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【発明の名称】 魚釣用リ−ル
【発明者】 【氏名】小林 幹春
【住所又は居所】東京都東久留米市前沢3丁目14番16号 ダイワ精工株式会社内

【要約】 【課題】枠体と反ハンドル側の側板の係脱作業が容易で良好な握持保持性が得られる魚釣用リ−ルを提供することである。

【解決手段】枠体1の左側枠1aに開口部1fが形成されてその外側の複数箇所に中心に向けてL字形の係合部1gが形成され、開口部1fの前側の上部の左右両側枠1aに透孔1hが形成されて螺杆5がハンドル側から挿通されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リ−ル本体の枠体の両側に装着された左右側板間に配置されたスプ−ルを前記一方の側板に設けたハンドルの回転操作で巻き取り回転可能とすると共に、他方の側板内側に一体的に形成した筒体を前記枠体の開口部に嵌挿し、該筒体と開口部との間に形成した係合手段により、前記枠体に対して前記反ハンドル側の他方の側板を着脱自在に抜け止め固定した魚釣用リ−ルにおいて、前記ハンドル側の側板から反ハンドル側の側板に向けて嵌挿された螺杆の締め付けによって、該反ハンドル側の側板を前記枠体に対して回り止め固定したことを特徴とする魚釣用リ−ル。
【請求項2】
前記螺杆は、スプ−ル軸より上部で且つ前方におけるリ−ル本体の左右側板間に配置されていることを特徴とする請求項1記載の魚釣用リ−ル。
【請求項3】
前記螺杆は、枠体の両側間に露出状態で配置されていることを特徴とする請求項2記載の魚釣用リ−ル。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、リ−ル本体の側板間に回転自在に支持したスプ−ルを、一方の側板に設けたハンドルの回転操作によって巻き取り回転して釣糸をスプ−ルに巻回する魚釣用リ−ルの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
リ−ル本体の側板間にスプ−ルを回転自在に支持してなる魚釣用リ−ルのメンテナンス(スプ−ル交換、内部の清掃、バックラッシュ現象の復元作業等)を行い易くするために、リ−ル本体のフレ−ムに対して反ハンドル側の側板の着脱を容易とし、スプ−ルの着脱や内部清掃を容易としたものが、特許文献1及び特許文献2等で見られるように知られている。
【特許文献1】実用新案登録第2572085号公報
【特許文献2】特開平8−256648号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする問題点は、特許文献1の公報の構成は、反ハンドル側側板に一体形成した爪部を有する筒部を、係合凹部を有するフレ−ムのスプ−ル開口部に嵌合回転して抜け止め固定するに際し、筒部の爪部とフレ−ムの係合凹部との間に弾性部材を介在して反ハンドル側側板をフレ−ムに弾性作用で密着固定する構成であるが、フレ−ムのスプ−ル開口部(係合凹部)に反ハンドル側側板の筒部(爪部)を嵌合回転させて係止する時、弾性力に抗して回転させることになるために重くなり、作業性が悪い。
又、弾性部材が長期使用で劣化、変形、摩耗、或は、異物付着により損傷したり等の不具合が生じ易く、反ハンドル側側板のフレ−ムに対する密着固定を安定して維持出来ない。
【0004】
特許文献2の公報の構成は、反ハンドル側側板に一体的に形成した爪部を有する筒部を、係合凹部を有するフレ−ムのスプ−ル開口部に嵌合回転して抜け止め固定する構成として、反ハンドル側側板に設けた制動装置の調節ツマミの中央部に装着したネジ部材で、フレ−ムに対して反ハンドル側側板を抜け止め固定しているので、反ハンドル側側板の幅寸法が大型化して握持保持性に劣ると共に、保持する掌に露出したネジ部材が位置するので、保持の際に違和感が生じる。
又、魚のヌメリ、異物が付着している掌に触れるので、ネジ部材が汚れてネジ山も詰まり易く、着脱作業が容易に行えなくなる問題も生じる。
【0005】
本発明の目的は前記欠点に鑑み、枠体と反ハンドル側の側板の係脱作業が容易で良好な握持保持性が得られる魚釣用リ−ルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1は、リ−ル本体の枠体の両側に装着された左右側板間に配置されたスプ−ルを前記一方の側板に設けたハンドルの回転操作で巻き取り回転可能とすると共に、他方の側板内側に一体的に形成した筒体を前記枠体の開口部に嵌挿し、該筒体と開口部との間に形成した係合手段により、前記枠体に対して前記反ハンドル側の他方の側板を着脱自在に抜け止め固定した魚釣用リ−ルにおいて、前記ハンドル側の側板から反ハンドル側の側板に向けて嵌挿された螺杆の締め付けによって、該反ハンドル側の側板を前記枠体に対して回り止め固定したことを要旨とするものである。
本発明の請求項2は、前記螺杆は、スプ−ル軸より上部で且つ前方におけるリ−ル本体の左右側板間に配置されていることを要旨とするものである。
本発明の請求項3は、前記螺杆は、枠体の両側間に露出状態で配置されていることを要旨とするものである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の本発明により、ハンドル側の右側側板から反ハンドル側の左側側板に向けて嵌挿された螺杆の締め付けにより、反ハンドル側の左側側板を枠体に対して回り止めした状態で締め付け固定する構成を採用したので、枠体の開口部に対する反ハンドル側の左側側板の筒体を嵌合回転しての係脱作業を、抵抗力の影響を受けずに容易に行え、作業性が向上すると共に反ハンドル側の左側側板の外側に締め付け部材が存在しないので、良好な握持保持性が得られ、又、握持保持の際の異物付着による影響も防止できる。
請求項2の本発明により、リ−ル本体のスプ−ル軸より上部で且つ前方に締め付け部材(螺杆)が配置されているので、握持保持の際に邪魔にならず、魚釣り操作性が向上する。
請求項3の本発明により、螺杆を枠体の左右両側枠間に露出状態で配置したので、釣糸放出操作時におけるバックラッシュ現象(スプ−ル過回転で、釣糸が径方向外方に膨出)が生じても、螺杆に釣糸を接触させることによって枠体の左右両側枠間に架設された支柱サムレストへの直接的な接触を抑制できるので、釣糸への傷発生が抑えられて釣糸の寿命が伸びる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
枠体1の左側枠1aの大径の開口部1fに一方のフランジ部4bが嵌挿され、開口部1fの外側の複数箇所に中心方向に向けてL字形で鈎形の係合部1gが形成されると共に、開口部1fの前側の上部の左右両側枠1a、1bに透孔1h、1iが形成されている。
反ハンドル側の左側側板2に大径の筒体2bが形成されて筒体2bの先端外周には開口部1fの内径に嵌合される嵌合筒部2cが形成されている。
筒体2bの外周には軸線方向に複数本の突堤が形成されて突堤に周方向のスリ割溝2dで周方向の矩形の係合部2eが形成されている。
係合部2eは係合部1gに係合されて係合手段が構成されている。
透孔1h位置の外側の反ハンドル側の左側側板2の縁には縁面から幾分突出するように突出部2fが形成されて突出部2fにナット13が埋設されている。
透孔1i位置の外側のハンドル側の右側側板3には透孔3aが穿設されている。
透孔3aと透孔1iと透孔1hには螺杆5が挿通されてネジ部5aはナット13に螺合される。
螺杆5のハンドル側にはツマミ5bが設けられ、側枠1bとハンドル側の右側側板3の中の螺杆5にEリングが嵌合されて抜け止めされている。
螺杆5はサムレスト1cの下側でスプ−ル4の上方で露出されている。
【実施例1】
【0009】
以下、図示の実施例によって本発明を説明すると、魚釣用リ−ルを魚釣用両軸受型リ−ルで述べれば、図1は魚釣用両軸受型リ−ルの要部断面平面図、図2は枠体から反ハンドル側の側板が係脱された要部拡大断面平面図、図3は魚釣用両軸受型リ−ルの要部断面背面図、図4は枠体から反ハンドル側の側板が係脱された要部拡大断面背面図、図5は枠体の両側枠間の断面側面図、図6は反ハンドル側の枠体の側面図、図7は反ハンドル側の側板の内側の側面図、図8は反ハンドル側の枠体に反ハンドル側の側板が開口部と筒体で嵌合された拡大側面図である。
【0010】
魚釣用両軸受型リ−ルは、リ−ル本体Aが枠体1と枠体1の左右両側枠1a、1bに取り付けられた反ハンドル側の左側側板2とハンドル側の右側側板3で構成されている。
枠体1は左右両側枠1a、1bと左右両側枠1a、1b間の前側上部を覆うサムレスト1cとリ−ル脚1dと固定板1eが一体的に、かつ左右両側枠1a、1bが平行に保持されている。
左右両側枠1a、1b間の前側にはフロントカバ−10が取り付けられている。
左側枠1aには大径の開口部1fが形成されている。
両側枠1a、1b間にはスプ−ル4が配設され、スプ−ル4が固定されたスプ−ル軸11は反ハンドル側の左側側板2に取り付けられた一方の軸受12と側枠1b側に取り付けられた図示しない他方の軸受で回転可能に軸承されている。
スプ−ル4は釣糸巻回胴部4aと両側のフランジ部4b、4cで形成されている。
開口部1fの内径は一方のフランジ部4bの外径より幾分大きく形成されている。
開口部1fの外側の複数箇所に中心方向に向けてL字形で鈎形の係合部1gが形成されている。
開口部1fの前側の上部の左右両側枠1a、1bに透孔1h、1iが形成されている。
【0011】
反ハンドル側の左側側板2には軸受12を保持する筒部2aが一体形成され、その外側に大径の筒体2bが一体形成されている。
筒体2bの先端外周には開口部1fの内径に嵌合される嵌合筒部2cが形成されている。
筒体2bの外周には軸線方向に複数本の突堤が形成されて突堤に周方向のスリ割溝2dで周方向の矩形の係合部2eが形成されている。
係合部2eは係合部1gに係合されて係合手段が構成されている。
透孔1h位置の外側の反ハンドル側の左側側板2の縁には縁面から幾分突出するように突出部2fが形成されて突出部2fにナット13が埋設されている。
透孔1i位置の外側のハンドル側の右側側板3には透孔3aが穿設されている。
透孔3aと透孔1iと透孔1hには螺杆5が回動可能に挿通されてネジ部5aはナット13に螺合される。
左側枠1aの螺杆5が突出する位置の内側面を1jとする。
螺杆5のハンドル側にはツマミ5bが設けられ、側枠1bとハンドル側の右側側板3の中の螺杆5にEリングが嵌合されて抜け止めされている。
螺杆5はサムレスト1cの下側でスプ−ル4の上方で露出されている。
螺杆5はサムレスト1cの中に開けた透孔に挿通するようにしてもよい。
【0012】
スプ−ル軸11にピニオン6が嵌合されると共に軸方向に移動可能に軸承され、スプ−ル軸11とピニオン6にはクラッチ機構の図示しなし係合凹部と係合凸部が設けられている。
クラッチ機構のON/OFF操作は左右両側枠1a、1b間の後側に設けられた押圧操作部7で操作される。
ピニオン6には駆動歯車14が噛合されている。
駆動歯車14はハンドル軸15に摩擦結合され、ハンドル側の右側側板3から突出したハンドル軸15にハンドル16が取り付けられている。
ハンドル16がスプ−ル4に釣糸が巻回される方向に回転されると、駆動歯車14とピニオン6を介してスプ−ル4が回転される。
左右両側枠1a、1b間のスプ−ル4より釣糸繰出し方向側に図5のように釣糸案内装置Bが設けられている。
【0013】
枠体1の左側枠1aに反ハンドル側の左側側板2が取り付けられる時は、螺杆5をハンドル側に引っ込めて図8のように反ハンドル側の左側側板2を傾けて筒体2bの嵌合筒部2cを開口部1fの内径に嵌挿し、左側側板2を時計方向に回動すると、係合部2eは係合部1gに係合される。
この時、左側側板2の外周形状が左側枠1aの外周形状に合致したところで、左側側板2の縁面から幾分突出した突出部2fが左側枠1aの内側面1jとの係合による協動作用で規制されて左側側板2の時計方向の回動が停止される。
尚、突出部2fは左側側板2の縁面と同一面にして手の指の感触で左側枠1aと左側側板2の外周形状の合致を感知してもよい。
次に螺杆5を押し込んでネジ部5aをナット13に螺合して締め付けると枠体1に反ハンドル側の左側側板2が回り止め固定されると共に、枠体1の左側枠1aの外周形状と左側側板2の外周形状が一致した状態に位置決めされて固定される。
枠体1から反ハンドル側の左側側板2が離脱される時は、螺杆5を緩めて引出し、反ハンドル側の左側側板2を反時計方向に回動することで離脱できる。
【0014】
魚釣用両軸受型リ−ルの動作は、押圧操作部7が上方にあるクラッチ機構のON状態でハンドル16がスプ−ル4に釣糸17が巻回される方向に回転されると、駆動歯車14とピニオン6を介してスプ−ル軸11とスプ−ル4が回転され、釣糸案内装置Bで案内された釣糸17がスプ−ル4に巻き取られる。
【0015】
前記のように魚釣用リ−ルが構成されると、ハンドル側の右側側板3から反ハンドル側の左側側板2に向けて嵌挿された螺杆5の締め付けにより、反ハンドル側の左側側板2を枠体1に対して回り止めした状態で締め付け固定する構成を採用したので、枠体1の開口部1fに対する反ハンドル側の左側側板2の筒体2bを嵌合回転しての係脱作業を、抵抗力の影響を受けずに容易に行え、作業性が向上すると共に反ハンドル側の左側側板2の外側に締め付け部材が存在しないので、良好な握持保持性が得られ、又、握持保持の際の異物付着による影響も防止できる。
リ−ル本体Aのスプ−ル軸11より上部で且つ前方に締め付け部材(螺杆5)が配置されているので、握持保持の際に邪魔にならず、魚釣り操作性が向上する。
螺杆5を枠体1の左右両側枠1a、1b間に露出状態で配置したので、釣糸放出操作時におけるバックラッシュ現象(スプ−ル過回転で、釣糸17が径方向外方に膨出)が生じても、螺杆5に釣糸17を接触させることによって枠体1の左右両側枠1a、1b間に架設された支柱サムレスト1cへの直接的な接触を抑制できるので、釣糸17への傷発生が抑えられて釣糸の寿命が伸びる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
前記説明では、魚釣用リ−ルを手巻き専用の魚釣用両軸受型リ−ルで述べたが、電動リ−ルに実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】魚釣用両軸受型リ−ルの要部断面平面図である。
【図2】枠体から反ハンドル側の側板が係脱された要部拡大断面平面図である。
【図3】魚釣用両軸受型リ−ルの要部断面背面図である。
【図4】枠体から反ハンドル側の側板が係脱された要部拡大断面背面図である。
【図5】枠体の両側枠間の断面側面図である。
【図6】反ハンドル側の枠体の側面図である。
【図7】反ハンドル側の側板の内側の側面図である。
【図8】反ハンドル側の枠体に反ハンドル側の側板が開口部と筒体で嵌合された拡大側面図である。
【符号の説明】
【0018】
A リ−ル本体
1 枠体
1f 開口部
1g 係合部
2 反ハンドル側の側板
2b 筒体
2e 係合部
3 ハンドル側の側板
4 スプ−ル
5 螺杆
11 スプ−ル軸
16 ハンドル
【出願人】 【識別番号】000002495
【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
【住所又は居所】東京都東久留米市前沢3丁目14番16号
【出願日】 平成16年2月9日(2004.2.9)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−218401(P2005−218401A)
【公開日】 平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願番号】 特願2004−31811(P2004−31811)