| 【発明の名称】 |
家畜ふん尿流出リスクシミュレーションシステム |
| 【発明者】 |
【氏名】山田 巧
【氏名】南雲 俊之
【氏名】加藤 忠
【氏名】波多野 隆介
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| 【要約】 |
【課題】畜産業における家畜ふん尿の発生量と処理施設容量を比較し、処理しきれない分のふん尿の流出事故に備え、その危険度を予測するシステムを提供する。
【解決手段】家畜の飼養頭数と飼育方法からふん尿発生量を自動計算し、農家が保有する処理施設容量と比較することで超過分を算出する。その中に含有する有機成分(窒素、リン、カリ等)を自動計算し、処理しきれない分が流出した環境影響の危険度をシミュレーションする方法を提供する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 畜産業において発生する家畜ふん尿の処理施設容量超過分の流出リスクポテンシャルをシミュレーションするシステムにおいて、 家畜の種別ごとの飼養頭数と家畜の種別ごとの放牧日数から処理すべきふん尿の容積を自動計算するサブモジュールと、 各農家のふん尿処理方法に基づくふん尿処理施設の容量と前記処理すべきふん尿の容積を比較し、処理可能量を超過するふん尿量を算出するサブモジュールと、 前記処理可能量を超過するふん尿量中に含有する環境影響成分の総量を自動計算し、流出リスクポテンシャル量として環境影響の危険度を表示するサブモジュールと、 を具備することを特徴とする家畜ふん尿流出リスクポテンシャルシミュレーションシステム。 【請求項2】 前記処理すべきふん尿の容積を自動計算するサブモジュールは、飼養頭数に家畜の種別、月齢、乳用牛では搾乳・乾乳の別・搾乳量により異なる原単位を乗じて、ふん尿現物発生量を算出し、飼養頭数と放牧日数より放牧中のふん尿発生量を算出し、前記ふん尿現物発生量から放牧中のふん尿発生量を引くことにより処理すべきふん尿量を算出するものであることを特徴とする請求項1記載の家畜ふん尿流出リスクポテンシャルシミュレーションシステム。 【請求項3】 前記処理可能量を超過するふん尿量を算出するサブモジュールは、ふん尿処理方法に基づくふん尿処理施設の容量と、前記処理施設により形成された有機資源の散布回数を乗じたものとして算出し、前記処理すべきふん尿量よりの差分から、処理可能量を超過するふん尿量を算出するものであることを特徴とする請求項1または2記載の家畜ふん尿流出リスクポテンシャルシミュレーションシステム。 【請求項4】 前記環境影響の危険度を表示するサブモジュールは、前記処理可能量を超過するふん尿量に環境影響成分の含有率の原単位を乗じることにより環境影響成分の総量を算出するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の家畜ふん尿流出リスクポテンシャルシミュレーションシステム。 【請求項5】 前記環境影響成分の総量に、単位あたりの浄化処理費用を乗じて、流出事故時の被害損害額に換算して表示することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の家畜ふん尿流出リスクポテンシャルシミュレーションシステム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、家畜ふん尿由来の環境汚染物質が適切に処理されずに、大雨、洪水等により河川や閉鎖系水域へ流出した場合の危険度を定量的に推定する方法に関する。 【背景技術】 【0002】 家畜ふん尿由来の環境影響評価に関しては、例えば平成11年度〜平成13年度科学研究費補助金(基盤研究(B)(2))研究成果報告書「森林草地畜産流域複合生態系における最適窒素循環量の見積もり(研究課題番号11460028)」にあるように、化学肥料散布量、家畜飼養頭数、収穫量などの営農情報や物性定数としてアンモニア揮散量、脱窒量等を考慮し、圃場あるいは農場における窒素の収支を計算するモデルの一例は既開発である。この技術によれば、圃場の窒素収支から圃場排水中の窒素濃度が推測可能である。 【非特許文献1】平成11年度〜平成13年度科学研究費補助金(基盤研究(B)(2))研究成果報告書「森林草地畜産流域複合生態系における最適窒素循環量の見積もり(研究課題番号11460028)」 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 上記従来技術は、圃場全体の窒素収支を計算することで面源汚染に関わる環境影響評価を実行し、圃場排水中の窒素濃度を環境基準と照らし合わせて評価可能である。該従来技術によれば化学肥料や堆肥の過剰施肥に起因する環境影響評価が可能となる。 【0004】 一方、畜産業におけるふん尿由来汚染物質の流出過程は、面源に起因するものばかりではない。処理施設容量不足に起因する野積み等の不適切な処理により、放置されているふん尿が大雨等の自然災害時に流出事故を引き起こした場合のリスクポテンシャル、いわゆる点源汚染に関する定量的な評価手法は確立されていない。 【0005】 本発明の目的は、家畜ふん尿由来の点源汚染に関する定量的な環境影響評価手法を提供することにより、農家、あるいは地域に配備されているふん尿処理施設容量が適切であるかどうかを判断し、不足している場合は、流出事故発生時の規模を定量的に推測するシミュレーションシステムを実現することにある。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明は、上記目的を達成するため、畜産業において発生する家畜ふん尿の処理施設容量超過分の流出リスクポテンシャルをシミュレーションするシステムにおいて、家畜の種別ごとの飼養頭数と家畜の種別ごとの放牧日数から処理すべきふん尿の容積を自動計算するサブモジュールと、各農家のふん尿処理方法に基づくふん尿処理施設の容量と前記処理すべきふん尿の容積を比較し、処理可能量を超過するふん尿量を算出するサブモジュールと、前記処理可能量を超過するふん尿量中に含有する環境影響成分(窒素、リン、カリ、等)の総量を自動計算し、流出リスクポテンシャル量として環境影響の危険度を表示するサブモジュールと、を具備することを特徴とする。 【発明の効果】 【0007】 本発明によれば、飼養頭数、施設容量など簡単な既知の情報を入力するだけで、家畜ふん尿処理施設容量の過不足が瞬時に判断でき、不足している場合は、定量的な環境リスクポテンシャル量を使用者に提示できるシステムを実現できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 本発明によれば、家畜の飼養頭数、放牧日数から原単位を用いて処理すべきふん尿量を自動計算する。原単位は家畜の種別と月齢によって異なる値を用い、さらに乳用牛の場合は、搾乳・乾乳の別、搾乳量などで補正する。こうして求めたふん尿発生量と農家あるいは地域が保有する処理施設容量を比較することで、処理施設の過不足分を算出する。 【0009】 処理施設が不足している場合は、超過分のふん尿に含有される環境影響成分(窒素、リン、カリ、等)の総量を原単位に基づき自動計算し、それぞれの総量を流出ポテンシャルとする。ここで流出ポテンシャルは、大雨等の自然災害時に流出される最大値で、環境負荷の目安となる。 【実施例】 【0010】 本発明は、畜産業におけるふん尿処理施設不足に伴う家畜ふん尿の流出リスクポテンシャルを推定するシミュレーションシステムに関する。 【0011】 以下、フローチャートを参照して本発明の実施例を説明する。図1は本発明によるプログラムの窒素成分を計算するフローチャートである。なお、ふん尿現物に窒素成分比を乗じる過程をリン、カリ等に置き換えることで、リン、カリ等あらゆる環境影響成分の評価に応用できることは言うまでもない。 【0012】 各農家から聞き出す情報は、家畜種別ごとの飼養頭数H1と放牧日数H2、処理方法S1と方法別の施設S2容量及び前記処理方法および施設容量による処理によって形成された有機資源の散布回数である。 【0013】 飼養頭数H1からは、家畜の種別(乳用牛、肉用牛、豚、鶏、馬、等)、月齢、乳用牛では搾乳・乾乳の別・搾乳量により異なるふん尿現物原単位H3を用いて、ふん尿発生総量(ふん尿現物発生量)H4を計算する。表1、表2に酪農の場合の乳用牛のふんおよび尿のふん尿現物原単位の例を示す。 【0014】 家畜の種別ごとの放牧頭数および放牧日数H2からは放牧中に発生するふん尿H5が計算される。その分は施設で処理すべきものではないため、ふん尿発生総量H4から放牧中のふん尿発生量H5を差し引いた値を処理すべきふん尿の総量(ふん尿処理必要量)H6とする。ここで、H1からH5が家畜の種別ごとの飼養頭数と家畜の種別ごとの放牧日数から処理すべきふん尿の容積を自動計算するサブモジュールを構成する。 【0015】 一方、ふん尿処理方法S1別(堆肥、スラリー、メタン発酵、等)の施設(堆肥盤、堆肥舎、尿溜め、スラリータンク、メタン発酵消化液タンク、等)S2容量に、前記処理方法および施設容量で生産されたそれぞれの有機資源の散布回数を乗じた値が、処理可能な容量(ふん尿貯蔵可能量)S3と算出される。ここで、S1からS4が各農家のふん尿処理方法に基づくふん尿処理施設の容量と前記処理すべきふん尿の容積を比較し、処理可能量を超過するふん尿量を算出するサブモジュールとなる。 【0016】 処理すべきふん尿の総量(ふん尿処理必要量)H6から処理可能な容量(ふん尿貯蔵可能量)S3の差し引いた差分が、処理施設容量を超過したふん尿の容積(超過ふん尿量)S4である。ここで、S1からS4が、各農家のふん尿処理方法に基づくふん尿処理施設の容量と前記処理すべきふん尿の容積を比較し、処理可能量を超過するふん尿量を算出するサブモジュールとなる。 【0017】 この値に窒素含有率のN原単位R1を乗じることで窒素の流出リスクポテンシャル(貯蔵不能ふん尿量)R2が自動計算される。ここで、R1およびR2が前記処理可能量を超過するふん尿量中に含有する環境影響成分の総量を自動計算し、流出リスクポテンシャル量として環境影響の危険度を表示するサブモジュールである。 【0018】 ここで、算出された量(貯蔵不能ふん尿量)は窒素量(NKg)として計算されるが、単位あたりの浄化処理費用を乗じることで、流出事故発生時の被害を損害額(ふん尿流出事故の危険度)R3に換算して表示することも可能である。 【0019】 【表1】
【0020】 【表2】
【産業上の利用可能性】 【0021】 家畜の飼養頭数と飼育方法からふん尿発生量を自動計算し、農家が保有する処理施設容量と比較することで超過分を算出し、その中に含まれる有機成分を自動計算し、処理しきれない分が流出したときの環境影響の危険度をシミュレーションする。 【図面の簡単な説明】 【0022】 【図1】システムで用いたプログラムのフローチャート。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004226 【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
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| 【出願日】 |
平成16年2月6日(2004.2.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082717 【弁理士】 【氏名又は名称】雨宮 正季
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| 【公開番号】 |
特開2005−218383(P2005−218383A) |
| 【公開日】 |
平成17年8月18日(2005.8.18) |
| 【出願番号】 |
特願2004−30558(P2004−30558) |
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