており、ホッパー4の底部にはロータリーバルブ6と排出口8が設けられるとともに、排出口8の真下に水平方向に回転するように設置された回転板9を備えている。また、回転板9には複数の羽根11が取り付けられており、回転板9の外周には餌の飛散方向を制限するためのガイド板13が設けられている。
【0005】
よって、ロータリーバルブ6が回転することにより、一定量の餌が排出口8から回転板9の上に落下し、この落下した餌が羽根11の打撃作用と遠心力とにより筐体1の前方に飛散される。なお、餌は図8の破線で囲った方向に飛散し、飛散させる範囲は回転板9の回転速度を変えることで変更できるようになっていて、回転速度が速ければ飛散範囲は広く、反対に回転速度が遅ければ飛散範囲は狭くなる。
【特許文献1】特開2001−330246公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、従来の給餌装置においては、図8にあるようにガイド板がテーパ形状となっているため、回転板とガイド板の間に餌が入り込みやすい構造になっていた。そのため、飛散されずに餌が回転板上に残ってしまった場合、回転板が実線矢印で示す方向に回転しているとすると、餌は破線矢印のように回転板の回転する方向に沿って回転板とガイド板の隙間(図中の斜線部分)に入り込んでしまうことがあった。
【0007】
このような場合、回転板の回転速度が速ければトルクが大きいため、入り込んだ餌は砕けたり弾き出されたりすることもあるのだが、回転速度が遅いときはトルクが小さいため餌が隙間の奥まで入り込み、回転板がロックしてしまう。すると、回転板を駆動するモータに過負荷が加わり、給餌装置の故障の原因となったり、また、給餌動作が停止するため、養魚の生育に悪影響を与えるなどの問題が発生していた。
【0008】
そこで、このような問題を解決するため、回転板がロックしたときは回転方向を反転させロックを解除する方法が考えられている(特許文献1)。しかしながら、ロックした回転板を反転させるには通常の回転に比べて大きな起動トルクが必要となるため、モータのコストがアップする等の問題がある。
【0009】
本発明は上記課題を解決するためのもので、回転板とガイド板との隙間に餌が入り込むことを防止し、安定した給餌動作を行うことのできる給餌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、餌を収納するホッパーと、前記ホッパーの底部に設けられホッパー内の餌を落下させる排出口と、回転することにより排出口から落下した餌を周囲に飛散させる回転板と、前記回転板の外周に回転板と間隔をおいて配置され、餌の飛散方向を制限するガイド板とを備え、前記ガイド板は、回転板の回転方向に対向する側の端部と回転板との隙間を小さくする形状であることを特徴とする給餌装置である。
【0011】
また、前記回転板には取付角度が変更可能な羽根が設けられていることを特徴とする請求項1記載の給餌装置である。
【0012】
また、前記回転板と、前記回転板の回転方向に対向する側のガイド板との隙間への餌の侵入を防止する遮粒板を有することを特徴とする請求項1または2記載の給餌装置。
【0013】
また、前記遮粒板は前記ガイド板に設けられていることを特徴とする請求項3記載の給餌装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上述のように構成したから、回転板とガイド板との隙間に餌が入り込まないため、回転板が停止することを防止でき、安定した給餌動作を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
好適と考える本発明の最良の形態を、本発明の作用効果を示して簡単に説明する。
【0016】
本発明は、回転板の回転により排出口から落下した餌を周囲に飛散させる給餌装置であって、回転板の外周には餌の飛散方向を制限するガイド板を有している。そして、このガイド板と回転板の間には間隔が設けられているが、ガイド板の形状を回転板の回転方向に対向する側との隙間が小さくなるように構成している。
【0017】
従って、排出口から落下した餌が飛散されずに回転板上に残ってしまった場合、餌は回転板の回転に伴い回転板とガイド板との隙間へ入り込もうとするが、回転方向に対向する側(入り込む側)の隙間は小さくなっているので、餌は隙間に入り込めず、給餌装置の外へ落下したり、または回転板の上に留って落下してきた餌とともに飛散される。従って、餌が回転板とガイド板との間に入り込むことによって回転板が停止してしまうことを防止できる。
【実施例1】
【0018】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0019】
図1、図2より、給餌装置の筐体1の上部には、筐体1内に餌を入れるための開閉自在の蓋2が設けられ、この蓋2の上部にはソーラーパネル3が取り付けられている。また、筐体1の内部には養殖魚等に与える粒状またはペレット状等の餌を収納するホッパー4を有し、ホッパー4の底部には回転羽根5を有するロータリーバルブ6、ロータリーバルブ6を駆動するロータリーバルブ駆動モータ7、ロータリーバルブ6の回転により餌を排出する排出口8、排出口8から落下した餌を飛散させる回転板9が設けられている。
【0020】
回転板9は、筐体1下部の凹部10内に排出口8の直下に水平方向に回転するように設置され、回転板9の回転軸上端には回転板9を駆動させるための回転板駆動モータ12が設けられている。さらに、回転板9の上面には回転による打撃作用と遠心力を利用して餌を飛散させるための羽根11が設けられている。
【0021】
この羽根11は、回転板9上の回転軸を通らない線上の角度で外周に向かって取り付けられ、さらに取付角度を変更できるようネジ等により固定されており、取付角度によって餌の飛散範囲を変更することができるようになっている。
【0022】
従って、養殖する池の広さや形状、および養魚の数等によって適した餌の飛散範囲は異なるため、飛散範囲を変更したいときは、ネジで固定されている羽根11の取付角度を変更すればよく、回転板9の回転速度は変える必要がない。つまり、従来は飛散範囲を狭くするとき回転板9の回転速度を遅くしていたため、餌が回転板9とガイド板13の間に挟まりやすくなっていたのだが、本実施例では回転速度を遅くしなくとも飛散範囲を変更できるため、餌が回転板9とガイド板13の間に挟まりにくくなっている。
【0023】
また、図3に示すように回転板9の外周には、餌の飛散方向を制限するガイド板13が回転板9と間隔をおいて設けられており、このガイド板13は、回転板9とガイド板13の間の隙間から餌が入り込まないように回転板9の回転方向(図中の実線矢印)と対向する側の隙間を小さくした形状となっている。
【0024】
従って、排出口8から落下した餌が飛散されずに回転板9上に残ってしまった場合、餌は破線矢印で示すように回転板9の回転に伴い回転方向に対向する側(入り込む側)の隙間へ入り込もうとするが、隙間は小さくなっているので入り込むことができずに、給餌装置の外へ落下したり、または回転板9上に留って落下してきた餌とともに飛散される。
【0025】
そして、14は運転の開始・停止及びタイマーの設定を行う操作部、15はソーラーパネル3からの電気を蓄えて給餌装置を駆動させるためのバッテリであり、バッテリ15への電力の供給源は、ソーラーパネル3の他に商用電源等適宜の方法を採ることもできる。なお、ソーラーパネル3は蓋2に設ける他、バッテリ15と接続していれば給餌装置から離れた位置に設けても構わない。
【0026】
また、ロータリーバルブ6の回転羽根5の端部は、図4(a)に示すようにホッパー4の底部開口面16より上方に突出するように配置されており、回転羽根5の端部が常にホッパー4内の餌と触れるようになっている。つまり、ロータリーバルブ6の回転羽根5が回転することにより、回転羽根5に接している部分の餌が崩れて排出口8に落下するようにしているのである。
【0027】
さらに、ロータリーバルブ6の回転羽根5の一端にはマグネット17が付設されており、このマグネット17を検知してロータリーバルブ6の回転を検知するための回転検出手段18がロータリーバルブ6の側面に設けられている。この回転検出手段18は、マグネット17が回転検出手段18の脇を通過する毎に図示しない制御部へ信号を送るようにしている。なお、本実施例では回転羽根5に付設するマグネット17を2個としているが、本実施例に限定されるものではなく、回転羽根5の枚数によって適宜選定すれば良い。
【0028】
次に上記構成における動作を説明する。
【0029】
ホッパー4に餌が収納されており、この状態で図示しない運転スイッチを操作するか、または予め設定されたタイマ時刻になると運転開始となり、まず回転板駆動モータ12が駆動して回転板9が回転始動する。そして、回転板9が始動してから短時間後にロータリーバルブ駆動モータ7に給電がなされロータリーバルブ6が回転始動する。よってホッパー4内の餌は少量ずつ排出口8から回転板9の上に落下し、落下した餌は回転している回転板9の羽根11の打撃作用と遠心力とにより回転板9の外周方向に飛ばされ、凹部10から勢いよく飛散される。
【0030】
また、運転中にロータリーバルブ6が正常に回転しているかを回転検出手段18により監視している。ロータリーバルブ6が回転すると回転羽根5に付設されているマグネット17も回転するので、マグネット17は所定の間隔で回転検出手段18の脇を通過することになる。そこで、回転検出手段18はマグネット17の通過を検知すると図示しない制御部に信号を送り、制御部ではその間隔が正常値の範囲内であるかを判断するようになっており、もしも、ロータリーバルブ6の回転が遅くなったり停止したりすると、回転検出手段18が検出するマグネット17の通過時間は正常値の範囲外となるので、制御部では回転異常と判断してロータリーバルブ駆動モータ7を停止させるのである。
【0031】
その後、予め設定された給餌時間が終了するか、若しくは停止スイッチが操作された場合には、運転停止動作が実行される。
【0032】
回転検出手段18はロータリーバルブ6の回転羽根5がホッパー4の底部開口面16を閉塞する位置にくるとロータリーバルブ6に付設したマグネット17を検知するような位置に設けられているので、図4(b)に示すようにマグネット17が回転検出手段18の位置に来たときに回転検出手段18からの信号により、制御部はロータリーバルブ駆動モータ7への給電を止め、ロータリーバルブ6の回転を停止させる。
【0033】
従って、ホッパー4の底部開口面16を完全に閉塞する所定位置でロータリーバルブ6が停止するので、これ以降、振動等を受けてもホッパー4内の餌が排出口8から回転板9の上に落下することを確実に防止できる。そのため、湿気を帯びた餌が回転板9や羽根11の表面にへばりつくことがなく、排出口から害虫や小動物が侵入することがなくなるのである。
【0034】
そして、ロータリーバルブ6の回転が停止した後も排出口8付近や回転板9上の餌を完全に飛散させるために、回転板9はしばらく回転し続け、所定時間駆動した後、停止して給餌は終了となる。
【実施例2】
【0035】
図5、図6は本発明の実施例2の給餌装置であって、ガイド板13の回転板9の回転方向と対向する側の端部には、遮粒板19が先端を回転板9に臨ませるようにして設けられており、遮粒板19の先端は回転板9の回転を阻害しない程度に回転板9に近接している。よって、もし回転板9とガイド板13との間に入り込めるほど粒径の小さい餌があったとしても、この遮粒板19との隙間には入り込むことができないので、より確実に餌の入り込みを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施例に係る給餌装置の斜視図である。
【図2】本実施例に係る給餌装置の断面図である。
【図3】本実施例に係る給餌装置の上部断面図である。
【図4】本実施例に係る給餌装置の(a)運転時、(b)停止時のロータリーバルブ付近の図である。
【図5】本実施例2に係る給餌装置の斜視図である。
【図6】本実施例2に係る給餌装置の上部断面図である。
【図7】従来の給餌装置の斜視図である。
【図8】従来の給餌装置の上部断面図である。
【符号の説明】
【0037】
4 ホッパー
8 排出口
9 回転板
13 ガイド板
11 羽根
19 遮粒板
【出願人】 【識別番号】000109026
【氏名又は名称】ダイニチ工業株式会社
【住所又は居所】新潟県新潟市北田中780番地6
【出願日】 平成16年2月25日(2004.2.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−237227(P2005−237227A)
【公開日】 平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願番号】 特願2004−48925(P2004−48925)